JPH07258427A - 生分解性成形物の製造方法 - Google Patents

生分解性成形物の製造方法

Info

Publication number
JPH07258427A
JPH07258427A JP1732495A JP1732495A JPH07258427A JP H07258427 A JPH07258427 A JP H07258427A JP 1732495 A JP1732495 A JP 1732495A JP 1732495 A JP1732495 A JP 1732495A JP H07258427 A JPH07258427 A JP H07258427A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molded product
raw material
molded article
biodegradable
biodegradable molded
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP1732495A
Other languages
English (en)
Inventor
Sadamasa Ando
貞正 安藤
Taizo Karasawa
泰三 唐澤
Teruo Ozasa
晃夫 小笹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissei Co Ltd
Original Assignee
Nissei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissei Co Ltd filed Critical Nissei Co Ltd
Priority to JP1732495A priority Critical patent/JPH07258427A/ja
Publication of JPH07258427A publication Critical patent/JPH07258427A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C67/00Shaping techniques not covered by groups B29C39/00 - B29C65/00, B29C70/00 or B29C73/00
    • B29C67/24Shaping techniques not covered by groups B29C39/00 - B29C65/00, B29C70/00 or B29C73/00 characterised by the choice of material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C35/00Heating, cooling or curing, e.g. crosslinking or vulcanising; Apparatus therefor
    • B29C35/02Heating or curing, e.g. crosslinking or vulcanizing during moulding, e.g. in a mould
    • B29C35/12Dielectric heating

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Oral & Maxillofacial Surgery (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Wrappers (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Packging For Living Organisms, Food Or Medicinal Products That Are Sensitive To Environmental Conditiond (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 大豆蛋白と砂糖と水とを均一に混合し、得ら
れたスラリー状の混合物を一対の電極間に挟んで、これ
らの電極間に電圧を印加し、通電加熱を行う。この通電
加熱を所定の時間行うことにより、シート状の生分解性
成形物を得る。 【効果】 均一な組織を有する生分解性成形物を設備的
な負担の増大や作業環境の悪化を招来することなく、短
時間で作製できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土中の細菌や、微生物
等により分解可能な生分解性成形物の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】容器、包装材等の成形物素材として、広
く一般にプラスチック類が使用されている。しかしなが
ら、これらプラスチック類は、生分解性が低い事、ま
た、焼却処理の際に、有害ガスを発する事等、廃棄処分
に大きな難点を有し、重大な社会問題となっている。
【0003】そこで、上記のようなプラスチック容器に
替わるものとして、土中の細菌や、微生物により分解可
能な生分解性成形物が用いられるようになってきてい
る。このような生分解性成形物は、土中に埋めるだけ
で、上述のように分解されるので、廃棄処理も簡単で問
題がなく、また食品容器として使用する場合でも安全性
の高いものである。
【0004】従来、このような生分解性成形物は、例え
ば生分解性を有する原料を予め所定の温度まで加熱した
成形型に入れて、熱伝導加熱することにより作製され
る。また、上記熱伝導加熱を用いた製造方法の他には、
高圧プレスによる加圧成形を行い、所望の形状の生分解
性成形物を得る方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
熱伝導加熱方式を利用した従来の製造方法では、以下の
ような問題が生じるものとなっている。すなわち、 加熱した成形型からは、本来の加熱対象物(加熱開始
時における成形物原料の状態から、加熱により組成が変
化して、最終的に成形物の状態になるまでを含む。以下
同じ。)以外にも、成形型の周囲に対して多量の放熱が
あるため、エネルギー効率が非常に悪い。 上記のような余剰放熱により、製造装置周辺の温度が
上昇し、作業環境が悪くなる。 型内の成形物原料全体に熱が伝達するのに時間がかか
るために、短時間での処理が困難であり、量産性に乏し
い。 短時間での処理を行うために加熱成形型を高温にする
と、加熱時に、加熱対象物の表面と内部との温度差が大
きくなるため、完成した成形品の品質が不均一になる。 成形型を予め所定温度まで加熱する必要があるため、
余分なエネルギーと時間を要する。 という問題がある。
【0006】一方、高圧プレスによる加圧成形を行う場
合には、 装置自体が、非常に大掛かりなものとなり、大規模の
生産設備が必要になる。 製造時の騒音や振動が大きく、作業環境が悪くなる。 高圧の発生による危険性に対し特別な配慮が必要であ
る。 という問題を有している。
【0007】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、その目的は、エネルギー効率を向上させ、短時間
でさらに品質のよい成形物を多量に生産可能にすると共
に、作業環境の悪化を防ぎ、かつ大掛かりな装置を不要
として、設備的な負担の少ない生分解性成形物の製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法は、生分
解性を有する原料に対して通電加熱処理を行うことを特
徴としている。
【0009】請求項2記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が水と均一な混合が可能な蛋白質を含んで
おり、通電加熱処理前に、上記原料に水を添加すること
を特徴としている。
【0010】請求項3記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が含水率10%以下の蛋白質を含んでお
り、通電加熱処理前に、上記原料に結着剤を添加するこ
とを特徴としている。
【0011】請求項4記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が食品加工時の副産物や残渣のように、
「飲食物および/またはその原料」の有効成分の主要部
分を取り出した後の残渣を含んでいることを特徴として
いる。
【0012】請求項5記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が「穀物、穀物粉および/または澱粉」を
含んでおり、通電加熱処理前に、上記原料に水を添加す
ることを特徴としている。
【0013】請求項6記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、原料を通電加熱処理して得たものに対して、蛋白質
のシートでコーティング処理を行うことを特徴としてい
