JPH07253695A - 給紙制御装置 - Google Patents

給紙制御装置

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JPH07253695A
JPH07253695A JP6045653A JP4565394A JPH07253695A JP H07253695 A JPH07253695 A JP H07253695A JP 6045653 A JP6045653 A JP 6045653A JP 4565394 A JP4565394 A JP 4565394A JP H07253695 A JPH07253695 A JP H07253695A
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Tokuzo Kaneda
徳蔵 金田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円筒ホルダの材質等に影響されず確実にロー
ル紙の用紙エンドを検出するとともに用紙残量の検出も
できる給紙制御装置を提供する。 【構成】 ロール紙の軸とともに回転するエンコーダの
ディスク(図示せず)に設けられた複数のスリットを通
過する光をフォトセンサにより検出する。その検出周期
(スリット間周期)に基づいてロール紙の角速度を算出
する。用紙エンド(ロールエンド)直前のスリット間周
期(a)は、そうでないときのスリット間周期(b)に
比べて急激に周期が低下する。そこで、下限スレッシュ
レベル(c)を設けて、検知したスリット間周期がこの
下限スレッシュレベル(c)を下回ったときは用紙エン
ドと判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、給紙装置により給送さ
れるロール紙の用紙エンドを検出する給紙制御装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画
像形成装置に装着され、ロール状に巻かれた記録紙(以
下、ロール紙という)を給紙する給紙装置は周知であ
る。ロール紙の給紙装置においては、用紙エンドの正確
な検出あるいは用紙種類に影響されない用紙エンドの検
出が難しく、過去種々の検出方法による給紙制御装置が
提案されている。
【0003】例えば、ロール紙を巻き付けて保持する円
筒ホルダの外周面を黒色にするとともに、給紙装置にセ
ットされたロール紙に向けて光を照射する発光部材と、
ロール紙からの反射光量を計測する反射型センサとを設
け、ロール紙のあるときの反射光量と、ロール紙がなく
なったときの黒色のホルダ外周面からの反射光量との差
により用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が
提案されている。
【0004】また、ロール紙の給紙装置においては、通
常、用紙搬送力はロール紙表面を外周とする円の接線方
向に作用している。そのため、用紙が消費されるに従っ
て、用紙搬送力が作用する方向が変化し、ロール紙(円
筒ホルダ)の中心に近づいてくる。そして、ロール紙後
端が円筒ホルダに固定されている場合は、用紙エンド時
に用紙搬送力がホルダの中心に作用し、用紙に引っ張ら
れてホルダが所定位置から移動する。このホルダの移動
を検知するセンサを設けて用紙エンドを検出するように
した給紙制御装置が提案されている。
【0005】さらに、上記用紙搬送力の作用方向の変化
は、用紙搬送経路の変化に置き換えることが出来る。す
なわちロール紙を軸方向から見たときに、用紙が消費さ
れるに従って、用紙の引き出される位置は次第にロール
紙の中心に近づき、ロール紙の軸方向から見た用紙搬送
経路が変化することになる。この用紙搬送経路が変化す
ることを利用して、予め求めた用紙エンド時の用紙搬送
経路上に用紙検出センサを設け、用紙エンド時にその用
紙搬送経路を給送される用紙をセンサが検出することに
より用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提
案されている。そのような給紙制御装置が適用される給
紙装置の一例を図10により説明する。
【0006】図10において、円筒ホルダ31の周囲に
巻き付けられたロール紙20が給紙装置の所定位置にセ
ットされている。このロール紙の後端はホルダ31に固
定されているものとする。ロール紙20の外周部から引
き出された用紙が給紙ローラ対21,22にくわえら
