JPH07252301A - 難消化性澱粉の製造方法 - Google Patents

難消化性澱粉の製造方法

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JPH07252301A
JPH07252301A JP4746694A JP4746694A JPH07252301A JP H07252301 A JPH07252301 A JP H07252301A JP 4746694 A JP4746694 A JP 4746694A JP 4746694 A JP4746694 A JP 4746694A JP H07252301 A JPH07252301 A JP H07252301A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着色・加熱臭の少なく、単糖およびオリゴ糖
含量の少ない難消化性澱粉を、低温度でかつ短時間の湿
熱処理により、簡便かつ高収率で得られる方法を提供す
ること。 【構成】 澱粉に対して0.03〜0.1%(w/w)
の無機酸を澱粉に平衡吸着させることによって酸処理し
た澱粉を、その水分含有率を3〜7%(w/w)に維持
しながら、130℃〜140℃で湿熱処理を行うことを
特徴とする難消化性澱粉の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難消化性澱粉の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、肥満等の理由でカロリーの過剰摂
取などが問題となっており、多くの低カロリー食品が開
発されている。また、従来、食物に含まれる繊維は消化
管内で消化されないために不要なものとみなされていた
が、最近、健康維持と疾病予防に対して有効であるとい
うことで注目されている。この食物繊維を多く含むもの
としては、穀物の外皮や糠があり、これを加工したもの
もあるが、これらは水に不溶であって食品に利用した場
合にざらつきなどが出て食感を損なったりする。また、
水溶性の食物繊維として天然ガム類などがあるが粘性が
高いので食品に多量に用いることは難しい。
【0003】一方、澱粉を例にとれば、澱粉や澱粉の加
工品であるα−澱粉、焙焼デキストリン、誘導体、ぶど
う糖、粉あめやマルチデキストリンなどが食品素材とし
て各種の加工食品に大量に使用されている。しかし、こ
れら澱粉加工品の大部分は難消化性成分の含量が5%
(w/w)以下である。難消化性澱粉としては、わずか
に焙焼デキストリンが知られているのみであるが、焙焼
デキストリンでも難消化性成分の割合は30%(w/
w)程度にすぎない。近年、この焙焼デキストリンを出
発原料にして、酵素反応により難消化性成分を高め、難
消化性デキストリンを製造する方法が報告されている
(特開平5−148301号公報)。具体的には、原料
澱粉に1%前後の濃度の酸水溶液を数%程度(3〜10
%)添加し、150〜200℃で10〜120分焙焼さ
せて焙焼デキストリンとした後、α−アミラーゼ、グル
コアミラーゼを作用させ、活性炭脱色、イオン交換樹脂
を経て精製するという方法である。しかしながら、本方
法においては、難消化性成分率を向上させるために加熱
時間を長くすることが必要になるが、焙焼が進むに従っ
て着色が進む上、収斂味が増し、独特の加熱臭が付いて
くる。また、高温度による焙焼では脱色等の精製の操作
が必要になるといった問題があるため、焙焼温度は15
0℃〜200℃程度に限られることになり、さらにアミ
ラーゼ処理やα−グルコシダーゼ処理などの酵素処理を
施すことによって難消化性成分の向上が図られている。
そのため、大量の酵素薬品が必要であり、かつ、脱色の
操作も必要といった製造工程上の問題がある。
【0004】また、澱粉の湿熱処理により、澱粉の物理
的な特性が変化することが知られている。湿熱処理によ
る澱粉の物理的特性の変化としては、平衡水分の変化、
X線回析図の変化、澱粉粒の膨潤性の変化、糊化開始温
度の上昇などが知られている。さらに、ハイアミロース
コーンスターチに、3.5倍の水を添加し、134℃7
0分の湿熱処理を2回行うとα−アミラーゼで分解され
ない抵抗性澱粉が生成することが知られている(澱粉科
学 40巻 第3号 p.285 〜290, 1993 )。しかし、本
方法においては酸処理を行っていないため、澱粉の分解
が起こりにくく、またオートクレーブ中の相対湿度10
0%条件下で134℃70分の湿熱処理が2回も必要と
すると上、含有率が28%(w/w)程度で低いという
