JP3789950B2 - 給紙制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、給紙装置により給送されるロール紙の用紙エンドを検出する給紙制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に装着され、ロール状に巻かれた記録紙(以下、ロール紙という)を給紙する給紙装置は周知である。ロール紙の給紙装置においては、用紙エンドの正確な検出あるいは用紙種類に影響されない用紙エンドの検出が難しく、過去種々の検出方法による給紙制御装置が提案されている。
【0003】
例えば、ロール紙を巻き付けて保持する円筒ホルダの外周面を黒色にするとともに、給紙装置にセットされたロール紙に向けて光を照射する発光部材と、ロール紙からの反射光量を計測する反射型センサとを設け、ロール紙のあるときの反射光量と、ロール紙がなくなったときの黒色のホルダ外周面からの反射光量との差により用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提案されている。
【0004】
また、ロール紙の給紙装置においては、通常、用紙搬送力はロール紙表面を外周とする円の接線方向に作用している。そのため、用紙が消費されるに従って、用紙搬送力が作用する方向が変化し、ロール紙(円筒ホルダ)の中心に近づいてくる。そして、ロール紙後端が円筒ホルダに固定されている場合は、用紙エンド時に用紙搬送力がホルダの中心に作用し、用紙に引っ張られてホルダが所定位置から移動する。このホルダの移動を検知するセンサを設けて用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提案されている。
【0005】
さらに、上記用紙搬送力の作用方向の変化は、用紙搬送経路の変化に置き換えることが出来る。すなわちロール紙を軸方向から見たときに、用紙が消費されるに従って、用紙の引き出される位置は次第にロール紙の中心に近づき、ロール紙の軸方向から見た用紙搬送経路が変化することになる。この用紙搬送経路が変化することを利用して、予め求めた用紙エンド時の用紙搬送経路上に用紙検出センサを設け、用紙エンド時にその用紙搬送経路を給送される用紙をセンサが検出することにより用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提案されている。そのような給紙制御装置が適用される給紙装置の一例を図10により説明する。
【0006】
図10において、円筒ホルダ31の周囲に巻き付けられたロール紙20が給紙装置の所定位置にセットされている。このロール紙の後端はホルダ31に固定されているものとする。ロール紙20の外周部から引き出された用紙が給紙ローラ対21,22にくわえられ、この給紙ローラ対21,22が給紙方向に回転することにより、ロール紙20の給送が行なわれる。ロール紙の用紙搬送経路は、ロール紙の軸方向から見たときに、用紙の消費にともなって、次第にロール紙20及びホルダ31の中心Oに近づいてくる。そして、用紙エンド時には、用紙後端がホルダ31に固定されているので、中心Oと給紙ローラ対21,22の圧接ニップとを結ぶ一点鎖線上に用紙が来る。そして、予め求めてある用紙エンド時の用紙搬送経路(一点鎖線)に接するようにフィラー32を垂下したセンサ33が設けられている。用紙があるときのロール紙20の用紙搬送経路は、フィラー32よりも下方なので、用紙はセンサ33に検知されない。しかし、用紙エンド時には用紙搬送経路が一点鎖線上となり、用紙がセンサ33により検知されて用紙エンドと判断される。なお、図中34,35は用紙をガイドする上下ガイド板であり、センサ33は図示しないブラケットを介して上ガイド板34に取り付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記円筒ホルダの外周面を黒色にした給紙制御装置の場合、円筒ホルダ外周面を必ず黒色にしなければならず、また、同じ黒色であっても光沢のある場合とそうでない場合とで用紙エンド検出に誤差が生じ、円筒ホルダの部材やその製造方法に制約が多い。あるいは、用紙の光透過度が高い場合も用紙エンド検出に誤差が生じてしまう。この様に、この方式の給紙制御装置には、円筒ホルダの部材や製造方法、または用紙種類等による影響で検出誤差が生じ、信頼性が低いという問題があった。
【0008】
また、上記用紙搬送力の作用方向の変化を利用した給紙制御装置の場合、用紙搬送力の作用方向の変化を考慮した位置にロール紙及び給紙ローラ等を配置しなければならず、装置レイアウト上の制約を招く。そのため、ロール紙のセット性が犠牲になったり、無駄なスペースを取るなどの問題があった。また、用紙後端がホルダに固定されているため、用紙エンド時に給紙手段に大きな負荷抵抗を与え、給紙手段の寿命を縮めるという問題があった。
【0009】
さらに、図10により説明した方式の給紙制御装置においては、用紙エンド検出用センサ33は給紙ローラ対とロール紙20との間に配置する必要があり、用紙をロール紙20の下側から引き出すようにした給紙装置(一般的にはこのタイプが多い)においては、センサ33及びそのフィラー32が、ロール紙20を給紙装置にセットしたときの用紙先端を給紙ローラ対21,22のニップにくわえ込ませる動作の邪魔になるという問題があった。特に、センサ33を保持するために上ガイド板33を設けた場合には、そのガイド板33が邪魔になるだけでなくガイド板33により視認性が妨げられ操作性を低下させていた。そして、給紙ローラ対でジャムが発生した場合には、ガイド板33が邪魔になりジャム処理をしにくくしている。さらに、ジャム発生時あるいはジャム処理時に、フィラー32を破損する恐れがある。
【0010】
本発明は、従来のロール紙の用紙エンドを検出するための給紙制御装置における上述の問題を解決し、円筒ホルダの材質等に影響されず確実にロール紙の用紙エンドを検出するとともに用紙残量の検出もできる給紙制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、周囲に記録紙が巻き付けられ該記録紙の巻き始めが固定された円筒ホルダから前記記録紙を一定速で給送する給紙手段と、前記円筒ホルダに嵌装され円筒ホルダ及び記録紙を回転自在に支持する支持部材と、該支持部材と直接又は間接的に係合して回転する回転部材と、該回転部材の角速度を検出する角速度検出手段と、該角速度検出手段により検出した角速度がほぼ一定な割合での増加から急激に増大した場合に前記円筒ホルダから前記記録紙がなくなる用紙エンドと判断する制御手段と、を具備することにより解決される。
【0012】
また、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度が所定値以上になったときに前記用紙エンドの判断を行うことを提案する。
また、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度と、その所定時間前に検出した角速度との差又はその所定カウント数前の角速度との差により、前記用紙エンドの判断を行なうことを提案する。
【0013】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により連続して所定回数検出した角速度の平均値又は合計値に基づいて前記用紙エンドの判断を行なうことを提案する。
【0014】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、前記支持部材が、前記円筒ホルダの両側から円筒ホルダに嵌装される部材であって円筒ホルダに巻かれた記録紙の端面に当接するフランジを有する部材であることを提案する。
【0015】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、前記給紙手段は、停止状態から一定速度に加速する場合及び一定速度から停止状態に減速する場合、所定の割合で徐々に加速又は減速することを提案する。