れ、この給紙ローラ対21,22が給紙方向に回転する
ことにより、ロール紙20の給送が行なわれる。ロール
紙の用紙搬送経路は、ロール紙の軸方向から見たとき
に、用紙の消費にともなって、次第にロール紙20及び
ホルダ31の中心Oに近づいてくる。そして、用紙エン
ド時には、用紙後端がホルダ31に固定されているの
で、中心Oと給紙ローラ対21,22の圧接ニップとを
結ぶ一点鎖線上に用紙が来る。そして、予め求めてある
用紙エンド時の用紙搬送経路(一点鎖線)に接するよう
にフィラー32を垂下したセンサ33が設けられてい
る。用紙があるときのロール紙20の用紙搬送経路は、
フィラー32よりも下方なので、用紙はセンサ33に検
知されない。しかし、用紙エンド時には用紙搬送経路が
一点鎖線上となり、用紙がセンサ33により検知されて
用紙エンドと判断される。なお、図中34,35は用紙
をガイドする上下ガイド板であり、センサ33は図示し
ないブラケットを介して上ガイド板34に取り付けられ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記円
筒ホルダの外周面を黒色にした給紙制御装置の場合、円
筒ホルダ外周面を必ず黒色にしなければならず、また、
同じ黒色であっても光沢のある場合とそうでない場合と
で用紙エンド検出に誤差が生じ、円筒ホルダの部材やそ
の製造方法に制約が多い。あるいは、用紙の光透過度が
高い場合も用紙エンド検出に誤差が生じてしまう。この
様に、この方式の給紙制御装置には、円筒ホルダの部材
や製造方法、または用紙種類等による影響で検出誤差が
生じ、信頼性が低いという問題があった。
【0008】また、上記用紙搬送力の作用方向の変化を
利用した給紙制御装置の場合、用紙搬送力の作用方向の
変化を考慮した位置にロール紙及び給紙ローラ等を配置
しなければならず、装置レイアウト上の制約を招く。そ
のため、ロール紙のセット性が犠牲になったり、無駄な
スペースを取るなどの問題があった。また、用紙後端が
ホルダに固定されているため、用紙エンド時に給紙手段
に大きな負荷抵抗を与え、給紙手段の寿命を縮めるとい
う問題があった。
【0009】さらに、図10により説明した方式の給紙
制御装置においては、用紙エンド検出用センサ33は給
紙ローラ対とロール紙20との間に配置する必要があ
り、用紙をロール紙20の下側から引き出すようにした
給紙装置(一般的にはこのタイプが多い)においては、
センサ33及びそのフィラー32が、ロール紙20を給
紙装置にセットしたときの用紙先端を給紙ローラ対2
1,22のニップにくわえ込ませる動作の邪魔になると
いう問題があった。特に、センサ33を保持するために
上ガイド板33を設けた場合には、そのガイド板33が
邪魔になるだけでなくガイド板33により視認性が妨げ
られ操作性を低下させていた。そして、給紙ローラ対で
ジャムが発生した場合には、ガイド板33が邪魔になり
ジャム処理をしにくくしている。さらに、ジャム発生時
あるいはジャム処理時に、フィラー32を破損する恐れ
がある。
【0010】本発明は、従来のロール紙の用紙エンドを
検出するための給紙制御装置における上述の問題を解決
し、円筒ホルダの材質等に影響されず確実にロール紙の
用紙エンドを検出するとともに用紙残量の検出もできる
給紙制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、周囲に記録紙が巻き付けられた円筒ホルダから前
記記録紙を一定速で給送する給紙手段と、前記円筒ホル
ダに嵌装され円筒ホルダ及び記録紙を回転自在に支持す
る支持部材と、該支持部材と直接又は間接的に係合して
回転する回転部材と、該回転部材の角速度を検出する角
速度検出手段と、該角速度検出手段により検出された角
速度に基づいて前記円筒ホルダから前記記録紙がなくな
る用紙エンドを判断するとともに前記記録紙の残量を算
出する制御手段と、を具備することにより解決される。
【0012】また、本発明は、前記の課題を解決するた
めに、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出
した角速度と、その所定時間前に検出した角速度との差
又はその所定カウント数前の角速度との差により、前記
用紙エンドの判断及び記録紙残量の算出を行なうことを
提案する。
【0013】さらに、本発明は、前記の課題を解決する
ために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により連
