JPH0725517B2

JPH0725517B2 - リフト車による荷役作業方法

Info

Publication number: JPH0725517B2
Application number: JP18801086A
Authority: JP
Inventors: 務武藤; 勝実小田切; 博小林
Original assignee: Showa Aircraft Industry Co Ltd
Current assignee: Showa Aircraft Industry Co Ltd
Priority date: 1986-08-11
Filing date: 1986-08-11
Publication date: 1995-03-22
Anticipated expiration: 2010-03-22
Also published as: JPS6347299A

Description

【発明の詳細な説明】「産業上の利用分野」本発明は、リフト車による荷役作業方法に関する。すな
わち、例えば引越しに際し、荷物を地上と建築，構築物
等の高所の目標との間で運搬する高所引越作業，建築現
場等において、同様に建築資材等の荷物を運搬する高所
建築作業等、リフト車を用いた高所荷役作業の方法に関
するものである。

「従来の技術」このような荷役作業は、従来次の方法により行われてい
た。

まずブームを起立，伸長，旋回させて、高所の目標にブ
ームの先端部を対向位置させた後、荷物をバケットに直
接積載し、係るバケットをブームに沿って昇降すること
により、地上と高所の目標との間で荷物の運搬が行われ
ていた。すなわち、地上側および高所側においてそれぞ
れ、バケットとの間の荷物の運搬と、バケットに対する
荷物の積込み積卸しとが行われ、しかも係る作業は地上
側および高所側にそれぞれ作業員を配した行われてい
た。

「発明が解決しようとする問題点」ところで、このような従来のリフト車による荷役作業方
法にあっては、次の問題点が指摘されていた。

上述のごとく地上側および高所側においてそれぞれ、荷
物の運搬と積込み積卸しを要し、作業が容易ではなく、
労力と時間がかかり効率が悪く、問題となっていた。す
なわち第１に、地上および高所にそれぞれ最低１人の作
業員を配することを要し、効率が悪く、又第２に、バケ
ットに対する荷物の積込み積卸しに際し、バケットと積
込み積卸し個所との間に、高低差および間隔が存し、為
に荷物の積込み積卸しに特に労力と時間がかかり、更に
第３に、このような作業に起因して、作業員に腰痛等の
労働災害の発生も指摘されていた。

本発明は、このような実情に鑑み、上記従来例の問題点
を解決すべくなされたものであって、荷物を積載した台
車を作業員とともに、バケット，リフター等を介して移
送することにより、荷物が地上と高所の目標との間で、
簡単，容易かつ効率的に運搬されることになる、リフト
車による荷役作業方法を提案することを目的とする。

「問題点を解決するための手段」この目的を達成する本発明の技術的手段は、次のとおり
である。

リフト車は、車輌本体上に起伏可能，伸縮可能，かつ旋
回可能に搭載されたブームと、このブームに沿って昇降
されるバケットとを有してなり、このバケットは、積込
み積卸しに際し張出し可能な板状の張出し床部を備えて
いる。

そしてまず、ブームを起立，伸長，旋回させて、高所の
目標にブームの先端部を対向位置させる。

次に、バケットがブームの端部に位置する場合に、バケ
ットと高低差を有する積込み積卸し個所に、昇降架台を
備えたリフターを配設する。

そして荷物を積載した台車を作業員とともに、バケッ
ト，その張出された張出し床部，リフターの昇降架台を
介して移送する。

このようにして、地上と高所の目標との間で、荷物が運
搬される。

「作用」本発明に係るリフト車による荷役作業方法は、このよう
な手段よりなるので、次のごとく作用する。

すなわち、荷物を積載した台車を作業員とともに、バケ
ット，その張出された張出し床部，リフターの昇降架台
を介して移送するので、荷物のバケットに対する直接的
な積込み積卸しが不要となり、１人の作業員でも容易に
係る荷役作業を行うことができるようになる。又バケッ
トと積込み積卸し個所間の高低差は、リフターの昇降架
台の昇降により解決され、他方バケットと積込み積卸し
個所間の間隔も、バケットの張出し床部の張出しにより
解決され、それぞれ荷物を積載した台車の移送は容易に
行われることになる。又これらリフター，張出し床部等
の配設と収納も容易である。