問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
より低温度でかつ短時間の湿熱処理により、着色・加熱
臭の少なく、単糖およびオリゴ糖含量の少ない難消化性
澱粉を簡便かつ高収率で得られる方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸触媒による澱粉
加水分解工程に、低水分含有率下での湿熱処理を導入す
ることにより、難消化性澱粉を効率的に製造できること
を見いだし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、酸処理した澱粉を原
料にし、その水分含有率を3〜7%(w/w)に維持し
ながら、130℃〜140℃で湿熱処理を行うことを特
徴とする難消化性澱粉の製造方法である。
【0008】本発明において、難消化性澱粉とは、難消
化性でかつ難吸収性の食品成分である食物繊維のうち、
澱粉を原料にして生成される難消化成分をいう。
【0009】本発明に使用できる澱粉は、コーンスター
チ、馬鈴薯澱粉、米澱粉、小麦澱粉等の穀物澱粉が挙げ
られる。価格が低い点や、反応のしやすさ等によりコー
ンスターチが好ましい。また、本発明で使用する澱粉
は、水分含有率が約10%(w/w)のものである。
【0010】本発明における酸処理は、上記澱粉に対し
て、0.03〜0.1%(w/w)、好ましくは0.0
5〜0.07%(w/w)の塩酸、硫酸、硝酸などの無
機酸、好ましくは塩酸を、10〜30分間、室温にて澱
粉に平衡吸着させることにより行う。0.1%(w/
w)以上の添加では、副反応(メイラード反応)が生
じ、カラメル化して着色が激しくなり、また0.03%
(w/w)以下の低濃度では難消化性澱粉の収率が悪く
なる。酸処理を行わない場合、湿熱処理後の澱粉の結合
様式は消化性のα−1→4結合がほとんどであるため、
難消化性澱粉の製造には当該酸処理が必須である。
【0011】次に、酸吸着澱粉を濾別後、風乾、減圧乾
燥により乾燥させて、その水分含有率を3〜7%(w/
w)とする。上記のような低水分含有率とするのは、原
料に用いられる澱粉に含有する水分の存在が、湿熱処理
による澱粉分解に伴うグルコースあるいは還元糖の生成
を促進すると同時に難消化性澱粉の生成反応量を阻害す
る方向及び高分子化に導くため、水分含有率を低めるこ
とによって単糖およびオリゴ糖の生成量が少なく、かつ
難消化性澱粉含量を多くするためである。
【0012】この後、乾燥した酸吸着澱粉を耐熱性のテ
フロン製テトラパックに詰めた後、テトラパックの爆発
を防ぐために脱気を行い、密封する。この場合、容器に
ついては、耐熱耐圧で、かつ密封が行えるものであれば
この限りではなく、耐熱耐圧容器を使用する時は脱気の
必要がない。密封後、定温恒温器中で、130℃〜14
0℃、30分から60分、好ましくは約135℃で30
分の湿熱処理を行う。
【0013】湿熱処理を終えた澱粉は水に溶解し、pH
を調整する。pHの調整には一般のアルカリがいずれも
使用可能であるが、好ましくは炭酸ナトリウムを用い
る。炭酸ナトリウム水溶液でpHを5〜5.5、好まし
くはpH5.2に調整したのち、遠心により水不溶性画
分を除去する。水不溶性画分に対し、この操作を2〜3
回繰り返し行い、上澄液を集め、減圧濃縮を行う。濃縮
した上澄液をアルコール中に攪拌しながら注入し、アル
コール不溶画分を遠心により分離、上澄液を除去する。
アルコールはエタノール、メタノールなどいずれのアル
コールも使用可能であり、またアセトンでもよい。分別
した沈殿物は数回アルコールで洗浄、脱水を繰り返した
後、アルコールを除去し風乾する。以上の操作で得た粉
末を難消化性澱粉含有デキストリンと定義する。このア
ルコール処理により、着色性物質及び低分子糖の一部が
除去される。また、低分子糖の除去には、パン酵母に低
分子糖を資化させる方法も用いることができる。かくし
て平均分子量がゲル濾過分析により約2000、難消化
性澱粉含量約60%(w/w)の難消化性澱粉含有デキ
ストリンが高効率で得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例、実験例により具体的
に説明するが、これらにより本発明の範囲が限定される
ものではない。尚、実施例、ならびに実験例において用
いた各測定方法を以下に参考例として説明する。
【0015】〔参考例〕 (1) 難消化性澱粉含有量の測定 難消化性澱粉含有量の測定は、食物繊維定量法として採
用されている、Prosky-AOAC 法(J. Assoc. off. Anal.
