JPH07257962A - 塩基性耐火物 - Google Patents
塩基性耐火物Info
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- JPH07257962A JPH07257962A JP6070250A JP7025094A JPH07257962A JP H07257962 A JPH07257962 A JP H07257962A JP 6070250 A JP6070250 A JP 6070250A JP 7025094 A JP7025094 A JP 7025094A JP H07257962 A JPH07257962 A JP H07257962A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 常圧下および高真空下でも高耐食性、耐スラ
グ浸潤性ならびに耐スポーリング性を合わせ持つ塩基性
耐火物を提供する。 【構成】 MgOとCr2O3を主成分とし、骨材と微粉
部により構成された塩基性耐火物において、500μm
以下の粒子からなる微粉部が、MgO30〜70mol
%、Cr2O32〜60mol%、およびAl2O310〜
70mol%のMgO―Al2O3―Cr2O3系固溶体で
あって、その100重量部に対し、骨材として耐火性原
料を150重量部以上、400重量部以下配合して得ら
れる耐火物であることを特徴とする。 【効果】 本発明によって得られた耐火物を、溶融金属
精錬容器、特に真空脱ガス容器に適用することにより、
精錬容器の耐用性を大幅に延長することができる。
グ浸潤性ならびに耐スポーリング性を合わせ持つ塩基性
耐火物を提供する。 【構成】 MgOとCr2O3を主成分とし、骨材と微粉
部により構成された塩基性耐火物において、500μm
以下の粒子からなる微粉部が、MgO30〜70mol
%、Cr2O32〜60mol%、およびAl2O310〜
70mol%のMgO―Al2O3―Cr2O3系固溶体で
あって、その100重量部に対し、骨材として耐火性原
料を150重量部以上、400重量部以下配合して得ら
れる耐火物であることを特徴とする。 【効果】 本発明によって得られた耐火物を、溶融金属
精錬容器、特に真空脱ガス容器に適用することにより、
精錬容器の耐用性を大幅に延長することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属精錬容器、特
に真空脱ガス容器に用いられる塩基性耐火物に関する。
に真空脱ガス容器に用いられる塩基性耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】現状の溶融金属精錬プロセスにおいて、
真空脱ガス容器は高級鋼製造に不可欠な設備となってい
る。
真空脱ガス容器は高級鋼製造に不可欠な設備となってい
る。
【0003】真空脱ガス容器での溶鋼の処理に際し、溶
鋼と共に存在する高塩基度のスラグが、容器の内張耐火
物れんがに対して次のような問題を引き起こす。
鋼と共に存在する高塩基度のスラグが、容器の内張耐火
物れんがに対して次のような問題を引き起こす。
【0004】内張耐火物れんがとスラグが接触し、れ
んが表面が侵食される。 スラグが内張耐火物れんがへ浸潤し、これが原因で真
空脱ガス容器待機時の急激な温度低下により構造スポー
リングが発生する。
んが表面が侵食される。 スラグが内張耐火物れんがへ浸潤し、これが原因で真
空脱ガス容器待機時の急激な温度低下により構造スポー
リングが発生する。
【0005】そのため、現状の操業では、このような問
題に対応するために、マグクロ質れんがが使用されてい
るが、耐食性が必要な部位では、緻密なマグクロ質リボ
ンドれんがが使用され、耐スポーリング性が必要な部位
では、れんが組織内にマイクロクラックを存在させたマ
グクロ質ダイレクトボンドれんがが使用されている。
題に対応するために、マグクロ質れんがが使用されてい
るが、耐食性が必要な部位では、緻密なマグクロ質リボ
ンドれんがが使用され、耐スポーリング性が必要な部位
では、れんが組織内にマイクロクラックを存在させたマ
グクロ質ダイレクトボンドれんがが使用されている。
【0006】特にマグクロ質ダイレクトボンドれんが
は、温度変動が大きく、熱スポーリングによるれんがの
割れを生じる部位に多用されており、そのれんがには骨
