JPH07286136A - シリカ系被膜形成用組成物 - Google Patents

シリカ系被膜形成用組成物

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JPH07286136A
JPH07286136A JP8027894A JP8027894A JPH07286136A JP H07286136 A JPH07286136 A JP H07286136A JP 8027894 A JP8027894 A JP 8027894A JP 8027894 A JP8027894 A JP 8027894A JP H07286136 A JPH07286136 A JP H07286136A
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JP
Japan
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acid
film
organic carboxylic
composition
pka
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JP8027894A
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English (en)
Inventor
Takashi Chokai
傑 鳥海
Masaki Yamamoto
昌樹 山本
Atsushi Toda
淳 遠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 保存安定性に優れ、膜特性の良好なシリカ系
被膜形成用組成物 【構成】 A.モノマー含有率が1重量%以下であるテ
トラメトキシシランの部分加水分解物 B.脂肪族一価のアルコール C.水 D.pKaが2.0を超えてかつ5.5以下の有機カル
ボン酸及び E.pKaが1.0を超えてかつ2.0以下の有機カル
ボン酸 を必須成分とするシリカ系被膜形成用組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカ系被膜形成用組成
物に関するものであり、塗布液としての保存安定性が良
好で、さらにこれを用いることにより厚膜であり透明で
クラックがなく表面硬度が高いシリカ被膜が得られる。
【0002】
【従来の技術】各種シリケートを原料にゾルゲル法を用
いて樹脂、金属やセラミックをはじめ各種基材表面にシ
リカ被膜を形成することが各分野で行なわれている。こ
れらは、基盤の傷発生の防止、電気の絶縁、水分や各種
薬品による侵食防止などを主な目的とする。シラン化合
物を含む溶液の基盤上への塗布・造膜は、含浸法、ディ
ッピング法、スピンコーティング法、スプレー法などで
行なわれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シラン
系の塗布液は保存性と両立のため分子量の制御が難し
い。そのため低分子量で安定性を優先し膜厚は重ね塗り
することにより回避してきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らはこれ
らの従来の問題点に対し鋭意検討した結果、シリカ系被
膜形成用塗布液として下記の成分を必須成分としてなる
組成物が、保存安定性に優れ、これを用いることにより
厚膜であり透明でクラックがなく表面硬度の高いシリカ
被膜が得られることを見いだし、本願発明に到達した。
【0005】(A)モノマー成分の含量が1%以下のテ
トラメトキシシランの部分加水分解物 (B)脂肪族一価のアルコール (C)水 (D)pKaが2.0を超えてかつ5.5以下の有機カ
ルボン酸及び (E)pKaが1.0を超えてかつ2.0以下の有機カ
ルボン酸 以下に本発明の詳細を説明する。
【0006】本発明で用いられるA成分は、加水分解反
応自体は公知の方法によることができる。例えば、テト
ラメトキシシランに所定量の水を加えて酸触媒存在下
で、副生するメタノールを留去しながら通常、室温から
100℃で反応させる。この反応によりメトキシシラン
は加水分解し、さらにこれにつづく縮合反応によりヒド
ロキシル基を分子中に2以上有する液状の分解物(平均
重合度2から8、好ましくは3〜6)として得られる。
加水分解の程度は、使用する水の量により適宜調節する
ことができるが、本発明においては通常40〜90%程
度、さらに好ましくは60〜80%程度から選ばれる。
こうして得られたテトラメトキシシランのオリゴマーに
はモノマーが通常2〜10%程度含有されている。さら
に、オリゴマーを煮沸し、モノマーを気化させ不活性ガ
スとともにモノマーを除去することにより、モノマー含
量が1%以下、好ましくは0.3%以下にする。もし、
モノマーが多量に含有されていると塗布液としての保存
安定性に欠け、保存中に増粘し、塗布工程で厚みが均一
な膜の塗布が困難となるほか、さらに増粘すると塗膜の
形成自体が困難となる。
【0007】本発明のB成分の脂肪族一価のアルコール
