JPH02212465A - ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

ポリイソシアネートの製造方法

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JPH02212465A
JPH02212465A JP3326089A JP3326089A JPH02212465A JP H02212465 A JPH02212465 A JP H02212465A JP 3326089 A JP3326089 A JP 3326089A JP 3326089 A JP3326089 A JP 3326089A JP H02212465 A JPH02212465 A JP H02212465A
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JP
Japan
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reaction
thermal decomposition
polyisocyanate
polycarbamate
solvent
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JP3326089A
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English (en)
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Yoshitoshi Kumagai
熊谷 善敏
Tetsuo Takano
哲雄 高野
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (I!!業上の利用分野) 本発明は、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
トの製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリメチレンポ
リフェニルポリカーバメートの液相熱分解によりポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネートを製造する方法
に関する。
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、
単にポリイソシアネートと略記)、なかんずく2核体の
メチレンジフェニルジイソシアネート (MDI)は、
ポリウレタンエラストマーおよび被覆材料製造の原料と
して有用な物質であり、この用途における使用量は、揮
発性が高く毒性の強いことが問題となっているトリレン
ジイソシアネー)(TDr)を現在では凌駕しており、
工業的規模での大量生産が行われている。
(従来の技術) 従来、TDIやMDIのような芳香族イソシアネート化
合物は、芳香族ニトロ化合物を水素還元して得られる芳
香族アミンをホスゲンと反応させることにより製造され
ていた。しかし、この方法は、工程が複雑な上、有毒な
ホスゲンを使用すること、塩化水素が大量に副生ずるこ
となどの問題点があった。そこで、ホスゲンを使用しな
い芳香族イソシアネー)[の製造方法が盛んに研究され
ている。これらの方法は、■直接法、■カーバメート経
由法の2種類に大別できる。
第1の直接法は、芳香族ニトロ化合物にパラジウム系触
媒の存在下で一酸化炭素を作用させ、芳香族イソシアネ
ート化合物を直接製造する方法である。この方法には、
反応条件が過酷であるばかりでなく、触媒の生産性が低
い、副反応が併発しやすいといった欠点がある。さらに
、この方法は、MDIのようなポリイソシアネートの製
造にそのまま適用することは困難である。
第2のカーバメート経由法は、芳香族ニトロ化合物とア
ルコールとに白金族金属触媒またはセレン触媒の存在下
で一酸化炭素を作用させて、中間生成物の芳香族カーバ
メートを得、次いでこのカーバメートを熱分解して芳香
族イソシアネートを得る方法である。
本発明は、このカーバメート経由法によるポリイソシア
ネートの製造方法に関するものである。
