JPH02250857A - ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

ポリイソシアネートの製造方法

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JPH02250857A
JPH02250857A JP7137089A JP7137089A JPH02250857A JP H02250857 A JPH02250857 A JP H02250857A JP 7137089 A JP7137089 A JP 7137089A JP 7137089 A JP7137089 A JP 7137089A JP H02250857 A JPH02250857 A JP H02250857A
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Japan
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reaction
raw material
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polycarbamate
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JP7137089A
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Inventor
Tadashi Yao
正 矢尾
Tetsuo Takano
哲雄 高野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • B01J19/24Stationary reactors without moving elements inside

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネー
トの製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリメチレンポ
リフェニルポリカーバメートの液相熱分解によりポリメ
チレンポリフェニルポリイソシアネートを製造する方法
に関する。
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、
単にポリイソシアネートと略記)、なかんずく2核体の
メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)は、ポ
リウレタンエラストマーおよび被覆材料製造の原料とし
て有用な物質であり、工業的規模での大量生産が行われ
ている。
(従来の技術) 従来、芳香族ニトロ化合物から芳香族イソシアネート化
合物を合成する方法は以下の3種類に大別される。
第一の方法は、芳香族ニトロ化合物を水素還元して得ら
れる芳香族アミンをホスゲンと反応させてイソシアネー
トとする方法であり、現在工業的に実施されている。し
かし、この方法は、工程が複雑な上、有毒なホスゲンを
使用すること、塩化水素が大量に副生することなどの問
題点があった。
そこで、ホスゲンを使用しない芳香族イソシアネ−トの
製造方法がいろいろと検討されている。
第二の方法は、不活性溶媒中で芳香族ニトロ化合物にパ
ラジウム系触媒の存在下で一酸化炭素を作用させ、芳香
族イソシアネート化合物を直接製造する方法である。こ
の方法も、反応条件が過酷であるばかりでなく、触媒の
生産性が低い、副反応が併発しやすいといった欠点があ
る。さらに、この方法は、MDIのようなポリイソシア
ネートの製造にそのまま適用することは困難である。
第三の方法は、芳香族ニトロ化合物とヒドロキシル基含
有化合物とに白金族金属触媒またはセレン触媒の存在下
で一酸化炭素を作用させて、中間生成物の芳香族カーバ
メートを得、次いでこのカーバメートを熱分解して芳香
族イソシアネートを得る方法である。
本発明は、この第三の方法に属するものである。
具体的には、下記の反応式に示すように、N−フェニル
カーバメート(1)をホルムアルデヒド等のメチレン化
剤との縮合により架橋してポリメチレンポリフェニルポ
リカーバメート(以下、単にポリカーバメートと略記)
(■)を生成させ、次いでこのポリカーバメートを熱分
解して、対応するポリイソシアネート(■)を製造する
↓C)1.0と縮合 ↓熱分解 式中、mはOまたは1〜6の整数、n=m+2、Rは炭
素数1〜6の低級アルキル基である。
この方法は、原料となるN−フェニルカーバメートをニ
トロ化合物あるいはアミノ化合物から合成する優れた方
法が近年開発されたため、ポリイソシアネートの有利な
製造法として注目されている。
しかし、この方法の第二段階であるポリカーバメートの
熱分解工程を、従来公知の熱分解法で実施した場合、反
応速度および生成ポリイソシアネートの収率と品質が不
十分であるため、この方法は工業的規模での実施には至
っていない。
(発明が解決しようとする問題点) ポリカーバメートの熱分解における主要な問題点は、反
応生成物のポリイソシアネートが熱的に不安定で、熱劣
化を受けやすい化合物であることに起因する。そのため
、熱分解反応はできるだけ低温で短時間に完結させる必
要がある。
上記反応式に示したポリカーバメート(I[)からポリ
イソシアネート (III)への熱分解は可逆反応であ
る。高品質のポリイソシアネートを得るためには、原料
のポリカーバメートに含まれる複数個のウレタン基(−
NHCOOR)をすべてイソシアネート基(−NGO)
とアルコール(RO)I)とに熱分解しなければならな
い、この熱分解を効率的に行うには、副生ずるアルコー
ルを反応系外に迅速に除去することが重要である。
公知のカーバメー)ffの熱分解法は、高温の気相で行
う方法と、溶媒に溶解させて比較的低温の液相で行う方
法とに大別される。
前者の気相法は、例えば特公昭46−17773号公報
に記載されているが、高温、高真空下で短時間反応を行
う必要があり、工業的規模での実施は装置的にも経済的
にも困難である。
液相熱分解法は、例えば、特開昭51−19721号、
同52−19624号、同54−39002号、同57
−158747号公報、および米国特許第2.409.