る。
【0014】請求項7記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、原料を通電加熱処理して得たものに対して、生分解
性樹脂でコーティング処理を行うことを特徴としてい
る。
【0015】請求項8記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、成形物原料を通電加熱処理する前に、原料に生分解
性樹脂を添加することを特徴としている。
【0016】請求項9記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、原料を通電加熱処理して得たものに含まれる水分量
を3〜30%に調整することを特徴としている。
【0017】
【作用】本発明は、通電加熱により、廃棄処理の簡単な
生分解性成形物を製造するものである。上記の構成によ
れば、通電加熱を行うことにより、加熱対象物(加熱開
始時における成形物原料の状態から、加熱により組成が
変化して、最終的に成形物の状態になるまでを含む。以
下同じ。)自体を発熱させることができ、周囲への放熱
が少なくなり、熱損失が減少し、エネルギー効率が向上
し、加熱対象物全体が短時間で昇温される。一方、加熱
対象物自身が均一に発熱するので、加熱時の温度ムラが
生じにくく、より均一な加熱が可能となる。
【0018】その結果、より均一な組織を持つ成形物が
短時間で作製でき、量産性を飛躍的に向上させることが
できる。
【0019】さらに、外部への放熱が少なくなるので、
製造装置周辺の温度が上昇せず、作業環境の悪化を防ぐ
ことができる。
【0020】また、成形型を予め所定温度まで加熱する
必要がないので、そのための余分なエネルギーと時間が
不要である。
【0021】また、通電加熱を行うには、加圧成形を行
う場合と比較し大掛かりな装置を必要とせず、設備的な
負担も軽減すると共に、騒音や振動が生じることもない
ので、作業環境の悪化を招来することもない。
【0022】また、高圧の発生による危険性がなく、こ
のような危険性に対する特別な配慮が不要である。
【0023】通電加熱によるこのような生分解性成形物
の製造方法を、例えば請求項1記載の方法や、さらに請
求項2ないし5記載の方法に適用すると、使用される各
原料が有する特性等に応じてそれぞれ以下に示すような
特有の長所を有し、さらに均一な組織により構成された
生分解性成形物が、設備的な負担の増大や作業環境の悪
化を招来することなく、短時間で作製できる。
【0024】すなわち、請求項2および3記載の方法で
は、加熱前の混合物が、良好な流動性を有し、ムラや粘
り等を生じにくいものとなるので、製造時における作業
性が向上する。それゆえ、ムラや粘り等の生じていない
流動性の良好な混合物を用いて、より均一な組織と充分
な強度を有する生分解性成形物を設備的な負担の増大や
作業環境の悪化を招来することなく、短時間で作製でき
る。
【0025】さらに、請求項3記載の方法では、含水率
の低い成形物が得られるため、成形後においては、経時
変化に伴う生分解性成形物の重量の減少が起こりにくい
生分解性成形物となる。それゆえ、ムラや粘り等の生じ
ていない流動性の良好な混合物を用いて、より均一な組
織と強度を有すると共に、成形後、経時変化に伴う重量
変化の少ない生分解性成形物を設備的な負担の増大や作
業環境の悪化を招来することなく、短時間で作製でき
る。
【0026】また、請求項4記載の方法で得られる生分
解性成形物は、食品加工時の副産物や残渣のように、飲
食物および/またはそれらの原料の有効成分の主要部分
を取り出した後の残渣を有効に利用したものである。
【0027】上記のような残渣を原料として用いて本発
明の生分解性成形物を製造することによって、食品加工
の際、通常では廃棄処分するしかない部分を有効に利用
できる。このため、このような残渣の廃棄における手
間、焼却等における資源の浪費、廃棄場所不足といった
問題を低減することができる。
【0028】また、廃棄物を有効利用して、均一な組織
を有する生分解性成形物を短時間で、かつ設備的な負担
の増大や作業環境の悪化を招来することなく作製でき
る。
【0029】また、請求項5記載の方法で得られる生分
解性成形物は、使用時及び保管時の衝撃等に耐え得る充
分な強度を備えたものである。それゆえ、使用及び保管
時に充分な強度を有すると共に、均一な組織を有する生
分解性成形物を設備的な負担の増大や作業環境の悪化等
を生じることなく、短時間で作製できる。
【0030】また、請求項6記載の方法により、通電加
熱後に、蛋白質のシートでコーティング処理されるの
で、成形物表面に蛋白質層が形成される。成形物表面に
設けられた蛋白質層は、成形物を水分から保護する役割
を果たす。したがって、このような成形物は、水分を多
く含む食品の容器として使用した場合でも、水もれ等を
生じることがなく、優れた耐水性、防水性を有するもの
になる。これにより、製造後の成形物の強度が向上す
る。
【0031】また、請求項7記載の方法により、通電加
熱後に、生分解性を有する樹脂、ワックス、木蝋等が成
形物にコーティングされるので、成形物表面に樹脂層が
形成される。成形物表面に設けられた樹脂層は、成形物
を水分から保護する役割を果たす。したがって、このよ
うな成形物は、水分を多く含む食品の容器として使用し
た場合でも、水もれ等を生じることがなく、優れた耐水
性、防水性を有するものになる。これにより、製造後の
成形物の強度が向上する。
【0032】また、請求項8記載の方法により、成形物
の表面に、添加物による樹脂層が形成される。これによ
り、耐水性の優れた生分解性成形物が得られる。
【0033】また、請求項9記載の方法により、成形後
に水分を3〜30%に調整することによって、強度や耐
水性がより向上し、製造後の成形物の水分変動量が減少
する。そのため、変形やひび割れを防止できる。それに
よって、各用途に応じた成形物として一層好適に機能す
るようになる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を示すが、本発明は、
これらに限定されるものではなく、本発明の範囲内で例
えば使用原料の種類や配合量、製造条件等種々の変更が
可能である。
【0035】〔実施例1〕本発明の一実施例について説
明すれば、以下の通りである。本実施例に係る生分解性
成形物の製造方法は、通電加熱装置を用いて生分解性成
形物を製造する。この通電加熱装置は、30〜220V
の間で任意に電圧を設定できる交流電源(周波数60H
z)と、この交流電源に接続された一対の電極とを備え
ている。ここでは、シート状の生分解性成形物を製造す
る場合を例に挙げて説明する。
【0036】まず、表1に示すような組成になるよう各
原料を秤量し、ミキサーに仕込み、混合、混練して、ド
ウ状あるいはスラリー状の組成物A・Bを得た。
【0037】
【表1】
【0038】上記組成物Aの所定量を通電加熱装置にお
ける一対の電極間に挟み、上記交流電源から所定の電流
を流して、電極間に電圧を印加することにより通電加熱
を行い、サンプルAを作製した。尚、このとき、電極間
に印加される電圧は、使用した材料や成形物の大きさ、
成形原料の状態によって決定される。また、上記組成物
Bについても、同様にして所定量を一対の電極間に挟ん
で通電加熱し、サンプルBを作製した。尚、上記サンプ
ルA・Bを作製する際には、所定の時間ごとに加熱対象
物(加熱開始時における成形物原料の状態から、加熱に
より組成が変化して、最終的に成形物の状態になるまで
を含む。以下同じ。)の変化を観察しながら、通電加熱
を行った。各サンプルA・Bの観察結果を表2に示す。
【0039】また、比較例として、上記と同様の材料を
用いて作製した組成物A・Bの所定量を予め180℃に
熱しておいたヒータ付き加熱板の間にそれぞれ挟み、加
熱板の温度を180℃の温度に設定して加熱(従来の熱
伝導加熱)を行い、サンプルA’・B’を得た。このサ
ンプルA’・B’の加熱を行う際にも、上記サンプルA
・Bの場合と同様の時間間隔で変化を観察した。その観
察結果を表2に併せて示す。
【0040】
【表2】
【0041】上記の観察結果から明らかなように、通電
加熱による本実施例の製造方法では、熱伝導加熱を用い
た従来の製造方法と比較して、内部まで均一に発泡した
生分解性成形物を短時間で作製することができた。通電
加熱を行うと、加熱対象物自体が発熱し、加熱対象物全
体が短時間で均一に昇温されるので、加熱時に、加熱対
象物表面と内部との温度差が生じにくくなり、全体とし
て加熱速度が速く、上述のように、均一な組織を有する
生分解性成形物を短時間で作製することが可能になる。
【0042】また、周囲への放熱が多い従来の熱伝導加
熱と比較すると、本実施例の方法では、熱損失が少な
く、エネルギー効率が向上すると共に、作業環境の温度
上昇も抑制される。さらに、本実施例では、前記した従
来の加圧成形による方法で問題となっていた騒音や振動
がなく、大掛かりな装置も必要としないので、設備的な
負担も軽減される。
【0043】尚、通電加熱を行う際の各条件(印加電
