JPH07253624A - 写真フィルム用焼付け情報通信装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真フィルムに記録されている焼付け情報を
読み取ることができるとともに、該情報を焼付け装置お
よび各種プリンターへ出力でき、写真焼付けの効率や焼
付けサービスを向上させることができる写真フィルム用
焼付け情報通信装置を提供する。 【構成】 感光乳剤層ａと磁気記録層ｂとを有する写真
フィルムＦにおける、該感光乳剤層ａに記録される情報
を読み取るための画像読取り機構２と、前記磁気記録層
ｂに記録される情報を読み取るための磁気記録読取り機
構３と、前記感光乳剤層ａおよび磁気記録層ｂ以外に記
録される情報を読み取るためのフィルム情報読取り機構
４と、前記各読取り機構により読み取られる焼付けのた
めの情報を出力するための通信制御機構５とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は写真フィルム用焼付け情
報通信装置に関する。さらに詳しくは、撮影情報が記録
される写真フィルムから写真焼き付け情報を読み取り、
かつ当該情報を写真焼付け装置などに通信することがで
きる写真フィルム用焼付け情報通信装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近の撮影カメラには、パノラマ撮影な
どができる機能付きのものが多くなってきている。そし
て、これらの機能情報は写真撮影の際、写真フィルムの
磁気記録層に記録される。

【０００３】一般の写真焼付装置には磁気記録層に記録
された情報を読み取るための磁気記録読取り機構が装備
されていないことから、写真焼付サイズがパノラマ、ワ
イド、またはサービスサイズかの検出ができないため、
写真フィルムのすべての画面をサービスサイズで写真焼
付けを行なっている。

【０００４】または、磁気記録読取り機構付きの写真焼
付け装置を備えている専門店に、写真フィルムを送っ
て、写真焼付けを依頼するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、写真焼
付けをすべてサービスサイズにて行なうばあいでも、前
記磁気記録層に記録される光源の種類やシャッタースピ
ード、絞り、使用レンズ、被写体の位置などといった焼
付け情報の読み取りができないため、写真焼付けの光源
調節に時間が掛かりすぎて、写真焼付けの効率が低下し
やすい。

【０００６】また、専門店に写真焼付けを依頼するばあ
いには、１時間仕上げといった、迅速な焼付けサービス
ができない。

【０００７】本発明は、叙上の事情に鑑み、写真フィル
ムに記録されている焼付け情報を読み取ることができる
とともに、該情報を焼付け装置および各種プリンターへ
出力でき、写真焼付けの効率や焼付けサービスを向上さ
せることができる写真フィルム用焼付け情報通信装置を
提供することを目的としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の写真フィルム用
焼付け情報通信装置は、感光乳剤層と磁気記録層とを有
する写真フィルムにおける、該感光乳剤層に記録される
情報を読み取るための画像読取り機構と、前記磁気記録
層に記録される情報を読み取るための磁気記録読取り機
構と、前記感光乳剤層および磁気記録層以外に記録され
る情報を読み取るためのフィルム情報読取り機構と、前
記各読取り機構により読み取られる焼付けのための情報
を出力するための通信制御機構とからなることを特徴と
している。

【０００９】前記磁気記録読取り機構により焼付け補正
情報が写真フィルムに書き込まれるのが好ましい。

【００１０】前記通信制御機構により出力される焼付け
情報を外部に通信する通信ケーブルを有しているのが好
ましい。

【００１１】前記焼付け情報または焼付け情報のうちイ
ンデックスプリント情報やバックプリント情報を印字出
力または表示させるのが好ましい。

【００１２】

【作用】本発明の写真フィルム用焼付け情報通信装置に
よれば、写真フィルムから直接読み取った多様な焼付け
情報を既存の焼付け装置に通信させて、焼付けを実施す
るので、焼付け調節に手間が掛からない。したがって、
焼き付けの効率がよくなる。

【００１３】また、各種プリントやディスプレイと接続
させることにより、需要者へのサービスを向上させるこ
とができる。

【００１４】

【実施例】以下、添付図面に基づいて本発明の写真フィ
ルム用焼付け情報通信装置（以下、単に通信装置とい
う）を説明する。

【００１５】図１は本発明の通信装置の一実施例を示す
一部切断説明図、図２は図１の通信装置の動作説明図、
図３は本発明の通信装置の他の実施例を示す斜視図、図
４は本発明の通信装置のさらに他の実施例を示す斜視図
である。

