JPH07258102A - ピロカルピン生産方法 - Google Patents

ピロカルピン生産方法

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JPH07258102A
JPH07258102A JP7061129A JP6112995A JPH07258102A JP H07258102 A JPH07258102 A JP H07258102A JP 7061129 A JP7061129 A JP 7061129A JP 6112995 A JP6112995 A JP 6112995A JP H07258102 A JPH07258102 A JP H07258102A
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pilocarpus
pilocarpine
auxin
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Withdrawn
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JP7061129A
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English (en)
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Didier Courtois
クルトワ ディディエ
Vincent Petiard
プチアール ヴィンセント
Andre Touche
トゥシェ アンドレ
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Nestec SA
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Societe des Produits Nestle SA
Nestec SA
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Publication date
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    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P17/00Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms
    • C12P17/16Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms containing two or more hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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    • C12P17/16Preparation of heterocyclic carbon compounds with only O, N, S, Se or Te as ring hetero atoms containing two or more hetero rings
    • C12P17/165Heterorings having nitrogen atoms as the only ring heteroatoms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N5/00Undifferentiated human, animal or plant cells, e.g. cell lines; Tissues; Cultivation or maintenance thereof; Culture media therefor
    • C12N5/04Plant cells or tissues

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来法に比し、ピロカルピンを容易にかつ短
期間に取得する。 【構成】 ピロカルプス属の植物の一部から根形成を誘
導し、得られる根をインビトロで培養培地中で培養し、
ついで得られる根および/または培地からピロカルピン
を単離することを特徴とする、ピロカルピン生産方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピロカルピン生産方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ピロカルピンは縮瞳および副交感神経作
