JPH0725656A - 石膏ボード及びその製造方法 - Google Patents

石膏ボード及びその製造方法

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JPH0725656A
JPH0725656A JP34666293A JP34666293A JPH0725656A JP H0725656 A JPH0725656 A JP H0725656A JP 34666293 A JP34666293 A JP 34666293A JP 34666293 A JP34666293 A JP 34666293A JP H0725656 A JPH0725656 A JP H0725656A
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Japan
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gypsum
board
raw material
material slurry
calcium silicate
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JP34666293A
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Isamu Hamada
偉 濱田
Junichi Haneda
準一 羽田
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CHIYODA UUT KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性、耐熱性及び強度を低下させることな
く、石膏ボードの軽量化を可能にする。 【構成】 石膏ボードはボード用原紙1,2とこれに挟
まれたボード本体3とからなっている。ボード本体3
は、石膏と珪酸カルシウム化合物とを複合して構成され
ている。珪酸カルシウム化合物としては、ゾノトライト
及びトベルモライトの一方又は双方であることが好まし
く、それらが会合した二次凝集体(例えば直径40μm
程度の球状会合体)とすることがよい。また、原料スラ
リーに予め二水石膏の微結晶を種晶として0.5〜10
重量%混合しておくと、二水石膏の結晶が微晶化してボ
ード用原紙1,2に対するボード本体3の接着強度が高
くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は軽量化を図った石膏ボー
ド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石膏ボードは、安価で不燃性に優れる等
の性質が評価されて建材として多用されており、一般に
石膏を主体とする板状のボード本体に両面からボード用
原紙を積層した構成である。これを製造するには、焼石
膏を起泡剤、安定剤、繊維等の添加剤と共にミキサーで
水と混合して原料スラリーを製造し、その原料スラリー
をボード用原紙上に層状に流すと共に上から別のボード
用原紙で挟んで板状に展圧し、石膏スラリーを硬化・凝
結させた後に乾燥させるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の石膏ボードは、カサ比重が0.8〜1.1程度もあ
るため、比較的重くて運搬・施工性に劣り、工事費が高
くなるという欠点があった。
【0004】この種の石膏ボードの軽量化を図るには、
パーライトや蛭石等の軽量骨材を複合することも考えら
れる。しかし、パーライトを複合させると耐水性及び耐
熱性が低下する上に製造コストが高価になり、また蛭石
を複合させると十分な軽量化を図り得ない上に耐熱性が
悪くなるという問題を生ずる。また、できるだけ多量の
気泡を含ませることにより軽量化を図ることも考えられ
るが、この方法では気孔率が上昇すると石膏ボードとし
ての強度が大きく低下して好ましくない。
【0005】そこで、本発明は、軽量化できると共に、
耐水性、耐熱性及び強度を低下させることがなく、しか
も安価に製造することができる石膏ボード及びその製造
方法を提供することを目的とする。また、他の目的は、
珪酸カルシウムと石膏との複合化により上記目的を達成
しながら、ボード本体とボード用原紙との接着強度を十
分に高めて石膏ボード全体としての強度向上を図ること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の石膏ボードは、
ボード本体とボード用原紙とを積層してなり、そのボー
ド本体を石膏と珪酸カルシウム化合物との複合体から構
成したところに特徴を有する(請求項3の発明)。この
石膏ボードを製造するには、半水石膏と珪酸カルシウム
化合物とを前記半水石膏の水和に必要な水と共に混合し