材として、MgOやクロム鉄鉱が使用され、マトリック
ス組織にも、MgOやクロム鉄鉱が使用されている。
は、温度変動が大きく、熱スポーリングによるれんがの
割れを生じる部位に多用されており、そのれんがには骨
材として、MgOやクロム鉄鉱が使用され、マトリック
ス組織にも、MgOやクロム鉄鉱が使用されている。
【0007】ここで、骨材とは、500μmをこえる粗
粒を指し、マトリックス組織とは、微粉部を意味し、骨
材を除く微粉より構成される組織とする。
粒を指し、マトリックス組織とは、微粉部を意味し、骨
材を除く微粉より構成される組織とする。
【0008】ところで、マグクロ質ダイレクトボンドれ
んがには耐食性、耐スラグ浸潤性が悪いために、マトリ
ックス組織にCr2O3、ZrO2を添加して、れんがを
構成する粒子の融点や、浸潤するスラグの粘性を向上さ
せ、この問題を克服した、例えば、特開昭62―119
159号公報のように、Cr2O3の微粉末をマトリック
ス組織に用いて耐食性の向上を図った、または、特開昭
62―202857号公報のように、少量のZrO2微
粉末をマトリックス組織に加えて、耐スラグ浸潤性の向
上を図ったマグクロ質耐火物れんががある。
んがには耐食性、耐スラグ浸潤性が悪いために、マトリ
ックス組織にCr2O3、ZrO2を添加して、れんがを
構成する粒子の融点や、浸潤するスラグの粘性を向上さ
せ、この問題を克服した、例えば、特開昭62―119
159号公報のように、Cr2O3の微粉末をマトリック
ス組織に用いて耐食性の向上を図った、または、特開昭
62―202857号公報のように、少量のZrO2微
粉末をマトリックス組織に加えて、耐スラグ浸潤性の向
上を図ったマグクロ質耐火物れんががある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近で
は極低炭鋼量産と超高純度鋼の要求に対して、スラグ中
のCaO成分は増加し、高塩基性化している。
は極低炭鋼量産と超高純度鋼の要求に対して、スラグ中
のCaO成分は増加し、高塩基性化している。
【0010】このために、マグクロ質ダイレクトボンド
れんがのマトリックス組織の緻密化と、耐スポーリング
性向上のために添加されているSiO2とスラグが低融
点化合物を作り易くなり、これが高塩基性スラグのれん
が内部への浸潤を助長させ、構造スポーリングの発生を
招くことになる。
れんがのマトリックス組織の緻密化と、耐スポーリング
性向上のために添加されているSiO2とスラグが低融
点化合物を作り易くなり、これが高塩基性スラグのれん
が内部への浸潤を助長させ、構造スポーリングの発生を
招くことになる。
【0011】即ち、マトリックス組織の高塩基性スラグ
に対する耐食性の不足が、耐火物の溶損の増大を招いて
いる。
に対する耐食性の不足が、耐火物の溶損の増大を招いて
いる。
【0012】また、マトリックス組織中からSiO2を
減少させ、高純度なMgOやクロム鉄鉱等を用いて、耐
火物を製造したとしても、MgOやクロム鉄鉱等が、そ
れぞれ単独に存在していたのでは、耐食性の不足を解消
することはできない。
減少させ、高純度なMgOやクロム鉄鉱等を用いて、耐
火物を製造したとしても、MgOやクロム鉄鉱等が、そ
れぞれ単独に存在していたのでは、耐食性の不足を解消
することはできない。
【0013】したがって、真空脱ガス容器で、マグクロ
質れんがの耐用性を延ばす為には、マトリックス組織
に、MgO―Al2O3―Cr2O3系固溶体を適用し、マ
トリックス組織自体の耐食性を向上させる必要がある。
質れんがの耐用性を延ばす為には、マトリックス組織
に、MgO―Al2O3―Cr2O3系固溶体を適用し、マ
トリックス組織自体の耐食性を向上させる必要がある。
【0014】本発明の目的は、常圧下および高真空下で
も高耐食性、耐スラグ浸潤性ならびに耐スポーリング性
を合わせ持つ塩基性耐火物を提供することにある。
も高耐食性、耐スラグ浸潤性ならびに耐スポーリング性
を合わせ持つ塩基性耐火物を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、以下の事柄が必須である。
として、以下の事柄が必須である。
【0016】MgOとCr2O3を主成分とし、骨材と微
粉部により構成された塩基性耐火物において、500μ
m以下の粒子からなる微粉部が、MgO30〜70mo
l%、Cr2O32〜60mol%、およびAl2O310