圧、周波数、加熱時間等)は、上記の場合に限定される
ものではなく、使用する原料や、成形物の大きさ等によ
って適宜設定されるものである。したがって、上記サン
プルA・Bで用いた材料以外を使用して生分解性成形物
を作製する場合には、その材料に応じて印加電圧、周波
数、加熱時間等の製造条件を変更して、通電加熱を行え
ば、使用目的に応じた特性を有する多種多様な生分解性
成形物を作製でき、上述した効果を得ることができる。
【0044】すなわち、例えば上記サンプルAでは、作
業性の向上を図るため、水との均一な混合が容易に可能
な大豆蛋白を主原料として用いているが、水の代わりに
例えば可塑剤等の結着剤を用いても、ダマやムラ等を生
じることなく各成分の均一な混合が容易である。そのた
め、通電加熱を利用して、高品質の生分解性成形物を効
率良く作製することができる。
【0045】このように、結着剤を用いた場合には、組
成物全体の含水率が低いので、加熱による発泡が均一
で、歪みの少ない均一な組織を有する生分解性成形物を
得ることができ、それとともに、成形後における重量変
化(減少)を抑制することができる。また、水の代わり
に結着剤を用いた場合には、水との均一な混合が困難な
材料、例えば小麦グルテン粉末を主原料とする生分解性
成形物を作製することが可能になる。
【0046】なお、上記のような、水と均一な混合が可
能な蛋白質を含む原料としては、特に限定されないが、
例えば、大豆蛋白質、卵白、乳清蛋白質等、およびこれ
らの混合物が採用できる。
【0047】また、各原料成分の含水率が低いと、組成
物全体の含水率が低くなり、上記のような効果が得られ
るが、例えば、含水率が低い原料成分の例として、含水
率10%以下の蛋白質としては、特に限定されないが、
例えば大豆蛋白質、卵白、乳清蛋白質、小麦蛋白質、グ
ルテン、コラーゲン等あるいはそれらの混合物が採用で
きる。
【0048】一方、例えば上記サンプルBのように、そ
の原料に小麦粉等の穀物粉及び/または澱粉が含まれて
いる場合は、使用時及び保管時において十分な強度を有
する生分解性成形物を作製することができる。
【0049】ここで、本実施例の生分解成形物の製造方
法で採用できる原料の一例を上記のように示したが、本
実施例の生分解成形物の製造方法で採用できる原料は、
土中の細菌や、微生物等により分解可能な生分解性を有
していれば、上記のものには限定されず、種々のものが
採用できる。例えば、(1)大豆蛋白、とうもろこし蛋
白、カゼイン、グルテン、卵白、乳蛋白、小麦蛋白、コ
ラーゲン、微生物蛋白(シングルセルプロテイン)等の
植物性または動物性蛋白質等蛋白質、あるいはそれらの
混合物、(2)大豆粉、とうもろこし粉、小麦粉等の穀
物粉、卵、乳製品等蛋白質を含有するもの、あるいはそ
れらの混合物、(3)トウモロコシ、馬鈴薯、タピオ
カ、米、サツマイモ、小麦等の澱粉、あるいはそれらの
α化澱粉、変性澱粉等澱粉誘導体、あるいはそれらの混
合物、(4)野菜や果物、穀物等の「飲食物および/ま
たはその原料」の有効成分の主要部分を取り出した後の
残渣等(加工時に生じる有用廃材)、(5)上記(1)
ないし(4)の混合物等が挙げられる。
【0050】尚、上記残渣とは、特に限定されるもので
はないが、具体的には、例えば、セロリ、人参、トマ
ト、柑橘類(ミカン、レモン、グレープフルーツ等)、
リンゴ、ブドウ、ベリー類、パイナップル、サトウキ
ビ、てんさい等の野菜や果物を原料とする飲食物の製造
・加工時や製糖時等に産出される搾汁かす、あるいはそ
れらの混合物、穀物を原料とする加工食品(豆腐等)
および酒類(日本酒、焼酎、ビール等)の製造時に産出
される、例えばおから、酒粕、焼酎粕、ビール酵母かす
等、あるいはそれらの混合物、嗜好品(コーヒー、紅
茶、麦茶、ウーロン茶等)の抽出残渣あるいは茶殻等、
あるいはそれらの混合物、大豆、とうもろこし、菜
種、ごま等を搾油した後の搾油かす、あるいはそれらの
混合物、穀類精製時に産出されるふすま、ぬか、もみ
がら等や、澱粉生産時に産出されるグルテンミール等、
あるいはそれらの混合物、コーンカップ、ビスケッ
ト、ウェファー、ワッフル等、製菓・製パン製品の製造
時に産出するベーキング屑、上記原料ないしに乾
燥処理および粉砕処理を施したもの、上記原料ない
しの混合物等が挙げられる。
【0051】上記のような残渣を原料として用いて本発
明の生分解性成形物を製造することによって、食品加工
の際、通常では廃棄処分するしかない部分を有効に利用
できる。このため、このような残渣の廃棄における手
間、焼却等における資源の浪費、廃棄場所不足といった
問題を低減することができる。
【0052】また、上記の原料を主原料とし、副原料と
して以下の種々のものが採用できる。
【0053】すなわち、成形物の強度調整剤としては、
上記(1)ないし(5)に挙げたすべてのものが採用で
き、さらにその他にも、例えば以下の(6)ないし(2
1)に挙げるものが採用できる。
【0054】(6)ぶどう糖および果糖等の単糖類、し
ょ糖、麦芽糖、および乳糖等の二糖類、オリゴ糖、水
飴、デキストリン、または異性化糖等の糖、あるいはそ
れらの混合物、(7)ソルビトール、マンニトール、ラ
クチトール等の糖アルコール、あるいはそれらの混合
物、(8)植物性油脂、動物性油脂、それらの加工油脂
等の油脂、あるいはそれらの混合物、(9)カルナウバ
ワックス、カンデリラろう、みつろう、パラフィン、マ
イクロクリスタリンワックス等のワックス(ろう)、あ
るいはそれらの混合物、(10)キサンタンガム、ジェ
ランガム等微生物生産多糖、グアーガム、ローカストビ
ーンガム、ペクチン、アラビアガム、カラヤガム、タラ
ガム、カラギーナン等植物由来の多糖等の増粘多糖類、
あるいはそれらの混合物、(11)例えばカルシウム、
ナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウム、
鉄等金属の塩化物、硫酸化物、有機酸化物、硝酸化物、
炭酸化物、水酸化物、リン酸化物等化合物等の塩類、あ
るいはそれらの混合物、(12)石英粉、珪藻土、タル
ク、シリコン等の不溶性鉱物物質、あるいはそれらの混
合物、(13)セルロース、微結晶セルロース、紙、カ
ルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、アセチ
ルセルロース等の繊維やその誘導体、あるいはそれらの
混合物、(14)ガラス、金属、炭素、セラミック、あ
るいはそれらの繊維、構造物等の無機物およびその構造
物、あるいはそれらの混合物、(15)貝殻、骨粉、卵
殻、葉、木粉、あるいはそれらの混合物、(16)炭酸
カルシウム、炭素、タルク、二酸化チタン、シリカゲ
ル、酸化アルミニウム等の非繊維フィラー、あるいはそ
れらの混合物、(17)ステアリン酸、乳酸、ラウリン
酸等の脂肪酸あるいはそれらの金属塩等の塩、または、
酸アミド、エーテル等の脂肪酸誘導体等、あるいはそれ
らの混合物、(18)グリセリン、ポリグリセリン、プ
ロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロ
ピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステル、
レシチン、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート
等、その他の食品添加物、あるいはそれらの混合物、
(19)シェラック、ロジン、サンダラック樹脂、グッ
タペルカ、ダンマル樹脂等の樹脂、ポリビニルアルコー
ル、ポリ乳酸等の生分解性樹脂等の樹脂、あるいはそれ
らの混合物、(20)その他、アセチルトリブチルサイ
トレート、ジルコニウム塩溶液、アンモニウムジルコニ
ウムカーボネイトアルカリ溶液、あるいはそれらの混合
物、(21)(1)ないし(20)の混合物等が挙げら
れる。
【0055】また、同じく副原料のひとつとしての可塑
剤としては、上記(1)ないし(17)および(19)
に挙げたすべてのものが採用でき、その他にも、例え
ば、(22)アセチルトリブチルサイトレート、あるい
は、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコー
ル、エチレングリコール等のアルコール類、あるいはそ
れらの混合物や、(23)これら可塑剤の混合物が採用
できる。
【0056】同じく乳化剤としては、例えば、グリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコール脂肪酸エステル、シュガーエステ
ル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、ポリソルベ
ート等、あるいはそれらの混合物が採用できる。
【0057】同じく安定剤としては、例えば、上記
(1)ないし(3)、(6)、(7)、(10)、(1
3)(ただし紙を除く)、(17)や、(24)これら
安定剤の混合物が採用できる。
【0058】同じく離型剤としては、例えば、上記
(8)、(9)、(17)や、(25)これら離型剤の
混合物が採用できる。
【0059】同じく成形物のキメ、均質性の調整剤とし