て原料スラリーを製造し、この原料スラリーをボード用
原紙に対して積層状態となるように流して硬化させれば
よい(請求項1の発明)。また、珪酸カルシウム化合物
としては、ゾノトライト及びトベルモライトの一方又は
双方を使用することが好ましい(請求項2の発明)。
【0007】更に、ボード本体を石膏と珪酸カルシウム
化合物との複合体により構成すると共に、その石膏の結
晶粒を直径1.5μm、長さ15μm以下とすることが
ボード用原紙との間の接着強度の点から好ましい(請求
項6の発明)。この石膏ボードを製造するには、ボード
本体を構成するための原料スラリーをボード用原紙に対
して積層状態となるように流し、このときに原料スラリ
ーを半水石膏と珪酸カルシウム化合物とを混合して構成
すると共に、その原料スラリーが硬化して生成する二水
石膏の微晶化処理を施せばよい(請求項4の発明)。微
晶化処理としては、原料スラリーの攪拌速度を高めた
り、石膏の水和を低温下で行わせたりしてもよいが、原
料スラリーに二水石膏を種晶として混合しておくことが
最も効果的である(請求項5の発明)。
【0008】
【作用】珪酸カルシウム化合物は蛭石やパーライトに比
べて安価に製造でき、また石膏との親和性が高く、いか
なる割合にても混合することができる。珪酸カルシウム
化合物は蛭石に比べてカサ比重が一般に小さいから、こ
れを混合して製造した石膏ボードは十分に軽量化するこ
とができると共に、気孔率を過剰に高くする必要がない
から、十分な強度を得ることができ、更には、蛭石やパ
ーライトに比べて耐火性に優れる。
【0009】石膏ボード中の珪酸カルシウム化合物の組
成比は要求される強度とかさ比重とにより適宜設定すれ
ばよいが、例えば珪酸カルシウム化合物としてゾノトラ
イトを採用し、内百分率(重量)で表したとき、5〜3
0%が好ましい(より好ましくは7〜25%)。その組
成比を5%としたときのカサ比重は0.77、30%と
したときのカサ比重は0.27であり、両組成比間のカ
サ比重はほぼ連続的に変化する。
【0010】この発明で使用する珪酸カルシウム化合物
の製造方法を例示すれば、次のようである。 (1)珪藻土、アモルファスシリカ、珪石粉等の珪酸原
料に対し生石灰を消和した消石灰を、CaO分とSiO
2 分とのモル比(以下「CSモル比」という)が0.7
〜0.8となるようにして水と共に混合し、これをオー
トクレーブ中で攪拌しながら例えば150℃以上で5〜
10時間程度(好ましくは、180℃、5時間)水熱反
応させる。これにより、珪酸カルシウム化合物のスラリ
ーが生成される。 (2)上述(1)の製法において、CSモル比を0.9
5〜1.05とすると共に、オートクレーブ中のスラリ
ー温度を190〜200℃、反応時間を3〜5時間とす
る。
【0011】なお、珪酸カルシウム化合物のスラリー
は、これを脱水して適当なスラリー濃度とした上で半水
石膏と混合してボード本体の原料スラリーとしてもよ
く、また乾燥して粉末化し、その粉末を半水石膏及び水
と混合して原料スラリーとしてもよい。粉末によって珪
酸カルシウム化合物を添加する場合には、原料スラリー
の適正な流動性を確保するために含水量を増加させる必
要がある。
【0012】また、上述のように珪酸カルシウム化合物
を製造する際、C−S−H(1)とトベルモライトとの
混合物、トベルモライトを主体とする結晶、ゾノトライ
トを主体とする結晶、トベルモライトとゾノトライトと
の混合結晶が生成され、これらの一次結晶が互いに絡み
合った二次凝集体(例えば直径40μm程度の球状会合
体)が生成されるように製造条件を調整することが望ま
しい。このような珪酸カルシウム化合物の二次凝集体は
カサ比重が0.01〜0.2と極めて軽量であり、しか
もその二次凝集体の外周面は微小な繊維状結晶に覆われ
た形態となっているため、これと石膏が十分に絡みあっ
てボード本体としての強度がより高まるからである。
【0013】なお、原料の石膏としては、半水石膏を利
用するが、これを主成分として少量の無水石膏を含んで
もよいことは勿論である。
【0014】ところで、ボード本体にボード用原紙を積
層した構成の石膏ボードでは、ボード本体とボード用原
紙との接着強度は石膏ボード自体の強度に大きな影響を
与え、石膏ボードの強度を高めるには、両者の接着強度
を高めることが望ましい。しかるに、上述のようにボー
ド本体を石膏と珪酸カルシウムとの複合体により構成し
た場合、一般的には、石膏のみの場合に比べてボード用
原紙に対する接着強度が低くなる傾向を示した。
【0015】しかし、本発明者の研究によれば、硬化し
た二水石膏の結晶粒の大きさを直径1.5μm、長さ1
5μm以下とすることにより、ボード用原紙との間の接
着強度が大きく高まることが判明した。二水石膏の微小
結晶が、粒径約20〜100μmの珪酸カルシウム二次