〜70mol%のMgO―Al2O3―Cr2O3系固溶体
であって、その100重量部に対し、骨材として耐火性
原料を150重量部以上、400重量部以下配合し、焼
成して得られる耐火物でなければならない。
粉部により構成された塩基性耐火物において、500μ
m以下の粒子からなる微粉部が、MgO30〜70mo
l%、Cr2O32〜60mol%、およびAl2O310
〜70mol%のMgO―Al2O3―Cr2O3系固溶体
であって、その100重量部に対し、骨材として耐火性
原料を150重量部以上、400重量部以下配合し、焼
成して得られる耐火物でなければならない。
【0017】
【作用】以下、図面を参照しながら、本発明を、詳細に
説明する。Cr2O3スピネル(MgCr2O4)を主成分
とする耐火物は、高融点であり、スピネルに含有される
Crにより、スラグが高融点化および高粘性化され、高
耐食性を有する。
説明する。Cr2O3スピネル(MgCr2O4)を主成分
とする耐火物は、高融点であり、スピネルに含有される
Crにより、スラグが高融点化および高粘性化され、高
耐食性を有する。
【0018】一方、Al2O3スピネル(MgAl2O4)
を主成分とする耐火物は、緻密でかつ熱膨張率が小さ
く、耐スラグ浸透性と高耐熱スポーリング性を有する。
を主成分とする耐火物は、緻密でかつ熱膨張率が小さ
く、耐スラグ浸透性と高耐熱スポーリング性を有する。
【0019】本発明において、これらの2つの特性を合
わせ持つ複合スピネルをれんがのマトリックス組織に適
用すれば、高耐食性、高耐スラグ浸潤性のれんがを作る
ことができる。
わせ持つ複合スピネルをれんがのマトリックス組織に適
用すれば、高耐食性、高耐スラグ浸潤性のれんがを作る
ことができる。
【0020】しかし、これらのスピネルが耐火物中に独
立して存在した場合、高耐食性と耐スラグ浸潤性を合わ
せ持つことは出来ない。
立して存在した場合、高耐食性と耐スラグ浸潤性を合わ
せ持つことは出来ない。
【0021】そこで本発明では、マトリックス組織は、
これらの特性を合わせ持つ複合スピネル(Mg(Cr、
Al)O4)から構成する。
これらの特性を合わせ持つ複合スピネル(Mg(Cr、
Al)O4)から構成する。
【0022】また、図1はMgO―Al2O3―Cr2O3
の3元系状態図である。本発明の耐火物れんがのマトリ
ックス組織の構成原料の組成範囲を、図中の網掛け領域
に示す。
の3元系状態図である。本発明の耐火物れんがのマトリ
ックス組織の構成原料の組成範囲を、図中の網掛け領域
に示す。
【0023】さらに、本発明のこの複合スピネルを有す
るマトリックス組織の構成原料である酸化物の粉砕後の
粒径は500μm以下とする。
るマトリックス組織の構成原料である酸化物の粉砕後の
粒径は500μm以下とする。
【0024】本発明者らの実験によれば、500μm以
下にすれば、前記耐火性原料間へのこれらの酸化物の充
填性がよく、さらにこれらの酸化物が十分に複合スピネ
ル化するため良好な耐食性と耐スラグ浸潤性が得られた
が、500μmをこえる場合、耐火性原料間への充填性
が悪く、酸化物の複合スピネル化が十分に進行せず、良
好な耐食性と耐スラグ浸潤性が得られなかった。
下にすれば、前記耐火性原料間へのこれらの酸化物の充
填性がよく、さらにこれらの酸化物が十分に複合スピネ
ル化するため良好な耐食性と耐スラグ浸潤性が得られた
が、500μmをこえる場合、耐火性原料間への充填性
が悪く、酸化物の複合スピネル化が十分に進行せず、良
好な耐食性と耐スラグ浸潤性が得られなかった。
【0025】本発明の耐火物れんがのマトリックス組織
の化学組成として、MgOの含有量が30mol%未満
の場合には、れんが作成時にスピネルが生成しないため
に、耐火物を成形した際に必要な耐食性が得られないだ
けでなく、スラグとクリンカーとの濡れが非常に良いた
め、耐火物中へのスラグ浸潤速度が大きくなり、使用す
るのに充分な耐スラグ浸潤性が得られない。
の化学組成として、MgOの含有量が30mol%未満
の場合には、れんが作成時にスピネルが生成しないため
に、耐火物を成形した際に必要な耐食性が得られないだ
けでなく、スラグとクリンカーとの濡れが非常に良いた
め、耐火物中へのスラグ浸潤速度が大きくなり、使用す
るのに充分な耐スラグ浸潤性が得られない。
【0026】一方、MgOが70mol%をこえる場合
おいては、れんが作成時にスピネル生成量が少なく、緻