712号に説明されているが、これら従来の方法はいず
れも触媒の使用および/または減圧下の条件を採用して
熱分解を実施するものである。そのため、触媒の分離・
回収といった後処理が必要となり操作が煩雑となったり
、あるいは減圧のために運転上の制約が大となるうえ、
装置が過大で複雑となる等の問題点がある。
液相熱分解法の改良として、キャリヤーガスの使用によ
り熱分解反応で副生するアルコールの系外除去を促進し
、熱分解反応の完結を図る技術が開発されている。具体
的には、キャリヤーガスとして大量の不活性ガスを吹き
込む方法と、常圧下で高沸点の溶媒に低沸点溶媒を添加
した混合溶媒を使用し、発生する低沸点溶媒蒸気をキャ
リヤーガスとして利用する方法とがある(例、特開昭5
0−30832号および同第59−172451号)。
通常は前者の方法が用いられるが、この方法では大量の
不活性ガスを必要とし、経費の増大や反応操作の複雑化
を招き、工業的実施は困難である。
一方、後者の低沸点溶媒を使用する方法では、混合溶媒
中の低沸点溶媒の割合により反応温度が変化するので、
微妙な反応温度の制御が必要とされるポリカーバメート
の熱分解反応の工業的実施に応用するには無理がある。
特開昭第59−172451号公報には、充填材を充填
した反応塔を用いて、加圧下で連続的に熱分解する方法
が記載されている。これは、高圧に保持した反応器の上
部から原料を供給し、下部から不活性ガスを供給すると
同時に製品を抜き出す方法であり、充填材により原料で
あるポリカーバメート溶液の表面積を増大させて、反応
を促進している。
また、加圧条件下で熱分解することにより、熱分解後の
ポリイソシアネートを溶剤と分離することが容易になり
、製品品質の向上が期待できる点で優れている。しかし
、副生アルコールの除去は大量の不活性ガスをキャリア
ーとする方法である。
さらに、充填材を使用した反応器は液ホールドアツプが
小さいため、比較的長時間反応温度に保持する必要があ
る熱分解反応を実施するには、大規模な設備が必要とな
る。大規模な充填塔内の液体の分布を均一にすることは
至難の技であるため、この方法の工業規模での実施は困
難である。
本発明の目的は、ポリカーバメートの熱分解を、副生ア
ルコール除去に、大量の不活性ガスを使用することなく
効率的に行うことができ、品質の改善されたポリイソシ
アネート、を製造することができる、工業的に有利なポ
リイソシアネートの製造方法を提供するこ、L:である
(課題を解決するための手段) 本発明者等は、上記目的を達成すべく検討を重ねた結果
、ポリカーバメートを完全に熱分解させるには比較的長
時間の反応時間が必要であり、熱分解反応器としては滞
留時間を長くできる棚段塔が適していること、その場合
、原料を棚段塔の中段に供給すると、原料供給段以下の
段においてポリカーバメートの熱分解反応が進行すると
同時に、それより上の段で副生アルコールの精留を行う
ことができ、アルコールの除去効率および熱分解反応の
反応効率を著しく改善できることを見出した。
ここに、本発明の要旨は、ポリカーバメートの液相熱分
解によるポリイソシアネートの製造において、棚段塔を
反応器として用い、該棚段塔の中段にポリカーバメート
を連続的に供給して熱分解を行うことを特徴とする、ポ
リイソシアネートの製造方法である。
本発明の好適態様においては、前記棚段塔の下部から溶
剤の蒸気を供給する。さらに、前記棚段塔からの製品を
、抜き出し直後にフラソシエ蒸留する。
(作用) 以下、本発明の詳細な説明する。
本発明の方法において、熱分解反応に供する原料ポリカ
ーバメートは、前記−最大(■)(式中、mは0または
1ないし6の整数、Rは炭素数1ないし6の低級アルキ
ル基を意味する)で表わされるものである。
このポリカーバメート(I[)は、前述したように、公
知方法に従い、相当するN−フェニルカーバメート(1
)とメチレン化剤とを酸触媒の存在下に縮合反応させる