粒子間の間隙やその二次粒子とボード用原紙との間の間
隙を埋めてボード用原紙との接着強度を高めるるものと
考えられる。
【0016】上述の石膏ボードを製造するには、請求項
4の発明のように二水石膏の硬化時にその微晶化処理を
行えばよく、特に、請求項5の発明のように原料スラリ
ーに予め所定量の二水石膏を種晶として混合するように
すれば、最も効果的である。また、この方法で製造する
と、電子顕微鏡写真にて確認されるが、二水石膏の一部
の結晶が珪酸カルシウム二次粒子の内部又は表面から成
長して珪酸カルシウム二次凝集体と二水石膏の結晶とが
一体になった複合結晶が生成される。この複合結晶は、
ボード本体内にて相互に絡み合ってボード本体自体の強
度も高める。上述のような珪酸カルシウムの二次粒子か
ら二水石膏の結晶が成長する現象は、石膏の水和に必要
な量を大幅に上回る量の水を石膏に添加し、これを加圧
脱水して成形する加圧プレス成形法(例えば特公昭56
−40103号公報)によっては見られないものであ
る。
【0017】なお、原料スラリーを構成するための水は
半水石膏の水和に必要な量に加えてスラリーとして流動
性を得るために必要な最小限の量を添加することが最も
好ましい。また、種晶として混合する二水石膏は、混合
量を原料スラリーに対して0.5ないし10重量%とす
ることが好ましい。0.5重量%に満たないときには添
加の効果が少なく、10重量%を以上ではその効果が飽
和するからである。添加量とその効果とを勘案した最も
好ましい範囲は1〜5重量%であった。また、二水石膏
はボールミル等で粉砕した微小結晶であることが望まし
く、例えば比表面積が1,000〜13,000cm2 /
gの範囲、より好ましくは5,000〜13,000cm
2 /gの範囲が効果的である。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。石膏ボードのボード本体は、カサ比重が小さい珪酸
カルシウム化合物が石膏中に分散した構造になるため、
ボード本体のカサ比重が小さくなって軽量化される。こ
の結果、軽量の石膏ボードが得られ、その運搬や施工が
非常に楽になる。勿論、そのボード本体の気孔率を過剰
に高くする必要がないから、石膏ボードとしての強度を
高めることができる上に、蛭石やパーライトを骨材とし
て複合したものに比べて耐火性が大きく高まる。しか
も、ボード本体とボード用原紙とを積層して構成されて
いるから、加圧プレス成形法によって製造された珪酸カ
ルシウムボードとは異なり、施工時のシーラー処理等の
表面処理が不要となり、施工工期の短縮が可能になる。
さらには、特に請求項6の石膏ボードでは、ボード用原
紙とボード本体との接着強度が高まり、石膏ボード自体
の強度が向上するという効果が得られる。
【0019】また、本発明の製造方法によれば、上述の
石膏ボードを効率的に生産でき、しかも加圧プレス成形
法による珪酸カルシウムボードの製造方法とは異なり、
高圧プレス機が不要で、プレス脱水工程がない分、生産
性を高めることができるという効果が得られる。
【0020】
【実施例】 <実施例1,2>純度97.55%の生石灰を12倍量
の60℃以上の水に消和して得た消石灰と、純度96.
85%の珪石粉とをCSモル比が0.975、水比(水
/固形分)が14及び18となるように水と共に混合
し、オートクレーブ中において190℃〜200℃で4
時間の水熱合成を行った。このスラリーを脱水乾燥し、
珪酸カルシウム化合物としてゾノトライト及びトベルモ
ライトの混合粉末(以下「粉末CS」という)を得た。
【0021】天然石膏を180℃にて1時間焼成して焼
石膏を得た。
【0022】上記した粉末CS、焼石膏、水を、次の第
1表の割合でメルメント及びポリビニルアルコール(P
VA)と共に配合し、1分間で均一に混合した。なお、
次表において、数値は重量部を表す。 第1表 実施例番号 焼石膏 粉末CS 水 メルメント PVA 1 82.5 17.5(水比14) 160 0.3 0.3 2 87.5 12.5(水比18) 170 0.3 0.3 上記原料スラリーは、平板の上に置いた矩形木枠内に、
ボード用原紙の上から流し込んだ。そして、空気が入ら
ないようにして表面側のボード用原紙を原料スラリーの
上に置き、この上に押し板を介して10Kgの重錘を載
せ、30分静置して硬化させた。その後、乾燥機にて4
0℃で24時間乾燥させた。
【0023】上述のようにして製造した石膏ボードは、
図1に示すとおり、表裏のボード用原紙1,2間にボー
ド本体が挟まれた構造となる。その特性は次の第2表に
示すとおりであった。なお、-1,-2の添字は同一の配合
比で製造した2つのものを示す。 第2表 実施例番号 比重 曲げ強さ 耐水性 加熱収縮率 クラック 1-1 0.498 55 ○ 2.2 なし 1-2 0.501 57 ○ 2.1 なし 2-1 0.450 45 ○ 2.0 なし 2-2 0.495 57 ○ 2.1 なし 「曲げ強さ」は、厚さ12mmで75mm×150mmの試料
