JPH0543537A - 4,4′−メチレンジフエニルカルバメート類とポリメチレンポリフエニルカルバメート類の製造方法 - Google Patents

4,4′−メチレンジフエニルカルバメート類とポリメチレンポリフエニルカルバメート類の製造方法

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JPH0543537A
JPH0543537A JP3179834A JP17983491A JPH0543537A JP H0543537 A JPH0543537 A JP H0543537A JP 3179834 A JP3179834 A JP 3179834A JP 17983491 A JP17983491 A JP 17983491A JP H0543537 A JPH0543537 A JP H0543537A
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JP
Japan
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reaction
mdu
acid
carbamate
phenylcarbamate
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JP3179834A
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Takao Ikariya
隆雄 碇屋
Makoto Miyazawa
誠 宮沢
Sachiko Yamamoto
祥子 山本
Katsunori Fujimura
克範 藤村
Shinya Higuchi
信弥 樋口
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Nitrogen And Oxygen As The Only Ring Hetero Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ピュアMDIの原料である4,4′−MDU
を高純度、高収率で製造しかつ、クルードMDIの原料
として商業的に満足しうる高純度のPMPPUを製造す
る方法を提供する。 【構成】 N−フェニルカーバメートを酸触媒下、メチ
レン化剤と反応させて4,4′−メチレンジフェニルカ
ルバメート類とポリメチレンポリフェニルカルバメート
類を製造する方法において、 (a) メチレン化剤をN−フェニルカルバメートに対
する特定のモル比で、反応させる工程、 (b) 生成する4,4′−メチレンジフェニルカルバ
メート類を分離、取得する工程 (c) 工程(b)の分離後の反応生成物を、有機スル
ホン酸および/または固体強酸の存在下で、さらに反応
を継続し、ポリメチレンポリフェニルカルバメート類を
製造する工程 を包含する4,4′−メチレンジフェニルカルバメート
類の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野および従来の技術】本発明はN−フ
ェニルカーバメートをホルムアルデヒド等のメチレン化
剤と反応させて、メチレンジフェニルカルバメート類
(以下MDUと省略する。)及びポリメチレンポリフェ
ニルカルバメート類(以下PMPPUと省略する。)の
製造法に関するもので、さらに詳しくは、N−フェニル
カーバメートをメチレン化剤と反応させる際に、高純
度、高選択率で、4,4′−MDU及びPMPPUを得
るための改良方法に関するものである。
【0002】二核体の4,4′−MDUは、4,4′−
ジフェニルメタンジイソシアネート(ピュアMDI)の
前駆体として有用であり、またこの4,4′−ジフェニ
ルメタンジイソシアネートと三核体、四核体等のポリメ
チレンポリフェニルウレタンの混合物はクルードMDI
の前駆体として有用である。これらのイソシアネート類
はポリウレタンの原料として近年需要が急増している
が、特にピュアMDIは高品質熱可塑性ポリウレタン樹
脂、およびエラストマー、スパンデックスの原料とし
て、またこのピュアMDIを液状化させた変性MDIは
RIM(反応射出成形法)用原料として需要が増してい
る。また、PMPPUより得られるクルードMDIは、
特に硬質フォーム分野において、その優れた断熱性によ
り、保温、保存、結露防止等の目的に広く使われてお
り、電気冷蔵庫の断熱材として、またプラント、建材及
び土木分野において大きな需要を有している。このため
高純度、高選択率で4,4′−MDU及びPMPPUを
取得する方法が望まれ、いくつかの提案がなされてい
る。
【0003】たとえば、特開昭55−57550号公報
では酸触媒として有機スルホン酸等の超強酸を用いるこ
とにより、PMPPUの製造方法を提案しているが、し
かし、かかる方法においてはピュアMDIの前駆体とな
るべき4,4′−MDUの製造方法に関する記述はされ
ていない。メチレン化剤の添加量を減らすことにより
4,4′−MDUの選択率を上げることはできるが、し
かしこの場合は原料の転換率を著しく下げることとな
り、製造コストの大きな増加は避けられない。また、特
開昭59−106453号公報では、N−フェニルカル