ことにより得られる。
−最大(1)および(II)において、Rはメチルまた
はエチルであるのが好ましい。また、−最大(「) に
おけるmの値は、ポリイソシアネートの用途により好ま
しい範囲が異なるが、m=0のメチレンジフェニルシカ
−バメート(M D U)からは商業的価値の高いMD
Iが生成するので、m=0の割合が可及的に多いことが
一般に好ましい。
縮合により生成したポリカーバメート反応生成物は、縮
合反応混合物から触媒や反応溶媒を除去することにより
、固形物上して取得することができる、必要により、イ
オン交換樹脂処理等により精製してもよい0反応生成物
中の未反応N−フェニルカーバメートは蒸留によって除
去できるが、このものも熱分解を受けるため、これを全
部もしくは一部残存させたまま熱分解反応に供してもよ
い。
本発明の重要な特徴は、第1図に示すように、棚段塔を
反応器とし、その中段に原料であるポリカーバメートを
連続的に供給することである。なお、「中段」とは、塔
底部(最下段)および塔頂部(最上段)を除いた任意の
段を意味する。
反応器としては、従来の蒸留用の棚段塔を利用でき、棚
段の種類は泡鐘塔、多孔板、編目板等のいずれも可能で
ある。発明の方法に使用する棚段塔として好ましいのは
、設計での信較性が高く、かつ分離効率の高い泡鐘塔で
ある。塔頂には、惧用の如く凝縮器を設けて還流を行う
ことが好ましい。
原料供給段以下の段を熱分解反応温度に保持した状態で
原料を供給すると、原料は棚段上に順次滞留しながら気
液平衡状態で熱分解されて塔内を流下していく、熱分解
により発生したアルコールは、その大部分は蒸気として
塔内を上昇し、一部の溶剤や生成物の蒸気を含む他のガ
スと共に塔頂から排出されるが、棚段塔内を上昇するに
つれて、最も低沸点成分であるアルコールの精留が行わ
れ、塔頂蒸気はアルコールに富んだものとなる。こうし
てアルコールが除去される結果、アルコールとポリイソ
シアネートとの逆反応(ポリカーバメートの生成)が抑
制される。
この反応形式にあっては、原料供給段以下の段が多いほ
ど、未反応原料および反応中間体の反応器からの溢流を
抑制することができ、熱分解反応の完結度が向上する。
この原料供給口は、最下段を基準として少なくとも5段
目以上の段に設置することが好ましい。
同一の反応条件で、原料供給口を設けた段の最下段から
の段数と反応成績との関係を調べた結果、最下段から5
段目より下に原料供給口を設けた場合には、未反応原料
および反応中間体が反応器から溢流するが、供給口を上
にするに従い急激に反応成績は向上し、5段目でこの溢
流がなくなる。
それより段数が多くなっても反応成績の向上は緩やかで
ある。
原料供給段より上の段では、上記のように副生ずるアル
コールの精密が行われる。この原料供給段より上の段数
と反応成績の関係について調査した結果、精留を行う段
数が増加するに伴い、ポリイソシアネート生成物が塔頂
から留出する量が減少し、原料供給段以下の液相アルコ
ール濃度が低下し、逆反応が抑制されることがわかった
。アルコールの精留を行う段数は、好ましくは1〜10
段とする。
本発明においては、前記原料供給段以下の段と原料供給
段より上の段とにおける両方の作用があいまって、目的
とするポリカーバメートの熱分解反応を短時間で効率良
く行うことができる。それにより、ポリウレタンの製造
に適した組成、物性を有するポリイソシアネートを経済
的に有利に製造することができる。
上述したように、ポリイソシアネート生成物は熱的に不
安定であるので、生成物の熱劣化を防止し、同時に必要
な反応温度を確保するために、反応器内の温度を一定に
保持することは、製品品質の確保の点で重要である。そ
のために、反応器内部に加熱媒体を還流させて均一加熱
を図ることが有効であり、この点でも多段での気液平衡
が行われる棚段塔の使用は有利である。
