JP3894311B2 - 用紙浮き上がり防止装置及び該装置を備える記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット式記録装置等の記録装置において用紙の搬送中に用紙が記録ヘッドに接触することを防止するための用紙浮き上がり防止装置および該装置を備える記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のインクジェット式記録装置では、記録ヘッドとその下方に設けられるプラテンとの間に用紙を搬送するために、紙送り駆動ローラと紙送り従動ローラとから成る紙送りローラが設けられている。この紙送りローラにより、用紙がプラテンの上面と平行に近い角度で搬送される場合には、用紙の先端が上方へ上がり気味となり、記録ヘッドの下面に接触して用紙の記録面(印刷面)を汚すなどの問題を生じていた。
【0003】
そこで従来は、紙送り駆動ローラと紙送り従動ローラとのニップ点で挟持されている用紙がプラテンに接触しているときに、用紙が下に凸状態に撓むように、ニップ点及びプラテンを位置決めして、用紙先端をプラテン上面に押し付けることにより、用紙先端の浮き上がりの問題を解消していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような構成を採用する場合、用紙の後端がニップ点を離れた瞬間に用紙後端側の支持(紙送りローラによる挟持)が失われるため、今まで下に凸状態に強制的に撓ませていた用紙が平坦に近い形状に復帰しようとして、用紙が上方へ浮き上がる。この用紙後端の浮き上がりにより、用紙の記録面と記録ヘッドの対向面(ヘッド下面)との間隔であるペーパーギャップが変動して記録品質を低下する原因となったり、前記浮き上がりの際に用紙上面が記録ヘッドに接触して記録面を汚す原因となっていた。
【0005】
そこで、用紙後端が紙送りローラのニップ点を離れた(外れた)際の用紙後端の浮き上がりを規制するために、ニップ点より用紙搬送方向下流側の記録ヘッド下面とプラテン上面との間に用紙規制面を有する用紙規制装置を設けることが考えられており、既にこの点に関して本出願人は特許出願に及んでいる。
【0006】
このような用紙規制装置は、その位置が固定されていると、比較的撓みやすく腰の弱い用紙は、その搬送経路途中において用紙規制装置により強制的に撓まされても容易に平坦な状態に復元するため、その後の印刷工程や搬送工程において影響を受けにくい。しかし比較的腰の強い用紙は、用紙規制装置により強制的に撓まされることにより曲がり癖が付いたり、用紙の弾性変形限界を超えて折り目が付いたりするなどの弊害を生じる場合がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、比較的腰の強い用紙を使用した場合にも用紙規制装置により悪影響を受けないような用紙浮き上がり防止装置及び該装置を備える記録装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様に係る用紙浮き上がり防止装置は、紙送り駆動ローラと紙送り従動ローラとのニップ点で挟持されている用紙がプラテンに接触しているときに、用紙が下に凸の状態に撓むように、前記ニップ点及びプラテンが位置決めされていると共に、前記ニップ点より用紙搬送方向下流側の記録ヘッド下面とプラテン上面との間には、前記用紙の後端がニップ点を離れた時の用紙の浮き上がりに起因する用紙上面の前記記録ヘッドへの接触を防止するための用紙規制面を有する用紙規制装置が設けられており、前記紙送り従動ローラは、該紙送り従動ローラより後方に回動支点を有し且つ前方側が下方へ付勢されているホルダの前方側に回転可能に支持されており、前記ホルダの前端には、該ホルダに揺動支点を有する揺動部材が設けられ、該揺動部材と前記ホルダとの間に設けられる弾性部材により、前記揺動部材の前端は一定の下端位置までの間において常時下方へ付勢されており、前記用紙規制装置が前記揺動部材の前端に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
比較的腰の弱い用紙がニップ点で挟持されているとき、用紙の先端はプラテン上に押し付けられており、用紙は強制的に下に凸状態に湾曲させられた状態で前方へ搬送されていく。用紙の後端がニップ点を離れると、用紙を強制的に下に凸状態に湾曲させる力が解除されるため、用紙後端は自由状態となり、湾曲状態から元の形状に復帰しようとして用紙が上方向へ浮き上がろうとする。
