JPH02757A - 芳香族ポリイソシアネートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリイソシアネートの製造方法

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JPH02757A
JPH02757A JP19581688A JP19581688A JPH02757A JP H02757 A JPH02757 A JP H02757A JP 19581688 A JP19581688 A JP 19581688A JP 19581688 A JP19581688 A JP 19581688A JP H02757 A JPH02757 A JP H02757A
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JP
Japan
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reaction
polycarbamate
mdu
solvent
thermal decomposition
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JP19581688A
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English (en)
Inventor
Yoshitoshi Kumagai
熊谷 善敏
Tetsuo Takano
哲雄 高野
Tadashi Yao
正 矢尾
Norisue Takeshita
竹下 徳末
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野〕 本発明は、N〜フェニルカーバメートとメチレン化剤を
原料として、ポリメチレンポリフェニルポリカーバメー
ト(以下、ポリカーバメートと略記する)を経由し、ポ
リメチレンボリフェニルポリイソシアネート(以下、ポ
リイソシアネートと略記する)を製造する方法に関する
このような芳香族ポリイソシアネートは、ポリウレタン
エラストマーおよび被覆材料製造の原料として有用な物
質であり、工業的規模での大量生産が行われている。
〔従来の技術〕
従来、芳香族イソシアネート類は一般に芳香族ニトロ化
合物を水素還元して芳香族アミンを得、これにホスゲン
を作用させてイソシアネートとすることにより工業的に
生産されてきた。しかし、この方法は工程が複雑な上、
有毒なホスゲンを使用すること、塩化水素が大量に副生
ずることなどの問題点があった。そこで、ホスゲンを使
用しない芳香族イソシアネート類の製造方法が20年来
盛んに研究されている。
ホスゲンを使用しない方法は、■直接法と、■カーバメ
ート経由法に大別される。
第一の直接法は、不活性溶剤中で芳香族ニトロ化合物に
パラジウム系触媒の存在下で一酸化炭素を作用させ、芳
香族イソシアネート化合物を直接製造する方法であるが
、反応条件が過酷である、触媒の生産性が低い、副反応
が併発しやすいといった欠点がある。さらに、致命的な
ことに、この方法はMDIのような多核構造のポリイソ
シアネートの製造に適用することは困難である。
第二のカーバメート経由法は、芳香族ニトロ化合物とア
ルコールとに白金族金属触媒またはセレン触媒の存在下
で一酸化炭素を作用させて、中間生成物の芳香族カーバ
メートを得、次いでこのカーバメートを熱分解して芳香
族インシアネートを得る方法である。
本発明のポリイソシアネートの製造方法は、この第二の
カーバメート経由法による方法である。
この方法は、下記反応式に示すように、N−フェニルカ
ーバメー) (1)を適当な酸触媒の存在下でホルムア
ルデヒド等のメチレン化剤との縮合により架橋してポリ
カーバメート(II)を生成させ、次いでこのポリカー
バメートを熱分解して対応するポリイソシアネート(■
)を生成させるものである。
(式中、mは0もしくは1以上の整数、Rは炭素数1〜
6の低級アルキル基を意味する)。
この方法は、原料となるN−フェニルカーバメートをニ
トロ化合物あるいはアミノ化合物から合成する優れた方
法が近年開発されたため、ポリカーバメートおよびポリ
イソシアネートの有利な製造法として注目されている。
この方法では、縮合反応段階で各種のポリカーバメート
を含有する混合物が生成することが避けられない、縮合
反応生成物は、4,4゛−メチレンジフェニルシカ−バ
メート (以下、4.4’−MDUと略記)のほかに、
2.2”−MDUおよび2.4’ −M DUの2核体
異性体〔一般式(n)でm−0〕、および3核体以上〔
m≧1〕の多核体ポリカーバメート、さらには反応中間
体などの各種生成物を含有している。
しかし、ポリカーバメートはどれも高沸点物質であり、
蒸留による各成分への分離が困難であるため、従来は、
縮合反応生成物の蒸留による分離・精製はせいぜい未反
応のN−フェニルカーバメートを回収するにとどめ、縮
合で得られたポリカーバメート混合物をそのまま熱分解
して(ijl常は有l!溶剤中での液相熱分解による)
対応するポリイソシアネートとし、得られた各種のポリ
イソシアネートを含有する生成物に対して蒸留による分
離・精製を行うのが普通であった。
このポリイソシアネート生成物の蒸留による分離・精製
は、通常はまず溶剤を回収した後、4,4゛−メチレン
ジフェニルジイソシアネート(以下、4.4°−MD 
Iと略記)を主成分とするピュアMDIと、4.4’−
MD I、2.4’−MD I、2.2°−MD!、3
核体以上の多核体等の混合物であるポリメリックMDI
とに分離・回収する方式がとられている。ピュアMDI
は、エラストマー、弾性繊維、人工皮革等の中間原料と
して、ポリメリックMDIは硬質、半硬質フオーム等の
中間原料としてそれぞれ利用され、両者ともに極めて価
値の高い工業原料となっている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来のポリイソシアネートの製造方法、すなわ