続して所定回数検出した角速度の平均値又は合計値に基
づいて前記用紙エンドの判断及び記録紙残量の算出を行
なうことを提案する。
【0014】さらに、本発明は、前記の課題を解決する
ために、前記支持部材が、前記円筒ホルダの両側から円
筒ホルダに嵌装される部材であって円筒ホルダに巻かれ
た記録紙の端面に当接するフランジを有する部材である
ことを提案する。
【0015】さらに、本発明は、前記の課題を解決する
ために、前記給紙手段は、停止状態から一定速度に加速
する場合及び一定速度から停止状態に減速する場合、所
定の割合で徐々に加速又は減速することを提案する。
【0016】さらに、本発明は、前記の課題を解決する
ために、電源投入時又は装置に記録紙がセットされた時
に、前記記録紙を所定量だけ給送して前記角速度の検出
を行ない、該検出した角速度に基づいて用紙エンドの判
断又は記録紙残量の算出を行なった後、給紙指示による
給紙を開始することを提案する。
【0017】
【作用】周囲に記録紙が巻き付けられた円筒ホルダに嵌
装された支持部材に対して直接又は間接的に係合して回
転する回転部材の角速度を、角速度検出手段により検出
する。用紙エンド時とそうでない時とでは検出する角速
度の値に明確な差が現われるので、検出した角速度に基
づいて用紙エンドを判断することができる。また、その
角速度と相関関係にある用紙残量も算出することができ
る。
【0018】その他の作用については、以下の実施例の
説明で明らかとなるであろう。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0020】図1は、本発明給紙制御装置の一実施例の
一部を示す斜視図である。この図において、円筒ホルダ
1の周囲に巻き付けられたロール紙20は、その下側か
ら引き出されて給紙ローラ対21,22にくわえられ、
給紙ローラ対21,22が図示矢印の方向に回転するこ
とにより給紙される。このロール紙20は、円筒ホルダ
1内に挿入されるペーパスプール2とともに所定位置に
セットされ、スプール軸2aにより装置側板(図示せ
ず)に回転自在に支持される。また、ペーパスプール2
の中央部付近に係止部材5が軸3により枢着されてい
る。この係止部材5とペーパスプール2の間にはスプリ
ング4が配され、係止部材5は軸3を支点として、ペー
パスプール2に対してラジアル方向に付勢力を与えられ
ている。係止部材5のスプリング4の配設場所に近い位
置には鋭利な突出部5aが設けられている。この突出部
5aは、ペーパスプール2を円筒ホルダ1に挿入したと
きに、スプリング4の付勢力によりホルダ内面に食い込
んで、円筒ホルダ1及びロール紙20をペーパスプール
2に対して固定する働きをする。また、係止部材5の外
側端部には取っ手部5bが設けられている。ペーパスプ
ール2を円筒ホルダ1に挿入する際には、この取っ手部
5bを押し下げて、突出部5aがホルダ内面に接しない
ようにする。そして、円筒ホルダ1及びロール紙20が
ペーパスプール2の所定の位置になったときに取っ手部
5bから手を離すと、前述したように突出部5aがホル
ダ内面に食い込み、ロール紙20をペーパスプール2に
固定して、ロール紙20とペーパスプール2とが一体と
なって回転するようになる。なお、給紙ローラ対21,
22の用紙搬送方向の下流側には図示しないカッタが設
けられ、用紙先端がギザギザになっていたり斜めに切れ
たりしている場合には、用紙の先端部を切り落して搬送
方向と直角な先端が得られるようになっている。
【0021】図2は、本実施例の給紙制御装置の角速度
検出部付近を示す正断面図である。この図に示すよう
に、装置側板6に支持されたスプール軸2aの端部にギ
ヤ7が配設されている。また、側板6には軸9が回転自
在に植立され、その軸9にギヤ8が固定されている。な
お、部材12は、側板6とともに軸9を支持するもので
ある。そして、ギヤ8とギヤ7とは噛み合わされ、ロー
ル紙20及びペーパスプール2の回転が軸9に伝えられ
る。軸9にはエンコーダのディスク10aが固定され、
そのディスク10aの下方に、エンコーダのフォトセン
サ10bが設置されている。なお、ロール紙20及びペ
ーパスプール2の本体はこの図には示されていない。ま
た、同じく図示されない反対側のスプール軸2aにはギ
ヤ7は設けられていない。
【0022】図3は、上記角速度検出部を図2の左方向
から見た側面図である。この図に示すように、エンコー
ダのディスク10aにはスリット10cが放射状に設け