動作用を有し、種々の医薬製剤、特に眼科製剤の基礎を
なす物質である。縮瞳物質として用いられた場合、ピロ
カルピンは、例えば、目の眼内圧を下げる。かくしてピ
ロカルピンは緑内障の治療に好んで用いられる。ピロカ
ルピンの生産は、目下のところ主として、野生のピロカ
ルプス(Pilocarpus)の葉からの抽出によっ
て行われている。実際のところ、化学的または生化学的
方法によるピロカルピンの生産は困難で骨が折れる方法
である。しかしながら、ピロカルプスの栽培は長期に渡
り、困難で、目下のところあまり行われていない。実
際、ピロカルプスの種は非常に短期間しか発芽力を保持
できず、苗木の生長は極めて遅い。
【0003】米国特許第5059531号明細書はピロ
カルプス植物の無性増殖方法を開示している。この方法
においては、未分化のピロカルプス細胞の懸濁液を、細
胞の芽(buds)(または葉)へのインビトロ分化を
誘導する、ホルモン処理に付す。これらの芽は、つい
で、根の形成を誘導するホルモン処理に付す。かくして
得られる苗木は、ついで葉を収穫するために、ほ場で栽
培することができる。この方法は多数の同じピロカルプ
ス苗木を速やかに取得することを可能にするが、ほ場栽
培に伴う不利益を解決していない。
【0004】上記米国特許は、誘導した芽から直接ピロ
カルピンを抽出する可能性についても述べている。しか
しながら、この芽のインビトロ培養(cultivat
ion)は不利益を有している。まず第一に、芽は未分
化細胞のような増殖能を有しておらず、培養バイオマス
は芽の伸長によってのみ増大する。したがって、培養は
時間を要し、また容量に制限がある。第二に、芽の中の
ピロカルピン濃度は植物中に存在するピロカルピン濃度
に比べて1/10であり、したがって、精製することが
できるピロカルピンも限られる。
【0005】本発明者らは先行技術の不利益を克服する
ことを目的として、ここにピロカルピンの容易な生産を
可能にする方法を提供する。この目的のために、ピロカ
ルプス属の植物の一部から根形成を誘導し、この根をイ
ンビトロで培養培地中で培養し、根および/または培地
からピロカルピンを単離する。
【0006】本発明を実施する第一の方法においては、
ピロカルプスの器官または未分化細胞から、少なくとも
一つのオーキシンおよび一つのサイトカイニンを含有す
る誘導培地中で、根形成を誘導し、得られる根をインビ
トロで培養培地中で培養し、ついで得られる根および/
または培地からピロカルピンを単離する。同様に、本発
明を実施する第二の方法においては、ピロカルプスの器
官から、アグロバクテリウム・リゾゲネスを用いて、根
形成を誘導し、得られる根をインビトロで培養培地中で
培養し、ついで得られる根および/または培地からピロ
カルピンを単離する。
【0007】本明細書において、「植物の一部」という
表現はピロカルプスの未分化細胞または器官を意味する
ものとして用いられる。「未分化細胞」という表現は、
ある条件下でカルスまたは細胞懸濁液の形態で増殖する
能力を有するとともに、ついで、ある条件下で、例えば
芽、根等の植物器官に組織化され得る一以上の細胞型に
分化する能力を有する細胞の意味で用いられる。同様
に、「カルス」なる語は固体栄養培地上での培養物中の
未分化植物細胞の肉眼で見える塊を意味する。最後に、
「細胞懸濁液」という表現は、液体栄養培地中で培養し
た場合に、顕微鏡的な塊を生成することができる未分化
植物細胞を意味するものとして理解される。
【0008】ピロカルプスの根のインビトロ培養は、ピ
ロカルピンの単離の観点から、伝統的な方法に比べて、
実質的利益を有する。実際、ピロカルプスの根は長さに
おいて増大すると共に増殖する生来の能力を有している
ので、ピロカルプスの根の培養は容積において制限され
ず、そのうえ、芽の培養に比べより急速である。さら
に、根中のピロカルピンの濃度は原植物の葉に存在する
ピロカルピンの濃度と同等なので、根はピロカルピンの
重要なソースとなる。最後に、培養培地は、根から放出
される少なからぬ量のピロカルピンを含有しており、こ
のピロカルピンも精製することができる。
【0009】本発明を実施する第一の方法を行うには、
ピロカルプスの器官または未分化細胞から、少なくとも
一つのオーキシンと一つのサイトカイニンとを含有する
誘導培地中で、根形成を誘導する。本発明によれば、ピ
ロカルプスのすべての種を根培養のための器官または細
胞のソースとして用いることができる。例えば、種ピロ
カルプス・ペナティフォリウス(Pilocarpus
