JPH07256882A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法及び該記録ヘッドを具備する記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法及び該記録ヘッドを具備する記録装置

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JPH07256882A
JPH07256882A JP4873794A JP4873794A JPH07256882A JP H07256882 A JPH07256882 A JP H07256882A JP 4873794 A JP4873794 A JP 4873794A JP 4873794 A JP4873794 A JP 4873794A JP H07256882 A JPH07256882 A JP H07256882A
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ink jet
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JP4873794A
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Shuji Koyama
修司 小山
Haruhiko Terai
晴彦 寺井
Toshio Kashino
俊雄 樫野
Seiichiro Karita
誠一郎 刈田
Koichi Komata
好一 小俣
Hiroshi Koizumi
寛 小泉
Takeshi Origasa
剛 折笠
Akira Goto
顕 後藤
Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Noriyuki Ono
敬之 小野
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Canon Inc
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 吐出エネルギー発生素子が設けられた基板を
基台に精度良く並べることを可能にした、製造歩留りが
高く、安価な長尺のインクジェット記録ヘッドの製造方
法を提供する。 【構成】 インクを吐出させるために利用されるエネル
ギーを発生する複数のエネルギー発生素子が設けられた
基板100を、基台300上に接着する工程を有するイ
ンクジェット記録ヘッドの製造方法において、基板を基
台に接着する際に基台に塗布する接着剤301層の厚さ
をa、基板と基台とを接着する際用いる配列治具の高さ
をb、基板の厚さをc、基台の反り量をdとするとき、
a+c≧b,b≧c+d,a≦300(μm)の3式を
同時に満たすように基板を基台に接着することを特徴と
するインクジェット記録ヘッドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録液体(インク)を
吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッド、その製
造方法及び該記録ヘッドを具備する記録装置に関するも
のである。特に吐出口を略記録幅に対応した数だけ配列
させて構成されるフルマルチタイプのインクジェット記
録ヘッド、その製造方法及び該記録ヘッドを具備する記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄
板、布、等の被記録材上にドットパターンから成る画像
を記録していくように構成されている。
【0003】前記記録装置は、その記録方式によりイン
クジェット式、ワイヤードット式、サーマル式、電子写
真式等に分けることができ、そのうちのインクジェット
式記録装置は、インクジェット記録ヘッドの吐出口から
記録液(インク)を滴として吐出飛翔させ、これを被記
録材に付着させて記録するように構成されている。
【0004】中でも、熱エネルギーをインクに作用させ
インクの状態変化を利用してインクを滴として吐出させ
る方式の記録ヘッドは、記録信号に対する応答性が良
く、吐出口の高密度化が容易である等の利点を有してい
る。
【0005】また、この熱エネルギーを利用してインク
を吐出させる方式であって、被記録材の幅に略対応して
吐出口および電気熱変換体(吐出エネルギー発生素子)
を配列させた、フルマルチタイプの記録ヘッド及びこの
記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置は、その高
速性能の面から大いに期待されている。
【0006】これまで、これらの記録ヘッドを製造する
には、ICのダイボンディングと同じように転写ピンに
よって接着剤を、その厚さが25±5μmになるように
塗布していた。図5は、背景技術に係る通常のインクジ
ェット記録ヘッドの、図6は同長尺タイプのインクジェ
ット記録ヘッドの、それぞれの製造方法の一例を示す工
程図である。両図において、(1)に示されるように基
台(ベースプレート)300の上に接着剤301を設
け、しかる後(2)に示されるようにヒーターボード1
00を(あるいは長尺ヒーターボード104を)接着剤
301によって基台300に接着することにより、イン
クジェット記録ヘッドを製造していた。符号101は吐
出エネルギー発生素子(ヒーター)を、102は信号供
給用のパッドを示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術に係る接着では、これまでの記録ヘッドにはそれ
なりに有効であったが、特に64又は128といった比
較的少ない数の吐出エネルギー発生素子を設けた基板を
必要な数だけ一枚の基台上に精度よく並べて接着するフ
ルマルチタイプのインクジェット記録ヘッドの製造方法
に適用させる場合、接着剤の層厚が薄過ぎたり、接着剤
のパターン形状がばらつきやすかったりしたため次のよ
