JPH10114705A - シクロペンチルホルメートの製造方法及びシクロペンタノールの製造方法 - Google Patents

シクロペンチルホルメートの製造方法及びシクロペンタノールの製造方法

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JPH10114705A
JPH10114705A JP9248998A JP24899897A JPH10114705A JP H10114705 A JPH10114705 A JP H10114705A JP 9248998 A JP9248998 A JP 9248998A JP 24899897 A JP24899897 A JP 24899897A JP H10114705 A JPH10114705 A JP H10114705A
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フィッシャー ロルフ
Rolf Dr Pinkos
ピンコース ロルフ
Norbert Dr Rieber
リーバー ノルベルト
Michael Dr Schulz
シュルツ ミヒャエル
Joaquim Henrique Dr Teles
ヘンリク テレス ヨアキム
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    • C07C29/128Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom not belonging to a six-membered aromatic ring by alcoholysis
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シクロペンチルホルメートの新規の製造方法
を提供する。 【解決手段】 式(I): 【化1】 [式中、R1,R2及びR3は互いに無関係に水素原子又
はC1 8−アルキル基である]で示されるシクロペンチ
ルホルメートを製造する方法において、式(II): 【化2】 [式中、R1,R2及びR3は前記に定義したものを表
す]のシクロペンテンとギ酸とを酸性触媒の存在下に反
応させる。 【解決手段】 短時間の反応時間で、如何なるカップリ
ング生成物を生じることなくかつ出発物質の有効な利用
が保証される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、置換又は非置換の
シクロペンタノールの製造方法に関する。更に、本発明
は、シクロペンタノールを製造するための置換又は非置
換のシクロペンチルホルメートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シクロペンチル化合物の製造は、一般
に、アジピン酸もしくはアジピン酸エステルのルチツカ
(Ruzicka)の環化により得ることができるシクロペンタ
ノンが使用される。こうして得られたシクロペンタノン
はさらなる反応のために使用される。該合成は、出発物
質の40%より多くが水及び二酸化炭素として失われる
という欠点を有する。
【0003】従って、出発物質の一層良好な使用を可能
にする、シクロペンチル化合物の別の製造方法の必要性
が存在する。
【0004】特殊な環式及び非環式アルカノールの製造
方法は公知である。米国特許第3,527,816号明細
書は、エーテル単位を介して結合された2つの置換又は
非置換のシクロヘキセン環を含有するトリオレフィンを
ギ酸のような脂肪族カルボン酸と反応させかつ生成した
ギ酸エステルを開裂して相応するアルコールを生成する
オレフィン系アルコールの製造方法を開示している。
【0005】H.L. Wunderly, F.J. Sowa, J. Am. Chem.
Soc., 59 (1973), pp.1010〜1011は、酢酸及びフッ化
ホウ素の化合物の存在下でのシクロヘキセンへの酢酸の
付加を開示しており、この場合には使用されるフッ化ホ