pennatifolius)、ピロカルプス・ヘテ
ロフィラス(P.heterophyllus)、ピロ
カルプス・ミクロフィラス(P.microphyll
us)およびピロカルプス・ジャボランディ(P.ja
borandi)を用いることができる。
【0010】本発明を実施する第一の好ましい方法にお
いて、ピロカルプスの器官から、植物ホルモンの助けを
借りて、根培養物を誘導することができる。この器官
は、苗木または十分生長した木からの、葉の断片、根、
茎または花の一部であることができる。この方法のため
に、長さ0.5〜10cmの器官を公知の方法で殺菌
し、発根誘導ホルモンを含有する固体誘導培地に、18
〜34℃、好ましくは24℃で入れ、標準的手法にした
がって、明るみの中でまたは暗黒下に、好ましくは暗黒
下に、数週間培養する。培養の最初のほうの週から器官
上に一以上のカルスが形成され、そこから根が増殖して
くる。これらの根は植物の根と同じ根構造を有してい
る。
【0011】ホルモンを含有する誘導培地は,植物細胞
のインビトロ培養において通常採用される基礎培地であ
ることができる。好ましくは、SKOOGまたはLIN
SMAYERビタミンを添加したMURASHIGEお
よびSKOOG培地を用いる(Physiol. Pl
ant., 1962, vol. 15, p.47
3; Physiol. Plant., 1965,
vol. 18,p.100)。培地の成分の濃度は
本発明方法に影響を与えること無く、ある範囲で変化さ
せることができ、特に糖質(サッカロース、グルコー
ス)の濃度は1〜120g/l、好ましくは10〜60
g/lの間で変化させることができる。マクロ要素の濃
度も1/2まで減じることができる(The conc
entration of macro−elemen
ts can also bereduced by
a factor of 2)。培地のpH値は4〜8
まで変化させることができ、殺菌前の培地のpHである
約5.6のpHを用いるのが好ましい。
【0012】好ましくは、誘導培地中、オーキシンは
0.1〜10mg/l、例えば1mg/lの濃度で、サ
イトカイニンは0.01〜2mg/l、例えば0.1m
g/lの濃度で用いる。さらに、オーキシンは以下の分
子から選ぶことができる:α−ナフタレン酢酸(NA
A)、βーインドール酪酸(IBA)、2,4−ジクロ
ロフェノキシ酢酸(2,4−D)、βーインドール酢酸
(IAA)等。さらに、サイトカイニンは以下の分子か
ら選ぶことができる:カイネチン(KIN)、ベンジル
アミノプリン(BAP)、イソペンテニルアデノシン
(IPA)等。
【0013】誘導培地中での少なくとも一つのオーキシ
ンと一つのサイトカイニンの存在により、少しの週、一
般に2〜5週の終りにカルスが生成し、6週の終りに根
が増殖する。カルスはまたそれ自身として培養すること
も可能である。この目的のためには、誘導培養の最初の
5週に得られたカルスを、植物細胞のインビトロ培養に
通常用いられる半固体栄養培地上に置く。カルスはつい
で新鮮培地上に逐次移植することにより、何年もの間保
存することができる。カルスはまた攪拌した伝統的な液
体培養培地中に移植することも可能である。この場合に
は未分化細胞の懸濁液が得られる。
【0014】本発明を実施する第一の方法において、根
形成は未分化ピロカルプス細胞から、植物ホルモンを用
いて、誘導することもできる。カルスまたは細胞懸濁液
であることができるこれらの未分化細胞は、上述したよ
うな誘導発根処理に付すことができる。この目的のため
には、上述した誘導培地についてと同様な、MURAS
HIGEおよびSKOOG培地およびホルモンバランス
を用いることができる。好ましくは、半固体誘導培地は
カルスのために用い、液体誘導培地は細胞懸濁液のため
に用いる。かくしてカルスまたは懸濁液中の未分化細胞
から根の増殖物が得られる。
【0015】本発明を実施する第一の方法によって得ら
れた根はついでインビトロで伝統的な培養培地で、例え
ば半固体または液体MURASHIGEおよびSKOO
G培地で、好ましくは攪拌した液体培地で培養する。根
がカルスまたは器官から得られた場合には、根、すなわ
ちカルスまたは器官から分離された根のみを培養するこ
ともできるし、根をそのままカルスまたは器官と共に培
養することもできる。特に、培養培地のホルモンバラン
スは発根誘導培地に用いられるホルモンバランスと異な
っていても良い。この培養に際しては、少なくとも一つ
のオーキシンを0.1〜10mg/lの濃度で用いる
か、または少なくとも一つのオーキシンと一つのサイト
カイニンとをそれぞれ0.1〜10mg/lおよび0.