棚段塔などの蒸留塔の熱源として、従来は塔底液の再沸
器からの蒸気を利用するが、製品を含む溶液を再沸器で
加熱すると、製品が熱劣化する場合がある0本発明の好
適態様にあっては、溶剤の蒸気を塔底より熱源として供
給することにより、製品の熱劣化を防止すると同時に、
棚段塔内の反応温度を均一に保持する。
原料のポリカーバメートの供給方法には、特に制限はな
く、そのまま、あるいは溶剤に溶解させて原料供給口よ
り供給する。操作性および反応成績の面から、溶液状態
で供給することが好ましい。
本発明の方法で用いることのできる溶剤は、特に限定さ
れず、反応温度および圧力で液状であり、原料のポリカ
ーバメートと生成物のポリイソシアネートの両方に対し
て不活性であり、またこの両方を完全に溶解でき、しか
も反応条件下で熱的にも化学的にも安定なものであれば
よい、溶剤は、反応後に製品であるポリイソシアネート
と蒸留で容易に分離されることが好ましいため、その沸
点はポリイソシアネートと比べて実質的に低いことが好
ましく、また、副生ずるアルコールを反応系から効率良
く除去するために、副生アルコールより高い沸点の溶剤
であることが好ましい、具体的には、常圧沸点が100
〜300℃、好ましくは170〜270℃の範囲の溶剤
が適当である。
本発明の方法において使用できる溶媒の具体例を次に例
示する:デカン、ドデカン等の高級アルカン;ブチルベ
ンゼン、ベンジルベンゼン、テトラワン、シクロヘキシ
ルベンゼン、メチルナフタレン等の置換ベンゼンおよび
置換ナフタレン;デカリン、ビシクロヘキシル等の脂環
式炭化水素;ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素;ジフェニルエーテル、プチルフヱニ
ルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエー
テル、1.2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル等のエーテル:ニトロベンゼン、ニ
トロトルエン等のニトロ化合物;アセトニルアセトン、
イソホロン、アセトフェノン等のケトン; γ−ブチロ
ラクトン等のエステル;ならびに、イソシアネートとの
反応性を有しないエチレンカーボネート等のカーボネー
ト。
これらの溶媒は、単独でも、2種以上混合してもよく、
反応条件を考慮して適当に選択する。
溶液状態で供給する場合のポリカーバメートの濃度は、
一般に1〜80重景%、好ましくは2〜50重量%の範
囲である。1重量%未満では、設備費、用役費が大きな
り、経済的に困難である。#!h方、80重量%を超え
ると副反応が併発し、目的とするポリイソシアネートの
収率や製品品質が低下する。
原料供給段以下の段の液相温度は、180〜300゛C
1好ましくは230〜260℃の範囲内とする。この温
度に保持された状態で原料ポリカーバメートがポリイソ
シアネートとアルコールとに熱分解反応される。反応温
度が180°C未満であると、十分な反応速度が得られ
ず、300℃を超えると多様な副反応が併発して、目的
とするポリイソシアネートの収率が低下する。
反応系の圧力は加圧、常圧および減圧のいずれも可能で
あるが、反応温度の制御、反応の完結度、熱分解生成物
の蒸留操作の面からは加圧下での反応が好ましく、反応
温度における使用する溶剤の蒸気圧近傍の圧力であれば
さらに好ましい。
本発明の方法では、触媒は存在させなくても十分な反応
速度が得られること、および触媒の不存在下では反応物
の後処理が著しく簡単になることから、触媒を使用しな
いことが好ましい。
本発明の方法における熱分解反応の熱源としては、上述
のように、再沸器で発生する蒸気を利用してもよいが、
第1図に示したように、前記溶剤の蒸気を熱源として棚
段塔の塔底に供給することが、必要な反応温度の確保が
容易であり、熱劣化が防止されて製品品質も向上する点
で好ましい。
