JP3081656B2 - ジイソシアネート化合物の製造方法 - Google Patents

ジイソシアネート化合物の製造方法

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清和 村田
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂環式ウレタン化合物
を高沸点溶媒を共存させて熱分解蒸留する際、高沸点溶
媒と反応により生成した高沸点副生物(ハイボイラー)
との混合物から高沸点溶媒を容易に分離できるようにす
るためのものである。
【0002】イソシアネート化合物は工業的に有用な化
合物であり、中でもジイソシアネート化合物はポリウレ
タンの原料として特に有用である。ジイソシアネート化
合物は、アミン化合物とホスゲンとの反応により工業的
に製造されている。ホスゲンは、選択性の高い反応性物
質であるが、毒性の強い物質でもあるため、取扱いに厳
重な注意を必要とする。
【0003】
【従来の技術】以前、ホスゲンを使用しないジイソシア
ネート化合物の製造方法を提案した[たとえば、特開昭
64−85956号公報(発明の名称:イソシアネート
化合物の製造方法)]。
【0004】上記方法の概略を、以下に示す。第一に、
ジメチルカーボネートとアミン化合物を、ナトリウムメ
チラートなどの塩基性物質を触媒として使用して反応さ
せてウレタン化合物を合成する。
【0005】次いで、このウレタン化合物をm−ターフ
ェニルやジベンジルトルエンのような高沸点溶媒中で触
媒となるマンガン、モリブデンなどの金属単体または、
化合物をメタノール溶液として添加し、熱分解してイソ
シアネート化合物を得る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この熱分解時に生成す
る重合物は、高沸点溶媒との混合物として得られる。こ
の混合物より有用な高沸点溶媒を回収するには、蒸留が
一般には用いられる。
【0007】しかし、脂環式ウレタン化合物の熱分解時
に生成する重合物は、熱的に不安定であるために高沸点
溶媒との分離操作を行っている間に重合が進み取り扱い
が困難になってしまう。例えば、蒸留塔のリボイラーで
重合が進み高沸点溶媒の回収率が悪くなったり、重合物
がリボイラーを閉塞させて運転不可能になることがあ
る。
【0008】このため余分のコストがかかることにな
り、工業的に実施するには問題がある。このような状況
下で脂環式ウレタン化合物を高沸点溶媒中で熱分解する
時に得られる重合物と高沸点溶媒の混合物より高沸点溶
媒を収率良く経済的に回収する方法が待ち望まれてお
り、本発明者らは鋭意検討した結果、本発明を完成させ
た。
【0009】
【発明の目的】本発明は目的化合物である脂環式ジイソ
シアネート化合物を分離した後の重合物を含有するハイ
ボイラー液から有用な高沸点溶媒を容易に分離すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
「脂環式ウレタン化合物を触媒および高沸点を有する溶
媒存在下、1〜700Torrの減圧下で熱分解し、脂
環式ジイソシアネート化合物を製造する工程において、
有用な高沸点溶媒を生成した重合物より分離する際、ア
ルコール処理した後、塔底から抜き出すことを特徴とす
る脂環式ジイソシアネート化合物の製造方法」である。
【0011】脂環式ウレタン化合物の熱分解によって脂
環式ジイソシアネート化合物を製造する際に生じる重合
物はそれ自身で活性な基を持っているため、目的生成物
である脂環式ジイソシアネート化合物もしくは他の重合
物と反応してより重合度の高い重合物になる。重合度の
低い重合物であってもその流動性は悪くまた付着力も強
いため、より重合度の高い重合物の取扱いは相当の困難
が伴う。
【0012】本発明者らは、この問題点を克服するため
に重合物の性状の解析や分析を実施することにより重合
の反応機構を解明して、その対策を確立した。すなわ
ち、活性な基(−NCO)をアルコールで処理すること
により不活性化して高沸点溶媒の回収を実施すれば取扱
いの容易な重合物とすることができるところに本発明の
ポイントがある。
【0013】本発明を図1に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は本発明を実施する場合の各装置をブ
ロック図で示したフローシートである。図1において1
−1はリボイラーである。2−2はリボイラー1−1に