られている。前述した給紙ローラ対21,22により用
紙が給送されると、給送される用紙に引っ張られてロー
ル紙20及びペーパスプール2が回転し、その回転が前
述したギヤ7,8及び軸9を介してエンコーダのディス
ク10aを回転させる。そして、ディスク10aのスリ
ット10cを通過する光をフォトセンサ10bが検出
し、その検出信号に基づいてディスク10aの角速度
(単位時間あたりの回転角度)を図示しない制御手段に
より算出する。なお、本実施例においては、フォトセン
サ10bが次々にスリット10cを通過する光を検出す
るときの、検出間隔(時間)から角速度を算出してい
る。すなわち、あるスリットを通過する光が検知されて
から次のスリットを通過する光が検知されるまでの時間
(以下、スリット間周期という)を検知すれば、予め求
めておいたスリット間周期とそのときの角速度から、検
知したときの角速度を算出することができる。
【0023】本発明の給紙制御装置は、用紙エンド時と
そうでない時とで、給送により回転するロール紙(を支
持する部材と直接又は間接的に係合する回転部材)の角
速度の差が発生することから、用紙エンドを検出するも
のであるが、ここで、その角速度の差の発生について説
明する。
【0024】まず、用紙があるとき、つまり用紙搬送力
がロール紙の表面を外径とする円の接線方向に作用する
とき(用紙搬送経路がその円の接線方向にあるとき)の
角速度について数式を用いて求める。
【0025】図4において、ロール紙20は点Oを、給
紙ローラ21は点Pを中心として回転するものとする。
ロール紙20の外径がD1のときの用紙搬送経路は、ロ
ール紙20及び給紙ローラ21を結ぶ接線STとなる。
そして、用紙が順次送り出されてロール紙の外径がD0
になったときの用紙搬送経路はQRとなる。ロール紙2
0及び給紙ローラ21の各中心O,P間の距離をL、給
紙ローラ21の外径をd、用紙1枚の厚みをt、給紙ロ
ーラ対21,22による用紙搬送速度をV0、ロール紙
20の回転をエンコーダのディスク10aに伝達するギ
ヤ7,8の歯数をそれぞれZ0,Z1、ディスク10aに
設けられたスリット10cの数をN、ロール紙外径がD
1からD0に変化するまでのエンコーダによるスリットカ
ウント数をp、ディスク10aの回転角をθ0rad、ディ
スク10aの回転数をn、時間をTp、用紙の巻き始め
からQ点及びS点までに巻き付けられた用紙長さをl
q,lsとすると、以下の各式によりTp及び、ロール紙
外径がD0になる直前のスリット間周期T1が求められ
る。
【0026】
【数式1】
【0027】
【数式2】
【0028】
【数式3】
【0029】
【数式4】
【0030】
【数式5】
【0031】
【数式6】
【0032】
【数式7】
【0033】この数式(7)に次の数式(8)を代入すると
Tpが、数式(9)を代入するとT1が求められる。
【0034】
【数式8】
【0035】
【数式9】
【0036】次に、用紙がなくなるとき、つまり用紙搬
送経路がロール紙20の中心Oと給紙ローラ21の外周
とを結ぶ線に向かっていくときの角速度について数式を
用いて求める。なお、本実施例において、ロール紙の後
端(巻き始め)は円筒ホルダ1に固定されているので、
用紙エンド時には、用紙搬送力はロール紙20の中心に
作用し、用紙搬送経路はロール紙20の中心Oと給紙ロ
ーラ21の外周とを結ぶ線上となる。
【0037】図5において、円筒ホルダに固定されてい
る用紙の後端(巻き始めの点)がQからUに移動するま
でのエンコーダによるスリットカウント数をp、ディス
ク10aの回転角をθprad、時間をTpとし、用紙後
端がQからWに移動するまでのエンコーダによるスリッ
トカウント数をq、ディスク10aの回転角をθqra
d、時間をTqとすると、以下の数式によりTp及び用
紙後端がUに移動する直前のスリット間周期T1が求め
られる。なお、ここで、用紙の後端がQからUに移動す
るまでのスリットカウント数p、時間Tp及び直前のス
リット間周期T1は、図4により説明したロール紙外径
がD1からD0に変化するまでのスリットカウント数p、
時間Tp及び直前のスリット間周期T1と同じ符号を用
いているが、図4におけるロール紙外径のD1とD0の差
は、用紙1枚分にでも当てはめることができ、それぞ
れ、そのときのスリット間周期T1を求めるための値を
代入するものとして同じ符号を用いるものである。
【0038】
【数式10】
【0039】
【数式11】
【0040】
【数式12】
【0041】