ウ素の量が著しく得られるエステルの量に影響する。こ
の方法においては、高いフッ化ホウ素濃度及び50〜2
20時間の長い反応時間が使用される。該反応は、副反
応としてシクロヘキセンの重合を伴う。
【0006】T.B. Dorris, F.J. Sowa, J.A. Nieuwlan
d, J. Am. Chem. Soc., 56 (1934),pp.2689〜2690は、
プロピレンと酢酸、モノ−,ジ−及びトリクロロ酢酸及
び安息香酸との縮合を開示し、該縮合は相応するイソプ
ロピルエステルを生成する。
【0007】P.E. Peterson, E.V.P. Tao, J. Org. Che
m., 29 (1964), pp.2322〜2325は、酢酸、ギ酸及びトリ
フルオロ酢酸の分枝鎖状アルケンへの付加を開示してい
る。これらは平衡反応で酸と反応する二重結合上の3個
のアルキル基を有するアルケンである。該エステル及び
アルコールの収率は、相応して低い。1−メチルシクロ
ペンタノールに関する収率は約50%である。
【0008】英国特許第1,153,468号明細書は、
シクロオクチル化合物、特にシクロオクチルホルメート
及びシクロオクタノール、並びにシクロオクタノンの製
造を開示しており、この場合にはシクロオクテンをギ酸
と反応させてシクロオクチルホルメートを生成し、これ
を次いで開裂してアルコールを製造する。
【0009】精油所又は分解装置留分、特にC5留分
は、微量成分としてシクロペンテンを含有する。該成分
は、蒸留により富化することができる。このようにして
得られたシクロペンテンは、従来C5留分として、ガソ
リンの添加物として使用された。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、シク
ロペンチルホルメート及びシクロペンタノールの製造方
法を提供することである。
【0011】本発明のもう1つの目的は、如何なるカッ
プリング生成物を生じることなくかつ出発物質の有効な
利用を保証する、シクロペンチルホルメート及びシクロ
ペンタノールを製造するための経済的方法を提供するこ
とである。同時に、該反応時間は短いべきであり、かつ
大量の三フッ化ホウ素の使用及び副生成物の形成は回避
されるべきである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
り、式(I):
【0013】
【化4】
【0014】[式中、R1,R2及びR3は互いに無関係
に水素原子又はC1 8−アルキル基、有利にはC1 4
アルキル基である]で示されるシクロペンチルホルメー
トを製造する方法において、式(II):
【0015】
【化5】
【0016】[式中、 R1,R2及びR3は前記に定義し
たものを表す]のシクロペンテンとギ酸とを酸性触媒の
存在下に反応させることにより解決される。
【0017】更に、これらの課題は、式(III):
【0018】
【化6】
【0019】のシクロペンタノールを製造する方法にお
いて、前記方法に基づき得られたシクロペンチルホルメ
ートを式: R4 nXH [式中、Xは窒素原子でありかつnは値2であるか、又
はXは酸素原子でありかつnは値1であり、かつR4
可能であれば互いに無関係に水素原子、直鎖状もしくは
分枝鎖状C1 12−アルキル基又はC7 12−アラルキル
基である]の化合物と反応させることにより解決され
る。
【0020】本発明によれば、シクロペンタンを前記の
ように反応させて、シクロペンチルホルメート及びシク
ロペンタノールを製造することができることが判明し
た。該方法では、実質的にポリマー形成は観察されな
い。更に、該反応は、短時間で高い収率を生じ、その際
大量の三フッ化ホウ素を必要としない。ワンダリー(Wu
nderly)及びソーワ(Sowa)に類似して使用される、酢
酸及びシクロヘキセンの使用とは異なり、シクロペンテ
ンとギ酸の本発明による反応は、短時間で高い転化率を
生じる。特に、(スチーム)分解装置もしくは精油所か
らのC5流を使用することが可能であることが判明し
た。対照的に、シクロヘキセン及びシクロヘキサンのC