【００１６】図１に示すように、Ｆは写真撮影ののち、
現像を済ませた、感光乳剤層ａと磁気記録層ｂとを有す
る写真フィルム（以下、フィルムという）である。本発
明の通信装置１は、前記感光乳剤層ａに記録される情報
を読み取るための画像読取り機構２と、前記磁気記録層
ｂに記録される情報を読み取るための磁気記録読取り機
構３と、前記感光乳剤層ａおよび磁気記録層ｂ以外に記
録される情報を読み取るためのフィルム情報読取り機構
４と、前記各読取り機構により読み取られる写真焼付け
のための情報を出力するための通信制御機構５とから構
成されている。

【００１７】前記フィルムＦは、通信装置１に設けられ
る挿入口６から挿入され、図１に示すＡ方向に搬送され
る。この搬送機構としては、本発明ではとくに限られる
ものではなく、公知の装置、たとえば搬送ローラと駆動
モータとから構成されるオートネガマスクや搬送アーム
と駆動モータとから構成される１１０用オートネガマス
クのフィルム搬送機構を用いることができる。

【００１８】前記画像読取り機構２は、フィルムＦの感
光乳剤層ａ上に配置されるＣＣＤカメラ７と、該ＣＣＤ
カメラ７の下方に配置され、フィルムＦを下から照明す
る測光光源８とから構成されており、測光光源８から写
し出される画像情報を前記ＣＣＤカメラ７により読み取
る。画像読取り機構２としては、ＣＣＤカメラ以外にフ
ォトマルを用いることもできる。

【００１９】前記磁気記録読取り機構３は、フィルムＦ
上に配置される磁気ヘッド装置９から構成されており、
前記フィルムＦの磁気記録層ｂに磁気により記録され
る、写真現像のための光源の種類やシャッタースピー
ド、絞り、使用レンズ、被写体の位置などの情報を読み
取る。なお、パノラマ、ワイドまたはサービスサイズと
いった写真焼付けサイズのマーク１０は、撮影カメラに
より、フィルムの画像間に光学的に記録される。そし
て、前記画像読取り機構２のＣＣＤカメラ７により読み
取られる。

【００２０】前記フィルム情報読取り手段４は、フィル
ムＦにおける両端上にそれぞれ配置されるＣＣＤカメラ
１１から構成されており、フィルムＦに記録されるフィ
ルムの種類、コマ番号、メーカー、ＩＳＯ感度などのフ
ィルム情報を読み取る。

【００２１】前記通信制御機構５は、ボックス１２内に
各種読取り機構からの電流整流素子、電流増幅素子、Ａ
Ｄ変換素子、通信素子、ＣＰＵから構成される通信制御
基板１３を内蔵しており、かつ前記各読取り機構と連結
されている。そして、該通信制御基板１３により、各読
取り機構にて読み取ったそれぞれの情報を通信用のデー
タとして処理し、通信ケーブル１４を介して他の装置、
たとえば写真焼付け装置へ通信することができる。

【００２２】つぎに本発明の通信装置１の動作を説明す
る。

【００２３】図２に示すように、通信装置１は通信ケー
ブル１４により写真焼付け装置１５と接続されており、
これにより写真焼付けシステムが構成される。

【００２４】まず、通信装置１内に挿入されたフィルム
Ｆは、該通信装置１内を通過するあいだに、前記画像読
取り機構２、磁気記録読取り機構３およびフィルム情報
読取り機構４によりフィルムＦに記録される情報が読み
取られる。この読み取られた情報データは、前記通信制
御機構５から写真焼付け装置１５へ通信されて、該写真
焼付け装置１５に内蔵される図示していない記憶制御装
置に一旦メモリされる。

