JPH0283363A - 芳香族ポリカーバメートの製造方法 - Google Patents

芳香族ポリカーバメートの製造方法

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JPH0283363A
JPH0283363A JP23424988A JP23424988A JPH0283363A JP H0283363 A JPH0283363 A JP H0283363A JP 23424988 A JP23424988 A JP 23424988A JP 23424988 A JP23424988 A JP 23424988A JP H0283363 A JPH0283363 A JP H0283363A
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JP
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acid
reaction
polycarbamate
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JP23424988A
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English (en)
Inventor
Norisue Takeshita
竹下 徳末
Tadashi Yao
正 矢尾
Tetsuo Takano
哲雄 高野
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、フェニルカーバメートとメチレン化剤とを原
料とするポリメチレンポリフェニルポリカーバメート(
以下、ポリカーバメートと略記する)の製造方法に関す
る。
より詳しくは、酸触媒の存在下、フェニルカーバメート
にホルムアルデヒドなどのメチレン化剤を作用させて縮
合反応によりポリカーバメートを製造し、芳香族系有機
溶剤による晶析を利用して2種類の反応生成物を回収す
るポリカーバメートの製造方法において、製品品質を悪
化させる反応中間体の含有量が低減した高品質の生成物
を得ることのできる、改良されたポリカーバメートの製
造方法に関する。
(従来の技術) ポリカーバメートは医薬、農薬、化成品の中間原料とし
て有用な物質であり、特に熱分解により容易に対応する
ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(以下、
単にポリイソシアネートと略記する)に転化されること
から、ポリイソシアネート製造の中間体として有用であ
る。
ポリイソシアネート、中でも2核体のメチレンジフェニ
ルジイソシアネート(以下、MDIと略記)は、ポリウ
レタンエラストマーおよび被覆材料製造の原料として有
用な物質であり、この用途における使用量は、揮発性が
高く毒性の強いことが問題となっているトリレンジイソ
シアネート(TDI)を現在では凌いでおり、工業的規
模での大量生産が行われている。
従来、芳香族イソシアネー)[は一般に芳香族ニトロ化
合物を水素還元して芳香族アミンを得、これにホスゲン
を作用させてイソシアネートとすることにより工業的に
生産されてきた。しかし、この方法は工程が複雑な上、
有毒なホスゲンを使用すること、塩化水素が大量に副生
ずることなどの問題点があった。そこで、ホスゲンを使
用しない芳香族イソシアネートlの製造方法が20年来
盛んに研究されている。
ホスゲンを使用しない方法は、■直接法と、■カーバメ
ート経由法に大別される。
第一の直接法は、不活性溶剤中で芳香族ニトロ化合物に
パラジウム系触媒の存在下で一酸化炭素を作用させ、芳
香族イソシアネート化合物を直接製造する方法であるが
、反応条件が過酷である、触媒の生産性が低い、副反応
が併発しやすいといった欠点がある。さらに、致命的な
ことに、この方法はMDIのような多核構造のポリイソ
シアネートの製造に適用することは困難である。
第二のカーバメート経由法は、芳香族ニトロ化合物とア
ルコールとに白金族金属触媒またはセレン触媒の存在下
で一酸化炭素を作用させて、中間生成物の芳香族カーバ