【数式13】
【0042】
【数式14】
【0043】
【数式15】
【0044】
【数式16】
【0045】
【数式17】
【0046】
【数式18】
【0047】この数式(10)〜(18)により用紙の後端がQ
からUに移動するまでの時間Tpが求められ、よって用
紙後端がU点に移動する直前のスリット間周期T1を求
めることができる。すなわち、T1=Tp−Tp-1であ
る。ここで、Tp-1とは、用紙の後端がQからUに移動
するまでの時間に検知されたスリットカウント数よりも
1カウント少ない時間のことである。例えば、用紙の後
端がQからUに移動するまでの時間Tpのあいだにスリ
ットが10回(カウント)検知されたとする。すると、
Tp-1は、用紙の後端がQからUに向かって移動すると
きにスリットが10−1=9回(カウント)検知される
時間を表すことになる。従って、このTpからTp-1を
減じてやれば、U点の直前(1カウント前)のスリット
間周期T1を求めることができる。
【0048】以上の諸式を計算してスリットカウント数
とスリット間周期及びロール紙外径との関係を図に表わ
すと図6のようになる。また、スリットカウント数とス
リット間周期及びロールエンド(用紙エンド)までの残
り時間との関係を図に表わすと図7のようになる。な
お、図7は、スリットカウント数の目盛を図6の103
倍に拡大して表わしている。また、両図におけるQ点と
は、用紙がなくなる直前の、円筒ホルダの外周接線上に
用紙がある場合を示している。両図において、スリット
カウント数はQ点を基準として用紙エンド方向をプラ
ス、逆方向をマイナスとしている。
【0049】両図からも判るように、用紙がQ点になる
まではほぼ一定の割合で減ってきたスリット間周期が、
Q点を過ぎて用紙エンドの直前には急激に低下する。こ
れは、図中(a)の部分で示される。もし、用紙がここ
で終了せずにそのまま給紙が行なわれるとした場合に
は、スリット間周期はQ点以前と同じようにほぼ一定の
割合で低下して図中(b)で示されるようになる。この
ように、用紙エンドの直前には、スリット間周期にそれ
以前とは明確な差が現われる。従って、スリット間周期
が急激に低下すること(すなわち角速度が急激に低下す
ること)を検出してやれば、確実な用紙エンドを検出す
ることができる。本実施例においては、図7に示すよう
にスリット間周期の下限スレッシュレベル(c)を設
け、検出したスリット間周期が、このスレッシュレベル
以下になったときに用紙エンドと判断している。なお、
用紙エンドの判断及び前記した角速度の算出等は、給紙
制御装置が装着される画像形成装置の制御手段により行
なうことができる。
【0050】ところで、通常の用紙エンド直前のスリッ
ト間周期は図7においてほぼ水平に近い白丸付き直線と
して示された値(図7の縦軸の値)であるが、下限スレ
ッシュレベルをその通常時のスリット間周期の50%以
下に設定した場合には、用紙エンド検出後の実際の用紙
エンドまでの残り時間が少なくなり、ロール紙を急停止
させなければ、ホルダに固定された用紙後端が図5のW
点に来てしまい、それ以上回転しないホルダに固定され
た用紙が給紙ローラ対に引っ張られ、給紙ローラ対等に
過度の負担がかかり、機械的なダメージを与えることに
なる。そこで、本実施例においては、下限スレッシュレ
ベル(c)を平常時のスリット間周期の50%よりも高
い点に設定して、ロール紙停止時間を確保している。
【0051】しかし、何らかの原因により、用紙後端が
図5のW点に来ても用紙エンドと検出されなかった場合
には、円筒ホルダはそれ以上回転しないのでスリット間
周期がいきなり大きな値として検出されることを利用し
て、上限のスレッシュレベルを適当な値に設定してやれ
ば、検出したスリット間周期がその上限スレッシュレベ
ルを越えた時点で用紙エンドと判断され、ロール紙を停
止させることにより機械的なダメージを最小限に防ぐこ
とができる。
【0052】また、スリット間周期はいろいろな原因に
より変動することがある。例えば、円筒ホルダ1の偏
心、ロール紙20のホルダへの巻き付けの部分的な強
弱、ロール紙を回転自在に支持する部材であるペーパス
プール2の偏心、ペーパスプール2の係止部材5の突出
部5aがあることによるペーパスプール2と円筒ホルダ
1間の隙間、あるいは、ギヤ7及び8又はエンコーダを
構成する部品の精度などによるスリット間周期の変動が
考えられる。
【0053】そこで、本実施例においては、検出したス
リット間周期の連続したn個の平均値をスリット間周期
