JPH07258144A - 新規フェニル基含有アセチレン系化合物およびこれを有効成分とする抗腫瘍剤 - Google Patents

新規フェニル基含有アセチレン系化合物およびこれを有効成分とする抗腫瘍剤

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JPH07258144A
JPH07258144A JP6071291A JP7129194A JPH07258144A JP H07258144 A JPH07258144 A JP H07258144A JP 6071291 A JP6071291 A JP 6071291A JP 7129194 A JP7129194 A JP 7129194A JP H07258144 A JPH07258144 A JP H07258144A
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Hideaki Morishige
英明 森重
Kazunami Bandou
千波 板東
Fumiko Horiuchi
芙美子 堀内
Toshihiko Watanabe
俊彦 渡辺
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Tsumura and Co
Original Assignee
Tsumura and Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】下記の一般式 (式中、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基または水素
原子、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜
5のアシルオキシ基または水酸基、Rは炭素数1〜5
のアルコキシ基または水素原子、およびRは−(CH
)nR(ただし、nは1〜4の整数、Rはメチル
基、水酸基またはカルボキシル基を示す)、フェニル基
またはシクロヘキシル基を示す)で表される新規フェニ
ル基含有アセチレン系化合物およびこれを有効成分とす
る抗腫瘍剤である。 【効果】 優れた抗腫瘍活性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規フェニル基含有ア
セチレン系化合物およびこれを有効成分とする抗腫瘍剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】わが国の死因の第一位は癌によるもので
あり、依然として癌に対する社会的関心は高く、癌の予
防、治療のためにあらゆる面からのアプローチが行わ
れ、総合的に研究がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの研究成果は着
実に癌撲滅のために貢献しているが、さらにより抗腫瘍
活性が高く、副作用の少ない抗腫瘍剤の開発が望まれて
いた。そこで本発明の目的は、抗腫瘍活性が高く、副作
用の少ない新規化合物およびこれを有効成分とする抗腫
瘍剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、乾癬症治療剤の有
効成分として開発された新規化合物の中に優れた抗腫瘍
作用を有するものがあることを突き止め、その化合物の
当該作用の発現部分と推定される構造を中心にさらに研
究を重ねたところ、特定フェニル基含有アセチレン系化
合物が優れた抗腫瘍活性を有することを見い出し、本発
明を完成するに至った。
【0005】即ち、本発明は、次の一般式
【化3】 (式中、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基または水素
原子、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜
5のアシルオキシ基または水酸基、Rは炭素数1〜5
のアルコキシ基または水素原子、およびRは−(CH
)nR(ただし、nは1〜4の整数、Rはメチル
基、水酸基またはカルボキシル基を示す)、フェニル基
またはシクロヘキシル基を示す)で表される新規フェニ
ル基含有アセチレン系化合物である。
【0006】また、本発明は、次の一般式
【化4】 (式中、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基または水酸
基を示す)で表される新規フェニル基含有アセチレン系
化合物である。
【0007】上記(1)式で表される本発明の化合物の
好適例として、Rが炭素数1〜3のアルコキシ基、R
が水酸基、およびRが水素原子であるフェニル基含
有アセチレン系化合物、さらに好ましくは、このうちR
がメトキシ基、およびRがn−ペンチル基、3−カ
ルボキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、フェニ
ル基またはシクロヘキシル基であるフェニル基含有アセ
チレン系化合物、並びに、上記(1)式においてR
メトキシ基または水素原子、Rがメトキシ基またはア
セトキシ基、Rがメトキシ基または水素原子、および
がn−ペンチル基であるフェニル基含有アセチレン
系化合物を挙げることができる。
【0008】また、上記(2)式で表される本発明の化
合物の好適例として、Rがメトキシ基であるフェニル
基含有アセチレン系化合物を挙げることができる。更
に、本発明は、上記新規フェニル基含有アセチレン系化
合物を有効成分とする抗腫瘍剤に関するものである。以
下に、本発明の好適化合物の製造例について説明する。
【0009】下記(3)式で表される、置換基を有する
シンナムアルデヒド誘導体と種々の末端アセチレンをカ
ップリングし、次いで二酸化マンガンまたはピリジニウ
ムクロロクロメート(PCC)、ピリジニウムジクロメ
ート(PDC)のクロム系酸化剤等で酸化した後、目的
化合物を得ることができる。また、下記反応式中のR
がアシルオキシ基の場合、既に保護している水酸基を脱
保護化した後にアシルオキシ化を行うことができる。
【0010】
【化5】 なお、上記式中、Rは−(CH)nR(ただし、
nは1〜4の整数、Rはメチル基、水酸基またはカル
ボキシル基)、フェニル基またはシクロヘキシル基を示
す。
【0011】上記(1)式中、Rがメトキシ基、R
が水酸基、Rが水素原子、Rが3−カルボキシプロ
ピル基または4−ヒドロキシブチル基の場合:リチオ化
した5−ヘキシン−1−オールを用いて次式に従い中間
体(4)を得、この中間体を脱TBS(t−ブチルジメ