【0016】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、電源投入時又は装置に記録紙がセットされた時に、前記記録紙を所定量だけ給送して前記角速度の検出を行ない、該検出した角速度に基づいて用紙エンドの判断又は記録紙残量の算出を行なった後、給紙指示による給紙を開始することを提案する。
また、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度に基づいて前記記録紙の残量を算出することを提案する。
【0017】
【作用】
周囲に記録紙が巻き付けられた円筒ホルダに嵌装された支持部材に対して直接又は間接的に係合して回転する回転部材の角速度を、角速度検出手段により検出する。用紙エンド時とそうでない時とでは検出する角速度の値に明確な差が現われるので、検出した角速度に基づいて用紙エンドを判断することができる。また、その角速度と相関関係にある用紙残量も算出することができる。
【0018】
その他の作用については、以下の実施例の説明で明らかとなるであろう。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明給紙制御装置の一実施例の一部を示す斜視図である。この図において、円筒ホルダ1の周囲に巻き付けられたロール紙20は、その下側から引き出されて給紙ローラ対21,22にくわえられ、給紙ローラ対21,22が図示矢印の方向に回転することにより給紙される。このロール紙20は、円筒ホルダ1内に挿入されるペーパスプール2とともに所定位置にセットされ、スプール軸2aにより装置側板(図示せず)に回転自在に支持される。また、ペーパスプール2の中央部付近に係止部材5が軸3により枢着されている。この係止部材5とペーパスプール2の間にはスプリング4が配され、係止部材5は軸3を支点として、ペーパスプール2に対してラジアル方向に付勢力を与えられている。係止部材5のスプリング4の配設場所に近い位置には鋭利な突出部5aが設けられている。この突出部5aは、ペーパスプール2を円筒ホルダ1に挿入したときに、スプリング4の付勢力によりホルダ内面に食い込んで、円筒ホルダ1及びロール紙20をペーパスプール2に対して固定する働きをする。また、係止部材5の外側端部には取っ手部5bが設けられている。ペーパスプール2を円筒ホルダ1に挿入する際には、この取っ手部5bを押し下げて、突出部5aがホルダ内面に接しないようにする。そして、円筒ホルダ1及びロール紙20がペーパスプール2の所定の位置になったときに取っ手部5bから手を離すと、前述したように突出部5aがホルダ内面に食い込み、ロール紙20をペーパスプール2に固定して、ロール紙20とペーパスプール2とが一体となって回転するようになる。なお、給紙ローラ対21,22の用紙搬送方向の下流側には図示しないカッタが設けられ、用紙先端がギザギザになっていたり斜めに切れたりしている場合には、用紙の先端部を切り落して搬送方向と直角な先端が得られるようになっている。
【0021】
図2は、本実施例の給紙制御装置の角速度検出部付近を示す正断面図である。この図に示すように、装置側板6に支持されたスプール軸2aの端部にギヤ7が配設されている。また、側板6には軸9が回転自在に植立され、その軸9にギヤ8が固定されている。なお、部材12は、側板6とともに軸9を支持するものである。そして、ギヤ8とギヤ7とは噛み合わされ、ロール紙20及びペーパスプール2の回転が軸9に伝えられる。軸9にはエンコーダのディスク10aが固定され、そのディスク10aの下方に、エンコーダのフォトセンサ10bが設置されている。なお、ロール紙20及びペーパスプール2の本体はこの図には示されていない。また、同じく図示されない反対側のスプール軸2aにはギヤ7は設けられていない。
【0022】
図3は、上記角速度検出部を図2の左方向から見た側面図である。この図に示すように、エンコーダのディスク10aにはスリット10cが放射状に設けられている。前述した給紙ローラ対21,22により用紙が給送されると、給送される用紙に引っ張られてロール紙20及びペーパスプール2が回転し、その回転が前述したギヤ7,8及び軸9を介してエンコーダのディスク10aを回転させる。そして、ディスク10aのスリット10cを通過する光をフォトセンサ10bが検出し、その検出信号に基づいてディスク10aの角速度(単位時間あたりの回転角度)を図示しない制御手段により算出する。なお、本実施例においては、フォトセンサ10bが次々にスリット10cを通過する光を検出するときの、検出間隔(時間)から角速度を算出している。すなわち、あるスリットを通過する光が検知されてから次のスリットを通過する光が検知されるまでの時間(以下、スリット間周期という)を検知すれば、予め求めておいたスリット間周期とそのときの角速度から、検知したときの角速度を算出することができる。
【0023】
本発明の給紙制御装置は、用紙エンド時とそうでない時とで、給送により回転するロール紙(を支持する部材と直接又は間接的に係合する回転部材)の角速度の差が発生することから、用紙エンドを検出するものであるが、ここで、その角速度の差の発生について説明する。
【0024】
まず、用紙があるとき、つまり用紙搬送力がロール紙の表面を外径とする円の接線方向に作用するとき(用紙搬送経路がその円の接線方向にあるとき)の角速度について数式を用いて求める。
【0025】
図4において、ロール紙20は点Oを、給紙ローラ21は点Pを中心として回転するものとする。ロール紙20の外径がD1のときの用紙搬送経路は、ロール紙20及び給紙ローラ21を結ぶ接線STとなる。そして、用紙が順次送り出されてロール紙の外径がD0になったときの用紙搬送経路はQRとなる。ロール紙20及び給紙ローラ21の各中心O,P間の距離をL、給紙ローラ21の外径をd、用紙1枚の厚みをt、給紙ローラ対21,22による用紙搬送速度をV0、ロール紙20の回転をエンコーダのディスク10aに伝達するギヤ7,8の歯数をそれぞれZ0,Z1、ディスク10aに設けられたスリット10cの数をN、ロール紙外径がD1からD0に変化するまでのエンコーダによるスリットカウント数をp、ディスク10aの回転角をθ0rad、ディスク10aの回転数をn、時間をTp、用紙の巻き始めからQ点及びS点までに巻き付けられた用紙長さをlq,lsとすると、以下の各式によりTp及び、ロール紙外径がD0になる直前のスリット間周期T1が求められる。
【0026】
【数式1】
【0027】
【数式2】
【0028】
【数式3】
【0029】
【数式4】
【0030】
【数式5】
【0031】
【数式6】
【0032】
【数式7】
【0033】
この数式(7)に次の数式(8)を代入するとTpが、数式(9)を代入するとT1が求められる。
【0034】
【数式8】
【0035】
【数式9】
【0036】
次に、用紙がなくなるとき、つまり用紙搬送経路がロール紙20の中心Oと給紙ローラ21の外周とを結ぶ線に向かっていくときの角速度について数式を用いて求める。なお、本実施例において、ロール紙の後端(巻き始め)は円筒ホルダ1に固定されているので、用紙エンド時には、用紙搬送力はロール紙20の中心に作用し、用紙搬送経路はロール紙20の中心Oと給紙ローラ21の外周とを結ぶ線上となる。
【0037】
図5において、円筒ホルダに固定されている用紙の後端(巻き始めの点)がQからUに移動するまでのエンコーダによるスリットカウント数をp、ディスク10aの回転角をθprad、時間をTpとし、用紙後端がQからWに移動するまでのエンコーダによるスリットカウント数をq、ディスク10aの回転角をθqrad、時間をTqとすると、以下の数式によりTp及び用紙後端がUに移動する直前のスリット間周期T1が求められる。なお、ここで、用紙の後端がQからUに移動するまでのスリットカウント数p、時間Tp及び直前のスリット間周期T1は、図4により説明したロール紙外径がD1からD0に変化するまでのスリットカウント数p、時間Tp及び直前のスリット間周期T1と同じ符号を用いているが、図4におけるロール紙外径のD1とD0の差は、用紙1枚分にでも当てはめることができ、それぞれ、そのときのスリット間周期T1を求めるための値を代入するものとして同じ符号を用いるものである。
