JPH07252452A - シリカ被膜形成塗布液用組成物 - Google Patents

シリカ被膜形成塗布液用組成物

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JPH07252452A
JPH07252452A JP4705694A JP4705694A JPH07252452A JP H07252452 A JPH07252452 A JP H07252452A JP 4705694 A JP4705694 A JP 4705694A JP 4705694 A JP4705694 A JP 4705694A JP H07252452 A JPH07252452 A JP H07252452A
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JP
Japan
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film
coating
composition
component
acid
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Pending
Application number
JP4705694A
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English (en)
Inventor
Masaki Yamamoto
昌樹 山本
Atsushi Toda
淳 遠田
Takashi Chokai
傑 鳥海
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性が良好で、均一な厚みと平坦な表
面形状を有するシリカ被膜を得ることのできるシリカ被
膜形成塗布液用組成物。 【構成】 A.モノマー含有率が1%以下であるテトラ
アルコキシシランの部分加水分解物、B.アルコキシア
ルコール系溶媒、C.水、D.有機カルボン酸を必須成
分とするシリカ被膜形成塗布液用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカ被膜形成塗布液用
組成物に関するものであり、塗布液としての保存安定性
が良好で、かつこれを用いることにより厚みが均一で、
表面形状が平坦なシリカ被膜が得られる。
【0002】
【従来の技術】各種シリケートを原料にゾルゲル法を用
いて樹脂、金属やセラミックをはじめ各種基材表面にシ
リカ被膜を形成することが各分野で行なわれている。こ
れらは、基盤の傷発生の防止、電気の絶縁、水分や各種
薬品による侵食防止などを主な目的とする。シリケート
の基盤上への塗布・造膜は、含浸法,ディッピング法,
スピンコーティング法,スプレー法などで行なわれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に
シリケート系の塗布液を基材に塗布し、さらにこれを高
温で焼成して被膜を形成しようとした場合、膜の厚みが
全体で均一にならず、また膜表面に細かな凸凹や小さい
穴が発生し、本来の膜の機能を充分に発揮し得ないのが
現状である。具体例としては、光ディスク基盤のハード
コート被膜において、ディスク表面に凹状欠陥となって
残ることや、LSIの多層配線の絶縁膜においては、下
層の配線の段差被覆が不充分であり、多層化することで
さらに凸凹が拡大され、配線の断線や短絡が生じるなど
の問題が挙げられる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはこれ
らの従来の問題点に対し鋭意検討した結果、シリカ被膜
形成用塗布液として下記の成分を必須成分としてなる組
成物が、保存安定性に優れ、これを用いると厚みが均一
で、表面形状が平坦なシリカ被膜が得られることを見い
だし、本願発明に到達した。 A.モノマー成分の含量が1%以下のテトラアルコキシ
シランの部分加水分解物 B.アルコキシアルコール系溶媒 C.水 D.有機カルボン酸 以下に本発明の詳細を説明する。
【0005】本発明で用いられるA成分としては、通常
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
プロポキシシラン,テトラブトキシシランなどのテトラ
アルコキシシランの部分加水分解物であればいずれもが
用いられる。加水分解反応自体は公知の方法によること
ができ、例えば、上記テトラメトキシシランに所定量の
水を加えて酸触媒存在下で、副生するメタノールを留去
しながら通常、室温から100℃で反応させる等通常の
操作が採られる。この反応によりメトキシシランは加水
分解し、さらにこれにつづく縮合反応によりヒドロキシ
ル基を分子中に2以上有する液状の分解物(平均重合度
2から8、好ましくは3〜6)として得られる。加水分