ち、ポリカーバメート生成物を分離せずにそのまま熱分
解し、ポリイソシアネート生成物をピュアMDIとポリ
メリックMDIとに分離する方法では、次の問題点があ
った。
■ポリメリックMDIの前駆体に相当するポリカーバメ
ート、即ちポリメリックMDUは、不純物や多核体を多
く含むために熱分解反応をなるべく低温・低濃度で長時
間行う必要があるが、ピュアMDIの前駆体に相当する
ポリカーバメート、即ちピュアMDUは不純物や多核体
を含んでいないために、高濃度・短時間で熱分解反応を
行うことができる。しかし、上記のようにこれらを分離
せずに熱分解を行うために、この両者に最適の反応条件
を設定することが困難である。すなわち、従来は、ポリ
メリックMDUを完全に熱分解するために、低温・低濃
度で長時間の熱分解を行うことが普通であり、熱分解に
より生成したピュアMDIは反応中に熱的劣化を受けや
すかった。
■ピュアMDIとポリメリックMDIとの分離を熱分解
後に蒸留により行うと、熱分解で生成した熱的に不安定
なポリイソシアネートを高温に長時間さらすことになり
、製品の歩留まりの低下および品質の劣化を招く、また
、分離効率も必ずしも高くない。
■熱分解の前に、ポリカーバメートから未反応のN−フ
ェニルカーバメートを蒸留で回収する場合、縮合生成物
のポリカーバメートを無溶媒の状態で長時間加熱するこ
とになり、ポリカーバメート生成物の熱的劣化を招き、
製品であるポリイソシアネートの品質が低下する。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に対処して
、品質の優れたポリイソシアネートを高い生産効率で製
造することのできるポリイソシアネートの製造方法を提
供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、熱分解に先立ち、縮合反応で得られたポ
リカーバメート生成物を、蒸留によらずに4.4’ −
M D Uを主成分とするピュアMDUと、2.2’−
MDU、2.4’−MDU、4.4’−MDU、3核体
以上の多核体および原料のN−フェニルカーバメートの
混合物であるポリメリックMDUとに分離することがで
きることを知り、こうして分離されたピュアMDUとポ
リメリックMDUとを別々に熱分解することにより、そ
れぞれ最適反応条件でピュアMDIとポリメリックMD
Iを製造でき、熱分解後の分離が不要となること、さら
に未反応のN−フェニルカーバメートの回収をポリメリ
ックMDUの熱分解後にポリメリックMDIに対して行
うことで、上述した従来技術の問題点をすべて回避でき
、高品質のポリイソシアネートを効率よく製造すること
ができることを見出した。
ここに、本発明の要旨は、N−フェニルカーバメートと
メチレン化剤とからポリメチレンポリフェニルポリカー
バメートを経てポリメチレンポリフェニルポリイソシア
ネートを製造する方法において、 ΦN−フェニルカーバメートとメチレン化剤とを縮合反
応させてポリメチレンポリフェニルポリカーバメートを
製造する工程、 ■工程■で得られたポリメチレンポリフェニルポリカー
バメート生成物から、4.4゛−メチレンジフェニルシ
カ−バメートを分離する工程、■工程■で得られた4、
4°−メチレンジフェニルシカ−バメートを熱分解して
、対応する4、4゛−メチレンジフェニルジイソシアネ
ートを製造する工程、 を包含することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニ
ルポリイソシアネートの製造方法である。
好適態様において、前記工程■の4,4°−メチレンジ
フェニルシカ−バメートの分離は、有機溶剤による晶析
処理により実施される。
また、工程■として、前記工程■で4.4″−メチレン
ジフェニルシカ−バメートを分離した残りのポリメチレ
ンポリフェニルポリカーバメート生成物を、前記工程■
とは別途に熱分解して、対応するポリメチレンポリフェ
ニルポリイソシアネートを製造する工程をさらに包含す
ることができる。
さらに、工程■として、前記工程■の熱分解反応におい
て発生した蒸気もしくはその凝縮液からN−フェニルカ
ーバメートを回収する工程をさらに包含することもでき
る。
〔作用〕
本発明のポリイソシアネートの製造は上記反応式で示さ
れる反応により行われる。すなわち、まず上記一般式(
1)で示されるN−フェニルカーバメートとメチレン化
剤とを、通常は酸触媒の存在下で縮合反応させて、一般
式(If)で示されるポリカーバメートを製造する。得
られたポリカーバメートを熱分解すると、−m式(II
I)で示される対応するポリイソシアネート生成物が製
造される。これらの一般弐において、mは0もしくは1
以上の整数であり、Rは炭素数1〜6の低級アルキル基
を意味する。Rはメチルもしくはエチルであることが特
に好ましい。
次に本発明を工程別にさらに具体的に説明する。
ムエ (1五■) N−フェニルカーバメートとメチレン化剤との縮合によ
りポリカーバメートを製造する工程である。この縮合反
応は、通常は酸触媒を使用し、従来公知の方法で実施さ
れる。
メチレン化剤としては、ホルムアルデヒドまたはホルム
アルデヒドを発生させる物質が使用される。ホルムアル
デヒドを発生させる物質とは、上記縮合反応条件下で分
解等によりホルムアルデヒドを発生させる物質であり、
その具体例には、トリオキサン、パラホルムアルデヒド
、メチラールおよびその他のホルマール類が含まれる0
通常は、主として経済的理由から、ホルムアルデヒド水
溶液(ホルマリン)がメチレン化剤として使用される。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、ポリ硫酸、ポリ
リン酸、ホウ酸、臭化水素酸、過塩素酸などの無機酸、
三フッ化ホウ素などのルイス酸、およびメタンスルホン
酸などの有機酸が使用できるが、無機強酸、特に硫酸が
好ましい。
以下、説明の簡略化のために、ホルムアルデヒドでメチ
レン化剤を、また硫酸で酸触媒を代表させて説明する。
ホルムアルデヒドとN−フェニルカーバメートとの供給