バメートとホルムアルデヒド水溶液、及び硫酸水溶液と
を有機溶媒中、不均一状態で反応させて、高選択的に
4,4′−MDUを製造しているが、しかるに、該方法
においては、クルードMDIの前駆体となるべきPMP
PUの製造方法に関する記述がされていないばかりか、
低収率でしか縮合物を取得できない。そこで多核体を得
るために、メチレン化剤の添加量を増やしたところ、反
応の未完結な、N−カルボアルコキシ−1,3−ジヒド
ロ−2−オキサ−4−アザナフタリン等の環状構造を有
した化合物(1)、(2)、(3)等が、多量に生成す
る。
【化1】
【化2】
【化3】 (式中Rは炭素数1〜6の低級アルキル基、シクロアル
キル基もしくはアリール基を表わす)これらの化合物
は、次のトリフルオロ酢酸等の有機カルボン酸による転
移反応工程では長時間反応させても、さらに反応を継続
することはできない。そこで、トリフルオロメタンスル
ホン酸等の有機スルホン酸を用いて反応をさせると、こ
れらの環状構造物は容易に反応し、系内より消失した
が、これらは、4,4′−MDUと反応して、三核体等
を生成してしまい、生成物の組成は、有機スルホン酸の
みで反応させる特開昭55−57550号公報の組成と
ほぼ同一になり、2核体の選択率を著しく低下させてし
まう結果となる。
【0004】そこで、MDUおよびPMPPUのどちら
も、高収率で取得する改善策として特開昭60−184
061号公報では、N−フェニルカルバメートをN−フ
ェニルメチルカルバメートと限定して酸水溶液下、縮合
反応中に4,4′−MDUを析出させる方法が提示され
ている。しかしこの方法では、水−有機溶剤−固体の3
成分系から固体分の4,4′−MDUを分離することに
なり、4,4′−MDUの分離及び精製が困難であるば
かりか、水、有機溶剤のリサイクルが容易ではない。
【0005】また、特開平2−757号公報では、縮合
反応生成物を芳香族系溶剤等で処理して生成物中の4,
4′−MDUを優先的に析出させて4,4′−MDUを
高選択的に取得し、母液を熱分解することにより、クル
ードMDIを取得している。しかし、この方法では、母
液に前述の環状構造物等の反応の未完結な生成物が残存
するため、取得したクルードMDIのNCO 含有率は、不
満足な値である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ピュ
アMDIの原料である4,4′−MDUを高純度、高収
率で製造しかつ、クルードMDIの原料として商業的に
満足しうる高純度のPMPPUを製造する方法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、まず
N−フェニルカルバメートを酸触媒下メチレン化剤と反
応させてポリメチレンポリフェニルカルバメート類を製
造する際に、工程(a)において、メチレン化剤をN−
フェニルカルバメートに対するモル比で0.5より大な
る割合で縮合反応を行うものである。この際、好ましく
は酸水溶液下、メチレン化剤による付加縮合反応の起こ
らない有機媒体を少なくとも1種類存在させて、事実上
4,4′−MDUの析出の起こらない条件で縮合反応を
行う。
【0008】本発明でメチレン化剤をN−フェニルカル
バメートに対するモル比で0.5より大なる割合で用い
るものは、N−フェニルカルバメートを高転換率で反応
させ、なおかつ高選択率で4,4′−MDUを製造する
ためである。
【0009】本発明者等は、かかる目的のために、メチ
レン化剤の添加量を変えて、N−フェニルカルバメート
の転換率と4,4′−MDUの選択率の変化を調べた。
その結果、4,4′−MDUの収量としては、理論量で
考えられるモル比0.5より大なる割合で縮合反応を行
った場合に、4,4′−MDUが高収量で得られること
が明らかになった。またこの際、好ましくは酸水溶液
下、メチレン化剤による付加縮合反応の起こらない有機
媒体を少なくとも、1種類存在させて、事実上4,4′
−MDUの析出の起こらない条件で反応を行うと、さら
に4,4′−MDUの収量が上げられることが明らかに
なった。
【0010】本発明で用いられるN−フェニルカルバメ
ートは下記の一般式(4)で示される。式中Rはアルキ
ル基、脂環族基または芳香族基を表すが、好ましくは、
たとえば、N−フェニルカルバミン酸メチル、N−フェ
ニルカルバミン酸エチル、N−フェニルカルバミン酸n
−プロピル、N−フェニルカルバミン酸イソプロピル、
N−フェニルカルバミン酸フェニル、N−フェニルカル
バミン酸シクロヘキシル、N−フェニルカルバミン酸ハ
ロゲン化メチル、N−フェニルカルバミン酸ハロゲン化
エチルであるが、さらに好ましくはN−フェニルカルバ
ミン酸メチルおよびN−フェニルカルバミン酸エチルで
ある。
【化4】
【0011】メチレン化剤としては、ホルムアルデヒド
及び本発明反応条件下でホルムアルデヒドを発生させる
物質であり、具体的にはホルムアルデヒド水溶液、パラ
ホルムアルデヒド、トリオキサン、メチラール及びその
他ホルマール類などである。これらのメチレン化剤は、
反応系に加える際に、均一な水溶液もしくは酸水溶液と
して加えるのが好ましい。上記メチレン化剤のうち通常
はホルムアルデヒド水溶液が用いられるが、ホルムアル
デヒドの量は、N−フェニルカーバメートに対して0.