この蒸気は、その顕熱および凝縮熱により、棚段塔内で
の熱分解および蒸留に必要な熱量を与える。
溶剤蒸気の供給量は、熱分解反応に必要な熱量およびア
ルコールの系外除去に必要な熱量を考慮して決める。こ
のような加熱方法によれば、上記のように反応圧力を使
用溶剤の反応温度における蒸気圧近傍とすることにより
、反応温度を容易に一定に保持することができる。
また、第1図に示す如く、棚段塔の下部より予熱した不
活性ガスを供給してもよい。不活性ガスの例は、窒素、
ヘリウム、アルゴン、炭酸ガス、メタン、エタン、プロ
パンなどであり、これらを単独あるいは混合して使用で
きる。この不活性ガスは、生成物の酸化を防ぎ、塔内を
安定に運転する効果がある。従って、不活性ガス単独で
アルコールを除去する従来法とは異なり、大量に使用す
る必要はない、不活性ガスは、少なくともアルコールの
沸点より高温に予熱しておくことが好ましい。
反応時間は、棚段塔内での原料供給段以下の段における
原料の平均滞留時間であり、液ホールドアンプと蒸留条
件、原料の供給速度から算出される。反応時間は、原料
種類や反応条件、特に反応温度に依存して変化するが、
−1’lQに0.1〜10時間、好ましくは1〜3時間
である。0.1時間未満では、ポリカーバメートの熱分
解反応を十分に進行させることは困難であり、10時間
を越えると副次的な反応が進行し易くなる。
以上のように欄段塔で熱分解反応を連続的に実施すると
、反応生成物のポリイソシアネートは溶剤中の溶液とし
て塔底より回収され、これは蒸留などの慣用の手段によ
り分離・精製できる。その際、ポリイソシアネート生成
物の副反応を防ぐため、できるだけ低温で分離・端型操
作を行うことが好ましい。
塔頂留出物は、キャリヤーガス以外にアルコール、溶剤
などの蒸気であり、塔頂製品は凝縮器で凝縮させ、図示
のように一部を還流させてもよい。
留出液から蒸留により溶剤とアルコールとを分離し、ア
ルコールはポリカーバメートの製造に、溶剤は熱分解反
応にそれぞれ再利用できる。
本発明の方法では、塔頂あるいは塔底製品の抜き出し直
後にフラッシュ蒸留器を設置することができ、特に塔底
液に適用することが有利である。
フラッシュ蒸留器の運転条件には特に制限はなく、常圧
、加圧、減圧のいずれでもよい。フラッシュ蒸留により
、低沸点成分を迅速に除去することができる。その結果
、製品の残留アルコールによる逆反応を防止でき、製品
品質の低下が予防できる。
また、塔底液から分離・精製に先立って溶剤の一部を分
離することにより、熱効率の向上と共に、分離・精製中
の熱劣化を低減することができる。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
災旌■上 メチレンジフェニルシカ−バメート(MDU)を主成分
とするポリカーバメートを、加熱しながらシクロヘキシ
ルベンゼンに10重量%の濃度となるように溶解し、原
料溶液とした。熱分解反応器としては、第1図に示すよ
うな、内部に15段の泡鐘トレーを備えた内径15c■
、高さ3−の泡鐘塔を使用した。この反応器上部には凝
縮器が設置され、反応器塔頂から留出した蒸気を全部凝
縮する。液化した塔頂留出液の一部は再び反応器塔頂に
還流させ、残部は塔頂製品として抜き出す0反応器下部
には、塔底製品抜き出し口と不活性ガスおよび溶剤蒸気
の供給口が設置されている。
原料供給口は反応器最下段から10段目に位置させた。
反応開始に先立って、シクロヘキシルベンゼンを反応器
内に合計13.5にg/hの流速で供給した。
すなわち、中段の原料供給口よりはI Kg/h、下部
の溶剤蒸気供給口よりは、気化器を経た温度250°C
のシクロヘキシルベンゼン蒸気を12.5Kg/h供給
した。反応器内の圧力をl 、 2a Lmに設定し、
原料供給段以下の温度を250 ’Cに保持した。塔頂
からの留出液の流速を8.8Kg/h 、還流比を0.