比は、モル比で0.2〜0.6の範囲内が好ましい、こ
の供給比を下回ると原料の転化率が低く、また上回ると
高沸点物(すなわち、3核体以上の多核体)の生成割合
が増大する。
使用する硫酸水溶液の酸濃度は好ましくは20〜80重
量%、さらに好ましくは40〜6帽1%である。
供給する硫酸濃度が20重貴重未満の場合、あるいは8
0重量%を超える場合には、目的生成物の収率が低くな
る傾向がある。
硫酸水溶液とN−フェニルカーバメートとの供給比は、
N−フェニルカーバメートに対する硫酸のモル比で2以
上とすることが好ましい、この供給比を下回ると、縮合
反応に対する反応促進効果が低下する。縮合反応は、通
常は有機溶媒を存在させずに実施されるが、反応条件下
でホルムアルデヒドと反応しない限り、各種の有機溶媒
を共存させて行うこともできる。
反応温度は好ましくは60〜120℃、さらに好ましく
は80〜100℃である0反応温度が低すぎると縮合反
応速度が低下する。一方、反応温度が高すぎると、反応
系内での脱水が促進され、反応器内の酸濃度が増加して
高沸点の多核体の生成量が増加する。
反応時間は反応条件により異なるが、0.1〜10時間
、好ましくは0.5〜5時間である。反応時間が短すぎ
ると反応は完結せず、長すぎると副反応の併発が著しく
なるからである。
縮合反応は、回分式、連続式および半連続式のいずれで
も実施できる。また、反応成分の添加順にも特に制限は
ないが、一般にはN−フェニルカーバメートと硫酸との
混合物にホルムアルデヒドを添加することにより反応を
実施することが好ましい。
反応生成物は、水N(硫酸およびホルムアルデヒドを含
む層)と液体もしくは固体の有機層(未反応原料および
各種ポリカーバメート生成物を含む層)とからなる。
工 (1五〇) 縮合反応で得られた各種のポリカーバメートを含有する
生成物から4.4’ −M D Uを分離し、ピュアM
DUに相当するポリカーバメート生成物と残りのポリメ
リックMDUに相当するポリカーバメート生成物とに分
離する工程である。
この分離は、上記目的を達成できる限り、蒸留以外の任
意の方法で実施することができる。好適な分離方法とし
ては、次に述べる有1a溶剤による晶析処理を利用した
方法がある。
この晶析処理に使用する有機溶剤は、 ■各種ポリカーバメートを含有する縮合反応生成物を容
易に溶解し、冷却により溶液から4.4’ −MDUを
優先的に析出させることができ、■ポリカーバメートお
よびN−フェニルカーバメートに対して実質的に不活性
であり、■操作温度で液状であり、 ■常圧における沸点が350℃以下、 のちのである、沸点が35θ℃より高いと、溶剤を除去
するための蒸留でポリメリックMDUを高温に加熱する
ことになり、その熱的劣化を招く恐れがある。
上記特性を満足する有機溶剤としては、ベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素、クロロベンゼン
、ジクロロベンゼン、クロロナフタレン、クロロトルエ
ンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン、ニトロ
トルエンなどのニトロ化合11ff、メチルアルコール
、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのアルコ
ール類、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、アセト
ニルアセトン、イソホロン、ホロンなどのケトン類、ジ
エチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ブチルフェニルエーテルなどのエーテル類などが挙
げられる。これらの溶剤は単独であるいは混合して使用
できる。
晶析処理は次のようにして実施できる。まず、水層が共
存している縮合反応生成物に有機溶剤を添加し、50〜
150℃の範囲内であって、使用した溶剤の沸点より低
い温度に加熱し、有機物のポリカーバメートと未反応原
料(N−フェニルカーバメート)とを溶剤に完全に溶解
させる。溶剤の添加量は、被溶解物であるポリカーバメ
ートに対する重量比で約1〜10倍量が適当である。溶
剤が少なすぎるとポリカーバメート生成物の全量を溶解
することが困難であり、多すぎると溶剤の回収などの処
理設備に要するコストが高く、経済的でない。また、溶
剤の加熱温度が50℃より低いと、有機溶剤が多量に必
要となり、冷却により析出する4、4“−MDUの量が
少なくなるので、好ましくない、150℃より高温に加
熱するとポリカーバメートの熱的劣化を生ずる恐れがあ
る。
得られた有機溶液を、適宜の相分離(分液)操作により
共存する水層から分離し、次いで冷却すると、4.4°
−MDUが溶液から優先的に晶析するので、濾過等の適
宜の固液分離操作により、高純度、通常は純度95%以
上の4.4’ −M D U結晶を取得することができ
る。必要に応じて結晶の4,4°−MDU純度を高める
ために、有機溶剤による溶解・析出・固液分離操作をさ
らに繰り返してもよい。
また、冷却による晶析の前に、減圧蒸留等の操作により
溶液を濃縮して、有機溶剤の一部を回収・することもで
きる。
有機層から分離された水層は、多量の酸触媒を含有して
いるので、必要により適宜濃縮した後、縮合反応器に酸
触媒の一部として再循環させることができる。
なお、上記の晶析操作を適宜変更することも可能である
0例えば、縮合反応生成物を、適当な分液もしくは固液
分離操作により、予め有機層と水層とに分離し、次いで
この有機層に前記のように1〜10倍量の有機溶剤を添
加し、晶析操作を行うこともできる。あるいは、縮合反
応において、反応媒質の一部として、この晶析処理に有
用な有機溶剤を使用した場合には、反応生成物がまだ高
温にある間に分液することにより、有機溶剤中にポリカ
ーバメート生成物が溶解した溶液を直接取得することが
でき、この溶液を次いで冷却すれば、4.4°−MDU
を析出させることができる。
結晶の分離後に残る母液には、析出しなかった4、4’
