JPH07258774A - 電子機器用高力高導電性銅合金 - Google Patents

電子機器用高力高導電性銅合金

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JPH07258774A
JPH07258774A JP6075422A JP7542294A JPH07258774A JP H07258774 A JPH07258774 A JP H07258774A JP 6075422 A JP6075422 A JP 6075422A JP 7542294 A JP7542294 A JP 7542294A JP H07258774 A JPH07258774 A JP H07258774A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リ−ドフレ−ム等の電子機器材に望まれる強
度,電気的特性,曲げ加工性,プレス打抜き性等を十分
に満たす金属材料を提供する。 【構成】 電子機器用の銅合金を、Cr:0.05〜0.40%,
Zr:0.03〜0.25%,Fe:0.10〜1.80%,Ti:0.10〜0.80
%,S:0.0005以上0.0080%未満を含むか、あるいは更
に Zn:0.05〜2.0 %,Sn,In,Mn,P,Mg及びSiの1種以
上:総量で0.01〜1% のうちの1種以上を含有すると共に、“0.10%≦Ti≦0.
60%”ではFe/Ti重量比が0.66〜2.6 を満足し、また
“0.60%<Ti≦0.80%”ではFe/Ti重量比が1.1 〜2.6
を満足していて残部がCu及び不可避的不純物から成り、
かつ平均結晶粒径が60μm以下に調整されて成る構成
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トランジスタや集積
回路(IC)等のような半導体機器のリ−ド材として好
適な、高い強度や電気伝導性等に加えて優れた曲げ加工
性及びプレス打抜き性をも備えた電子機器用高力高導電
性銅合金に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】近年のICパッケ−ジの動向は
“軽薄短小化”に象徴されてきたが、最近、表面パッケ
−ジの普及によってその傾向は益々促進され、更にIC
チップの高機能化に伴う多ピン化及び低発熱化も同時に
進んでいる。一方、ICパッケ−ジの形態に係る具体的
な変遷過程を見ると、従来はDIPに代表されるピン挿
入型パッケ−ジが多用されてきたが、実装密度向上を目
的とした“表面実装”が主流になるにつれてSOJ,S
OP,QFP等の表面実装型への移行が進んでいる。そ
して、最近では、多ピン化に伴ってリ−ドピッチを縮小
したファインピッチQFPが増加し、更にTSOP,T
QFP等に代表される薄板化が進行している。
【0003】ところで、多ピン,狭ピッチのフレ−ムの
大半はエッチング加工により作られるのが一般的である
が、最近、プレス微細加工技術の飛躍的な向上に裏打ち
されて部分的には生産性の良いプレス加工を取り入れる
試みも進められている。
【0004】何れにしても、上述のようなリ−ドフレ−
ムの薄板化やリ−ドの狭小化はリ−ド強度を低下させ、
アセンブリ−工程中やデバイス実装時におけるリ−ドの
変形を引き起こす。そこで、このような問題を解決する
ためには使用されるリ−ドフレ−ム材料の強度をできる
だけ向上させる必要がある。また、ICの高集積化や多
ピン化が進むと、これに伴い消費電力も大きくなってチ
ップから発生する熱の放散対策が無視できない重要な問
題となる。
【0005】このように、半導体機器のリ−ドフレ−ム
材には一般に次のような多岐多用な特性が要求されてい
る。 a) リ−ドが容易に変形することがない機械的強度を有
すること, b) リ−ドフレ−ムのパタ−ン形成に必要な優れたエッ
チング性及びプレス加工性を有すること, c) チップの発熱に対して効率良く熱放散させるための
高い熱伝導率を有すること, d) 電気的特性に優れていること, e) デバイス実装時における半田付け性に優れ、かつ半
田接合部の信頼性が高いこと, f) ボンディングのためのAgメッキ性に優れること, g) 加熱工程で表面が酸化することのない優れた耐酸化