密なスピネル組織が得られないため、耐火物に必要な耐
スラグ浸潤性が得られない。
おいては、れんが作成時にスピネル生成量が少なく、緻
密なスピネル組織が得られないため、耐火物に必要な耐
スラグ浸潤性が得られない。
【0027】これに対し、MgO量が30〜70mol
%では、れんが作成時に十分な量のスピネルが生成し、
耐火物を製造した際に良好な耐食性および耐スラグ浸潤
性が得られる。したがって、MgO量は30〜70mo
l%とする。
%では、れんが作成時に十分な量のスピネルが生成し、
耐火物を製造した際に良好な耐食性および耐スラグ浸潤
性が得られる。したがって、MgO量は30〜70mo
l%とする。
【0028】なお、Cr2O3は2〜60mol%とし、
Al2O3は10〜70mol%とする。
Al2O3は10〜70mol%とする。
【0029】Cr2O3が2mol%未満の場合、複合ス
ピネルが生成が不十分であると同時に、耐食性が不十分
であり、60mol%をこえる場合、緻密なスピネル組
織が得られないため、耐火物に必要な耐スラグ浸潤性が
得られない。したがって、Cr2O3は2〜60mol%
とする。
ピネルが生成が不十分であると同時に、耐食性が不十分
であり、60mol%をこえる場合、緻密なスピネル組
織が得られないため、耐火物に必要な耐スラグ浸潤性が
得られない。したがって、Cr2O3は2〜60mol%
とする。
【0030】一方、Al2O3が10mol%未満の場合
にも、複合スピネルが生成が不十分であると同時に、耐
スラグ浸潤性が不十分であり、70mol%をこえる場
合、複合スピネル組織中にAl2O3粒が一部残り、この
ために良好な耐食性が得られない。したがって、Al2
O3は10〜70mol%とする。
にも、複合スピネルが生成が不十分であると同時に、耐
スラグ浸潤性が不十分であり、70mol%をこえる場
合、複合スピネル組織中にAl2O3粒が一部残り、この
ために良好な耐食性が得られない。したがって、Al2
O3は10〜70mol%とする。
【0031】本発明のれんが作成に際して、500μm
以下の前記のマトリックス組織を構成する酸化物100
重量部に対して、その他の耐火性原料を150重量部以
上、400重量部以下配合し、混練、加圧成形後、焼成
することにより本発明の塩基性耐火物れんがを得ること
ができる。
以下の前記のマトリックス組織を構成する酸化物100
重量部に対して、その他の耐火性原料を150重量部以
上、400重量部以下配合し、混練、加圧成形後、焼成
することにより本発明の塩基性耐火物れんがを得ること
ができる。
【0032】本発明において、マトリックス組織を構成
する酸化物100重量部に対して、耐火性原料が150
重量部未満配合の場合、れんが組織が非常に緻密化し、
良好な耐熱スポーリング性が得られない、一方、400
重量部をこえる配合の場合、良好な耐食性が得られな
い。
する酸化物100重量部に対して、耐火性原料が150
重量部未満配合の場合、れんが組織が非常に緻密化し、
良好な耐熱スポーリング性が得られない、一方、400
重量部をこえる配合の場合、良好な耐食性が得られな
い。
【0033】したがって、本発明では、500μm以下
のマトリックス組織を構成する酸化物100重量部に対
して、その他の耐火性原料を150重量部以上、400
重量部以下配合する。
のマトリックス組織を構成する酸化物100重量部に対
して、その他の耐火性原料を150重量部以上、400
重量部以下配合する。
【0034】本発明に用いる耐火性原料には、耐火物骨
材、即ち、天然MgO、焼成MgO、電融MgO及び、
クロム鉄鉱を組み合わせて使用すれば良い。
材、即ち、天然MgO、焼成MgO、電融MgO及び、
クロム鉄鉱を組み合わせて使用すれば良い。
【0035】本発明の塩基性耐火物れんがは、マトリッ
クス組織がスピネル固溶体化していることから高真空下
での、マグクロ質れんがからのCrやMg成分の蒸発が
抑制され、このような面からも耐火物に必要な高耐食性
ならびに耐スラグ浸潤性が得られる。
クス組織がスピネル固溶体化していることから高真空下
での、マグクロ質れんがからのCrやMg成分の蒸発が
抑制され、このような面からも耐火物に必要な高耐食性
ならびに耐スラグ浸潤性が得られる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を表1に示し、その明
細を説明する。