【0038】
【数式10】
【0039】
【数式11】
【0040】
【数式12】
【0041】
【数式13】
【0042】
【数式14】
【0043】
【数式15】
【0044】
【数式16】
【0045】
【数式17】
【0046】
【数式18】
【0047】
この数式(10)〜(18)により用紙の後端がQからUに移動するまでの時間Tpが求められ、よって用紙後端がU点に移動する直前のスリット間周期T1を求めることができる。すなわち、T1=Tp−Tp-1である。ここで、Tp-1とは、用紙の後端がQからUに移動するまでの時間に検知されたスリットカウント数よりも1カウント少ない時間のことである。例えば、用紙の後端がQからUに移動するまでの時間Tpのあいだにスリットが10回(カウント)検知されたとする。すると、Tp-1は、用紙の後端がQからUに向かって移動するときにスリットが10−1=9回(カウント)検知される時間を表すことになる。従って、このTpからTp-1を減じてやれば、U点の直前(1カウント前)のスリット間周期T1を求めることができる。
【0048】
以上の諸式を計算してスリットカウント数とスリット間周期及びロール紙外径との関係を図に表わすと図6のようになる。また、スリットカウント数とスリット間周期及びロールエンド(用紙エンド)までの残り時間との関係を図に表わすと図7のようになる。なお、図7は、スリットカウント数の目盛を図6の103倍に拡大して表わしている。また、両図におけるQ点とは、用紙がなくなる直前の、円筒ホルダの外周接線上に用紙がある場合を示している。両図において、スリットカウント数はQ点を基準として用紙エンド方向をプラス、逆方向をマイナスとしている。
【0049】
両図からも判るように、用紙がQ点になるまではほぼ一定の割合で減ってきたスリット間周期が、Q点を過ぎて用紙エンドの直前には急激に低下する。これは、図中(a)の部分で示される。もし、用紙がここで終了せずにそのまま給紙が行なわれるとした場合には、スリット間周期はQ点以前と同じようにほぼ一定の割合で低下して図中(b)で示されるようになる。このように、用紙エンドの直前には、スリット間周期にそれ以前とは明確な差が現われる。従って、スリット間周期が急激に低下すること(すなわち角速度が急激に増大すること)を検出してやれば、確実な用紙エンドを検出することができる。本実施例においては、図7に示すようにスリット間周期の下限スレッシュレベル(c)を設け、検出したスリット間周期が、このスレッシュレベル以下になったときに用紙エンドと判断している。なお、用紙エンドの判断及び前記した角速度の算出等は、給紙制御装置が装着される画像形成装置の制御手段により行なうことができる。
【0050】
ところで、通常の用紙エンド直前のスリット間周期は図7においてほぼ水平に近い白丸付き直線として示された値(図7の縦軸の値)であるが、下限スレッシュレベルをその通常時のスリット間周期の50%以下に設定した場合には、用紙エンド検出後の実際の用紙エンドまでの残り時間が少なくなり、ロール紙を急停止させなければ、ホルダに固定された用紙後端が図5のW点に来てしまい、それ以上回転しないホルダに固定された用紙が給紙ローラ対に引っ張られ、給紙ローラ対等に過度の負担がかかり、機械的なダメージを与えることになる。そこで、本実施例においては、下限スレッシュレベル(c)を平常時のスリット間周期の50%よりも高い点に設定して、ロール紙停止時間を確保している。
【0051】
しかし、何らかの原因により、用紙後端が図5のW点に来ても用紙エンドと検出されなかった場合には、円筒ホルダはそれ以上回転しないのでスリット間周期がいきなり大きな値として検出されることを利用して、上限のスレッシュレベルを適当な値に設定してやれば、検出したスリット間周期がその上限スレッシュレベルを越えた時点で用紙エンドと判断され、ロール紙を停止させることにより機械的なダメージを最小限に防ぐことができる。
【0052】
また、スリット間周期はいろいろな原因により変動することがある。例えば、円筒ホルダ1の偏心、ロール紙20のホルダへの巻き付けの部分的な強弱、ロール紙を回転自在に支持する部材であるペーパスプール2の偏心、ペーパスプール2の係止部材5の突出部5aがあることによるペーパスプール2と円筒ホルダ1間の隙間、あるいは、ギヤ7及び8又はエンコーダを構成する部品の精度などによるスリット間周期の変動が考えられる。
【0053】
そこで、本実施例においては、検出したスリット間周期の連続したn個の平均値をスリット間周期として逐次更新管理して角速度を算出することにより、上記さまざまな原因によるスリット間周期変動の影響を抑制することができる。なお、連続したn個の平均値でなくとも、連続したn個の合計値から角速度を算出してもよい。
【0054】
ここまで用紙エンドの検出について詳しく説明してきたが、上記(7)及び(9)式からスリット間周期T1が求まれば、そのときのロール紙の外径D0が求められることが判る。ロール紙の外径は、図6に示すようにスリット間周期と相関関係にある。従って、スリット間周期を検知することで、その時のロール紙外径を求めることができるので、用紙が後どのくらい残っているかを容易に算出することができる。これを給紙装置が装着された画像形成装置に表示するようにしてやれば、ユーザが用紙の残量確認をすることができる。このように、ロール紙の残量を検知するためのセンサ及び機構等を設けずとも、用紙エンドを検出するための角速度(スリット間周期)の検出からロール紙残量を簡単に算出することができるので、残量検知センサ及び機構等のコストを省くことができ、また、それらを取り付けるスペースも節約することができる。
【0055】
ところで、円筒ホルダ1の外径が異なるロール紙を給紙装置にセットして使用する場合には、上述した下限スレッシュレベル(c)をその円筒ホルダに対応するよう変更しなければならない。また、正常な用紙エンドの検出がされなかった場合の安全策としての上記上限スレッシュレベルの設定は、外径が異なるロール紙を使用する場合には、給紙装置に装着できる最大径の円筒ホルダに対応しなければならない。もし、外径の小さなホルダにしか対応しないように上限スレッシュレベルを設定してしまった場合には、ホルダ外径が大きいときには検出したスリット間周期が上限スレッシュレベルを越えるようなことも考えられる。そのために最大径の円筒ホルダに対応するように上限スレッシュレベルを高く設定してやる必要がある分けであるが、すると、今度は、正常な用紙エンドを検出しなかった場合の安全策として機能しない場合が発生し、その時に機械的なダメージを与えてしまうことになる。
【0056】
そこで、本発明の他の実施例として、上述した下限スレッシュレベル(c)を設定して用紙エンドを検出するのではなく、検出した角速度の値が、所定時間前(あるいは所定カウント数前=所定回数前)の角速度の値よりも決められた分だけ大きくなったときに用紙エンドとすることを提案する。すなわち、検出したスリット間周期が所定時間前(あるいは所定カウント数前)に検出したスリット間周期よりも所定の値だけ短くなった時点で用紙エンドと判断してやればよい。
【0057】
なお、この実施例においては、上述した上限スレッシュレベルについては、検出した角速度の値が所定時間前(あるいは所定カウント数前)に検出した角速度よりも所定量だけ小さくなったとき(スリット間周期でいえば長くなったとき)に用紙エンド検出信号を出すようにしてやれば、正常な用紙エンド検出が行なわれなかった場合の安全策とすることができる。
【0058】
本実施例における用紙エンドの検出は、全て角速度(スリット間周期)の差を求めることにより行なっているので、円筒ホルダの外径にあわせてスレッシュレベルを設定する必要がなく、円筒ホルダ1の外径が異なるロール紙を給紙装置にセットして使用する場合にも確実に用紙エンドを検出することができ、機械的なダメージの発生を防ぐことができる。
【0059】
次に、本発明のさらに他の実施例について説明する。
【0060】