チルシリル)化すればRが4−ヒドロキシブチル基の
目的化合物(5)を得ることができ、また当該中間体の
1級アルコールをPDC、亜塩素酸ナトリウムで順次酸
化しカルボン酸とし、更に、脱TBS化を行うとR
3−カルボキシプロピル基の目的化合物(6)を得るこ
とができる。
【0012】
【化6】
【0013】上記(1)式中、Rがメトキシ基、R
が水酸基、Rが水素原子、Rがフェニル基またはシ
クロヘキシルの場合:上記リチオ化した5−ヘキシン−
1−オールの代わりに次式、
【化7】 で表されるリチオ化化合物を使用することによりR
フェニル基及びシクロヘキシル基の目的化合物を得るこ
とができる。
【0014】上記(2)式中、Rがメトキシ基の場
合:以下のようにしてウイテッヒ−ホーナー反応を利用
して合成を行うことができる。まず、下記式(7)で表
されるホスホネートを水酸化ナトリウムでモノアニオン
とし、次いで、n−ブチルリチウムでジアニオンとす
る。得られたジアニオンに下記の反応式に示すブロム体
を加えることにより、下記式(8)で表されるホスホネ
ートを得る。次に、炭酸カリウム及び18−クラウン−
6の存在下、下記式(9)で表されるアルデヒドと上記
ホスホネート(8)とを反応さ、次いで、この化合物を
p−トルエンスルホン酸(p−TsOH)で脱MOM
(メトキシメチル)化して、目的化合物(10)を得る
ことができる。
【0015】
【化8】
【0016】次に、本発明の化合物の投与量および製剤
化について説明する。本発明の化合物はそのまま、ある
いは慣用の製剤担体とともに動物およびヒトに投与する
ことができる。投与形態としては特に制限がなく、必要
に応じて適宜選択して使用され、錠剤、カプセル剤、顆
粒剤、細粒剤、散剤等の経口剤、注射剤、坐剤等の非経
口剤を挙げることができる。
【0017】経口剤として所期の効果を発揮するために
は、患者の年齢、体重、疾患の程度によって異なるが、
通常、成人で本発明の化合物の重量として10〜600
0mgを、一日数回に分けて服用するのが適当と思われ
る。
【0018】経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスタ
ーチ、無機塩類等を用いて常法にしたがって製造するこ
とができる。
【0019】この種の製剤には、適宜前記賦形剤の他、
結合剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、
矯味剤、着色剤、香料等を使用することができる。
【0020】夫々の具体例は以下に示す通りである。 結合剤 デンプン、デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、
ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、結晶セルロース、エチルセルロース、ポ
リビニルピロリドン、マクロゴール等を挙げることがで
きる。
【0021】崩壊剤 デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメ
チルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロー
スカルシウム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒ
ドロキシプロピルセルロース等を挙げることができる。
【0022】界面活性剤 ラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、ショ糖脂肪酸
エステル、ポリソルベート80等を挙げることができ
る。
【0023】滑沢剤 タルク、ロウ類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステ
ル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ポリエチレングリコー
ル等を挙げることができる。
【0024】流動性促進剤 軽質無水ケイ酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム等を挙げること
ができる。
【0025】また、本発明の化合物は、懸濁液、エマル
ジョン液、シロップ剤、エリキシル剤としても投与する
ことができ、これらの各種剤形には、矯味矯臭剤、着色
剤を含有させてもよい。
【0026】非経口剤として所期の効果を発揮するため
には、患者の年齢、体重、疾患の程度により異なるが、
通常、成人で本発明の化合物の重量として一日1〜10
0mgまでの静注、点滴静射、皮下注射、筋肉注射が適
当と思われる。
【0027】これらの非経口剤は常法によって製造さ
れ、希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブ
ドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、
ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール等を用いることができる。さらに
必要に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよ
い。また、この非経口剤は安定性の点から、バイアル等
に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水分を除去
し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製することも
でいる。さらに必要に応じて適宜、等張化剤、安定剤、
防腐剤、無痛化剤等を加えてもよい。
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例に基づき具体的に説明す
る。 実施例11−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−
デセン−3−オン−4−インの合成 下記の反応式、
【化9】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0029】n−ブチルリチウム6.7ml(10.0
mmol)のテトラヒドロフラン溶液に−20℃で1−
ヘプチン1.2ml(8.3mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液を加え、60分間攪拌し、更に、上記式のシ
ンナムアルデヒド誘導体2.2g(7.5mmol)の
テトラヒドロフラン溶液を加え3時間攪拌した(テトラ