メートを得、次いでこのカーバメートを熱分解して芳香
族イソシアネートを得る方法である。
本発明のポリカーバメートの製造法は、この第二のカー
バメート経由法による上記ポリイソシアネートの製造に
おいて実施されるものである。この方法は、下記反応式
に示すように、フェニルカーバメート(T)を酸触媒の
存在下でホルムアルデヒド等のメチレン化剤との縮合に
より架橋してポリカーバメート(U)を生成させるもの
であり、この縮合反応については、例えば、米国特許第
2゜946.768号および特公昭57−57029号
などに開示されている。
(式中、mは0または1〜6の整数、Rは炭素数1〜6
の低級アルキル基を意味する)。
得られたポリカーバメートは、熱分解すると、式(I)
で示される対応するポリイソシアネートに転化される。
(式中、mは上と同じ意味である)。
この方法は、原料となるフェニルカーバメートをニトロ
化合物あるいはアミノ化合物から合成する優れた方法が
近年開発されたため、ポリカーバメートおよびポリイソ
シアネートの有利な製造法として注目されている。
上記一般式(I[l)のポリイソシアネートうち、ピュ
アMDIと一般に呼ばれる4、4゛−メチレンジフェニ
ルジイソシアネート (以下、4.4“−MDIと略記
する)が最も反応性が高く、そのため高価値である。し
かし、前記の縮合反応において、その前駆体である4、
4°−メチレンジフェニルシカ−バメート (以下、4
.4’−MDUと略記する)が最も高収率で得られるよ
うに反応条件を調整しても、4.4゛一体以外の2核体
MDU異性体、すなわち、2.2°−MDUおよび2,
4“−MDUや、3核体以上〔一般式(I[)でm≧1
〕の多核体ポリカーバメートなどの各種ポリカーバメー
ト生成物の生成、さらには反応中間体の生成が避けられ
ない。
ポリカーバメートは沸点が非常に高いので、縮合生成物
を蒸留により各成分に分離して、望ましい4.4’−M
DUを分離することは非常に困難であった。そのため、
従来は縮合反応生成物を各生成物に分離することなくそ
のまま熱分解し、得られたポリイソシアネート生成物か
ら通常は蒸留により4.4’−MDIを分離してピュア
MDI製品とし、残りは一括してポリメリックMDI(
クルードMDIともいう)!!!品として回収すること
が普通であった。ポリメリックMDIは、留出しなかっ
た4、4”−MDI、その他のMDI異性体、3核体以
上のポリイソシアネートを含有する。ピュアMD口よ主
に多様なポリウレタン製品の製造原料、ポリメリックM
DIは主に硬質ウレタンフオームの製造原料として使用
されている。しかし、この方法では、蒸留中にポリイソ
シアネートが熱劣化を受は易く、製品品質が低下すると
いう欠点があった。
本発明者らは、芳香族系有機溶剤を用いた晶析処理によ
って4.4’ −M D Uを効率良く分離できること
を見出し、この処理に基づいたポリイソシアネートの製
造方法を先に提案した(特願昭63−29085号)。
この方法では、分離した4、4°−MDU結晶および母
液に残留するポリカーバメートを別々に熱分解すると、
前者の熱分解によりピュアMDI製品が、後者の熱分解
ではポリメリックMDIが得られるため、熱分解で得ら
れたポリイソシアネートの蒸留による分離が不要となり
、製品の劣化が避けられる。
しかし、この方法での問題点として、縮合反応で生成し
た中間体の分離が困難であるため、母液に含まれたまま
熱分解に供されることがある。
縮合反応で生成する中間体としては、下記一般式で示す
N−ベンジル体(IV)およびビスアニリノ体(V)が
ある。
ぴ (R:炭素数1〜6の低級アルキル基)これらの反応中
間体は、熱分解によるイソシアネートへの変換を受けな
いため、ポリイソシアネート生成物中で不純物となり、
母液の熱分解で生成したポリメリックMDIの品質を劣
化させる。
これらの反応中間体はまた、ポリカーバメートの熱分解
により生成したポリイソシアネートと種々の副反応を起
こし、目的とするポリイソシアネートの収率低下および
品質劣化の原因となる。
しかし、化合物(+)から(II)への縮合反応は、少
なくとも部分的には上記中間体を経て進行するため、こ
の中間体を含まないようなポリカーバメート生成物を得
