JPH07258128A - 第三級アルコールの蒸留方法 - Google Patents
第三級アルコールの蒸留方法Info
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- JPH07258128A JPH07258128A JP7780494A JP7780494A JPH07258128A JP H07258128 A JPH07258128 A JP H07258128A JP 7780494 A JP7780494 A JP 7780494A JP 7780494 A JP7780494 A JP 7780494A JP H07258128 A JPH07258128 A JP H07258128A
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- distillation
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- residue
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 第三級アルコールを、蒸留時に化学変化させ
ることなく歩留り良く蒸留精製する。 【構成】 第三アミン類を存在させることを特徴とする
第三級アルコールの精製方法。
ることなく歩留り良く蒸留精製する。 【構成】 第三アミン類を存在させることを特徴とする
第三級アルコールの精製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、第三級アルコールの改
良された安全、且つ経済的に有利な、蒸留方法に関す
る。
良された安全、且つ経済的に有利な、蒸留方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機薬品製造の中間体として有用な第三
級アルコールを製造する方法としては、例えばイソパラ
フィンの塩素化物(例えば2−クロロ−2,4,4−ト
リメチルペンタン)と無機塩基水溶液(例えば炭酸ナト
リウム水溶液)とを反応させて得られる粗第三級アルコ
ールを、そのまま蒸留精製する方法(ザ、ジャーナル、
オブ、ジ、アメリカン、ケミカル、ソサエティーVo
l.75、p.10(1953)[The Journ
al of The American Chemic
al Society、Vol.75、P.10(19
53)]、イソオレフィン(例えばジイソブチレン)を
硫酸等の酸触媒存在下で加水分解させて得られる粗第三
級アルコールを、そのまま蒸留精製する方法(ザ、ジャ
ーナル、オブ、ジ、アメリカン、ケミカル、ソサエティ
ーVol.70、p.4253(1948)[The
Journal of The American C
hemical Society、Vol.70、P.
4253(1948)]、及びケトン化合物をグリニヤ
ール反応により得られる粗第三級アルコールを、そのま
ま蒸留精製する方法(ザ、ジャーナル、オブ、ジ、アメ
リカン、ケミカル、ソサエティーVol.63、p.2
035(1941)[The Journalof T
he American Chemical Soci
ety、Vol.63、P.2035(1941)]、
等が知られている。
級アルコールを製造する方法としては、例えばイソパラ
フィンの塩素化物(例えば2−クロロ−2,4,4−ト
リメチルペンタン)と無機塩基水溶液(例えば炭酸ナト
リウム水溶液)とを反応させて得られる粗第三級アルコ
ールを、そのまま蒸留精製する方法(ザ、ジャーナル、
オブ、ジ、アメリカン、ケミカル、ソサエティーVo
l.75、p.10(1953)[The Journ
al of The American Chemic
al Society、Vol.75、P.10(19
53)]、イソオレフィン(例えばジイソブチレン)を
硫酸等の酸触媒存在下で加水分解させて得られる粗第三
級アルコールを、そのまま蒸留精製する方法(ザ、ジャ
ーナル、オブ、ジ、アメリカン、ケミカル、ソサエティ
ーVol.70、p.4253(1948)[The
Journal of The American C
hemical Society、Vol.70、P.