ては、例えば、上記(1)ないし(21)や、(26)
これらキメ、均質性の調整剤の混合物が採用できる。
【0060】同じく保湿剤としては、例えば、上記
(1)ないし(11)、(13)、(15)ないし(1
8)や、(27)これら保湿剤の混合物が採用できる。
【0061】同じく原料ハンドリング調整剤としては、
例えば、上記可塑剤、乳化剤、安定剤として採用できる
すべてのものや、(28)これら原料ハンドリング調整
剤の混合物が採用できる。
【0062】同じく導電率調整剤としては、例えば、上
記(8)ないし(11)や、(29)グルタミン酸ソー
ダー等のアミノ酸塩、イノシン酸ソーダー等の核酸塩、
酢、酒、みりん、スパイス、からし、わさび、みそ等、
一般に使用される調味料、あるいはそれらの混合物や、
(30)これらの導電率調整剤の混合物が採用できる。
【0063】同じく誘電損失調整剤としては、例えば、
上記(8)、(9)、(11)、(12)、(14)、
(29)や、(31)ジルコニウム塩、アンモニウムジ
ルコニウムカーボネイト溶液、あるいはそれらの混合物
や、(32)これら誘電損失調整剤の混合物が採用でき
る。
【0064】同じく保存剤としては、例えば、(33)
ソルビン酸およびその塩(カリウム塩、ナトリウム塩
等)、安息香酸およびその塩(カリウム塩、ナトリウム
塩等)および安息香酸のエステル化合物、デヒドロ酢酸
およびその塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)、チアベ
ンダゾール、OPP(オルトフェニルフェノール)およ
びその塩(カリウム塩、ナトリウム塩等)、ジフェニル
等、あるいはそれらの混合物が採用できる。
【0065】同じく膨化剤としては、例えば、(34)
ベンゼンスルホヒドラジン化合物、アゾニトリル化合
物、ニトロソ化合物、ジアゾアセトアミド化合物、アゾ
カルボン酸化合物、イスパタ(アンモニア系膨張剤)、
炭酸水素ナトリウム、アンモニウムミョウバン、酒石酸
水素塩(カリウム等)、炭酸マグネシウム、またはそれ
らの製剤、あるいはそれらの混合物が採用できる。
【0066】同じくその他に、(29)に挙げた調味料
あるいはそれらの混合物、(35)無機顔料、天然・合
成染料、カラメル、カカオ末、カーボンブラック等の着
色料、あるいはそれらの混合物、(36)天然および合
成香料および調整製剤等の香料、あるいはそれらの混合
物、(37)上記(29)、(35)および(36)の
混合物を添加することができる。
【0067】また、上記原料に添加する副原料である結
着剤として、水、蛋白質、澱粉、増粘多糖類、糖類、可
塑剤、乳化剤、油脂、安定剤、あるいはそれらの混合物
が採用できるが、これらに限定されない。
【0068】また、上記すべての副原料のうちの任意の
ものからなる混合物を添加することができる。
【0069】各原料の組み合わせおよび配合比率(組
成)は、それぞれの原料の特性を考慮して決定すること
ができる。つまり、成形物製造時に要求される特質(例
えば作業効率)や、出来上がった成形物自身に要求され
る特質(例えば成形物の形態、大きさ、用途特性等)に
合わせて、上記原料を適切に配合調整することができ
る。一例として、梱包材のような成形物の製造には十分
な発泡が必要であるが、その場合、膨化剤として知られ
る、上記(34)の炭酸水素ナトリウム、酒石酸水素
塩、ベンゼンスルホヒドラジン化合物等を配合する等の
ように工夫することによって、所望の生成物を得ること
ができる。
【0070】なお、本発明に係る生分解性成形物の製造
方法は、本実施例に限定されず、例えばさらに種々の工
程を追加することができる。例えば、通電加熱で成形し
た後で、蛋白質のシートでコーティング処理を行うよう
にすることもできる。例えば、上記の成形物表面に、例
えば蛋白質からなるフィルム、シート等を積層する方法
や、あるいは蛋白質溶液を塗布または噴霧する等の方法
により、成形物表面に蛋白質層を形成してもよい。成形
物表面に設けられた蛋白質層は、成形物を水分から保護
する役割を果たす。したがって、このような成形物は、
水分を多く含む食品の容器としても使用した場合でも、
水もれ等を生じることがなく、優れた耐水性、防水性を
有するものになる。これにより、製造後の成形物の強度
が向上する。
【0071】また、通電加熱で成形した後で、生分解性
とともに耐水性を有する樹脂、ワックス、木蝋等を成形
物にコーティングして、成形物表面に樹脂層を形成する
ことも可能である。これによって、上記同様、成形物が
水分から保護されるので、耐水性が向上する。
【0072】さらに、本発明の生分解性成形物中の水分
量はなんら限定されるものではないが、成形後に水分を
3〜30%に調整することによって、強度や耐水性がよ
り向上し、製造後の成形物の水分変動量が減少する。そ
のため、変形やひび割れを防止できる。それによって、
各用途に応じた成形物として一層好適に機能するように
なる。
【0073】なお、本発明における成形物とは、容器、
包装材等の成形物素材を広く指すものである。成形物の
用途、物品を例示すれば以下のようなものが挙げられ
る。すなわち、例えば、ハンバーガー、ホットドッグ、
フライドポテト、フライドチキン、たこやき、フランク
フルト、餅、アイスクリーム、ラーメン、うどん、野
菜、果物、肉、魚、乾物等の食品用容器としてや、ソフ
トクリームやアイスクリーム等のコーンカップやウェフ
ァース等の可食性容器や、また、食品用容器以外として
も、植木鉢、ゴルフのティー、包装用梱包材、屑入れ、
箸、団扇等の日用品等広い分野にわたって利用可能であ
る。さらに、軽く薄くすることが容易にでき、例えば食
品用容器等に用いた場合、スタック性に優れている(す
なわち重ねたときのかさが低くできる)ので、輸送時や
貯蔵時の効率が向上する。
【0074】なお、ここに例示したものはあくまで一例
であって、本生分解性成形物は、これらに限定されるも
のではない。
【0075】また、本実施例にかかる生分解性成形物
は、生分解性を有しているため、土中に埋めると、細
菌、微生物等により容易に分解される。それゆえ、一般
のプラスチック容器等が有する公害問題が発生しない。
分解に要する時間は、原料の種類によって異なり、一概
にはいえないが、約2週間〜10週間である。
【0076】また、原料によっては、成形物が不要にな
った際には、土中に埋めて廃棄するほかに、家畜用飼料
として利用することもできる。
【0077】〔実施例2〕本発明の他の実施例について
説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施例と同
様の内容については説明を省略する。本実施例に係る生
分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法を用い
て生分解性成形物を製造する。
【0078】表3に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。乳清蛋白質粉末と水とを同表に示す組成で
ミキサーに仕込み、2分間混合し、乳清蛋白質粉末と水
とからなる混合物を得た。次いで、あらかじめ110℃
に加熱した金型に、上記混合物を所定量計量して分注
し、通電加熱処理した。得られた成形物を金型より取り
出し、室温にて放冷することにより、カップ状の成形物
を得た。
【0079】各成分から成形物を製造した場合の、成形
性、組織の均一性および柔軟性を調べた。その結果も併
せて示す。なお、表中、「◎」は非常に良好、「○」は
良好を表している。
【0080】
【表3】
【0081】これにより、表3に示す組成の場合に、成
形性、組織の均一性および柔軟性の優れた生分解性成形
物を製造可能であることが分かる。
【0082】〔実施例3〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0083】表4に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。また、各成分から成形物を製造した場合
の、成形性、組織の均一性および柔軟性を調べた。その
結果も併せて示す。柔軟性の測定はレオメータを使用し
て行った。すなわち、作製された成形物を試料台に固定
した後、成形物が破断するまで試料台上方の所定位置か
らプランジャーを降下させ、成形物が破断するまでにプ
ランジャーが降下した距離に基づいて調べた。なお、表
中、「◎」は非常に良好、「○」は良好を表している。
【0084】
【表4】
【0085】これにより、表4に示す組成の場合に、成
形性、組織の均一性および柔軟性の優れた生分解性成形
物を製造可能であることが分かる。特に、原料中に砂糖
を混合することにより、砂糖を混合しない場合と比べて
柔軟性の増した成形物が得られている。
【0086】〔実施例4〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0087】表5に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。
【0088】また、各成分から成形物を製造した場合