性を有していること, h) 繰り返し曲げ性に優れていること, i) 価格が安価であること。
【0006】しかしながら、これら各種の要求特性に対
し、従来より使用されてきたリン青銅等の銅合金や42
アロイ(42wt%Ni-Fe)には何れも一長一短があり、前記
特性の全てを満足し得るものはなかった。特に、リ−ド
の多ピン化,小型化の進展に伴って形状の複雑化やピン
の狭小化が進み、リ−ドフレ−ム材料等に一層良好な強
度,曲げ加工性,プレス打抜き性及びエッチング性が求
められていることを考慮すれば、上記従来材はこれらの
点で十分な性能を有しているとは言い難かった。
【0007】このようなことから、本発明が目的とする
のは、半導体機器のリ−ドフレ−ム材等として要求され
る前記各特性の何れをも満たす材料、特にビッカ−ス硬
さで約200以上の強度(引張強度で65kgf/mm2
上)を有すると共に50%IACS(42アロイの約15倍
程度)以上の導電率を示し、かつ曲げ加工性及びプレス
打抜き性等にも十分に優れた金属材料を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討を行ったところ、まず次のような
結論に達した。即ち、元来熱伝導度が非常に良好である
銅をベ−スとした銅合金は熱放散性において他のリ−ド
フレ−ム材料に比べ非常に有利である上、電気的特性,
Agめっき性,半田付け性,耐酸化性,延性等の面でも比
較的良好な特性を確保することができる。従って、これ
らの特性を損なうことなく薄板化に対応可能な強度と繰
り返し曲げ性、並びにプレス打抜き性等を付与して従来
の銅合金の持つ欠点を改良できれば、これからの半導体
機器のリ−ドフレ−ム材や導電性ばね材等として優れた
材料を実現できると考えられる。
【0009】そこで、固溶型銅合金に比べ導電率を低下
させずに高強度化が可能な、析出型銅合金の一つである
Cu−Cr−Zr合金に着目して研究を行った結果、以下に示
す知見を得ることができた。 (a) Cr及びZrは銅合金の高強度化に非常に効果的な元
素であり、しかもCrは電気伝導性の向上にも資する成分
であるが、これらの添加だけではリ−ドフレ−ム材や導
電性ばね材等として十分に満足できる強度を確保するこ
とができず、その強度を更に向上させるのにTi及びFeの
添加が有効である。 (b) ただ、Ti,Feは合金の強度向上に非常に有効であ
るものの、それらの含有量はエッチング性や電気伝導度
等に大きく影響するので無秩序な添加は慎まなければな
らない。しかし、Ti及びFeを添加した前記銅合金におい
て、Cr,Zr,Ti及びFe等の合金成分及び合金成分比を厳
密に制御すると、強度,電気伝導性及びエッチング性等
の諸特性を高いレベルでバランスさせることができるよ
うになる。 (c) ただ、これらの成分を添加しただけでは今後のリ
−ドフレ−ム材等として十分に満足できるプレス打抜き
性を確保することができない。ところが、上記銅合金に
対し、伸びに著しい悪影響を及ぼすとして敬遠されるS
を厳密に規制された濃度で含有させると、伸びを始めと
した所要特性に実害を及ぼす程に悪影響することなくプ
レス打抜き性が顕著に改善される。 (d) しかも、その溶体化処理温度を選定することによ
り平均結晶粒径を60μm以下に制御すると、前記諸特
性と共に曲げ加工性をも高いレベルでバランスさせるこ
とができる。 (e) 更に、この合金に所定量のZn,Sn,In,Mn,P,M
gあるいはSiの添加を行うことで、その半田接合部の信
頼性や合金の強度特性を更に改善することが可能であ
る。
【0010】本発明は、上記知見事項等を基にしてなさ
れたもので、「電子機器用銅合金を、 Cr:0.05〜0.40%(以降、 成分割合を表す%は重量割合
とする),Zr:0.03〜0.25%, Fe:0.10〜1.80%,
Ti:0.10〜0.80%,S:0.0005以上0.0080%未満 を含むか、 あるいは更に Zn:0.05〜2.0 %,Sn,In,Mn,P,Mg及びSiの1種以
上:総量で0.01〜1% のうちの1種又は2種以上を含有すると共に、 “0.10%
≦Ti≦0.60%”ではFe/Ti重量比が0.66〜2.6 を満足
し、 また“0.60%<Ti≦0.80%”ではFe/Ti重量比が1.