ヒドロフランの合計使用量:20ml)。反応混合物を
エーテルで抽出し、水洗、乾燥、濃縮した後、カラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)
で精製したところ、淡黄色の油状物としてアルコール体
を2.55g(87.6%)得た。このアルコール体
2.45g(6.3mmol)をジクロロメタン20m
lに溶解した溶液に二酸化マンガン5g(63mmo
l)を加え、室温で2時間30分攪拌した。反応混合物
をセライトで濾過し、濾液を濃縮しテトラヒドロフラン
溶液とし、氷冷下でテトラブチルアンモニウムフルオラ
イド9ml(9mmol)を加えた。反応混合物をエー
テルで抽出し、水洗、乾燥、濃縮した後、カラムクロマ
トグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:3)で精製
したところ、淡黄色の粉体として1−(4−ヒドロキシ
−3−メトキシフェニル)−1−デセン−3−オン−4
−インを1.13g(66%)得た。得られた生成物の
同定は下記に示す理化学的性質により行った。
【0030】融点:49.5〜40.5℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3376, 2208, 1622, 158
4, 1258 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中 )δ
[200MHz]ppm:0.93(3H,t,J=
6.8), 1.4〜1.8(6H,m),2.49
(2H,t,J=6.8), 3.93(3H,s),
6.71(1H,d,J=15.9), 6.91
(1H,d,J=8.3), 7.18(1H,dd,
J=2.0,8.3), 7.34(1H,d,J=
2.0), 7.78(1H,d,J=15.9) マススペクトル: m/z(%)[EI−MS]:27
2(M,100%) 215(74%)
【0031】実施例21−(4−アセトキシ−3−メトキシフェニル)−1−
デセン−3−オン−4−インの合成 上記実施例1おいて最終目的物として得たフェニル基含
有アセチレン系化合物を出発物質として下記の反応式、
【化10】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0032】実施例1において得た目的化合物3.66
g(13.4mmol)をピリジン15mlに溶解し、
これに無水酢酸15mlを加え、氷冷で3時間攪拌し
た。反応混合物に氷冷で1N塩酸(50ml)を加え、
100mlのエーテルで3回抽出し、洗浄、乾燥後、濃
縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:3)で精製し、クロロホルム−ヘキ
サンで結晶化したところ、1−(4−アセトキシ−3−
メトキシフェニル)−1−デセン−3−オン−4−イン
を2.66g(63.2%)得た。得られた生成物の同
定は下記に示す理化学的性質により行った。
【0033】融点:88.0℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):2208, 1760, 1628, 160
4, 1512, 1420,1272, 1240,
1218, 1202, 1158, 1034, プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中 )δ
[200MHz]ppm:7.75(1H,d,J=1
6.1), 7.16(1H,dd,J=8.1,1.
9), 7.13(1H,d,J=1.9), 7.0
8(1H,d,J=8.1), 6.71(1H,d,
J=16.1), 3.88(3H,s), 2.47
(2H,t,J=7.0), 2.33(3H,s),
1.7〜1.6(2H,m), 1.5〜1.3(4
H,m), 0.94(3H,t,J=7.0) マススペクトル:m/z(%)[EI−MS]:314
(M,5.7%) 273(19%) 272(10
0%) 271(22%) 255(11%) 215
(18%) 201(12%) 197(14%) 1
87(14%) 155(10%) 115(10%)
55(10%) 43(35%) 41(11%) 計算値; C: 72.59 % H: 7.05
% 実測値; C: 72.30 % H: 6.98
【0034】実施例39−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−8−
ノネン−7−オン−5−イノイックアシドの合成 下記の反応式、
【化11】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0035】n−ブチルリチウム36ml(57.6m
mol)のテトラヒドロフラン溶液に−30℃で5−ヘ
キシン−1−オール2.6g(26.2mmol)のテ
トラヒドロフラン溶液を加え60分間攪拌し、更に、上
記式のシンナムアルデヒド誘導体7.0g(23.8m
mol)のテトラヒドロフラン溶液を加え16時間攪拌
した(テトラヒドロフランの合計使用量:100m
l)。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水洗、乾燥、
濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:
ヘキサン=1:1)で精製したところ、淡黄色の油状物
としてジオール体を8.44g(90%)得た。このジ
オール体8.44g(21.5mmol)をジクロロメ
タン150mlに溶解した溶液に二酸化マンガン19g
(0.215mol)を加え、室温で3時間攪拌した。
反応混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮しジクロロ
メタン溶液とし、重クロム酸ピリジニウム21g(54
mol)を加え室温で20時間攪拌した。反応混合物を
セライトで濾過し、濾液を濃縮した後カラムクロマトグ
ラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製した
ところ淡黄色の油状物として、9−(4−t−ブチルジ
メチルシリルオキシ−3−メトキシフェニル)−8−ノ
ネン−7−オン−5−イナールを4.4g(52%)得
た。
【0036】次いで、この化合物4.0g(10.3m
mol)のt−ブタノール−水溶液(50ml:20m
l)にリン酸水素ナトリウム1水和物2.0g(13.