5〜10当量の範囲で用いるのが好ましい。
【0012】また、酸触媒としては、塩酸、硫酸、りん
酸等の鉱酸、酢酸、蓚酸、クロル酢酸、トリフルオロ酢
酸等の有機カルボン酸、メタンスルホン酸、トリフルオ
ロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機
スルホン酸、さらには、塩化第2鉄、塩化アルミニウ
ム、五弗化アンチモン等のルイス酸が挙げられる。ま
た、公知の強酸性陽イオン交換体、ヘテロポリモリブデ
ン酸、ヘテロポリタングステン酸等のヘテロポリ酸及び
その塩、鉱酸、有機酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸及びそ
の塩等を無機および/または無機酸化物に担持あるいは
結合させた固体酸も有効である。
【0013】有機媒体としては、炭化水素系溶剤のハロ
ゲン置換体ならびに芳香族系溶剤あるいはそれらの炭化
水素系溶剤との混合系が使用できる。例としては、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン、ニトロベンゼン、ニトロトルエン、モノブ
ロムベンゼン、ジブロムベンゼン、ブチルベンゼン、テ
トラリン、シクロヘキシルベンゼン、n−ペンタン、イ
ソペンタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−
ヘプタン、3,4−ジメチルヘキサン、2−メチルヘキ
サン、3−エチルペンタン、シクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0014】反応温度は、好ましくは20〜150℃、
特に好ましくは50〜120℃が良い。反応温度が低す
ぎると反応が遅くなり、高すぎると加水分解等の望まし
くない副反応が生じやすくなるためである。
【0015】反応時間は、原料N−フェニルカーバーメ
ートの濃度、酸の種類および反応温度によって異なる
が、回分式反応の場合通常10分〜5時間である。
【0016】反応方法は、回分式でも連続式でも行える
が、回分式の場合、反応は酸触媒およびN−フェニルカ
ーバーメート、および有機溶媒の共存下に反応温度を維
持しながらメチレン化剤を加えることにより始められ
る。このとき、メチレン化剤は徐々に加えても、あるい
は一度に加えても良いが、徐々に加えた場合の方が、
4,4′−MDUの選択率は若干高い。
【0017】次に、工程(b)において、縮合反応系よ
り酸を含む水層を分離し、残った有機層より4,4′−
MDUを高純度で分離取得を行う。水層の分離は縮合反
応後、温度を下げずに静置することで容易に分離でき
る。分離された有機層は、さらに水洗することにより完
全に酸を除去することもできる。
【0018】4,4′−MDUの分離は、有機層に有機
溶剤を適宜添加し、冷却することにより行なう。このと
き添加する溶剤は次工程で縮合反応のおこらない溶媒な
ら如何なるものでもよいが、回収設備等を考慮すれば、
1段目の縮合反応で用いた溶剤を用いることが経済的に
好ましい。またこのとき種結晶を入れることにより4,
4′−MDUの析出速度および純度をあげることもでき
る。
【0019】冷却することにより固体として析出した
4,4′−MDUは常法により分離する。簡便には濾過
等の操作により、白色粉末状固体として、純度90〜9
9%で取得することが可能であり、さらにまたこのと
き、有機溶剤で洗浄することにより、純度97〜100
%で4,4′−MDUを取得することができる。一方、
析出した4,4′−MDUを分離した残りの有機層は、
工程(c)において、ポリメチレンポリフェニルカルバ
メート類及び/あるいは芳香族カルバメート類の構造単
位中に存在する一般式:
【化5】 で表される環状構造物単位が消失するまで、縮合反応を
継続する。この場合、新たなメチレン化剤の添加は通常
不必要である。
【0020】反応温度、時間、方法は前述の1段目の縮
合反応とほぼ同様である。但しメチレン化剤が付加反応