で、スパン120mmの3点曲げ試験を行った結果であ
り、単位は[Kgf/cm2]である。また、「耐水性」
は、水温14℃の水槽中に24時間水深30mmに試料を
浸漬した後の状態を観察し、○印は試料の崩壊が生じな
かったことを示す。また、「加熱収縮率」は20mm×2
0mm×50mmの試料を1000℃で4時間加熱し、徐冷
後に長手方向の寸法の収縮率を測定した結果[%]であ
り、耐熱性の指標となる。更に、「クラック」は上記加
熱試験終了後にクラックの発生を観測したもので、これ
も耐熱性の指標となるデータである。
【0024】珪酸カルシウム化合物を添加することなく
焼石膏を100%とし、空気泡活性剤を添加した以外
は、実施例1と同様にして石膏ボードを製造した。これ
は、従来より提供されている一般的な石膏ボードと同等
であり、これを比較例1として特性を前記実施例と同様
に測定した。
【0025】また、実施例2において珪酸カルシウム化
合物に代えてパーライトを使用して製造したものを比較
例2とし、蛭石を使用して製造したものを比較例3とし
て各特性を前記実施例と同様にして測定した。これらの
結果は次の第3表に示す通りであった。
【0026】 第3表 比較例番号 比重 曲げ強さ 耐水性 加熱収縮率 クラック(mm) 1-1 0.82 59.5 ○ 10 0.16×13 1-2 0.81 59.5 ○ 11 0.26×15 2-1 0.51 52 × 25 0.10×5 2-2 0.53 53 × 20 0.06×6 3-1 0.71 56 ○ 15 0.20×10 3-2 0.72 55 ○ 14 0.20×5 実施例1,2の石膏ボードによれば、比較例1との対比
から明らかなように、石膏を100%使用した従来の石
膏ボードに比べて重量を約60%に軽量化でき、しかも
曲げ強さにおいて遜色なく、耐熱性を大きく向上させる
ことができる。また、比較例2、3との対比から明らか
なように、十分な軽量化が可能でありながら、パーライ
トや蛭石等の軽量骨材を添加したものとは異なり、耐水
性の低下が発生しないばかりか、耐熱性を逆に高めるこ
とができる。
【0027】<実施例3〜8及び比較例4>この実施例
は、原料スラリーに二水石膏粉末を予め加えたところが
前記実施例1,2と相違する。
【0028】焼石膏87.5重量部、カサ比重0.06
のゾノトライトの二次粒子12.5重量部、比表面積1
2,000cm2 /gの二水石膏(添加量は各実施例毎に
相違する)、10%PVAを3重量部、固形分に対して
175%の水を加え、1分間混練した。この原料スラリ
ーを前記実施例1,2と同様にして石膏ボードとして製
造し、生成されたボード本体中の二水石膏結晶の大きさ
とボード原紙との接着性を測定した結果は、次表に示す
ようであった。 第4表 実施例番号 種晶の添加率 二水石膏の大きさ 接着性 図面番号(写真) 3 3.0 0.66φ×6.3 ◎ 図3 4 2.0 0.66φ×8.7 ◎ 図4 5 1.0 0.7 φ×7.1 ○ 図5 6 0.5 1.0 φ×10.0 ○ 図6 7 0.25 1.4 φ×13.6 △ 図7 比較例4 0.125 1.7 φ×17.6 × 図8 比較例5 0 3.1 φ×26.6 × 図9 接着性の評価法は次のようである。一方の面のボード用
原紙にカッターで切れ目を形成し、その面を上にして石
膏ボードを折り曲げる。石膏ボードが破断したとき、他
方のボード用原紙とボード本体との剥離状態を観察し、
破断部から1mm以下の範囲でボード用原紙がボード本体
から剥離している場合を◎、10mm以下の場合を○、3
0mm以下の場合を△、それ以上の場合を×として表し
た。
【0029】また、結晶構造を示すために電子顕微鏡写
真を図面の代用として添付している。各実施例及び比較
例に対応する図面番号(図面代用写真)は上表に示すと
おりである。
【0030】同表及び各写真から明かなように、二水結
晶の種晶の添加量を増大させると、ボード本体中の二水
結晶が著しく微晶化し、それに併せてボード本体とボー
ド用原紙との接着強度が高まる。特に、二水石膏の結晶
粒の直径が1.5μm以下、長さが15μm以下で優れ
た接着性が得られる。また、このような結晶の大きさが
得られるのは、二水石膏の種晶の添加率を0.5重量%
以上としたときである。なお、実施例3の物性を実施例
1,2と同様な評価法により評価したところ次表の結果
を得た。 第5表 実施例番号 比重 曲げ強さ 耐水性 加熱収縮率 クラック 3 0.510 57 ○ 2.1 なし <比較例6>なお、本発明に係る石膏ボードの製造方法
の生産性を確認するため、次の比較試験を行った。
【0031】焼石膏87.5重量%、カサ比重0.06
