JPH07256442A - 排ガス浄化触媒用メタル担体の製造方法 - Google Patents

排ガス浄化触媒用メタル担体の製造方法

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JPH07256442A
JPH07256442A JP6050428A JP5042894A JPH07256442A JP H07256442 A JPH07256442 A JP H07256442A JP 6050428 A JP6050428 A JP 6050428A JP 5042894 A JP5042894 A JP 5042894A JP H07256442 A JPH07256442 A JP H07256442A
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卓三 加古
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メタル担体の製造コストを低減させる製造方
法を提供することを目的とする。 【構成】 金属の波箔と平箔を巻き回してなる、最外周
を波箔としたハニカム体を金属外筒に挿入し、その端面
をバインダー液に接触させて、ハニカム体内部の接合
と、外筒とハニカム間との接合に必要なバインダーの供
給を同時に実施し、粉末ロウを散布してメタル担体を製
造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚さ20〜100μm
程度の金属箔を使用し、ロウ接合で組み立てられるハニ
カム構造体の製造におけるロウ付け技術の改善に関し、
特に自動車の排ガスを浄化するメタル担体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属箔を使用して製造するメタル担体の
製造法は、特開平02−194843号公報に開示され
るように、ロールコータに接合剤を塗布しながら巻いて
ハニカム体にした後、粉ロウ剤を供給する。さらに外筒
とハニカム体の接合は、上記工程の後にハニカム体に箔
ロウを圧接溶着することにより製造され、ロウの供給を
2回行う方法が最も一般的である。
【0003】また、安価な設備で波箔と平箔の接合部分
に均等に確実にバインダーを供給する方法として特開平
03−77777号公報に開示される方法がある。これ
は毛細管現象を利用しており、ハニカム体だけにバイン
ダーを供給する方法である。さらに、ハニカム体の接合
に必要なバインダー供給と外筒とハニカム体の接合に必
要なバインダー供給を、同時に行う製造方法に関して
は、米国特許No. 5,242,101がある。これによ
ると液体状の結合剤に粉ロウを混合し、これをハニカム
に流し込み、さらに、水等の流体で不要なロウを取り除
く方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のロウ材塗布方法
では、製造工程が複雑になり、コストダウンが困難であ
る。また、これを解決する方法として提唱された米国特
許No. 5,242,101は、以下の問題を生じてい
る。ロウ材が接合に不必要な部分にも塗布されるため、
ロウ材の使用量が増加する。また、水等の流体で不要な
ロウを取り除く方法は完全ではなく、金属箔にロウ材の
成分が拡散し、ロウ食や収縮が発生し易くなる。また、
流体によって、波箔と平箔の接合部のロウを削除してし
まい、接合不良が発生する場合がある。
【0005】また、前記の特開平03−77777号公
報による方法では波箔の波形状が従来の非対称台形波箔
を用いると、外筒とハニカム間では毛細管現象が発生し
ないで、バインダーが供給されず、接合不良を発生す
る。いずれも、製造工程を簡略化するための、外筒とハ
ニカム体間の接合とハニカム体自身の接合に必要なバイ
ンダー供給を同時に行う場合において、波箔と外筒、波
箔と平箔の接合部分に確実にロウを供給することが不可
能であった。
【0006】このため従来は図8に示すように最外周を
平箔として、且つ、外筒とハニカム体との接合に箔ロウ
11を使用し、圧入法で製造していた。本発明はこのよ
うな観点にたち、箔ロウ貼り工程を省略することにより
製造工程を簡略化し、さらに、ロウ付け部位の近傍にだ
け必要量のロウ材を正確に塗布する簡易かつ安価な製造
方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ある特定な形
状を有する波箔と平箔を重ねて渦巻き状に巻き回すか又
は積層してハニカム体を形成し、これを外筒に組み込み
製造されるメタル担体において、ハニカム体の最外周が
波箔となるように形成し、これを外筒に挿入する。さら
に、この状態で外筒とハニカム体の最外周の波箔の波形
頂上部分と、ハニカム体内部の平箔と波箔の波形頂上部
分を同時にロウ接合で固定するために、外筒およびハニ
カム体の端面を接合剤に接触させて、毛細管現象を利用
して前記接合部分に供給し、さらにロウ材を散布すると
いう工程でメタル担体を製造することを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