6流の使用は、酢酸と反応させると極めて低い転化率を
生じる。
【0021】原油又は原油留分の精油又は分解、特にス
チーム分解は、主に特殊な数の炭素原子を有する炭化水
素を含有する種々の留分又は流れを生じる。従って、C
5留分は精油所又は分解装置流から得ることができる。
これらのC5留分は、シクロペンテン留分並びに主とし
てn−ペンタン、ペンタン異性体及びペンテン異性体及
びまたシクロペンタンを含有する。スチーム分解装置混
合物を典型的C5蒸留塔の側流で処理すると得ることが
できる典型的C5流は以下の組成を有する:
【0022】
【表1】
【0023】主成分として、該混合物はn−ペンタン、
2−メチル−2−ブテン、シクロペンタン及びシクロペ
ンテンを含有する。この混合物は、蒸留により更に分離
することができ、その際低沸点成分を、有利には塔底生
成物として残留する混合物中の2−ペンテンの含量が最
大10、有利には最大3、特に最大1重量%になるよう
な範囲まで留去する。この場合、塔底生成物混合物は、
例えば以下の組成を有する:
【0024】
【表2】
【0025】従って、塔底生成物は主としてシクロペン
テン及びシクロペンタンからなる。
【0026】本発明による新規方法は、例えば前記の塔
底生成物から抽出することができる純粋なシクロペンテ
ンを使用することができる。本発明の1実施態様によれ
ば、シクロペンテンを(スチーム)分解装置又は精油所
からのC5流の形で使用し、その際シクロペンテンの含
量は有利には20〜100、特に40〜80重量%であ
り、一方2−ペンテンの含量は有利には最大3、特に最
大1重量%であるべきである。
【0027】本発明の有利な実施態様によれば、易揮発
性成分、特に30〜40℃の範囲内の沸点を有する成分
を大部分蒸留により除去した、(スチーム)分解装置又
は精油所からのC5流の混合物を使用することができ
る。このような混合物は、有利には20〜100、特に
40〜80重量%のシクロペンテン含量を有する。2−
ペンテン含量は、有利には最大3、特に最大1重量%で
ある。
【0028】例えば分解装置又は精油所留分において発
生するような、二重結合で一、二又は三置換された非環
式オレフィンも、同様にギ酸と反応してアルキルホルメ
ートを形成することができる。その際には、シクロペン
チルホルメートを可能な限り純粋な形で取得すべき場合
には、これらの好ましくない副生成物を分離することが
必要なこともある。
【0029】従って、本発明によれば、シクロペンテン
を純粋な形又は混合物の形で使用することができ、その
際所望により低沸点成分を留去又は分離することによ
り、任意に特殊な出発混合物中のシクロペンテンの含量
を高めることができる。
【0030】第1工程で、シクロペンテン又はC5流の
ようなシクロペンテン含有炭化水素混合物をギ酸と反応
させて、相応するシクロペンチルホルメートを形成させ
る。該方法で使用されるシクロペンテンは、式(I
I):
【0031】
【化7】
【0032】[式中、R1,R2及びR3は互いに無関係
に水素原子又はC1 8−,有利にはC1 4−アルキル基
であり、この場合アルキル基は直鎖状でも又は分枝鎖状
でもよい]で示される構造を有する。特に有利には、こ
れらの基の全てが水素原子であるか又は該基の1〜3個
がメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−
ブチル、イソブチル又はt−ブチルであり、この際その
他の基は水素原子である。特に有利には、該基の全ては
水素原子であるか又は基R1,R2及びR3の1〜3個は
メチルであり、その際その他の基は水素原子である。特
に、 基R1,R2及びR3の全ては水素原子である、即ち
シクロペンテンを使用する。
【0033】本明細書において、用語“シクロペンテ
ン”は、式(II)のシクロペンテンに関する。従っ
て、用語“シクロペンテンホルメート”及び“シクロペ
ンタノール”は、式(I)及び(III)の相応する化
合物に関する。
【0034】シクロペンチルホルメートは、式(I):