1 〜2.6 を満足していて残部がCu及び不可避的不純物か
ら成り、 かつ平均結晶粒径が60μm以下に調整されて
成る構成とすることによって、 強度,電気伝導度,曲げ
加工性,プレス打抜き性及び半田接合部の信頼性等の諸
性質を高いレベルでバランスさせ得るようにした点」に
大きな特徴を有している。
【0011】次に、本発明において“合金の成分組成及
び結晶粒径を前記の如くに数値限定した理由”をその作
用と共に詳述する。 A) 成分組成 (a) Cr Crは、合金の溶体化処理に次ぐ時効処理によって母相中
に析出し、その強度及び電気伝導性を向上させる作用を
発揮するが、Cr含有量が0.05%未満では前記作用による
所望の効果が得られない。一方、Cr含有量が0.30%付近
を超えると溶体化処理後にも未溶解Crが母相中に残留す
るようになり、更にCr含有量が0.40%を超えるとプレス
加工後のカスが発生し易くなって安定したプレス打抜き
性を著しく阻害する。従って、Cr含有量は0.05〜0.40%
と定めた。
【0012】(b) Zr Zrは、時効処理によりCuと化合物を形成して母相中に析
出しこれを強化する作用を発揮するが、Zr含有量が0.03
%未満では前記作用による所望の効果が得られず、一
方、0.25%を超えて含有させると溶体化処理後にも未溶
解Zrが母相中に残留し電気伝導度及び曲げ加工性を低下
させることから、Zr含有量は0.03〜0.25%と定めた。
【0013】(c) Ti及びFe Ti及びFeは、合金を時効処理した時に母相中にTiとFeと
の金属間化合物を形成し、その結果として合金強度を更
に向上させる作用を発揮するが、これらの含有量がそれ
ぞれ0.01%未満では前記作用による所望の効果が得られ
ない。一方、Ti含有量が0.80%を超えたり、Fe含有量が
1.80%を超える場合には、TiとFeを主成分とする未溶解
介在物が5μm以上の大きさとなってエッチング性を著
しく阻害する。ここで、注目すべきは、合金の強度と電
気伝導性に及ぼすTi含有量,Fe含有量の影響であり、合
金の強度と電気伝導性は同一のTi含有量あるいは同一の
Fe含有量であってもFe/Ti重量比により大きく変化する
という点である。即ち、「0.10%≦Ti≦0.60%」の範囲
ではFe/Ti重量比が0.66未満である場合に、また「0.60
%<Ti≦0.80%」の範囲ではFe/Ti重量比が1.1 未満で
あると何れも電気伝導性は著しく低下する。これに対
し、合金の強度は「0.10%≦Ti≦0.80%」の全Ti含有量
範囲においてFe/Ti重量比がが2.6 を超えると減少す
る。つまり、電気伝導性と強度はFe/Ti重量比に対して
相反する関係にあって、両者を高位にバランスさせる最
適なFe/Ti重量比は、「0.10%≦Ti≦0.60%」では0.66
〜2.6 に、また「0.60%<Ti≦0.80%」では1.1 〜2.6
ということになる。以上のことを踏まえて、合金の強
度,電気伝導性及びエッチング性を満足させるべくTi含
有量は0.10〜0.80%、Fe含有量は0.10〜1.8 %とそれぞ
れ定め、かつ「0.10%≦Ti≦0.60%」ではFe/Ti重量比
を0.66〜2.6 に、また「0.60%<Ti≦0.80%」ではFe/
Ti重量比を1.1 〜2.6 にそれぞれ限定した。
【0014】(d) S Sは銅中において非金属介在物を形成するが、その含有
量が高くなるとそれに伴って非金属介在物を起点とした
亀裂が入り易くなり材料の伸びは減少する。しかしなが
ら、このことはプレス成形時における材料のせん断面の
面積率が増加することを意味し、そのためバリ及びダレ
の発生が抑えられて製品精度が向上するなどプレス打抜
き性の著しい改善につながる。ただ、S含有量が0.0005
%未満では所望のプレス打抜き性改善効果を確保でき
ず、一方、S含有量が0.0080%以上になると延性が低下
して繰り返し曲げ性も著しく劣化するほか、Agめっき性
にも悪影響が出てくる。従って、プレス打抜き性を改善
するSの含有量は0.0005%以上0.0080%未満と定めた。
