JPH07257972A - 本質的にα型炭化ケイ素製のセラミック材料とその製造方法 - Google Patents

本質的にα型炭化ケイ素製のセラミック材料とその製造方法

Info

Publication number
JPH07257972A
JPH07257972A JP7010993A JP1099395A JPH07257972A JP H07257972 A JPH07257972 A JP H07257972A JP 7010993 A JP7010993 A JP 7010993A JP 1099395 A JP1099395 A JP 1099395A JP H07257972 A JPH07257972 A JP H07257972A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
boron
content
ceramic material
sintered
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7010993A
Other languages
English (en)
Inventor
Michel Bougoin
ミシェル・ブグワン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ceramiques et Composites SA
Original Assignee
Ceramiques et Composites SA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ceramiques et Composites SA filed Critical Ceramiques et Composites SA
Publication of JPH07257972A publication Critical patent/JPH07257972A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B35/00Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products
    • C04B35/515Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics
    • C04B35/56Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides
    • C04B35/565Shaped ceramic products characterised by their composition; Ceramics compositions; Processing powders of inorganic compounds preparatory to the manufacturing of ceramic products based on non-oxide ceramics based on carbides or oxycarbides based on silicon carbide

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 等軸構造の本質的にα型の多結晶「黒色」炭
化ケイ素から、下記工程によって、自然焼結によりセラ
ミック材料を製造する。(a) (1) 平均粒度3μm以下、
Al含有量 400〜2000 ppmの本質的にα-SiCからなる反応
性粉末と、(2) 混合物に対して 0.1〜3重量%の遊離炭
素含有量に相当する量の炭素を含有する添加剤と、(3)
場合により少量のホウ素との均質混合物を形成し、(b)
この混合物を成形し、(c) 得られた成形体を、炭化ケイ
素に対して不活性な雰囲気中または真空中、約2000〜23
00℃の温度で、多結晶セラミック材料が得られるまで焼
結し、(d) 焼結体を回収する。 【効果】 より高純度の「緑色」SiC 粉末に比べて、少
ないホウ素添加量またはホウ素無添加で、より高強度・
高密度で、より微細なミクロ構造を持つ焼結体が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、等軸構造の本質的にα
型の多結晶炭化ケイ素から、 (常圧での) 自然焼結によ
りセラミック材料を製造する方法と、特にこの方法によ
り得られるセラミック材料に関する。
【0002】
【従来の技術】高密度の焼結炭化ケイ素の高温挙動が優
れていることは周知である。この焼結材料は、温度変化
や酸化に対する耐性が高いと同時に膨張率が小さく、熱
伝導率と弾性率が高く、耐酸性と耐塩基性に優れ、耐摩
耗性が良好で、SiC/SiC 間またはSiC/炭素質材料間の摩
擦係数が低く、硬度が高い、という特徴を有する。これ
らの全特性があいまって、焼結炭化ケイ素は、高温ガス
タービン、機械式パッキングやスラスト軸受用の摩擦リ
ング、軸受、熱交換部品、および防弾具といった技術分
野での利用に適切な材料となっている。
【0003】炭化ケイ素の理論密度は3.21 g/cm3であ
る。上記用途の大部分では、高温機械特性の最適化と材
料の漏れ防止が要求され、それには焼結炭化ケイ素の密
度が約3.05 g/cm3 (即ち、理論密度の95%) 以上、好ま
しくは3.10 g/cm3 (即ち、理論密度の96.6%) 以上であ
ることが望まれる。
【0004】焼結原料として用いる炭化ケイ素は、炉内
でケイ砂とコークスとの混合物に直接通電して強熱する
アチソン法により工業的に製造される。この方法で炉内
に生成するのは、円筒層状のSiC 生成物である。内層
は、金属不純物、特にAlの含有量が非常に低い、高純度
の炭化ケイ素 (その色から「緑色」炭化ケイ素とも呼ば
れる) からなる。この「緑色」炭化ケイ素とは対照的
に、炉内で生成したSiC ロールの外層として存在する
「黒色」炭化ケイ素は、不純で、Al含有量が高く (約0.