うな問題があった。 (1)吐出エネルギー発生素子が設けられた基板の厚さ
のバラツキや基台の反りがあるため、これまでの接着剤
の層厚では基板が基台に接触してしまい、精度良く基板
を基台に配列することができなかった。 (2)接着剤パターン形状が基板に対して左右、上下で
均等でないことが多いため、複数の溝を有する一つの天
板を128ノズル当たり2から4kg重の力で上から押
さえた時、各々の基板が接着剤の少ない方に傾き、基板
間に隙間を生じさせ、印字特性を悪化させてしまうこと
があった。
【0008】本出願に係る第一の発明の目的は、吐出エ
ネルギー発生素子が設けられた基板を基台に精度良く並
べる事を可能にした、製造歩留りが高く、安価な長尺の
インクジェット記録ヘッド、その製造方法及び該記録ヘ
ッドを備えた記録装置を提供することにある。
【0009】本出願に係る第二の発明の目的は、複数の
溝を有する一つの天板を128ノズル当たり2から4k
g重の力で押さえても、天板の下部にある基板が傾くこ
となく製造できる、印字特性の良好なインクジェット記
録ヘッド、その製造方法及び該ヘッドを備えた記録装置
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明は、インクを吐出させるために利用されるエネルギー
を発生する複数のエネルギー発生素子が設けられた基板
を、基台上に接着する工程を有するインクジェット記録
ヘッドの製造方法において、基板を基台に接着する際に
基台に塗布する接着剤の層厚をa、基板と基台とを接着
する際用いる配列治具の高さをb、基板の厚さをc、基
台の反り量をdとするとき、a+c≧b,b≧c+d,
a≦300(μm)の3式を同時に満たすように基板を
基台に接着することを特徴とするインクジェット記録ヘ
ッドの製造方法である。
【0011】また本発明の製造方法は、接着後の基板1
チップに対する接着剤のパターンにおいて、0.75≦
接着剤の上面積/接着剤の下面積≦1.25且つ0.7
5≦接着剤の左面積/接着剤の右面積≦1.25とし、
基板1チップの面積eに対する接着剤の接着面面積fの
割合f/eを0.4以上1.0以下とすることを含むも
のである。
【0012】また本発明は、上記いずれかの製造方法で
製造されたインクジェット記録ヘッドである。
【0013】また本発明のインクジェット記録ヘッド
は、エネルギー発生素子が電気エネルギーを与えること
によって発熱し、インクに状態変化を生ぜしめてインク
の吐出を行わせるための電気熱変換体であるものを含
む。
【0014】また本発明のインクジェット記録ヘッド
は、記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐出口が複数
設けられているフルマルチタイプのものを含む。
【0015】また本発明のインクジェット記録ヘッド
は、エネルギー発生素子が設けられた基板の複数を長尺
な基台上に接着してなるものを含む。
【0016】また本発明は、記録媒体の被記録面に対向
してインクを吐出するインク吐出口が設けられている前
記インクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記録
ヘッドを載置するための部材とを具備することを特徴と
するインクジェット記録装置である。
【0017】
【作用】本出願に係る第1の発明は、64又は128と
いった比較的少ない数の吐出エネルギー発生素子(熱エ
ネルギーを利用したインクジェット記録方式では、一対
の電極及びこれら電極の間に設けられた発熱抵抗体)が
設けられた基板を必要な数だけ基台に接着する場合、基
台に接着する際に基台に塗布する接着剤の層厚をa、基
板と基台とを接着する際用いる治具の高さをb、基板の
厚さをc、基台の反り量をdとした時、a+c≧b,b
≧c+d,a≦300(μm)の3式を同時に満たすこ
とを特徴とする。
【0018】上記構成は、基台上に塗布された接着層の
厚さが基台(ベースプレート)の反りや基板(これより
ヒーターボードと呼ぶ)の厚さバラツキを吸収できるた
め、ヒーターボードが基台に接触せず精度良く並べる事
を可能としたものである。
【0019】また第二の目的を達成するため、本出願に
係る第二の発明は、64又は128といった比較的少な
い数の吐出エネルギー発生素子が設けられたヒーターボ
ードを必要な数だけ基台に並べヒーターボードを接着し
た後の接着剤のパターンが、基板1チップに対する接着
剤パターンにおいて、0.75≦接着剤の上面積/接着
剤の下面積≦1.25且つ0.75≦接着剤の左面積/
接着剤の右面積≦1.25とし、基板1チップの面積e
に対する接着剤の接着面面積fの割合f/eを0.4以
上1.0以下としたことを特徴とする。
【0020】図8に基板1チップに対する接着剤パター
ンの1例を示す。図中、81はヒーターボード基板、8
2は接着剤パターンである。上面積、下面積、左面積、
右面積をこの図を用いて説明する。基板中心を通り基板
の上辺及び下辺と平行な中心線より上側の面積が上面積
82a、下側の面積が下面積82bであり、基板中心を
通り基板の側辺と平行な中心線より図において、左側の
面積が82c、右側の面積が82dである。
【0021】従って接着剤パターンが上記条件を満たす
ならば、接着層が基板の中心に対してほぼ左右、上下対
称なため、複数の溝を有する一つの天板を128ノズル
当たり2から4kg重の力で押さえた時、ヒーターボー
ドに均一に荷重がかかるため天板の下部にある基板が傾
くことなく製造できるものである。この構成にすること
で、基板が傾くことがなくなるために基板間の隙間がな
く、吐出口とヒーターとの間の距離も一定なため、ノズ
ル間のクロストークもなく、吐出速度が10(m/s)
以上である新しい長尺のインクジェット記録ヘッドを提
供できる。
【0022】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッド、記録装
置において、優れた効果をもたらすものである。
