JPH07258194A - イソシアネート類の製造方法 - Google Patents

イソシアネート類の製造方法

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JPH07258194A
JPH07258194A JP6048690A JP4869094A JPH07258194A JP H07258194 A JPH07258194 A JP H07258194A JP 6048690 A JP6048690 A JP 6048690A JP 4869094 A JP4869094 A JP 4869094A JP H07258194 A JPH07258194 A JP H07258194A
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bis
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大川  隆
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俊成 青木
Hirotsugu Matsunaga
裕嗣 松永
Hideo Igarashi
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【構成】カルバミン酸エステル類を熱分解して対応する
イソシアネート類を製造するに際し、有機スルホン酸及
びそのアルカリ金属塩触媒とイソシアネート類に対して
不活性な溶媒との存在下でカルバミン酸エステル類を熱
分解し、生成するイソシアネート類とアルコール類とを
別々に回収する。 【効果】熱分解反応の反応速度が大きく、高沸点物の副
生が抑制されるので高い空時収率でイソシアネート類が
製造される。また触媒として重金属や重金属化合物を用
いないので、触媒の変質、失活等に伴う高沸点物の付
着、沈降等がなく、長期間安定した運転ができると共
に、使用後触媒の処理も容易である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルバミン酸エステル
類を熱分解してイソシアネート類を製造する方法に関す
る。イソシアネート類は、ポリウレタン、ポリウレア等
の製造原料として有用であり、大規模に商業生産されて
いる。
【0002】
【従来技術】イソシアネート類は工業的に、通常、アミ
ン類とホスゲンとの反応、所謂ホスゲン法によって製造
されている。しかしながらホスゲン法は、毒性の強いホ
スゲンの取扱いや大量に副生する塩酸の処理、装置の腐
食性等に問題があり、これに代る工業的製造法の開発が
望まれている。
【0003】この一つの方法として、カルバミン酸エス
テル類を熱分解する方法がある。カルバミン酸エステル
類を液相で加熱することによりイソシアネート類が得ら
れることは知られているが、一般的に無触媒では熱分解
速度が小さく、また熱分解温度を高めると高沸点副生物
が増加し収率が低下する傾向にある。そこでカルバミン
酸エステル類の熱分解速度を高め、副反応を抑制する方
法として触媒、安定化助剤等の使用が種々提案されてい
る。
【0004】すなわち触媒を用いてカルバミン酸エステ
ル類を熱分解してイソシアネート類を製造する方法とし
ては、例えば特公昭57-45736号には、元素の周期律表I
B、IIB、 IIIA、IVA、IVB、VB及びVIII族の金属
原子より成る群の中から選ばれた1種又は2種以上の金
属又はその化合物を溶媒中に溶解させた触媒が開示され
ている。特開昭54-88201号にはアルカリ土類金属及びそ
の金属化合物を触媒として用いる方法が記載されてい
る。特開昭 57-158747号には周期律表の銅族、亜鉛族、
アルミニウム族、炭素以外の炭素族、チタン族元素の単
体及びこれら元素の酸化物又は硫化物から選ばれた単体
又は化合物を1種または2種以上を溶媒中で不均一系触
媒として用いる方法が開示されている。また特開昭 57-
159752号には、高沸点物の副生を抑制するために、上記
の如き触媒の存在下又は非存在下、塩化水素、有機酸ク
ロライド、有機及び無機酸のアルキルエステルからなる
アルキル化作用を有する物質及び有機錫-(VI)-クロライ
ドの群から選ばれた安定化助剤を用いる方法が提案され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】カルバミン酸エステル
類(ウレタン)を熱分解してイソシアネート類を製造す
る方法では、上記の如き触媒や安定化助剤を用いた場合
でも、高沸点副生物が多いか、または空時収率が低い欠
点がある。すなわちカルバミン酸エステル類を液相で加
熱することによりイソシアネート類が製造できるが、一
般的に無触媒下では熱分解速度が小さく空時収率が低
い。また温度を高めると高沸点物が増加し収率が低下す
る。このためCo、Mn、Fe、Ni等の重金属又はそ