04%〜0.2 %= 400〜2000 ppm) 、Fe含有量が300 ppm
以下、他の金属不純物含有量が500 ppm 以下という特徴
を有する。
【0005】例えば、米国特許第3,836,673 号などに見
られるように、特にホウ素または炭素源物質の存在下で
加圧下に炭化ケイ素を焼結して焼結材料を得ることが過
去の文献に記載されているが、炭化ケイ素焼結材料の製
造は、現在では常圧で (即ち、自然焼結により) 行われ
ている。
【0006】自然焼結を開示した文献として、米国特許
第4,346,049 号には、 比表面積が約1〜100 m2/gの本質的にα型の「緑色」
炭化ケイ素 (Al含有量約0.02%以下) 約91〜99.85 重量
部 (但し、これは焼結作業を妨害する恐れのある異物を
除去するために酸 (弗酸、硝酸) で予備処理されてい
る) 、 炭素含有量が33%以上の炭素源物質約0.67〜20重量
部、 約0.15〜3重量部のホウ素を含んでいるホウ素源物質
約0.15〜5重量部、 ポリビニルアルコールなどの一時的結合剤約5〜15重
量部、 を含有する混合物を、密度が約2.4 g/cm3 以上の焼結体
を得るように、焼結温度、特に約1900℃〜2500℃の範囲
の温度に加熱することからなる、理論密度の少なくとも
75%を示すセラミックスを製造するための炭化ケイ素の
自然焼結法が記載されている。
【0007】この方法で得られた焼結材料は、ホウ素含
有量が0.15〜3%であり、炭化ケイ素密度は最高で3.09
g/cm3、即ち、理論密度の96%に達する。
【0008】ホウ素が焼結体の緻密化に有効であること
はよく知られている。しかし、ホウ素は1350℃より高温
での耐酸化性を低下させる。さらに、ホウ素の添加は、
焼結プロセスの操業コスト、従って、製品である焼結材
料の価格、をかなり押し上げる大きなコスト要因とな
る。
【0009】好ましくはα型の微粉状炭化ケイ素の別の
自然焼結法が米国特許第4,230,497号 (欧州特許 EP-B-
4,031 に対応) に提案されている。この方法は、粒径3
μm以下の本質的にα型の微粉状炭化ケイ素を、存在す
る炭化ケイ素の重量に対して0.3〜3重量%の遊離Al含
有量に相当する量のアルミニウムを含む添加剤と一緒
に、かつ存在する炭化ケイ素の重量に対して 0.2〜3重
量%の遊離炭素含有量に相当する量の炭素を含む添加剤
(無定形炭素か、または約1000℃以下の温度で無定形炭
素を生成しながらコークスを生成することができる物質
のいずれか) の存在下で、冷間圧縮成形し、この成形物
を2000〜2300℃の温度で焼結することを特徴とする。
【0010】この米国特許には、アルミニウムの添加
を、ドープした炭化ケイ素の形態で行ってもよいことが
記載されている。しかし、この米国特許には、Al含有量
が0.3重量%未満では、炭化ケイ素の十分な高密度化
(緻密化) を得るのに実際上は効果がないことも指摘さ
れている。また、原料の炭化ケイ素をアチソン法で得た
ロール状の炭化ケイ素の内部領域から抜き出したこと
(即ち、「緑色」炭化ケイ素を使用) 、およびこれを予
め酸で予備処理したことも明記されている。
【0011】この方法で得た多結晶成形物は、密度が炭
化ケイ素の理論密度の少なくとも97%、Al含有量が 0.2〜
2.0 重量% (=2000〜20,000 ppm) 、粒度が10μm以下
である。
【0012】しかし、アルミニウム系添加剤の添加は多
くの弊害をもたらす。アルミニウムは水との反応性が高
いため、実施に当たって適用する方法が有機溶媒中での
方法に制限され、余分なコストと毒性、汚染、爆発危険
性の問題を伴う。このような問題は、アルミニウム系添
加剤が金属アルミニウム、または窒化アルミニウムや炭
化アルミニウムなどのアルミニウム化合物である場合に
あてはまる。
【0013】その後、焼結材料の特性を同じに保持しな
がら、ホウ素の添加量を減らす多くの試みがなされてき
た。
【0014】例えば、特開昭60−186467号公報には、ホ
ウ素量の低減のために比表面の高い炭化ホウ素を使用す
ることが提案されている。特開昭60−246263号公報に
は、ポリフェニルホウ素の使用が記載されている。しか
し、これらの方法で得た焼結炭化ケイ素の機械的特性は
なお不十分である。
【0015】また、米国特許第4,853,299 号には、多結
晶体中のホウ素量を低減させることが可能な炭化ケイ素
の自然焼結法が記載されている。この方法では、炭化ケ
イ素、炭化ケイ素の重量に対して0.05〜1重量%のホウ
素、および炭化ケイ素中の酸素量の1〜3倍の炭素を含
む含炭素添加剤の混合物を成形し、次にこの混合物を焼
結温度まで加熱し、炭化ケイ素粉末を覆っている酸化皮
膜が炭素により (酸素の還元によって) 除去されるまで
成形体を焼結温度より低温に保持した後、酸素を放出さ
せる焼結作業を行う。
【0016】実施例によると、得られたセラミック材料
のホウ素含有量は0.04〜0.14%である。この方法でも完
全に満足できる焼結は得られない。しかも、この方法は
ホウ素源としてカルボランを使用することが必要であ
り、炭化ホウ素 (B4C)または金属ホウ素の使用はできな
い。しかし、カルボランは (ホウ素または炭化ホウ素と
は異なり) 工業的に製造されておらず、また水とは混和
しないどころか、相溶性が全くないため、有機溶剤法に
従って反応を行う必要がある。
【0017】また、含炭素添加剤として無定形炭素を添
加するのは、フェノール樹脂の使用と比べて望ましくな
い影響がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した問題点を解消し、特に焼結により得られたセラミッ
ク材料中のホウ素含有量をかなり低減させることができ
る、焼結炭化ケイ素からなるセラミック材料の製造方法
を提供することである。
【0019】本発明の別の目的は、安価な粗製の原料を
使用することができ、さらにはコストがかかり、環境汚
染の恐れがある或る種の化学処理を省略することが可能
な、上記セラミック材料の製造方法を提供することであ
る。
【0020】本発明の別の目的は、特に金属ホウ素また
は炭化ホウ素を使用することができる、上記セラミック
材料の製造方法を提供することである。
【0021】本発明の別の目的は、非常に低いホウ素含