として逐次更新管理して角速度を算出することにより、
上記さまざまな原因によるスリット間周期変動の影響を
抑制することができる。なお、連続したn個の平均値で
なくとも、連続したn個の合計値から角速度を算出して
もよい。また、本実施例においては、ロール紙後端(巻
き初め)は円筒ホルダ1に固定されているものとした
が、固定されておらず単に巻き付けただけのものであっ
ても、用紙エンド時には用紙がホルダから離れて、それ
以上円筒ホルダに回転力が与えられないのでスリット間
周期は大きく低下し、用紙エンドを検出することが可能
である。
【0054】ここまで用紙エンドの検出について詳しく
説明してきたが、上記(7)及び(9)式からスリット間周期
1が求まれば、そのときのロール紙の外径D0が求めら
れることが判る。ロール紙の外径は、図6に示すように
スリット間周期と相関関係にある。従って、スリット間
周期を検知することで、その時のロール紙外径を求める
ことができるので、用紙が後どのくらい残っているかを
容易に算出することができる。これを給紙装置が装着さ
れた画像形成装置に表示するようにしてやれば、ユーザ
が用紙の残量確認をすることができる。このように、ロ
ール紙の残量を検知するためのセンサ及び機構等を設け
ずとも、用紙エンドを検出するための角速度(スリット
間周期)の検出からロール紙残量を簡単に算出すること
ができるので、残量検知センサ及び機構等のコストを省
くことができ、また、それらを取り付けるスペースも節
約することができる。
【0055】ところで、円筒ホルダ1の外径が異なるロ
ール紙を給紙装置にセットして使用する場合には、上述
した下限スレッシュレベル(c)をその円筒ホルダに対
応するよう変更しなければならない。また、正常な用紙
エンドの検出がされなかった場合の安全策としての上記
上限スレッシュレベルの設定は、外径が異なるロール紙
を使用する場合には、給紙装置に装着できる最大径の円
筒ホルダに対応しなければならない。もし、外径の小さ
なホルダにしか対応しないように上限スレッシュレベル
を設定してしまった場合には、ホルダ外径が大きいとき
には検出したスリット間周期が上限スレッシュレベルを
越えるようなことも考えられる。そのために最大径の円
筒ホルダに対応するように上限スレッシュレベルを高く
設定してやる必要がある分けであるが、すると、今度
は、正常な用紙エンドを検出しなかった場合の安全策と
して機能しない場合が発生し、その時に機械的なダメー
ジを与えてしまうことになる。
【0056】そこで、本発明の他の実施例として、上述
した下限スレッシュレベル(c)を設定して用紙エンド
を検出するのではなく、検出した角速度の値が、所定時
間前(あるいは所定カウント数前=所定回数前)の角速
度の値よりも決められた分だけ大きくなったときに用紙
エンドとすることを提案する。すなわち、検出したスリ
ット間周期が所定時間前(あるいは所定カウント数前)
に検出したスリット間周期よりも所定の値だけ短くなっ
た時点で用紙エンドと判断してやればよい。
【0057】なお、この実施例においては、上述した上
限スレッシュレベルについては、検出した角速度の値が
所定時間前(あるいは所定カウント数前)に検出した角
速度よりも所定量だけ小さくなったとき(スリット間周
期でいえば長くなったとき)に用紙エンド検出信号を出
すようにしてやれば、正常な用紙エンド検出が行なわれ
なかった場合の安全策とすることができる。
【0058】本実施例における用紙エンドの検出は、全
て角速度(スリット間周期)の差を求めることにより行
なっているので、円筒ホルダの外径にあわせてスレッシ
ュレベルを設定する必要がなく、円筒ホルダ1の外径が
異なるロール紙を給紙装置にセットして使用する場合に
も確実に用紙エンドを検出することができ、機械的なダ
メージの発生を防ぐことができる。
【0059】次に、本発明のさらに他の実施例について
説明する。
【0060】図8は、本発明給紙制御装置のさらに他の
実施例を示す側面図である。また、図9は、その実施例
においてロール紙20及び円筒ホルダ1を装置にセット
するためのフランジ部材12を説明するための断面図で
ある。これらの図に示すように、ロール紙20を給紙装
置にセットするためには、円筒ホルダ1の中空芯部にフ
ランジ部材12を嵌装する。そして、両側から(図9に
は一方の側のみ示す)フランジ部材12により挾まれた
ロール紙20を、給紙装置の2本の従動ローラ13,1
4上に載置する。フランジ部材12の外周部にはゴムベ