4253(1948)]、及びケトン化合物をグリニヤ
ール反応により得られる粗第三級アルコールを、そのま
ま蒸留精製する方法(ザ、ジャーナル、オブ、ジ、アメ
リカン、ケミカル、ソサエティーVol.63、p.2
035(1941)[The Journalof T
he American Chemical Soci
ety、Vol.63、P.2035(1941)]、
等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】即ち、前記の方法等で
製造された粗第三級アルコールをそのまま蒸留した場
合、一般的に一部の第三級アルコールが蒸留中に分解
し、オレフィン化合物、或いはポリマーに変換するた
め、蒸留歩留が低下して経済的に不利である。その理由
は、おそらく粗第三級アルコール中に含有される微量の
酸性物質あるいは加熱により酸性物質を生成する化合物
によって分解反応がおきるためと考えられる。この分解
反応は、条件によっては爆発的に進む恐れがあるので安
全面からも好ましくない。
製造された粗第三級アルコールをそのまま蒸留した場
合、一般的に一部の第三級アルコールが蒸留中に分解
し、オレフィン化合物、或いはポリマーに変換するた
め、蒸留歩留が低下して経済的に不利である。その理由
は、おそらく粗第三級アルコール中に含有される微量の
酸性物質あるいは加熱により酸性物質を生成する化合物
によって分解反応がおきるためと考えられる。この分解
反応は、条件によっては爆発的に進む恐れがあるので安
全面からも好ましくない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の欠点を解消した第三級アルコールの蒸留精製方法
を開発すべく、鋭意研究した結果本発明を完成した。即
ち、本発明は、第三アミン類を存在させることを特徴と
する第三級アルコールの蒸留方法に関する。
技術の欠点を解消した第三級アルコールの蒸留精製方法
を開発すべく、鋭意研究した結果本発明を完成した。即
ち、本発明は、第三アミン類を存在させることを特徴と
する第三級アルコールの蒸留方法に関する。
【0005】本発明の方法によれば、粗第三級アルコー
ル中に一定量の第三アミン類を添加して蒸留することに
より、前記第三級アルコールの分解反応が完全に抑制で
き、従来の方法に比べて蒸留歩留が大幅に向上するばか
りか、安全性も確保でき、その工業的価値は極めて高
い。
ル中に一定量の第三アミン類を添加して蒸留することに
より、前記第三級アルコールの分解反応が完全に抑制で
き、従来の方法に比べて蒸留歩留が大幅に向上するばか
りか、安全性も確保でき、その工業的価値は極めて高
い。
【0006】本発明方法が好適に適用できる第三級アル
コールとして、例えば一般式
コールとして、例えば一般式
【化1】 で示されるものがある。その具体例としては例えば、
1,1,−ジメチルプロピルアルコール、1,1−ジメ
チルブチルアルコール、1,1,2−トリメチルプロピ
ルアルコール、1−メチル−1−エチルプロピルアルコ
ール、1,1,3,3−テトラメチルブチルアルコー
ル、1−メチル−1−シクロヘキシルエタノール等を挙
げることができる。
1,1,−ジメチルプロピルアルコール、1,1−ジメ
チルブチルアルコール、1,1,2−トリメチルプロピ
ルアルコール、1−メチル−1−エチルプロピルアルコ
ール、1,1,3,3−テトラメチルブチルアルコー
ル、1−メチル−1−シクロヘキシルエタノール等を挙
げることができる。
【0007】本発明に用いられる第三アミン類として
は、具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリアミルアミン等の脂肪族ア
ミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン等の芳
香族アミン、トリエタノールアミン及びピリジン等を例
示することができる。これらの内、トリエチルアミンと
トリエタノールアミンが好適に使用される。これらの第
三アミン類は、単独又は二種以上混合して使用しても良
い。第三アミン類の使用量は、粗第三級アルコールに対
して、通常0.01から1重量%である。0.01重量
%未満では、第三級アルコールの分解反応を抑えること
が難しくなり好ましくない。又、1重量%を超えても、
第三アミン類を用いる効果に見合うだけの効果が得られ
ないため経済的ではない。
は、具体的には、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリブチルアミン、トリアミルアミン等の脂肪族ア
ミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン等の芳
香族アミン、トリエタノールアミン及びピリジン等を例
示することができる。これらの内、トリエチルアミンと
トリエタノールアミンが好適に使用される。これらの第
三アミン類は、単独又は二種以上混合して使用しても良
い。第三アミン類の使用量は、粗第三級アルコールに対
して、通常0.01から1重量%である。0.01重量
%未満では、第三級アルコールの分解反応を抑えること
が難しくなり好ましくない。又、1重量%を超えても、
第三アミン類を用いる効果に見合うだけの効果が得られ
ないため経済的ではない。
【0008】本発明において、蒸留方法は一般に行われ
る単蒸留あるいは多段蒸留、連続蒸留が用いられる。粗
第三級アルコールに0.01から1重量%の第三アミン
類を加え、常圧あるいは減圧下で蒸留を行い、第三級ア
ルコールより低沸点の第三アミン類及びイソオレフィン
は初留として、高沸点の第三アミン類及び不純物は釜残
として除去できる。
る単蒸留あるいは多段蒸留、連続蒸留が用いられる。粗
第三級アルコールに0.01から1重量%の第三アミン
類を加え、常圧あるいは減圧下で蒸留を行い、第三級ア
ルコールより低沸点の第三アミン類及びイソオレフィン
は初留として、高沸点の第三アミン類及び不純物は釜残
として除去できる。
【0009】
【発明の効果】本発明の蒸留により、第三級アルコール
の分解反応が抑制でき、効率よく高純度の第三級アルコ
ールが高蒸留歩留で得られるばかりか、安全性も確保で
き、その工業的価値は極めて高い。
の分解反応が抑制でき、効率よく高純度の第三級アルコ
ールが高蒸留歩留で得られるばかりか、安全性も確保で
き、その工業的価値は極めて高い。
【0010】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。尚実施例中%は重量%を表す。又実施例
中の略号は以下の化合物を表す。 NP−OH:1,1,3,3−テトラメチルブタノール DIB :2,4,4−トリメチルペンテン−1(ジ
イソブチレン) TM−OH:1,1,2−トリメチルプロパノール DMB :2,3−ジメチルブテン−1 Cy−OH:1−メチル−1−シクロヘキシルエタノー
ル CyP :2−シクロヘキシルプロペン
的に説明する。尚実施例中%は重量%を表す。又実施例
中の略号は以下の化合物を表す。 NP−OH:1,1,3,3−テトラメチルブタノール DIB :2,4,4−トリメチルペンテン−1(ジ
イソブチレン) TM−OH:1,1,2−トリメチルプロパノール DMB :2,3−ジメチルブテン−1 Cy−OH:1−メチル−1−シクロヘキシルエタノー
ル CyP :2−シクロヘキシルプロペン
【0011】参考例 1(NP−OHの合成) 攪拌機、温度計及びコンデンサーを備えた内容10リッ
トルの四ツ口フラスコに、2−クロロ−2,4,4−ト
リメチルペンタン744g(5.0モル)と10%炭酸
ソーダ水溶液5.3kgを入れ、湯浴にて80℃に昇温
し、同温度で3時間攪拌を続け反応させた。反応後、室
温まで冷却し、分液漏斗にて油相と水相に分離した。次
いで油相を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し
た。この反応を2回繰り返して1303gの生成物(粗
NP−OH)を得た。生成物の組成をガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、NP−OH 74.0%、DI
B 23.4%、その他2.6%であった。
トルの四ツ口フラスコに、2−クロロ−2,4,4−ト
リメチルペンタン744g(5.0モル)と10%炭酸
ソーダ水溶液5.3kgを入れ、湯浴にて80℃に昇温
し、同温度で3時間攪拌を続け反応させた。反応後、室
温まで冷却し、分液漏斗にて油相と水相に分離した。次
いで油相を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後濾過し
た。この反応を2回繰り返して1303gの生成物(粗
NP−OH)を得た。生成物の組成をガスクロマトグラ
フィーで分析した結果、NP−OH 74.0%、DI
B 23.4%、その他2.6%であった。
【0012】参考例 2(NP−OHの合成) 攪拌機、温度計を備えた内容10リットルの四ツ口フラ
スコに、90%硫酸10kgとアセトニトリル100g
を入れ、0〜10℃に冷却し、DIB 280g(2.