の化合物からなる均一系又は不均一系触媒を用いること
が提案されている。しかしながらこのような触媒は、触
媒の変質、失活等に伴い触媒成分が高沸点物と共に析出
し、反応装置内での付着又は沈降が起こるので、反応装
置の長期間安定運転が困難となる。またこれらの触媒は
使用後、蒸発器、濾過器等でハルツと共に溶媒から分離
することになるが、ハルツに重金属が含まれるのでその
処理が煩雑である。
【0006】本発明の目的は、カルバミン酸エステル類
の熱分解によりイソシアネート類を製造する方法におい
て、熱分解速度を高めると共に生成するイソシアネート
類からの高沸点物の副生を抑制し、高い空時収率でイソ
シアネート類を長期間安定に製造できる方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等はカルバミン
酸エステル類の熱分解によりイソシアネート類を製造す
る方法における上記の如き課題について鋭意検討した結
果、不活性な溶媒の存在下、有機スルホン酸またはその
アルカリ金属塩を触媒に用いることにより、高沸点副生
物が少なく、イソシアネート類を高い収率で得られると
共に、安定な操業が可能で、且つ使用後触媒の処理が容
易となることを見出し、本発明に到達した。
【0008】即ち本発明は、カルバミン酸エステル類を
熱分解して対応するイソシアネート類を製造するに際
し、有機スルホン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれ
た化合物の1種又は2種以上を含む触媒とイソシアネー
ト類に対して不活性な溶媒との存在下、カルバミン酸エ
ステル類を 150〜350 ℃の温度で熱分解し、生成するイ
ソシアネート類とアルコール類とを別々に回収すること
を特徴とするイソシアネート類の製造方法である。
【0009】本発明方法について、以下に具体的な説明
をする。本発明方法において原料として用いられるカル
バミン酸エステル類は、一般式R1 (NHCOOR2
n で示される化合物である。ここでR1 及びR2 は、飽
和又は不飽和の脂肪族基、脂環族基、芳香族基及びアラ
ルキル基から選ばれた有機基であり、R1 及びR2 は同
一でも互いに異なっていても良い。nは 1〜4 の整数で
ある。
【0010】R1 及びR2 の脂肪族基としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、アミル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、オク
チル、ノニル、デシル、ドデシル、オクタデシル等のア
ルキル基;エチレン、プロピレン、ブチレン、アミレ
ン、ヘキシレン、オクチレン等のアルキレン基;プロペ
ニル、ブテニル、ペンテニル等のアルケニル基が例示さ
れる。またR1 及びR2 の脂環族基としては、シクロペ
ンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオク
チル等が例示される。芳香族基及びアラルキル基として
は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、ビフェニ
ル、アントニル等が例示される。なおこれらの有機基
は、イソシアネート基と反応しない置換基、例えばハロ
ゲン基、アルコキシ基、ニトロ基等を含むものでも良
い。
【0011】本発明に用いられるカルバミン酸エステル
類の具体例としては、1,4-ビス(メトキシカルボニルア
ミノ)ブタン、1,6-ビス(メトキシカルボニルアミノ)
ヘキサン、1,8-ビス(メトキシカルボニルアミノ)オク
タン等の脂肪族カルバミン酸エステル類;1,3-又は1,4-
ビス(メトキシカルボニルアミノ)シクロヘキサン、1,
3-又は1,4-ビス(メトキシカルボニルアミノメチル)シ
クロヘキサン、3-メトキシカルボニルアミノメチル-3,
5,5- トリメチル-1- メトキシカルボニルアミノシクロ
ヘキサン、ビス(4-メトキシカルボニルアミノシクロヘ
キシル)メタン、1-メチル-2,4- ビス(メトキシカルボ
ニルアミノ)シクロヘキサン等の脂環族カルバミン酸エ
ステル類;1,3-又は1,4-ビス(メトキシカルボニルアミ
ノメチル)ベンゼン類、1,3-又は1,4-ビス(メトキシカ
ルボニルアミノ)ベンゼン、1-メチル-2,4- ビス(メト
キシカルボニルアミノ)ベンゼン、1-メチル-2,6- ビス
(メトキシカルボニルアミノ)ベンゼン、2,4'- 又は
4,4'-ビス(メトキシカルボニルアミノ)ジフェニルメ
タン、 4,4'-ビス(メトキシカルボニルアミノ)ビフェ
ニル、1,5-又は2,6-ビス(メトキシカルボニルアミノ)
ナフタレン、1,5-又は2,6-ビス(メトキシカルボニルア
ミノメチル)ナフタレン等の芳香族カルバミン酸エステ
ル類;及び各化合物のメトキシカルボニルアミノ置換基