01〜2mg/lの濃度で用いることができる。かくし
て、根の増殖と伸長によってバイオマスが増大した根培
養物が得られる。
【0016】本発明を実施する第二の方法においては、
根形成は、ピロカルプス器官から、アグロバクテリウム
・リゾゲネスを用いて誘導される。特に、根形成を誘導
するために、器官をアグロバクテリウム・リゾゲネス
Agrobacteriumrhyzogenes
の懸濁液中で30分から24時間培養し、ついで誘導さ
れた器官を栄養培地で根が発生するまで培養することが
できる。細菌懸濁液は、例えば伝統的な少なくとも20
時間熟成したアグロバクテリウム・リゾゲネス培養物で
あることができる。さらに、培養後、細菌を抗生物質の
力によって殺すことができる。
【0017】特に、ピロカルプス器官は幼若器官、すな
わち形成されつつあるまたは形成されたばかりの植物器
官、例えば芽(a bud)、若葉、若い根または胚で
あることができる。幼若器官として好ましくは、芽の先
端(an apical bud)、接合胚(a zy
gotic embryo)、またはカルスからの分化
器官(例えば、植物ホルモンを用いる伝統的な処理によ
って分化した芽または体性胚(somatic emb
ryo))が用いられる。
【0018】さらに、栄養培地は植物細胞のインビトロ
培養に通常使用される基礎培地であることができる。好
ましくは、SKOOGまたはLINSMAYERビタミ
ンを添加した半固体MURASHIGEおよびSKOO
G培地を用いる。
【0019】誘導された器官のある一定の細胞はアグロ
バクテリウム・リゾゲネスによって形質転換され(be
trnsformed)、オーキシンをそれ自身の性
質として生産できるようになる。したがって、顕著な程
度に生成する根形成点(root points)の数
を、それによって、減少させることなく、植物ホルモン
を含有しない栄養培地中で、器官を培養することができ
る。しかしながら、根発生まで器官の生残を助けるため
に、栄養培地に少なくとも一つのオーキシンを加えるの
が好ましい。オーキシン濃度としては、例えば器官のイ
ンビトロ培養に通常使用されるようなオーキシン濃度を
用いることができる。同様に、例えば補足的な根発生を
誘導する濃度になるように、栄養培地に少なくとも一つ
のオーキシンと一つのサイトカイニンとを加えることが
できる。
【0020】ついで形質転換されたピロカルプスの根
が、約4〜10週の終りに、誘導された器官から発生し
始める。「毛むくじゃらの(hairy)根」タイプの
根が得られ、このものは植物ホルモンを含有しない培養
培地に移植することができる。この培養培地は植物細胞
のインビトロ培養に通常使用される基礎培地であること
ができる。好ましくは、SKOOGまたはLINSMA
YERビタミンを添加したMURASHIGEおよびS
KOOG液体培地を用いる。最後に、根が培養培地中で
生長するのを助けるために、培養培地に少なくとも一つ
のオーキシンを加えるか、または、例えば補足的な根発
生を誘導するような濃度に、少なくとも一つのオーキシ
ンと少なくとも一つのサイトカイニンとを培養培地に加
えることができる。
【0021】最後に、本発明方法においては、ピロカル
プスの根の培養物から、根および/または培養培地を用
いて、ピロカルピンを抽出することができる。この培養
物は上述した二つの発根誘導方法の一つを用いて得るこ
とができる。好ましくは、ピロカルピン抽出前に、根お
よび/または培養培地を濃縮し、乾燥しまたは凍結乾燥
する。伝統的な精製方法をこの抽出のために用いること
ができる。かくして、原植物の葉に見出だされるのと同
程度の、乾燥バイオマス当たりのピロカルピン量を得る
ことができる。例えば、ピロカルプス・ペナティフォリ
ウスについては、乾燥バイオマス1g当たり300〜5
00μgのピロカルピン、すなわち乾燥バイオマス1k
g当たり300〜500mgのピロカルピンが得られ
る。
【0022】本発明によって生産されるピロカルピンは
伝統的な方法によって葉から単離されるピロカルピンと
同じである。このものはついで特に緑内障の治療に適用
される医薬特製品に用いることができる。ピロカルピン
は、下記に示す方法によって、精製し、より詳細に分析
することができる。以下においてパーセントは容量パー
セントを表す。
【0023】精製方法 根培養物から生合成したピロカルピンは以下の方法で抽
出する。根(または根を生ずるカルス)および/または
培養培地は、伝統的方法によって、乾燥しまたは濃縮す
る。根および/または培養培地を粉砕し、全体を、撹拌
下またはパーコレーション下、酸を1−10%の濃度で
添加した、水−アルコール混合物、好ましくは95°エ
チルアルコールで抽出する。好ましくは、塩酸をアルコ
ール99:酸1の割合で用いる。
【0024】固体を濾去し、同じ溶媒で濯ぐ。ある量の
水、好ましくは(アルコール容量に基づいて)30%の
水を濾液に加える。アルコールを真空(80mbrおよ