るには、反応を完全に進行させるように非常に苛酷な反
応条件で縮合反応を行う必要があり、工業的には実施し
にくい。
縮合生成物の分離を行わず、ポリイソシアネート生成物
を蒸留して製品化する従来の方法でも、これらの中間体
は上記と同様の問題を生ずるため、縮合生成物からこの
ような反応中間体を除去するための処理法がこれまでに
いくつか提案されている。
■特開昭54−59264号には、少なくとも75%濃
度の硫酸以上の強さを有するプロトン性酸またはルイス
酸を用いてベンジル体をポリカーバメートに転移させる
方法が開示されている。しかし、この方法では使用した
強酸の分離・回収が容易ではない。
■特開昭56−7749号には、ビスアニリノ体のみを
酸触媒の存在下で加熱し、ポリカーバメートに転移させ
る方法が開示されているが、反応速度が遅く、完全には
ビスアニリノ体を除去できない。さらに、■および■の
方法を本目的のために適用するには、中間体のうちの一
方のみを分離する操作が別に必要であり、また他の中間
体に関しては別の処理が必要となるため、操作が煩雑と
なる。
■特開昭56−12357号には、ベンジル体およびビ
スアニリノ体の共存下でフェニルカーバメートとホルム
アルデヒドとを酸触媒により反応させる方法が記載され
ているが、反応後も実質量の中間体が残存し、その効果
は不十分である。
■特開昭59−106453号には、反応後に無機酸か
ら分離された有機相にトリフルオロ酢酸などの強カルボ
ン酸を非水下で作用させ、中間体や多核体を2核体のM
DUへ転移させる方法が開示されているが、酸処理を非
水下で行うための脱水工程が必要になる。また、トリフ
ルオロ酢酸は揮発性が高く、吸湿性も高いため取り扱い
が面倒である。
(発明が解決しようとする課題) 上述のように、現状では、縮合反応中間体を最終的に含
有しないポリカーバメートの製造を工業的に実施するこ
とができる、満足すべき方法がない。
したがって、本発明の目的は、酸水溶液の存在下にフェ
ニルカーバメートとメチレン化剤とからポリカーバメー
トを製造する方法において、簡便な処理により中間体を
含有しないポリカーバメート生成物を得ることができる
方法を提供することである。
本発明の別の目的は、上述した縮合反応生成物の芳香族
系有機溶剤による晶析分離を利用したポリカーバメート
の製造方法において、中間体を含有しない生成物を得る
ことができるようにこの方法を改良することである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、先に提案した縮合反応生成物の芳香族系
有機溶剤による晶析分離を利用したポリカーバメートの
製造方法において、反応生成物を酸水溶液で処理し、そ
の後で芳香族系有機溶剤による晶析を行うことにより、
縮合反応中間体が減少してポリカーバメートの収率が上
がること、この処理が容易に実施できること、さらにこ
の処理に用いた酸水溶液を回収して再使用できることを
見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は、酸触媒の存在下、フェニル
カーバメートとメチレン化剤との反応によりポリカーバ
メートを製造する方法において、得られた反応生成物を
、縮合反応に用いた酸触媒より高濃度の酸水溶液で処理
し、酸処理した反応生成物を芳香族系炭化水素により晶
析処理して、メチレンジフェニルシカ−バメート結晶を
回収し、母液中の反応生成物を上記結晶とは別個に回収
することを特徴とする、ポリカーバメートの製造方法で
ある。
(作用) 以下、本発明の詳細な説明する。
本発明のポリカーバメートの製造方法の出発原料は、上
記一般式(1)で示されるフェニルカーバメートである
。一般式(1)において、Rは炭素数1〜6の低級アル
キル基であるが、メチル基もしくはエチル基が、次の熱
分解反応が容易となることから特に好ましい。
メチレン化剤としては、ホルムアルデヒドまたはホルム
アルデヒドを発生させる物質が使用される。ホルムアル
デヒドを発生させる物質とは、上記縮合反応条件下で分
解等によりホルムアルデヒドを発生させる物質であり、
その具体例には、トリオキサン、バラホルムアルデヒド
、メチラールおよびその他のホルマール類が含まれる。