最も重要な主題は、波箔と外筒、波箔と平箔でつくられ
る接触部に毛細管現象によってバインダーが吸い上げら
れる状態をつくることである。従来、使用されていた波
形頂上部の形状が非対称台形形状の波箔では、最外周波
箔形状のハニカム体を外筒に挿入する時に、波形頂上部
分が変形し易くて容易に毛細管現象が生じず、バインダ
ーの吸上げが不均一であった。したがって、波形頂上部
分を変形させないために、ハニカム体の外径と外筒の内
径との差を極めて狭い範囲に限定しなければならなかっ
た。
【0009】そこで、本発明では波箔の波形頂上部分の
形状を非対称台形から疑似正弦波形状に変更し、しかも
波形頂上部分の曲率半径Rを適正に選ぶことにより、波
箔形状がある程度変形しても、毛細管現象が発生する状
態を作った。そのため、ハニカム体の外径と外筒の内径
の差の許容範囲が量産可能な寸法差であっても、バイン
ダーをハニカム体全体に均一に供給せしめ、外筒とハニ
カム体の確実な接合を可能とした。
【0010】したがって、ハニカム体の最外周を波箔で
形成し、これを外筒に圧入することによりハニカム体自
身の接合と外筒とハニカム体の接合に必要な接合剤の供
給を毛細管現象を利用して同時に行い、ロウ材の供給す
る工程を1度に短縮することが可能となった。本発明の
好ましい実施例を図に基づいて説明する。
【0011】図1に示すように、波形頂上部が凝似正弦
波形を示す波箔2と平箔3を重ねて渦巻き状に巻込み、
または積層して図2に示すように円筒状のハニカム体1
を製造し、かつその最外周を波箔になるようにし、これ
を外筒4に圧入する。上記波箔の波形頂上部は曲率半径
R=0.2〜0.6mmを有する形状にすることが好まし
い。すなわちRが上記範囲内であると、ハニカム体を外
筒に圧入するとき、広い圧入代(ハニカム体の外径−外
筒の内径)で圧入できるが、Rが上記範囲外であると狭
い範囲の圧入代でしか波箔の変形なしで圧入することが
できない。すなわち、圧入力の微少な誤差によって波形
頂上部が変形して毛細管現象が発生しないのである。
【0012】たとえば、従来用いられていた波形頂上部
が非対称台形5に形成された波箔2(図3参照)でハニ
カム体1を造り、このハニカム体1を外筒4に圧入した
とき、圧入代の微少な変化によって図4に示すように外
筒4近傍の波形頂上部が変形して対称台形5Aの形状に
なる。この場合には台形5Aが外筒4内面および平箔3
に密着して適当な隙間Sが形成されずに毛細管現象が生
じず、バインダーをハニカム体全体にわたって均一に供
給することができない。
【0013】すなわち波箔の波形頂上部の曲率半径が本
発明の範囲内の場合には、ハニカム体を外筒に圧入する
際の圧入代が−0.01〜−2.0mmの範囲になるまで
波形頂上部を変形しても、毛細管現象を生ぜしめる隙間
Sが形成されてバインダー液を吸上げることができる。
したがって、圧入代のバラツキに対して許容されるメタ
ル担体の製造範囲が広がり、品質と歩留りが大幅に改善
されるのである。
【0014】一方、前記曲率半径が本発明の範囲外の場
合は圧入代が−0.01〜−0.1mmの範囲迄であれば
毛細管現象によりバインダーが吸上がるが、圧入代が上
記範囲を越えると最外周の波箔が変形して毛細管現象を
生ずる間隙Sが形成されずバインダーが吸上がらない。
このように圧入代の許容範囲が狭いと、圧入代がバラつ
いたときバインダー付着にムラが生じ、接合不良品が発
生して量産上の問題となるのである。
【0015】次に、このようにして形成した外筒および
ハニカム体にバインダーを供給する。すなわち、前記外
筒およびハニカム体の端面を揃えて図5に示すようにバ
インダー液6に半分程度浸されているスポンジ7の上に
接触させて、外筒とハニカム体の接合に必要なバインダ
ーと、ハニカム体自身の接合に必要なバインダーを同時
に供給する。スポンジ7は常にバインダー液6で浸され
た状態にするために、バインダー液6を攪拌する装置を
付けることが好ましい。
【0016】このようにしてバインダーを供給した後、
ロウ散布装置8より粉ロウ9を外筒およびハニカム体に
散布し、その後真空ロウ付け処理を施す。以上のように
してメタル担体を製造することにより、ハニカム体の内
部の接合に必要なバインダー供給と、ハニカム体と外筒
の接合に必要なバインダー供給を同時にかつ確実に行う
ことにより、ロウを1回供給するだけで、図7に示すよ
うな外筒と波箔の接合部10Aおよび波箔と平箔の接合
部10Bを構成したメタル担体を製造することができ
る。
【0017】
【実施例】図1に示す波高さ約2.5mm、波ピッチ約5
mm、幅約40mm、R0.2mm,0.4mmおよび0.6mm
の各波箔と平箔を重ねて渦巻き状に巻回して、各波箔を
最外周にした外径約60mmの3種類のハニカム体を製造
して、各ハニカム体を内径約58mm×高さ50mmおよび
内径約59.99mm×高さ50mmの2種類の外筒に圧入
した。さらに、各外筒と各ハニカム体の端面を揃え、図
5に示すようにバインダー液に浸したスポンジに接触さ
せて、接合に必要なバインダーを供給した。次いで乾燥
させ、この後真空ロウ付けを行った。
【0018】上記実施例の場合、各ハニカム体を外筒に