4に定め、反応器下部から予熱した窒素を36Nl/h
の流速で供給した。
この条件下で、原料供給口への供給液を上記の原料溶液
に切り換えて、定常状態になるまで運転を続行した。そ
の結果、塔頂からの留出液としては、8.8Kg/hの
流速で0.3重量%のエタノールを含むシクロヘキシル
ベンゼン溶液が得られ、塔底製品としては、4.7Kg
/hの流速で1.6重量%のメチレンジフェニルジイソ
シアネート (MDI)を含むシクロヘキシルベンゼン
溶液が得られた。
この定常状態の塔底製品をさらに単蒸留および薄膜蒸留
して、溶剤と製品であるポリイソシアネートとに分離し
た。塔頂からの留出液は、単蒸留によりエタノールとシ
クロヘキシルベンゼンとに分離した。得られたポリイソ
シアネート生成物を、常法に従い高速液体クロマトグラ
フィーで分析した。また、ポリイソシアネートのNCO
値は、JISK−1603(1985)に記載の試験方
法に従って決定した。
尖施斑主 反応塔下部の製品抜き出し口の直後にフラッシュ蒸留装
置を設置した以外は、実施例1と同様の反応を行った。
フラッシュ蒸留は、250°C1蒸圧の条件で行った。
実施例1および2の結果を、併せて第1表に示す。
第1表 (注)MMI:モノイソシアネート(反応中間体)第1
表に示したように、原料のMDUは実質的に完全に熱分
解し、中間体の副生量もごくわずかであり、品質の優れ
たポリイソシアネートを98%以上の非常に高い収率で
連続的に得ることができ、これは従来の反応成績に比べ
て著しく優れていた。
(発明の効果) 本発明の方法では、ポリカーバメートの液相熱分解を棚
段塔で行うという比較的容易な操作であるにもかかわら
ず、下記のような顕著な効果が得られる。
■ポリカーバメートの熱分解を比較的低圧で実施できる
■反応完結に必要な滞留時間を確保でき、溶剤蒸気の塔
底供給による加熱を利用することにより反応器内の反応
温度を均一にすることができるので、未反応原料や反応
中間体がほとんどなく、シかも生成物の熱損失や副生物
生成を少なく抑えることができる。その結果、製品ポリ
イソシアネートの歩留まりおよび品質が改善される。
■反応溶剤として、比較的低沸点の溶剤を使用すること
ができ、ポリイソシアネート生成物と溶剤との蒸留分離
が比較的低温で容易に実施できる。
そのため、溶剤残留のほとんどないポリイソシアネート
製品を少ない熱劣化で得ることができ、製品品質が一層
向上する。この効果は、フラッシュ蒸留を行うことでさ
らに大きくなる。
■不活性ガスを大量に用いることなく副生アルコールを
系外へ除去することができるため経済的である。
従って、本発明の方法は、ポリウレタン製造原料として
好適な組成および物性を有するポリイソシアネートを、
効率的よく経済的に製造することのできる、工業的に極
めて有用な方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の方法に使用しうる装置の1例を示す
説明図である。 第1図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)ポリメチレンポリフェニルポリカーバメートの液
    相熱分解によるポリメチレンポリフェニルポリイソシア
    ネートの製造において、棚段塔を反応器として用い、該
    棚段塔の中段にポリメチレンポリフェニルポリカーバメ
    ートを連続的に供給して熱分解を行うことを特徴とする
    、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートの製造
    方法。
  2. (2)前記棚段塔の下部から溶剤の蒸気を供給すること
    を特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. (3)前記棚段塔からの製品を、抜き出し直後にフラッ
    シュ蒸留することを特徴とする、請求項1または2記載
    の方法。
JP7137089A 1989-03-23 1989-03-23 ポリイソシアネートの製造方法 Pending JPH02250857A (ja)

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