細を説明する。
【0037】また、図1に本発明において製造した耐火
物(1)〜(7)および比較品(8)〜(15)の組成
を示した。また、図1の網掛け領域は本発明の範囲を示
す。
物(1)〜(7)および比較品(8)〜(15)の組成
を示した。また、図1の網掛け領域は本発明の範囲を示
す。
【0038】なお、比較品(8)のマグクロ質ダイレク
トボンドれんがは、MgO:74.2wt%、Cr
2O3:9.9wt%、Al2O3:8.9wt%、Fe2
O3:4.4wt%、およびSiO2:1.8wt%を化
学組成として有し、比較品(9)のマグクロ質リボンド
れんがは、MgO:71.4wt%、Cr2O3:20.
2wt%、Al2O3:3.0wt%、Fe2O3:4.0
wt%、およびSiO2:0.8wt%の化学組成を有
するもので、それぞれ、1800℃で6時間焼成を実施
した製品である。
トボンドれんがは、MgO:74.2wt%、Cr
2O3:9.9wt%、Al2O3:8.9wt%、Fe2
O3:4.4wt%、およびSiO2:1.8wt%を化
学組成として有し、比較品(9)のマグクロ質リボンド
れんがは、MgO:71.4wt%、Cr2O3:20.
2wt%、Al2O3:3.0wt%、Fe2O3:4.0
wt%、およびSiO2:0.8wt%の化学組成を有
するもので、それぞれ、1800℃で6時間焼成を実施
した製品である。
【0039】これら耐火物れんがのマトリックス組織
は、あらかじめ、MgO、Al2O3、Cr2O3、MgA
l2O4、および、MgCr2O4よりなる酸化物を粉砕し
たものから構成され、ついでこれにMgOとクロム鉄鉱
を混合し、マグクロ質ダイレクトボンドれんがと同様の
1800℃〜2000℃温度で焼成して得られたもので
ある。
は、あらかじめ、MgO、Al2O3、Cr2O3、MgA
l2O4、および、MgCr2O4よりなる酸化物を粉砕し
たものから構成され、ついでこれにMgOとクロム鉄鉱
を混合し、マグクロ質ダイレクトボンドれんがと同様の
1800℃〜2000℃温度で焼成して得られたもので
ある。
【0040】表1には、図1の化学組成番号で示される
複合スピネルのマトリックス組織と、耐火物骨材原料
(MgOおよびクロム鉄鉱)を各種重量比に組み合わ
せ、混錬・成形後、焼成した耐火物の耐食性ならびに耐
スラグ浸潤性を示す。
複合スピネルのマトリックス組織と、耐火物骨材原料
(MgOおよびクロム鉄鉱)を各種重量比に組み合わ
せ、混錬・成形後、焼成した耐火物の耐食性ならびに耐
スラグ浸潤性を示す。
【0041】表1における耐食性指数および耐スラグ浸
潤性指数は、1600℃で、組成SiO2=10wt
%、CaO=55wt%、Al2O3=15wt%、Fe
O=10wt%、MgO=10wt%のスラグを侵食剤
とする回転侵食試験における各材料の侵食量とスラグ浸
潤量を、比較品(8)のマグクロ質ダイレクトボンドれ
んがの侵食量、耐スラグ浸潤性を100とする指数で示
したもので、それぞれの数値が小さいほど、耐食性、耐
スラグ浸潤性に優れることを示している。
潤性指数は、1600℃で、組成SiO2=10wt
%、CaO=55wt%、Al2O3=15wt%、Fe
O=10wt%、MgO=10wt%のスラグを侵食剤
とする回転侵食試験における各材料の侵食量とスラグ浸
潤量を、比較品(8)のマグクロ質ダイレクトボンドれ
んがの侵食量、耐スラグ浸潤性を100とする指数で示
したもので、それぞれの数値が小さいほど、耐食性、耐
スラグ浸潤性に優れることを示している。
【0042】表1において、耐食性、耐スラグ浸潤性評
価とは、耐食性、耐スラグ浸潤性が100未満の優れる
ものを○、100以上を×とした。
価とは、耐食性、耐スラグ浸潤性が100未満の優れる
ものを○、100以上を×とした。
【0043】また、耐熱スポーリング性耐用回数は、1
500℃での空冷スポーリング試験における各材料の耐
用回数を示したもので、それぞれの数値が大きいほど、
耐熱スポーリング性に優れることを示している。
500℃での空冷スポーリング試験における各材料の耐
用回数を示したもので、それぞれの数値が大きいほど、
耐熱スポーリング性に優れることを示している。
【0044】耐熱スポーリング性評価とは、比較品
(8)のマグクロ質ダイレクトボンドれんがの耐熱スポ
ーリング性耐用回数10回を基準として、耐熱スポーリ
ング性が10回超を○、10回以下を×とした。
