JPH07256964A - プリンタにおける紙案内装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単票紙にさしたる抵抗を加えることなく紙検
出レバーによる記録紙の浮上りを効果的に抑えるように
すること。 【構成】 プラテンローラ４の反対側から紙案内部材１
のガイド面２に突出するように設けた紙検出部材６に対
し、その外側近傍に弾性薄板材よりなる狭巾の紙押えシ
ート１５を配設することにより、浮上りが生じ易い単票
紙の外側をさしたる抵抗を与えることなく円滑に押圧支
持するようにしたもの。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はプリンタにおける単票紙
の案内装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ファクシミリやプリンタあるいは複写機
等には一般に、紙ガイド板上に露出位置させた検出レバ
ーを供給した紙の通過により押下げ変位させることによ
って紙の有無を検出するようにした紙の検出器が設けら
れている。

【０００３】この種の検出器は、通常の紙を使用する場
合特に問題はないが、薄手の紙を使用したような場合に
は紙のコシに比べて検出レバーの押上げ力が優るため、
紙の後端部分が検出レバー上を通過する際にときとして
この部分の紙がレバーに押上げられてしわや印字不良を
ひき起こす。

【０００４】特開平１−２１９５８５号公報に開示され
た装置は、検出レバーを囲むようにして窓孔を設けた紙
押えフィルムを紙ガイド板上に弾性的に接触配設し、単
票紙が検出レバーの上を通過する際にその周囲を押圧し
てしわや伸びが生じないようにしたものである。

【０００５】しかしながら、このような窓付きの紙押え
フィルムを用いた場合には、検出レバーと接触しないよ
うに組付けたり取外したりするのが厄介で、また、紙送
り方向と直角な向きの窓縁に紙の先端やミシン目等がひ
っかかって紙ジャムを起こしたり、紙面との接触により
紙粉を生じさせるといった不都合を起こすほか、紙検レ
バーがプラテンローラ側から突出する形式のものでは、
紙の曲げ弾性力と紙押えフィルムの押え力とが逆とな
り、コシの強い紙を使用した場合には、検出レバーの力
によって紙押えフィルムを押上げてしまうといった不都
合が生じる。

【０００６】さらには、紙押えフィルムを必要的に大き
く形成しなければならない関係上紙送りの抵抗が大き
く、特に紙検出レバーをガイド板の一側に配置したもの
では、紙押えフィルムのよって生じる紙送りの抵抗によ
りスキューを生じ易く、また、紙押えフィルムの先端が
平坦であるため、バックフィードの際には紙との接触に
よってジャムを生じさせたり、紙押えフィルムの座屈に
よってこれが紙ガイド板に設けた窓孔をふさいで検出レ
バーを戻らなくしてしまうといった不都合を生じさせ
る。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
上述したような不都合を生じさせることのないきわめて
構造の簡単な紙押え機構を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はこの
ような課題を達成するためのプリンタにおける紙案内装
置として、プラテンローラの周面に配設され、かつプラ
テンローラの反対側から紙案内面上に紙検出レバーを出
没自在に突出させた紙案内部材に対し、先端を紙案内面
から離間させるように曲成した薄肉弾性材よりなる狭巾
の紙押え部材を紙検出レバーの外側に近接させて配設す
るようにしたものである。

【０００９】

【作用】このように構成したことにより、浮上りが生じ
易い紙検出レバー外側の記録紙部分にさしたる抵抗を加
えることなくこれを効果的に押圧支持して、正確な紙送
りを図るようにする。

【００１０】

【実施例】そこで以下に図示した実施例について説明す
る。図１、図２は単票紙と連続紙の装填が可能なプリン
タに適用した本発明の一実施例を示したものである。

【００１１】図において符号１で示した紙ガイド部材
は、上面が単票紙のガイド面２として形成された上、プ
ラテンローラ４の周面下方に沿わせるようにして図示し
ないサイドフレームを介して下ケース５に取付けられ、
さらに紙ガイド部材１の下方には、若干の間隔を設けて
連続紙のガイド板３が設けられている。

【００１２】上記した紙ガイド部材１には、単票紙の案
内面２を境としてプラテン４の反対側にＶ字型の紙検出
部材６が配設されていて、その上レバー７を単票紙のガ
イド面２に露出させ、下レバー８を連続紙のガイド板３
の窓孔から下に貫通して位置させるようにして支点ピン
９回りに回動自在に取付けられ、いずれかの記録紙が通
過した際には回動変位して紙の通過を検出するように構
成されている。

【００１３】これに対して、図中符号１０は給紙部分に
設けた上ケースの一部を示したもので、プラテンローラ
４に沿うようにしてその上方に配設したこの上ケース１
０には、紙検出部材６と対向する部分に紙押えシート１
５を装着する取付け凹部１１が形成されている。

【００１４】この取付け凹部１１は、紙ガイド部材１側
に開口部を有するほぼコ字状をなし、さらにこの外壁１
２の内面には、紙押えシート１５を取付けるための角型
をなす突起１３が一体的に突出形成されている。