【0023】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有利である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた液体(イ
ンク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0024】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。尚、
上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4
313124号明細書に記載されている条件を採用する
と、更に優れた記録を行なうことができる。
【0025】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれ
るものである。
【0026】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0027】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよいが、本発明は、上述した効果を
一層有効に発揮することができる。
【0028】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0029】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる
予備加熱手段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モー
ドを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0030】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成するか複数個を組み合わせによっ
てでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によ
るフルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明
は極めて有効である。
【0031】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであればよい。
【0032】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するか、ま
たはインクの蒸発防止を目的として放置状態で固化する
インクを用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクとして吐出するものや、記録媒体に到達する時点で
は既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付
与によって初めて液化する性質のインクの使用も本発明
には適用可能である。このような場合インクは、特開昭
54−56847号公報あるいは特開昭60−7126
0号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または
貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電
気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。
本発明においては、上述した各インクに対して最も有効
なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0033】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さら
には送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採る
ものであっても良い。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0035】実施例1 図1は本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造方
法の一例を示す工程図である。
【0036】図中、300は材質がアルミニウム、板厚
が3mmの基台、301は接着剤(東レシリコーン社製
の商品名:SE−4400)、100はヒーターボード
(幅9mm、奥行き5mmのチップサイズ)、101は
吐出エネルギー発生素子、102はパッド、103は配
列治具、105は真空吸着部、aは接着剤の層厚、bは
治具高さ、cはヒーターボード厚さである。治具高さb
は基板を支える面と基台を支える面との間の距離であ
る。図7は基台300の反り量dを説明する模式図であ
る。
【0037】まず基台300に接着剤301を印刷によ
って図1の工程(1)のようにヒーターボードに対応し
て塗布する。
【0038】次いで、図1の工程(2)のように、配列
治具103の画像認識等を利用して精度良く複数のヒー
ターボード100を基台300上に並べる。図1の工程
(3)のように真空吸着部105を介しての真空吸着等
を利用してヒーターボード100を配列治具103に密
着させる。すなわち、先程の接着剤301が塗布された
基台300を、ヒーターボード100のヒーター面が下
になるように配列治具103の段差部に載置する。接着
剤301を硬化させて、ヒーターボード100を複数並
べた長尺基板106が完成する。
【0039】接着剤の層厚aを20〜400μm、治具
の高さbを660μm〜900μm、ヒーターボードの
厚さcを610〜645μm、基台の反り量dを10〜
50μmの範囲で変化させ、且つ接着前の接着面積を幅
5×奥行き3mm、幅6×奥行き4mmの2種類に変化
させて上記要領でインクジェット記録ヘッドを作製し、
基板の所定位置に対する位置ずれを調べた。その結果を
表1に示す。
【0040】
【表1】 表1中、No.1に示すように接着剤の層厚aを20μ