更にその適用範囲も広く、あらゆる種類の建築，構造物
等の高所の目標への荷役作業に、その建設中，建設完了
後を問わず、用いることが可能である。

このようにこの荷役作業方法によると、荷物が地上と高
所の目標との間で、簡単，容易かつ効率的に運搬される
ようになる。

「実施例」以下本発明の実施例を、図面に基づいて詳細に説明す
る。

まずリフト車について概説する。

第４図は、一般的なリフト車を示した概略正面図であ
る。

リフト車は、図示の自走式のほか走行動力をもたぬ牽引
式のものもあり、ともに車輌本体１上に起伏可能，伸縮
可能かつ旋回可能に搭載されたブーム２を備え、このブ
ーム２に沿ってキャリア３が昇降され、このキャリア３
上に枢支され荷物等を収納してなるバケット４が、キャ
リア３により地上Ａと高所Ｂの目標、例えば高層建造物
のベランダとの間で、昇降される。

ブーム２について詳述すると、車輌本体１上には、油圧
式で正逆回転可能な旋回用モータM1等の駆動装置によ
り、旋回可能なターンテーブル５が搭載され、このター
ンテーブル５にブーム２が、油圧式の起伏用シリンダC1
等の駆動装置とピン６とにより、起伏可能に枢支されて
いる。このブーム２は、伸縮可能な多段式よりなり、油
圧式の伸縮用シリンダC2等の駆動装置により、その２段
目以降の張り出しと収納とが行われている。又ブーム２
としては、入れ子式の多段ブーム、梯子状のいわゆるラ
ダーたる多段ブーム、断面正方形のもの、断面略扁平形
のもの、直伸式のもの、屈折式のもの、その多各種の方
式，形状等のものがある。

キャリア３等について詳述すると、係るブーム２に沿っ
てキャリア３は昇降機構７により昇降される。すなわち
キャリア３は車輪８を備え、その昇降機構７はウインチ
装置M2とワイヤＷとを備えてなっている。そして油圧式
で正逆回転可能な昇降用のウインチ装置M2により、その
前後に張設されたワイヤＷの繰り出しと巻き取りを行う
ことにより、キャリア３はブーム２上をその基端部2₁と
先端部2₂間で走行される。このキャリア３上には、ピン
９によりバケット４が枢支され、上面が開放された箱状
のバケット４には、荷物等が積載される。

そしてキャリア３とバケット４間には、例えばチルト機
構10等の水平維持機構が介装され、ブーム２の起伏角度
に応じ、バケット４をキャリア３上で常に水平姿勢に保
持している。

第４図のリフト車は、このように構成されている。

以下第１図，第２図に基づいて説明する。

第１図は、本発明に係るリフト車による荷役作業方法の
実施例の説明に供する、作業現場の正面図であり、第２
図は、同平面図である。

まず張出し床部11について述べる。このリフト車のバケ
ット４は、積込み積卸しに際し同方向に張出し可能な板
状の張出し床部11を備えている。この張出し床部11とし
ては、図示例では常時はバケット４の外周枠を形成する
あおり板のうち、積込み積卸し側のものが用いられてい
る。そして積込み積卸しに際しては、バケット４の床部
にひんじ結合されたこの張出し床部11が、回動して水平
に展開することによって、同方向に張出される。張出さ
れた張出し床部11は、残りの両側の立設状態のまま保持
されたあおり板との間に介装されたチェーン等によっ
て、略水平姿勢等に保持される。なおこの張出し床部11
は、図示のものに限定されず、バケット４の床部を利用
したものであってもよく、該床部が積込み積卸し方向に
スライドして展開することによって、張出されるもので
あってもよい。

このような張出し床部11を備えてなるため、バケット４
と積込み積卸し個所との間に間隔が存する場合、すなわ
ちブーム２の基端部2₁側に位置したバケット４の床部
と、地上Ａ側の積込み積卸し個所例えばトラックの床部
との間に、水平方向の間隔が存する場合、この張出し床
部11の張出しによって、両床部間を接続することが可能
となり、もってバケット４との間の後述の台車Ｔの移送
が容易化する。他方、ブーム２の先端部2₂側に位置した
バケット４の床部と、高所Ｂの目標側の積込み積卸し個
所例えばベランダの床部との間に、ベランダ壁Ｂ′等の
障害物が介在するため、水平方向の間隔が存する場合
も、この張出し床部11の張出しによって、両床部間を接
続することが可能となり、もってバケット４との間の台
車Ｔの移送が容易化する。張出し床部11はこのようにな
っている。

次にリフター２について述べる。リフター12は、昇降架
台13を備えてなり、バケット４に積込み可能な大きさよ
りなっている。第３図はリフター12の１例を示し、車輪
14が付設されたリフター台車15上に、昇降架台13が自在
折曲部16を介し支持されている。そしてこのリフター12
では、付設された例えばシリンダー17,その他のモー
タ，手動ハンドル等の駆動源により、自在折曲部16を介
し、昇降架台13が上昇，下降される。