解の程度は、使用する水の量により適宜調節することが
できるが、本発明においては通常40〜90%程度、さ
らに好ましくは60〜80%程度から選ばれる。こうし
て得られたテトラメトキシシランのオリゴマーにはモノ
マーが通常2〜10重量%程度含有されている。さら
に、オリゴマーを煮沸し、モノマーを気化させ不活性ガ
スとともにモノマーを除去する等の方法により、モノマ
ー含量を1重量%以下、好ましくは0.3重量%以下に
する。もし、モノマーが多量に含有されていると塗布液
としての保存安定性に欠け、保存中に増粘し、塗布工程
で厚みが均一な膜の塗布が困難となるほか、さらに増粘
すると塗膜の形成自体が困難となる。
【0006】本発明のB成分のアルコキシアルコール系
溶媒は特に限定されるものではなく、A成分のアルコキ
シシランのオリゴマーを均一に溶解させうるものであれ
ばよい。具体的には、2−メトキシエタノール,2−エ
トキシエタノール,2−(2−エトキシエトキシ)エタ
ノール,2−(2−メトキシエトキシ)エタノール,2
−ブトキシエタノール,2−(2−ブトキシエトキシ)
エタノール,メチルセルソルブ,エチルセルソルブ等が
挙げられる。これらのアルコキシアルコールはA成分で
あるアルコキシシランおよびその加水分解物の溶解性に
優れているだけでなく、またメタノールやエタノールな
どの一般のアルコール類と比べると、沸点が高く基材に
塗布した後の溶媒の揮発が遅いため、ゾルゲル反応が局
部的に進行することなく穏やかに均一に進行し、さらに
硬化時の収縮も均一なものとなり、厚みの均一な膜が得
られる。溶媒としてはB成分として例示した上記の溶媒
の中から1種類または2種類以上を混合して用いる以外
に、これらの溶媒に一般的な他の溶媒を混合して用いて
もよい。他の溶媒として具体的には、メタノール,エタ
ノール,イソプロピルアルコール,n−ブチルアルコー
ル,イソブチルアルコール等の一般的な脂肪族アルコー
ル類、エチルエーテル,ブチルエーテル等のエーテル
類,エチレングリコール,プロピレングリコール等の多
価アルコール類、アセトン,メチルエチルケトン,メチ
ルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル,アセト
酢酸エチル等のエステル類が挙げられる。ただし、アル
コキシアルコールに対するこれらの溶媒の使用量は、得
られる膜の均一性の面からアルコキシアルコール100
重量部に対し50重量部、好ましくは30重量部以下と
することが好ましい。これらの範囲であれば、アルコキ
シアルコールの特性が十分に発揮される。B成分のA成
分に対する好適な量は、A成分100重量部に対し溶媒
50〜1000重量部、好ましくは80〜700重量部
が好ましい。溶媒量が50重量部以下の場合、液の基材
への展開性が悪く、厚みが均一な塗布が困難なものとな
る。一方、溶媒量が1000重量部より多いと、極端に
厚みが小さい膜しか得られず、さらにリコートするなど
の必要性が生じる。
【0007】本発明のC成分の水はA成分のアルコキシ
シランに残存するアルコキシ基の加水分解反応を進行さ
せるために必要である。水の必要量は原料として用いる
A成分そのものの残りのアルコキシ基の加水分解率に応
じて異なるものであるが、加水分解率100%当量に対
し、0.5倍量以上が好ましい。もし、水の量が少ない
場合には、塗布後に高温焼成して得られる膜の極端に厚
みが小さくなるばかりでなく、膜表面の平坦性が著しく
損なわれるなどの問題が生じる。水の量が多くとも特に
問題は生じないが、実用的には2倍量程度までの範囲で
用いられる。
【0008】D成分の有機カルボン酸もまたC成分同
様、A成分のアルコキシシランに残存するアルコキシ基
の加水分解反応の進行とそれに続く縮合・硬化反応に必
要な触媒である。有機カルボン酸でアルコキシアルコー
ル/水系溶媒に溶解するものであれば特に限定されるも
のではないが、具体的には、マレイン酸,シュウ酸,ト
リクロロ酢酸,ギ酸,コハク酸,酢酸,フマル酸等が挙
げられる。これらのうちマレイン酸,シュウ酸,トリク
ロロ酢酸,フマル酸が好ましく、とりわけマレイン酸が
貯蔵安定性に優れている。一般にシリケートオリゴマー
の加水分解および縮合反応の触媒には、有機カルボン酸
の以外の酸または塩基触媒の使用が可能であるが、有機
カルボン酸は他の触媒に比べて塗布液の保存安定性から
も優れている。好ましい添加量はA成分のアルコキシシ
ラン100重量部に対して0.3重量部以上である。D
成分の量がこれ以下の組成から被膜を形成すると、得ら
れる膜の厚みは極端に小さいものとなる。
【0009】本発明は上記4成分を主成分とするが、そ
の配合方法は特に限定されず、室温でアルコキシアルコ
ールを含む溶媒にテトラアルコキシシランの部分加水分
解物を溶解した後、次いで水、有機カルボン酸を添加す
るのが一般的であるが、他の配合順序で行っても問題は