【００１５】一方、この取付け凹部１１に取付けられる
紙押えシート１５は本発明の特徴をなす部分で、この紙
押えシート１５は、弾力性のあるきわめて薄い板材、こ
の実施例では、肉厚が０．２mm程度のポリエステルフィ
ルムによって形成されている。

【００１６】この紙押えシート１５は、図３に示したよ
うに、一半が、取付け凹部１１の内面形状に合わせた長
方形の取付け部１６をなしていて、その末端部を取付け
凹部１１の内側隅部１４に係合させるようにして湾曲さ
せながら、この面１６に打抜いた角孔１７を上ケース外
壁１２の上記突起１３に嵌合させた上、他半に形成した
紙押え部１８の先部１９を単票紙のガイド面２に弾性的
に接触させるように構成されている。

【００１７】この紙押え部１８は紙との摩擦を少なくす
るために可能な限り巾狭く形成され、さらにその先端１
９を上向きに曲成された上、検出部材６に近接させてそ
の外側に取付けられている。

【００１８】なお、図中符号２１はキャリッジ、２２は
キャリッジ２１上の記録ヘッドを示しており、また２３
は、プラテン５に接して転動する紙ガイド部材１上の抑
えローラをそれぞれ示している。

【００１９】このように構成された実施例において、い
ま、単票紙ｓが紙ガイド部材１上に送り込まれてくる
と、この単票紙ｓはプラテンローラ４と接触する直前で
巾の狭い紙押えシート１５に接してその弱い下向きの弾
性押圧力を受け、さらに上向きに曲成した巾の狭い先端
部分１９に緩く摺接しながら、紙粉を生じることなく、
かつこれに引っかかることなくその内側近傍に位置する
検出部材６を正しく押下げて通過する。

【００２０】したがって、図２に示したように、検出部
材６が紙ガイド部材１の一側に配設されて紙押えシート
１５の押圧力が単票紙ｓの一側に作用するような場合で
も、接触面が狭くかつ押圧力が弱いため単票紙ｓはスキ
ューを起こすことなく正しくプラテンローラ４の周面へ
送り込まれる。

【００２１】また、単票紙ｓの後端部が通過する際に
は、プラテンローラ４の周面に巻付けられた前半部分に
よって検出部材６を押下げるように作用するため、紙押
えシート１５の下向き押圧力と協動して検出部材６の押
上げ力を有効に阻止してその検出状態を保持させる。

【００２２】他方、何らかの原因によって紙ジャムが生
じたり、あるいは位置合わせをするに当って単票紙ｓを
逆向きに送ったような場合には、検出部材６の外側に位
置する紙押えシート１５が、その先の上向き曲成部分１
９により検出部材６と単票紙ｓとのからまりを生じさせ
ることなくその逆送を円滑に許容する。

【００２３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、プラ
テンローラの反対側から検出レバーを紙案内面に突出さ
せるようにした紙案内部材に対向して、薄肉弾性材より
なる紙押え部材を紙検出レバーの外側に近接させて取付
けるようにしたので、紙検出部材と紙押え部材を接触さ
せることなく分解、組立てを容易に行うことができると
同時に、紙の浮上りが生じ易い検出レバーの外側部分の
みを弱い力で効果的に押えて記録紙を安定的に給送する
ことができ、さらには、プラテンローラへの巻付きによ
り生じる自己の弾性力を利用して紙検出レバーを押圧す
ることができるため、紙押えレバーを必要的に薄い素材
で形成した場合でも、このレバーとの協同作用によって
紙検出レバーを記録紙の終端まで確実に押えて、正確な
紙検知を行わせることができる。

【００２４】しかも、この紙押え部材の先端を紙案内面
から離す方向に曲成してあるので、通常の紙送り時には
用紙との接触を円滑にして紙粉の発生を未然に抑えると
ともに、位置合せ算をするに当って用紙を逆向きに送る
場合でも、紙とのひっかかりや紙検出レバーとの干渉を
避けて、紙ジャムの発生等を未然に抑えることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例をなす装置の概要構成図であ
る。

【図２】同上装置を前面から見た図である。

【図３】（ａ）（ｂ）は紙押えシートを平面と側面から
示した図である。

【符号の説明】

１ 紙案内部材 ４ プラテンローラ ５ 下ケース １０ 上ケース １１ 取付け凹部 １５ 紙押えシート １９ 先端曲成部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 行宏 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 山口 和彦 長野県諏訪市大和３丁目３番５号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラテンローラの周面に配設され、かつ
   上記プラテンローラの反対側から紙案内面上に紙検出レ
   バーを出没自在に突出させた紙案内部材に対し、先端を
   上記紙案内面から離間させるように曲成した薄肉弾性材
   よりなる狭巾の紙押え部材を、上記紙検出レバーの外側
   に近接させて配設したことを特徴とするプリンタにおけ
   る紙案内装置。