び50℃で)下で蒸発させる。濃縮された水相をもう一
度濾過して水不溶物を除去する。
【0025】ついで濾液を、希釈したまたは希釈してい
ない強塩基または弱酸と強塩基との塩であることができ
るアルカリ剤でアルカリ性にして5.5と9.5の間の
pH値にする。ついでアルカロイドを水と混合しない溶
媒、好ましくは塩素化溶媒、特にクロロホルムまたは塩
化メチレンの助けで抽出する。アルカリ性の水相を、す
べてのアルカロイドが除去されるまで、例えば3回引き
続いての抽出で、抽出する。
【0026】有機相を合し、脱水剤、好ましくは硫酸ナ
トリウムで乾燥する。有機溶媒を蒸発してアルカロイド
エキスを得る。このエキス中の主アルカロイドはピロカ
ルピンであり、このピロカルピンは無機酸または有機酸
の塩の形態で結晶化することができる。
【0027】定性分析 アルカロイドエキスは以下の溶出剤による一次元または
二次元溶出を用いるシリカゲル(Merck 60F2
54, Ref.5715)上の薄層クロマトグラフィ
ーによって定性的に分析する: 溶出剤1:CHCl3 (90%)−MeOH(10%) 溶出剤2:酢酸エチル(50%)、メチルエチルケトン
(30%)、ギ酸(10%)、水(10%) このアルカロイドはDRAGENDORFF試薬で同定
される(be revealed)。
【0028】定量分析 精製ピロカルピンを含有するアルカロイドエキスは、N
OVAPAK C18(Ref 86344、WATE
RS)を用いる高速液体クロマトグラフィーによって、
以下のようにして、定量的に分析する:燐酸塩対アセト
ニトリル溶媒比が1:1〜1:5に変り得る燐酸塩/ア
セトニトリルバッファー混合物により、勾配をかけずに
溶出
【0029】別の化合物は220nmでのUV吸収によ
ってまたは屈折率測定によって検出される。分析は外部
(external)硝酸ピロカルピン標準(stan
dard)を用いてまたは内部過塩素酸ルパニン標準を
用いて行う。
【0030】
【実施例】以下の実施例は本ピロカルピン生産方法の例
示として示すものである。実施例1 温室で栽培したピロカルプス・ペナティフォリウス・レ
ム(Lem)からの葉の断片から根を得る。殺菌後、こ
の植物材料を1cm2 の断片に切り刻み、NAA 1m
g/lおよびKIN 0.1mg/lを含有する(SK
OOGビタミンをあらかじめ添加した)半固体MURA
SHIGEおよびSKOOG寒天栄養培地上に置く。殺
菌したペトリ皿(直径:55mmまたは100mm)
中、暗黒下24℃で培養を行う。4〜6週間の培養後、
培養器官上に生成したカルスから最初の根が現れる。少
なくとも6週間後、得られた根を葉断片またはカルスか
ら分離し、上記半固体MURASHIGEおよびSKO
OG培地に移し、その後同じ培地に定期的に移植する。
【0031】実施例2 実施例1に述べた植物材料を、NAA 1mg/lおよ
びBAP 0.1mg/lを含有する(LINSMAY
ERビタミンをあらかじめ添加し、マクロ要素(mac
ro−elements)の濃度を実施例1の培地に比
べて二つに分けた)半固体MURASHIGEおよびS
KOOG栄養培地上に置く。6週間後、根およびカルス
を直接上記培地にに移し、その後同じ培地に定期的に移
植する。
【0032】実施例3 ピロカルプス・ヘテロフィラスのカルスを用い、標準培
養培地に6年間移植する。これらのカルスをNAA 1
0mg/lおよびKIN 1mg/lを含有する基本M
URASHIGEおよびSKOOG培地上に移植する。
ついで、これらのカルスをNAA 1mg/lおよびK
IN 0.06mg/lを含有する同じ基礎培地に移
す。2〜3週の終りに根の発生が観察される。
【0033】実施例4 LINSMAYERビタミンを添加した、NAA 1m
g/lおよびBAP0.1mg/lを含有する(寒天不
含有)MURASHIGEおよびSKOOG液体培地に
実施例1で得られた根を移植する。このため、根を6週
間ごとに、培地1L当たり新鮮バイオマス20gの接種
割合で(根の世代時期は6週間である)移植する。根を
250mlエルレンマイヤーフラスコ(培地100m
l)中、暗黒下、100rpmでの攪拌下、24℃で培
養する。根は伸長および分枝によって生長する。(原外
植体から分離されていない)実施例2の根も、上記と同
様にして、移植し、培養する。かくして、本質的に同じ
生長特性を有する二つの根培養物を得る。
【0034】実施例5 実施例3に記載したようなピロカルプス・ヘテロフィラ
スのカルスを2,4−D(0.5mg/l)およびKI
N(0.03mg/l)を添加したMURASHIGE
およびSKOOG基本培地に移す。6週間後、器官形成
性となったカルスから体性の胚および芽が発生する。こ
れらのカルスを24時間熟成したアグロバクテリウム・
リゾゲネスの細菌懸濁液中で3時間培養する。用いた細
菌株は野性Riプラスミドおよび二元性(binar
y)p35S−GUS−INTプラスミド(G.Van
canneyt et al., Mol. Gen.