有量でより高密度を示すセラミック材料を製造する方法
を提供することである。
【0022】本発明のさらなる目的は、 (等軸構造の)
より均等かつ微細なミクロ構造を示す新規なセラミック
材料を提供することである。「等軸」(equiaxial) とい
う用語は、粒子(結晶粒)の最大寸法と最小寸法の比が
4:1よりも小さいミクロ構造 (微細組織) を意味す
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】発明者は、特にアチソン
法で得られる「黒色」炭化ケイ素を使用することによ
り、上記の1または2以上の目的を達成することができ
ることを見出した。
【0024】本質的にα型の多結晶炭化ケイ素からセラ
ミック材料を製造する本発明の方法は、下記(a) 〜(c)
の工程からなる。
【0025】(a) 下記(1) と(2) との均質混合物を形成
し、(1) 平均粒度が3μm以下、 (炭化ケイ素の結晶格
子中に侵入した) アルミニウムの含有量が 400〜2000 p
pmの、本質的にα型の黒色炭化ケイ素からなる反応性粉
末、および(2) 混合物に対して 0.1〜3重量%の遊離炭
素含有量に相当する量の炭素を含有する添加剤、 (b) 前記混合物を成形し、 (c) 得られた成形体を、炭化ケイ素に対して不活性な雰
囲気中または真空中、約2000〜2300℃の温度で、多結晶
セラミック材料が得られるまで焼結し、 (d) 焼結体を回収する。
【0026】「本質的に」という用語は、原料炭化ケイ
素の60%以上、好ましくは90%以上がα型であることを
意味する。
【0027】本発明にかかる方法で原料として使用する
炭化ケイ素は、工業的な炭化ケイ素の製造方法 (アチソ
ン法) において、高純度の炭化ケイ素 (「緑色」SiC )
と、アルミニウムをはじめとするいくつかの金属不純物
を含む、「黒色」と呼ばれる表層の炭化ケイ素とを分離
することによって得られる、いわゆる「黒色」炭化ケイ
素粉末である。アルミニウムは本質的に、炭化ケイ素の
結晶格子内でケイ素原子に置き替わって存在する。
【0028】アチソン法は、高純度のケイ砂と硫黄含有
量の低い石油コークスを原料として、SiO2 + 3C → SiC
+ 2CO の反応を行うものである。この吸熱反応は、数
トン程度の量の反応塊の中心部に芯として挿入した黒鉛
抵抗体に高電流密度の電流を通電することにより開始さ
れ、この通電で反応を維持する。反応は約2400℃で起こ
り、その継続時間は一般に36時間である。この高温のた
めに、α相が本質的に得られる。
【0029】反応後、得られたSiC の色は緑から黒に変
化し、その純度は塊の中心部から端の方にいくに従って
低下する。従って、高純度のSiC が必要な場合には、次
の3種類の品質に分けることができる。 中心部の緑色SiC 、次が 黒色SiC 、次が 黒色SiC と完全には反応しなかった材料との混合物。
【0030】最後のものは、反応中の拡散により、不純
物、特にAl含有量が高い。これは一般にアチソン法の合
成に再循環され、最終的に完全に黒色のSiC が得られ
る。
【0031】この回収された黒色SiC は、常法に従っ
て、粗粉砕、分級、乾式微粉砕、湿式微粉砕、乾燥とい
う多くの工程で順次処理される。場合によっては、不純
物含有量の低減のために化学的溶出処理を行う。例え
ば、Feの含有量 (不純物の鉄は微粉砕工程または原料コ
ークスに由来しうる) は塩酸による溶出で、シリカ含有
量はHF、KOH またはNaOHの溶液による溶出で、さらに遊
離Siの含有量はKOH またはNaOHの溶液による溶出で低減
することができる。遊離炭素は酸化の抑制により部分的
に除去できる。
【0032】微粉砕後に分級して適当な粒度とすること
により、必要な粒度のSiC 粉末が得られる。
【0033】この粒度は、その粉末を構成する一次粒子
の粒度分布を表す尺度であり、粒子によるレーザービー
ムの散乱 (レーザー粒子分析器) か、または懸濁液中で
の粒子の沈降速度の測定、に基づく粒度分析器によって
求められる。比表面積は、粉末の反応性を表す尺度であ
り、B.E.T.法によって測定される。
【0034】比表面積が5〜50 m2/g 、好ましくは10〜
20 m2/g のSiC 粉末が、本発明方法で使用するのに特に
好適である。このような粉末はサブミクロン粒度であ
り、好ましくは平均粒度が 0.5〜1μmの範囲内であ
る。
【0035】本発明で使用できるα−炭化ケイ素は、Al
含有量が 400〜2000 ppmのものである。この炭化ケイ素
粉末はまた、下記の特性を一般に示す: ・平均粒度≦3.0 μm、好ましくは≦1.0 μm、 ・比表面積5〜50 m2/g 、好ましくは10〜20 m2/g 、 ・遊離Si<500 ppm ・遊離C<1% ・O<1% ・Fe<300 ppm ・他の金属不純物<500 ppm 、好ましくは 200〜500 pp
m 。
【0036】炭素含有添加剤は、炭化ケイ素粉末との混
合物に対する遊離炭素量が 0.1〜3重量%となる量で添
加するが、これは、無定形炭素と、炭化により無定形炭
素を生成しうる有機物質のいずれかの形態でよい。有機
炭素前駆体として挙げることのできるのは、フェノール
樹脂、石油タールもしくはコールタールまたは石油、な
らびにポリスチレンといった炭素質ポリマーである。
【0037】これらの前駆物質の中でも、公知のよう
に、 100〜900 ℃の温度範囲で分解して約35〜60%の収
率で無定形炭素を生ずることから、ノボラック型または
レゾール型のフェノール−ホルムアルデヒド縮合生成物
からなるフェノール樹脂を使用するのが有利である。
【0038】無定形炭素を添加することも有利である。
比表面積が100 〜500 m2/g、灰分が0.1 %以下のカーボ
ンブラックを使用することが好ましい。米国特許第4,58
3,299 号では、ホウ素の添加量が0.15%以下では、かか
る添加剤の使用があまり満足できる結果を生じないこと
を指摘している (実施例15) ことから、上記のような炭
素含有添加剤の使用が好ましいことは予想外である。
【0039】上記の混合物の成形は、常法に従って圧縮
成形により、本質的にα型の微粉状炭化ケイ素に適当な
形態を付与することにより行われる。
【0040】成形を容易にするために、常法により、炭