【００２５】つぎに通信装置１にて処理されたフィルム
Ｆを写真現像のための専用ネガマスク１６に装填し、フ
ィルムＦのコマ番号を入力する。この入力コマ番号に相
当する写真焼付け情報が前記メモリから引き出され、写
真焼付け装置１５のディスプレイ１７に表示される。そ
して、作業者はディスプレイ１７に表示される、パノラ
マ、ワイドまたはサービスサイズのプリントサイズに適
合する写真焼付け倍率や撮影光源の違いによる焼付け光
源の補正などの適切な設定値に基づいて、写真焼付け装
置１５を操作し、写真焼付けを実施する。これにより適
切な設定値を探すための面倒な操作を繰り返す必要こと
がないので、焼付け効率を向上させることができる。な
お、前記コマ番号の入力は専用ネガマスク１６に設けた
コマ番号の検出装置により自動的にコマ番号を読み取っ
て、入力することができる。また、この自動入力により
前記メモリの引き出しを行ない、これに基づいて写真焼
付け装置を自動的に作動させて写真焼付けを実施するこ
ともできる。これにより、焼付け作業がさらに簡単にな
る。

【００２６】前記写真焼付け時において、予めフィルム
Ｆから写真焼付け情報を読み取っているものの、たとえ
ば現像済写真の色合いや濃淡について作業者が感覚的に
不適切と判断した結果、焼き直しのために色補正を行な
うばあいがある。かかる色補正を行ったばあいには、再
度フィルムＦを通信装置１に挿入し、該色補正の情報を
前記写真焼付け装置１５の記憶制御装置から通信装置１
に送り込む。そして、前記磁気記録読取り機構３の磁気
ヘッド装置９によりフィルムＦの磁気情報が記録されて
いる部分に色補正情報の書き込みを実施する。なお、本
発明では色補正情報の書き込みに限られるものではな
く、パラノマ、ワイドまたはサービスサイズのプリント
サイズや被写体の位置などの補正情報の書き込みもする
ことができる。

【００２７】つぎに本発明の通信装置の他の実施例を説
明する。

【００２８】図３に示すように、通信装置２１は、図１
〜２に示す通信装置１とは異なり写真焼付け情報の出力
が通信装置２１に内蔵されるプリンター２２により行な
われる。

【００２９】プリンター２２としては、ドットインパク
トプリンターやインクジェットプリンター、レーザープ
リンター、サーマルプリンターを用いることができる。
通信装置２１およびプリンター２２の作動は、操作パネ
ル２３により行なわれる。通信装置２１の前記通信制御
機構５により出力されたフィルムＦの焼付け情報は、専
用の用紙に印字される。そして、焼付け情報の読み取り
が完了すると、該読み取りが完了したフィルムＦと、焼
付け情報が印字された用紙とをクリップ２４にて保持
し、図示しない写真焼付け装置に送られる。これにより
フィルムＦの磁気記録を読み取ることができない写真焼
付け装置であっても、簡単に、しかも正確に写真焼付け
をすることができる。

【００３０】なお、本実施例では、プリンター２２は通
信装置２１に内蔵されているが、本発明においては、と
くにこれに限られるものではなく、通信装置の外部に設
け、通信ケーブルを介して通信できるようにしてもよ
い。

【００３１】つぎに本発明の通信装置のさらに他の実施
例を説明する。

【００３２】図４に示すように、通信装置３１は、図３
に示す通信装置２１と異なり各種プリンターと通信でき
るようにされている。

【００３３】なお、通信装置３１は、図３における印字
プリンターを内蔵しなくてもよい。

【００３４】まず、通信装置３１は、通信ケーブル３２
を介して熱昇華型のプリンター３３と接続されている。
これにより、通信装置３１により読み取られたフィルム
Ｆの写真焼付け情報は、前記熱昇華型のプリンター３３
へ通信できるようにされている。

【００３５】熱昇華型のプリンター３３は、通信装置３
１から送られてくるインデックス情報に基づいて、イン
デックスプリント３４を作成する。このインデックスプ
リント３４は、１枚のプリントにフィルムＦのコマ画像
が順番に焼付けられたものであるから、所望の画像のみ
の写真現像を注文することができる。なお、本実施例に
おける画像焼付け方式は熱昇華方式に限られるものでは
なく、ＣＲＴまたは液晶などの画面表示（ディスプレ
イ）を使用したタイプのものも用いることもできる。

【００３６】また、通信装置３１は、通信ケーブル３２
を介してドットインパクトプリンター３５と接続され、
通信できるようにされている。

【００３７】ドットインパクトプリンター３５には、焼
付け現像済みの写真３６が装填されており、そして、コ
マ番号が確認されたのち、通信装置３１から送られてく
るバックプリント情報が印字される。このバックプリン
ト情報としては、オーダー番号、コマ番号、焼付け情報
としての露光時間や絞り、または光源補正値、日付け、
写真店名などであり、これらの情報により、現像済写真
の仕分け作業や焼き増し時のフィルムコマ選出および焼
付け情報の設定を効率よくすることができる。