【0015】(e) Zn 本発明に係る合金においてZnは半田の耐熱剥離性を向上
させる作用を発揮し、そのため必要に応じて含有せしめ
られる成分であるが、その含有量が0.05%以下では前記
作用による所望の効果が得られず、一方、2.0 %を超え
て含有させると導電率の低下を招くことから、Zn含有量
は0.05〜2.0 %と定めた。
【0016】(f) Sn,In,Mn,P,Mg及びSi 本発明に係る合金において、Sn,In,Mn,P,Mg及びSi
は何れも合金の導電率を大きく低下させずに主として固
溶強化により強度を向上させる作用を発揮するため、必
要に応じてこれらの1種又は2種以上が添加されるが、
それらの含有量が総量で0.01%未満であると前記作用に
よる所望の効果が得られない。一方、これらの含有量が
総量で1.0 %を超えると合金の導電率及び曲げ加工性が
劣化すると共に、プレス打抜き性にも悪影響が及んでバ
リを発生するようになる。従って、Sn,In,Mn,P,Mg
あるいはSiの含有量は総量で0.01〜1%と定めた。
【0017】B) 結晶粒径 合金の結晶粒度は曲げ加工性に著しく大きな影響を与
え、結晶粒度が小さいほど曲げ加工性(即ち繰り返し曲
げ性)が向上する。なお、結晶粒度は溶体化温度により
調整できるが、平均結晶粒径が60μmを超えると繰り
返し曲げ回数が著しく減少することから、本発明におい
ては平均結晶粒径を60μm以下に調整することと定め
た。
【0018】続いて、本発明の効果を実施例によって更
に具体的に説明する。
【実施例】電気銅を原料として高周波溶解炉で表1及び
表2に示す各種成分組成の銅合金を1200℃で溶製
し、インゴットに鋳造した。そして、このインゴットを
面削した後、950℃に1時間加熱し、熱間圧延によっ
て8mm厚の板材とした。次に、この板材に900℃で溶
体化処理を施し、更に冷間圧延によって0.3 mm厚の板材
としてから、更に440℃で12〜24時間の時効処理
と0.15mm厚への冷間圧延を行い、最後に500℃での歪
み取り焼鈍を施した。このようにして得られた各板材の
結晶粒度(平均結晶粒径)を調査したが、その結果を表
1及び表2に併せて示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】次いで、得られたこれら板材につき、リ−
ドフレ−ム材としての評価項目として“引張強度", "伸
び", "電気伝導性", "繰り返し曲げ性", "半田付け性",
"半田耐熱剥離性", "Agめっき性" 及び "プレス成形
性" を調べた。
【0022】ここで、“引張強度" と "伸び" は引張試
験によって測定し、 "電気伝導性"は導電率(%IACS) に
より評価した。なお、引張強度と導電率の評価基準は、
引張強度については65kgf/mm2 以上を可とし、導電率
については50%IACS以上を可とした。"繰り返し曲げ
性" は、「(曲げ半径)/(板厚)=1」の曲げ条件で
同一方向の90度繰り返し曲げ試験を行い、往復を1回
と数える方法で破断するまでの回数を数えて評価した。
なお、繰り返し曲げ性の評価基準は、曲げ回数4回以上
を可(○)とし、曲げ回数4回未満を否(×)とした。
【0023】"半田濡れ性" は、ソルダ−チェッカ−を
用いメニスコグラフによる表面張力法でゼロクロス時間
を測定して評価した。なお、半田は 60%Sn-40%Pbを用
い、半田浴槽温度は230±5℃に設定したが、この
時、ゼロクロス時間が1秒未満を可(○)とし、1秒以
上を否(×)と評価した。"半田耐熱剥離性" は、試料
に約5μm厚の 90%Sn-10%Pb半田メッキを施してから1
50℃の大気中で1000時間まで保持し、この間10
0時間毎に取り出して「(曲げ半径)/(板厚)=1」
の曲げ条件で90度曲げを往復一回行い、曲げ部のめっ
き剥離の有無を調べて評価した。なお、半田耐熱剥離性
の評価基準は、剥離開始時間が500時間を超える場合
は可(○)とし、500時間以下を否(×)とした。
【0024】"銀めっき性" は、試料表面に厚さ約5μ