−MDU、未反応のN−フェニルカーバメート、および
4.4’−MDU以外のポリカーバメート生成物が溶解
している。この溶液から減圧蒸留などの操作により有機
溶剤を回収すると、N−フェニルカーバメートを含むポ
リカーバメート生成物が得られる。
この晶析処理に使用した有機溶剤を後続の熱分解工程で
反応媒質として使用できる場合には、母液からポリカー
バメート生成物を回収しないで、母液を減圧蒸留での濃
縮もしくは新たな溶剤の追加により熱分解工程に適した
濃度に調整した後、そのまま熱分解工程に供してもよく
、それにより溶剤回収の蒸留設備が不要となる。その際
、新たに溶剤を加える場合には、添加する溶剤は熱分解
工程に適した溶剤であれば、この晶析処理に用いた溶剤
と同じでなくてもよく、また2種以上の混合溶剤でもよ
い。
4.4’−MDUの熟  工 (工 ■)本工程では、
前記の分離工程で分離された4、4゛−MDUを公知の
任意の方法により熱分解して、対応する4、4’−MD
Iとアルコールとを生成させる。すなわち、ピュアMD
Uの熱分解によりピュアMDIを製造する。
公知のポリカーバメートの熱分解法には、高温で行う気
相法と、有機溶媒に溶解させて比較的低温で行う液相法
とがある。ポリカーバメートは高沸点物質であるので、
気相法においてこれを蒸気の形態で反応系に供給するこ
とは困難であり、また、液相法の方が反応温度が低いた
め副生成物が少なくなる傾向があることから、一般には
液相法を採用することが好ましい。
本工程での液相法による熱分解は、使用する有機溶剤に
前記の分離工程で得られた4、4’−MDUの結晶を添
加し、反応温度に加熱して完全に溶解させることにより
行う0反応は、常圧、減圧、加圧のいずれでも実施でき
るが、反応温度の制御、反応の完結度、熱分解生成物の
蒸留操作の面から加圧状態での反応が好ましい。
反応温度は、180〜300℃、好ましくは230〜2
80℃であり、反応時間は0.1〜10時間、好ましく
は0.5〜5時間である0反応温度が180℃未満では
十分な反応速度が得られず、300℃を超えると多種の
副反応が併発して、4,4°−MDIの収率が低下する
傾向がある0反応時間が短すぎると反応が完結せず、長
すぎると副反応の併発が著しくなる。また、反応は、回
分式、連続式および半連続式のいずれでも実施できる。
本工程の液相熱分解における有機溶媒中の4.4゛−M
DU溶液の好適な濃度は、1〜50重量%、より好適に
は2〜30重量%である。溶液濃度1重量%未満では、
反応器が大きくなり、経済的に不利である。溶液濃度が
50重量%を超えると、熱分解で好ましくない副生物が
生成しやすくなる。
上述したように、本工程では原料が比較的純粋な4.4
’−MDUであり、多核体や不純物を実質的に含有しな
いため、この原料の熱分解に適した反応条件を採用する
ことができる。すなわち、比較的高い溶液濃度および反
応温度での反応により比較的短時間に反応を完結させる
ことができ、それにより目的生成物である4、4°−M
D Iの熱的劣化および副反応の併発を最小限に抑制す
ることができる。
熱分解反応では、4.4’ −M D Uが4.4’−
MDIとアルコールとに分解され、アルコールは反応温
度では反応溶液から蒸発する。この熱分解反応は可逆反
応であるので、蒸発したアルコールを系外に除去するこ
とが反応の進行に有利である。アルコールの系外除去を
促進するキャリヤーガスとして、不活性ガスを反応器に
吹きこみながら熱分解反応を実施することが公知である
別法として、好適態様にあっては、熱分解反応を溶液の
沸騰状態で行う、溶液の沸騰状態で反応を行うと、沸騰
状態で蒸発する溶剤蒸気がキャリヤーとなり、生成した
アルコールの系外除去が促進される0反応器の上に蒸留
塔を設けて、蒸発した蒸気を蒸留し、アルコールを留出
させ、反応溶剤および同伴されることのあるポリイソシ
アネート生成物(4,4’−MDI)を反応器に戻すよ
うにすることが好ましい、ポリイソシアネートはポリカ
ーバメートより低沸点の物質であり、一部が反応溶液か
ら溶剤と共に蒸発し、系外に流出することがある。
また、この溶液沸騰条件下では、反応圧力を調圧口で変
化させることより反応温度を容易に制御することができ
るという効果も得られる。すなわち、反応圧力を減圧す
ると、溶剤蒸気の蒸発が促進され、反応域から蒸発熱を
奪い、反応温度は低下する。一方、反応圧力を加圧した
場合には、溶剤蒸気の蒸発は抑制され、結局反応温度は
上昇する。これを利用して、反応中に系内の圧力を少し
ずつ加圧していき、反応温度を次第に昇温させていくこ
とにより、反応を促進させることもできる。
反応器の上に設ける蒸留塔は任意のものでよく、アルコ
ール、溶剤および4.4°−MD Iの分離効率を上げ
るには段数の多いものが好ましい、蒸留の塔頂蒸気の還
流は必要により行えばよい、蒸留塔の温度は、熱分解で
副生ずるアルコールが留出し、溶剤およびポリイソシア
ネートが凝縮して反応器に戻るような温度に設定する。
この温度は、反応系に存在する成分の種類により異なる
が、通常は100〜260℃の範囲内である。このよう
な蒸留塔の設置により、系外に出る溶剤量が大幅に低下
し、反応器への溶剤の補給が必要ないか、あるいは補給
量を最小限にすることができる。
溶液の沸騰条件下で反応を実施する場合にも、所望によ
り不活性ガスを反応器に供給することができる。しかし
、溶液の沸騰状態により反応器内の壁面を含む反応系全
体からアルコールの系外除去に十分な気泡が発生してい
るので、上記の公知方法のように大量の不活性ガスを供
給する必要はなく、ガス供給量は溶液の沸騰状態を安定
に維持できる程度の少量ですむ、また、機械的攪拌ある
いは沸石の代替としてごく少量の不活性ガスを供給する
こともできる。
この熱分解で反応媒質として使用する有機溶剤は、原料
の4.4’−MDUおよび生成物の4.4’−MDIの
いずれに対しても不活性で、かつこれらのいずれをも溶
解することができ、反応条件で液状である、熱的および
化学的に安定なものである。
この溶剤は、常圧での沸点が100〜350℃、特に1