で停止した形の環状構造物単位が、熱分解反応で望まし
い形態であるPMPPUになるためにメタンスルホン
酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機スルホン酸
および固体強酸等の酸触媒を用いてさらに継続しなけれ
ばならない。またこのとき必要によりN−フェニルカー
バーメートを加えて反応させることによりMDUの選択
率を上げることもできる。
【0021】工程(c)は、工程(a)で生成した環状
構造単位
【化6】 (メチレン化剤が付加反応で停止した形態)を開環縮合
反応させるものであり、クルードMDIの原料であるP
MPPUの生成を目的としている。工程(a)のように
N−フェニルカルバメートに対するメチレン化剤が多い
と、N−フェニルカルバメートに付加するメチレン化剤
が多くなり、次いでそれら同士の脱水環状構造単位が生
成する。しかし、非水系で強酸触媒を使用しないと核に
付加し閉環したメチレン化剤は開環せず、核同士を結ぶ
鎖とはならない。
【0022】この環状構造単位は熱分解により望ましい
MDIにはならないと考えられる。
【0023】工程(c)で非水系、強酸触媒下で核に付
加したメチレン化剤を核同士を結び鎖とし、縮合反応を
完結させる。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明の詳細な説明を
行う。 実施例1 温度計、かくはん機、還留冷却器を取り付けた1リット
ルフラスコに55%硫酸648g、1,2−ジクロロエ
タン120g、エチルフェニルカルバメート(EPC)
120g、を入れ、かくはん下で60℃に加熱した。つ
いで、37%ホルマリン水溶液41.3gを1時間かけ
て滴下し、滴下終了後80℃に昇温し、3時間反応を続
けた。反応終了後、有機層を分離し、1,2−ジクロロ
エタン120gを加え、水洗により酸を除去した。反応
物を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、未
反応EPC5.6wt% 、4,4′−MDU66.5wt%
を含んでいた。また、環状化合物
【化7】
【化8】
【化9】 を含むことが確認された。次に有機層を5〜6℃に冷却
してスラリー状にし、フィルターにより濾過した後、フ
ィルター上で少量の冷却した1,2−ジクロロエタンで
洗浄したところ白色粉末55.9gを得た。高速液体ク
ロマトグラフィーで分析したところ、4,4′−MDU
が98.5wt% 含まれていた。結晶分離後の母液を濃縮
し、得られた黄色オイル状の濃縮物68.4g、o−ジ
クロロベンゼン90gを仕込み、メタンスルホン酸35
gにより、80℃で1時間さらに縮合反応を継続させ
た。反応終了後、水洗により酸を除去した。高速液体ク
ロマトグラフィーで分析したところ、未反応EPC1.
3wt% 、4,4′−MDU20.4wt% 、2,4′−M
DU5.6wt% 、芳香環が3個以上のPMPPUが7
2.7wt% であり、上記の環状化合物は検出されなかっ
た。この結果は、仕込みのエチルフェニルカルバメート
に対して、全反応物の収率が98.8wt% 、4,4′−
MDUの収率が55.5%であったことを示すものであ
る。
【0025】実施例2 37%ホルマリン水溶液59.0%を用いた以外は、実
施例1と同様に硫酸、1,2−ジクロロエタン、EPC
で反応を行った。反応終了後、有機層を分離し、1,2
−ジクロロエタン120gを加え、水洗により酸を除去
した。高速液体クロマトグラフィーで反応物を分析した
ところ、未反応EPC1.2wt% 、4,4′−MDU5
3.5wt% を含んでいた。また、前述の環状化合物を含
むことが確認された。次に実施例1と同様に4,4′−
MDUの結晶44.7gを分離し、残りの母液側の濃縮
物80.2%に対し、さらに縮合反応の継続を行った。
高速液体クロマトグラフィーで反応物を分析したとこ
ろ、未反応EPC0.6wt% 、4,4′−MDU18.