この方法によれば、下記の反応式に示すように、N−フ
ェニルカーバメート(■)をホルムアルデヒド等のメチ
レン化剤との縮合により架橋してポリメチレンポリフェ
ニルポリカーバメート(以下、単にポリカーバメートと
略記)(■)を生成させ、次いでこのポリカーバメート
を熱分解すると、対(式中、mは0または1〜6の整数
、Rは炭素数1〜6の低級アルキル基を意味する)。
この方法は、原料となるN−フェニルカーバメートをニ
トロ化合物あるいはアミノ化合物から合成する優れた方
法が近年開発されたため、ポリイソシアネートの有利な
製造法として注目されている。しかし、この方法の第二
段階、すなわち、ポリカーバメートの熱分解工程を、従
来公知の熱分解法で実施した場合、反応速度および生成
ポリイソシアネートの収率と品質が不十分であるため、
この方法は工業的規模での実施には至っていない。
(発明が解決しようとする問題点) ポリカーバメートの熱分解における主要な問題点は、反
応生成物のポリイソシアネートが熱的に不安定なため、
目的とするポリイソシアネートとその他の副生成物ある
いは未反応原料を蒸留で完全に分離することが実質上不
可能なことに起因する。
このため、ポリイソシアネートの製造においては、一般
に2核体のMDI(上式でm=0)の−部を真空下に比
較的低温での蒸留により分取してピュアMDI製品とし
、蒸留残留物はそれ以上の蒸留を行うことなく一括して
クルードMDI製品として回収し、いずれもポリウレタ
ン製造原料として使用することが行われている。
熱分解反応で生成しうる好ましくない副生成物としては
、併発的或いは逐次的な反応により生成する高沸点物と
熱分解中間生成物のイソシアネートカーバメート体が挙
げられる。このような副生成物と未反応原料はいずれも
MDIより高沸点であるので、上記のクルードMDI製
品中に含まれることになり、ピュアMDI製品の歩留ま
り低下とクルードMDI製品の品質劣化を同時に招き、
ポリウレタン原料として不満足なものしか得られなくな
る。
この問題を解決するには、できるだけ低温かつ短時間で
ポリカーバメートの熱分解反応を完結させることが必要
である。
公知のカーバメート類の熱分解法は、高温の気相で行う
方法と、溶媒に溶解させて比較的低温の液相で行う方法
とに大別される。
前者の気相法は、例えば特公昭46−1.7773号公
報に記載されているが、高温、高真空下で短時間反応を
行う必要があり、工業的規模での実施は装置的にも経済
的にも困難である。
液相熱分解法は、例えば、特開昭51−1.9721号
、同52−19624号、同54−39002号、同5
7−158747号公報、および米国特許筒2,409
.712号に説明されているが、これら従来の方法はい
ずれも触媒の使用および/または減圧下の条件を採用し
て熱分解を実施するものである。そのため、触媒の分離
・回収といった後処理が必要となり操作が煩雑となった
り、あるいは減圧のために運転上の制約が大となるうえ
、装置が過大で複雑となる等の問題点がある。
液相熱分解法の改良として、キャリヤーガスの使用によ
り熱分解反応で副生するアルコールの系外除去を促進し
、熱分解反応の完結を図る技術が開発されている。具体
的には、キャリヤーガスとして大量の不活性ガスを吹き
込む方法と、常圧下で高沸点の溶媒に低沸点溶媒を添加
した混合溶媒を使用し、発生する低沸点溶媒蒸気をキャ
リヤーガスとして利用する方法とがある(例、特開昭5
0−30832号および同第59−172451号)。
通常は前者の方法が用いられるが、この方法では大量の
不活性ガスを必要とし、経費の増大や反応操作の複雑化
を招き、工業的実施は困難である。
一方、後者の低沸点溶媒を使用する方法では、混合溶媒
中の低沸点溶媒の割合により反応温度が変化するので、
微妙な反応温度の制御が必要とされるポリカーバメート
の熱分解反応の工業的実施に応用するには無理がある。
本発明者らは、前記のようなキャリヤーガスを使用する
代わりに、適当な反応溶媒の選択により熱分解反応を沸
騰状態の溶媒中で実施し、発生する溶媒蒸気によりアル
コールを系外に除去しながらポリカーバメートを熱分解
する方法を先に提案した(特開昭63−150255号
および同63−203655号公報参照)。しかし、こ