図8は、本発明給紙制御装置のさらに他の実施例を示す側面図である。また、図9は、その実施例においてロール紙20及び円筒ホルダ1を装置にセットするためのフランジ部材12を説明するための断面図である。これらの図に示すように、ロール紙20を給紙装置にセットするためには、円筒ホルダ1の中空芯部にフランジ部材12を嵌装する。そして、両側から(図9には一方の側のみ示す)フランジ部材12により挾まれたロール紙20を、給紙装置の2本の従動ローラ13,14上に載置する。フランジ部材12の外周部にはゴムベルト12aが巻装されている。また、給紙ローラ対21,22から遠い方の従動ローラ14の同軸上にエンコーダのディスク10aが装着されている。エンコーダの構成は図3と同様であるので詳しい説明は省略する。そして、用紙先端を給紙ローラ対21,22にくわえさせると用紙の給送が可能となる。
【0061】
給紙ローラ対21,22が給紙方向に回転し、用紙の給送が行なわれると、給送される用紙に引っ張られてロール紙20が回転する。ロール紙20の回転は従動ローラ13,14に伝わり、エンコーダのディスク10aが回転する。前述したように、ロール紙20を両側から挾むフランジ部材12の外周部にはゴムベルト12aが巻装されているので、ロール紙の回転はスリップすることなく従動ローラ14すなわちエンコーダのディスク10aに伝達される。このディスク10aに設けられたスリットを通過する光を検出することにより、ロール紙20の角速度に比例した角速度を検出することができる。検出した角速度(スリット間周期)により用紙エンド及びロール紙20の残量を検知する方法については図1〜7により説明した前記実施例と同様であるので説明を省略する。
【0062】
ところで、ロール紙を用いた給紙装置は、A0番等の大型の用紙に使用されることが多いので、前記実施例のようにペーパースプール2を使用する場合には取扱いがしにくいこともある。しかし、本実施例のようにフランジ部材12をロール紙両側から嵌装する方法は、装着方法も簡単であり取り扱いやすい。また、ペーパースプール2を使用しない給紙装置においてもロール紙20の角速度に比例した角速度を検出することができるので、用紙エンド及びロール紙の残量検知が可能となる。
【0063】
なお、給紙駆動ローラ21の駆動を開始または停止する際に、いきなり一定速に加速又は減速した場合、ロール紙20の慣性により用紙が弛んでしまう。用紙が弛んだときには、給紙ローラ対21,22による給送力がロール紙20に伝わらずロール紙20は回転を停止しようとする。そして、用紙の弛みが取れ、再び給紙ローラ対21,22に引っ張られるとその慣性によりまた用紙が弛むということを繰り返してしまう。すると、ロール紙20(エンコーダのディスク10a)の角速度が大きく変動し、用紙エンド及び用紙残量の検出精度を悪化させることになる。前記実施例と同様、本実施例においても、角速度の変動による影響を抑えるために、連続して検出したn個の角速度の値の平均値又は合計値を角速度としていたが、ロール紙の弛みが発生した場合にはSN比の悪化により検出精度を悪化させる原因となる。そこで、本実施例においては、給紙駆動ローラ21を駆動するモータとしてステッピングモータ(図示せず)を用い、給紙ローラ対21,22の回転速度を徐々に速くあるいは遅くするようにしている。この制御により、ロール紙20の弛みを防ぎ用紙エンド及び用紙残量の検出精度の悪化を防ぐことができる。
【0064】
なお、本実施例においては、電源が投入されたときに、または新たにロール紙20を装置にセットしたときに、一度給紙ローラ対21,22を所定量だけ回転させ、用紙を一定の速度で搬送して角速度(スリット間周期)を求め、その後に実際の給紙(給紙装置が装着された画像形成装置等からの給紙指令による給紙)を行なうようになっている。これにより、実際の給紙を始める前に、ロール紙の用紙残量を検出することができるので、電源投入時又は新たなロール紙のセット直後に、画像形成装置等の操作パネル上に用紙残量の表示又はロール紙の交換を促す表示等を行なうことも可能であり、操作性の向上に寄与することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の給紙制御装置によれば、ほぼ一定な割合で増加してきたロール紙の角速度が急激に増大することにより用紙エンドを検出することができるので、用紙の紙質やロール紙を保持する円筒ホルダの材質及び製造方法等に影響されることなく、確実な用紙エンドを検出することができる。
【0066】
請求項2の構成により、検出した角速度が所定値以上になったときに用紙エンドと判断するので、容易に確実な用紙エンドの検出を行うことができる。
請求項3の構成により、検出した角速度とそれより所定時間前あるいは所定カウント数前の角速度の差から用紙エンドを検出するので、ロール紙外径やそれを保持する円筒ホルダの外径に影響されることなく、確実に用紙エンドを検出することができる。
【0067】
請求項4の構成により、角速度の変動による影響を抑えて検出精度を高めることができる。
【0068】
請求項5の構成により、ペーパースプールを使用しない給紙装置においても用紙エンドの検出ができる。
【0069】
請求項6の構成により、給紙時の用紙の弛みを抑え、用紙エンドの検出精度を高めることができる。
【0070】
請求項7の構成により、電源投入時又はロール紙のセット時に用紙エンド又は用紙残量の検知を行なうことができる。
請求項8の構成により、検出した角速度により用紙残量を検出することができるので、それを検出するためのセンサや機構等を設ける必要がなくコスト及びスペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明給紙制御装置の一実施例の一部を示す斜視図である。
【図2】図2は、その給紙制御装置の角速度検出部付近の構成を示す正断面図である。
【図3】図3は、その角速度検出部の側面図である。
【図4】図4は、用紙搬送力がロール紙外周の接線方向に作用するときの角速度検出方法を説明するための図である。
【図5】図5は、用紙搬送力の作用方向がロール紙の中心に向かって近づいて行くときの角速度検出方法を説明するための図である。
【図6】図6は、スリットカウント数とスリット間周期及びロール紙外径との関係を表わすグラフである。
【図7】図7は、スリットカウント数とスリット間周期及び用紙エンドまでの残り時間との関係を表わすグラフである。
【図8】図8は、本発明のさらに他の実施例を示す側面図である。
【図9】図9は、その給紙制御装置に装着されるロール紙とその支持部材を示す部分断面図である。
【図10】図10は、従来の給紙制御装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 円筒ホルダ
2 ペーパスプール
5 係止部材
6、11 側板
7、8 ギヤ
10a エンコーダディスク
10b フォトセンサ
10c スリット
12 フランジ部材
21、22 給紙ローラ
【産業上の利用分野】
本発明は、給紙装置により給送されるロール紙の用紙エンドを検出する給紙制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に装着され、ロール状に巻かれた記録紙(以下、ロール紙という)を給紙する給紙装置は周知である。ロール紙の給紙装置においては、用紙エンドの正確な検出あるいは用紙種類に影響されない用紙エンドの検出が難しく、過去種々の検出方法による給紙制御装置が提案されている。
【0003】
例えば、ロール紙を巻き付けて保持する円筒ホルダの外周面を黒色にするとともに、給紙装置にセットされたロール紙に向けて光を照射する発光部材と、ロール紙からの反射光量を計測する反射型センサとを設け、ロール紙のあるときの反射光量と、ロール紙がなくなったときの黒色のホルダ外周面からの反射光量との差により用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提案されている。
【0004】