に代えてエトキシカルボニルアミノ置換基又はフェノキ
シカルボニルアミノ置換基を有するカルバミン酸エステ
ル類等が挙げられる。これらのカルバミン酸エステル類
は単一でも、2種以上の混合物でも使用できる。
【0012】本発明に用いられる触媒は有機スルホン酸
及びそのアルカリ金属塩から選ばれる。有機スルホン酸
は、一般式 R3 SO3 H 〔R3 は脂肪族基、脂環族
基、芳香族基及びアラルキル基から選ばれた有機基〕で
表される化合物であり、この有機基R3 には、イソシア
ネート基とは反応しない置換基、例えばハロゲン基、ア
ルコキシ基、ニトロ基等を含む化合物も使用できる。有
機スルホン酸の具体例としては、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、プロパンスルホン酸、イソプロパンス
ルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘ
キサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスル
ホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸等の脂肪
族スルホン酸類;ベンゼンスルホン酸、オルト、メタ及
びパラトルエンスルホン酸、メタキシレン-4- スルホン
酸、オルトキシレン-4- スルホン酸、メタクロルベンゼ
ンスルホン酸、パラクロルベンゼンスルホン酸、2,4-ジ
クロロベンゼンスルホン酸、パラブロムベンゼンスルホ
ン酸、ナフタレン−α−スルホン酸、ナフタレン−β−
スルホン酸等の芳香族スルホン酸類が挙げられる。有機
スルホン酸のアルカリ金属塩は、一般式 R3 SO3
〔Mは Li, Na,K, Cs等のアルカリ金属〕で表される
化合物である。具体例としては上記有機スルホン酸のナ
トリウム、カリウム塩類等が挙げられる。本発明の触媒
はこれらの化合物の2種以上の混合物でも使用できる。
触媒の使用量は、反応溶液に対して0.0001〜10重量%の
範囲、好ましくは 0.001〜1 重量%の範囲である。
【0013】本発明で用いられるイソシアネート類に対
して不活性な溶媒は、脂肪族、脂環族及び芳香族の置換
又は非置換の炭化水素類、エステル類、ケトン類、エー
テル類等である。具体例としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、ノナン、デカン等のアルカン類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ビフェニル、ナフタレン、ベンジルトル
エン、ピレン、トリフェニルメタン、フェニルナフタレ
ン、ベンジルナフタレン等の芳香族炭化水素類;フタル
酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジデシル等
のエステル類;メチルエチルケトン、アセトフェノン等
のケトン類;アニソール、ジフェニルエーテル等のエー
テル類が挙げられる。このような溶媒の使用量は、カル
バミン酸エステルに対して0.05〜20重量倍の範囲、好ま
しくは 0.1〜10重量倍の範囲である。
【0014】カルバミン酸エステル類を熱分解する反応
温度は 150〜350 ℃の範囲、好ましくは 200〜300 ℃の
範囲である。反応温度が 150℃より低いと熱分解速度が
小さく、また 350℃より反応温度が高いと副反応が増加
するので好ましくない。反応圧力は通常、減圧下で実施
されるが、必要に応じて常圧、又は加圧下でも実施され
る。反応時間は触媒の種類と量、反応温度、反応圧力、
反応型式等によって異なるが、通常は 0.2〜5 時間の範
囲である。
【0015】本発明の方法においてカルバミン酸エステ
ル類は対応するイソシアネート類とアルコール類に熱分
解されるが、再結合してカルバミン酸エステルに戻るの
を防ぐためにイソシアネート類とアルコール類を別々に
回収する必要がある。この方法として反応の進行と共に
生成してくる成分のうち低沸点成分のみを蒸留等により
分離・除去する方法がある。この分離を促進するため
に、窒素、アルゴン、メタン等の不活性ガス、又は低沸
点で不活性な有機溶剤、例えばベンゼン、ヘキサン等を
反応系内に導入することができる。また別法として反応
の進行と共に生成してくるイソシアネート類とアルコー
ル類との蒸気を蒸留等により系外に抜出し凝縮温度の差
を利用して分縮させ、別々に回収する方法もある。
【0016】カルバミン酸エステル類を熱分解する反応
操作は回分式によっても実施できるが、実用的には完全
混合型反応器又は管型反応器を用いる流通式が好まし
い。流通式では、例えば多段式の蒸留塔を熱分解反応器
として用い、カルバミン酸エステル、溶媒及び触媒から
なる原料溶液を減圧下に保持された反応器へ連続的に供
給し、反応で生成してくるイソシアネート類とアルコー