3wt% 、2,4′−MDU8.3wt% 、芳香環が3個以
上のPMPPUが72.8wt% であり、上記の環状化合
物は検出されなかった。この結果は仕込みのエチルフェ
ニルカルバメートに対して、全反応物の収率が99.3
wt% 、4,4′−MDUの収率が47.2%であったこ
とを示すものである。
【0026】実施例3 硫酸水溶液下で反応を行い4,4′−MDUの結晶を分
離するまでは、実施例1と同様に行った。結晶分離後の
母液を濃縮し、得られた黄色オイル状の濃縮物68.4
g、EPC15.0g、o−ジクロロベンゼン100g
を仕込み、メタンスルホン酸35gにより、80℃で1
時間さらに縮合反応を継続させた。反応終了後、水洗に
より酸を除去した。高速液体クロマトグラフィーで分析
したところ、未反応EPC15.1wt% 、4,4′−M
DU38.8wt% 、2,4′−MDU9.5wt% 、芳香
環が3個以上のPMPPUが36.6wt% であり、前述
の環状化合物は検出されなかった。この結果は、仕込み
のエチルフェニルカルバメートに対して、全反応物の収
率が90.3wt% 、4,4′−MDUの収率が62.5
%であったことを示すものである。
【0027】実施例4 硫酸水溶液下で反応を行い4,4′−MDUの結晶を分
離するまでは、実施例1と同様に行った。結晶分離後の
母液を濃縮し、得られた黄色オイル状の濃縮物67.8
g、EPC15.0g、o−ジクロロベンゼン100g
を仕込み、酸触媒としてH0.5 Cs2.5 PW124034
gを用いて、100℃で1時間さらに縮合反応を継続さ
せ、反応終了後、酸触媒を濾別除去した。高速液体クロ
マトグラフィーで分析したところ、未反応EPC15.
2wt% 、4,4′−MDU45.8wt% 、2,4′−M
DU9.5wt% 、芳香環が3個以上のPMPPUが2
9.5wt% であり、前述の環状化合物は検出されなかっ
た。この結果は、仕込みのエチルフェニルカルバメート
に対して、全反応物の収率が90.7wt% 、4,4′−
MDUの収率が66.8%であったことを示すものであ
る。
【0028】実施例5 4,4′−MDUの結晶分離後の黄色オイル状の濃縮物
に対する縮合継続反応において、酸触媒としてメタンス
ルホン酸の代わりにスルホン酸系陽イオン交換樹脂(イ
オン交換容量4.4meq/g)55gを使用し、90℃で2
時間反応を行った以外は、実施例1と同様に硫酸水溶液
下での反応、4,4′−MDUの結晶分離、次いで縮合
反応の継続を行った。高速液体クロマトグラフィーで分
析したところ、未反応EPC5.2wt% 、4,4′−M
DU36.6wt% 、2,4′−MDU11.3wt% 、芳
香環が3個以上のPMPPUが46.9wt% であり、前
述の環状化合物は検出されなかった。この結果は、仕込
みのエチルフェニルカルバメートに対して、全反応物の
収率が96.6wt% 、4,4′−MDUの収率が64.
4%であったことを示すものである。
【0029】実施例6 硫酸水溶液下で反応を行い4,4′−MDUの結晶を分
離するまでは、実施例1と同様に行った。結晶分離後の
母液を濃縮し、得られた黄色オイル状の濃縮物67.8
g、EPC15.0g、o−ジクロロベンゼン100g
を仕込み、酸触媒としてトリフルオロ酢酸136gを用
いて、80℃で1時間さらに縮合反応を継続させ、反応
終了後、酸触媒を減圧留去して除去した。高速液体クロ
マトグラフィーで分析したところ、未反応EPC14.
5wt% 、4,4′−MDU43.8wt% 、2,4′−M
DU9.8wt% 、芳香環が3個以上のPMPPUが3
1.9wt% であり、前述の環状化合物は検出されなかっ
た。この結果は、仕込みのエチルフェニルカルバメート
に対して、全反応物の収率が91.2wt% 、4,4′−
MDUの収率が65.5%であったことを示すものであ
る。
【0030】比較例1 37wt% ホルマリン水溶液23.6g(モル比=0.