m、治具の高さbを660μm、ヒーターボードの厚さ
を645μm、基台の反り量dを10μm、接着前の接
着面積を15mm2 として11個のヒータボードを配列
した結果、各ヒーターボード間の上下段差、前後の位置
ずれは2μm以内に収まった。表1中、No.1は、a
+c≧b,b≧c+d,a≦300(μm)の3式を同
時に満たしている。表1中、No.1と同じように、上
の式を満たしているNo.4〜14は配列後の上下段
差、前後の位置ずれが2μm以内に収まった。
【0041】また表1中、No.2に示すようにb≧c
+dは満たしているがa+c<bとして試作した場合ヒ
ーターボードが基台に接着しなかった。そして、表1
中、No.3に示すようにa+c≧bは満たしているが
b<c+dとして試作した場合ヒーターボードが基台に
接触してしまい配列精度は3μm以上になってしまっ
た。
【0042】そして、表1中、No.15〜18に示す
ように接着剤の層厚aを350μm以上にすると、接着
剤硬化後、上下段差、前後の位置ずれが3μm以上にな
った。これは、接着剤の層厚が厚過ぎると接着剤を熱硬
化するときの熱による硬化収縮でヒーターボードが動く
ためであると考えられる。
【0043】このように作製した長尺基板106に、複
数のインク吐出口203とそのインク吐出口の各々に連
通した複数の溝を有する天板200を、128ノズル当
たり3Kg重の力でバネによって接合した。これを図3
に示す。図3において符号302は、天板200が接合
された後に複数の基板間に注入される封止材(本実施例
では、東芝シリコン社製SE9140)である。
【0044】図3に示すものに更に信号・電力供給パッ
ド401が配設された配線基板400、コネクター40
2をつけて図2に示すようなフルマルチタイプのインク
ジェット記録ヘッドが完成する。
【0045】図4において600がフルマルチ(フルラ
イン)インクジェット記録ヘッドを示しており、このイ
ンクジェット記録ヘッドから、被記録媒体搬送ローラー
700に搬送される紙や布等の被記録媒体800に向け
てインクが吐出され、これによって記録がなされる。
【0046】実施例2 基台300の上に塗布された接着剤301のパターン
(ベタパターン及び柱状パターン)にヒーターボード1
00を配列し熱硬化した後、接着剤301のパターンの
上下面積比率、左右面積比率、接着剤面積fとヒーター
ボードチップ面積eとの面積比率(f/e)、及びノズ
ル同士のクロストークの関係を調べた結果を表2に示し
た。
【0047】
【表2】 表2の接着剤のパターンは一つのヒーターボード上のパ
ターンを示しており、実際には複数のヒーターボードに
対応して基台にそのようなパターンが印刷されている。
【0048】表2のNo.1からNo.4に示す通り接
着剤とヒーターボードの面積比率が0.1から0.3の
場合、クロストークが発生し吐出速度が6(m/s)と
なってしまった。また、No.7及びNo.8に示す通
り、上下、左右の面積比率のどちらか一方が0.75以
上1.25以下の範囲に入らない場合、クロストークが
発生してしまった。
【0049】そして、上下、左右の面積比率が0.75
以上1.25以下の範囲に入っており、接着剤とヒータ
ーボードとの面積比率が0.4以上1.0以下であるN
o.5,6,9,10はクロストークの発生が無く、吐
出速度が10(m/s)以上であった。
【0050】また基台300上に塗布する接着剤パター
ンをベタ状から柱状に変えてヒーターボードを配列した
結果を表2のNo.11から20に示す。
【0051】図9は柱状パターンの上面積、下面積、左
面積、右面積を説明する図である。基板91の中心線よ
り上側の全ての接着剤パターンの面積の合計が上面積9
2a、下側全ての接着剤パターンの面積の合計が下面積
92bであり、基板91の中心線より左側全ての接着剤
パターンの面積の合計が左面積92c、右側全ての接着
剤パターンの面積の合計が右面積である。
【0052】表2からも明らかなように、上下、左右
の、面積比率が0.75以上1.25以下の範囲に入っ
ており、接着剤とヒーターボードとの面積比率が0.4
以上1.0以下であるNo.15,16,19,20は
クロストークの発生が無く、吐出速度が10(m/s)
以上であった。その他のNo.11,12,13,1
4,17,18は、上記条件を満足しておらず、クロス
トークが発生し吐出速度が6(m/s)以下だった。
【0053】これは、ヒーターボード100と基台30
0との間の接着剤のパターンについて、0.75≦接着
剤の上面積/接着剤の下面積≦1.25且つ0.75≦
接着剤の左面積/接着剤の右面積≦1.25とし、基板
1チップの面積eに対する接着剤の接着面面積fの割合
f/eを0.4以上1.0以下としたことにより、複数
の溝を有する一つの天板をバネ等によって128ノズル
当たり2から4kg重の力で上から押さえても、各々の
基板が接着剤の少ない方に傾かず、基板間に隙間を生じ
させないため、印字特性を著しく良好にさせたと考えら
れる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接
着剤の層厚、配列治具の高さ、基台の反り量、基板の厚
さが所定の関係を満たすように基板と基台とを接着する
ことによって、基台に吐出エネルギー発生素子が設けら
れた基板を精度良く並べることが可能になり、製造歩留
りが高く、安価な長尺のインクジェット記録ヘッドを提
供することができる。
【0055】また基板1チップに対する接着剤のパター
ンが所定の条件を満たすように接着剤層を形成すること
によって、複数の溝を有する一つの天板を128ノズル
当たり2から4kg重の力で押さえても、天板の下部に
ある基板が傾くことなく製造可能であるため、印字特性
の良好なインクジェット記録ヘッドを提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録ヘッドの製造
方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明に係る製造工程の一例を示す模式図であ