ルト12aが巻装されている。また、給紙ローラ対2
1,22から遠い方の従動ローラ14の同軸上にエンコ
ーダのディスク10aが装着されている。エンコーダの
構成は図3と同様であるので詳しい説明は省略する。そ
して、用紙先端を給紙ローラ対21,22にくわえさせ
ると用紙の給送が可能となる。
【0061】給紙ローラ対21,22が給紙方向に回転
し、用紙の給送が行なわれると、給送される用紙に引っ
張られてロール紙20が回転する。ロール紙20の回転
は従動ローラ13,14に伝わり、エンコーダのディス
ク10aが回転する。前述したように、ロール紙20を
両側から挾むフランジ部材12の外周部にはゴムベルト
12aが巻装されているので、ロール紙の回転はスリッ
プすることなく従動ローラ14すなわちエンコーダのデ
ィスク10aに伝達される。このディスク10aに設け
られたスリットを通過する光を検出することにより、ロ
ール紙20の角速度に比例した角速度を検出することが
できる。検出した角速度(スリット間周期)により用紙
エンド及びロール紙20の残量を検知する方法について
は図1〜7により説明した前記実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0062】ところで、ロール紙を用いた給紙装置は、
A0番等の大型の用紙に使用されることが多いので、前
記実施例のようにペーパースプール2を使用する場合に
は取扱いがしにくいこともある。しかし、本実施例のよ
うにフランジ部材12をロール紙両側から嵌装する方法
は、装着方法も簡単であり取り扱いやすい。また、ペー
パースプール2を使用しない給紙装置においてもロール
紙20の角速度に比例した角速度を検出することができ
るので、用紙エンド及びロール紙の残量検知が可能とな
る。
【0063】なお、給紙駆動ローラ21の駆動を開始ま
たは停止する際に、いきなり一定速に加速又は減速した
場合、ロール紙20の慣性により用紙が弛んでしまう。
用紙が弛んだときには、給紙ローラ対21,22による
給送力がロール紙20に伝わらずロール紙20は回転を
停止しようとする。そして、用紙の弛みが取れ、再び給
紙ローラ対21,22に引っ張られるとその慣性により
また用紙が弛むということを繰り返してしまう。する
と、ロール紙20(エンコーダのディスク10a)の角
速度が大きく変動し、用紙エンド及び用紙残量の検出精
度を悪化させることになる。前記実施例と同様、本実施
例においても、角速度の変動による影響を抑えるため
に、連続して検出したn個の角速度の値の平均値又は合
計値を角速度としていたが、ロール紙の弛みが発生した
場合にはSN比の悪化により検出精度を悪化させる原因
となる。そこで、本実施例においては、給紙駆動ローラ
21を駆動するモータとしてステッピングモータ(図示
せず)を用い、給紙ローラ対21,22の回転速度を徐
々に速くあるいは遅くするようにしている。この制御に
より、ロール紙20の弛みを防ぎ用紙エンド及び用紙残
量の検出精度の悪化を防ぐことができる。
【0064】なお、本実施例においては、電源が投入さ
れたときに、または新たにロール紙20を装置にセット
したときに、一度給紙ローラ対21,22を所定量だけ
回転させ、用紙を一定の速度で搬送して角速度(スリッ
ト間周期)を求め、その後に実際の給紙(給紙装置が装
着された画像形成装置等からの給紙指令による給紙)を
行なうようになっている。これにより、実際の給紙を始
める前に、ロール紙の用紙残量を検出することができる
ので、電源投入時又は新たなロール紙のセット直後に、
画像形成装置等の操作パネル上に用紙残量の表示又はロ
ール紙の交換を促す表示等を行なうことも可能であり、
操作性の向上に寄与することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の給紙制御
装置によれば、ロール紙の角速度により用紙エンドを検
出することができるので、用紙の紙質やロール紙を保持
する円筒ホルダの材質及び製造方法等に影響されること
なく、確実な用紙エンドを検出することができる。ま
た、用紙エンドとともに用紙残量も検出することができ
るので、それを検出するためのセンサや機構等を設ける
必要がなくコスト及びスペースを節約することができ
る。
【0066】請求項2の構成により、検出した角速度と
それより所定時間前あるいは所定カウント数前の角速度
の差から用紙エンドを検出するので、ロール紙外径やそ
れを保持する円筒ホルダの外径に影響されることなく、