また、ロール紙の給紙装置においては、通常、用紙搬送力はロール紙表面を外周とする円の接線方向に作用している。そのため、用紙が消費されるに従って、用紙搬送力が作用する方向が変化し、ロール紙(円筒ホルダ)の中心に近づいてくる。そして、ロール紙後端が円筒ホルダに固定されている場合は、用紙エンド時に用紙搬送力がホルダの中心に作用し、用紙に引っ張られてホルダが所定位置から移動する。このホルダの移動を検知するセンサを設けて用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提案されている。
【0005】
さらに、上記用紙搬送力の作用方向の変化は、用紙搬送経路の変化に置き換えることが出来る。すなわちロール紙を軸方向から見たときに、用紙が消費されるに従って、用紙の引き出される位置は次第にロール紙の中心に近づき、ロール紙の軸方向から見た用紙搬送経路が変化することになる。この用紙搬送経路が変化することを利用して、予め求めた用紙エンド時の用紙搬送経路上に用紙検出センサを設け、用紙エンド時にその用紙搬送経路を給送される用紙をセンサが検出することにより用紙エンドを検出するようにした給紙制御装置が提案されている。そのような給紙制御装置が適用される給紙装置の一例を図10により説明する。
【0006】
図10において、円筒ホルダ31の周囲に巻き付けられたロール紙20が給紙装置の所定位置にセットされている。このロール紙の後端はホルダ31に固定されているものとする。ロール紙20の外周部から引き出された用紙が給紙ローラ対21,22にくわえられ、この給紙ローラ対21,22が給紙方向に回転することにより、ロール紙20の給送が行なわれる。ロール紙の用紙搬送経路は、ロール紙の軸方向から見たときに、用紙の消費にともなって、次第にロール紙20及びホルダ31の中心Oに近づいてくる。そして、用紙エンド時には、用紙後端がホルダ31に固定されているので、中心Oと給紙ローラ対21,22の圧接ニップとを結ぶ一点鎖線上に用紙が来る。そして、予め求めてある用紙エンド時の用紙搬送経路(一点鎖線)に接するようにフィラー32を垂下したセンサ33が設けられている。用紙があるときのロール紙20の用紙搬送経路は、フィラー32よりも下方なので、用紙はセンサ33に検知されない。しかし、用紙エンド時には用紙搬送経路が一点鎖線上となり、用紙がセンサ33により検知されて用紙エンドと判断される。なお、図中34,35は用紙をガイドする上下ガイド板であり、センサ33は図示しないブラケットを介して上ガイド板34に取り付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記円筒ホルダの外周面を黒色にした給紙制御装置の場合、円筒ホルダ外周面を必ず黒色にしなければならず、また、同じ黒色であっても光沢のある場合とそうでない場合とで用紙エンド検出に誤差が生じ、円筒ホルダの部材やその製造方法に制約が多い。あるいは、用紙の光透過度が高い場合も用紙エンド検出に誤差が生じてしまう。この様に、この方式の給紙制御装置には、円筒ホルダの部材や製造方法、または用紙種類等による影響で検出誤差が生じ、信頼性が低いという問題があった。
【0008】
また、上記用紙搬送力の作用方向の変化を利用した給紙制御装置の場合、用紙搬送力の作用方向の変化を考慮した位置にロール紙及び給紙ローラ等を配置しなければならず、装置レイアウト上の制約を招く。そのため、ロール紙のセット性が犠牲になったり、無駄なスペースを取るなどの問題があった。また、用紙後端がホルダに固定されているため、用紙エンド時に給紙手段に大きな負荷抵抗を与え、給紙手段の寿命を縮めるという問題があった。
【0009】
さらに、図10により説明した方式の給紙制御装置においては、用紙エンド検出用センサ33は給紙ローラ対とロール紙20との間に配置する必要があり、用紙をロール紙20の下側から引き出すようにした給紙装置(一般的にはこのタイプが多い)においては、センサ33及びそのフィラー32が、ロール紙20を給紙装置にセットしたときの用紙先端を給紙ローラ対21,22のニップにくわえ込ませる動作の邪魔になるという問題があった。特に、センサ33を保持するために上ガイド板33を設けた場合には、そのガイド板33が邪魔になるだけでなくガイド板33により視認性が妨げられ操作性を低下させていた。そして、給紙ローラ対でジャムが発生した場合には、ガイド板33が邪魔になりジャム処理をしにくくしている。さらに、ジャム発生時あるいはジャム処理時に、フィラー32を破損する恐れがある。
【0010】
本発明は、従来のロール紙の用紙エンドを検出するための給紙制御装置における上述の問題を解決し、円筒ホルダの材質等に影響されず確実にロール紙の用紙エンドを検出するとともに用紙残量の検出もできる給紙制御装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、周囲に記録紙が巻き付けられ該記録紙の巻き始めが固定された円筒ホルダから前記記録紙を一定速で給送する給紙手段と、前記円筒ホルダに嵌装され円筒ホルダ及び記録紙を回転自在に支持する支持部材と、該支持部材と直接又は間接的に係合して回転する回転部材と、該回転部材の角速度を検出する角速度検出手段と、該角速度検出手段により検出した角速度がほぼ一定な割合での増加から急激に増大した場合に前記円筒ホルダから前記記録紙がなくなる用紙エンドと判断する制御手段と、を具備することにより解決される。
【0012】
また、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度が所定値以上になったときに前記用紙エンドの判断を行うことを提案する。
また、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度と、その所定時間前に検出した角速度との差又はその所定カウント数前の角速度との差により、前記用紙エンドの判断を行なうことを提案する。
【0013】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により連続して所定回数検出した角速度の平均値又は合計値に基づいて前記用紙エンドの判断を行なうことを提案する。
【0014】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、前記支持部材が、前記円筒ホルダの両側から円筒ホルダに嵌装される部材であって円筒ホルダに巻かれた記録紙の端面に当接するフランジを有する部材であることを提案する。
【0015】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、前記給紙手段は、停止状態から一定速度に加速する場合及び一定速度から停止状態に減速する場合、所定の割合で徐々に加速又は減速することを提案する。
【0016】
さらに、本発明は、前記の課題を解決するために、電源投入時又は装置に記録紙がセットされた時に、前記記録紙を所定量だけ給送して前記角速度の検出を行ない、該検出した角速度に基づいて用紙エンドの判断又は記録紙残量の算出を行なった後、給紙指示による給紙を開始することを提案する。
また、本発明は、前記の課題を解決するために、前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度に基づいて前記記録紙の残量を算出することを提案する。
【0017】
【作用】
周囲に記録紙が巻き付けられた円筒ホルダに嵌装された支持部材に対して直接又は間接的に係合して回転する回転部材の角速度を、角速度検出手段により検出する。用紙エンド時とそうでない時とでは検出する角速度の値に明確な差が現われるので、検出した角速度に基づいて用紙エンドを判断することができる。また、その角速度と相関関係にある用紙残量も算出することができる。
【0018】