素含有添加剤に一時的結合剤を併用することが有利であ
る。このような一時的結合剤として、ポリビニルアルコ
ール、アクリレート類、または樟脳を挙げることができ
る。このような結合剤の使用量は、一般に炭化ケイ素の
重量に対して1重量%以下の量である。滑剤および可塑
剤を使用することも有利である。滑剤としてはステアリ
ン酸を、可塑剤としてはポリエチレングリコールを使用
することが有利である。
【0041】焼結工程は、黒鉛チューブ製の抵抗炉また
は誘導炉を用いて常法により行われる。焼結すべき物体
の寸法と形状に応じて、上記の焼結温度で約 0.5〜6時
間の加熱時間で、たいていの場合には所望の密度を得る
のに十分である。
【0042】焼結工程は、真空下または不活性雰囲気
下、即ち、炭化ケイ素に対して不活性なガスの存在下、
で行う。温度が1900℃を超える場合には、SiC の部分分
解の危険性を避けるため、不活性雰囲気下での焼結が好
ましい。
【0043】「自然焼結」という用語は、焼結反応を大
気圧下または場合によっては減圧下で行うことを意味す
る。
【0044】本発明方法により得られるセラミック材料
は、密度が3.14 g/cm3、即ち、SiCの理論密度の98%に
達することがある。
【0045】原料の炭化ケイ素粉末中のAl含有量は 450
〜2000 ppmであることが好ましい。この特徴に対応する
「黒色」炭化ケイ素を選択するために、原料となるSiC
粉末中のAl含有量を、AAS(原子吸光分光法) または
ICPによって求めることができる。蛍光X線法もこの
目的に使用できる。
【0046】別の好適態様によれば、本発明方法におけ
る添加剤として、非常に少量のホウ素を添加すると、最
終生成物の機械的特性に影響を及ぼさずに焼結性をかな
り改善することができることが判明した。
【0047】ホウ素含有添加剤の混合物への添加は、混
合物中のホウ素量が0.01〜0.14重量%、好ましくは0.1
%未満となるように行うことが有利である。本発明の範
囲内で使用できるホウ素化合物としては、金属ホウ素、
炭化ホウ素 (B4C)、デカボラン (B10H14) およびカルボ
ラン (B10H12C2) がある。
【0048】ホウ素および炭化ホウ素から選んだホウ素
化合物を使用するのが予想外に好ましい。これにより、
有機溶媒の使用が必要なデカボラン型の化合物に比べ
て、プロセスをかなり単純化することができる。使用す
るホウ素は無定形 (金属) 形態のものである。
【0049】任意成分のホウ素および炭素前駆物質、可
塑剤、滑剤、ならびに結合剤からなる有機添加成分の合
計量は、SiC の重量に対して10重量%以下とする。
【0050】この別の好適態様に従って得られたセラミ
ック材料の密度は、3.18 g/cm3、即ち、SiC の理論密度
の99%に達することがある。
【0051】本発明のさらなる目的は、特に上述した方
法で得られる、α−炭化ケイ素からなるセラミック材料
である。このセラミック材料は、密度が炭化ケイ素の理
論密度の95%以上であり、ホウ素含有量が0.12重量%以
下、有利には0.02〜0.12重量%、好適には0.1 重量%以
下であり、Al含有量が0.04〜0.15重量%、未結合炭素含
有量が0.05〜3.0 重量%であり、かつ下記特性の少なく
とも1つを示す: ・平均粒径<30μm、好ましくは2〜15μm、典型的に
は約5μmの、微細な等軸粒子、 ・ヴィッカース硬度Hv 500>20 GPa、 ・20〜1400℃での3点曲げ破壊強度>400 MPa 、 ・ヤング率> 400 GPa、 ・靱性>3MN M-3/2
【0052】特に予想外にも、ホウ素含有量が約0.06〜
0.1 重量%の本発明にかかるセラミック材料は、ホウ素
含有量が非常に低いにもかかわらず、理論密度の98.4%
以上という高密度を示すことが判明した。
【0053】
【実施例】以下に、本発明の例示を目的とする実施例、
ならびに本発明にかかる方法により得られる利点を例証
するための比較例を示す。なお、部は、特に指定しない
限り重量部である。
【0054】実施例1 ボールミルを用いて、脱イオン水70部中で下記成分を緊
密に混合した: 本質的にα型の炭化ケイ素粉末100 部、 比表面積が400 m2/gのカーボンブラック2部、 滑剤のステアレート 1.5部、 可塑剤のポリエチレングリコール3部、 結合剤のポリビニルアルコール2部。
【0055】原料として使用した炭化ケイ素粉末は、ア
チソン法で得た生成物の外部領域から採取した、等軸構
造の黒色SiC 粉末であり、この粉末の特性は次の通りで
あった: ・平均粒度 0.7μm ・比表面積 12.4 m2/g ・Al含有量 500 ppm・ Fe含有量 50 ppm ・遊離C量 5000 ppm ・遊離SiO2量 5000 ppm ・遊離Si 400 ppm ・他の金属不純物の総量 <500 ppm 。
【0056】こうして得た混合物を乾燥し、スプレー法
により造粒した後、190 MPa での静水圧 (アイソスタチ
ック) プレスによって直径20 mm の円筒状に成形した。
圧縮成形した試料の見かけ密度は1.84 g/cm3であった。
【0057】この成形試料を1気圧の窒素下に600 ℃で
1時間の熱分解処理に付して結合剤を除去した後、この
成形体を黒鉛支持体上に載せて1気圧のアルゴン下、20
50℃で1時間の焼結処理に付した。
【0058】得られた焼結試料の見かけ質量は2.98 g/c
m3、即ち、SiC の理論密度の92.8%であった。この焼結
試料について、ムラカミ法により研磨およびエッチング
した表面を光学顕微鏡で検査したところ、結晶粒の各粒
子の粒度が15μm以下であることが示された。
【0059】実施例2 最初の混合物に炭化ホウ素を800 ppm 、即ち、ホウ素と
して625 ppm 、を添加した以外は実施例1に記載したの
と同様の方法を繰り返した。圧縮成形した試料の見かけ
密度は1.85 g/cm3であり、焼結試料の見かけ密度は3.16
g/cm3、即ち、理論密度の98.4%であった。焼結試料に
ついて、ムラカミ法により研磨およびエッチングした表
面を光学顕微鏡で検査したところ、粒子の粒度が15μm
以下であることが示された。
【0060】実施例3 最初の混合物に炭化ホウ素を1600 ppm、即ち、ホウ素と