のゾノトライトの二次粒子12.5%からなる基材を9
2重量部、Eガラス繊維6重量部と、パルプ(NBK
P)2重量部を水400重量部でパルパーにて解こうし
た液、比表面積12,000cm2 /gの二水石膏3重量
部と、追加水700重量部とを混合して均一なスラリー
を調整し、この原料スラリーに0.1%カチオン凝集剤
(東亜合成株式会社製C302)10重量部を加えて緩
く攪拌することによって石膏、ゾノトライト、繊維を凝
集させて10分間放置する。その後、100メッシュの
金網を敷いた金型内にそのスラリーを供給し、やはり1
00メッシュ金網を介してプレス雄型にてスラリーの加
圧脱水を行う。0.52の目的比重まで加圧しても成形
体の強度が上がらないため、その状態で30分間静置し
て硬化させ、脱型して40℃にて24時間乾燥させる。
【0032】このようにして得られるボードの物性は以
下の通りで、本発明品と同等であるが、前記各実施例の
石膏ボードが約2分にて製造できるのに対して約40分
の時間を要し、生産性は本発明品の1/20であった。 比重 曲げ強さ 耐水性 加熱収縮率 クラック(mm) 0.56 46 ○ 2.9 なし なお、本発明の石膏ボードを低コストで量産するには、
図2に示すように、ロール状のボード用原紙11を巻戻
しつつ走行させ、その上に原料スラリー12をミキサ1
3から所定の厚さで層状に流し出し、その後、原料スラ
リー12の層表面に別のボード用原紙14を重ねて添着
する構成とすればよい。このボード用原紙11として
は、通常の紙系の石膏ボード原紙に限らず、ガラス繊維
不織布等を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における石膏ボードの構造を示
す断面図
【図2】同じく石膏ボードを量産する場合の概略断面図
【図3】実施例3のボード本体の結晶構造を示す写真
【図4】実施例4のボード本体の結晶構造を示す写真
【図5】実施例5のボード本体の結晶構造を示す写真
【図6】実施例6のボード本体の結晶構造を示す写真
【図7】実施例7のボード本体の結晶構造を示す写真
【図8】比較例4のボード本体の結晶構造を示す写真
【図9】比較例5のボード本体の結晶構造を示す写真
【符号の説明】
11…ボード用原紙 12…原料スラリー 13…ミキサ 14…ボード用原紙

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボード本体を構成するための原料スラリ
    ーをボード用原紙に対して積層状態となるように流した
    後に硬化させて石膏ボードを製造する方法であって、前
    記原料スラリーは、半水石膏と珪酸カルシウム化合物と
    を半水石膏の水和に必要な水と共に混合してなることを
    特徴とする石膏ボードの製造方法。
  2. 【請求項2】 珪酸カルシウム化合物はゾノトライト及
    びトベルモライトの一方又は双方であることを特徴とす
    る請求項1記載の石膏ボードの製造方法。
  3. 【請求項3】 ボード本体とボード用原紙とを積層して
    なり、前記ボード本体が石膏と珪酸カルシウム化合物と
    の複合体により構成されていることを特徴とする石膏ボ
    ード。
  4. 【請求項4】 ボード本体を構成するための原料スラリ
    ーをボード用原紙に対して積層状態となるように流した
    後に硬化させて石膏ボードを製造する方法であって、前
    記原料スラリーは半水石膏と珪酸カルシウム化合物とを
    半水石膏の水和に必要な水と共に混合してなると共に、
    その原料スラリーが硬化して生成する二水石膏の微晶化
    処理を施すことを特徴とする石膏ボードの製造方法。
  5. 【請求項5】 微晶化処理は、原料スラリーに二水石膏
    を種晶として混合することである請求項4記載の石膏ボ
    ードの製造方法。
  6. 【請求項6】 ボード本体とボード用原紙とを積層して
    なり、前記ボード本体が石膏と珪酸カルシウム化合物と
    の複合体により構成されると共に、その石膏の結晶粒は
    直径1.5μm以下、長さ15μm以下であることを特
    徴とする石膏ボード。
JP34666293A 1993-05-10 1993-12-22 石膏ボード及びその製造方法 Pending JPH0725656A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010514593A (ja) * 2006-12-29 2010-05-06 ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー ウォールボード充填剤として粉末石膏を使用する方法
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