の、成形時間比および強度を調べた。その結果も併せて
示す。強度は、レオメータにより、成形物が破断するま
での最大応力を測定することによって調べた。なお、表
中、「◎」は非常に良好、「○」は良好、「△」はやや
不良をそれぞれ表している。
【0089】
【表5】
【0090】表5から明らかなように、強度調整剤を添
加した場合に、強度の優れた生分解性成形物を製造可能
であることが分かる。その場合に、導電率調整剤を加え
ることによって、強度がさらに向上している。また、導
電率調整剤としての硫酸ナトリウムを加えることによっ
て、成形に要する時間が短くなっていることが分かる。
【0091】〔実施例5〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0092】表6に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。
【0093】また、各成分から成形物を製造した場合
の、成形性および混合性を調べた。その結果も併せて示
す。なお、表中、「◎」は非常に良好、「○」は良好、
「△」はやや不良をそれぞれ表している。
【0094】
【表6】
【0095】表6から明らかなように、結着剤を添加し
た場合に、だまが少なく、混合性のよい生分解性成形物
原料が得られ、均一な組織を有する生分解性成形物が得
られた。また、導電率調整剤を加えることによって、成
形性が向上していることが分かる。
【0096】〔実施例6〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0097】表7に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。
【0098】
【表7】
【0099】上記の組成によっても、良好に生分解性成
形物を製造することができた。
【0100】〔実施例7〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0101】表8に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。
【0102】
【表8】
【0103】上記の組成によっても、良好に生分解性成
形物を製造することができた。
【0104】〔実施例8〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0105】表9に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。また、各成分から成形物を製造した場合
の、成形時間比、成形性および発泡比を調べた。その結
果も併せて示す。なお、表中、「○」は良好を表してい
る。
【0106】
【表9】
【0107】表9から明らかなように、膨化剤を加える
ことにより、発泡度が上昇し、発泡組織も均一になる。
このようなものは、断熱効果や、緩衝性に優れる。
【0108】なお、上記の例では、炭酸水素ナトリウム
は膨化剤としての役割だけでなく、電解質として導電率
を上げる効果もある。
【0109】〔実施例9〕本発明のさらに他の実施例に
ついて説明すれば、以下の通りである。なお、前記実施
例と同様の内容については説明を省略する。本実施例に
係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方法
を用いて生分解性成形物を製造する。
【0110】表10に、成形物の原料を構成する各成分
の組成を示す。また、各成分から成形物を製造した場合
の、成形性および強度を調べた。なお、強度は実施例4
と同様に調べた。その結果も併せて示す。なお、表中、
「○」は良好、「△」はやや不良をそれぞれ表してい
る。
【0111】
【表10】
【0112】表10から、強度調整剤を添加した場合
に、強度の優れた生分解性成形物を製造可能であること
が分かる。
【0113】〔実施例10〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。本実施例
に係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方
法を用いて生分解性成形物を製造する。
【0114】表11に、成形物の原料を構成する各成分
の組成を示す。本実施例において製造される生分解性成
形物は、ソフトクリームやアイスクリーム等のコーンカ
ップ容器や、ウェファース等として用いることのでき
る、可食容器である。
【0115】
【表11】
【0116】以上の原料を用いて生分解性成形物を製造
したところ、得られた成形物は、均一な組織を有し、色
むらもなく、良好な強度を有するものであった。
【0117】〔実施例11〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。本実施例
に係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方
法を用いて生分解性成形物を製造する。
【0118】表12に、成形物の原料を構成する各成分
の組成を示す。
【0119】
【表12】
【0120】以上の原料を用いて生分解性成形物を製造
したところ、得られた成形物は、均一な組織を有し、色
むらもなく、良好な強度を有するものであった。
【0121】〔実施例12〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。本実施例
に係る生分解性成形物の製造方法は、実施例1同様の方
法を用いて生分解性成形物を製造する。
【0122】表13に、成形物の原料を構成する各成分
の組成を示す。また、各成分から成形物を製造した場合
の、成形性および強度を調べた。その結果も併せて示
す。なお、表中、「◎」は非常に良好、「○」は良好を
それぞれ表している。
【0123】
【表13】
【0124】表13から、上記のような組成において
は、可塑剤としてのソルビトールとステアリン酸マグネ
シウムをそれぞれ3重量%、5重量%とすることによっ
て、成形性が非常に優れ、しなやかで丈夫な生分解性成
形物を製造可能であることが分かる。
【0125】〔実施例13〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。
【0126】本実施例に係る生分解性成形物の製造方法
は、まず、実施例1同様の方法を用いて通電加熱処理ま
でを行う。表14に、成形物の原料を構成する各成分の
組成を示す。
【0127】
【表14】
【0128】次に、上記のようにして得た成形物を2群
に分け、うち1群の表面に、大豆蛋白シートを圧着する
ことによって積層した。あるいは、シート状でなくフィ
ルム状のものでもよい。
【0129】上記フィルムまたはシートの作製方法は、
通常行われているキャスト法、圧縮プレス法、押し出し
成形法等が挙げられるが、特に限定するものではなく、
緻密なフィルムまたはシートを成形することのできる成
形方法が望ましい。成形物にフィルムまたはシートを積
層する方法としては、通常行われている圧縮ラミネーシ
ョン法、co-extrusion法等が挙げられるが、特に限定す
るものではない。
【0130】また、上記の方法以外に、原料に含まれる
蛋白質によって成形時に表面で層を形成する方法も可能
である。
【0131】形成された蛋白質層の厚みは、特に限定さ
れるものではないが、使用、取扱い、保管上の観点か
ら、1mm以下が好ましい。
【0132】ここでは、上記成形物の表面に蛋白シート
を配置して金型に入れ、130℃〜150℃で圧着させ
ることにより、蛋白質からなる層が表面に形成された成
形物(コップ)を得た。得られた蛋白質層が形成された
成形物および、比較として蛋白質層が形成されていない
成形物のそれぞれに、20℃の水100mlを加え、経
時的変化を観察することによって、耐水性を調べた。
【0133】その結果、蛋白シートを圧着したものは、
耐水性を3時間保ったが、圧着しなかったものは、耐水
性は10分しかなかった。したがって、本実施例におい
て製造した生分解性成形物の表面に蛋白シートを圧着す
ることにより、耐水性の優れた成形物が得られることが
分かる。
【0134】このように、本実施例においては、通電加
熱で成形した後で、蛋白質のシートでコーティング処理
を行う。
【0135】成形物表面に設けられた蛋白質層は、成形
物を水分から保護する役割を果たすので、このような成
形物は、優れた耐水性、防水性を有する。そのため、水
分を多く含む食品等の容器として使用した場合でも、水
分の漏れ、容器の変形、内表面の溶解等を生じることな
く、快適に成形物を使用することができる。
【0136】なお、コーティングされる成形物として
は、澱粉からなるもの、蛋白質からなるもの、紙製品、
パルプモールドおよび布地等を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
【0137】コーティング用の蛋白質としては、カゼイ
ンまたはその塩、大豆蛋白質、コラーゲン、卵白、グル
テン、ゼイン、乳蛋白、ゼラチンや、また、酵母や大豆
等のように高濃度に蛋白質を含むもの、またはそれらの