ル類との蒸気を系外で分縮させることによって好適に実
施できる。ここで得られたイソシアネート留分は必要に
応じて蒸留等によって高純度品に精製される。一方、反
応器からは滞留液を連続的又は間欠的に抜出し、蒸発器
等によりハルツ分を除去した後、留分の未反応のカルバ
ミン酸エステル、溶媒等は原料系へ循環される。
【0017】本発明における非金属系触媒の有機スルホ
ン酸類又はそのアルカリ金属塩類は、カルバミン酸エス
テル類の熱分解反応を促進すると共に生成するイソシア
ネート類からの副反応を抑制するので、高い空時収率で
イソシアネート類が製造できる。また本触媒類を使用す
ることにより、触媒成分が高沸点物と共に析出すること
がないので、反応装置を長期間安定運転することができ
る。また使用後の触媒は蒸発器、濾過器等でハルツと共
に溶媒から分離されるが、重金属を含まないので容易に
処理することができる。
【0018】
【実施例】次に実施例及び比較例により本発明を更に具
体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により制
限されるものではない。
【0019】実施例1 反応蒸留型式で1,3-ビス(メトキシカルボニルアミノメ
チル)シクロヘキサン(以下、1,3-BUCと称する)の
熱分解速度を測定し、無触媒に対する触媒の性能につい
て評価した。キャピラリー、温度計、反応液サンプリン
グ用ノズル及び還流冷却器付き分留頭を備えた 300mlの
四つ口フラスコを反応器に使用した。分留頭には1,3-ビ
ス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(以下、1,3-
BICと称する)を捕集する受器を取付け、還流冷却器
には60℃の温水を循環した。還流冷却器上部はドライア
イスで冷却したメタノール捕集用のトラップを通して真
空ラインに連結した。反応液サンプリング用ノズルは受
器を経由して別途真空ラインに連結した。1,3-BUC 1
5g、マルロサームS(主成分;ベンジルトルエン)溶媒
150g 及び触媒としてナフタレン−β−スルホン酸 0.1
5gを反応器に仕込み窒素置換した後、系内を 30mmHg に
保持した。次に反応器を温度 265℃に維持したオイルバ
ス内に設置し、液温が 260℃に達した時点を反応開始と
して熱分解実験を行った。反応開始後、所定時間毎に反
応液をサンプリングし、ガスクロマトグラフにて組成分
析を行って1,3-BUCの濃度変化を調べた。カルバミン
酸エステルの熱分解反応がカルバミン酸エステル濃度の
一次反応として熱分解速度を求めた結果、k1 =1.91h
-1であった。
【0020】比較例1 実施例1と同様な方法において、無触媒下で1,3-BUC
の熱分解実験を行い、熱分解速度を測定した結果、k1
=0.145 h-1であった。これより実施例1では、無触媒
に比べ熱分解速度が13倍向上したことが分かる。
【0021】実施例2〜8 実施例1と同様な方法で、触媒としてメタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メ
タキシレン-4- スルホン酸、メタンスルホン酸カリウム
及びメタキシレン-4- スルホン酸ナトリウムを0.15〜0.
29g を用いて各々1,3-BUCの熱分解実験を行い熱分解
速度を測定した。実験結果を比較例1及び実施例1の結
果と共に表1に示す。
【0022】
【表1】 触媒の種類 使用量[g] 熱分解速度[h-1] 比較例1 無触媒 0.145 実施例1 ナフタレン−β−スルホン酸 0.15 1.91 実施例2 メタンスルホン酸 0.15 1.38 実施例3 ベンゼンスルホン酸 0.15 0.97 実施例4 パラトルエンスルホン酸 0.15 1.09 実施例5 パラトルエンスルホン酸 0.29 1.95 実施例6 メタキシレン−4−スルホン酸 0.15 1.15 実施例7 メタンスルホン酸カリウム 0.15 0.90 実施例8 メタキシレン−4−スルホン酸 ナトリウム 0.15 1.99
【0023】実施例9 キャピラリー、温度計、原料供給ノズル、反応液抜出し
ノズル及び分留頭付き充填塔(ディクソンパッキング充
填;約8段)を備えた 500mlの五つ口フラスコを反応器
に使用した。マルロサームS溶媒にパラトルエンスルホ
ン酸濃度として50ppmを溶かした溶液 350mlを仕込みマ
ントルヒーター内に設置した。分留頭には、1,3-BIC
を捕集する受器と還流冷却器を取り付け、還流冷却器に
60℃の温水を循環させた。還流冷却器上部はドライアイ
スで冷却したメタノール補集用のトラップを通して真空
ラインに連結した。反応液抜出しノズルは、調節弁、次
いで受器を通して別途真空ラインに連結した。恒温原料
槽に1,3-BUC/マルロサームS=1/2重量比で仕込
んだ後、溶液濃度として 50ppmになるようにパラトルエ