Genet.,1990,245−250)を含有す
る病原性A4株であり、MYA培地(M.TEPFER
et al., Microbiol. Sci.,
1987, 24−28)上で培養する。
【0035】p35S−GUS−INT二元性プラスミ
ドはGUSリポーター(reporter)遺伝子およ
びNPTII選択(selection)遺伝子を含有
する。GUS遺伝子をコード化する相におけるPIV2
イントロンの存在により、残余細菌によるGUS遺伝子
の起こり得る発現を回避できる。
【0036】培養後、器官形成性カルスを、2,4−D
(0.5mg/l)およびKIN(0.03mg/l)
を添加したMURASHIGEおよびSKOOG栄養培
地に移す。2週目の終りに、植物材料のサンプルを、
R.A.Jeffersonプロトコル(Plant
Molecular Giology Reporte
r, Vol.5, no.4, 1987, 387
−405)に従う組織化学的βーグルコロニダーゼ(β
ーglucoronidase)活性試験に付す。観察
される青の着色はGUS遺伝子の発現を表す。さらに、
PCRおよびサザンブロット(J.Spiral et
al., in ASIC, 15thcolloq
uim, Montpellier, 1993)によ
る伝統的分析によって、GUS遺伝子が植物細胞ゲノム
に組み込まれていることが分かる。
【0037】4週目の終りに、カルスから分化した器官
から根が発生する。これらの器官およびこれらの根を、
ついで、植物ホルモンを含有しない液体MURASHI
GEおよびSKOOG培養に移す。ついで形質転換され
た根の連続的発生を観察する。
【0038】実施例6 実施例5に記述したようなアグロバクテリウム・リゾゲ
ネスの懸濁液中でインキュベートした器官形成性カルス
を、2,4−D 0.5mg/lを添加したMURAS
HIGEおよびSKOOG栄養培地に移す。5週目の終
りに、器官から根が発生する。根のみを、NAA 1m
g/lを含有するURASHIGEおよびSKOOG培
養培地に移す。ついで形質転換された根の連続的発生を
観察する。
【0039】実施例7 実施例5に記述したようなアグロバクテリウム・リゾゲ
ネスの懸濁液中でインキュベートした器官形成性カルス
を、植物ホルモンを含有しないMURASHIGEおよ
びSKOOG栄養培地に移す。5週目の終りに、器官か
ら根が発生する。根のみを、NAA 1mg/lおよび
KIN 0.1mg/lを含有するURASHIGEお
よびSKOOG液体培養培地に移す。ついで形質転換さ
れた根の連続的発生を観察する。
【0040】実施例8 実施例1に記述したような根培養物を、接種濃度20g
/lで、翼攪拌機を備えた10Lバイオリアクター(N
BS、フランス)に入れる。根培養および増殖のための
条件はエルレンマイヤーフラスコで観察された条件と同
一である(攪拌:100rpm、通気:0.5v/v/
min)。
【0041】実施例9 上述した精製方法によって、実施例1〜8に記載したよ
うな根培養物からピロカルピンを抽出できる。これらの
培養物から得られるピロカルピンの、上述した定量方法
によって測定した量は、乾燥物について300〜500
μg/gの程度である。これらの量は原植物の葉に見出
だされる量と同等である。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、従来法に比し、容易か
つ短期間に、ピロカルプス属の植物の一部からピロカル
ピンを取得することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07D 405/06 233 (C12P 17/16 C12R 1:91)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピロカルプス属の植物の一部から根形成
    を誘導し、得られる根をインビトロで培養培地中で培養
    し、ついで得られる根および/または培地からピロカル
    ピンを単離することを特徴とする、ピロカルピン生産方
    法。
  2. 【請求項2】 ピロカルプスの器官または未分化細胞か
    ら、少なくとも一つのオーキシンおよび一つのサイトカ
    イニンを含有する誘導培地中で、根形成を誘導し、得ら
    れる根をインビトロで培養培地中で培養し、ついで得ら
    れる根および/または培地からピロカルピンを単離する
    ことを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 誘導培地がオーキシンを0.1〜10m
    g/lの濃度で、およびサイトカイニンを0.01〜2
    mg/lの濃度で含有する請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 培養培地が、少なくとも一つのオーキシ