【0010】
用紙の後端がニップ点を離れた時に該用紙が浮き上がろうとするが、このとき用紙規制装置の用紙規制面が用紙の上面に当接するため、用紙の浮き上がりは規制され、従ってペーパーギャップの変動や用紙上面が記録ヘッドに接触するのを防止することができる。
【0011】
これに対して比較的腰の強い用紙を使用した場合には、該用紙が用紙規制装置の用紙規制面に接触したとき、該用紙の復元力が、揺動部材を下方へ付勢する弾性部材の付勢力を上回って、用紙が用紙規制装置をその最下点から多少上方へ持ち上げるように構成することが可能である。これにより比較的腰の強い用紙は湾曲する程度が小さくなるので、用紙に曲がり癖や折り目が付くなどの弊害を生じない。
【0012】
また、本発明の第2の態様に係る用紙浮き上がり防止装置は、前記第1の態様において、前記用紙規制装置は回転自在なローラであり、前記ローラの周面が用紙規制面であることを特徴とするものである。本発明によれば、用紙の搬送に伴いローラが従動回転するため、用紙の滑らかな搬送を実現することができる。
【0013】
また、本発明の第3の態様に係る用紙浮き上がり防止装置は、前記第1または第2の態様において、前記弾性部材は板バネであり、該板バネの後端側が前記ホルダに係止し、前記板バネの前端側が前記揺動部材に係止していることを特徴とするものである。本発明によれば、板バネの弾性復帰力により揺動部材が下方に付勢される結果、用紙規制装置をその最下限までの間において下向きに付勢することができる。
【0014】
また、本発明の第4の態様に係る用紙浮き上がり防止装置は、前記第3の態様において、前記ホルダには前記揺動部材の上方への揺動を制限する制限部材が設けられていることを特徴とするものである。
【0015】
例えばCD−R等のディスク媒体に印刷を行う場合に、記録装置の前側からディスク媒体を支持するトレイを挿入する構造の記録装置がある。この場合、ユーザーは本来、トレイの進入路を開けるために、記録装置に設けられたレバーの操作等で用紙規制装置や紙送り従動ローラを上方へ待避させる必要がある。しかしユーザーがこのようなレバー操作を行わずにトレイを無理矢理押し込もうとすれば、トレイの先端が用紙規制装置に当接し、揺動部材を上方へ大きく回動させるため、ホルダに係止されている板バネの係止が外れてしまう。
【0016】
本態様によれば、誤ってユーザーがレバー操作等を行わないでトレイを押し込んだとしても、揺動部材の一部が制限部材に当接することにより揺動部材の上方への回動が制限されるため、板バネのホルダへの係止が外れることを防止することができる。
【0017】
また、本発明の第5の態様に係る記録装置は、前記第1の態様乃至第4の態様のいずれかの用紙浮き上がり防止装置を備えることを特徴とするものである。本発明によれば、ペーパーギャップの変動や用紙上面の記録ヘッドの接触を防止することができるから、高品質の記録を実現することができる。比較的腰の強い用紙を使用しても、曲がり癖や折り目がつくなどの弊害がないから、高品質の印刷物を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明に係る用紙浮き上がり防止装置を適用した記録装置の一つであるインクジェット式記録装置1を示す斜視図であり、図2はインクジェット式記録装置1の側断面図を示す。図3は同インクジェット式記録装置の要部拡大斜視図であり、図4は同インクジェット式記録装置の更に要部を拡大した斜視図であり、図5は同インクジェット式記録装置の要部の透視側断面図であり、図6は同インクジェット式記録装置の要部外観斜視図であり、図7はホルダ及び用紙規制装置周辺を示す拡大斜視図であり、図8はディスク媒体用トレイを使用するときの様子を示す斜視図であり、図9は同インクジェット式記録装置の用紙搬送状態を示す説明図である。また図10(a)は比較的腰の弱い用紙の先端の搬送開始時を示し、図10(b)は同用紙後端がニップ点を離れた瞬間を示す説明図であり、図11(a)は比較的腰の強い用紙の先端の搬送開始時を示し、図11(b)は同用紙後端がニップ点を離れた瞬間を示す説明図であり、図12は本発明の他の実施の形態を示す説明図、図13は本発明の更に他の実施の形態を示す説明図である。
【0019】