mの銀めっきを施し、この試料を大気中にて350℃で
3分間加熱した後、銀めっき表面の膨れの有無を観察し
て評価した。なお、銀めっき性の評価基準は、膨れの発
生しなかった場合を可(○)とし、膨れが発生した場合
を否(×)とした。そして、 "プレス打抜き性" は、試
料をプレスで破断させた後にその表面を光学顕微鏡で観
察し、せん断面面積率とバリ発生の有無によって評価し
た。なお、プレス打抜き性の評価基準は、せん断面面積
率についてはせん断面面積率が80%以上を可(○),
せん断面面積率が80%未満を否(×)とし、バリ発生
についてはバリが発生した場合を否(×),バリの発生
しなかった場合を可(○)とした。ここで、せん断面面
積率は、 と定義した。これらの評価結果を、表3及び表4に示
す。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】さて、表3及び表4に示される結果からは
次のことが明らかである。即ち、本発明合金1〜16は、
何れも65kgf/mm2 以上の引張強度,50%IACS以上の
導電性を有し、更にせん断面面積率が大きくてバリ発生
がない上、繰り返し曲げ性,半田付け性,半田耐熱剥離
性,Agめっき性及びエッチング性の全てに優れているこ
とが分かる。
【0028】これに対して、比較合金17〜49はSを含有
していないため何れもせん断面面積率が低くてバリが発
生している。比較合金50及び52〜64は、S含有量が本発
明で規定する上限値を超えており、せん断面面積率が良
好でバリ発生も無いが、繰り返し曲げ性及びAgめっき性
が劣化している。比較合金65及び70は、S含有量が本発
明で規定する上限値を超えている上に、Sn,In,Mn,
P,Mg及びSiの含有量の総和も本発明で規定する上限値
を上回っているため、バリが発生し、繰り返し曲げ性及
びAgめっき性が劣化している。比較合金51は、S含有量
が本発明で規定する下限値を下回っているためバリが発
生してプレス打抜き性の改善効果がない。
【0029】比較合金31及び32はCr含有量又はZr含有量
も本発明で規定する上限値を上回っており、繰り返し曲
げ性が劣化すると共にバリが発生している。比較合金51
及び52は、Cr含有量が本発明で規定する下限値を下回っ
てもいるため、強度が65kgf/mm2 未満と低い。また、
比較合金33及び54はZr含有量が本発明で規定する下限値
を下回ってもいるため、強度が65kgf/mm2 未満と低
い。
【0030】比較合金37,38,40,58及び59はFe/Ti重
量比が本発明で規定する上限値を上回っているので強度
が65kgf/mm2 未満と低い。比較合金36,39,60及び62
は、Fe/Ti重量比が本発明で規定する下限値未満である
ため導電率が50%IACS未満と低くなっている。
【0031】比較合金42及び63は、Zn含有量が本発明で
規定する上限値を超えているために導電率が50%IACS
未満と低くなっている。比較合金44〜47及び49は、Sn,
In,Mn,P,Mg及びSiの総量が本発明で規定する上限値
を上回っているため、導電率が低下すると共に繰り返し
曲げ性が劣化している。そして、比較合金35は、結晶粒
径が60μmを超えていて本発明の規定範囲を外れてい
るため繰り返し曲げ性が劣化している。
【0032】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、引張強度,伸び,電気伝導性,曲げ加工性,プレス
打抜き性,Agめっき性,半田付け性及び半田耐熱剥離性
が高く、表面特性や信頼性にも優れた“リ−ドフレ−ム
材や導電性ばね材等の電子機器用として好適な高力高導
電性銅合金”を提供することが可能となり、電子機器の
性能向上に大きく寄与し得るなど、産業上極めて有用な
効果がもたらされる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量割合にて Cr:0.05〜0.40%, Zr:0.03〜0.25%, Fe:0.