その他の作用については、以下の実施例の説明で明らかとなるであろう。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1は、本発明給紙制御装置の一実施例の一部を示す斜視図である。この図において、円筒ホルダ1の周囲に巻き付けられたロール紙20は、その下側から引き出されて給紙ローラ対21,22にくわえられ、給紙ローラ対21,22が図示矢印の方向に回転することにより給紙される。このロール紙20は、円筒ホルダ1内に挿入されるペーパスプール2とともに所定位置にセットされ、スプール軸2aにより装置側板(図示せず)に回転自在に支持される。また、ペーパスプール2の中央部付近に係止部材5が軸3により枢着されている。この係止部材5とペーパスプール2の間にはスプリング4が配され、係止部材5は軸3を支点として、ペーパスプール2に対してラジアル方向に付勢力を与えられている。係止部材5のスプリング4の配設場所に近い位置には鋭利な突出部5aが設けられている。この突出部5aは、ペーパスプール2を円筒ホルダ1に挿入したときに、スプリング4の付勢力によりホルダ内面に食い込んで、円筒ホルダ1及びロール紙20をペーパスプール2に対して固定する働きをする。また、係止部材5の外側端部には取っ手部5bが設けられている。ペーパスプール2を円筒ホルダ1に挿入する際には、この取っ手部5bを押し下げて、突出部5aがホルダ内面に接しないようにする。そして、円筒ホルダ1及びロール紙20がペーパスプール2の所定の位置になったときに取っ手部5bから手を離すと、前述したように突出部5aがホルダ内面に食い込み、ロール紙20をペーパスプール2に固定して、ロール紙20とペーパスプール2とが一体となって回転するようになる。なお、給紙ローラ対21,22の用紙搬送方向の下流側には図示しないカッタが設けられ、用紙先端がギザギザになっていたり斜めに切れたりしている場合には、用紙の先端部を切り落して搬送方向と直角な先端が得られるようになっている。
【0021】
図2は、本実施例の給紙制御装置の角速度検出部付近を示す正断面図である。この図に示すように、装置側板6に支持されたスプール軸2aの端部にギヤ7が配設されている。また、側板6には軸9が回転自在に植立され、その軸9にギヤ8が固定されている。なお、部材12は、側板6とともに軸9を支持するものである。そして、ギヤ8とギヤ7とは噛み合わされ、ロール紙20及びペーパスプール2の回転が軸9に伝えられる。軸9にはエンコーダのディスク10aが固定され、そのディスク10aの下方に、エンコーダのフォトセンサ10bが設置されている。なお、ロール紙20及びペーパスプール2の本体はこの図には示されていない。また、同じく図示されない反対側のスプール軸2aにはギヤ7は設けられていない。
【0022】
図3は、上記角速度検出部を図2の左方向から見た側面図である。この図に示すように、エンコーダのディスク10aにはスリット10cが放射状に設けられている。前述した給紙ローラ対21,22により用紙が給送されると、給送される用紙に引っ張られてロール紙20及びペーパスプール2が回転し、その回転が前述したギヤ7,8及び軸9を介してエンコーダのディスク10aを回転させる。そして、ディスク10aのスリット10cを通過する光をフォトセンサ10bが検出し、その検出信号に基づいてディスク10aの角速度(単位時間あたりの回転角度)を図示しない制御手段により算出する。なお、本実施例においては、フォトセンサ10bが次々にスリット10cを通過する光を検出するときの、検出間隔(時間)から角速度を算出している。すなわち、あるスリットを通過する光が検知されてから次のスリットを通過する光が検知されるまでの時間(以下、スリット間周期という)を検知すれば、予め求めておいたスリット間周期とそのときの角速度から、検知したときの角速度を算出することができる。
【0023】
本発明の給紙制御装置は、用紙エンド時とそうでない時とで、給送により回転するロール紙(を支持する部材と直接又は間接的に係合する回転部材)の角速度の差が発生することから、用紙エンドを検出するものであるが、ここで、その角速度の差の発生について説明する。
【0024】
まず、用紙があるとき、つまり用紙搬送力がロール紙の表面を外径とする円の接線方向に作用するとき(用紙搬送経路がその円の接線方向にあるとき)の角速度について数式を用いて求める。
【0025】
図4において、ロール紙20は点Oを、給紙ローラ21は点Pを中心として回転するものとする。ロール紙20の外径がD1のときの用紙搬送経路は、ロール紙20及び給紙ローラ21を結ぶ接線STとなる。そして、用紙が順次送り出されてロール紙の外径がD0になったときの用紙搬送経路はQRとなる。ロール紙20及び給紙ローラ21の各中心O,P間の距離をL、給紙ローラ21の外径をd、用紙1枚の厚みをt、給紙ローラ対21,22による用紙搬送速度をV0、ロール紙20の回転をエンコーダのディスク10aに伝達するギヤ7,8の歯数をそれぞれZ0,Z1、ディスク10aに設けられたスリット10cの数をN、ロール紙外径がD1からD0に変化するまでのエンコーダによるスリットカウント数をp、ディスク10aの回転角をθ0rad、ディスク10aの回転数をn、時間をTp、用紙の巻き始めからQ点及びS点までに巻き付けられた用紙長さをlq,lsとすると、以下の各式によりTp及び、ロール紙外径がD0になる直前のスリット間周期T1が求められる。
【0026】
【数式1】
【0027】
【数式2】
【0028】
【数式3】
【0029】
【数式4】
【0030】
【数式5】
【0031】
【数式6】
【0032】
【数式7】
【0033】
この数式(7)に次の数式(8)を代入するとTpが、数式(9)を代入するとT1が求められる。
【0034】
【数式8】
【0035】
【数式9】
【0036】
次に、用紙がなくなるとき、つまり用紙搬送経路がロール紙20の中心Oと給紙ローラ21の外周とを結ぶ線に向かっていくときの角速度について数式を用いて求める。なお、本実施例において、ロール紙の後端(巻き始め)は円筒ホルダ1に固定されているので、用紙エンド時には、用紙搬送力はロール紙20の中心に作用し、用紙搬送経路はロール紙20の中心Oと給紙ローラ21の外周とを結ぶ線上となる。
【0037】
図5において、円筒ホルダに固定されている用紙の後端(巻き始めの点)がQからUに移動するまでのエンコーダによるスリットカウント数をp、ディスク10aの回転角をθprad、時間をTpとし、用紙後端がQからWに移動するまでのエンコーダによるスリットカウント数をq、ディスク10aの回転角をθqrad、時間をTqとすると、以下の数式によりTp及び用紙後端がUに移動する直前のスリット間周期T1が求められる。なお、ここで、用紙の後端がQからUに移動するまでのスリットカウント数p、時間Tp及び直前のスリット間周期T1は、図4により説明したロール紙外径がD1からD0に変化するまでのスリットカウント数p、時間Tp及び直前のスリット間周期T1と同じ符号を用いているが、図4におけるロール紙外径のD1とD0の差は、用紙1枚分にでも当てはめることができ、それぞれ、そのときのスリット間周期T1を求めるための値を代入するものとして同じ符号を用いるものである。
【0038】
【数式10】
【0039】
【数式11】
【0040】
【数式12】
【0041】
【数式13】
【0042】
【数式14】
【0043】
【数式15】
【0044】
【数式16】
【0045】
【数式17】
【0046】
【数式18】
【0047】
この数式(10)〜(18)により用紙の後端がQからUに移動するまでの時間Tpが求められ、よって用紙後端がU点に移動する直前のスリット間周期T1を求めることができる。すなわち、T1=Tp−Tp-1である。ここで、Tp-1とは、用紙の後端がQからUに移動するまでの時間に検知されたスリットカウント数よりも1カウント少ない時間のことである。例えば、用紙の後端がQからUに移動するまでの時間Tpのあいだにスリットが10回(カウント)検知されたとする。すると、Tp-1は、用紙の後端がQからUに向かって移動するときにスリットが10−1=9回(カウント)検知される時間を表すことになる。従って、このTpからTp-1を減じてやれば、U点の直前(1カウント前)のスリット間周期T1を求めることができる。
【0048】
以上の諸式を計算してスリットカウント数とスリット間周期及びロール紙外径との関係を図に表わすと図6のようになる。また、スリットカウント数とスリット間周期及びロールエンド(用紙エンド)までの残り時間との関係を図に表わすと図7のようになる。なお、図7は、スリットカウント数の目盛を図6の103倍に拡大して表わしている。また、両図におけるQ点とは、用紙がなくなる直前の、円筒ホルダの外周接線上に用紙がある場合を示している。両図において、スリットカウント数はQ点を基準として用紙エンド方向をプラス、逆方向をマイナスとしている。