混合物等を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0138】上記の蛋白質フィルムまたはシートの形成
時において、必要に応じ、可塑剤等の添加物を加えても
よい。
【0139】なお、上記のように、成形物表面に、例え
ば蛋白質からなるフィルムやシート等を積層する方法以
外にも、例えば、蛋白質溶液を塗布または噴霧する方法
や、蛋白質溶液に成形物を浸漬する等の方法によって成
形物表面に蛋白質層を形成してもよい。
【0140】〔実施例14〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。
【0141】本実施例に係る生分解性成形物の製造方法
は、まず、実施例1同様の方法を用いて通電加熱処理ま
でを行う。本実施例においては、成形物の原料を構成す
る各成分として、前出の表14に示した組成を用いてい
る。
【0142】通電加熱処理の後、表15に示す配合比率
で、成形物の表面にコーティング剤を塗布した。そし
て、実施例13同様に、成形物(コップ)に20℃の水
100mlを加え、経時的変化を観察することによっ
て、耐水性を調べた。
【0143】
【表15】
【0144】したがって、表15に挙げたように配合し
たコーティング剤によって、耐水性の優れた生分解性成
形物が得られることが分かる。
【0145】このように、本実施例においては、実施例
13と同様の目的で、通電加熱で成形した後で、生分解
性を有する樹脂、ワックス、木蝋等を成形物にコーティ
ングして、成形物表面に樹脂層を形成する。
【0146】成形物表面に形成された樹脂層は、成形物
を水分から保護する役割を果たすので、このような成形
物は、水分を多く含む食品の容器として使用した場合で
も、水もれ等を生じることがない。これによって、耐水
性、防水性が向上する。
【0147】なお、上記コーティング用の樹脂層の構成
成分としては、上記以外にも、例えば、グッタペルカ、
サンダラック樹脂、シェラック、ジェルトン、ソルバ、
チクル、ダンマル樹脂、ミルラ、ペルーバルサム、ガム
ロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン、ギ
ルソナイト、ゴムなどを挙げることができるが、これら
に限定されない。
【0148】樹脂溶液の作製には、アルコール、エーテ
ル、四塩化炭素、アセトン、ベンゼン、酢酸エチル、ト
ルエン、ヘキサン等の溶媒を用いることができるが、こ
れらに限定されない。
【0149】なお、成形物表面にコーティングする方法
としては、上記のように樹脂溶液を塗布する方法以外に
も、例えば、樹脂溶液を噴霧する方法や、成形物を樹脂
溶液に浸漬する方法等の方法によって成形物表面に樹脂
層を形成してもよい。
【0150】なお、形成された樹脂層の厚みは、特に限
定されるものではないが、使用、取扱い、保管上の観点
から、1mm以下が好ましい。
【0151】〔実施例15〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。本実施例
においては、成形物の原料を構成する各成分として、前
出の表14に示した組成を用いている。
【0152】本実施例に係る生分解性成形物の製造方法
は、通電加熱処理の前に、表16に示すものを同表に示
す比率で、混合工程において成形物の原料に添加する。
そして、その後、すべて実施例1同様の方法と同じよう
に通電加熱処理を行って成形物を得た。このような操作
により、成形物の表面に、添加物による樹脂層が形成さ
れる。
【0153】得られた成形物(コップ)のそれぞれに、
20℃の水100mlを加え、経時的変化を観察するこ
とによって、耐水性を調べた。その結果を表16に併せ
て示す。
【0154】
【表16】
【0155】すなわち、上記のものを添加したものは耐
水性を24時間以上保ったが、添加しなかったものは、
耐水性は10分しかなかった。したがって、表16に挙
げたものを添加することによって、耐水性の優れた生分
解性成形物が得られることが分かる。
【0156】〔実施例16〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。本実施例
においては、成形物の原料を構成する各成分として、前
出の表14に示した組成を用い、実施例1同様に原料を
混合、通電加熱した後で、室温にて放冷した後、含水率
を2〜40%に調整した。そして、実施例4同様にして
成形物の強度を調べた。強度は、レオメータにより、成
形物が破断するまでの最大応力を測定してその最大応力
を強度とした。表17に、含水率と強度を示す。
【0157】
【表17】
【0158】表17に示すように、この結果から、成形
物の含水率が強度に著しく影響を与えるということが明
らかになった。そして、含水率を3〜30重量%、より
好ましくは3〜20重量%に調整することによって、よ
り好ましい、強度的に向上した成形物を得ることができ
ることが分かる。そして、これによって、変形やひび割
れを好適に防止できる。そのため、各用途に応じた成形
物として一層好適に使用できるようになる。なお、含水
率が3%未満の場合は、得られた成形物がもろくなり、
一方、30%を越えると、柔らかくなり、形を保つこと
ができなくなる。
【0159】〔実施例17〕本発明のさらに他の実施例
について説明すれば、以下の通りである。なお、前記実
施例と同様の内容については説明を省略する。本実施例
においては、成形物の原料を構成する各成分として前出
の表14に示した組成を用い、実施例1同様に原料を混
合、通電加熱した後で、4群に分け、以下に示すない
しのような方法の処理を行い、含水率を9%に調整し
た。これにより、表17に示す最大強度を得た。
【0160】デシケータに24時間静置 25℃、相対湿度60%下に8時間静置 35℃、相対湿度65%下に4.5時間静置 25℃、相対湿度60%下に0.5時間静置、次いで
40℃、相対湿度80%下に1時間静置、次いで40
℃、相対湿度60%下に0.5時間静置。
【0161】そして、実施例4同様にして成形物の強度
を調べた。強度は、レオメータにより、成形物が破断す
るまでの最大応力を測定してその最大応力を強度とし
た。その結果、実施例16の含水率9%のときと同様、
160gの強度が得られた。
【0162】このように、通電加熱した後で種々の方法
で含水率調整処理することにより、より強度的に向上し
た成形物を得ることができ、変形やひび割れを好適に防
止できるので、各用途に応じた成形物として一層好適に
使用できるようになる。
【0163】〔実施例18〕本発明のさらに他の実施例
について図1に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。なお、前記実施例と同様の内容については説明を省
略する。
【0164】本実施例においては、成形物の原料を構成
する各成分として、表18および表19に示した組成を
用いる。
【0165】
【表18】
【0166】
【表19】
【0167】図1に、本実施例の生分解性成形物の製造
方法における製造装置の概略の構成を示す。すなわち、
本製造装置1においては、アルミ製の凸型の上型2と、
同じくアルミ製の凹型の下型3とが、互いの凸面と凹面
とがかみ合うように配置され、凹部と凸部との間に原料
4が配置されるようになっている。そして、両者の対向
する各面の周辺部に、PEEK(ポリエーテルエーテル
ケトン)からなる絶縁体5が配置されている。上型2と
下型3とは、電極としての役割も持っており、これら
に、交流電源6が接続されている。なお、電極や絶縁体
5等の材料は本発明の目的を達成できればよく、これら
に限定されない。例えば、絶縁体5の材料は耐熱性の樹
脂、プラスチック、セラミック等も採用できる。また、
通電条件は、交流電源6を0〜350Vに調整可能、1
3.56MHzとし、電流を0.3A、0.5A、0.7Aと
なるように調整した。
【0168】次に、この製造装置1を用いて生分解性成
形物を製造する手順について説明する。まず、上述の表
18および表19に示した原料を混合する。一方、上記
の電極(上型2、下型3)を140℃に加熱しておく。
【0169】次に、上記のように混合した原料を適量取
って下型3に載置する。そして、図1に示すように、絶
縁体5を介し、上型2を下型3に合わせ、固定・押さえ
つける。なお、絶縁体5は上型2あるいは下型3とあら
かじめ一体化されていてもよい。
【0170】次に、型(すなわち電極)2・3に、電流
が所定の値(0.3A、0.5A、0.7A)を常に保つよう
に印加電圧を調整しながら通電する。
【0171】なお、比較例として、上記と同じくサンプ
ルAおよびBを、本実施例に用いたのと同形の型を用い
て、190℃に加熱することによって、従来の加熱方法
による成形物を製造した。
【0172】表20に、上記のようにして製造した結果
を示す。なお、表中、「○」は成形物の成形が完了した
ことを、「×」は成形が不十分であったことを、「−」
は実施していないことを示す。
【0173】
【表20】
【0174】この結果から、本実施例においては、比較