    10〜1.80%,Ti:0.10〜0.80%, S:0.0005%以上
    0.0080%未満 を含有すると共に、「0.10%≦Ti≦0.60%」ではFe/Ti
    重量比が0.66〜2.6 を満足し、また「0.60%<Ti≦0.80
    %」ではFe/Ti重量比が1.1 〜2.6 を満足していて残部
    がCu及び不可避的不純物から成り、かつ平均結晶粒径が
    60μm以下に調整されていることを特徴とする、電子
    機器用高力高導電性銅合金。
  2. 【請求項2】 重量割合にて Cr:0.05〜0.40%, Zr:0.03〜0.25%, Fe:0.
    10〜1.80%,Ti:0.10〜0.80%, S:0.0005%以上
    0.0080%未満,Zn:0.05〜2.0 % を含有すると共に、「0.10%≦Ti≦0.60%」ではFe/Ti
    重量比が0.66〜2.6 を満足し、また「0.60%<Ti≦0.80
    %」ではFe/Ti重量比が1.1 〜2.6 を満足していて残部
    がCu及び不可避的不純物から成り、かつ平均結晶粒径が
    60μm以下に調整されていることを特徴とする、電子
    機器用高力高導電性銅合金。
  3. 【請求項3】 重量割合にて Cr:0.05〜0.40%, Zr:0.03〜0.25%, Fe:0.
    10〜1.80%,Ti:0.10〜0.80%, S:0.0005%以上
    0.0080%未満 を含み、更に Sn,In,Mn,P,Mg及びSiの1種以上:総量で0.01〜1
    % を含有すると共に、「0.10%≦Ti≦0.60%」ではFe/Ti
    重量比が0.66〜2.6 を満足し、また「0.60%<Ti≦0.80
    %」ではFe/Ti重量比が1.1 〜2.6 を満足していて残部
    がCu及び不可避的不純物から成り、かつ平均結晶粒径が
    60μm以下に調整されていることを特徴とする、電子
    機器用高力高導電性銅合金。
  4. 【請求項4】 重量割合にて Cr:0.05〜0.40%, Zr:0.03〜0.25%, Fe:0.
    10〜1.80%,Ti:0.10〜0.80%, S:0.0005%以上
    0.0080%未満,Zn:0.05〜2.0 % を含み、更に Sn,In,Mn,P,Mg及びSiの1種以上:総量で0.01〜1
    % を含有すると共に、「0.10%≦Ti≦0.60%」ではFe/Ti
    重量比が0.66〜2.6 を満足し、また「0.60%<Ti≦0.80
    %」ではFe/Ti重量比が1.1 〜2.6 を満足していて残部
    がCu及び不可避的不純物から成り、かつ平均結晶粒径が
    60μm以下に調整されていることを特徴とする、電子
    機器用高力高導電性銅合金。
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