5モル)を加え、同温度で1時間攪拌を続け反応させ
た。反応後、分液漏斗にて油相と水相に分離した。次い
で油相を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後濾過した。
この反応を4回繰り返して、1020gの生成物(粗N
P−OH)を得た。生成物の組成をガスクロマトグラフ
ィーで分析した結果、NP−OH 45.6%、DIB
47.6%、その他6.8%であった。
スコに、90%硫酸10kgとアセトニトリル100g
を入れ、0〜10℃に冷却し、DIB 280g(2.
5モル)を加え、同温度で1時間攪拌を続け反応させ
た。反応後、分液漏斗にて油相と水相に分離した。次い
で油相を水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後濾過した。
この反応を4回繰り返して、1020gの生成物(粗N
P−OH)を得た。生成物の組成をガスクロマトグラフ
ィーで分析した結果、NP−OH 45.6%、DIB
47.6%、その他6.8%であった。
【0013】参考例 3(TM−OHの合成) 攪拌機、温度計を備えた内容10リットルの四ツ口フラ
スコに、70%硫酸10kgを入れ、0〜10℃に冷却
し、DMB 420g(5モル)を加え、同温度で1時
間攪拌を続け反応させた。反応後、分液漏斗にて油相と
水相に分離した。次いで油相を水洗し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濾過した。この反応を3回繰り返して、12
30gの生成物(粗TM−OH)を得た。生成物の組成
をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TM−OH
37.9%、DMB 59.8%、その他2.3%で
あった。
スコに、70%硫酸10kgを入れ、0〜10℃に冷却
し、DMB 420g(5モル)を加え、同温度で1時
間攪拌を続け反応させた。反応後、分液漏斗にて油相と
水相に分離した。次いで油相を水洗し、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濾過した。この反応を3回繰り返して、12
30gの生成物(粗TM−OH)を得た。生成物の組成
をガスクロマトグラフィーで分析した結果、TM−OH
37.9%、DMB 59.8%、その他2.3%で
あった。
【0014】参考例 4(Cy−OHの合成) 攪拌機、温度計を備えた内容10リットルの四ツ口フラ
スコに、70%硫酸10kgを入れ、0〜10℃に冷却
し、CyP 372g(0.3モル)を加え、同温度で
1時間攪拌を続け反応させた。反応後、分液漏斗にて油
相と水相に分離した。次いで油相を水洗し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後濾過した。この反応を4回繰り返して、
1444gの生成物(粗Cy−OH)を得た。生成物の
組成をガスクロマトグラフィーで分析した結果、Cy−
OH 30.1%、CyP 65.6%、その他4.3
%であった。
スコに、70%硫酸10kgを入れ、0〜10℃に冷却
し、CyP 372g(0.3モル)を加え、同温度で
1時間攪拌を続け反応させた。反応後、分液漏斗にて油
相と水相に分離した。次いで油相を水洗し、硫酸マグネ
シウムで乾燥後濾過した。この反応を4回繰り返して、
1444gの生成物(粗Cy−OH)を得た。生成物の
組成をガスクロマトグラフィーで分析した結果、Cy−
OH 30.1%、CyP 65.6%、その他4.3
%であった。
【0015】実施例 1(NP−OHの蒸留精製) コンデンサー、温度計を備えた内容1リットル、理論段
数5.0段のガラス製蒸留装置を用い、参考例1で合成
した粗NP−OH 500gにトリエチルアミン0.5
g及びトリエタノールアミン1.0gを入れ、窒素ガス