【0035】
【化8】
【0036】[式中、それぞれの基は前記に定義したも
のを表す]を有する。反応は均一系又は不均一系酸性触
媒の存在下に行う。
【0037】使用される酸性触媒は、シクロペンテンと
ギ酸の反応を触媒する任意の適当な物質、例えばリュイ
ス酸又はブレンステッド酸であってよい。本発明の1実
施態様によれば、酸性触媒は、式:BX3,AlX3,S
nX4,FeX3,MgX2又はZnX2(その際、Xはハ
リド又は基C65である)のリュイス酸から選択され
る。ハリドは、本発明によれば、特にフッ素、塩素、臭
素及び沃素並びにそれらの混合ハリドである。
【0038】本発明の1実施態様によれば、金属ハロゲ
ン化物は無水物である。
【0039】特に有利であるのは、BF3及びZnCl2
を使用することである。リュイス酸は、例えばエーテル
又はアルコールとのアダクトの形で使用することもでき
る。アルキルエーテル、例えばジエチルエーテル、又は
アルカノール、例えばメタノールを使用するのが有利で
ある。特に有利であるのは、BF3−ジエチルエーテル
アダクトBF3・OEt2の使用である。
【0040】また、触媒として式:(R3P)MYの金
属錯体を使用することも可能である。上記式中、Mは
銅、銀又は金である。Yはハリド、例えばフルオリド、
クロリド、ブロミド又はヨージド、ニトレート、スルフ
ェート、カルボキシレート又はトシレートである。Rは
1 12−,有利にはC1 4−,特にC1−アルキル基、
6 12−,有利にはC6 8−アリール基、C1 12−O
−,有利にはC1 4−O−、特にC1−O−アルキル基
又はC6 12−O−,有利にはC6 8−O−アリール基
である。有利には、基Rはメチルであり、かつYはヨー
ジドであり、その際本発明による有利な化合物の例は、
(MeO)3PCuI及びMe3PAgIである。
【0041】不均一系触媒として、リュイス酸又はブレ
ンステッド酸固体、例えば酸性ゼオライト又は酸性イオ
ン交換体を使用することも可能である。酸性イオン交換
体の例は、ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas)
社製のAmberlyst(R) XN 1010であり、酸性ゼオライトの
例はZSM−11(H形)である。該不均一系触媒は、
任意の適当な形で、例えば粉末又は顆粒として、懸濁液
で又は固床として使用することができる。
【0042】本発明によれば、触媒をシクロペンテンの
総量に対して0.0001〜25モル%、有利には0.
005〜5モル%、特に0.01〜1モル%の量で使用
する。
【0043】特に有利には、BF3・OEt2を0.02
〜0.5モル%の量で使用する。
【0044】シクロペンテンに対するギ酸の量比は同様
に広い範囲で異なっていてもよい。本発明の1実施態様
によれば、シクロペンテンの可能な限り完全な転化を確
実にするために過剰のギ酸を使用する。シクロペンテン
に対するギ酸のモル比は、本発明の1実施態様によれば
0.1〜25、有利には1〜10、特に1.5〜4の範
囲である。
【0045】転化は通例の温度及び圧力下で行うことが
できる。
【0046】本発明の1実施態様によれば、該反応は−
80℃〜+200℃、有利には0℃〜150℃、特に3
5℃〜80℃で行う。1実施態様によれば、該反応は反
応体の固有圧下で約80℃で行う。
【0047】該反応中に得られた粗製シクロペンチルホ
ルメートは蒸留により精製することができる。該工程
で、場合により存在するギ酸及びその他の炭化水素又は
ホルメートを除去する。例えば(スチーム)分解装置又
は精油所からのC5流の混合物を使用する場合、本発明
の1実施態様によれば、残留炭化水素を反応後に留去す
る。
【0048】本発明の別の実施態様により、C5流混合
物を使用する場合、該反応混合物を、混合物中に存在す
るシクロペンタンで抽出する。シクロペンタンはこのよ
うな抽出によく適している、というのはシクロペンタン
中のギ酸の溶解度は0.2重量%にすぎないからであ
る。例えばn−ペンタン中のギ酸の溶解度は室温で1.