インクジェット式記録装置1は、該装置本体3の後方上部に給紙部5を備え、装置本体3の前方に排紙部7を備えるという概略構成を備えている。
図2に示す如く、給紙部5に形成された給紙トレイ11には複数枚の用紙Pが積載可能であり、最上部に位置する用紙は、給紙トレイ11の直ぐ下流側に設けられた給紙ローラ13の外周面が摩擦接触することで、対向する分離パッドとの協働により1枚の用紙だけを送り出す作用を担う。
【0020】
給紙トレイ11から送り出された用紙は、プリンタ本体3のメインフレーム9に対して設けられる下側の紙送り駆動ローラ15と上側の紙送り従動ローラ17とから構成される紙送りローラ19に至り、駆動系により記録実行工程における精密な紙送り動作を受けながら、紙送りローラ19の下流側に位置する記録ヘッド21側に向かって給紙される。
【0021】
図3に示す如く、紙送り従動ローラ17は、本実施の形態では8本の等間隔に並んだローラ要素18から構成されており、これらローラ要素18が捻りコイルバネ16(図2参照)の作用により下向きに付勢されるホルダ20に対して回転自在な状態で取り付けられている。
【0022】
記録ヘッド21は、キャリッジ23に搭載されている。該キャリッジ23は、給紙方向と直交する方向(主走査方向)へ往復移動できるようになっている。記録ヘッド21と対向する位置にはプラテン25が設けられており、該プラテン25は、記録ヘッド21によって用紙に記録を実行する際に、該用紙を下側から支持する作用を担う。
【0023】
記録ヘッド21とプラテン25上に下から支持されている用紙との距離、即ちペーパーギャップは、記録ヘッド21を搭載するキャリッジ23を上下動させる従来公知の機構により、用紙の厚さに応じて適宜調節できるようになっている。ペーパーギャップが適正に調整されている状態で、用紙はプラテン25上を滑らかに通過しながら、高品質の記録が行なわれるようになっており、記録ヘッド21で記録実行された用紙は、排紙部7に設けられる排紙ローラ27によって順次排出される。排紙ローラ27は、下側の排紙駆動ローラ29及び上側の排紙従動ローラ31から構成されており、用紙が排紙駆動ローラ29の回転駆動により引き出されて排出される機構となっている。
【0024】
インクジェット式記録装置1は、以上のような構成を備えるものであり、以下本発明の用紙浮き上がり防止装置について具体的に説明する。
図10(a)に最も良く現れているように、紙送り駆動ローラ15と紙送り従動ローラ17とのニップ点33は、紙送り駆動ローラ15の回転中心から見て時計の短針の10時〜11時の方向に位置決めされており、そのため用紙Pはニップ点33における紙送り駆動ローラ15表面での接線方向に向かって、やや下方向きの成分を有しながら記録ヘッド21の方へ搬送されるようになっている。
【0025】
そのため、用紙Pがニップ点33に挟持されている状態で用紙Pがプラテン25の上面26に接触すると、該用紙Pは下に凸状態になるように強制的に撓まされる。その結果、用紙の先端P1が常時プラテン25の上面26に押し付けられる状態で搬送されるようになっている。この状態は用紙後端がニップ点33から外れるまで続く。
【0026】
このように下に凸状態に撓んだ用紙の搬送経路の途中であって、ニップ点33より用紙搬送方向下流側には、用紙規制面37を有する用紙規制装置35が設けられている。本実施の形態では、図3乃至図7に示す如く、用紙規制装置35はローラ36の形態をしており、この用紙規制装置35としてのローラ36は、紙送り従動ローラ17を構成するローラ要素18の2つ分の長さと同じ長さを有する。
【0027】
ローラ36は、ホルダ20の前方側に揺動支点41を有する揺動部材43の前端24に回転自在に設けられている。揺動部材43は、左右両側の側板45と、揺動部材43の前部上方において両側板45間で延びている被覆板47と、被覆板47の内側において両側板45間で延びている係止板49とを備えており、係止板49にはバネ係止孔51が形成されている。尚、図3及び図4では、被覆板47と係止板49とは図示が省略されている。
【0028】
またホルダ20の上面側には、紙送り従動ローラ17と揺動支点41との間に、断面上向きコの字状のバネ受入係止部53が形成されている。そしてバネ受入係止部53とバネ係止孔51とにそれぞれ板バネ55の後端57及び前端59が係止している。即ち、板バネ55の後端57は、バネ受入係止部53に丁度入り込むことができる形状及び大きさを有し、該後端57がバネ受入係止部53の中へ上方から入り込むことで係止状態が形成されている。一方板バネ55の前端59には、下方へ鉤状に屈曲した係止端61が形成されており、該係止端61がバネ係止孔51内に入り込むことで係止状態が形成されている。