このようなリフター12を、バケット４と高低差を有する
地上Ａ側又は高所Ｂの目標側の積込み積卸し個所に配設
し、昇降架台13を上昇させることによって、バケット４
の床部と昇降架台13との高さレベルをそろえ、又昇降架
台13を下降させることによって、昇降架台13を積込み積
卸し個所の高さレベルに、ほぼそろえることも可能とな
る。このようにして、バケット４との間の台車Ｔの移送
が容易化される。

なお、第１図，第２図中に示したリフター12の昇降架台
13には、積込み積卸し側の端部に、ひんじ等により傾斜
部18が付設されている。そこで、下降された昇降架台13
と、積込み積卸し個所たる地上Ａ側の例えばトラックの
床部，高所Ｂの目標側の例えばベランダの床部との間
に、高低差が若干なりとも存在しても、該昇降架台13と
床部間に特別な介在物を配設しなくても、両者間には傾
斜部18が自重により介在位置することになる。このよう
にして、傾斜部18が付設されてなる場合には、リフター
12との間の台車Ｔの移送が、より容易化される利点があ
る。リフター12はこのようになっている。

次に台車Ｔについて述べる。台車Ｔは、台部T₁と車輪T₂
とを備え、バケット４に積込み可能な大きさよりなり、
この台部T₁上に荷物Ｌが積載される。なおこの台車Ｔ
は、外周壁T₃を備え上面のみが解放されたものよりなる
場合には、建築現場等の残さい等の運搬に便利であると
いう利点がある。

以上がバケット４の張出し床部11,リフター12,台車Ｔ等
の説明である。

さてこのようなリフト車等を用いた荷役作業方法につい
て、以下説明する。

まずリフト車を目的場所に停車させ、起伏用シリンダC
1,伸縮用シリンダC2,旋回用モータM1等を駆動し、ブー
ム２を車輌本体１上で起立，伸長，旋回させて、高所Ｂ
の目標にブーム２の先端部2₂を対向位置させる。

次に、ブーム２の基端部2₁側に位置するバケット４の張
出し床部11を張出す等により、地上Ａ側からバケット４
にリフター12を積込む。

そしてウインチ装置M2を駆動し、バケット４により作業
員Ｃとともにリフター12は、ブーム２の先端部2₂まで移
送される。しかる後リフター12は、高所Ｂの目標側に張
出された張出し床部11を介し、高所Ｂの目標たるベラン
ダの床部上におろされ、該個所に配設される。

そしてリフター12の昇降架台13を、ブーム２の先端部2₂
に位置するバケット４の床部と、高さレベルをそろえる
べく調整した後、作業員Ｃは再びバケット４にて地上Ａ
側に降りてくる。

なお地上Ａ側の積込み積卸し個所たる例えばトラックの
床部と、ブーム２の基端部2₁に位置するバケット４の床
部との間に、高低差が存する場合には、該個所にも予め
別のリフター12を配設しておく。

そして例えば、地上Ａ側から高所Ｂの目標への荷物Ｌの
搬送は、次のごとくなされる。

すなわち、荷物Ｌを積載した台車Ｔを、張出された張出
し床部11を介し、バケット４に積込む。なおこの積込み
は、前述のごとくリフター12を利用して行うことも可能
である。

そして荷物Ｌを積載した台車Ｔは、作業員Ｃとともに、
バケット４によりブーム２の基端部2₁側から先端部2₂側
へと、ウインチ装置M2の駆動により移送される。

このようにして高所Ｂの目標側に移送された台車Ｔは、
バケット４内から、張出された張出し床部11を介し、リ
フター12の昇降架台13上に移送される。そしてリフター
12の下降によって、高所Ｂの目標たるベランダの床部等
に移される。

しかる後荷物Ｌは、台車Ｔにより必要な場所に運ばれ、
台車Ｔから荷卸しされる。

荷物Ｌを荷卸しした台車Ｔは、作業員Ｃとともに、上述
と逆の順序を辿り、地上Ａ側に移送される。

そして係る工程を繰り返すことにより、１人の作業員Ｃ
によって、地上Ａ側と高所Ｂの目標間で、荷物Ｌが運搬
される。

荷物Ｌの運搬が終了すると、前述と逆の順序でリフター
12等の収納作業が行われる。

なお、地上Ａ側から高所Ｂの目標側への荷物Ｌの搬送
は、以上説明したごとくなされるが、逆に高所Ｂの目標
側から地上Ａ側への荷物Ｌの搬送も、これに準じて行わ
れるが、その説明は省略する。