して1250 ppm、を添加した以外は実施例1に記載したの
と同様の方法を繰り返した。圧縮成形した試料の見かけ
密度は1.85 g/cm3であり、焼結試料の見かけ密度は3.17
g/cm3、即ち、理論密度の98.7%であった。焼結試料に
ついて、ムラカミ法により研磨およびエッチングした表
面を光学顕微鏡で検査したところ、粒子の粒度が15μm
以下であることが示された。
【0061】比較試験 実施例4 (比較例) ボールミルを用いて、脱イオン水70部中で下記成分を緊
密に混合した: 本質的にα型の炭化ケイ素粉末100 部、 比表面積が400 m2/gのカーボンブラック2部、 滑剤のステアレート 1.5部、 可塑剤のポリエチレングリコール3部、 結合剤のポリビニルアルコール2部。
【0062】原料として使用した炭化ケイ素粉末は、ア
チソン法で得た生成物の内部領域から採取した、等軸構
造の緑色SiC 粉末であり、この粉末の特性は次の通りで
あった: ・平均粒度 0.5 μm ・比表面積 14.6 m2/g ・Al含有量 100 ppm ・Fe含有量 100 ppm ・遊離C量 8000 ppm ・遊離SiO2量 8000 ppm ・遊離Si 400 ppm ・他の金属不純物の総量 <500 ppm 。
【0063】こうして得た混合物を乾燥し、スプレー法
により造粒した後、190 MPa での静水圧プレスにより直
径20 mm の円筒状に成形した。圧縮成形した試料の見か
け密度は1.80 g/cm3であった。
【0064】この成形試料を1気圧の窒素下に600 ℃で
1時間の熱分解処理に付して結合剤を除去した後、この
成形体を黒鉛支持体上に載せて1気圧のアルゴン下、20
50℃で1時間の焼結処理に付した。
【0065】得られた焼結試料の見かけ質量は2.44 g/c
m3、即ち、SiC の理論密度の76.0%であった。この焼結
試料について、ムラカミ法により研磨およびエッチング
した表面を光学顕微鏡で検査したところ、結晶粒の粒度
が30μm以下であることを示した。
【0066】実施例5 (比較例) 最初の混合物に炭化ホウ素を800 ppm 、即ち、ホウ素と
して625 ppm 、を添加した以外は実施例4に記載したの
と同様の方法を繰り返した。圧縮成形した試料の見かけ
密度は1.81 g/cm3であり、焼結試料の見かけ密度は2.62
g/cm3、即ち、理論密度の81.6%であった。焼結試料に
ついて、ムラカミ法により研磨およびエッチングした表
面を光学顕微鏡で検査したところ、粒子の粒度が30μm
以下であることが示された。
【0067】実施例6 (比較例) 最初の混合物に炭化ホウ素を1600 ppm、即ち、ホウ素と
して1250 ppm、を添加した以外は実施例4に記載したの
と同様の方法を繰り返した。圧縮成形した試料の見かけ
密度は1.80 g/cm3であり、焼結試料の見かけ密度は3.14
g/cm3、即ち、理論密度の97.8%であった。焼結試料に
ついて、ムラカミ法により研磨およびエッチングした表
面を光学顕微鏡で検査したところ、粒子の粒度が30μm
以下であることが示された。
【0068】上記の実施例1〜6の6種類の混合物の組
成と得られた結果を次の表1にまとめて示す。本発明に
従って黒色SiC 粉末を焼結原料として使用した実施例1
〜3では、比較例である緑色SiC 粉末を使用した実施例
4〜6に比べて、高密度で結晶粒の粒度の小さい焼結体
を得ることができた。特に、625 ppm という非常に少量
のホウ素添加量の場合に、本発明では比較例に比べて著
しい高密度化された焼結体を得ることができた。
【0069】
【表1】
【0070】次の実施例は本発明の他の態様を例示す
る。
【0071】実施例7 ボールミルを用いて、脱イオン水80部中で下記成分を緊
密に混合した: 本質的にα型の炭化ケイ素粉末100 部、 比表面積が400 m2/gのカーボンブラック2部、 炭化ホウ素1152 ppm (ホウ素900 ppm)、 滑剤のステアレート 1.5部、 可塑剤のポリエチレングリコール3部、 結合剤のポリビニルアルコール2部。
【0072】原料として使用した炭化ケイ素粉末は、ア
チソン法で得た生成物の外部領域から採取した、等軸構
造の黒色SiC 粉末であり、この粉末の特性は次の通りで
あった: ・平均粒度 0.7 μm ・比表面積 14.3 m2/g ・Al含有量 500 ppm ・Fe含有量 50 ppm ・遊離C量 5000 ppm ・遊離SiO2量 1270 ppm ・遊離Si 400 ppm ・他の金属不純物の総量 <500 ppm 。
【0073】こうして得た混合物を乾燥し、スプレー法
により造粒した後、190 MPa での静水圧プレスによって
直径20 mm の円筒状に成形した。圧縮成形した試料の見
かけ密度は1.77 g/cm3であった。
【0074】この成形試料を1気圧の窒素下に600 ℃で
1時間の熱分解処理に付して結合剤を除去した後、この
成形体を黒鉛支持体上に載せて1気圧のアルゴン下、下
記のいずれかの加熱条件で焼結処理に付した。 (a) 2040℃で1時間、 (b) 2075℃で1時間、 (c) 2095℃で5時間。
【0075】得られた焼結試料の見かけ密度はそれぞ
れ、(a) が3.03 g/cm3 (SiC の理論密度の94.4%) 、
(b) が3.08 g/cm3 (SiC の理論密度の96%) 、(c) が3.
14 g/cm3(SiC の理論密度の98%) であった。焼結試料
について、ムラカミ法により研磨およびエッチングした
表面を光学顕微鏡で検査したところ、上記(a) 〜(c) の
いずれの試験でも、粒子の粒度は15μm以下であること
が示された。
【0076】実施例8 炭化ホウ素の添加量を1800 ppm、即ち、ホウ素として14
00 ppmに変更した以外は、実施例7を繰り返した。圧縮
成形試料の見かけ密度は1.78 g/cm3であった。
【0077】上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、
焼結試料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.14 g/cm3 (理論密度の98%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.18 g/cm3 (理論密度の99%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.18 g/cm3 (理論密度の99%) 。