【0029】
揺動部材43には図示しない度当てが形成されており、この度当てが装置本体3の一部に当接することで、揺動部材43はそれ以上下方へは揺動不可能となっている。図5は、度当てが作用して、揺動部材43がそれ以上下方へ揺動不可能な状態を示しており、このとき板バネ55のバネ作用部63は、自然状態において延びる方向より強制的に上側に変形させられているため、その弾性復帰力により揺動部材43の先端部24は下向きの付勢力を受けている。
【0030】
図7に示す如く、各ホルダ20の左右上端部には、揺動部材43の揺動可能な上限限界を規制するための制限部材65が上方へ向かって延びている。この制限部材65の作用については後述する。
【0031】
用紙規制装置35であるローラ36の周面のうち、用紙搬送経路に最も近い位置の周面部分が用紙規制面37として機能する。尚、ローラ36は回転自在であるため、実際にはローラ36の全周面が用紙規制面37となり得る。
【0032】
このような用紙規制面37は、ニップ点33より用紙搬送方向下流側における記録ヘッド21の下面22とプラテン25の上面26との間に位置する。因みに用紙規制装置35における用紙規制面37は、このような位置的要件に加えて、なるべくプラテン25側に近く、且つプラテン25の上面26に近い高さであることが好ましいが、このような要件は本発明では必須ではない。
【0033】
ローラ36は、比較的腰の弱い用紙Pを搬送し、その先端がプラテン25の上面26に当接することで下に凸状態に撓んでいるときに、ローラ36の周面が該用紙Pの上面に接する位置に配置されている。従って用紙Pは、図9に示す如くニップ点33からローラ36の下面を通過し、その後プラテン25の上面26に至るという搬送経路をとる。
【0034】
本発明の用紙浮き上がり防止装置は、以上述べたような構成を備えるもので、以下その作用について説明する。比較的腰の弱い用紙Pに印刷する場合には、図9において、ニップ点33で挟持された用紙Pは、その先端P1が図9におけるローラ36の右下側の用紙規制面37付近に当接した後、該面37に案内されてプラテン25の上面26に当接する。その後も用紙Pは前方への搬送駆動力を受けるため、図10(a)に示す如く、用紙Pの先端P1は、プラテン25の上面26で水平方向に湾曲し、用紙全体としては下に凸状態に撓んだ状態で搬送され続ける。このとき用紙Pの上面はローラ36の用紙規制面37に当接し、用紙との摩擦によりローラ36を回転させながら、用紙規制面37に案内されるように用紙は前方へ進行する。このとき用紙Pは、強制的にプラテン25の上面26に押し付けられるような付勢力を受けている。
【0035】
図10(b)に示す如く、用紙Pの後端P2がニップ点33から外れると、用紙Pの後端P2側の支持が失われるため、撓んでいた用紙Pは元の状態に復帰しようとして用紙が上方へ浮き上がろうとする。しかし用紙Pの途中にローラ36の用紙規制面37が接触しているため、用紙Pは浮き上がることなく搬送され続ける。
この結果、用紙Pの後端P2がニップ点33から外れた瞬間におけるペーパーギャップの変動が抑えられるため、記録実行への影響を最小限に抑えることができると共に、用紙Pの上面が記録ヘッド21に接触することも防止することができる。
【0036】
次に比較的腰の強い用紙Qに印刷する場合には、図11(a)に示す如く用紙Qの先端Q1がプラテン25の上面26に当接し且つ用紙Qの上面側がローラ36の右下側の用紙規制面37付近に当接して撓んだとき、腰の強い用紙Qが平坦な状態に復元しようとする力が、板バネ55がローラ36を下方へ付勢する力を上回るため、用紙Qが板バネ55の下方付勢力に抗して矢印67で示すようにローラ36を上方へ持ち上げる。この結果、図11(a)中実線で示す比較的腰の強い用紙Qの搬送経路は、同図中破線で示す比較的腰の弱い用紙Pの搬送経路よりも上側に位置するようになる。従って比較的腰の強い用紙Qはローラ36の存在により強制的に撓まされることがないため、曲がり癖が付いたり、用紙Qの弾性変形限界を超えて折り目が付いたりするなどの弊害を防止することができる。
【0037】