を導入しながら常圧で蒸留した。蒸留開始後1時間で1
45℃以下の初留分130gを得た。次いで145〜1
48℃、3時間で310gの主留分を得た。蒸留残渣は
57gであった。GLC分析の結果初留分中のNP−O
Hは17.5%、主留中のNP−OHは98.4%、D
IBは0.4%、残渣中のNP−OHは21.6%であ
った。主留分中のNP−OHの回収率は82.4%であ
った。又蒸留後の全成分(全留分+残渣)中のNP−O
H残存率は91.9%であった。又トリエチルアミンは
全て初留分中に、トリエタノールアミンは残渣中に存在
し、主留分中には存在しないことを確認した。
数5.0段のガラス製蒸留装置を用い、参考例1で合成
した粗NP−OH 500gにトリエチルアミン0.5
g及びトリエタノールアミン1.0gを入れ、窒素ガス
を導入しながら常圧で蒸留した。蒸留開始後1時間で1
45℃以下の初留分130gを得た。次いで145〜1
48℃、3時間で310gの主留分を得た。蒸留残渣は
57gであった。GLC分析の結果初留分中のNP−O
Hは17.5%、主留中のNP−OHは98.4%、D
IBは0.4%、残渣中のNP−OHは21.6%であ
った。主留分中のNP−OHの回収率は82.4%であ
った。又蒸留後の全成分(全留分+残渣)中のNP−O
H残存率は91.9%であった。又トリエチルアミンは
全て初留分中に、トリエタノールアミンは残渣中に存在
し、主留分中には存在しないことを確認した。
【0016】比較例 1(NP−OHの蒸留精製) 実施例1において、トリエチルアミンとトリエタノール
アミンを使用しない他は実施例1に準じて実施した。そ
の結果、蒸留開始後1.6時間で145℃以下の初留分
149gを得た。次いで145〜148℃、2.5時間
で281gの主留分を得た。蒸留残渣は68gであっ
た。GLC分析の結果初留分中のNP−OHは15.9
%、主留中のNP−OHは97.8%、DIBは1.5
%、残渣中のNP−OHは13.1%であった。主留分
中のNP−OHの回収率は74.3%であった。又蒸留
後の全成分中のNP−OH残存率は83.1%であっ
た。
アミンを使用しない他は実施例1に準じて実施した。そ
の結果、蒸留開始後1.6時間で145℃以下の初留分
149gを得た。次いで145〜148℃、2.5時間
で281gの主留分を得た。蒸留残渣は68gであっ
た。GLC分析の結果初留分中のNP−OHは15.9
%、主留中のNP−OHは97.8%、DIBは1.5
%、残渣中のNP−OHは13.1%であった。主留分
中のNP−OHの回収率は74.3%であった。又蒸留
後の全成分中のNP−OH残存率は83.1%であっ
た。
【0017】実施例 2(NP−OHの蒸留精製) 実施例1と同じ蒸留装置を用い、参考例2で合成した粗
NP−OH 500gにピリジン0.1g及びトリベン
ジルアミン4.0gを入れ、窒素ガスを導入しながら常
圧で蒸留した。蒸留開始後1.5時間で145℃以下の
初留分268gを得た。次いで145〜148℃、2.
5時間で177gの主留分を得た。蒸留残渣は52gで
あった。GLC分析の結果初留分中のNP−OHは8.
7%、主留中のNP−OHは98.2%、DIBは0.
5%、残渣中のNP−OHは16.4%であった。主留
分中のNP−OHの回収率は76.2%でった。又蒸留
後の全成分(全留分+残渣)中のNP−OH残存率は9
0.2%であった。又ピリジンは全て初留分中に、トリ
ベンジルアミンは残渣中に存在し、主留分中には存在し
ないことを確認した。
NP−OH 500gにピリジン0.1g及びトリベン
ジルアミン4.0gを入れ、窒素ガスを導入しながら常
圧で蒸留した。蒸留開始後1.5時間で145℃以下の
初留分268gを得た。次いで145〜148℃、2.
5時間で177gの主留分を得た。蒸留残渣は52gで
あった。GLC分析の結果初留分中のNP−OHは8.
7%、主留中のNP−OHは98.2%、DIBは0.