とり付けられている還流器付きの蒸溜塔、3−3は製品
である脂環式ジイソシアネート化合物を凝縮させるため
のコンデンサーである。
【0015】4−4は熱分解により生じたアルコールを
凝縮させるためのコンデンサーである。5−5はフラッ
シュ蒸発器、6−6はフラッシュ蒸発器で蒸発した高沸
点溶媒リッチの混合気を凝縮させるためのコンデンサー
である。
【0016】7−7は高沸点副生物(ハイボイラー)の
抜き取りライン、8−8は高沸点溶媒仕込みライン、9
−9は熱分解工程に供される脂環式ウレタン化合物仕込
みライン、10−10は触媒の仕込みラインである。ま
た、11−11は減圧ラインである。12−12が本発
明のポイントとなるアルコール処理される被処理液の抜
き取りラインである。
【0017】13−13はアルコール処理する反応器、
14−14はアルコールの仕込みラインである。アルコ
ールはどのようなアルコールでも良いが、あまり分子量
の高いアルコールは重合物を処理した時の分子量が上が
り過ぎて物質の性質(沸点、粘度等)が高沸点溶媒との
分離時に不利なように変化するため好ましくはない。
【0018】好ましいアルコールとしてはC1〜C12
のアルコールが良い。具体的には、メタノール、エタノ
ール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキ
サノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、
ドデカノール等がある。
【0019】また、熱分解をする脂環式ウレタン化合物
に対応するアルコールが好ましい。高沸点溶媒は、脂環
式イソシアネート化合物に対して不活性であることが必
要で、脂肪族化合物、芳香族化合物、アルキル化合物、
エーテル化合物等から選んで用いることが出来る。
【0020】ハロゲン基等の不活性の基を含んでいても
溶媒として差し支えない。また、溶媒は目的物である脂
環式ジイソシアネート化合物と精製分離し易いものが好
ましい。脂環式ジイソシアネート化合物と沸点が離れて
いる溶媒は、蒸留による精製分離が可能であり、好まし
い。
【0021】溶媒の沸点が脂環式ジイソシアネート化合
物より低いものは脂環式ジイソシアネート化合物ととも
に留出し、実用上、工程が複雑になって不利であり、脂
環式ジイソシアネート化合物より高沸点のものが好まし
い。
【0022】さらに、脂環式ジイソシアネート化合物よ
り10℃以上沸点の高い溶媒は脂環式ジイソシアネート
化合物と蒸留分離し易いので特に好ましい。
【0023】好ましい高沸点溶媒としては、o−ターフ
ェニル、m−ターフェニル、p−ターフェニル、混合ジ
フェニルベンゼン、部分水添トリフェニル、ジベンジル
ベンゼン、ビフェニル、フェニルエーテル、フェニルシ
クロヘキサン、ヘキサデカン、テトラデカン、オクタデ
カン、アイコサン、ベンジルエーテル、テトラメチルエ
ーテル、ジベンジルトルエン等がある。
【0024】目的とする脂環式ジイソシアネート化合物
に応じて好適な高沸点溶媒が選ばれるべきであるが、例
えば、イソホロンジイソシアネートの製造の場合は、m
−ターフェニルもしくはジベンジルトルエンが特に好ま
しい。使用するアルコールの量は塔底から抜き出す液に
含まれる−NCO基に対して1〜10モル倍程度であ
る。
【0025】使用するアルコールの量が1モル倍より少
ないと塔底から抜き出す液中に−NCO基が存在するた
めに重合が生じて高沸点溶媒を回収することが困難とな
るので、好ましくない。逆に10倍以上使用しても分離
するための必要エネルギー量が多くなるだけで何のメリ
ットもない。
【0026】使用するアルコールは前記図1における塔
底から抜き出す液の循環ライン11−11にポンプで注
入しても良いし、アルコール処理器13−13に注入し
ても良い。過剰のアルコールはフラッシュ蒸発器5−5
で高沸点溶媒と共に蒸発され、再使用される。アルコー
ル処理する温度は使用するアルコールと−NCO基との
反応速度とアルコールの沸点により任意に選定すれば良
い。
【0027】また、処理時間はアルコールと−NCO基
との反応が十分に行われる時間と反応速度との兼ね合い
で決定すれば良い。
【0028】以下に実施例および比較例を示し、さらに
詳しく本発明を説明する。 比較例−1 20段オルダーショウをセットした容量200ミリリッ
トルの硝子製リボイラーを用いて、3−メトキシカルボ
ニルアミノメチル−3、5、5、−トリメチル−1−メ
トキシカルボニルアミノシクロヘキサン[通称イソホロ