Chem., 71, 1017-1023, 1988)により行う。試料1gを
正確に秤り、0.06Mリン酸緩衝液(pH6.0)5
0mlを加え、1N−NaOHにてpH6.0とし、タ
ーマミル(ノボ社製のα−アミラーゼ)0.1mlを添
加し、90℃で60分間反応させる。冷却後、1N−N
aOHにてpH7.5とし、プロテアーゼ(Sigma 社
製)5.0mgを添加し、90℃で60分間反応させ
る。続いて1M酢酸緩衝液(pH4.5)5.0mlを
加え、冷却し、0.5Mリン酸緩衝液にてpH4.5と
し、アミログルコシダーゼ(Sigma 社製)0.1mlを
添加し、60℃で60分間反応させる。この後、60℃
エタノール(99.5%(v/v))を添加し、1時間
以上放置後、30mlエタノールにて2回脱水処理を行
い、10mlアセトンにて2回洗浄し、減圧乾燥後秤量
し、難消化性澱粉量とした。
【0016】(2) 平均分子量の測定 試料を水に溶解し、1000ppm(W/W)濃度に調製した試料液
を用い、下記の条件下で高速液体クロマトグラフィーを
行い測定する。 カラム :東ソーG3000PWXL 30cm 温度 :40℃ 溶出液 :水 流速 :1ml/min. 検出器 :RI 標準試料:オリゴ糖α−1,4mix〔(株)中埜酢店
製(M.W.2000)〕 マルトペンタオース マルトトリオース
【0017】(3) グリコシド結合様式の検討方法 グリコシド結合様式は、下記のメチル化法[R. Gonda e
t al., Chem. Pham. Bull., 38(10), 2771-2774 (199
0)]でメチル化し、加水分解後にガスクロマトグラフィ
ーにより各グリコシド結合の定量を行うことにより調べ
る。
【0018】 メチル化 脱水した試料(10mg)をネジ付試験管に入れ、1m
lの脱水DMSOを加えて溶解する。これにNaOHを
100mg加え、直ちに0.5mlのヨウ化メチルを加
える。窒素ガスによる置換を行った後、スターラーで攪
拌しながら1〜2時間反応させ、水5mlを加える。こ
れに5mlのクロロホルムを加えて十分に振とうし、ク
ロロホルム層を三角フラスコにとる。同様の操作を5回
繰り返し、三角フラスコにとったクロロホルム層に蒸留
水25mlを加え、振とう後、クロロホルム層を回収す
る操作を3回繰り返す。次にエバポレーターで減圧乾燥
する。
【0019】 完全メチル化の確認 クロロホルム1〜2mlで試料を溶解した後、クロロホ
ルムを対照としてIRを測定し、水酸基がないことを確
認する。
【0020】 分離 セファデックスLH−20(ファルマシア社製)で糖画
分を分離する。溶媒は、クロロホルム:メタノール=
2:1を用い、試料を溶媒1mlに溶かして分離する。
糖画分をフェノール硫酸法で確認後、回収し、減圧乾燥
する。
【0021】 加水分解 メチル化物に1〜2mlの90%(w/v)ギ酸を加え
て窒素ガス置換を行い、100℃で3〜8時間反応さ
せ、減圧乾燥する。1〜2Mのトルフルオロ酢酸1〜2
mlを添加し、窒素ガス置換して密封する。100℃で
3〜10時間反応させ、トリフルオロ酢酸が完全に除去
されるまで乾燥する。
【0022】 還元 加水分解物を1〜2mlの50%(v/v)以下のエタ
ノールで溶解し、試料の5〜10倍量のホウ水素化ナト
リウムを加えて室温で2〜4時間放置する。アンバーラ
イトCG−120〔H+ 〕(オルガノ社製)を蒸留水に
懸濁させて、試料に少量ずつ滴下する。十分量を添加
し、10分以上静置する。濾過後、残渣を50%エタノ