ンスルホン酸を添加して調製した。反応器液温を 250
℃、系内の圧力を22mmHgに保持しながら、原料液は定量
ポンプを用いて150g/hの流速でノズルより反応器へ供給
した。反応で生成した1,3-BICとメタノールは各々の
受器で捕集した。反応器内の滞留液は液面を一定のレベ
ルに維持するように連続的に受器へ抜出した。反応開始
後、所定時間毎に各受器の液量を測定し、またガスクロ
マトグラフを用いて組成分析を行った。定常状態におけ
るデータを解析した結果、1,3-BUC分解率 99.6 %に
おいて 1,3- BIC選択率 96.8 %、中間体のモノイソ
シアネート選択率は 1.6%となった。この運転を12時間
継続したが、反応器及び受器内には固形物の付着又は沈
降等は認められなかった。
【0024】実施例10 1,3-ビス(メトキシカルボニルアミノメチル)ベンゼン
(以下、MXDUと称する)の熱分解実験を行った。触
媒種としてナフタレン−β−スルホン酸を用い、触媒使
用量を溶液濃度として 20ppmにした以外は、実施例9と
同様とした。反応開始後、所定時間毎に各受器の液量を
測定し、また液体クロマトグラフ及びガスクロマトグラ
フを併用して組成分析を行った。定常状態におけるデー
タを解析した結果、MXDU分解率 99.4 %においてメ
タキシリレンジイソシアネート選択率 95.8 %、中間体
のモノイソシアネートの選択率は 2.7%となった。この
運転を12時間継続したが、反応器及び受器には固形物の
付着、沈降等は認められなかった。
【0025】比較例2 実施例10において触媒種としてナフテン酸コバルトを
用いMXDUの熱分解を行った。触媒使用量は溶液濃度
としてナフテン酸コバルト 20ppmとした。定常状態にお
けるデータを解析した結果、MXDU分解率 95.2 %に
おいてメタキシリレンジイソシアネート選択率 89.7
%、中間体のモノイソシアネートの選択率は 3.2%とな
った。運転開始後 4時間頃から褐色の固形物が析出し始
め、次に反応器の壁に付着し、徐々に蓄積する現象が認
められた。
【0026】実施例11 1-メチル-2,4- ビス(エトキシカルボニルアミノ)ベン
ゼンの熱分解実験を行った。実施例9及び10と同様な
方法において、始めにマルロサームS溶媒にメタキシレ
ン-4- スルホン酸溶液濃度として 50ppmを溶かした溶液
350mlを反応器に仕込んだ。恒温原料槽に1-メチル-2,4
- ビス(エトキシカルボニルアミノ)ベンゼン/マルロ
サームS=1/1重量比で仕込んだ後、溶液濃度とし 5
0ppmになるようにメタキシレン-4- スルホン酸を添加し
て調製した。これ以外は実施例9及び10と同様な条件
とした。定常状態におけるデータを解析した結果、1-メ
チル-2,4- ビス(エトキシカルボニルアミノ)ベンゼン
分解率 99.8 %においてトリレン-2,4- ジイソシアネー
ト選択率 94.8 %、中間体のモノイソシアネートの選択
率は 2.8%となった。この運転を12時間継続したが、反
応器及び受器には固形物の付着、沈降等は認められなか
った。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法では非金属系のスルホン酸
類を触媒に用い、カルバミン酸エステル類の熱分解反応
速度が大きく、また生成するイソシアネート類からの高
沸点物の副生が抑制され、高い空時収率で対応するイソ
シアネート類が製造される。更に触媒として従来技術の
如く重金属や重金属化合物を用いないので、触媒の変
質、失活等に伴う高沸点物の付着、沈降等がなく、長期
間安定した運転ができると共に、使用後触媒の処理も容
易である。従って本発明の方法によりイソシアネート類
が工業的に極めて有利に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 五十嵐 秀雄 新潟県新潟市太夫浜字新割182番地 三菱 瓦斯化学株式会社新潟研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルバミン酸エステル類を熱分解して対
    応するイソシアネート類を製造するに際し、有機スルホ
    ン酸及びそのアルカリ金属塩から選ばれた化合物の1種
    又は2種以上を含む触媒とイソシアネート類に対して不
    活性な溶媒との存在下、カルバミン酸エステル類を 150
    〜350 ℃の温度で熱分解し、生成するイソシアネート類
    とアルコール類とを別々に回収することを特徴とするイ
    ソシアネート類の製造方法。
JP06048690A 1994-03-18 1994-03-18 イソシアネート類の製造方法 Expired - Fee Related JP3083039B2 (ja)

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