【0078】実施例9 粉末原料を下記特性を示す炭化ケイ素粉末に変更した以
外は、実施例8を繰り返した。 ・平均粒径 0.52 μm ・比表面積 14.3 m2/g ・Al含有量 2000 ppm ・Fe含有量 200 ppm ・遊離C 500 ppm ・遊離Si 400 ppm ・他の金属不純物の総量 <500 ppm 。
【0079】圧縮成形試料の密度は1.78 g/cm3であっ
た。上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、焼結試料
の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.09 g/cm3 (理論密度の96%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.15 g/cm3 (理論密度の98%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.15 g/cm3 (理論密度の98%) 。
【0080】実施例10 (比較例) 粉末原料を下記特性を示す緑色炭化ケイ素粉末に変更し
た以外は、実施例7を繰り返した。 ・平均粒径 0.42 μm ・比表面積 17.2 m2/g ・Al含有量 100 ppm ・Fe含有量 100 ppm ・遊離C 8000 ppm ・遊離SiO2量 1250 ppm ・遊離Si 400 ppm ・他の金属不純物の総量 <500 ppm 。
【0081】圧縮成形試料の密度は1.79 g/cm3であっ
た。上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、焼結試料
の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.00 g/cm3 (理論密度の93%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.05 g/cm3 (理論密度の95%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.12 g/cm3 (理論密度の97%) 。
【0082】実施例11 (比較例) 実施例10と同じ緑色炭化ケイ素粉末を用いて実施例8を
繰り返した。圧縮成形試料の密度は1.78 g/cm3であっ
た。
【0083】上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、
焼結試料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.13 g/cm3 (理論密度の97.5%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.17 g/cm3 (理論密度の99%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.18 g/cm3 (理論密度の99%) 。
【0084】実施例12 (比較例) 実施例10と同じ緑色炭化ケイ素粉末を用いて実施例8を
繰り返した。圧縮成形試料の密度は1.80 g/cm3であっ
た。
【0085】上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、
焼結試料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.02 g/cm3 (理論密度の94%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.06 g/cm3 (理論密度の95%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.09 g/cm3 (理論密度の96%) 。
【0086】本発明の別の態様を例示するために、炭素
の添加量 (実施例13) 、ホウ素源の種類 (実施例14) お
よび炭素源の種類 (実施例15および16) を変えた実施例
を次に説明する。
【0087】実施例13 炭素 (カーボンブラック) の添加量を3部に増量した以
外は実施例8を繰り返した。圧縮成形試料の密度は1.77
g/cm3であった。上記の(a) 〜(c) の3種類の試験によ
り、焼結試料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.13 g/cm3 (理論密度の97%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.16 g/cm3 (理論密度の98%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.17 g/cm3 (理論密度の99%) 。
【0088】実施例14 ホウ素1400 ppmを金属形態で添加した点を除いて実施例
8を繰り返した。圧縮成形試料の密度は1.76 g/cm3であ
った。上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、焼結試
料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.14 g/cm3 (理論密度の98%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.18 g/cm3 (理論密度の99%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.18 g/cm3 (理論密度の99%) 。
【0089】実施例15 カーボンブラックに代えてレゾールを使用 (ステアレー
トを添加しない) した以外は実施例7を繰り返した。
【0090】圧縮成形試料の密度は1.80 g/cm3であっ
た。
【0091】上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、