例と比べて、短時間で成形物ができることが分かる。ま
た、電流を調整することにより、成形速度の調整(短時
間化)が可能であることが分かる。
【0175】また、本実施例においては、色むらのな
い、均一な組織の成形物を得ることができた。
【0176】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の生分解性
成形物の製造方法は、生分解性を有する原料に対して通
電加熱処理を行う方法である。
【0177】それゆえ、周囲への放熱が少なく、熱損失
が減少し、エネルギー効率が向上するという効果を奏す
る。
【0178】また、そのため、製造装置周辺の温度が上
昇しないので、作業環境の悪化を防ぐことができるとい
う効果を奏する。
【0179】また、加熱時に、加熱対象物に温度ムラが
生じ難くなり、さらに均一な組織を有する成形物を短時
間で作製できるので、量産性を向上できるという効果を
奏する。
【0180】また、成形型を予め所定温度まで加熱する
必要がないので、そのための余分なエネルギーと時間が
不要になるという効果を奏する。
【0181】また、加圧成形を行う場合と比較し大掛か
りな装置を必要とせず、設備的な負担も軽減すると共
に、騒音や振動が生じることもないので、作業環境の悪
化を防ぐことができるという効果を奏する。
【0182】また、高圧の発生による危険性がないの
で、このような危険性に対する特別な配慮が不要になる
という効果を奏する。
【0183】請求項2記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が水と均一な混合が可能な蛋白質を含んで
おり、通電加熱処理前に、上記原料に水を添加する方法
である。
【0184】それゆえ、ムラや粘り等の生じていない流
動性の良好な混合物を用いて、より均一な組織と強度を
有する生分解性成形物を設備的な負担の増大や作業環境
の悪化を招来することなく、短時間で作製できるという
効果を奏する。
【0185】請求項3記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が含水率10%以下の蛋白質を含んでお
り、通電加熱処理前に、上記原料に結着剤を添加する方
法である。
【0186】それゆえ、ムラや粘り等の生じていない流
動性の良好な混合物を用いて、より均一な組織と強度を
有すると共に、成形後、経時変化に伴う重量変化の少な
い生分解性成形物を設備的な負担の増大や作業環境の悪
化を招来することなく、短時間で作製できるという効果
を奏する。
【0187】請求項4記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が「飲食物および/またはその原料」の有
効成分の主要部分を取り出した後の残渣を含んでいる方
法である。
【0188】それゆえ、上記のような残渣を原料として
用いて本発明の生分解性成形物を製造することによっ
て、食品加工の際、通常では廃棄処分するしかない部分
を有効に利用できる。このため、このような残渣の廃棄
における手間、焼却等における資源の浪費、廃棄場所不
足といった問題を低減することができるという効果を奏
する。
【0189】また、廃棄物を有効利用して、均一な組織
を有する生分解性成形物を短時間で、かつ設備的な負担
の増大や作業環境の悪化を招来することなく、短時間で
作製できるという効果を奏する。
【0190】請求項5記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、上記原料が「穀物粉および/または澱粉」を含んで
おり、通電加熱処理前に、上記原料に水を添加する方法
である。
【0191】それゆえ、使用及び保管時に充分な強度を
有すると共に、均一な組織を有する生分解性成形物を設
備的な負担の増大や作業環境の悪化等を生じることな
く、短時間で作製できるという効果を奏する。
【0192】請求項6記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、原料を通電加熱処理して得たものに対して、蛋白質
のシートでコーティング処理を行う方法である。
【0193】それゆえ、製造後の成形物の強度および耐
水性が向上するという効果を奏する。
【0194】請求項7記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、原料を通電加熱処理して得たものに対して、生分解
性樹脂でコーティング処理を行う方法である。
【0195】それゆえ、製造後の成形物の強度および耐
水性が向上するという効果を奏する。
【0196】請求項8記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、成形物原料を通電加熱処理する前に、原料に生分解
性樹脂を添加する方法である。
【0197】それゆえ、耐水性の優れた生分解性成形物
が得られるという効果を奏する。
【0198】請求項9記載の生分解性成形物の製造方法
は、請求項1記載の生分解性成形物の製造方法におい
て、原料を通電加熱処理して得たものに含まれる水分量
を3〜30%に調整する方法である。
【0199】それゆえ、より強度的に向上した成形物を
得ることができ、各用途に応じた成形物として一層好適
に機能するようになるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の生分解性成形物の製造方法
における製造装置の概略の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 製造装置 2 上型 3 下型 4 原料 5 絶縁体 6 交流電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B65D 85/78 E C08L 3/02 LAV 89/00 LSE C09D 189/00 PCR H05B 3/00 340

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性を有する原料に対して通電加熱処
    理を行うことを特徴とする生分解性成形物の製造方法。
  2. 【請求項2】上記原料が水と均一な混合が可能な蛋白質
    を含んでおり、通電加熱処理前に、上記原料に水を添加
    することを特徴とする請求項1記載の生分解性成形物の
    製造方法。
  3. 【請求項3】上記原料が含水率10%以下の蛋白質を含
    んでおり、通電加熱処理前に、上記原料に結着剤を添加
    することを特徴とする請求項1記載の生分解性成形物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】上記原料が「飲食物および/またはその原
    料」の有効成分の主要部分を取り出した後の残渣を含ん
    でいることを特徴とする請求項1記載の生分解性成形物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】上記原料が「穀物粉および/または澱粉」
    を含んでおり、通電加熱処理前に、上記原料に水を添加
    することを特徴とする請求項1記載の生分解性成形物の
    製造方法。
  6. 【請求項6】原料を通電加熱処理して得たものに対し
    て、蛋白質のシートでコーティング処理を行うことを特
    徴とする請求項1記載の生分解性成形物の製造方法。
  7. 【請求項7】原料を通電加熱処理して得たものに対し
    て、生分解性樹脂でコーティング処理を行うことを特徴
    とする請求項1記載の生分解性成形物の製造方法。
  8. 【請求項8】成形物原料を通電加熱処理する前に、原料
    に生分解性樹脂を添加することを特徴とする請求項1記
    載の生分解性成形物の製造方法。
  9. 【請求項9】原料を通電加熱処理して得たものに含まれ
    る水分量を3〜30%に調整することを特徴とする請求
    項1記載の生分解性成形物の製造方法。
JP1732495A 1994-02-04 1995-02-03 生分解性成形物の製造方法 Pending JPH07258427A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1732495A JPH07258427A (ja) 1994-02-04 1995-02-03 生分解性成形物の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1294194 1994-02-04
JP6-12941 1994-02-04
JP1732495A JPH07258427A (ja) 1994-02-04 1995-02-03 生分解性成形物の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07258427A true JPH07258427A (ja) 1995-10-09

Family