の方法では、溶媒蒸気をアルコールのキャリアーとして
用いているために、反応熱以外に溶媒の蒸発潜熱に相当
する大量の熱量を反応系に供給する必要があり、特にア
ルコール生成量の少ない反応後期においては、系外に除
去されるアルコールの量に対して、供給すべき熱量の割
合が著しく増大するため経済的には不利である。さらに
、第1図に示すように、モノイソシアネートなどの反応
中間体を完全にポリイソシアネートに転化して反応を完
結させるのに長時間を要することは、ポリイソシアネー
トの熱的劣化を招き、その収率低下につながる。
本発明の目的は、前記熱分解反応後期で生成するアルコ
ールを効率的に系外に除去して、ポリカーバメートの熱
分解反応を短時間に完結させることができ、品質の改善
されたポリイソシアネートを少ない用役費で効率的に製
造することができる、工業的に有用なポリイソシアネー
トの製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果、
熱分解反応が相当程度まで進行した後、反応物を薄膜型
蒸発器等に移し、反応液をyl膜状でさらに反応させる
という2段階反応により、残留する少量のアルコールを
効果的に系外に除去することができ、熱分解反応が短時
間に完結することを見出し、本発明に到った。
ここに、本発明の要旨は、ポリカーバメートの液相熱分
解によるポリイソシアネートの製造において、ポリカー
バメート原料を沸騰状態の有機溶媒中で熱分解する第一
工程、およびこの第一工程の反応液を薄膜化してさらに
熱分解反応させる第二工程、からなることを特徴とする
、ポリイソシアネートの製造方法である。
(作用) 以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の方法において、熱分解反応に供する原料ポリカ
ーバメートは、前記−最大(■)(式中、mは0または
1ないし6の整数、Rは炭素数1ないし6の低級アルキ
ル基を意味する)で表わされるものである。
このポリカーバメート (II)は、前述したように、
公知方法に従い、相当するN−フェニルカーバメート 
(1)とメチレン化剤とを酸触媒の存在下に縮合反応さ
せることにより得られる。
−最大(1)および(II)において、Rはメチルまた
はエチルであるのが好ましい、また、−最大(II)に
おけるmの値は、ポリイソシアネートの用途により好ま
しい範囲が異なるが、mwoのメチレンジフェニルジカ
ーバメー) (MDU)からは商業的価値の高いMDI
が生成するので、m−〇の割合が可及的に多いことが一
般に好ましい。
メチレン化剤としては、ホルムアルデヒドまたはホルム
アルデヒドを発生させる物質、例えばトリオキサン、バ
ラホルムアルデヒド、メチラールなどが使用できる0通
常は、主として経済的理由から、ホルムアルデヒド水溶
液(ホルマリン)が使用される。
縮合反応は、通常50〜150℃の温度で行なわれる。
酸触媒としては、硫酸、塩酸などの鉱酸、三フッ化ホウ
素などのルイス酸、およびメタンスルホン酸などの有機
酸が使用でき、好ましくは強酸を使用する。所望により
、不活性な有機溶媒を存在させてもよい。
縮合により生成したポリカーバメート反応生成物は、縮
合反応混合物から触媒、未反応原料および水その他の反
応溶媒を除去することにより、固形物として取得するこ
とができる。必要により、イオン交換樹脂処理等により
精製してもよい。
こうして得られた一般式(■)で示されるポリカーバメ
ートの多核体組成は、メチレン化剤および酸触媒の種類
や反応条件によりある程度調節できることが知られてい
るが、いずれにしても、m−〇の三核体とm≧lの多核
体の混合物が生成する。ポリカーバメートは前述したよ
うに高沸点物質であり、蒸留による三核体の単離が困難
であるので、通常は三核体と多核体の混合物の状態で本
発明の熱分解反応の原料として使用する。また、反応生
成物中の未反応N−フェニルカーバメートは通常蒸留に
よって除去するが、これを全部もしくは一部残存させた
まま熱分解反応に供することもできる。
本発明の方法においては、こうして調製されたポリカー
バメート(■)を、上記のように2段階で液相熱分解し
、対応する一般式(III)で表わされるポリイソシア