ールで洗浄し、さらに99.5%(v/v)エタノール
で洗浄した後、減圧乾燥する。減圧乾燥後、析出したホ
ウ酸結晶を5〜10mlのメタノールに溶解し、減圧乾
燥する。この操作を2回繰り返す。
【0023】 アセチル化 試料にピリジン0.3mlを加え、溶解させた後、無水
酢酸0.3mlを加える。オイルバス上、95〜100
℃で90〜120分反応させ、反応後冷却する。トルエ
ン1ml添加し、40℃以下で減圧濃縮し、乾固する。
【0024】 溶解 試料を0.5mlのクロロホルムに溶解してガスクロマ
トグラフで分析する。
【0025】 ガスクロマトグラフィーの条件 [TIC] Mode : MF-EI[Pos.] Carrier gas : He 1.14 cm3/min Capillary column : 0.25 mm, 3m, HiCap-CBP10 (GLサ
イエンス)120 scan/min
【0026】〔実施例1〕市販のコーンスターチ500
gを1Lの0.05%(w/w)希塩酸水溶液に10分
間処理し、濾紙で濾過後、風乾した。室温で水分含有率
5%(w/w)まで減圧乾燥した。この酸吸着澱粉を耐
熱性のテフロン製テトラパックにつめ、脱気し、135
℃30分間、定温恒温器中で湿熱処理した。湿熱処理
後、35%(w/w)水溶液にし、pH5.2に調整し
た後、遠心により、水不溶性画分を除去した。水不溶性
画分に対し、この操作を2回繰り返し行い、上澄液を集
め、減圧濃縮を行った。濃縮した上澄液をエタノール中
に攪拌しながら注入し、エタノール不溶画分を遠心分離
により分離して上澄液を除去した。分別した沈殿物は、
数回エタノール洗浄、及び脱水を繰り返した後、エタノ
ールを除去し風乾し、難消化性澱粉含有デキストリンを
得た。食物繊維定量法(Prosky-AOAC 法)にしたがって
難消化性澱粉を定量した結果、含量は64%(w/w)
であり、202gの難消化性澱粉を得た。この結果より
明らかなように、本発明により製造した難消化性澱粉含
有デキストリンの難消化性成分含量は高く、このため非
常に難消化性になっているといえる。また、その平均分
子量は2000で、単糖および重合度2〜9のオリゴ糖
含量は、6.9%であった。
【0027】〔実施例2〕米澱粉100gを200ml
の0.05%(w/w)希塩酸水溶液に10分間処理
し、濾紙で濾過後、風乾した。室温で水分含有率5%
(w/w)まで減圧乾燥した。この酸吸着澱粉を耐圧ガ
ラス製容器につめ、140℃30分間、定温恒温器中で
湿熱処理した。湿熱処理後、35%(w/w)水溶液に
し、pH5.2に調整した後、遠心により、水不溶性画
分を除去した。水不溶性画分に対し、この操作を2回繰
り返し行い、上澄液を集め、減圧濃縮を行った。濃縮し
た上澄液をエタノール中に攪拌しながら注入し、エタノ
ール不溶画分を遠心分離により、分離して上澄液を除去
した。分別した沈殿物は、数回エタノール洗浄、及び脱
水を繰り返した後、エタノールを除去し風乾し、難消化
性澱粉含有デキストリンを得た。食物繊維定量法(Pros
ky-AOAC 法)にしたがって難消化性澱粉を定量した結
果、含量は60%(w/w)であり、48gの難消化性
澱粉を得た。
【0028】〔実験例1〕 湿熱温度と難消化性澱粉生
成率の関係 (方法)コーンスターチを原料として実施例1と同様に
して酸処理を行った酸吸着澱粉について、水分含有率を
7%(w/w)に維持しながら、125、130、13
5、140、145℃の各温度で30分間湿熱処理を行