通常は、主として経済的理由から、ホルムアルデヒド水
溶液(ホルマリン)が使用される。
酸触媒としては、硫酸、塩酸、リン酸、ポリ硫酸、ポリ
リン酸、ホウ酸、臭化水素酸、過塩素酸などの無機酸、
三フッ化ホウ素などのルイス酸、およびメタンスルホン
酸などの有機酸が使用できるが、特に無機強酸である硫
酸が好ましい。
以下、説明の簡略化のために、ホルムアルデヒドでメチ
レン化剤を、また硫酸で酸触媒を代表させて説明する。
本発明における縮合反応は従来の方法と同様に実施でき
るが、反応条件について以下に簡単に説明する。
ホルムアルデヒドとフェニルカーバメートとの供給比に
は特に制限はないが、2核体MDUの製造を目的とする
場合、通常はモル比で0.2〜1.0の範囲内が好まし
い。ホルムアルデヒドの添加量が少なすぎると原料の転
化率が低くなり、多すぎると目的生成物への選択率が低
下する傾向がある。
使用する硫酸水溶液の酸濃度は好ましくは20〜70重
量%、さらに好ましくは40〜60重量%である。
供給する硫酸濃度が20重四%未満の場合、あるいは7
0重量%を超える場合には、目的とする縮合生成物への
選択率が低くなる傾向がある。
硫酸水溶液とフェニルカーバメートとの供給比は、フェ
ニルカーバメートに対する硫酸のモル比で2以上とする
ことが好ましい。この供給比を下回ると、縮合反応に対
する反応促進効果が低下す縮合反応は、通常は有機溶媒
を存在させずに実施されるが、反応条件下でホルムアル
デヒドと反応しない限り、各種の有機溶媒を共存させて
行うこともできる。ただし、有機溶媒が晶析処理に使用
する芳香族系溶剤でない場合には、縮合反応後の晶析処
理を妨害しないように、晶析前にこの有機溶媒を相分離
、蒸留などの適宜手段で少なくとも部分的に除去するこ
とが好ましい。
反応温度は好ましくは60〜120℃、さらに好ましく
は80〜100℃である。反応温度が低すぎると縮合反
応速度が低下し、一方、高くなりすぎると多核体の生成
量が増加する。
反応時間は反応条件により異なるが、0.1〜10時間
、好ましくは0.5〜5時間である。反応時間が短すぎ
ると反応は完結せず、長すぎると副反応の併発が著しく
なる。
縮合反応は、回分式、連続式および半連続式のいずれで
も実施できる。また、反応成分の添加順にも特に制限は
ないが、一般にはフェニルカーバメートと酸触媒の混合
物にメチレン化剤を添加することにより反応を実施する
ことが好ましい。
こうして得られた縮合反応生成物を、縮合反応時に触媒
として用いた酸水溶液より高濃度の酸水溶液で加熱処理
する (以下、この処理を酸処理という)。この酸処理
において、メチレン化剤は添加しない。
縮合反応で得られた反応混合物は、反応生成物の他に、
硫酸および未反応ホルムアルデヒドを含有する水層を含
んでいる。この水層中の酸を利用して上記酸処理を行う
こともできる。この場合には、反応混合物から水層を分
離せず、水層の酸濃度が所定濃度になるまで反応混合物
に濃硫酸を添加した後、加熱することによって酸処理を
実施することができる。しかし、縮合反応と酸処理とで
異なる酸濃度を利用するため、この方法では酸の再使用
に大幅な濃度調整が必要となり、操作が煩雑となる。
したがって、この酸処理の前に、反応生成物を水層から
分離することが好ましい。分離された水層は、必要であ
れば少量の酸を追加し、酸触媒として縮合工程に再使用
することができる。この場合には、酸処理に使用したよ
り高濃度の酸水溶液も、処理後に反応生成物から分離し
て、特に濃度調整を行うことなく、酸処理に再使用する
ことができる。
縮合反応に有機溶剤を存在させなかった場合、反応生成
物は油状であるか、あるいは冷却により固化するため、
これを容易に水層と分離することができる。しかし、縮
合反応混合物に有機)客側を添加し、反応生成物をこの
溶剤に熔解させてから油水分離により水層を除去する方
が、分離がより容易であり、反応生成物の水洗などの後
処理も容易となることから好ましい。この時に使用する
有機溶剤は、この目的に適するものであれば特に制限さ
れないが、本発明では後で芳香族系溶剤溶剤による晶析
処理を実施するため、この段階で晶析処理に使用する芳
香族県有a?8剤を使用して、反応生成物を溶解させて