    ンを0.1〜10mg/lの濃度で含有するか、または
    少なくとも一つのオーキシンを0.1〜10mg/lの
    濃度で含有するとともにサイトカイニンを0.01〜2
    mg/lの濃度で含有する請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 器官が苗木または成熟木の葉の断片、
    根、または茎もしくは花の一部であり、未分化細胞がカ
    ルスまたは細胞懸濁液である請求項2記載の方法。
  6. 【請求項6】 ピロカルプスの器官から、インビトロで
    のアグロバクテリウム・リゾゲネスの助力の下に、根形
    成を誘導し、得られる根を培養培地中で培養し、ついで
    得られる根および/または培地からピロカルピンを単離
    することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 根形成を誘導するために、器官をまずア
    グロバクテリウム・リゾゲネスの懸濁液で30分〜24
    時間培養し、誘導された器官をついで栄養培地中で、根
    が発生するまで、培養することを特徴とする、請求項6
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 栄養培地が植物ホルモンを含有しない
    か、少なくとも一つのオーキシンを含有するか、または
    少なくとも一つのオーキシンと一つのサイトカイニンと
    を含有する請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 栄養培地が植物ホルモンを含有しない
    か、少なくとも一つのオーキシンを含有するか、または
    少なくとも一つのオーキシンと一つのサイトカイニンと
    を含有する請求項6記載の方法。
  10. 【請求項10】 ピロカルプス器官が幼若器官である請
    求項6記載の方法。
  11. 【請求項11】 幼若器官が芽の先端部、体性の胚、お
    よびカルスから分化した器官よりなる群から選ばれる請
    求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 誘導および/または栄養および/また
    は培養培地が、それぞれ、SKOOGまたはLINSM
    AYERビタミンを添加したMURASHIGEおよび
    SKOOG培地である請求項2、6および7の一つに記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 根を液体培養培地で培養する請求項1
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 ピロカルプスの根がピロカルプス・ペ
    ナティフォリウスの根、ピロカルプス・ヘテロフィラス
    の根、ピロカルプス・ミクロフィラスの根またはピロカ
    ルプス・ジャボランディの根である請求項1記載の方
    法。
JP7061129A 1994-03-21 1995-03-20 ピロカルピン生産方法 Withdrawn JPH07258102A (ja)

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KR (1) KR100214734B1 (ja)
AT (1) ATE182365T1 (ja)
AU (1) AU700033B2 (ja)
BR (1) BR9501136A (ja)
CA (1) CA2144898A1 (ja)
DE (1) DE69419592T2 (ja)
DK (1) DK0674007T3 (ja)
ES (1) ES2134280T3 (ja)
FI (1) FI951285A (ja)
GR (1) GR3031236T3 (ja)
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AU1364895A (en) 1995-09-28
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DE69419592T2 (de) 1999-11-18
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ZA951889B (en) 1995-12-11
AU700033B2 (en) 1998-12-17
FI951285A0 (fi) 1995-03-20
FI951285A (fi) 1996-09-22
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