る。
【図3】天板を接合した基板の構成例を示す断面図であ
る。
【図4】インクジェット記録ヘッドと被記録媒体との関
係を示す模式図である。
【図5】背景技術に係るインクジェット記録ヘッドの製
造方法の一例を示す工程図である。
【図6】背景技術に係る長尺タイプのインクジェット記
録ヘッドの製造方法の一例を示す工程図である。
【図7】基台の反り量を説明する模式図である。
【図8】基板1チップに対する接着剤のパターンの一例
を示す模式図である。
【図9】基板1チップに対する接着剤のパターンの他の
例を示す模式図である。
【符号の説明】
81 ヒーターボード基板 82 接着剤パターン 91 ヒーターボード基板 92 接着剤パターン 100 ヒーターボード 101 吐出エネルギー発生素子 102 パッド 103 配置治具 104 長尺ヒーターボード 105 真空吸着部 106 長尺基板 200 天板 201 液室 202 流路 203 吐出口 204 インク供給口 300 基台(ベースプレート) 301 接着剤 302 封止材 400 配線基板 401 信号・電力供給パッド 402 コネクタ 600 フルマルチインクジェット記録ヘッド 700 被記録媒体搬送ローラー 800 被記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 刈田 誠一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小俣 好一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小泉 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 折笠 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 後藤 顕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 林崎 公之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 稲葉 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出させるために利用されるエ
    ネルギーを発生する複数のエネルギー発生素子が設けら
    れた基板を、基台上に接着する工程を有するインクジェ
    ット記録ヘッドの製造方法において、基板を基台に接着
    する際に基台に塗布する接着剤の層厚をa、基板と基台
    とを接着する際用いる配列治具の高さをb、基板の厚さ
    をc、基台の反り量をdとするとき、a+c≧b,b≧
    c+d,a≦300(μm)の3式を同時に満たすよう
    に基板を基台に接着することを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 接着後の基板1チップに対する接着剤の
    パターンにおいて、0.75≦接着剤の上面積/接着剤
    の下面積≦1.25且つ0.75≦接着剤の左面積/接
    着剤の右面積≦1.25とし、基板1チップの面積eに
    対する接着剤の接着面面積fの割合f/eを0.4以上
    1.0以下とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の製造方法で製造
    されたインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 エネルギー発生素子が電気エネルギーを
    与えることによって発熱し、インクに状態変化を生ぜし
    めてインクの吐出を行わせるための電気熱変換体である
    請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録媒体の記録領域の全幅にわたって吐
    出口が複数設けられているフルマルチタイプのものであ
    る請求項3に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 エネルギー発生素子が設けられた基板の
    複数を長尺な基台上に接着してなる請求項3に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 記録媒体の被記録面に対向してインクを
    吐出するインク吐出口が設けられている請求項3に記載
    のインクジェット記録ヘッドと、該インクジェット記録
    ヘッドを載置するための部材とを具備することを特徴と
    するインクジェット記録装置。
JP4873794A 1994-03-18 1994-03-18 インクジェット記録ヘッド、その製造方法及び該記録ヘッドを具備する記録装置 Pending JPH07256882A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256051A (ja) * 2005-03-16 2006-09-28 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出ヘッドバー、液滴吐出装置、及び、液滴吐出ヘッドバー製造方法
US7824518B2 (en) 2006-09-08 2010-11-02 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet heads and methods of manufacturing inkjet heads
US8006383B2 (en) 2006-09-08 2011-08-30 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method of manufacturing head unit

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