確実に用紙エンドを検出することができる。
【0067】請求項3の構成により、角速度の変動によ
る影響を抑えて検出精度を高めることができる。
【0068】請求項4の構成により、ペーパースプール
を使用しない給紙装置においても用紙エンドの検出がで
きる。
【0069】請求項5の構成により、給紙時の用紙の弛
みを抑え、用紙エンドの検出精度を高めることができ
る。
【0070】請求項6の構成により、電源投入時又はロ
ール紙のセット時に用紙エンド又は用紙残量の検知を行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明給紙制御装置の一実施例の一部
を示す斜視図である。
【図2】図2は、その給紙制御装置の角速度検出部付近
の構成を示す正断面図である。
【図3】図3は、その角速度検出部の側面図である。
【図4】図4は、用紙搬送力がロール紙外周の接線方向
に作用するときの角速度検出方法を説明するための図で
ある。
【図5】図5は、用紙搬送力の作用方向がロール紙の中
心に向かって近づいて行くときの角速度検出方法を説明
するための図である。
【図6】図6は、スリットカウント数とスリット間周期
及びロール紙外径との関係を表わすグラフである。
【図7】図7は、スリットカウント数とスリット間周期
及び用紙エンドまでの残り時間との関係を表わすグラフ
である。
【図8】図8は、本発明のさらに他の実施例を示す側面
図である。
【図9】図9は、その給紙制御装置に装着されるロール
紙とその支持部材を示す部分断面図である。
【図10】図10は、従来の給紙制御装置の一例を示す
側面図である。
【符号の説明】
1 円筒ホルダ 2 ペーパスプール 5 係止部材 6、11 側板 7、8 ギヤ 10a エンコーダディスク 10b フォトセンサ 10c スリット 12 フランジ部材 21、22 給紙ローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に記録紙が巻き付けられた円筒ホル
    ダから前記記録紙を一定速で給送する給紙手段と、前記
    円筒ホルダに嵌装され円筒ホルダ及び記録紙を回転自在
    に支持する支持部材と、該支持部材と直接又は間接的に
    係合して回転する回転部材と、該回転部材の角速度を検
    出する角速度検出手段と、該角速度検出手段により検出
    された角速度に基づいて前記円筒ホルダから前記記録紙
    がなくなる用紙エンドを判断するとともに前記記録紙の
    残量を算出する制御手段と、を具備することを特徴とす
    る給紙制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記角速度検出手段に
    より検出した角速度と、その所定時間前に検出した角速
    度との差又はその所定カウント数前の角速度との差によ
    り、前記用紙エンドの判断及び記録紙残量の算出を行な
    うことを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記角速度検出手段に
    より連続して所定回数検出した角速度の平均値又は合計
    値に基づいて前記用紙エンドの判断及び記録紙残量の算
    出を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の給紙制
    御装置。
  4. 【請求項4】 前記支持部材が、前記円筒ホルダの両側
    から円筒ホルダに嵌装される部材であって円筒ホルダに
    巻かれた記録紙の端面に当接するフランジを有する部材
    であることを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記給紙手段は、停止状態から一定速度
    に加速する場合及び一定速度から停止状態に減速する場
    合、所定の割合で徐々に加速又は減速することを特徴と
    する、請求項1に記載の給紙制御装置。
  6. 【請求項6】 電源投入時又は装置に記録紙がセットさ
    れた時に、前記記録紙を所定量だけ給送して前記角速度
    の検出を行ない、該検出した角速度に基づいて用紙エン
    ドの判断又は記録紙残量の算出を行なった後、給紙指示
    による給紙を開始することを特徴とする、請求項1に記
    載の給紙制御装置。
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