7重量%である。このようにしてギ酸の少ないシクロペ
ンチルホルメートを直接シクロペンタン相で得ることが
できる。このようにして得られた粗製シクロペンチルホ
ルメートはそれ以上精製しないで第2の反応工程で使用
することができる。
【0049】本発明の1実施態様によれば、シクロペン
タンを、このようにして得られたシクロペンチルホルメ
ートから、例えば蒸留により除去し、このときシクロペ
ンタン中に溶解しているギ酸は少量留去されるのみであ
るため、蒸留装置の腐食の問題は回避される。抽出から
生じた、ギ酸が富化された相は直接反応へ再循環させる
ことができる。
【0050】同様に蒸留中に除去したシクロペンタンは
反応又は抽出へ再循環させるか、又は排出してもよい。
本発明によれば抽出に好ましいシクロペンタン以外に、
その他の適切な抽出剤を使用することも可能であり、そ
の際ギ酸に対して低い溶解度を有する抽出剤を使用する
のが有利である。
【0051】得られたシクロペンチルホルメートは数多
くの化学反応において使用することができる。
【0052】本発明の1実施態様によれば、生じたシク
ロペンチルホルメートをシクロペンタノールに転化す
る。シクロペンチルホルメートは例えばアルカリ水溶
液、特に水酸化ナトリウム水溶液で加水分解することが
できる。該工程は化学量論的量の水酸化ナトリウムを消
費し、かつその結果生じたギ酸はギ酸ナトリウムの形で
製造される。
【0053】本発明の1実施態様によれば、シクロペン
チルホルメートを式: R4 nXH [式中、Xは窒素原子でありかつnは値2であるか、又
はXは酸素原子でありかつnは値1であり、かつR4
可能であれば互いに無関係に水素原子、直鎖状もしくは
分枝鎖状C1 12−アルキル基又はC7 12−アラルキル
基である]の化合物と反応させる。
【0054】有利にはR4は水素原子又はメチル、特に
Xが窒素原子の場合は水素原子である。R4は有利には
1-4−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチ
ル、特にXが酸素原子の場合、有利にはメチルである。
【0055】アンモニア(これは気体として又は水溶液
として使用してもよい)又はアミンとの反応によりホル
ムアミドが生じる。
【0056】本発明によれば有利には、シクロペンチル
ホルメートとメタノールとの反応はエステル交換触媒の
存在下で行う。該工程でシクロペンチルホルメートはシ
クロペンタノールに、及び同時にメタノールはメチルホ
ルメートに転化する。該反応に可能な触媒は、本発明に
よれば、塩基、酸又は金属錯体例えばチタネート又はジ
ブチル錫ジラウレートである。触媒として塩基例えば、
特にナトリウムメトキシドを使用を使用するのが有利で
ある。
【0057】反応中に生じたメチルホルメートは反応混
合物から蒸留により容易に分離される。本発明の1実施
態様によれば、このようにして得られたメチルホルメー
トを塩基性触媒の存在又は不在下で加水分解してギ酸及
びメタノールを生成し、これらを合成へ再循環させる。
この場合、ギ酸は有利にはシクロペンテンとギ酸の第1
の反応に、メタノールはシクロペンチルホルメートのエ
ステル交換へ再循環させる。
【0058】本発明の該実施態様に関し、2つの反応工
程の全ての結果は、純反応として、シクロペンテンへの
水の付加である。所望の化合物以外にカップリング生成
物は生じない。
【0059】メタノールでのエステル交換はほぼ定量的
に進行するため、反応生成物は極めて純粋なシクロペン
タノールである。該シクロペンタノールは、本発明の1
実施態様によれば、直接、シクロペンタノールが様々な
シクロペンタン誘導体を合成するための中間体であるさ
らなる化学反応で使用することができる。例えばシクロ
ペンタノン、シクロペンチルアミン、シクロペンチルク
ロリド、シクロペンチルヨージド、ならびにシクロペン
チルクロロホルメートを製造するために公知の方法を使
用することができる。シクロペンタノールが極めて純粋
であることが要求される場合には、得られたシクロペン
タノールを例えば蒸留によりさらに精製することができ
る。
【0060】特に(スチーム)分解装置又は精油所から
のC5流を使用する場合、場合により蒸留により揮発性
成分をさらに除去した後で、シクロペンタノールを極め
て経済的に製造することができる。というのはC5流に
同時に存在しているシクロペンタンを抽出剤として使用
し、かつ使用する化合物を反応へ再循環させることがで