図11(b)に示す如く、用紙Qの後端Q2がニップ点33から外れると、用紙Qの後端Q2側の支持が失われるため、板バネ55による下方付勢力が作用して、矢印69で示す如くローラ36及び用紙Qが下方へ押し下げられる。このように比較的腰の強い用紙Qの場合には、用紙Qの後端Q2がニップ点33から外れたとき、用紙Qは浮き上がるのではなく、むしろ押し下げられることになるため、用紙Qの上面が記録ヘッド21に接触するような事態は元より生じない。
【0038】
次に制限部材65の作用について説明する。図1に示すようなインクジェット式記録装置は、用紙だけでなく例えばCD−R等のディスク媒体に印刷を行うことが可能な構成を備えている。ディスク媒体に印刷を行う場合には、記録装置の前側からディスク媒体71を支持するトレイ73を挿入する。
【0039】
図8はトレイ73を記録装置の前側から挿入しているときの様子を示している。トレイ73が挿入されるとき、トレイ73の進入路を開けるため、通常は記録装置に設けられたレバー(図示せず)の操作で上記ローラ36や紙送り従動ローラ17を上方へ待避させるようになっている。しかしユーザーがこのようなレバー操作を行わずにトレイ73を押し込もうとすれば、トレイ73の先端75がローラ36に当接し、揺動部材43を上方へ大きく回動させるため、バネ受入係止部53内に入り込んでいる板バネ55の後端57が外れてしまう場合がある。
【0040】
本発明では上述の如く、ホルダ20の左右端部に制限部材65(図7参照)が形成されているため、トレイ73を無理矢理押し込んで揺動部材43が上方へ回動したとき、揺動部材43の被覆板47が制限部材65に当接するため、それ以上の回動が制限されて、板バネ55が外れることを防止することができる。
【0041】
次に本発明の用紙浮き上がり防止装置の他の実施の形態について説明する。図12は、ローラ36の代わりに、用紙の搬送経路に向けて下側に滑らかに湾曲した用紙規制面37を有する固定部材39を用紙規制装置35として適用した実施の形態を示す。固定部材39はローラ36と同様に揺動部材43の先端付近に設けられている。そして比較的腰の強い用紙Qに印刷を行う場合には、用紙Qが固定部材39に接触して撓もうとするときに、用紙Qの形状復帰力によって固定部材39を上方へ持ち上げるようになっている点は上記実施の形態と同様である。このように、用紙規制装置35はローラの形態に限らず、用紙の上面が用紙規制面37に摺接しながらプラテン25側へ案内されるような種々の形態を含む。従って、例えば上述したローラ36を回転不能として、固定状態の用紙規制面37を有する用紙規制装置35とすることもできる。
【0042】
また図13に示す他の実施の形態では、図10に関して説明した実施の形態と同様に、ローラ36の形態をした用紙規制装置35が設けられ、該用紙規制装置35はその周面に用紙規制面37を有するが、本実施の形態における用紙規制面37(ローラ36の周面のうち、用紙搬送経路に最も近い位置の周面部分)は、比較的腰の弱い用紙Pがニップ点33で挟持されているときには用紙Pに接触しないが、用紙Pの後端P2がニップ点33を離れて用紙Pが浮き上がったときに用紙Pが接触する高さに配置されている点で前述の実施形態とは異なる。
【0043】
このような実施の形態によれば、用紙Pがニップ点33で挟持されているときには用紙規制面37に接触しないため、従来と変わりない搬送状態を実現することができ、用紙を安定して搬送することができる。一方、用紙Pの後端P2がニップ点33を離れた時は、撓み状態から元の形状に復帰しようとして用紙Pが上方向へ浮き上がる。しかし、この用紙の浮き上がり距離は、用紙規制面37とそれまでの用紙搬送軌道とのギャップ分に止まるため、最小限の用紙浮き上がりに抑えることができる。従って本実施の形態においても、ペーパーギャップの変動に影響を与えることがない。また浮き上がりにより用紙規制面37に用紙Pの上面が当接した後は、それ以上の用紙の浮き上がりが規制されるから用紙上面の記録ヘッド21への接触も防止される。
【0044】
また比較的腰の強い用紙Qが搬送される過程では、用紙Qの先端Q1がプラテンの上面26に当接したときの撓みは小さいので、用紙Qの上面がローラ36の周面に当接する。そして用紙Qが平坦な形状に復帰しようとする力により、ローラ36を上方へ持ち上げる点は、図10に関して説明した実施の形態と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るインクジェット式記録装置の斜視図である。