【００３８】前記バックプリント情報は、前述のように
焼付け現像済写真に直接印字するのではなく、シート用
ドットインパクトプリンター３７に装填されるシールシ
ート３８に印字したのち、該印字済シール３８ａをそれ
ぞれ所定の焼付け現像済写真に貼り付けることもでき
る。また、本実施例における印字方式はドットインパク
ト方式に限られるものではなく、インクジェット方式や
レーザー方式やサーマル方式などを使用することもでき
る。

【００３９】なお、本実施例の通信装置３１は、通信ケ
ーブル３２を介して各種プリンター３３、３５、３７と
接続されているが、本発明では、とくにこれに限られる
ものではなく、通信装置と各種プリンターとを一体にす
ることもできる。

【００４０】

【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の通信装置
によれば、フィルムの磁気情報を読み取れない既存の焼
付け装置であっても、該焼付け装置における記憶制御装
置のコントロール基板を改造するだけで、通信装置から
出力される焼付け情報を通信させて、写真焼き付けを実
施させることができる。

【００４１】または、通信装置から出力される情報を印
字出力させることもできるので、前記改造をしなくて
も、写真焼付けを既存の焼付け装置により実施させるこ
とができる。

【００４２】前記写真焼付けは磁気フィルムに記録され
る焼付け情報に基づいて実施されているので、焼付け調
節に手間が掛からず、写真焼付けの効率がよい。

【００４３】また、各種プリンターやディスプレイと接
続させることにより、たとえばインデックスプリンター
を見て画面の確認をし、必要なものだけ大伸ばしのプリ
ントにすることができるなどの付加価値サービスを向上
させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の通信装置の一実施例を示す一部切断説
明図である。

【図２】図１の通信装置の動作説明図である。

【図３】本発明の通信装置の他の実施例を示す斜視図で
ある。

【図４】本発明の通信装置のさらに他の実施例を示す斜
視図である。

【符号の説明】 １ 通信装置 ２ 画像読取り機構 ３ 磁気記録読取り機構 ４ フィルム情報読取り機構 ５ 通信制御機構 ａ 感光乳剤層 ｂ 磁気記録層 Ｆ フィルム

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光乳剤層と磁気記録層とを有する写真
   フィルムにおける、該感光乳剤層に記録される情報を読
   み取るための画像読取り機構と、前記磁気記録層に記録
   される情報を読み取るための磁気記録読取り機構と、前
   記感光乳剤層および磁気記録層以外に記録される情報を
   読み取るためのフィルム情報読取り機構と、前記各読取
   り機構により読み取られる焼付けのための情報を出力す
   るための通信制御機構とからなることを特徴とする写真
   フィルム用焼付け情報通信装置。
2. 【請求項２】 前記磁気記録読取り機構により焼付け補
   正情報が写真フィルムに書き込まれる請求項１記載の写
   真フィルム用焼付け情報通信装置。
3. 【請求項３】 前記通信制御機構により出力される焼付
   け情報を外部に通信する通信ケーブルを有してなる請求
   項１または２記載の写真フィルム用焼付け情報通信装
   置。
4. 【請求項４】 前記通信制御機構により出力される焼付
   け情報を出力するプリンターを備えてなる請求項１、２
   または３記載の写真フィルム用焼付け情報通信装置。
5. 【請求項５】 前記プリンターが焼付け情報のうちイン
   デックスプリント情報を作成するプリンターである請求
   項４記載の写真フィルム用焼付け情報通信装置。
6. 【請求項６】 前記焼付け情報のうちインデックスプリ
   ント情報がディスプレイに表示される請求項１、２また
   は３記載の写真フィルム用焼付け情報通信装置。
7. 【請求項７】 前記プリンターが焼付け情報のうちバッ
   クプリント情報を印字出力させてなる請求項４記載の写
   真フィルム用焼付け情報通信装置。
8. 【請求項８】 前記バックプリント情報が貼りつけ可能
   なシートに印字出力される請求項７記載の写真フィルム
   用焼付け情報通信装置。