さて上述のごとく、本リフト車による荷役作業方法によ
ると、荷物Ｌのバケット４に対する直接的積込み積卸し
が不要となり、１人の作業員Ｃでも容易に係る作業を行
うことが可能となる。又バケット４と地上Ａ側又は高所
Ｂの目標側における積込み積卸し個所間の高低差は、リ
フター12の昇降架台13の昇降により、又その間の間隔
も、バケット４の張出し床部一11の張出しにより、それ
ぞれ解決され、荷物Ｌを積載した台車Ｔの移送は容易化
する。

又張出し床部11,リフター12等の配設と収納も容易であ
る。更にその適用範囲も広く、あらゆる種類の建築，構
造物等高所Ｂの目標への荷役作業に、その建設中，建設
完了後を問わず、用いることが可能である。

このようにこの荷役作業方法によると、荷物Ｌが地上Ａ
と高所Ｂの目標との間で、簡単，容易かつ効率的に運搬
されるようになる。

以上が本荷役作業方法の説明である。

なお図示実施例によらず、次のごとく構成することも可
能である。

第１に、バケット４上に、ブーム２の起伏，伸縮，旋回
操作、およびバケット４自体の昇降操作用の遠隔操作装
置を付設してなる場合には、係る操作も前述の１人の作
業員Ｃにより行うことが可能なため、荷役作業がより簡
単，容易化され省力化される利点がある。

第２に、リフター12の昇降架台13上に、自体の昇降用の
操作装置を付設してなる場合には、上述と同様に、荷役
作業がより簡単，容易化され省力化される利点がある。

第３に、作業員C1人では台車Ｔへの積載，荷卸しが困難
な重量等の荷物Ｌを運搬する場合には、係る荷物Ｌを台
車Ｔに積載，荷卸しする個所に、予めクレーン装置を配
設しておけばよい。すなわち、この場合高所Ｂの目標側
のクレーン装置については、バケット4,リフター12等を
介し、予め移送，配設しておく。そしてこのようなクレ
ーン装置の配設により、重量等がかさむ荷物Ｌについて
の荷役作業も、簡単，容易化され省力化されることにな
る。

「発明の効果」本発明に係るリフト車による荷役作業方法は、以上説明
したごとく、荷物を積載した台車を作業員とともに、バ
ケット，リフター等を介して移送することにより、荷物
が地上と高所の目標との間で、簡単，容易かつ効率的に
運搬されることになる。すなわち、荷物のバケットに対
する直接的積込み，積卸しが不要で、１人の作業員でも
容易に係る荷役作業を行うことができるようになり、作
業に要する労力と時間とが著しく軽減され、又バケット
と積込み積卸し個所間の高低差および間隔も、リフター
およびバケットの張出し床部により解決され、台車の移
送も容易であり、更にそれらの配設および収納も容易
で、適用範囲も広く、又作業員の腰痛等の労働災害の発
生も防止され、従来例のこの種荷役作業方法に存した問
題点が一掃される等、その発揮する効果は顕著にして大
なるものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係るリフト車による荷役作業方法の
実施例の説明に供する、作業現場の正面図であり、第２
図は、同平面図である。第３図は、リフターの１例等を示す正面図である。第４図は、一般的なリフト車を示す概略正面図である。１……車輌本体２……ブーム 2₁……基端部 2₂……先端部４……バケット 11……張出し床部 12……リフター 13……昇降架台Ｔ……台車Ｌ……荷物Ａ……地上Ｂ……高所Ｃ……作業員

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】車輌本体上に起伏可能，伸縮可能，かつ旋
回可能に搭載されたブームと、積込み積卸しに際し張出
し可能な板状の張出し床部を備え、該ブームに沿って昇
降されるバケットと、を有してなるリフト車を用いた荷
役作業方法であって、まず該ブームを起立，伸長，旋回させて、高所の目標に
ブームの先端部を対向位置させ、次に前記バケットが該ブームの端部に位置する場合に、
バケットと高低差を有する積込み積卸し個所に、昇降架
台を備えたリフターを配設し、そして荷物を積載した台車を作業員とともに、前記バケ
ット，張出された前記張出し床部，前記リフターの昇降
架台を介して移送し、もって地上と前記高所の目標との間で、前記荷物が運搬
されることを特徴とする、リフト車による荷役作業方法。