は特に限定されるものではなく、A成分のメトキシシラ
ンのオリゴマーを均一に溶解させうるものであればよ
い。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピ
ルアルコール、ブタノール、あるいは2−メトキシエタ
ノール、2−エトキシエタノール、2−(2−エトキシ
エトキシ)エタノール、2−(2−メトキシエトキシ)
エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−ブト
キシエトキシ)エタノール等が挙げられる。これらのア
ルコールはA成分であるメトキシシランの加水分解物の
溶解性に優れている。B成分として例示した上記の溶媒
の中から1種類または2種類以上を混合して用いる以外
に、これらの溶媒に一般的な他の溶媒を混合して用いて
もよい。他の溶媒として具体的には、エチルエーテル、
ブチルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、
プロピレングリコール等の多価アルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル、アセト酢酸エチル等のエステル
類が挙げられる。ただし、脂肪族一価のアルコールに対
するこれらの溶媒の使用量は、得られる膜の均一性の面
からアルコール100重量部に対し50重量部以下とす
ることが好ましい。B成分のA成分に対する好適な量
は、A成分100重量部に対し溶媒50〜1000重量
部が好ましい。溶媒量が50重量部以下の場合、液の基
材への展開性が悪く、厚みが均一な塗布が困難なものと
なる。一方、溶媒量が1000重量部より多いと、極端
に厚みが小さい膜しか得られず、さらにリコートするな
どの必要性が生じる。
【0008】本発明のC成分の水はA成分のメトキシシ
ランに残存するメトキシ基の加水分解反応を進行させる
ために必要である。水の必要量は原料として用いるA成
分そのものの残りのメトキシ基の加水分解率に応じて異
なるものであるが、加水分解率100%当量に対し、
0.5倍量以上が好ましい。もし、水の量が少ない場合
には、塗布後に高温焼成して得られる膜の極端に厚みが
小さくなるばかりでなく、膜表面の平坦性が著しく損な
われるなどの問題が生じる。
【0009】本発明のD成分のpKaが2.0を超えて
かつ5.5以下の有機カルボン酸は、A成分のメトキシ
シランに残存するメトキシ基の加水分解反応の進行とそ
れに続く縮合・硬化反応に必要な触媒である。pKaが
2.0を超えてかつ5.5以下の有機カルボン酸でアル
コール/水系溶媒に溶解するものであれば特に限定され
るものではないが、具体的には、フマル酸、酢酸、ピバ
リン酸等が挙げられる。一般にシリケートオリゴマーの
加水分解および縮合反応の触媒には、有機カルボン酸の
以外の酸または塩基触媒の使用が可能であるが、特にp
Kaが2.0を超えてかつ5.5以下の有機カルボン酸
は他の触媒に比べて被膜の厚みの点で優れている。好ま
しい添加量はA成分のメトキシシラン100重量部に対
して0.3重量部以上である。D成分の量がこれ未満の
組成から被膜を形成すると、得られる膜の厚みは極端に
小さいものとなる。
【0010】本発明のE成分のpKaが1.0を超えて
かつ2.0以下の有機カルボン酸は、本発明のD成分と
同じくA成分のメトキシシランに残存するメトキシ基の
加水分解反応の進行とそれに続く縮合・硬化反応に必要
な触媒である。pKaが1.0を超えてかつ2.0以下
の有機カルボン酸でアルコール/水系溶媒に溶解するも
のであれば特に限定されるものではないが、具体的に
は、マレイン酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸等が挙げら
れる。一般にシリケートオリゴマーの加水分解および縮
合反応の触媒には、有機カルボン酸の以外の酸または塩
基触媒の使用が可能であるが、特にpKaが1.0を超
えてかつ2.0以下の有機カルボン酸は他の触媒に比べ
て室温保存性の点で優れている。好ましい添加量はA成
分のメトキシシラン100重量部に対して0.3重量部
以上である。D成分の量が少ない組成で被膜を形成する
と、得られる膜の厚みは極端に小さいものとなる。
【0011】本発明は上記A〜Eの5成分を主成分とす
るが、その配合方法は室温でアルコールを含む溶媒にテ
トラメトキシシランの部分加水分解物を溶解した後、次
いで水、上記2種類の有機カルボン酸を添加するのが一
般的である。特に厚膜を得たい場合は始めにA,B,
C,D成分を添加し、しかる後にE成分を加えると、な
お好ましい。
【0012】こうして得られた本発明の組成物を各種塗
布法にてセラミック、金属等の基材に造膜し、次いで、
溶媒を揮発後に400℃以上で加熱硬化することで、硬
度に優れたシリカ被膜を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0014】(合成例)攪拌機と還流用コンデンサーお
よび温度計をつけた500mlの3つ底フラスコに、テ
トラメトキシシラン234gとメタノール74gを加え