きるからである。特にエステル交換で生じたメチルホル
メートはギ酸の合成へ再循環させるか又は別の場所でエ
ステルが開裂した後に第1又は第2工程へ再循環させる
ことができる。
【0061】
【実施例】以下に本発明を実施例で詳細に説明する。
【0062】例1〜7 シクロペンテンとギ酸との反応 シクロペンテン(96%、35.4g、0.5モル)、
ギ酸(99%、92g、2モル)及び以下の表に特定し
た触媒(5ミリモル、1モル%)をガラスオートクレー
ブに導入し、かつ固有圧下に十分に撹拌しながら80℃
で3時間加熱した。該混合物を冷却後、選択率及び転化
率を定量ガスクロマトグラフィーにより測定した。この
結果を以下の表にまとめる。
【0063】
【表3】
【0064】表の結果は、特に触媒、特にBF3・OE
2を使用する場合に、シクロペンテンを高い収率及び
高い選択率でシクロペンチルホルメートに転化できるこ
とを示している。
【0065】例8及び9不均一系触媒の場合のシクロペンテンとギ酸との反応 シクロペンテン(96%、35.4g、0.5モル)、
ギ酸(99%、92g、2モル)及び触媒をガラスオー
トクレーブに導入し、かつ固有圧下に十分撹拌しながら
80℃で2時間加熱した。該混合物を冷却後、選択率及
び転化率を定量ガスクロマトグラフィーにより測定し
た。この結果を以下の表にまとめる。
【0066】
【表4】
【0067】比較例1 比較のために、従来技術でWunderly and Sowaにより使
用される、出発物質であるシクロヘキセン及び酢酸を例
2にならって反応させた。反応の終了時に、シクロヘキ
セン(41g、0.05モル)、酢酸(120g、2モ
ル)及びBF3エーテラート(5ミリモル)を例2と同
様にガラスオートクレーブに導入し、かつ固有圧下に十
分に撹拌しながら80℃で3時間加熱した。該混合物を
冷却後、選択率及び転化率を定量ガスクロマトグラフィ
ーにより測定した。その結果、シクロヘキセン転化率は
12%、選択率は98%よりも高かった。
【0068】例10 シクロペンテン含有混合物とギ酸との反応 スチーム分解装置のC5留分からのシクロペンテン含有
混合物(50g、シクロペンテン49重量%、0.36
モル、その他の成分は記載の表を参照)をギ酸(99
%、76g、1.44モル)及びBF3エーテラート
(41mg、0.36モル)と一緒にガラスオートクレ
ーブに導入し、かつ十分に撹拌しながら、固有圧下に8
0℃で4時間加熱した。定量GC分析により、シクロペ
ンテン転化率は92%、シクロペンチルホルメートの選
択率は98%よりも高かった。
【0069】比較例2 シクロヘキセンと酢酸との反応 シクロヘキセン/シクロヘキサン混合物と酢酸との反
応。比較のために、出発物質である酢酸及びシクロヘキ
センを、Wunderly and Sowaにより使用されているシク
ロヘキセン/シクロヘキサン混合物の形で、例10と同
様の方法で反応させた。シクロヘキセン(20.5g、
0.025モル)、シクロヘキサン(21g、0.02
5モル)、酢酸(60g、1モル)、及びBF3エーテ
ラート(2.5ミリモル)をガラスオートクレーブに導
入し、かつ十分に撹拌しながら、80℃で4時間加熱し
た。該混合物を冷却後、選択率及び転化率を定量ガスク
ロマトグラフィーにより測定した。シクロヘキセン転化
率は5%、選択率は89%よりも高かった。
【0070】例11 シクロペンチルホルメートの抽出 例10の反応生成物500mlをシクロペンタン又はn
−ペンタンのバッチ500mlで数回抽出した。各抽出
工程の累積抽出収率を以下の表にまとめる。
【0071】
【表5】
【0072】いずれの場合も得られたシクロペンチルホ
ルメートはまだギ酸約5重量%を含有している。シクロ
ペンタンでの抽出のほうが明らかに良好である。
【0073】例12 シクロペンタノール及びメチルホルメートを得るため
の、メタノールを用いたシクロペンチルホルメートのエ
ステル交換 シクロペンチルホルメート(0.08モル)をメタノー
ル100ml及びNaOCH30.8ミリモルと一緒に
撹拌しながら沸点まで加熱した。生じたメチルホルメー
トを、蒸留塔を介して塔頂(overhead)温度65℃(メ
タノールの沸点)に達するまで留去した。シクロペンタ
ノールの収率を定量ガスクロマトグラフィーにより測定