20〜300℃の範囲内のものが好ましい、熱分解反応
後に溶剤を蒸留により反応系から除去することが好まし
いが、沸点が350℃を超えるとこの蒸留中に4.4’
−MDI生成物の熱的劣化が起こりやすく、一方沸点が
100℃未満だと、熱分解で生成するアルコールとの分
離効率が悪化する。
4.4°−MDUの液相熱分解の溶媒として適当な化合
物の例としては、デカン、ドデカン、テトラデカン等の
高級アルカン類;キシレン、ブチルベンゼン、ベンジル
ベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、メチルナフタレン
等の置換ベンゼンおよびナフタレン類;テトラリン、デ
カリン、ビシクロヘキシル等の脂環式炭化水素類;クロ
ロベンゼン、ジクロロベンゼン、ブロモベンゼン、クロ
ロナフタレン等のハロゲン化炭化水素類;ジフェニルエ
ーテル、ブチルフェニルエーテル、ベンジルエチルエー
テル、ジフェニルエーテル、1.2’−ジブトキシエタ
ン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジベンジ
ルエーテル等のエーテル類−二トロベンゼン、ニトロト
ルエン等のニトロ化合Th;アセトニルアセトン、イソ
ホロン、アセトフェノン等のケトン類;T−ブチロラク
トン等のエステル類;さらにエチレンカーボネート、プ
ロピレンカーボネート等のイソシアネート基との反応性
を有しないカーボネート化合物などが挙げられる。
本工程では、上記溶剤を単独もしくは2種以上の混合溶
剤として使用できる。
ポリカーバメートの軌  工程(工 ■)本工程では、
分離工程(工程■)で4,4°−MDUを分離した後に
残るポリカーバメート生成物を熱分解して、対応するポ
リイソシアネートを生成させる。4,4°−MDUを晶
析処理により分離した場合には、分離後の母液から溶剤
を適宜手段で除去することにより、本工程で原料として
使用するポリカーバメートが得られる。
この熱分解反応は、前記工程■の熱分解工程と同様の液
相熱分解法により実施することが好ましい。
原料となるポリカーバメートは、上述したように、4,
4°−MDU、その他のMDU異性体、3核体以上の多
核体ポリカーバメート、および未反応のN−フェニルカ
ーバメートを含有する混合物である。未反応N−フェニ
ルカーバメートの含有量は、60重量%以下、特に40
重量%以下であることが好ましい、この量が60重量%
を超えると、原料中のポリカーバメートの濃度が低すぎ
て、反応の効率的な実施が阻害され、装置およびエネル
ギーコストが嵩んで、経済的に不利である。
この原料ポリカーバメートは、4,4°−MDUに比べ
て熱的に不安定である。したがって、前述したように、
本工程での熱分解反応は、工程3での4.4°−MDU
の熱分解に比べてより低温かつ低濃度で長時間かけて行
うことが、生成物の熱的劣化の抑制に有利である。
具体的には、本工程の液相熱分解の反応温度は180〜
280℃、特に230〜260℃の温度で行うことが好
ましく、反応時間は、0.5〜15時間、特に1〜10
時間が好ましい、原料ポリカーバメートの溶剤中の濃度
は、1〜40重量%、特に2〜20重量%が好ましい。
本工程での熱分解の反応方式は工程■での4,4゛−M
DUの熱分解と同様でよい。すなわち、反応は常圧、減
圧、加圧のいずれでも実施できるが、加圧状態での反応
が特に好ましい。
また、生成するアルコールの系外除去を促進するために
、不活性キャリヤーガスの反応器に供給することができ
る。
本工程の熱分解反応にあっても、反応溶液の沸騰状態で
熱分解反応を実施し、反応器の上に蒸留塔を設置し、蒸
発したポリカーバメート生成物および一部の溶剤蒸気を
反応器に戻すようにしながら反応を行うことが好ましい
この方式で本工程を実施する場合、蒸留塔の温度は、次
の理由により200〜300℃、特に200〜260℃
の範囲内とすることが好ましい。すなわち、反応域にお
いて原料中に含まれるN−フェニルカーバメートも熱分
解を受けてN−フェニルイソシアネートとアルコールと
に分解し、この両者とも比較的低沸点であるので蒸発し
て、蒸気として蒸留塔に入る。この熱分解反応が可逆反
応であることから、蒸留塔内でN−フェニルイソシアネ
ートとアルコールは再結合および分解を繰り返しながら
上方に移動し、反応系から除去される。
蒸留塔温度が200℃より低いと、再結合により生成し
たN−フェニルカーバメートが反応器に戻り、その結果
、ポリイソシアネート生成物中にN−フェニルカーバメ
ートおよびN−フェニルイソシアネートが残存し、また
ポリカーバメートの熱分解反応も遅くなることから、製
品品質が悪くなる。一方、蒸留温度が300℃を超える
と、蒸留塔内での液量が少なくなり、気液の接触が十分
でなくなるため、蒸留塔でのアルコール、溶剤、N−フ
ェニルイソシアネートおよびポリカーバメートの分離効
率が悪く、また蒸留塔内で好ましくない副生物が生成す
る。その結果、やはり製品であるポリイソシアネートの
品質劣化を招く。
本工程の場合には、このようにアルコールに加えてN−
フェニルイソシアネートも反応系外に除去したいため、
蒸留塔温度を200〜300℃と高めに設定することに
より、溶剤の一部およびポリカーバメートを反応器に戻
しながら、N−フェニルイソシアネートおよびアルコー
ルを溶剤の一部と共に系外に効率よく除去することがで
きる。その結果、従来のように反応器の上部に部分凝縮
器を備えた熱分解装置に比べて、反応器に戻るN−フェ
ニルカーバメートの量が少なくなり、ポリカーバメート
の熱分解が促進され、品質の優れたポリイソシアネート
製品が製造される。
蒸留塔より留出したN−フェニルイソシアネートとアル
コールを冷却・凝縮させると、再結合によりN−フェニ
ルカーバメートを再生することができる。
本工程で使用する溶剤は、常圧での沸点が150〜35
0℃、特に180〜300℃のものが好ましい。
沸点が150℃より低いと、蒸留塔内においてNフェニ
ルイソシアネートと溶剤との分離が悪く、蒸留塔より留
出する蒸気中のN−フェニルイソシアネートの濃度が低