て混合した後に、0.05%塩酸22.2gを加え、液
温65℃で2時間加水分解反応を行なった。
【0015】ついでコンデンサーを抽出管に取り替え、
液温が150℃になるまで昇温し、メタノールで抽出さ
せさらに150℃、3時間加熱し縮合を行なった。この
様にして加水分解物を得た。重合度は3〜6で一分子中
のヒドロキシル基は10以上であった。このテトラメト
キシシランオリゴマー中のモノマー量は5%であった。
引き続き、100〜150℃に加熱したジャケットにテ
トラメトキシシランオリゴマーで煮沸させて気化したモ
ノマーを不活性ガスとともに系外に排出し、モノマー量
が0.2%であるテトラメトキシシラン部分加水分解物
Aを得た。
【0016】実施例1 エタノール62.1gに上記合成例により得られたテト
ラメトキシシランの部分加水分解物A31.0gを混合
し、室温下で撹拌し均一に溶解させた。これに水6.6
gとフマル酸(pKa=3.75)0.31gをこの順
序で加え、マレイン酸が溶解するまでさらに撹拌した。
この溶液を23℃で120時間撹拌した後マレイン酸
(pKa=1.92)0.31gを加えシリカ系被膜形
成用塗布液の組成物を得た。この組成物は室温で100
日間放置してもゲル化することはなかった。この組成物
にガラスを漬けた後、23℃、相対湿度55%でガラス
を300mm/minで引き上げ120℃の熱風オーブ
ンにて2分間溶媒を揮発させた後、さらに熱風オーブン
にて450℃、30分加熱硬化した。膜は透明でクラッ
クは見あたらなかった。得られた膜の特性について表1
に示す。
【0017】実施例2 実施例1で使用したマレイン酸の代わりにギ酸(pKa
=3.75)を用いた以外は実施例1と同じ様に液を作
製した。膜は透明でクラックは見あたらなかった。得ら
れた膜の特性について表1に示す。
【0018】実施例3 実施例1で使用したフマル酸の代わりにピバリン酸(p
Ka=5.03)を用いた以外は実施例1と同じ様に液
を作製した。膜は透明でクラックは見あたらなかった。
得られた膜の特性について表1に示す。
【0019】比較例1 合成例に示したテトラメトキシシランの部分加水分解物
に関し、加水分解および縮合反応後にモノマーを系外に
排出しない、モノマーを5%含むオリゴマーをテトラメ
トキシシランの部分加水分解物の代わりに用いた以外は
実施例1と同じ条件で配合した。調液後25日で増粘が
認められ、実施例1と同じ条件で造膜できなかった。
【0020】比較例2 テトラメトキシシランの部分加水分解物の代わりに、テ
トラエトキシシランの部分加水分解物を用いたこと以外
は実施例1と同じ条件で調液し、組成物を得た。膜は透
明でクラックは見あたらなかった。得られた膜の特性に
ついて表1に示す。
【0021】比較例3 2−エトキシエタノール66.7gにテトラメトキシシ
ラン部分加水分解物A33.3gを溶解し、水を加えず
にマレイン酸0.34gを加えた以外は実施例1と同じ
条件で調液し、組成物を得た。実施例1と同様に被膜を
形成した。膜の厚みは低くかつむらが大きかった。得ら
れた膜の特性について表1に示す。
【0022】比較例4 マレイン酸の代わりにヒドラジン(pKa=7.97)
を同量用いた以外は実施例1と同条件で調液したとこ
ろ、5成分混合後1時間で液が増粘、白濁してしまい、
透明で均一な厚みの膜は得られなかった。
【0023】 (1)鉛筆硬度はJIS K5651に準拠した。表か
らも明らかなように本発明の組成物を用いることによ
り、厚膜であり透明でクラックがなく表面硬度の高いシ
リカ被膜が得られる。
【0024】
【発明の効果】本発明により、塗布液としての保存安定
性が良好で、これを用いることにより厚膜であり透明で
クラックがなく表面硬度の高いシリカ被膜が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)モノマー含有率が1重量%以下で
    あるテトラメトキシシランの部分加水分解物 (B)脂肪族一価のアルコール (C)水 (D)pKaが2.0を超えてかつ5.5以下の有機カ
    ルボン酸及び (E)pKaが1.0を超えてかつ2.0以下の有機カ
    ルボン酸 を必須成分とするシリカ系被膜形成用組成物
JP8027894A 1994-04-19 1994-04-19 シリカ系被膜形成用組成物 Pending JPH07286136A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1391491A1 (en) * 2001-04-24 2004-02-25 Nissan Chemical Industries, Limited Method of forming thick silica-based film
WO2006128232A1 (en) * 2005-05-31 2006-12-07 Xerocoat Pty Ltd Control of morphology of silica films

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