おくことが有利である。
縮合反応を有機溶剤の存在下で行った場合には、iil
に油水分離により、反応混合物から水層を容易に除去す
ることができ、反応生成物を含有する有機溶液が得られ
る。
水層を除去した場合には、分離された反応生成物(上記
のように、反応生成物単独でも、あるいは有機溶剤中の
溶液状でもよい)に、縮合反応で使用した酸触媒より高
濃度の酸を添加し、所定温度に加熱して酸処理を行う。
この酸処理に用いる酸としては、任意の無機および有機
強酸が使用でき、縮合反応で使用した酸触媒と同一であ
る必要はない。ただし、反応生成物が有l!溶液状の場
合には、酸処理後の酸水溶液の分離が容易となるように
、前記芳香族系溶剤に溶解しない硫酸、塩酸、過塩素酸
などの無機酸が好ましく、特に硫酸が好ましい。
以下、酸として硫酸を使用した場合の処理方法について
説明する。
処理に用いる硫酸の濃度は、縮合反応で酸触媒として使
用した酸水溶液の濃度より高濃度である必要がある。酸
触媒より低濃度の酸を使用した場合には、中間体の生成
量を低減させるという所期の目的が達成されない。具体
的には、酸処理に使用する硫酸の濃度は、50〜80重
世%、特に60〜75重量%が好ましい。濃度が50重
量%未満の硫酸では、酸処理による効果が少なく、また
、80重量%より高い濃度では酸処理後に回収される生
成物の収率が低下し、実用的でない。
処理温度は70〜100℃が好ましい、処理時間は処理
温度に応して変化するが、30〜300分、通常は60
−120分で十分である。処理時間を長くすればさらに
低温で処理することもできるが、50℃以下の低温では
処理による効果が小さい。処理温度が100℃を超える
と、酸処理後の生成物の回収率が低下する。使用する硫
酸量は特に制限されず、他の処理条件に応じて適宜選択
する。
上記の酸処理条件は硫酸を使用した場合の例であり、使
用する酸に応じて最適の結果が得られるように処理条件
を変更することができる。
この酸処理によって、処理を受ける有機溶液中に含まれ
ていた上記ベンジル体(rV)およびビスアニリノ体(
V)などのメチレンアミノ結合を有する縮合反応中間体
は、ポリカーバメートに転移するため、酸処理を行わな
かった場合に比べて中間体の量を大きく低減させること
ができる。また、酸処理により有機溶剤に不溶性のター
ルが生成するが、これは容易に除去することができる。
このタールは次工程の熱分解工程で悪影響を与える物質
が酸処理で変化したものと考えられる。したがって、こ
の酸処理により、ポリカーバメートの熱分解に悪影響の
ある成分をほとんど含まない、品質の向上したポリカー
バメートを得ることができる。
酸処理後、油水分離などの適当な手段により硫酸を分離
してポリカーバメート生成物を回収する。
分離された硫酸は、上記のように再使用できる。
酸処理前に水層を分離してから反応生成物を酸処理した
場合には、酸処理後の回収された高濃度の硫酸は、特に
濃度調整をすることなく、そのまま次回の酸処理に再使
用しても、初回と同様の酸処理の効果を得ることができ
よう。
このように、本発明の酸処理は、やや高濃度の通常の無
機酸を使用し、温和な反応条件で比較的短時間に実施で
き、その後の酸の分離も容易であり、しかも酸を反復使
用することができるので廃液処理が必要ないなど、工業
的実施に非常に通した方法であり、その効果も優れてい
る。
酸処理したポリカーバメート生成物は、次いで、芳香族
系有機溶剤により晶析処理して、MDU結晶を析出させ
る。
この晶析処理に使用する芳香族系有機溶剤は特に制限さ
れないが、反応生成物の溶解度が貰く、4.4°−MD
Uを優先的な晶析させるものが好ましい。この意味で好
ましい芳香族系有機溶剤は、メチル基、エチル基などの
アルキル基またはクロロ、ブロモなどのハロゲンで置換
された沸点(常圧)が250℃以下のものである。具体
的にはトルエン、キシレン、クロロヘンゼン、ジクロロ
ベンゼン、クロロトルエンなどである。
縮合反応混合物からの水層の分離時、あるいはその他の
時点で反応生成物に芳香族系有機溶剤を添加し、生成ポ
リカーバメートを溶解しである場合、酸処理後に硫酸か
ら分離された有機溶液の冷却または蒸発により結晶を析