くなって、N−フェニルイソシアネートの留出に大量の
溶剤を使用する必要があるので、経済的に不利であるの
みならず、反応操作も複雑になる。沸点が350℃以上
では、次の溶剤留去操作で製品の熱的劣化が起こりやす
くなる。
このような溶媒の例としては、工程■に関して列挙した
もののうち、常圧沸点が150℃以上のものが挙げられ
、このような溶剤を単独もしくは2種以上の混合溶剤と
して使用する。
この熱分解用溶媒として、工程■の分離工程で4.4°
−MDUの晶析処理に使用したのと同じものを使用する
こともできる。その場合には、4.4°−MDUの析出
結晶を分離した後、残留するN−フェニルカーバメート
を含んだ母液を必要により濃度調整した後、そのまま本
工程での熱分解反応に供することができ、蒸留等による
晶析用溶剤の回収設備が不要となる。
工程■および■のいずれにおいても、熱分解反応生成物
は、常法に従い、蒸留などの手段により、有機溶剤と生
成ポリイソシアネートとに分離される。それにより、工
程■からはピュアMDIに相当する4、4°−MD I
生成物が、工程■からはポリメリックMDIに相当する
ポリイソシアネート生成物が得られる。なお、この蒸留
は溶剤の除去を目的とするので、比較的低温で短時間に
効率よ〈実施でき、製品ポリイソシアネートが劣化する
恐れは小さい。
従来の方法では、熱分解後に溶剤を留去して得られたポ
リイソシアネート生成物をさらに高温で蒸留してピュア
MDIとポリメリックMDIに分けて回収するため、こ
の高温での蒸留による製品の熱的劣化が避けられなかっ
たが、本発明の方法では熱分解前に4,4”−MDUを
分離しているため、熱分解後のポリイソシアネート製品
の蒸留による分離が不要となり、この蒸留に伴うポリイ
ソシアネート生成物の熱的劣化が回避される。
N−フェニルカーバメートの 収工 (工 ■)前記工
程■の熱分解反応で発生した蒸気、例えば、反応器上部
に蒸留塔を設けた場合はその蒸留塔から留出する蒸気を
冷却・凝縮させると、その中に含まれるN−フェニルイ
ソシアネートとアルコールとが再結合してN−フェニル
カーバメートになる。この凝縮液からアルコールおよび
溶剤を蒸留等の操作で除去すると、N−フェニルカーバ
メートを残渣として回収できる。N−フェニルカーバメ
ートは、凝縮液中で晶析させて濾過などの固液分離によ
り回収することもできる6回収されたN−フェニルカー
バメートは、縮合工程に原料の一部として再循環される
。なお、蒸気から適宜手段によりN−フェニルカーバメ
ートのみを凝縮させるようにすると、蒸気全体を一旦凝
縮させることなくN−フェニルカーバメートを回収する
こともできる。
工程■の熱分解工程で使用したのと同じ有機溶剤の存在
下で縮合工程■が実施される場合には、上記凝縮液から
アルコールを留去して得られる溶液をそのまま縮合工程
に供することもできる。
次に、本発明を実施例により例示する。実施例中、%は
特に言及しない限り重量基準である。また、実施例にお
ける分析は高速液体クロマトグラフィーおよびゲル・パ
ーミェーション・クロマトグラフィーで行った。
実施■1 (A)縮合によるポリカーバメートの生成撹拌機、還流
冷却器、温度計および滴下漏斗を備えたフラスコに、5
5%硫酸1079.3 gとエチルN−フェニルカーバ
フ−) (EPC)200gとを入れ、攪拌下で50℃
に加熱した。50℃で37%ホルムアルデヒド水溶液3
9.4gを滴下し、滴下終了後、混合液を撹拌しながら
90℃に加熱し、90℃で2時間縮合反応させた。
反応終了後、温度を90℃に保持しながら熱トルエン6
00 ccを反応混合物に加え、有機物を溶解させてか
ら分液漏斗に移し、トルエン層を分離し、硫酸層を熱ト
ルエン300 ccで洗浄し、このトルエン層を上記ト
ルエン層と合わせて熱水で洗浄した。
得られたトルエン溶液を高速液体クロマトグラフイーで
分析したところ、この溶液は未反応RPC51,1g、
 4.4’−MDU 112.4g、 2.4’−MD
U量5゜6gを含有していた。
(B) 4.4’ −M D Uの分離上記(A)で得
られたポリカーバメート縮合生成物を含有する熱トルエ
ン溶液を10℃に冷却して結晶を析出させた。析出した
結晶を吸引濾過で分離することにより、結晶75.5 
gを得た。この結晶を高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、4.4°−M D U97.5%からな
り、2.4″−MDUおよびEPCは検出されなかった
結晶分離後の母液を蒸発乾固して、ポリカーバメート生
成物130.3gを得た。その組成は、未反応E P 
C39,2%、4.4’ −M D U29.8%、2
.4’−MDU量2.0%であった。
(C)母液から得たポリカーバメートの熱分解およびR
PCの回収 攪拌機、温度計、圧力計、段数5段の充填式蒸留塔、そ
の塔頂部から留出する蒸気を冷却凝縮する冷却管および
受器、予熱手段を備えた窒素ガス吹き込み管、および溶
媒供給管を備えた、内容積500鍼の耐圧容器に、上記
(B)で母液の蒸発乾固により得られたポリカーバメー
ト生成物10g、o−ジクロロベンゼン270gを仕込
み、窒素ガスで反応器内を2.9kg/ruJGに加圧
し、充填式蒸留塔を170℃に加熱した。さらに、17
0℃に予熱された窒素ガスを3011Q/*inの流量
で流しながら反応器内の圧力を2.9kg/cdGに保
ち、外壁温度400℃に加熱しながら反応を行った。溶
液温度246℃で反応系の温度が一定になり、系内が沸
騰状態となった1反応中、反応温度が0.Nl:/mi
nで昇温するように徐々に反応圧を高めた0反応中に、
0−ジクロロベンゼンと共にエタノールおよびN−フェ
ニルイソシアネート (P I C)が留出するので、
留出した量と同じ体積の200℃に予熱された0−ジク
ロロベンゼンを反応系に添加し、反応系内の体積が反応
中ずっと一定になるようにした。
沸騰状態になってから120分後、加熱を止め、内容物
が80℃になってからこれを取り出し、その少量を高速
液体クロマトグラフィーで分析した結果、未反応の2.