ID=26348642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1732495A Pending JPH07258427A (ja) 1994-02-04 1995-02-03 生分解性成形物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07258427A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0891849A1 (en) * 1996-12-16 1999-01-20 Nissei Kabushiki Kaisha Method and apparatus for producing biodegradable molded article
EP0960709A1 (en) * 1996-12-03 1999-12-01 Nissei Kabushiki Kaisha Production method of biologically decomposable molded article made of starch
WO2001028869A1 (fr) * 1999-10-20 2001-04-26 Et.Eitoku Corporation Contenant traite du type plateau, plat, plateau a the, boite a repas, pot a semis, paquet et coupe, fabrique a partir de gaines de petioles, dechets, matieres non utilisees et matieres recyclees de plantes cycliques telles que des plantes recoltees du type mais, millet, paille, canisse, bambou, kenaf, kaoliang et palmier
KR20030066207A (ko) * 2002-02-05 2003-08-09 송석호 일회용 용기 제조방법
KR100458167B1 (ko) * 2002-03-20 2004-11-26 황기옥 자연분해 되는 1회용 용기의 제조방법 및 그 제조장치
WO2018043698A1 (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 Spiber株式会社 モールド成形体及びモールド成形体の製造方法
RU2760306C1 (ru) * 2020-12-10 2021-11-23 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Самарский государственный аграрный университет» Состав для получения биоразлагаемой посуды
CN115028902A (zh) * 2022-07-01 2022-09-09 承德医学院 一种以植物蛋白为原料的环保可回收餐具及其制备方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0960709A1 (en) * 1996-12-03 1999-12-01 Nissei Kabushiki Kaisha Production method of biologically decomposable molded article made of starch
EP0960709A4 (en) * 1996-12-03 2001-02-21 Nissei Kk METHOD OF PRODUCING BIODEGRADABLE SHAPED ITEMS FROM STARCH
EP0891849A1 (en) * 1996-12-16 1999-01-20 Nissei Kabushiki Kaisha Method and apparatus for producing biodegradable molded article
EP0891849A4 (en) * 1996-12-16 2001-02-21 Nissei Kk METHOD AND APPARATUS FOR THE PRODUCTION OF A BIODEGRADABLE MOLDED ARTICLE
WO2001028869A1 (fr) * 1999-10-20 2001-04-26 Et.Eitoku Corporation Contenant traite du type plateau, plat, plateau a the, boite a repas, pot a semis, paquet et coupe, fabrique a partir de gaines de petioles, dechets, matieres non utilisees et matieres recyclees de plantes cycliques telles que des plantes recoltees du type mais, millet, paille, canisse, bambou, kenaf, kaoliang et palmier
KR20030066207A (ko) * 2002-02-05 2003-08-09 송석호 일회용 용기 제조방법
KR100458167B1 (ko) * 2002-03-20 2004-11-26 황기옥 자연분해 되는 1회용 용기의 제조방법 및 그 제조장치
WO2018043698A1 (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 Spiber株式会社 モールド成形体及びモールド成形体の製造方法
CN109642035A (zh) * 2016-09-02 2019-04-16 丝芭博株式会社 模压成形体和模压成形体的制造方法
RU2760306C1 (ru) * 2020-12-10 2021-11-23 федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего образования «Самарский государственный аграрный университет» Состав для получения биоразлагаемой посуды
CN115028902A (zh) * 2022-07-01 2022-09-09 承德医学院 一种以植物蛋白为原料的环保可回收餐具及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3474031B2 (ja) 生分解性成形物の製造方法
US5591491A (en) Method for manufacturing biodegradable molded articles
US5716440A (en) Biodegradable molded articles
JP3961421B2 (ja) 生分解性成形物およびその製造方法、並びに発泡成形用組成物
JP4291699B2 (ja) 生分解性成形物
JPWO2003070592A1 (ja) 密封容器
EP2612559A1 (en) Instant dried noodles and process for producing the same
JPH07258427A (ja) 生分解性成形物の製造方法
WO2020107814A1 (zh) 一种可食用环保日用容器及其制作工艺
KR101030117B1 (ko) 떡의 조성물 및 떡의 제조방법
CN102461704A (zh) 糖果的加工工艺
JPH05246417A (ja) 生分解性成形物及びその製造方法
KR101537658B1 (ko) 장기간 경화되지 않는 유산균 찹쌀떡의 제조방법
JP2003191264A (ja) 生分解性成形物の製造方法
KR101548601B1 (ko) 재성형쌀을 이용한 즉석 식품의 제조방법 및 이에 따라 제조된 즉석 식품
JP2002262793A (ja) 発芽玄米発酵水飴の製法及びその製品
JP6245755B2 (ja) シリアルブロック菓子
CN106173179A (zh) 一种黑芝麻冰激凌
KR20240006918A (ko) 목이버섯 발효 콜라겐 펩타이드 조성물을 함유한 아이스크림 제조방법
JP2014073106A (ja) 容器入りベーカリー製品及び容器入りベーカリー製品の製造方法
JP5943184B2 (ja) 米粉を用いた焼き菓子およびその製造方法
JPH0383536A (ja) ワッフルコーン及びその製造法
RU2309598C1 (ru) Способ производства жировой начинки для вафель
US20200270458A1 (en) Biodegradable ployceramics
WO2019141692A1 (fr) Methode de fabrication de produits alimentaires a partir de yaourt