し、これは96%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 67/04 C07C 67/04 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 ノルベルト リーバー ドイツ連邦共和国 マンハイム リープフ ラウエンシュトラーセ 1ツェー (72)発明者 ミヒャエル シュルツ ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスハーフ ェン ダウナー シュトラーセ 39 (72)発明者 ヨアキム ヘンリク テレス ドイツ連邦共和国 ルートヴィヒスハーフ ェン マクスシュトラーセ 65

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 [式中、R1,R2及びR3は互いに無関係に水素原子又
    はC1 8−アルキル基である]で示されるシクロペンチ
    ルホルメートを製造する方法において、式(II): 【化2】 [式中、R1,R2及びR3は前記に定義したものを表
    す]のシクロペンテンとギ酸とを酸性触媒の存在下に反
    応させることを特徴とする、 シクロペンチルホルメー
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】 全ての基が水素原子であるか、又は基R
    1,R2及びR3の1〜3個がメチル及びその他の基が水
    素原子である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(II)のシクロペンテンを分解装置
    又は精油所からのC5流の形で使用する、請求項1又は
    2記載の方法。
  4. 【請求項4】 酸性触媒を式:BX3,AlX3,SnX
    4,FeX3,MgX2,ZnX2(その際Xはハリド又は
    基C65である)のリュイス酸、式:(R3P)MY
    (その際、Mは銅、銀又は金であり、Yはハリド、ニト
    レート、スルフェート、カルボキシレート又はトシレー
    トであり、かつRはC1 12−アルキル、C6 12−アリ
    ール、C1 12−O−アルキル又はC6 12−O−アリー
    ルである)の金属錯体、又はリュイス酸もしくはブレン
    ステッド酸固体から選択される、請求項1から3までの
    いずれか1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 反応混合物をシクロペンタンで抽出する
    ことによりシクロペンチルホルメートを収得し、かつ引
    き続きシクロペンタンを除去する、請求項1から3まで
    のいずれか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】 抽出を分解装置又は精油所のC5流内に
    存在するシクロペンタンを使用して行う、請求項5記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 式(III): 【化3】 のシクロペンタノールを製造する方法において、請求項
    1から6までのいずれか1項記載の方法に基づき得られ
    たシクロペンチルホルメートを式: R4 nXH [式中、 Xは窒素原子でありかつnは値2であるか、又はXは酸
    素原子でありかつnは値1であり、 R4は、可能であれば互いに無関係に、水素原子、直鎖
    状もしくは分枝鎖状C1 12−アルキル基又はC7 12
    アラルキル基である]の化合物と反応させることを特徴
    とする、シクロペンタノールの製造方法。
  8. 【請求項8】 Xが酸素原子及びR4がC1 4−アルキ
    ル基である、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 シクロペンチルホルメートをメタノール
    でエステル交換触媒の存在下にエステル交換しかつエス
    テル交換で得られたメチルホルメートを加水分解してギ
    酸とメタノールに転化し、これらを合成に再循環させ
    る、請求項8記載の方法。
JP9248998A 1996-09-13 1997-09-12 シクロペンチルホルメートの製造方法及びシクロペンタノールの製造方法 Withdrawn JPH10114705A (ja)

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