3mmol)と亜塩素酸ナトリウム8.0g(89mm
ol)を加え、室温で30分間攪拌し、次いで反応混合
物に希硫酸を加え酢酸エチルで抽出し、水洗、乾燥、濃
縮した後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘ
キサン:メタノール=5:5:1)で精製したところ、
油状物としてカルボン酸を3.19g(76%)得た。
更に、このカルボン酸3.0g(7.4mmol)を3
0mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、−35
℃でテトラブチルアンモニウムフルオライド9.5ml
(9.5mmol)を加え、30分間攪拌した。反応混
合物を2%硫酸水溶液に注ぎ酢酸エチルで抽出し、水
洗、乾燥、濃縮した後に、酢酸エチル−ヘキサン−エー
テルで結晶化させたところ、淡黄色の粉体として9−
(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−8−ノネ
ン−7−オン−5−イノイックアシッドを1.6g(7
5%)得た。得られた生成物の同定は下記に示す理化学
的性質により行った。
【0037】融点:126.0〜127.5℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3348, 2216, 1712, 162
4, 1582, 1262プロトン核磁気共鳴スペク
トル(CDCl中 )δ[200MHz]ppm:
1.95〜2.05(2H,m), 2.58(4H,
t,J=6.8),3.93(3H,s), 6.65
(1H,d,J=15.9), 6.95(1H,d,
J=8.3), 7.11(1H,d,J=2.0),
7.15(1H,dd,J=2.0,8.3),
7.75(1H,d,J=15.9) マススペクトル: m/z(%)[EI−MS]:28
8(M,76%) 55(100%)
【0038】実施例49−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−8−
ノネン−7−オン−1−オールの合成 上記実施例3おいて中間体として得たケトン体を出発物
質として下記の反応式、
【化12】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0039】ケトン体2.0g(1.3mmol)を1
0mlのテトラヒドロフランに溶解した溶液に、−35
℃でテトラブチルアンモニウムフルオライド2.0ml
(2.0mmol)を加え、30分間攪拌した。反応混
合物を希硫酸水溶液に注ぎエーテルで抽出し、水洗、乾
燥、濃縮した後に、カラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル:ヘキサン=2:1)で精製し、酢酸エチル−ヘキ
サン−エーテルで結晶化させたところ、淡黄色の粉体と
して9−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−
8−ノネン−7−オン−1−オールを120mg(34
%)得た。得られた生成物の同定は下記に示す理化学的
性質により行った。
【0040】融点:93.0〜94.5℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3388, 2212, 1594, 1272 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中 )δ
[200MHz]ppm:1.78(4H,m),
2.18(2H,m),3.62(2H,m),3.9
8(3H,s) 6.71(1H,d,J=16.
1), 7.19(1H,d,J=8.3), 7.2
1(1H,dd,J=2.0、8.3), 7.36
(1H,d,J=2.0), 7.83(1H,d,J
=16.1) マススペクトル: m/z(%)[EI−MS] 274(M,31%) 177(100%)
【0041】実施例51−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1−
デセン−3−オン−7−インの合成 下記の反応式、
【化13】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0042】水素化ナトリウム2.0g(83.3mm
ol)のテトラヒドロフラン懸濁溶液に、−20℃で上
記式(7)のジメチル(2−オキソプロピル)ホスホネ
ートのテトラヒドロフラン溶液を加え室温で60分間攪
拌し、次いで−20℃でn−ブチルリチウム33ml
(51mmol)を加え60分間攪拌した後に、1−ブ
ロモ−3−ペンチン7.5mg(46.4mmol)の
テトラヒドロフラン溶液を加え、更に、室温で30分間
攪拌した(テトラヒドロフランの合計使用量:150m
l)。反応混合物を希塩酸中に注ぎエーテルで抽出して
水洗、乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=3:1)で精製したところ淡
緑色の油状物として、上記式(8)のホスホナートを
3.82g(34%)得た。
【0043】次いで、上記式(8)のホスホナート0.