焼結試料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.11 g/cm3 (理論密度の97%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.14 g/cm3 (理論密度の98%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.17 g/cm3 (理論密度の99%) 。
【0092】実施例16 カーボンブラックに代えてレゾールを使用 (ステアレー
トを添加しない) した以外は実施例8を繰り返した。
【0093】圧縮成形試料の密度は1.80 g/cm3であっ
た。
【0094】上記の(a) 〜(c) の3種類の試験により、
焼結試料の密度について次の結果が得られた: (a) 2040℃で焼結:3.18 g/cm3 (理論密度の99%) 、 (b) 2075℃で焼結:3.19 g/cm3 (理論密度の99%) 、 (c) 2095℃で焼結:3.19 g/cm3 (理論密度の99%) 。
【0095】実施例17および実施例18 (比較例) 実施例8および実施例11 (比較例) に近似した2種類の
組成物をパイロット規模で使用した。
【0096】ボールミルを用いて下記成分を脱イオン水
75〜80部中で均質に混合した: SiC 粉末 (それぞれ実施例8および11と同じもの) 10
0 部 炭化ホウ素(B4C) の形態のホウ素 0.14 部 カーボンブラックの形態の炭素 1.5部 滑剤のステアレート 1.5部、 可塑剤のポリエチレングリコール3部、 結合剤のポリビニルアルコール2部。
【0097】こうして得た混合物を乾燥し、スプレー法
により造粒した後、約200 MPa の圧力での一方向プレス
により多数の角棒状に成形した。これらの角棒は、焼結
後の寸法で25×5×3mmである。
【0098】この成形試料を1気圧の窒素下に600 ℃で
1時間の熱分解処理に付して結合剤を除去した後、成形
体を黒鉛支持体上に載せて1気圧のアルゴン下、下記の
いずれかの加熱条件で焼結処理に付した。 (a) 2130℃で1時間、 (b) 2160℃で1時間。
【0099】使用した2種類の組成を次の表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】次の表3は、圧縮成形体 (角棒) の密度、
焼結後のその見かけ密度、および焼結試料 (セラミック
材料) の3点曲げ試験における平均曲げ破壊応力を示
す。この曲げ破壊応力 (曲げ強度) は、支点間距離20 m
m 、クロスバー速度0.5 mm/minの条件で測定した。
【0102】
【表3】
【0103】その他の点では同じであるにもかかわら
ず、原料粉末として黒色SiC 粉末を使用した実施例17で
は、緑色SiC 粉末を使用した実施例18 (比較例) に比べ
て、約40 MPaも高い機械強度、具体的には400 MPa を超
える3点曲げ破壊強度を得ることができる点が注目され
る。なお、この焼結試料はヴィッカース硬度Hv 500が20
GPaより大、ヤング率が 400 GPaより大、靱性が3MN M
-3/2より大であった。
【0104】
【発明の効果】上記の試験結果は、黒色SiC 粉末を原料
粉末とすると、ホウ素添加量が0.14%以下、さらには0.
10%以下であっても、3点曲げ試験での平均曲げ破壊強
度が約400 MPa より高い焼結SiC を得ることができるこ
とを示している。
【0105】以上の実施例および比較例の対比からわか
るように、「緑色」SiC 粉末に比べて、本発明に従って
「黒色」SiC 粉末を使用すると、ホウ素添加量を0.1 %
より少なくして優れた焼結性を得ることができる。さら
に、同じホウ素添加量および同等の緻密化比で比べて
も、黒色SiC 粉末を使用すると、より微細なミクロ構造
(結晶粒の粒度) を得ることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 等軸構造の本質的にα型の多結晶炭化ケ
    イ素から、自然焼結によりセラミック材料を製造する方
    法であって: (a) 下記(1) と(2) との均質混合物を形成し、(1) 特に
    アチソン法による炭化ケイ素の製造過程で得られるよう
    な、平均粒度3μm以下、Al含有量 400〜2000 ppmの、
    本質的にα型の「黒色」炭化ケイ素からなる反応性粉
    末、および(2) 混合物に対して 0.1〜3重量%の遊離炭
    素含有量に相当する量の炭素を含有する添加剤、 (b) 前記混合物を成形し、 (c) 得られた成形体を、炭化ケイ素に対して不活性な雰
    囲気中または真空中、約2000〜2300℃の温度で、多結晶
    セラミック材料が得られるまで焼結し、 (d) 焼結体を回収する、ことからなる方法。
  2. 【請求項2】 炭化ケイ素粉末中のAl含有量が 450〜20
    00 ppmである、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記混合物が、(3) 少量のホウ素または
    その誘導体をさらに含有する、請求項1または2記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 前記混合物がホウ素またはその誘導体を
    0.01〜0.14重量%の割合で含有する、請求項3記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 前記混合物のホウ素含有量が0.1 重量%
    以下である、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ホウ素またはその誘導体が、金属ホ
    ウ素および炭化ホウ素から選ばれる、請求項3ないし5
    のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項に記載
    の方法により得ることのできる、本質的にα型炭化ケイ
    素からなるセラミック材料であって、密度が炭化ケイ素
    の理論的密度の95%以上、ホウ素含有量が0.12重量%以
    下、好ましくは0.02〜0.12重量%、Al含有量が0.04〜0.