出させるだけで、晶析を行うことができる。
酸処理後のポリカーバメート生成物が溶液状態でない場
合には、芳香族系有機溶剤を加えて生成物を溶解させ、
上記と同様に晶析を行う。さらに、ポリカーバメート生
成物が芳香族系以外の有機溶剤溶液である場合には、芳
香族系有機溶剤による晶析を行う前に、この晶析を妨害
しないように、必要に応じてこの溶剤の少なくとも一部
を留去する。
上述した芳香族系有機溶剤による晶析処理により、高純
度の4.4’ −M D U結晶が生成物として回収さ
れる。これを熱分解するとピュアMDIが製造される。
MDI結晶の分離後に残る母液は、未晶析MDUの他に
、未反応フェニルカーバメート、および多核体ポリカー
バメートを含有するので、これをそのまま溶液状で、あ
るいは溶剤を留去してから、上記結晶とは別個にポリカ
ーバメート生成物として回収する。このポリカーバメー
ト生成物を熱分解するとポリメリックMDIが製造され
る。ポリカーバメートの熱分解は、一般に有機溶媒中で
の液相熱分解により行うことが有利であるので、結晶分
離後の母液を、必要に応して濃度調整後、そのまま熱分
解工程に供することができる。
このように、本発明で製造される2種類のポリカーバメ
ート生成物、すなわち、晶析により回収されるMDU結
晶およびその母液から回収されるポリカーバメートは、
いずれも高品質である。本発明の酸処理を行わない場合
には、熱分解工程および熱分解生成物に悪影響のある縮
合反応中間体が母液に含まれてくることになるが、本発
明の酸処理により、この中間体含有量が低下した母液を
得ることができる。したがって、母液から回収されたポ
リカーバメートを、効率よく熱分解することができ、し
かもそれにより品質の優れたポリメリックポリイソシア
ネートが製造される。
以下、本発明を実施例により例示する。実施例中、%は
特に言及のない限り重量%である。なお、分析は0−フ
ェニルフェノールを内部標準とする高速液体クロマトグ
ラフィーによって行った。多核体および縮合反応中間体
については、内部標準に対するファクターを1.0とし
て計算を行った。
尖施■土 温度計、攪拌機、還流冷却器および滴下漏斗を取りつけ
た500 c+J容のフラスコに、エチルフェニルカー
バメート (RP C’) 33.1 gおよび55%
硫酸178.2gを入れ、内容物を攪拌しなから油浴で
50℃まで加熱した後、37%ホルムアルデヒド水溶液
(ホルマリン) 8.10gを滴下した。滴下終了後、
混合液を攪拌しながら90℃に加熱し、この温度で2時
間環合反応させた。
反応終了後、90℃に保ちながら得られた生成物にトル
エン150−を添加し、反応生成物をトルエンに熔解さ
せた後、硫酸層を分液した。分離されたトルエン層を再
びフラスコに戻し、これに70%硫酸100 gを加え
て、90℃で1時間撹拌することによって酸処理した。
酸処理後、硫酸を分液し、分離されたトルエン層を熱水
で洗浄後、冷却した。
析出物を濾別し、トルエン(50cd)で洗浄後、乾燥
し、16.2gの結晶を回収した。この結晶の組成を次
の第1表に示す。
結晶を分離した後に残った濾液と洗液とを合わせて得た
トルエン溶液を濃縮乾固して、14.1gの油状物を回
収した。その組成も次の第1表に併せて示す。
第1表 (組成二重量%) を添加し、反応生成物をトルエンに溶解させた後、硫酸
層を分液した。分離されたトルエン層を再びフラスコに
戻し、これに70%硫酸100gを加えて、90℃で1
時間撹拌することによって酸処理した。
酸処理後、硫酸を分液し、分離されたトルエン層を熱水
で洗浄後、冷却した。析出物を濾別し、トルエン(50
c+j)で洗浄後、乾燥し、13.7 gの結晶を回収
した。結晶を分離した後に残った濾液と洗液とを合わせ
て得たトルエン溶液を濃縮乾固して、16.5 gの油
状物を回収した。回収された結晶と油状物の組成を次の
第2表に示す。
第2表 (組成:重量%) 実施例2 RP C33,1g 、55%硫酸178.5 gおよ
び37%ホルムアルデヒド水溶液9.73 gを使用し
て、実施例1と同様に縮合反応を行った。ただし、反応
温度は80°Cとした。
反応終了後、得られた生成物にトルエン150cIIl