った。その後、エタノール処理により回収し、難消化性
澱粉の含量をProsky-AOAC 法により測定した。 (結果)図1に示すように、130〜140℃の範囲で
は、難消化性成分の生成率は30%以上だが、145
℃、125℃ではその生成率は著しく減少した。
【0029】〔実験例2〕 水分含有率と難消化性澱粉
生成率の関係 (方法)コーンスターチを原料として実施例1と同様に
して酸処理を行った酸吸着澱粉ついて、水分含有率を
3、5、7、10、15%(w/w)に維持しながら、
135℃で30分間湿熱処理を行った。その後、エタノ
ール処理により回収し、難消化性澱粉の含量をProsky-A
OAC 法により測定した。 (結果)図2に示すように、水分含有率7%(w/w)
以下の範囲では、難消化性澱粉の生成率30%以上であ
るが、水分含有率の上昇とともに生成率が下がる傾向が
認められた。
【0030】〔実験例3〕 生成した難消化性澱粉のグ
リコシド結合様式の検討 (方法)実施例1と同様にして酸処理を行った酸吸着澱
粉、ならびに比較として酸処理を行わない酸未吸着澱粉
を試料とし、それぞれ水分含有率を5%(w/w)に維
持しながら、酸吸着澱粉は135℃30分間、酸未吸着
澱粉は135℃3時間湿熱処理した。湿熱処理後、エタ
ノール処理により回収し、難消化性澱粉を得た。それぞ
れの難消化性澱粉の結合様式を、試料をメチル化し、加
水分解および還元、アセチル化を行った後、GLS−M
S法により調べた。 (結果)酸吸着澱粉は、α−1→6結合、及びわずかだ
が、α−1→2結合の生成が認められた。一方、酸未吸
着澱粉は、α−1→4結合が大部分であり、他の結合は
ほとんど認められなかった(図3)。また、Prosky-AOA
C 法により測定した難消化性澱粉の含量は4%(w/
w)であった。
【0031】
【発明の効果】本発明の難消化性澱粉の製造方法によれ
ば、従来より低温度でかつ短時間の湿熱処理により、着
色・加熱臭の少なく、単糖およびオリゴ糖の含量の少な
い難消化性澱粉を簡便かつ高収率で得られる。また本発
明の方法により製造される難消化性澱粉は非常に難消化
性で低カロリーであるため、カロリーや炭水化物の摂取
を制限する必要のある人のための低カロリー食品素材と
して、また、各種食品、例えば、清涼飲料水、アイスク
リーム、食パン、ドレッシング、キャンディー、水産練
り製品など多くの食品に添加混合して利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 湿熱温度と難消化性澱粉生成率の関係を示
す。
【図2】 水分含有率と難消化性澱粉生成率の関係を示
す。
【図3】 酸吸着澱粉、ならびに酸未吸着澱粉のグリコ
シド結合様式の変化を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸処理した澱粉を原料にし、その水分含
    有率を3〜7%(w/w)に維持しながら、130℃〜
    140℃で湿熱処理を行うことを特徴とする難消化性澱
    粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 酸処理が、澱粉に対して0.03〜0.
    1%(w/w)の無機酸を澱粉に平衡吸着させて行うも
    のであることを特徴とする請求項1記載の難消化性澱粉
    の製造方法。
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