ネートを製造する。
この液相熱分解反応は、ポリカーバメートを、好ましく
は触媒の不存在下に、を機溶媒中で高温に加熱して、ポ
リイソシアネートとアルコールとに熱分解することによ
り行われる0反応器から留出するアルコールは捕集して
、前記縮合反応の原料のN−フェニルカーバメートの製
造に好適に再使用することができる。
熱分解反応に用いる有機溶媒は、特に限定されず、反応
温度および圧力で液状であり、原料のポリカーバメート
と生成物のポリイソシアネートの両方に対して不活性で
あり、またこの両方を完全に熔解でき、しかも反応条件
下で熱的にも化学的にも安定なものであればよい、第一
工程を溶媒中で行うことから、常圧沸点が130〜30
0℃、好ましくは170〜270℃、特に好ましくは1
70〜260℃の範囲の溶媒を使用する。沸点が300
℃を超える溶媒では、反応終了後に反応混合物から溶媒
を蒸留により回収する際に、沸点が生成ポリイソシアネ
ートと近くなって溶媒の分離が困難となること、および
蒸留温度が高くなり、副反応によるポリイソシアネート
生成物の品質劣化を引き起こしやすくなることから、推
奨されない、溶媒の沸点が1.30℃より低いと、反応
温度で液相に保持するのに過大な加圧が必要となる。
本発明の熱分解反応に使用できる溶媒の具体例を次に例
示する:デカン、ドデカン、トヘキサデカン、n−オク
タデカン等の高級アルカン;0−キシレン、トキシレン
、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、ジイソプロ
ピルベンゼン、シクロヘキシ・。
ルベンゼン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の置換ベンゼン:メチル
ナフタレン、クロロナフタレン等の置換ナフタレン;ビ
フェニル、置換ビフェニル、ジフェニルメタン等のジフ
ェニル類;アントラセン、フェナンスレン等のターフェ
ニル頻;脂環弐炭化水素;ならびに、イソシアネートと
の反応性を有しない環式エーテル等のエーテルもしくは
ポリエーテル(具体的には、ジフェニルエーテル等)、
およびジオクチルフタレート等のエステルのような酸素
含有化合物またはこれらの化合物のイオウ類縁体、これ
らの溶媒のうち、ジクロロベンゼン、デカン、ドデカン
、ニトロベンゼン、ビフェニル、メチルナフタレン、シ
クロヘキシルベンゼン等が好ましい、これらの溶媒は、
単独でも、2種以上混合してもよく、所望の反応条件を
考慮して適当に選択する。
本発明の2段階熱分解法の第一工程は、溶媒を沸騰状態
に維持しながら行う、その結果、上述したように、発生
する溶媒蒸気がキャリヤーとなって、反応で副生ずるア
ルコールの系外への除去が促進される。それにより、化
学平衡を熱分解の方向に移動させ、生成したポリイソシ
アネートとアルコールとの再結合が防止され、反応速度
の増大と目的物の収率増大が図られる。
第一工程において、反応溶媒中の原料ポリカーバメート
の濃度は、反応方式等の条件により異なるが、一般に1
〜80重量%、好ましくは2〜50重置%の範囲である
。1重量%未満では、設備費、用役費が大となり、経済
的に困難である。他方、80重量%を超えると副反応が
併発し、目的とするポリイソシアネートの収率や製品品
質が低下する。
第一工程の熱分解反応温度は、180〜300℃、好ま
しくは200〜280℃の範囲内である0反応温度が1
80℃より低いと、十分な反応速度が得られない、30
0℃より高いと、多様な副反応が併発して、目的とする
ポリイソシアネートの収率が低下する。
蒸発により反応系内の溶媒が減少するので、反応系に溶
媒を補給しながら反応を行うことが好ましい0例えば、
蒸発した溶媒を凝縮させてアルコール蒸気から分離し、
これを必要に応じて追加の溶媒と共に、反応温度に予熱
してから反応系に戻すごとにより、反応系の液面をほぼ
一定に保持するといった方法が採用できる。
上記熱分解反応は、回分式または連続式のいずれでも実
施可能である。また、反応系の圧力は加圧、常圧および
減圧のいずれも可能であり、使用する反応溶媒と所望の
反応温度に応じて決定される0反応の完結度、熱分解生
成物の留出制御の面からは加圧下での反応が好ましい、