5%、残渣中のNP−OHは16.4%であった。主留
分中のNP−OHの回収率は76.2%でった。又蒸留
後の全成分(全留分+残渣)中のNP−OH残存率は9
0.2%であった。又ピリジンは全て初留分中に、トリ
ベンジルアミンは残渣中に存在し、主留分中には存在し
ないことを確認した。
【0018】比較例 2(NP−OHの蒸留精製) 実施例2においてピリジンとトリベンジルアミンを用い
ない他は、実施例2に準じて実施した。その結果、蒸留
開始後1.7時間で145℃以下の初留分294gを得
た。次いで145〜148℃、2.4時間で145gの
主留分を得た。蒸留残渣は57gであった。GLC分析
の結果初留分中のNP−OHは9.7%、主留中のNP
−OHは98.0%、DIBは0.8%、残渣中のNP
−OHは14.2%であった。主留分中のNP−OHの
回収率は62.3%であった。又蒸留後の全成分中のN
P−OH残存率は78.4%であった。
ない他は、実施例2に準じて実施した。その結果、蒸留
開始後1.7時間で145℃以下の初留分294gを得
た。次いで145〜148℃、2.4時間で145gの
主留分を得た。蒸留残渣は57gであった。GLC分析
の結果初留分中のNP−OHは9.7%、主留中のNP
−OHは98.0%、DIBは0.8%、残渣中のNP
−OHは14.2%であった。主留分中のNP−OHの
回収率は62.3%であった。又蒸留後の全成分中のN
P−OH残存率は78.4%であった。
【0019】実施例 3(TM−OHの蒸留精製) 実施例1と同じ蒸留装置を用い、参考例3で合成した粗
TM−OH 500gにトリブチルアミン0.5gを入
れ、窒素ガスを導入しながら常圧で蒸留した。蒸留開始
後1.7時間で118℃以下の初留分318gを得た。
次いで118〜122℃、3.2時間で137gの主留
分を得た。蒸留残渣は42gであった。GLC分析の結
果初留分中のTM−OHは10.1%、主留中のTM−
OHは99.2%、DMBは0.3%、残渣中のTM−
OHは14.7%であった。主留分中のTM−OHの回
収率は71.7%であった。又蒸留後の全成分中のTM
−OH残存率は91.9%であった。又トリブチルアミ
ンは全て残渣中に存在し、主留分中には存在しないこと
を確認した。
TM−OH 500gにトリブチルアミン0.5gを入
れ、窒素ガスを導入しながら常圧で蒸留した。蒸留開始
後1.7時間で118℃以下の初留分318gを得た。
次いで118〜122℃、3.2時間で137gの主留
分を得た。蒸留残渣は42gであった。GLC分析の結
果初留分中のTM−OHは10.1%、主留中のTM−
OHは99.2%、DMBは0.3%、残渣中のTM−
OHは14.7%であった。主留分中のTM−OHの回
収率は71.7%であった。又蒸留後の全成分中のTM
−OH残存率は91.9%であった。又トリブチルアミ
ンは全て残渣中に存在し、主留分中には存在しないこと
を確認した。
【0020】比較例 3(TM−OHの蒸留精製) 実施例3においてトリブチルアミンを用いない他は、実
施例3に準じて実施した。その結果、蒸留開始後1.9
時間で118℃以下の初留分338gを得た。次いで1
18〜122℃、3.1時間で112gの主留分を得
た。蒸留残渣は48gであった。GLC分析の結果初留
分中のTM−OHは9.5%、主留中のTM−OHは9
8.7%、DMBは0.9%、残渣中のTM−OHは1
3.1%であった。主留分中のTM−OHの回収率は5
8.3%であった。又蒸留後の全成分中のTM−OH残
存率は78.6%であった。
施例3に準じて実施した。その結果、蒸留開始後1.9
時間で118℃以下の初留分338gを得た。次いで1
18〜122℃、3.1時間で112gの主留分を得
た。蒸留残渣は48gであった。GLC分析の結果初留
分中のTM−OHは9.5%、主留中のTM−OHは9
8.7%、DMBは0.9%、残渣中のTM−OHは1
3.1%であった。主留分中のTM−OHの回収率は5
8.3%であった。又蒸留後の全成分中のTM−OH残
存率は78.6%であった。
【0021】実施例 4(Cy−OHの蒸留精製) 実施例1と同じ蒸留装置を用い、参考例4で合成した粗
Cy−OH 500gにトリエチルアミン0.3g及び
トリベンジルアミン0.5gを入れ、60mmHgの減
圧で蒸留した。蒸留開始後3.9時間で90℃以下の初
留分356gを得た。次いで90〜93℃、2.2時間
で115gの主留分を得た。蒸留残渣は27gであっ
た。GLC分析の結果初留分中のCy−OHは7.3
%、主留中のCy−OHは98.7%、CyPは0.8