【0049】
両図からも判るように、用紙がQ点になるまではほぼ一定の割合で減ってきたスリット間周期が、Q点を過ぎて用紙エンドの直前には急激に低下する。これは、図中(a)の部分で示される。もし、用紙がここで終了せずにそのまま給紙が行なわれるとした場合には、スリット間周期はQ点以前と同じようにほぼ一定の割合で低下して図中(b)で示されるようになる。このように、用紙エンドの直前には、スリット間周期にそれ以前とは明確な差が現われる。従って、スリット間周期が急激に低下すること(すなわち角速度が急激に増大すること)を検出してやれば、確実な用紙エンドを検出することができる。本実施例においては、図7に示すようにスリット間周期の下限スレッシュレベル(c)を設け、検出したスリット間周期が、このスレッシュレベル以下になったときに用紙エンドと判断している。なお、用紙エンドの判断及び前記した角速度の算出等は、給紙制御装置が装着される画像形成装置の制御手段により行なうことができる。
【0050】
ところで、通常の用紙エンド直前のスリット間周期は図7においてほぼ水平に近い白丸付き直線として示された値(図7の縦軸の値)であるが、下限スレッシュレベルをその通常時のスリット間周期の50%以下に設定した場合には、用紙エンド検出後の実際の用紙エンドまでの残り時間が少なくなり、ロール紙を急停止させなければ、ホルダに固定された用紙後端が図5のW点に来てしまい、それ以上回転しないホルダに固定された用紙が給紙ローラ対に引っ張られ、給紙ローラ対等に過度の負担がかかり、機械的なダメージを与えることになる。そこで、本実施例においては、下限スレッシュレベル(c)を平常時のスリット間周期の50%よりも高い点に設定して、ロール紙停止時間を確保している。
【0051】
しかし、何らかの原因により、用紙後端が図5のW点に来ても用紙エンドと検出されなかった場合には、円筒ホルダはそれ以上回転しないのでスリット間周期がいきなり大きな値として検出されることを利用して、上限のスレッシュレベルを適当な値に設定してやれば、検出したスリット間周期がその上限スレッシュレベルを越えた時点で用紙エンドと判断され、ロール紙を停止させることにより機械的なダメージを最小限に防ぐことができる。
【0052】
また、スリット間周期はいろいろな原因により変動することがある。例えば、円筒ホルダ1の偏心、ロール紙20のホルダへの巻き付けの部分的な強弱、ロール紙を回転自在に支持する部材であるペーパスプール2の偏心、ペーパスプール2の係止部材5の突出部5aがあることによるペーパスプール2と円筒ホルダ1間の隙間、あるいは、ギヤ7及び8又はエンコーダを構成する部品の精度などによるスリット間周期の変動が考えられる。
【0053】
そこで、本実施例においては、検出したスリット間周期の連続したn個の平均値をスリット間周期として逐次更新管理して角速度を算出することにより、上記さまざまな原因によるスリット間周期変動の影響を抑制することができる。なお、連続したn個の平均値でなくとも、連続したn個の合計値から角速度を算出してもよい。
【0054】
ここまで用紙エンドの検出について詳しく説明してきたが、上記(7)及び(9)式からスリット間周期T1が求まれば、そのときのロール紙の外径D0が求められることが判る。ロール紙の外径は、図6に示すようにスリット間周期と相関関係にある。従って、スリット間周期を検知することで、その時のロール紙外径を求めることができるので、用紙が後どのくらい残っているかを容易に算出することができる。これを給紙装置が装着された画像形成装置に表示するようにしてやれば、ユーザが用紙の残量確認をすることができる。このように、ロール紙の残量を検知するためのセンサ及び機構等を設けずとも、用紙エンドを検出するための角速度(スリット間周期)の検出からロール紙残量を簡単に算出することができるので、残量検知センサ及び機構等のコストを省くことができ、また、それらを取り付けるスペースも節約することができる。
【0055】
ところで、円筒ホルダ1の外径が異なるロール紙を給紙装置にセットして使用する場合には、上述した下限スレッシュレベル(c)をその円筒ホルダに対応するよう変更しなければならない。また、正常な用紙エンドの検出がされなかった場合の安全策としての上記上限スレッシュレベルの設定は、外径が異なるロール紙を使用する場合には、給紙装置に装着できる最大径の円筒ホルダに対応しなければならない。もし、外径の小さなホルダにしか対応しないように上限スレッシュレベルを設定してしまった場合には、ホルダ外径が大きいときには検出したスリット間周期が上限スレッシュレベルを越えるようなことも考えられる。そのために最大径の円筒ホルダに対応するように上限スレッシュレベルを高く設定してやる必要がある分けであるが、すると、今度は、正常な用紙エンドを検出しなかった場合の安全策として機能しない場合が発生し、その時に機械的なダメージを与えてしまうことになる。
【0056】
そこで、本発明の他の実施例として、上述した下限スレッシュレベル(c)を設定して用紙エンドを検出するのではなく、検出した角速度の値が、所定時間前(あるいは所定カウント数前=所定回数前)の角速度の値よりも決められた分だけ大きくなったときに用紙エンドとすることを提案する。すなわち、検出したスリット間周期が所定時間前(あるいは所定カウント数前)に検出したスリット間周期よりも所定の値だけ短くなった時点で用紙エンドと判断してやればよい。
【0057】
なお、この実施例においては、上述した上限スレッシュレベルについては、検出した角速度の値が所定時間前(あるいは所定カウント数前)に検出した角速度よりも所定量だけ小さくなったとき(スリット間周期でいえば長くなったとき)に用紙エンド検出信号を出すようにしてやれば、正常な用紙エンド検出が行なわれなかった場合の安全策とすることができる。
【0058】
本実施例における用紙エンドの検出は、全て角速度(スリット間周期)の差を求めることにより行なっているので、円筒ホルダの外径にあわせてスレッシュレベルを設定する必要がなく、円筒ホルダ1の外径が異なるロール紙を給紙装置にセットして使用する場合にも確実に用紙エンドを検出することができ、機械的なダメージの発生を防ぐことができる。
【0059】
次に、本発明のさらに他の実施例について説明する。
【0060】
図8は、本発明給紙制御装置のさらに他の実施例を示す側面図である。また、図9は、その実施例においてロール紙20及び円筒ホルダ1を装置にセットするためのフランジ部材12を説明するための断面図である。これらの図に示すように、ロール紙20を給紙装置にセットするためには、円筒ホルダ1の中空芯部にフランジ部材12を嵌装する。そして、両側から(図9には一方の側のみ示す)フランジ部材12により挾まれたロール紙20を、給紙装置の2本の従動ローラ13,14上に載置する。フランジ部材12の外周部にはゴムベルト12aが巻装されている。また、給紙ローラ対21,22から遠い方の従動ローラ14の同軸上にエンコーダのディスク10aが装着されている。エンコーダの構成は図3と同様であるので詳しい説明は省略する。そして、用紙先端を給紙ローラ対21,22にくわえさせると用紙の給送が可能となる。
【0061】
給紙ローラ対21,22が給紙方向に回転し、用紙の給送が行なわれると、給送される用紙に引っ張られてロール紙20が回転する。ロール紙20の回転は従動ローラ13,14に伝わり、エンコーダのディスク10aが回転する。前述したように、ロール紙20を両側から挾むフランジ部材12の外周部にはゴムベルト12aが巻装されているので、ロール紙の回転はスリップすることなく従動ローラ14すなわちエンコーダのディスク10aに伝達される。このディスク10aに設けられたスリットを通過する光を検出することにより、ロール紙20の角速度に比例した角速度を検出することができる。検出した角速度(スリット間周期)により用紙エンド及びロール紙20の残量を検知する方法については図1〜7により説明した前記実施例と同様であるので説明を省略する。