4’ −M D Uおよび4.4’−MDUは検出され
ず、中間体のモノイソシアネートおよび4.4°−MD
 Iの収率は、仕込みの4.4°−MDU量に対してそ
れぞれ0.8モル%および95.2モル%てあり、2.
4’−MDIの収率も95%以上であった。
この反応液を70℃75〜10mHgで減圧蒸留して溶
媒を留去すると、褐色の液体が残った。この液体の2核
体ポリイソシアネート(MDI)の合計含有■は50%
、NGO含有量は26%であった。この液体中にEPC
およびPICは検出されなかった。
反応中に蒸留塔の塔頂蒸気から全部で125gの凝縮液
が受器に捕集された。この凝縮液からエタノールおよび
溶剤の0−ジクロロベンゼンを減圧蒸留で除去すると、
固形物2gが残った。この固形物を高速液体クロマトグ
ラフィーで分析したところ、これはRPC99%を含有
していた。
(D) 4.4°−MDU結晶の熱分解熱分解反応のポ
リカーバメート原料として、蒸気(B)で晶析により分
離された4、4°−MDUの結晶20gを仕込んだ以外
は、上記工程(C)と同様に熱分解反応を実施した。た
だし、蒸留塔加熱温度は200℃、窒素ガス予熱温度は
150℃とし、反応系温度250℃で系内が沸騰状態と
なった。沸騰状態後の反応時間は90分であった。
反応後に取り出された反応液を高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、中間体のモノイソシアネートお
よび4.4’−MDIの収率は、仕込みの4,4°−M
DU量に対してそれぞれ0.2モル%および96.5モ
ル%であった。未反応の4.4’ −M DUは検出さ
れなかった0反応中に蒸留塔の塔頂蒸気の冷却により捕
集された凝縮液は100gであり、これは実質的にすべ
てエタノールおよび溶剤からなり、RPCおよび4.4
’−MDIは検出されなかった。
(E)回収EPCによる縮合反応 上記(C)で蒸留塔の塔頂蒸気の凝縮液から回収された
RPCを原料として用いた以外は、前記の(A)と同様
の操作・条件で縮合反応を行った。得られた縮合反応生
成物を含有するトルエン層を分析したところ、未反応R
P C16,2g 、 4.4°−MDu 132.O
g、2.4’−MDU15.1gであり、(A)と遜色
ない反応結果が得られた。
1川±1 (A) m合によるポリカーバメートの生成実施例1(
^)と同様の方法によりRPCとホルムアルデヒドとを
縮合させてポリカーバメートを生成させた。ただし、縮
合生成物の水層との分離には、トルエンに代えて0−ジ
クロロベンゼンを使用した。得られた0−ジクロロベン
ゼン層を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ
、EPC51,2g 、 4.4’ −M D U 1
12.1 gおよび2.4’ −M DU15.6gを
含有していた。
(B) 4.4’ −M D Uの分離上記(A)で得
られたポリカーバメート縮合生成物を含有する熱0−ジ
クロロベンゼン溶液を実施例1(B) と同様に晶析処
理することにより、結晶72.3 gを得た。この結晶
の組成は、4.4’ −M D UO3,8%であり、
2.4°−MDUおよび未反応EPCは検出されなかっ
た。
結晶分離後に回収した母液は、EPC51,2g。
4.4’−MDU42.1g、2.4’−MDU15.
6gを含有していた。
(C)ポリカーバメートの熱分解 上記(B)で得られたポリカーバメート縮合生成物を含
有する0−ジクロロベンゼン溶液から減圧1留により水
分を除去した。この溶液80gにさらに0−ジクロロベ
ンゼンを加えて溶液量を280gとし、この溶液を反応
器に仕込んだ以外は、実施例1(C)の熱分解工程と同
様の方法および条件で熱分解反応を実施した。
得られた反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析し
た結果、EPCSPICおよび未反応の4.4’−MD
Uは検出されず、仕込みの4.4“−MDUに対し、モ
ノイソシアネートおよび4.4’ −M DIの収率は
それぞれ0.5モル%および96モル%であった。
反応器上部の蒸留塔から留出した蒸気の凝縮液150g
を実施例1(C)と同様に処理して得た固形物2.8g
は、EPC99%を含有していた。この固形物を原料と
して縮合反応を実施したところ、実施例1 ([りと同
様の結果が得られた。
実立開I EPC33,1g、37%ホルムアルデヒド水溶液6.