比較例1 実施例1と同様に縮合反応を行った。ただし、縮合反応
における触媒として、55%硫酸に代えて、酸処理用と
同し70%硫酸を使用した。縮合反応終了後、酸処理を
行なわず、硫酸から分離され、熱水で洗浄したトルエン
溶液を冷却したが、結晶は析出してこなかった。このト
ルエン溶液を濃縮乾固することによって、27.6gの
油状物を得た。分析の結果、その組成は、4.4°−M
 D U29.8%、2゜4’−MDU7.2%、多核
体16.6%、RP C23,7%、中間体0.7%で
あった。
比較例2 70%硫酸による酸処理を行わなかった以外は、実施例
1を繰り返した。すなわち、縮合反応後、トルエン15
0 antを加え、硫酸層を分離した後、トルエン溶液
を熱水で洗浄し、冷却して、結晶を晶析させ、その後は
実施例1と同様に処理を行った。
その結果、17.7 gの結晶と14.3gの油状物が
得られた。これらの組成を次の第3表に示す。第3表か
られかるように、油状物として回収されたポリカーバメ
ート (ポリメリックMDIの前駆物質)中の中間体濃
度が非常に高かった。
(発明の効果) 本発明によれば、酸触媒の存在下でフェニルカーバメー
トをメチレン化剤と縮合させた後、芳香族系有機溶剤に
よりMDU結晶を晶析分離することによってピュアMD
IのiU駆ポリカーバメートとポリメリックMDIの前
駆ポリカーバメートとを別個に回収するポリカーバメー
トの製造方法において、反応生成物を酸処理することに
よって、ポリカーバメートの熱分解を阻害し、あるいは
熱分解生成物中で不純物となる物質をを効に除去するこ
とができる。したがって、本発明で得られたポリカーバ
メートを熱分解すると、品質に優れたポリイソシアネー
トを得ることができる。
また、本発明で利用する酸処理は、硫酸などの取扱いの
容易な酸を使用して、比較的温和な処理条件で簡便に行
われる。また、酸処理後に分離回収された酸を、酸処理
工程にそのまま再使用することができ、この再使用を繰
り返しても酸処理の効果は低下しない。従って、酸に関
してクローズド化され、面倒な廃液処理を行わずに酸処
理を行うことができるため、工業的に容易に実施できる
このように、本発明は簡便な方法により、従来のポリカ
ーバメートの製造上の難点を解決することができ、工業
的な意義は非常に大きい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)酸触媒の存在下、フェニルカーバメートとメチレ
    ン化剤との反応によりポリメチレンポリフェニルポリカ
    ーバメートを製造する方法において、得られた反応生成
    物を、縮合反応に用いた酸触媒より高濃度の酸水溶液で
    処理し、酸処理した反応生成物を芳香族系炭化水素によ
    り晶析処理して、メチレンジフェニルジカーバメート結
    晶を回収し、母液中の反応生成物を上記結晶とは別個に
    回収することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニル
    ポリカーバメートの製造方法。
JP23424988A 1988-09-19 1988-09-19 芳香族ポリカーバメートの製造方法 Pending JPH0283363A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0520377A2 (en) * 1991-06-26 1992-12-30 Lucky Ltd. A process for the selective preparation of 4,4-methylene-bis-(N-phenylalkylcarbamate)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0520377A2 (en) * 1991-06-26 1992-12-30 Lucky Ltd. A process for the selective preparation of 4,4-methylene-bis-(N-phenylalkylcarbamate)

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