【0062】
ところで、ロール紙を用いた給紙装置は、A0番等の大型の用紙に使用されることが多いので、前記実施例のようにペーパースプール2を使用する場合には取扱いがしにくいこともある。しかし、本実施例のようにフランジ部材12をロール紙両側から嵌装する方法は、装着方法も簡単であり取り扱いやすい。また、ペーパースプール2を使用しない給紙装置においてもロール紙20の角速度に比例した角速度を検出することができるので、用紙エンド及びロール紙の残量検知が可能となる。
【0063】
なお、給紙駆動ローラ21の駆動を開始または停止する際に、いきなり一定速に加速又は減速した場合、ロール紙20の慣性により用紙が弛んでしまう。用紙が弛んだときには、給紙ローラ対21,22による給送力がロール紙20に伝わらずロール紙20は回転を停止しようとする。そして、用紙の弛みが取れ、再び給紙ローラ対21,22に引っ張られるとその慣性によりまた用紙が弛むということを繰り返してしまう。すると、ロール紙20(エンコーダのディスク10a)の角速度が大きく変動し、用紙エンド及び用紙残量の検出精度を悪化させることになる。前記実施例と同様、本実施例においても、角速度の変動による影響を抑えるために、連続して検出したn個の角速度の値の平均値又は合計値を角速度としていたが、ロール紙の弛みが発生した場合にはSN比の悪化により検出精度を悪化させる原因となる。そこで、本実施例においては、給紙駆動ローラ21を駆動するモータとしてステッピングモータ(図示せず)を用い、給紙ローラ対21,22の回転速度を徐々に速くあるいは遅くするようにしている。この制御により、ロール紙20の弛みを防ぎ用紙エンド及び用紙残量の検出精度の悪化を防ぐことができる。
【0064】
なお、本実施例においては、電源が投入されたときに、または新たにロール紙20を装置にセットしたときに、一度給紙ローラ対21,22を所定量だけ回転させ、用紙を一定の速度で搬送して角速度(スリット間周期)を求め、その後に実際の給紙(給紙装置が装着された画像形成装置等からの給紙指令による給紙)を行なうようになっている。これにより、実際の給紙を始める前に、ロール紙の用紙残量を検出することができるので、電源投入時又は新たなロール紙のセット直後に、画像形成装置等の操作パネル上に用紙残量の表示又はロール紙の交換を促す表示等を行なうことも可能であり、操作性の向上に寄与することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の給紙制御装置によれば、ほぼ一定な割合で増加してきたロール紙の角速度が急激に増大することにより用紙エンドを検出することができるので、用紙の紙質やロール紙を保持する円筒ホルダの材質及び製造方法等に影響されることなく、確実な用紙エンドを検出することができる。
【0066】
請求項2の構成により、検出した角速度が所定値以上になったときに用紙エンドと判断するので、容易に確実な用紙エンドの検出を行うことができる。
請求項3の構成により、検出した角速度とそれより所定時間前あるいは所定カウント数前の角速度の差から用紙エンドを検出するので、ロール紙外径やそれを保持する円筒ホルダの外径に影響されることなく、確実に用紙エンドを検出することができる。
【0067】
請求項4の構成により、角速度の変動による影響を抑えて検出精度を高めることができる。
【0068】
請求項5の構成により、ペーパースプールを使用しない給紙装置においても用紙エンドの検出ができる。
【0069】
請求項6の構成により、給紙時の用紙の弛みを抑え、用紙エンドの検出精度を高めることができる。
【0070】
請求項7の構成により、電源投入時又はロール紙のセット時に用紙エンド又は用紙残量の検知を行なうことができる。
請求項8の構成により、検出した角速度により用紙残量を検出することができるので、それを検出するためのセンサや機構等を設ける必要がなくコスト及びスペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明給紙制御装置の一実施例の一部を示す斜視図である。
【図2】図2は、その給紙制御装置の角速度検出部付近の構成を示す正断面図である。
【図3】図3は、その角速度検出部の側面図である。
【図4】図4は、用紙搬送力がロール紙外周の接線方向に作用するときの角速度検出方法を説明するための図である。
【図5】図5は、用紙搬送力の作用方向がロール紙の中心に向かって近づいて行くときの角速度検出方法を説明するための図である。
【図6】図6は、スリットカウント数とスリット間周期及びロール紙外径との関係を表わすグラフである。
【図7】図7は、スリットカウント数とスリット間周期及び用紙エンドまでの残り時間との関係を表わすグラフである。
【図8】図8は、本発明のさらに他の実施例を示す側面図である。
【図9】図9は、その給紙制御装置に装着されるロール紙とその支持部材を示す部分断面図である。
【図10】図10は、従来の給紙制御装置の一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 円筒ホルダ
2 ペーパスプール
5 係止部材
6、11 側板
7、8 ギヤ
10a エンコーダディスク
10b フォトセンサ
10c スリット
12 フランジ部材
21、22 給紙ローラ
Claims (8)
- 周囲に記録紙が巻き付けられ該記録紙の巻き始めが固定された円筒ホルダから前記記録紙を一定速で給送する給紙手段と、前記円筒ホルダに嵌装され円筒ホルダ及び記録紙を回転自在に支持する支持部材と、該支持部材と直接又は間接的に係合して回転する回転部材と、該回転部材の角速度を検出する角速度検出手段と、該角速度検出手段により検出した角速度がほぼ一定な割合での増加から急激に増大した場合に前記円筒ホルダから前記記録紙がなくなる用紙エンドと判断する制御手段と、を具備することを特徴とする給紙制御装置。
- 前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度が所定値以上になったときに前記用紙エンドの判断を行うことを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
- 前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度と、その所定時間前に検出した角速度との差又はその所定カウント数前の角速度との差により、前記用紙エンドの判断を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
- 前記制御手段は、前記角速度検出手段により連続して所定回数検出した角速度の平均値又は合計値に基づいて前記用紙エンドの判断を行なうことを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
- 前記支持部材が、前記円筒ホルダの両側から円筒ホルダに嵌装される部材であって円筒ホルダに巻かれた記録紙の端面に当接するフランジを有する部材であることを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
- 前記給紙手段は、停止状態から一定速度に加速する場合及び一定速度から停止状態に減速する場合、所定の割合で徐々に加速又は減速することを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
- 電源投入時又は装置に記録紙がセットされた時に、前記記録紙を所定量だけ給送して前記角速度の検出を行ない、該検出した角速度に基づいて用紙エンドの判断又は記録紙残量の算出を行なった後、給紙指示による給紙を開始することを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
- 前記制御手段は、前記角速度検出手段により検出した角速度に基づいて前記記録紙の残量を算出することを特徴とする、請求項1に記載の給紙制御装置。
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