2g(0.8mmol)をトルエン10mlに溶解した
溶液に、炭酸カリウム0.6g(4mmol)と18−
クラウン−6(2.1g)を加え室温で60分間攪拌
し、次に、上記式(9)のアルデヒド体0.16g(4
mmol)を加え、更に、3時間攪拌した。反応混合物
を塩化アンモニウム水溶液中に注ぎエーテルで抽出し、
水洗、乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製したところ上
記式(10a)の化合物を油状物として0.2g(83
%)得た。この化合物0.2g(0.6mmol)をメ
タノール10mlに溶解した溶液にp−トルエンスルホ
ン酸50mgを加え60℃で45分間攪拌した。反応混
合物をエーテルで抽出して水洗、乾燥、濃縮した後、カ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
5)で精製し酢酸エチル−ヘキサンで結晶化させたとこ
ろ、1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−
1−デセン−3−オン−7−インを白色の粉体として1
30mg(80%)得た。得られた生成物の同定は下記
に示す理化学的性質により行った。
【0044】融点:39.0〜40.5℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3500, 1680, 1600, 1520 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中 )δ
[200MHz]ppm:1.08(3H,t,J=
7.8), 1.78(2H,m), 2.12〜2.
80(4H,m), 2.77(2H,t,J=7.
0), 3.91(3H,s),6.71(1H,d,
J=16.1), 6.88(1H,d,J=8.
1), 7.16(1H,dd,J=8.1), 7.
32(1H,d,), 7.55(1H,d,J=1
6.1) マススペクトル: m/z(%)[EI−MS]:27
2(M,13%) 243(49%) 177(1
00%)
【0045】実施例61−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−5−
フェニル−3−オキソ−1−ペンテン−4−インの合成 下記の反応式、
【化14】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0046】フェニルアセチレン0.2g(1.9mm
ol)のテトラヒドロフラン溶液に−30℃でn−ブチ
ルリチウム1.2ml(14.5mmol)を加え45
分間攪拌し、更に、上記式のシンナムアルデヒド誘導体
0.5g(1.7mmol)のテトラヒドロフラン溶液
を加え4時間攪拌した(テトラヒドロフランの合計使用
量:30ml)。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、水
洗、乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製したところ、油状
物としてアルコール体を0.67g(90%)得た。こ
のアルコール体0.6g(1.5mmol)をジクロロ
メタン10mlに溶解した溶液に二酸化マンガン0.7
g(7.6mmol)を加え、室温で6時間攪拌した。
反応混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮した後、カ
ラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
10)で精製したところ、油状物としてケトン体を0.
54g(92%)得た。このケトン体0.3g(0.7
7mmol)のテトラヒドロフラン溶液に−30℃でテ
トラブチルアンモニウムフルオライドを加え、30分間
攪拌した。反応混合物をエーテルで抽出し、水洗、乾
燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:2)で精製したところ、淡黄色の粉
体として1−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニ
ル)−5−フェニル−3−オキソ−1−ペンテン−4−
インを0.2g(90%)得た。得られた生成物の同定
は下記に示す理化学的性質により行った。
【0047】融点:91.5〜93.0℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3212, 2192, 1616, 156
8, 1294, 1270,1160 プロトン核磁気共鳴スペクトル(アセトン−d)δ[2
00MHz]ppm:3.95(3H,s), 6.
84(1H,d,J=16.1), 6.92(1H,
d,J=8.3), 7.28(1H,dd,J=2.
2,8.3), 7.42(1H,d,J=2.2),
7.5〜7.7(5H,m), 7.96(1H,d,
J=16.1) マススペクトル: m/z(%)[EI−MS] 278(M,100%) 129(19%)
【0048】実施例75−シクロヘキシル−1−(4−ヒドロキシ−3−メト
キシフェニル)−3−オキソ−1−ペンテン−4−イン
の合成 下記の反応式、
【化15】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0049】シクロヘキシルアセチレン1.0g(9.