また、触媒は存在させなくても十分な反応速度が得られ
る。さらに、触媒の不存在下では反応物の後処理が著し
く簡単になる。
所望により、不活性ガスキャリヤーを反応系に導入して
もよい。不活性ガスの例は、窒素、ヘリウム、アルゴン
、炭酸ガス、メタン、エタン、プロパンなどであり、こ
れらを単独あるいは混合して使用できる。不活性ガスキ
ャリヤーを利用する場合には、反応系に導入する前に熱
分解反応で副生ずるアルコールの沸点より高温に予熱し
ておくことが好ましく、そうでないと反応槽の上部空間
でアルコールの一部が不活性ガスにより冷却されて凝縮
し、反応系に還流するために、熱分解反応の進行を阻害
する恐れがある。
本発明の方法では、溶媒の沸騰によりアルコールの除去
促進が図られているので、不活性ガスキャリヤーを導入
する場合でも、その導入量は従来のように大量である必
要はなく、生成物の酸化を防止し、溶媒の沸騰状態を安
定に維持できる量で充分である。あるいは、機械的攪拌
もしくは沸石の代替手段として少量の不活性ガスを吹込
むこともできる。
第一工程の反応時間は、原料ポリカーバメートの種類、
反応方式、反応条件、特に反応温度に依存して変化する
が、一般に5分間〜IO時間の範囲である。第一工程の
終了の目安は、反応中間体の収率が約30%以下、好ま
しくは約3〜10%程度となり、反応の進行が著しく低
下した時点である。
反応の進行は、反応器からのアルコールの留出量あるい
は反応液中の反応中間体の量などを測定することにより
監視することができる。
第一工程の反応器から抜き出した反応液は、次いで、本
発明の方法により、適当な薄膜型反応器に送られ、薄膜
状態でさらに熱分解反応させる。
この薄膜型反応器にはキャリアーガスを流通させること
が好ましく、それにより、気相に移動してきたアルコー
ルはキャリアーガスにより迅速に系外に除去され、未反
応のポリカーバメート原料の熱分解を短時間で効率的に
完結させることができる。その結果、第一工程のみで熱
分解反応を行った場合に比べて、反応時間が大幅に短縮
し、溶媒および用役の所要量が著しく低減し、ポリイソ
シアネート生成物の分解などの副反応が抑制され、製品
品質が向上する。
第二工程での熱分解反応に使用できる薄膜型反応器(フ
ィルム反応器とも呼ばれる)としては、垂直長管型の反
応器(流下型および上昇型)、あるいは管内上部から供
給された反応液を回転羽根、ワイパーなどにより強制的
に管内面に沿って薄膜化して流下させる形式のものなど
がある。キャリアーガスを使用する場合には、通常は反
応器の下部から供給し、発生したアルコールをキャリア
ーガスと共に反応器の上部から系外に除去する。キャリ
アーガスとしては、上述した不活性ガスの他に、ポリイ
ソシアネートに対して不活性な低沸点溶剤を反応器内で
蒸発させたガスも使用できる。
薄膜化反応での反応液の薄膜厚さは、処理量や液m膜の
表面積などによって異なるが、好ましくは0.001〜
100 am、より好ましくは0.01〜10cmの範
囲である。 0.001 cs未満であると溶媒の蒸発
が無視できなくなり、乾いた部分が発生し、副反応を引
き起こすことがある。薄膜が1001より厚くなると、
アルコールの気相への移行に対する液相での抵抗が大き
くなり、逆反応が無視できないほどになり、反応を完結
させることが困難になる。
第二工程での反応時間は、薄膜型反応器に供する第一工
程での反応液の組成、反応方式、反応条件、特に反応温
度に依存して変化するが、通常は0.01〜2時間、好
ましくは0.1〜1時間である。
0.01時間未満では反応を完結させることが困難であ
り、2時間を趨えた反応では、装置が過大になり経済的
でない。
第二工程の反応条件も、基本的には第一工程と同様でよ
い、すなわち、反応温度は180〜300℃、好ましく
は200〜280℃の範囲である。180℃未満では十
分な反応速度が得られず、他方300℃を超えると、多
様な副反応が併発し易くなる。圧力は、減圧、常圧およ
び加圧のいずれも可能であるが、第一工程と同様に加圧
下での反応が好ましい。
本工程においてキャリアーガスを併用する場合には、溶
媒の蒸発は必要ないため、反応圧力は溶媒が蒸発しない
ような圧力とすることが好ましい。
例えば、反応温度が第一工程と同じであれば、第二工程