4)を用いた以外は、実施例1と同様に硫酸、1,2−
ジクロロエタン、EPCで反応を行った。反応終了後、
有機層を分離し、1,2−ジクロロエタン120gを加
え、水洗により酸を除去した。高速液体クロマトグラフ
ィーで反応物を分析したところ、未反応EPC27.4
wt% 、4,4′−MDU52.9wt% を含んでいた。ま
た、前述の環状化合物は極微量であった。次に実施例1
と同様に4,4′−MDUの結晶43.4gを分離し、
残りの母液側の濃縮物79.8g、o−ジクロロベンゼ
ン100gを仕込み、メタンスルホン酸40gにより、
80℃で1時間さらに縮合反応を継続させた。反応終了
後、水洗により酸を除去した。高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ、未反応EPC26.7wt% 、
4,4′−MDU20.5wt% 、2,4′−MDU6.
1wt% 、芳香環が3個以上のPMPPUが46.7wt%
であった。この結果は、仕込みのエチルフェニルカルバ
メートに対して、全反応物の収率が82.2wt% 、4,
4′−MDUの収率が47.6%であったことを示すも
のである。
【0031】比較例2 硫酸水溶液下で反応を行うまでは実施例1と同様に行っ
た。ついで4,4′−MDUを分離せずに有機層を濃縮
し、得られた濃縮物の中から、原料分として70g、o
−ジクロロベンゼン90gを仕込み、メタンスルホン酸
35gにより、80℃で1時間さらに縮合反応を継続さ
せた。反応終了後、水洗により酸を除去した。高速液体
クロマトグラフィーで分析したところ、未反応EPC
2.4wt% 、4,4′−MDU22.5wt% 、2,4′
−MDU4.3wt% 、芳香環が3個以上のPMPPUが
70.8wt% であり、前述の環状化合物は検出されなか
った。この結果は、仕込みのエチルフェニルカルバメー
トに対して、全反応物の収率が97.5wt% 、4,4′
−MDUの収率が22.4%であったことを示すもので
ある。
【0032】
【発明の効果】本発明によりN−フェニルカルバメート
類に対して高転換率で反応を行い、なおかつ高純度、高
収率で4,4′−メチレンジフェニルカルバメート類及
びポリメチレンポリフェニルカルバメート類が取得可能
となり、原料物質N−フェニルカルバメート類の回収装
置の簡略化、あるいはまた熱分解反応により、ピュアM
DI、クルードMDIの両グレードが製造可能であるこ
とが明らかになった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07D 265/16 9283−4C (72)発明者 樋口 信弥 神奈川県川崎市中原区木月住吉町1885−11 −519

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−フェニルカーバメートを酸触媒下、
    メチレン化剤と反応させて4,4′−メチレンジフェニ
    ルカルバメート類とポリメチレンポリフェニルカルバメ
    ート類を製造する方法において、 (a) メチレン化剤をN−フェニルカルバメートに対
    するモル比で、0.5より大なる割合でメチレン化剤と
    N−フェニルカルバメートを反応させる工程、 (b) 工程(a)の反応により生成する4,4′−メ
    チレンジフェニルカルバメート類を工程(a)の反応生
    成物から分離、取得する工程 (c) 工程(b)において、4,4′−メチレンジフ
    ェニルカルバメート類を分離した後の反応生成物を、有
    機スルホン酸および/または固体強酸の存在下で、さら
    に反応を継続し、ポリメチレンポリフェニルカルバメー
    ト類を製造する工程 を包含することを特徴とする4,4′−メチレンジフェ
    ニルカルバメート類の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)における反応を酸水溶液下、
    メチレン化剤による反応の起こらない有機媒体を少なく
    とも1種類存在させ、事実上4,4′−メチレンジフェ
    ニルカルバメート類の析出の起こらない条件で行う請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 工程(c)において新たにメチレン化剤
    を加えることなく反応を行う請求項1に記載の方法。
JP3179834A 1990-07-20 1991-07-19 4,4′−メチレンジフエニルカルバメート類とポリメチレンポリフエニルカルバメート類の製造方法 Pending JPH0543537A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014532731A (ja) * 2011-11-08 2014-12-08 インスティトゥート オブ プロセス エンジニアリング チャイニーズ アカデミー オブ サイエンス ポリメチレンポリフェニルポリカーバメートを製造する方法

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