%、残渣中のCy−OHは9.5%であった。主留中の
Cy−OHの回収率は75.4%であった。又蒸留後の
全成分中のCy−OH残存率は94.5%であった。又
トリブチルアミンは全て残渣中に存在し、主留分中には
存在しないことを確認した。
Cy−OH 500gにトリエチルアミン0.3g及び
トリベンジルアミン0.5gを入れ、60mmHgの減
圧で蒸留した。蒸留開始後3.9時間で90℃以下の初
留分356gを得た。次いで90〜93℃、2.2時間
で115gの主留分を得た。蒸留残渣は27gであっ
た。GLC分析の結果初留分中のCy−OHは7.3
%、主留中のCy−OHは98.7%、CyPは0.8
%、残渣中のCy−OHは9.5%であった。主留中の
Cy−OHの回収率は75.4%であった。又蒸留後の
全成分中のCy−OH残存率は94.5%であった。又
トリブチルアミンは全て残渣中に存在し、主留分中には
存在しないことを確認した。
【0022】比較例 4(Cy−OHの蒸留精製) 実施例4においてトリエチルアミン及びトリエタノール
アミンを用いない他は、実施例4に準じて実施した。そ
の結果、蒸留開始後4.3時間で90℃以下の初留分3
59gを得た。次いで118〜122℃、3.0時間で
107gの主留分を得た。蒸留残渣は33gであった。
GLC分析の結果初留分中のCy−OHは7.5%、主
留中のCy−OHは98.5%、CyPは1.1%、残
渣中のCy−OHは9.8%であった。主留分中のCy
−OHの回収率は70.0%であった。又蒸留後の全成
分中のCy−OH残存率は90.0%であった。実施例
1〜4及び比較例1〜4より蒸留系に第三アミン類を添
加した時、第三級アルコールの回収率及び蒸留工程での
残存率が向上することがわかる。それに対して第三アミ
ン類を添加しない時は第三級アルコールの一部が他の化
合物に変化し、その結果蒸留収率が低下したことがわか
る。
アミンを用いない他は、実施例4に準じて実施した。そ
の結果、蒸留開始後4.3時間で90℃以下の初留分3
59gを得た。次いで118〜122℃、3.0時間で
107gの主留分を得た。蒸留残渣は33gであった。
GLC分析の結果初留分中のCy−OHは7.5%、主
留中のCy−OHは98.5%、CyPは1.1%、残
渣中のCy−OHは9.8%であった。主留分中のCy
−OHの回収率は70.0%であった。又蒸留後の全成
分中のCy−OH残存率は90.0%であった。実施例
1〜4及び比較例1〜4より蒸留系に第三アミン類を添
加した時、第三級アルコールの回収率及び蒸留工程での
残存率が向上することがわかる。それに対して第三アミ
ン類を添加しない時は第三級アルコールの一部が他の化
合物に変化し、その結果蒸留収率が低下したことがわか
る。
Claims (1)
- 【請求項1】 第三アミン類を存在させることを特徴と
する第三級アルコールの蒸留方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7780494A JPH07258128A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 第三級アルコールの蒸留方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7780494A JPH07258128A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 第三級アルコールの蒸留方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07258128A true JPH07258128A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=13644205
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7780494A Pending JPH07258128A (ja) | 1994-03-25 | 1994-03-25 | 第三級アルコールの蒸留方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07258128A (ja) |
-
1994
- 1994-03-25 JP JP7780494A patent/JPH07258128A/ja active Pending
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