では溶媒が蒸発しないように、圧力を高めることができ
る。
本工程も、回分式でも連続式でも実施できるが、処理量
の面から連続式の方が好ましい。
第二工程の薄膜化反応器から得られた反応液から溶媒を
留去すると、熱分解反応生成物であるポリイソシアネー
トが回収される。
以上のように、本発明によれば、反応を従来より短時間
で実質的に完結することができ、ポリイソシアネートの
副反応が起こりにくいので、未反応原料や反応中間体を
実質的に含有せず、副反応生成物の含有量も著しく低減
した反応生成物が得られる。そのため、ポリイソシアネ
ートの品質が著しく改善される。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
なお、以下の実施例における分析は次の要領で行った。
フェニルカーバメート、ポリカーバメート、ポリイソシ
アネートの転化率、収率および多核体分布の決定は、反
応物の一部を採取し、乾燥メタノールおよび/または乾
燥テトラヒドロフランで希釈した後、高速液体クロマト
グラフィで分析する方法により行った。また、ポリイソ
シアネートのNCO値は、JIS K−1603(19
85)に記載の試験方法に従って決定した。実施例中、
%は特に言及しない限り重量基準による。
大l±1 ■第一工程 撹拌器、温度計、圧力計、段数5段の充填式蒸留塔、そ
の塔頂部から留出する蒸気を冷却凝縮する冷却管および
受器、予熱手段を備えた窒素ガス吹き込み管、ならびに
溶媒供給管を備えた内容積5001の耐圧容器に、硫酸
中でのホルムアルデヒドとエチルフェニルカーバメート
との縮合反応により得られた、下記第1表に示す組成の
ボリカーハfi −)10g、 o−ジクロロベンゼン
270gを仕込み、窒素ガスで反応器内を2.9 kg
/ajGに加圧し、充填式蒸留塔を170℃に加熱した
。さらに、170℃に予熱された窒素ガスを30m1/
s+inの流量で流して反応器内の圧力を2.9 kg
/cm”Gに保ち、外壁温度400℃に加熱しながら反
応を行った。溶液温度246℃で反応系の温度が一定に
なり、系内が沸騰状態となった0反応中、反応温度が0
.1℃/sinの割合で昇温するように徐々に反応圧を
高めた0反応中に、0〜ジクロロベンゼンと共にエタノ
ールが留出するので、留出した量と同じ体積の200℃
に予熱された0−ジクロロベンゼンを反応系に添加し、
反応系内の体積が反応中ずっと一定になるようにした。
沸騰状態になってから60分後に加熱を止め、液温か8
0℃になってから圧力を解放し、耐圧容器から反応液を
取り出した。この反応液の試料を高速液体クロマトグラ
フィーで分析した。原料ポリカーバメート中の4,4°
−MDU (4,4°−メチレンジフェニルシカ−バメ
ート)の転化率は98%(すなわち、残留する未反応4
,4“−MDUは2%)であり、中間体のモノイソシア
ネートおよび目的生成物の4.4°−MDI  (4,
4’−メチレンジフェニルジイソシアネート)の収率は
、原料ポリカーバメート中の4.4’−MDUに対して
それぞれ5.1モル%および92.2モル%であった。
第1表 (注)*:式(II)でm=lの化合物群■第二工程 次に、上部に原料タンク、充填式蒸留塔、その塔頂から
留出する蒸気を冷却凝縮する冷却管および受器、並びに
反応液を薄膜化するためのモータにより駆動されるワイ
パーを備え、下部に窒素導入口と反応液受器とを備えた
5tlS316製の反応カラムに、上記第一工程で得ら
れた反応液200m1を原料タンクに入れて上部から4
 ml/winの流速で導入し、ワイパーによりカラム
内壁に沿って薄膜状で流下させた。このときのカラム温
度は260 ’C1反応圧力は7kg/cjGであった
。この条件では溶媒00−ジクロロベンゼンは沸騰しな
い0反応力ラム内の液の薄膜厚さは約1 @mであり、
カラム内の滞留時間は約20分であった。窒素ガスは5
00 a+I/s+inの流量でカラムの下部から導入
した。
反応終了後、反応カラムの下部の受器に溜まった反応液
の試料を高速液体クロマトグラフィーで分析した結果、
未反応の4.4’−MDUおよび中間体のモノイソシア
ネートは検出されず、4.4’−MDUの収率は第一工
程に供給した原料4.4’ −M DUに対して97.