圧入する際の圧入代を−0.01mmおよび−2mmにした
が、いずれもバインダーはムラなく外筒内面と各ハニカ
ム体外周面および各ハニカム体内に吸上がり、均等にロ
ウ付けがされ、接合ムラが生じなかった。比較例として
R=0.1mmおよび0.8mm(他の条件は前記実施例と
同じ)の各波箔と平箔を巻回して各波箔を最外周にした
外径60mmの2種類のハニカム体を製造し、各ハニカム
体を前記実施例と同一の2種類の外筒に圧入して前記実
施例と同一の手段でロウ付けを行った。このときの圧入
代は−0.01mmおよび−2mmであったが、波箔の波形
頂上部の形状は変形し、毛細管現象によるバインダー吸
上げがバラつき、接合が不十分であった。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、メタル担体を製造する
に当り、箔ロウを使用しなくても外筒とハニカム体を確
実にロウ接合を行うことができるので、製造工程を簡略
化するとともに安定化することができ、更に箔ロウおよ
び箔ロウ貼布装置などの不要から大幅なコストダウンを
図ることができて、その工業的な効果は大きいものがあ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波箔と平箔を示す図である。
【図2】本発明のハニカム体を外筒に圧入した状態を示
す平面図および一部拡大図である。
【図3】従来の波箔の一例を示す図である。
【図4】図3に示す波箔で構成したハニカム体を外筒へ
圧入したときの波箔の変形状態を示す部分拡大図であ
る。
【図5】外筒およびハニカム体にバインダーを供給する
状態を示す一部断面正面図である。
【図6】バインダー供給ずみの外筒およびハニカム体に
粉末ロウを拡散する状態を示す概略図である。
【図7】本発明のメタル担体の接合状態を示す部分拡大
図である。
【図8】従来技術の箔ロウを貼布したメタル担体の一部
断面斜視図および一部拡大図である。
【符号の説明】
1…ハニカム体 2…波箔 3…平箔 4…外筒 5…非対称台形 6…バインダー液 7…スポンジ 8…ロウ散布装置 9…粉ロウ 10…接合部分 11…箔ロウ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 3/12 A 7415−4F (72)発明者 中島 郁二 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属の平箔(平滑な金属箔)と波箔(波
    付け加工された金属箔)を交互に重ねて巻き回すか、又
    は交互に積層させたハニカム体を、金属外筒に収納しロ
    ウ接合させてメタル担体を製造する方法において、 最外周が波箔で構成された前記ハニカム体を前記外筒に
    挿入し、該外筒の端面と該ハニカム体の端面をロウ結合
    液(バインダー)に接触させて、該ハニカム体の内部の
    接合に必要なバインダーと該ハニカム体と該外筒の接合
    に必要なバインダー供給を、同時に行うことを特徴とす
    る排ガス浄化触媒用メタル担体の製造方法。
  2. 【請求項2】 外筒もしくは平箔と接触する波箔の波形
    頂上部分がR=0.2〜0.6mmの曲率半径を有する凝
    似正弦波形状に形成された請求項1記載の方法。
JP6050428A 1994-03-22 1994-03-22 排ガス浄化触媒用メタル担体の製造方法 Expired - Lifetime JP2925453B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000507160A (ja) * 1996-03-22 2000-06-13 エミテツク ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング ろう付け隙間内にスペーサを備えたろう付け金属ハニカム体とそのろう付け方法とそれに利用するろう
JP2002535150A (ja) * 1999-01-27 2002-10-22 エミテク・ゲゼルシャフト・フュール・エミシオーンテクノロギー・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 金属箔接合および金属箔のための金属箔ろう付け媒体粒子片
JP2005535460A (ja) * 2002-08-21 2005-11-24 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング ハニカム体の製造装置と方法およびハニカム体

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JP4659456B2 (ja) * 2002-08-21 2011-03-30 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンス テクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング ハニカム体の製造方法およびハニカム体

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