(8)のマグクロ質ダイレクトボンドれんがの耐熱スポ
ーリング性耐用回数10回を基準として、耐熱スポーリ
ング性が10回超を○、10回以下を×とした。
【0045】さらに、総合評価とは、耐スラグ浸潤性評
価、耐食性評価および耐熱スポーリング性評価のいずれ
もが〇の場合に○、評価の内、1つでも×がある場合
か、あるいはいずれもが×の場合には、×とした。
価、耐食性評価および耐熱スポーリング性評価のいずれ
もが〇の場合に○、評価の内、1つでも×がある場合
か、あるいはいずれもが×の場合には、×とした。
【0046】また、組成番号とは、図1において化学組
成を示す番号である。
成を示す番号である。
【0047】表1において、(1)〜(7)に示す本発
明の耐火物れんがは、比較品(8)のマグクロ質ダイレ
クトボンドれんが、比較品(9)のマグクロ質リボンド
れんが、ならびに、比較品(10)〜(15)と比べ
て、良好な耐食性、耐スラグ浸潤性および耐熱スポーリ
ング性が得られた。
明の耐火物れんがは、比較品(8)のマグクロ質ダイレ
クトボンドれんが、比較品(9)のマグクロ質リボンド
れんが、ならびに、比較品(10)〜(15)と比べ
て、良好な耐食性、耐スラグ浸潤性および耐熱スポーリ
ング性が得られた。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明によって得られた耐火物を、溶融
金属精錬容器、特にDH法、RH法、VOD法などの真
空脱ガス容器の他、取鍋脱ガス法、流滴脱ガス法、LF
法、ASEA―SKF法に適用することにより、精錬容
器の耐用性を大幅に延長することができ、さらには、製
鉄の二次精錬プロセスにおけるコストを大幅に下げるこ
とができる。
金属精錬容器、特にDH法、RH法、VOD法などの真
空脱ガス容器の他、取鍋脱ガス法、流滴脱ガス法、LF
法、ASEA―SKF法に適用することにより、精錬容
器の耐用性を大幅に延長することができ、さらには、製
鉄の二次精錬プロセスにおけるコストを大幅に下げるこ
とができる。
【図1】MgO―Al2O3―Cr2O3の3元系状態図に
おける、本発明組成領域図。
おける、本発明組成領域図。
Claims (1)
- 【請求項1】 MgOとCr2O3を主成分とし、骨材と
微粉部により構成された塩基性耐火物において、500
μm以下の粒子からなる微粉部が、MgO30〜70m
ol%、Cr2O32〜60mol%、およびAl2O31
0〜70mol%のMgO―Al2O3―Cr2O3系固溶
体であって、その100重量部に対し、骨材として耐火
性原料を150重量部以上、400重量部以下配合して
得られる耐火物であることを特徴とする塩基性耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6070250A JPH07257962A (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 塩基性耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6070250A JPH07257962A (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 塩基性耐火物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07257962A true JPH07257962A (ja) | 1995-10-09 |
Family
ID=13426134
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6070250A Withdrawn JPH07257962A (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 塩基性耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07257962A (ja) |
-
1994
- 1994-03-16 JP JP6070250A patent/JPH07257962A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
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