5g、および55%硫酸178.3 gを用いて・実施
例1と同様に縮合反応を行った。反応終了後・キシレン
200dを用いて実施例1と同様に生成物の抽出・析出
処理を行い、ポリカーバメート含有キシレン溶液を得た
。このキシレン溶液を高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、4,4°−MDU18.9g、2.4“
−MDU2.6g、および未反応RPC8,4gを含有
していた。
このキシレン溶液を次いで室温に冷却し、析出結晶を濾
別することによって得られた粗結晶は、4.4°−M 
D U94.2%、2.4’ −M D U 003%
、EPC4,1%を含有していた。この粗結晶をベンゼ
ンから再結晶することにより、4,4°−M D U9
8.0%と2,4°−MDUo、2%を含有する精製結
晶13.6 gを得た。
この精製結晶を用いて実施例1(D)と同様に熱分解反
応を行ったところ、使用した4、4’−MDUに基づい
て97.0モル%の収率で4.4’−MDIを得た。
几1dLL 実施例1 (B)と同様の方法で4.4’−MDUを晶
析分離した後に残った母液から溶媒を減圧蒸留で除去し
て得られたポリカーバメートを、150℃/l〜2mJ
gで減圧蒸留して、未反応のRPCを除去した。この減
圧蒸留後のポリカーバメートの組成は、4.4°−M 
D U73%、2.4°−MD08%で、RPCは痕跡
程度であった。このポリカーバメートを原料として、実
施例1 (C)と同様に熱分解反応を行い、得られた反
応液から溶剤を留去してポリイソシアネート生成物を得
た。この生成物の2核体MDIの含有量は48%であり
、NGO含有量は22%であり、実施例1(C)で得ら
れたポリイソシアネートに比べて品質が低い。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば、熱分解反応の前に、縮合工程で
得られたポリカーバメートから4.4’ −MDUを分
離することにより、このポリカーバメート生ナルをピュ
アMDUとポリメリックMDUとに予め分離し、この両
者を別個の工程で熱分解する。それにより、熱分解反応
の反応性が比較的高く・高温・高濃度で短時間のうちに
熱分解させることのできるピュアMDUと、不純物およ
び多核体を含むために低温・低濃度で長時間かけて熱分
解を行うことが好ましいポリメリックMDUとを、それ
ぞれ最適の反応条件で熱分解することが可能となり、以
下の利点が得られる。
■ピュアMDUの熱分解においては、不純物等による副
反応が防止され、高品質のピュアMDIを得ることがで
きる。また、ポリメリックMDUが存在しないので、高
温・高濃度での反応により短時間に反応を完結させるこ
とができ、反応中の熱的劣化を受けにくい。
■ポリメリックMDUの熱分解においては、最適な熱分
解条件の設定が容易にでき、効率的に、かつ確実に反応
を完結させることができる。
■熱分解後にポリイソシアネート生成物をピュアMDI
とポリメリックMDIとに蒸留により分離する必要がな
く、この蒸留分離で受けるポリイソシアネート生成物の
品質劣化および歩留まり低下を避けることができる。
■縮合反応を受けなかった未反応のN−フェニルカーバ
メートを、ポリメリックMDUの熱分解反応時に沸点の
低いN−フェニルイソシアネートに変換し、蒸気として
アルコールと共に系外に取り出すことによりポリメリッ
クMDIから分離し、その後アルコールとの再結合によ
りN−フェニルカーバメートに戻して、回収することが
できる。
従来のように、熱分解反応前にポリカーバメート生成物
から蒸留によりまず溶媒を除去し、次いで未反応のN−
フェニルカーバメートを回収する場合には、無溶媒の状
態でポリカーバメート生成物が長時間加熱されることに
なり、ポリカーバメート生成物の熱的劣化および製品で
あるポリイソシアネートの品質劣化が起こるが、上記の
ように熱分解反応での発生蒸気から未反応N−フェニル
カーバメートを回収すれば、この劣化を避けることがで
きる。
このように、従来の方法では、縮合反応後のポリカーバ
メート生成物からの未反応N−フェニルカーバメートの
回収および熱分解生成物であるポリイソシアネートの分
離にいずれも蒸留が利用され、製品品質の劣化につなが
っていた。これに対し、本発明の方法によれば、蒸留は
比較的低温で実施される溶剤の回収に利用するだけでよ
く、またピュアMDUをポリメリックMDUとは別個に
熱分解することにより、高品質のピュアMDIおよびポ
リメリックMDIを効率よ(製造でき、好適態様にあっ
ては未反応のN−フェニルカーバメートを容易に回収す
ることができる。その結果、従来の方法に比べてより高
品質の製品ポリイソシアネート類を経済的に製造するこ
とが可能となる。
出願人  住友金属工業株式会社

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)N−フェニルカーバメートとメチレン化剤とから
    ポリメチレンポリフェニルポリカーバメートを経てポリ
    メチレンポリフェニルポリイソシアネートを製造する方
    法において、 (1)N−フェニルカーバメートとメチレン化剤とを縮
    合反応させてポリメチレンポリフェニルポリカーバメー
    トを製造する工程、 (2)工程(1)で得られたポリメチレンポリフェニル
    ポリカーバメート生成物から、4,4’−メチレンジフ
    ェニルジカーバメートを分離する工程、 (3)工程(2)で得られた4,4’−メチレンジフェ
    ニルジカーバメートを熱分解して、対応する4,4’−
    メチレンジフェニルジイソシアネートを製造する工程、 を包含することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニ
    ルポリイソシアネートの製造方法。 (2)前記工程(2)の4,4’−メチレンジフェニル
    ジカーバメートの分離を、有機溶剤による晶析処理によ
    り実施する、請求項1記載の方法。 (3)工程(4)として、前記工程(2)で4,4’−
    メチレンジフェニルジカーバメートを分離した残りのポ
    リメチレンポリフェニルポリカーバメート生成物を、前
    記工程(3)とは別途に熱分解して、対応するポリメチ
    レンポリフェニルポリイソシアネートを製造する工程を
    さらに包含する、請求項1または2記載の方法。 (4)工程(5)として、前記工程(4)の熱分解反応
    において発生した蒸気もしくはその凝縮液からN−フェ
    ニルカーバメートを回収する工程をさらに包含する、請
    求項3記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0520377A2 (en) * 1991-06-26 1992-12-30 Lucky Ltd. A process for the selective preparation of 4,4-methylene-bis-(N-phenylalkylcarbamate)
JP2003527467A (ja) * 1999-12-27 2003-09-16 ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー ポリカーバメート類の合成法

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