2mmol)のテトラヒドロフラン溶液に−30℃でn
−ブチルリチウム6.0ml(9.5mmol)を加え
45分間攪拌し、更に、上記式のシンナムアルデヒド誘
導体2.7g(9.2mmol)のテトラヒドロフラン
溶液を加え4時間攪拌した(テトラヒドロフランの合計
使用量:50ml)。反応混合物を酢酸エチルで抽出
し、水洗、乾燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製したとこ
ろ、油状物としてアルコール体を3.14g(85%)
得た。このアルコール体3.14g(7.85mmo
l)をジクロロメタン50mlに溶解した溶液に二酸化
マンガン6.8g(79mmol)を加え、室温で6時
間攪拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濾液を濃
縮した後、テトラヒドロフラン溶液とし、−30℃でテ
トラブチルアンモニウムフルオライドを加え、30分間
攪拌した。反応混合物をエーテルで抽出し、水洗、乾
燥、濃縮した後、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:3)で精製したところ、黄色の粉体
として5−シクロヘキシル−1−(4−ヒドロキシ−3
−メトキシフェニル)−3−オキソ−1−ペンテン−4
−インを1.7g(76%)得た。得られた生成物の同
定は下記に示す理化学的性質により行った。
【0050】融点:75.5〜77.5℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3372, 2204, 1622, 158
4, 1296, 1270,1178 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中)δ[2
00MHz]ppm:1.3〜2.0(10H,m),
2.5〜2.7(1H,m), 3.94(3H,
s), 6.14(1H,s), 6.64(1H,
d,J=15.9), 6.94(1H,d,J=8.
0), 7.0〜7.1(2H,m),7.73(1
H,d,J=15.9) マススペクトル: m/z(%)[EI−MS] 284(M,100%) 20(43%)
【0051】実施例81−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1−デセ
ン−4−イン−3−オンの合成 下記の反応式、
【化16】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0052】n−ブチルリチウム(1.68M−ヘキサ
ン)22.0ml(36.9mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液50mlに、−50 ℃で1−ヘプチン5.
00ml(38.1mmol)のテトラヒドロフラン溶
液50mlを滴下し、そのまま1時間撹拌した。さら
に、上記式のシンナムアルデヒド誘導体5.00g(2
2.5mmol)のテトラヒドロフラン溶液50mlを
滴下し、そのまま15時間撹拌した。反応混合物に水1
50mlを加え、100mlの酢酸エチルで3回抽出
し、洗浄、乾燥後、濃縮した。濃縮物をジクロロメタン
150mlに溶かし、二酸化マンガン20.0g(23
0mmol)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合
物をセライトで濾過し、濾液を濃縮した。濃縮物をカラ
ムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:
4)で精製後、クロロホルム−ヘキサンで結晶化させた
ところ、1−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−
1−デセン−4−イン−3−オンを5.57g(78.
3%)得た。得られた生成物の同定は下記に示す理化学
的性質により行った。
【0053】融点:64℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):2940, 2868, 2836, 220
4, 1620, 1582,1504, 1462,
1420, 1336, 1270, 1244,1
158, 1132, 1048, 1004, 98
2, 846, 820, プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中)δ[2
00MHz]ppm:7.71(1H,d,J=16.
0), 6.79(2H,s), 6.68(1H,
d,J=16.0), 3.90(9H,s), 2.
47(2H,t,J=7.0), 1.7−1.6(2
H,m), 1.5−1.3(4H,m), 0.94
(3H,t,J=7.0) マススペクトル:m/z(%)[EI−MS]:316
(M,100%) 301(29%) 285(81
%) 259(27%) 245(24%) 243
(30%) 241(25%) 231(24% )2
29(35%) 228(24%) 221(26%)
217(36%) 211(33%) 201(28
%) 115(25%) 41(41%) 計算値; C: 72.11 % H: 7.
65 % 実測値; C: 72.10 % H: 7.