    15重量%であるセラミック材料。
  8. 【請求項8】 ホウ素含有量が0.1 重量%以下である、
    請求項7記載の本質的にα型炭化ケイ素からなるセラミ
    ック材料。
  9. 【請求項9】 ホウ素含有量が約0.06〜0.1 重量%であ
    り、密度が理論密度の98.4% (3.16 g/cm3) 以上であ
    る、請求項8記載の本質的にα型炭化ケイ素からなるセ
    ラミック材料。
  10. 【請求項10】 下記〜の特性の少なくとも1つを
    示す、請求項8または9に記載の本質的にα型炭化ケイ
    素からなるセラミック材料。 平均粒径<30μm、好ましくは2〜15μm、典型的に
    は約5μmの、微細な等軸粒子、 ヴィッカース硬度Hv 500>20 GPa、 20〜1400℃での3点曲げ破壊強度>400 MPa 、 ヤング率> 400 GPa、 靱性>3MN M-3/2
JP7010993A 1994-01-27 1995-01-26 本質的にα型炭化ケイ素製のセラミック材料とその製造方法 Withdrawn JPH07257972A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR9400896A FR2715398B1 (fr) 1994-01-27 1994-01-27 Procédé de fabrication de matériaux céramiques de carbure de silicium, essentiellement de forme alpha et matériaux céramiques obtenus notamment par ledit procédé.
FR9400896 1994-01-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07257972A true JPH07257972A (ja) 1995-10-09

Family

ID=9459464

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7010993A Withdrawn JPH07257972A (ja) 1994-01-27 1995-01-26 本質的にα型炭化ケイ素製のセラミック材料とその製造方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP0665196A1 (ja)
JP (1) JPH07257972A (ja)
FR (1) FR2715398B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3783445B1 (fr) 2019-08-22 2023-06-14 ETA SA Manufacture Horlogère Suisse Mécanisme régulateur d'horlogerie à haut facteur de qualité et à lubrification minimale

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4346049A (en) * 1978-05-01 1982-08-24 Kennecott Corporation Sintered alpha silicon carbide ceramic body having equiaxed microstructure
DE2912443A1 (de) * 1979-03-29 1980-10-16 Starck Hermann C Fa Verfahren zur herstellung eines dichten formkoerpers aus siliciumcarbid
EP0028802B1 (en) * 1979-11-05 1983-08-17 Hitachi, Ltd. Electrically insulating substrate and a method of making such a substrate
JPH089504B2 (ja) * 1986-08-29 1996-01-31 住友化学工業株式会社 高密度炭化ケイ素焼結体の製造方法
JPH01242465A (ja) * 1988-03-23 1989-09-27 Showa Denko Kk 炭化珪素焼結体およびその摺動部材の製造方法
DD292814A7 (de) * 1988-07-08 1991-08-14 Stickstoffwerke Ag Wittenberg-Piesteritz,De Verfahren zur herstellung von reinem siliciumcarbid-pulver

Also Published As

Publication number Publication date
EP0665196A1 (fr) 1995-08-02
FR2715398A1 (fr) 1995-07-28
FR2715398B1 (fr) 1996-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA1088960A (en) Sintering of silicon nitride using mg and be additives
CA1089882A (en) Silicon carbide powder compositions
CA1088107A (en) Silicon carbide-boron carbide sintered body
US7723247B2 (en) Method for pressurelessly sintering zirconium diboride/silicon carbide composite bodies to high densities
JPS6228109B2 (ja)
JP2001080964A (ja) 多結晶SiC成形体、その製法及びそれからなる応用品
JPH0662338B2 (ja) 炭化珪素/グラフアイト/炭素の複合セラミツク体
GB1590969A (en) Silicon nitride
JPH0319185B2 (ja)
US4467043A (en) Dense shaped articles of polycrystalline α-silicon carbide and process for the manufacture thereof by hot-pressing
JPS6256104B2 (ja)
US4326039A (en) Dense shaped articles of polycrystalline β-silicon carbide and process for the manufacture thereof by hot-pressing
JPH07257972A (ja) 本質的にα型炭化ケイ素製のセラミック材料とその製造方法
JP2649220B2 (ja) 窒化珪素/炭化珪素複合粉末及び複合成形体並びにそれらの製造方法及び窒化珪素/炭化珪素複合焼結体の製造方法
JPS589785B2 (ja) 炭化珪素焼結体の製造法
JP7437570B1 (ja) 窒化ケイ素粉末及びその製造方法、並びに、窒化ケイ素焼結体の製造方法
JP4292255B2 (ja) α−サイアロン焼結体及びその製造方法
JP3979680B2 (ja) 窒化ケイ素質焼結体用窒化ケイ素粉末ならびに窒化ケイ素質焼結体およびその製造方法
JPH0585830A (ja) 硼化ジルコニウム系焼結体及びその製造法
JP2826080B2 (ja) 窒化珪素/炭化珪素複合焼結体及び複合粉末の製造方法
JPH04305064A (ja) セラミツク組成物
JPH0625038B2 (ja) 耐摩耗性炭化珪素焼結体の製造方法
JPH05294739A (ja) 二ホウ化チタン系焼結体およびその製造法
JPH05286765A (ja) 炭化珪素質複合材料およびその製造方法
SK1392006A3 (sk) Spôsob výroby hutnej keramiky na báze karbidu kremíka

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20020402