ンジカーバメート、(略記号:IPDC)]の連続分解
を行った。
【0029】高沸点溶媒にはジベンジルトルエン(略記
号:DBT)を用いた。リボイラーに最初200mlの
DBTと対DBT10ppm相当の無水酢酸マンガンを
仕込み、30Torrの減圧下で沸騰状態になるまで加
熱した。次いで反応器にIPDC59重量%、DBT4
1重量%の混合液を120g/Hrの速度で蒸留塔の下
から5段目に仕込んだ。
【0030】また、無水酢酸マンガンを、メタノール中
1重量%になるように溶解した。この溶液をIPDIで
80倍に稀釈して、125ppmの触媒溶液を調合し
た。この触媒溶液をリボイラー中の無水酢酸マンガン濃
度が10ppmに保たれるように、塔底より10段目に
供給した。
【0031】蒸留塔頂部より生成物であるイソホロンジ
イソシアネート(略記号:IPDI)を抜き取り、ま
た、反応器液面が一定になるような缶液抜取り速度で運
転を行った。塔内温度、溜出液、缶出液の各重量、組成
が安定した時点、溜出液は1時間で55.6gで、組成
はIPDI 99.5重量%、モノイソシアネート(略
記号:IPMI) 0.5重量%であった。
【0032】IPDC転化率は99%であった。塔底よ
り抜き取られた重合物含みの高沸点溶媒は1時間に5
3.8gであった。組成はDBT 91.4重量%、I
PDI 0.5重量%、IPMI 0.8重量%、IP
DC 1.3重量%、重合物 6.0重量%であった。
【0033】この塔底から抜き出された液から高沸点溶
媒(DBT)を回収するために、SUS製の強制掻き取
り式の薄膜蒸発装置(WFE)とガラス製の強制掻き取
り式の薄膜蒸発装置(WFE)が直列設置してある回収
装置に、塔底から抜き出された高沸点溶媒混合液を20
0g/Hrの速度で供給した。
【0034】WFEのジャッケットには240℃に加熱
されたオイルを循環した。また操作圧力は6Torrと
した。高沸点溶媒の回収運転を1時間運転したところで
2段目のガラス製WFEの缶出ラインが閉塞して運転不
能となった。
【0035】
【実施例1】比較例−1で使用された高沸点溶媒混合液
にメタノールを高沸点溶媒混合液に対して3重量%添加
して50℃で1時間反応させた後、比較例−1と同様に
高沸点溶媒の回収実験を行ったところ、2段目のガラス
製WFEの缶出ラインは閉塞せず順調に回収運転を続け
ることができた。このときの高沸点溶媒回収率は、96
重量%であった。
【0036】
【発明の効果】本発明により、脂環式ウレタン化合物を
高沸点溶媒中で熱分解する時に得られる重合物と高沸点
溶媒の混合物より高沸点溶媒を収率良く経済的に回収す
ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明を実施する場合の各装置をブロ
ック図で示したフローシートである。図1において1−
1と2−2がウレタン化合物を減圧下、溶媒中で熱分解
してジイソシアネート化合物を製造するためのリボイラ
ーおよび蒸溜器である。
【符号の説明】 12−12が本発明のポイントとなるアルコール処理さ
れる被処理液の抜き取りラインである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式ウレタン化合物を触媒および高沸
    点を有する溶媒存在下、1〜700Torrの減圧下で
    熱分解し、脂環式ジイソシアネート化合物を製造する工
    程において、有用な高沸点溶媒を生成した重合物より分
    離する際、アルコール処理した後、塔底から抜き出すこ
    とを特徴とする脂環式ジイソシアネート化合物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 脂環式ウレタン化合物がイソホロンジカ
    ーバメートであり、脂環式ジイソシアネート化合物がイ
    ソホロンジイソシアネートである請求項1記載の脂環式
    ジイソシアネート化合物の製造方法。
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JP4558870B2 (ja) * 1999-11-08 2010-10-06 株式会社日本触媒 塔式処理方法および装置
JP5728344B2 (ja) * 2011-09-15 2015-06-03 三井化学株式会社 ジイソシアネートの精製方法

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