ない。こうして得られた本発明の組成物を各種塗布法に
てセラミック,金属等の基材に造膜し、次いで、溶媒を
揮発後に400℃以上で加熱硬化することで、厚みが均
一で、表面が平坦なシリカ被膜を得ることができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。 〔合成例〕撹拌機と還流用コンデンサーおよび温度計を
つけた500mlの3つ底フラスコに、テトラメトキシ
シラン234gとメタノール74gを加えて混合した後
に、0.05%塩酸22.2gを加え、液温65℃で2
時間加水分解反応を行なった。ついでコンデンサーを抽
出管に取り替え、液温が150℃になるまで昇温し、メ
タノールで抽出させさらに150℃、3時間加熱し縮合
を行なった。この様にして加水分解物を得た。重合度は
3〜6で一分子中のヒドロキシル基は10以上であっ
た。このテトラメトキシシランオリゴマー中のモノマー
量は5%であった。引き続き、100〜150℃に加熱
したジャケットにテトラメトキシシランオリゴマーで煮
沸させて気化したモノマーを不活性ガスとともに系外に
排出し、モノマー量が0.2%であるテトラメトキシシ
ラン部分加水分解物Aを得た。
【0011】実施例1 2−エトキシエタノール62.1gに上記合成例により
得られたテトラメトキシシランの部分加水分解物A3
1.0gを混合し、室温下で撹拌し均一に溶解させた。
これに水6.6gとマレイン酸0.31gをこの順序で
加え、マレイン酸が溶解するまでさらに撹拌した後、室
温中で25日放置することでシリカ被膜形成用塗布液の
組成物を得た。この組成物を5インチ径のシリコンウェ
ハ基盤に滴下し、4000回転/分の回転速度でスピン
コートした。さらにこれからすぐに120℃のホットプ
レート上で2分間溶媒を発揮させた後、オーブン中45
0℃で30分加熱硬化した。得られた膜の特性について
表に示す。得られた塗布面から9箇所を任意に選んで膜
厚を膜厚さ計ラムダエースにて測定したところ、膜厚は
均一であった。また、膜表面の平坦性を触診型表面形状
粗さ計タリステップにて調べたところ、平坦であった。
【0012】比較例1 合成例に示したテトラメトキシシランの部分加水分解物
に関し、加水分解および縮合反応後にモノマーを系外に
排出しない、モノマーを5%含むオリゴマーをテトラメ
トキシシランの部分加水分解物の代わりに用いた以外は
実施例と同じ条件で配合した。調液後25日で増粘が認
められ、実施例と同じ条件でスピンコートで造膜できな
かった。得られた膜の特性について表に示す。
【0013】比較例2 2−エトキシエタノールの代わりにエタノールを用いた
こと以外は実施例と同じ条件で調液し、組成物を得た。
実施例と同条件でスピンコートおよび熱硬化させ被膜を
形成した。得られた膜の特性について表に示す。
【0014】比較例3 2−エトキシエタノール66.7gにテトラメトキシシ
ラン部分加水分解物A33.3gを溶解し、水を加えず
マレイン酸0.34gを加えた以外は実施例と同じ条件
で調液し、組成物を得た。実施例と同様の条件でスピン
コートおよび熱硬化させ被膜を形成した。得られた膜の
特性について表に示す。
【0015】比較例4 マレイン酸の代わりにピリジンを同量用いた以外は実施
例と同条件で調液したところ、4成分混合後4日で液が
増粘,白濁してしまい、スピンコートできない組成物と
なった。
【0016】
【表1】 (1)調液後25日後にE型粘度計で測定 (2)膜厚測定計「ラムダエース」((株)大日本スク
リーン製造製)により、基盤上の塗膜から9箇所を任意
に選んで膜厚を測定 (3)9点の膜厚測定データの最大値(または最小値)
と平均値との差の絶対値を平均値で除した値 (4)表面形状粗さ計「タリステップ」((株)ランク
ペーラーホグソン製)による触診
【0017】
【発明の効果】本発明により、保存安定性に優れ、かつ
厚みが均一で、かつ表面が平坦な被膜を与えるという特
長を有するシリカ被膜形成用塗布液の組成物が得ること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A.モノマー含有率が1%以下であるテ
    トラアルコキシシランの部分加水分解物 B.アルコキシアルコール系溶媒 C.水 D.有機カルボン酸 を必須成分とするシリカ被膜形成塗布液用組成物。
JP4705694A 1994-03-17 1994-03-17 シリカ被膜形成塗布液用組成物 Pending JPH07252452A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018180983A1 (ja) * 2017-03-31 2018-10-04 住友化学株式会社 組成物

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