73 %
【0054】実施例91−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−デセン−4
−イン−3−オンの合成 下記の反応式、
【化17】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0055】n−ブチルリチウム(1.56M−ヘキサ
ン)12.0ml(16.9mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液20mlに、−30℃で1−ヘプチン2.2
0ml(16.9mmol)を滴下し、そのまま2時間
撹拌した。さらに、上記式のシンナムアルデヒド誘導体
2.50g(13.0mmol)のテトラヒドロフラン
溶液20mlを滴下し、そのまま3時間撹拌した。反応
混合物に水50mlを加え、50mlの酢酸エチルで4
回抽出し、洗浄、乾燥後、濃縮した。濃縮物をカラムク
ロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=3:7)で
精製したところ、アルコール体を油状物として3.59
g(95.9%)得た。次いで、このアルコール体をジ
クロロメタン100mlに溶かし、これに二酸化マンガ
ン11.1g(128mmol)を加え、室温で16時
間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濾液を濃
縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチ
ル:ヘキサン=1:3)で精製後、結晶化させたとこ
ろ、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−デセン
−4−イン−3−オンを3.15g(88.7%)得
た。
【0056】融点:83.0℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):2952, 2208, 1620, 159
4, 1512, 1466,1442, 1424,
1254, 1226, 1162, 1138,1
020, 986, 806 プロトン核磁気共鳴スペクトル(CDCl中)δ[2
00MHz]ppm:7.75(1H,d,J=16.
0), 7.16(1H,dd,J=8.3,2.
0), 7.07(1H,d,J=2.0), 6.9
0(1H,d,J=8.3), 6.66(1H,d,
J=16.0), 3.93(3H,s), 3.9
2(3H,s), 2.46(2H,t,J=7.
0), 1.7−1.6(2H,m), 1.6−1.
3(4H,m), 0.94(3H,t,J=7.1) マススペクトル:m/z(%)[EI−MS]:286
(M,100%) 271(29%) 255(46
%) 213(27%) 211(25%) 201
(28% )199(28%) 187(25%) 1
71(28%) 115(28%) 55(28%)
41(35%) 元素分析: 計算値; C: 75.50 % H: 7.
74 % 実測値; C: 75.26 % H: 7.
71 %
【0057】実施例101−(4−メトキシフェニル)−1−デセン−4−イン
−3−オンの合成 下記の反応式、
【化17】 に基づき以下のようにして標記の目的化合物を合成し
た。
【0058】n−ブチルリチウム(1.56M−ヘキサ
ン)19.0ml(29.6mmol)のテトラヒドロ
フラン溶液30mlに、−30℃で1−ヘプチン4.0
0ml(30.5mmol)を滴下し、そのまま1時間
撹拌した。さらに、上記式のシンナムアルデヒド誘導体
3.24g(20.0mmol)のテトラヒドロフラン
溶液20mlを滴下し、そのまま18時間撹拌した。反
応混合物に水50mlを加え、50mlのジエチルエー
テルで4回抽出し、洗浄、乾燥後、濃縮した。濃縮物を
ジクロロメタン150mlに溶解し、これに二酸化マン
ガン20.0g(230mmol)を加え、室温で2.
5時間撹拌した。反応混合物をセライトで濾過し、濾液
を濃縮した。濃縮物をクロロホルム−ヘキサンで結晶化
させたところ、1−(4−メトキシフェニル)−1−デ
セン−4−イン−3−オンを3.62g(70.7%)
得た。
【0059】融点:31.0℃ 赤外吸収スペクトル:IRνmax cm−1(KB
r):3004, 2932, 2860, 220
8, 1628, 1602,1510, 1460,
1442, 1422, 1326, 1302,1
250, 1200, 1170, 1110, 10
26, 976, 826, 550, 514 マススペクトル:m/z(%)[EI−MS]:256
(M,100%) 255(74%) 241(21
%) 225(38%) 199(35%) 185
(21% )171(34%) 128(25%)
【0060】実験例1 DTマウス線維芽細胞のK−ラス オンコジーン(ra
s oncogene)活性化による癌化細胞、3T3
マウス線維芽細胞樹立株、ヒーラ(HeLa)ヒト子宮
頸癌細胞、T24ヒト膀胱癌細胞、MCF7ヒト乳癌細
胞(エストロゲン依存性)およびL1210マウス白血
病細胞を夫々3×10個/mlに調製し、96穴マル
チプレートに1穴当たり100μl播種し、37℃、5
%COの条件下で24時間培養した。上記実施例で得
た各化合物を予めDMSO(ジメチルスルホキシド)に
溶解後、リン酸緩衝溶液(PBS(−))で溶解後夫々
の濃度に調整して(最終DMSO濃度は0.5%であ
る)、一穴当たり10μl添加した。37℃、5%CO
下で48時間培養した。