【図2】 同インクジェット式記録装置の側断面図である。
【図3】 同記録装置の要部拡大斜視図である。
【図4】 同記録装置の更に要部を拡大した斜視図である。
【図5】 同記録装置の要部の透視側断面図である。
【図6】 同記録装置の要部外観斜視図である。
【図7】 ホルダ及び用紙規制装置周辺を示す拡大斜視図である。
【図8】 ディスク媒体用トレイ使用時の様子を示す斜視図である。
【図9】 同記録装置の用紙搬送状態を示す説明図である。
【図10】 (a)は比較的腰の弱い用紙の先端の搬送開始時を示し、(b)は同用紙後端がニップ点を離れた瞬間を示す説明図である。
【図11】 (a)は比較的腰の強い用紙の先端の搬送開始時を示し、(b)は同用紙後端がニップ点を離れた瞬間を示す説明図である。
【図12】 本発明の他の実施の形態を示す説明図である。
【図13】 本発明の更に他の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式記録装置、 3 装置本体、 5 給紙部、 7 排紙部、 9 メインフレーム、11 給紙トレイ、13 給紙ローラ、15 紙送り駆動ローラ、16 捻りコイルバネ、17 紙送り従動ローラ、18 ローラ要素、19 紙送りローラ、20 ホルダ、21 記録ヘッド、22 記録ヘッドの下面、23 キャリッジ、24 揺動部材の前端、25 プラテン、26 プラテンの上面、27 排紙ローラ、29 排紙駆動ローラ、31 排紙ギザローラ、33 ニップ点、35 用紙規制装置、36 ローラ、37 用紙規制面、39 固定部材、41 揺動支点、43 揺動部材、45 側板、47 被覆板、49 係止板、51 バネ係止孔、53 バネ受入係止部、55 板バネ、57 板バネの後端、59 板バネの前端、61 係止端、63 バネ作用部、65 制限部材、67 矢印、69 矢印、71 ディスク媒体、73 トレイ、75 トレイの先端、P 比較的腰の弱い用紙、P1 比較的腰の弱い用紙の先端、P2 比較的腰の弱い用紙の後端、Q 比較的腰の強い用紙、Q1 比較的腰の強い用紙の先端、Q2 比較的腰の強い用紙の後端
Claims (4)
- 紙送り駆動ローラと紙送り従動ローラとのニップ点で挟持されている用紙がプラテンに接触しているときに、用紙が下に凸の状態に撓むように、前記ニップ点及びプラテンが位置決めされ、前記ニップ点より用紙搬送方向下流側の記録ヘッド下面とプラテン上面との間には、前記用紙の後端がニップ点を離れた時の用紙の浮き上がりに起因する用紙上面の前記記録ヘッドへの接触を防止するための用紙規制面を有する用紙規制装置が設けられ、
前記紙送り従動ローラは、該紙送り従動ローラより後方に回動支点を有し且つ前方側が下方へ付勢されているホルダの前方側に回転可能に支持され、
前記ホルダの前端には、該ホルダに揺動支点を有する揺動部材が設けられ、該揺動部材と前記ホルダとの間に設けられる弾性部材により、前記揺動部材の前端は一定の下端位置までの間において常時下方へ付勢され、前記用紙規制装置が前記揺動部材の前端に設けられ、前記ホルダには前記揺動部材の上方への揺動を制限する制限部材が設けられていることを特徴とする用紙浮き上がり防止装置。 - 請求項1の用紙浮き上がり防止装置において、前記用紙規制装置は回転自在なローラであり、前記ローラの周面が用紙規制面であることを特徴とする用紙浮き上がり防止装置。
- 請求項1または2の用紙浮き上がり防止装置において、前記弾性部材は板バネであり、該板バネの後端側が前記ホルダに係止し、前記板バネの前端側が前記揺動部材に係止していることを特徴とする用紙浮き上がり防止装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載された用紙浮き上がり防止装置を備えることを特徴とする記録装置。
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JP2002290757A JP3894311B2 (ja) | 2002-10-03 | 2002-10-03 | 用紙浮き上がり防止装置及び該装置を備える記録装置 |
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Publications (2)
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