1モル%であった。この反応液を70℃15〜10+w
mHgで減圧蒸留して溶媒を留去すると、褐色の液体が
残った。この液体のNGO含有量は31゜2%であった
ス五貫」− 熱分解反応のポリカーバメート原料として4.4゜−M
DUの結晶20gを仕込んだ以外は、実施例1と同様に
熱分解反応を2段階で実施した。
第一工程終了後の4.4’−MDUの転化率は98.5
%であり、4.4’−MDIおよびモノイソシアネート
中間体の収率はそれぞれ4.1%および94.0%であ
った。
第二工程終了後の反応液を分析したところ、未反応の4
,4°−MDUおよびモノイソシアネート中間体は検出
されず、4.4°−MD Iの収率は98.2モル%で
あった。また、溶媒留去後のポリイソシアネート生成物
のNGO含有量は32.7%であった。
ル較勇 実施例1で用いたポリカーバメート原料を、反応時間を
5時間と延長した以外は、実施例1の第一工程と同様に
して、1段階で熱分解した。反応液を同様に分析したと
ころ、未反応4.4’ −M D Uは検出されず、中
間体モノイソシアネートおよび4.4°−MD Iの収
率は、仕込みの4,4°−MDUに対してそれぞれ0.
1モル%および89.1モル%であった。この反応液か
ら70℃15〜10+u+Hgでの減圧蒸留により溶媒
を留去して得たポリイソシアネート生成物のNGO含有
量は29.5%であった。NGO含有量が実施例1に比
べて低いことは、ポリイソシアネートの副反応併発によ
る副HE物の含有量が多いことを意味している。
比較のために、第2表に実施例1と比較例の結果を併せ
て示す。
第2表 (注)ネ:モノイソシアネート (反応中間体)(発明
の効果) 本発明では、ポリカーバメートの液相熱分解を溶媒沸騰
条件下において副生ずるアルコールを系外に除去しなが
ら行い、反応終了に近づき、アルコール生成量が少なく
なって反応速度が低下した時点で、次工程として薄膜化
反応器に移して反応させることにより、非常に効率的に
反応を完結させることができる。その結果、下記の効果
が得られる。
■アルコールの除去効率が高まるため、従来より短時間
で容易に未反応のポリカーバメートおよび反応中間体を
実質的に含有しないポリイソシアネート生成物を得るこ
とができる。
■反応液の加熱時間が短縮されるため、副反応併発によ
る生成物の熱損失や副生物生成を少なく抑えることがで
きるので、熱分解反応生成物の歩留まりおよび品質が改
善される。
′■全全般用役費が節減され、また反応操作も簡略化さ
れる。
その結果、副生物などの不純物の少ない品質の優れたポ
リイソシアネートが高い歩留まりで得られる。従って、
本発明によれば、ポリウレタン製造原料として好適な組
成および物性を有するポリイソシアネートを経済的に有
利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、ポリカーバメートの一段階での熱分解反応に
おける、反応系内の原料、反応中間体、および生成物の
存在比率と反応時間との関係を表すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 ポリメチレンポリフェニルポリカーバメートの液相熱分
    解によるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート
    の製造において、 前記ポリカーバメート原料を沸騰状態の有機溶媒中で熱
    分解する第一工程、および この第一工程の反応液を薄膜化してさらに熱分解反応さ
    せる第二工程、 からなることを特徴とする、ポリメチレンポリフェニル
    ポリイソシアネートの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064628A1 (en) 2000-02-29 2001-09-07 Huntsman International Llc Process for the preparation of organic polyisocyanates
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CN115572245A (zh) * 2022-09-29 2023-01-06 四川元理材料科技有限公司 异佛尔酮二氨基甲酸正丁酯热裂解生产ipdi的工业化方法

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