【0061】しかる後、生存している細胞に特異的に反
応し、結晶を形成する性質を有する5mg/mlのMT
T[3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−
2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド]溶液を一
穴当たり20μl加えた。37℃、5%CO下で4時
間培養した後、0.01N HCl−10%ドデシル硫
酸ナトリウム(SDS)溶液を一穴当たり100μl添
加して反応を停止させた。さらに、一晩培養し結晶を溶
解後、ELISAリーダー(540〜690nm)にて
吸光度を測定した。
【0062】各細胞の増殖を50%阻害する実施例化合
物の濃度IC50(μg/ml)として求めた。得られ
た結果を以下の表1〜表6に示す。なお、表中のR
は、下記の一般式(1)で表される実施例1〜4お
よび6〜9の化合物の置換基に対応するものである。実
施例5の化合物は下記式(10)で表され、この化合物
のフェニル基の置換基については式(1)に準拠して表
示することができるため、R〜Rに対応する置換基
を表中に表した。
【0063】
【化18】
【化19】
【0064】下記の表1はDT細胞に対するIC
50(μg/ml)を示す。
【表1】 下記の表2は3T3細胞に対するIC50(μg/m
l)を示す。
【0065】
【表2】 下記の表3はヒーラ細胞に対するIC50(μg/m
l)を示す。
【0066】
【表3】 下記の表4はT24細胞に対するIC50(μg/m
l)を示す。
【0067】
【表4】 下記の表5はMCF7細胞に対するIC50(μg/m
l)を示す。
【0068】
【表5】 下記の表6はL1210細胞に対するIC50(μg/
ml)を示す。
【0069】
【表6】
【0070】実験例2 実施例4および実施例6で得た化合物について以下の実
験を行った。エールリッヒ癌細胞2×10個/mlの
懸濁液100μlを6週令のICR系雌マウス(日本ク
レア)に腹腔内移植した。一方、実施例4および実施例
6で得た化合物の夫々を、溶液としてマウスに一匹当た
り200μlで腹腔内投与したときに下記の表7に示す
投与量となるようにジメチルスルホキシド(DMSO)
に溶解後、0.5%のカルボキシメチルセルロース(C
MC)が溶解したリン酸緩衝溶液(PBS(−))に懸
濁させて供試薬物を調製した。得られた薬物中の最終D
MSO濃度は10%である。
【0071】
【表7】
【0072】癌細胞を腹腔内移植した日から1日目、2
日目および3日目に上記薬物を腹腔内投与し、コントロ
ール(PBS(−)投与群)に対する延命率(ILS
%)を次式に従い求めた。 ILS(%)=[(薬物投与群の平均生存日数−コント
ロール群の平均生存日数)/コントロール群の平均生存
日数]×100 コントロールは1群12匹、薬物投与群は1薬物1投与
につき1群6匹で行った。得られた結果を下記の表8に
示す。
【0073】
【表8】
【0074】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明の新規フ
ェニル基含有アセチレン系化合物を有効成分とする抗腫
瘍剤は、優れた抗腫瘍活性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 59/90 69/157 9279−4H (72)発明者 渡辺 俊彦 茨城県稲敷郡阿見町吉原3586 株式会社ツ ムラ内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式 【化1】 (式中、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基または水素
    原子、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜
    5のアシルオキシ基または水酸基、Rは炭素数1〜5
    のアルコキシ基または水素原子、およびRは−(CH
    )nR(ただし、nは1〜4の整数、Rはメチル
    基、水酸基またはカルボキシル基を示す)、フェニル基
    またはシクロヘキシル基を示す)で表される新規フェニ
    ル基含有アセチレン系化合物。
  2. 【請求項2】 Rが炭素数1〜3のアルコキシ基、R
    が水酸基、およびRが水素原子である請求項1記載
    の新規フェニル基含有アセチレン系化合物。
  3. 【請求項3】 Rがメトキシ基、およびRがn−ペ
    ンチル基、3−カルボキシプロピル基、4−ヒドロキシ
    ブチル基、フェニル基またはシクロヘキシル基である請
    求項2記載の新規フェニル基含有アセチレン系化合物。
  4. 【請求項4】 Rがメトキシ基または水素原子、R
    がメトキシ基またはアセトキシ基、Rがメトキシ基ま
    たは水素原子、およびRがn−ペンチル基である請求
    項1記載の新規フェニル基含有アセチレン系化合物。
  5. 【請求項5】 次の一般式 【化2】 (式中、Rは炭素数1〜5のアルコキシ基または水酸
    基を示す)で表される新規フェニル基含有アセチレン系
    化合物。
  6. 【請求項6】 Rがメトキシ基である請求項5記載の
    新規フェニル基含有アセチレン系化合物。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項5記載の新規フェ
    ニル基含有アセチレン系化合物を有効成分とする抗腫瘍
    剤。
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