JPH07251743A - 運搬用台車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェーハ収納キャリヤを運搬する運搬用台車
に関し、特に移動時にウェーハの振動を防止できるとと
もに、床面上の微細な異物を吹き上げることのない運搬
用台車の提供を目的とする。 【構成】 車体２１の下側にその移動方向に列設状態で
固定された複数の車輪３１ａ及び車輪３１ａ間にキャタ
ピラのように張架されたベルト３１ｂとでなる移動機構
３１と、平面１２に接触しているベルト３１ｂに高圧気
体をその直上から噴射し、車体２１を平面１２から浮上
させる浮上機構３２とで運搬用台車を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ウェーハを収納したウ
ェーハ収納キャリヤを運搬する運搬用台車に係り、特に
移動時にウェーハの振動を防止できるとともに、床面上
の微細な異物を吹き上げることのない運搬用台車に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】次に、図２を参照し、ウェーハ収納キャ
リヤを運搬する従来の運搬用台車について説明する。

【０００３】図２（ａ）で示すように従来の運搬用台車
２０は、被運搬物、たとえばウェーハ１０を収納したウ
ェーハ収納キャリヤ１１を搭載する車体２１に、フリー
アクセス１２等の平面上を自在に転動できる車輪、たと
えばキャスタ２２を取り付けて構成されていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来の運搬用台車２０の車体２１上にウェーハ収納キャ
リヤ１１を搭載し、このウェーハ収納キャリヤ１１を運
搬すべく運搬用台車２０を床面上、たとえばフリーアク
セス１２上で移動すると、図２（ａ）で示すようなフリ
ーアクセス１２の表面に存在する微小な凹凸１２ａやそ
の間の継ぎ目１２ｂでもって運搬用台車２０が振動す
る。

【０００５】この振動によってウェーハ収納キャリヤ１
１内のウェーハ１０も振動し、そのエッジ１０ａでもっ
てウェーハ収納キャリヤ１１の表面を削って微細な異物
（削り屑）１３を発生させる（図２（ｂ）参照）。

【０００６】この異物１３は、ウェーハ１０に付着し、
このウェーハ１０上に配線パターン（図示せず）等を形
成した際にはパターン欠け等の不良要因になる。本発明
は、このような問題を解消するためになされたものであ
って、その目的は運搬時にウェーハの振動を防止できる
運搬用台車を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】図１で示すように前記目
的は、車体２１上に被運搬物１０を搭載して移動する運
搬用台車において、車体２１の下側にその移動方向に設
けられた複数の車輪３１ａと、この車輪３１ａ間にキャ
タピラのように張架されたベルト３１ｂとでなる移動機
構３１と、平面１２に接触しているベルト３１ｂに高圧
気体をその直上から噴射し、車体２１を平面１２から浮
上させる浮上機構３２とを含んでなることを特徴とする
運搬用台車によって達成される。

【０００８】

【作用】本発明の運搬用台車においては、その浮上機構
３２の噴射ノズル３２ａからベルト３１ｂに高圧気体を
噴射すると、その噴射力（反動）でもって車体２１が平
面１２から浮上する。

【０００９】このような本発明の運搬用台車は、あたか
も空中を飛ぶが如く移動し平面１２上に凹凸１２ａや継
ぎ目１２ｂがあっても被運搬物１０、たとえばウェーハ
収納キャリヤ１１内のウェーハ１０を振動させることが
なく、しかも上述のように高圧気体をベルト３１ｂに噴
射し車体２１を浮上させるから移動時に平面１２上の微
細な異物を吹き上げることがない。

【００１０】

【実施例】以下、図１を参照し、本発明の実施例の運搬
用台車について説明する。なお、本明細書においては、
同一部品、同一材料等に対しては全図をとおして同じ符
号を付与してある。

【００１１】図１に示すように本発明の第１の実施例の
運搬用台車は、図２を参照して説明した従来の運搬用台
車の車体２１に、移動機構３１及び浮上機構３２とを配
設して構成したものである。

【００１２】この移動機構３１は、車体２１の裏面（下
側）４隅に幅広の車輪３１ａを配設するとともに、この
車輪３１ａに孔のない帯状のベルト３１ｂをキャタピラ
のように張架して構成したものである。

【００１３】また、浮上機構３２は、高圧タンク３２
ａ、この高圧タンク３２ａ内の高圧気体Ａをベルト３１
ｂにその直上から噴射するラッパ管状の噴射ノズル３２
ｂ、噴射ノズル３２ｂからの高圧気体Ａの噴射量を可変
弁３２ｄを介して制御する制御レーバ３２ｃとを含んで
構成したものである。

【００１４】このような第１の実施例の運搬用台車で
は、制御レーバ３２ｃでもって可変弁３２ｄを操作し、
噴射ノズル３２ｂからの高圧気体Ａの噴射量（噴射速
度）を制御することで車体２１をフリーアクセス１２か
ら僅かに浮上させることが可能となる。

【００１５】したがって、このような状態（浮上状態）
においては、凹凸１２ａや継ぎ目１２ｂが存在するフリ
ーアクセス１２上を第１の実施例の運搬用台車は滑るが
如く移動するから、その車体２１上に搭載したウェーハ
収納キャリヤ１１内のウェーハ１０は振動することがな
い。

【００１６】また、フリーアクセス１２からの車体２１
の浮上は、ベルト３１ｂにその直上から高圧気体Ａを噴
射することにより行なっているから、フリーアクセス１
２上の微細な異物（図示せず）を移動時に吹き上げるこ
ともない。

【００１７】本発明の第２の実施例の運搬用台車は、上
述した第１の実施例に方向転換機構３３を付加して構成
したものである（図１（ｂ）参照）。この方向転換機構
３３は、前述の高圧タンク３２ａに連結したエアーシリ
ンダ３３ａと、このエアーシリンダ３３ａの作動を開閉
弁３３ｃを介して制御するスイッチボタン３３ｂとで構
成したものである。

【００１８】エアーシリンダ３３ａは、そのピストンＰ
の先端をフリーアクセス１２に対向し、ピストンＰを押
し出してフリーアクセス１２から車体２１を浮上させる
ものである。

【００１９】したがって、本発明の第２の実施例の運搬
用台車を移動中にスイッチボタン３３ｂを操作し、エア
ーシリンダ３３ａのピストンＰをフリーアクセス１２に
突き立てて運搬用台車を浮上状態にすれば、このピスト
ンＰを回動中心にすることによって運搬用台車の進行方
向を極めて容易に転換できることとなる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、移動時に
ウェーハ収納キャリヤ内のウェーハの振動を防止できる
とともに、フリーアクセス等の床面上の微細な異物を吹
き上げることのない運搬用台車の提供を可能にする。

【００２１】このように構成した運搬用台車は、クリー
ンルーム内での使用に十分に耐えるものであり、半導体
工場等へのその採用は半導体装置等の歩留り向上に大き
く貢献することはもちろんである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の実施例の運搬用台車の模式的な説明
図

【図２】 従来の運搬用台車の模式的な説明図

【符号の説明】

１０ ウェーハ（被運搬物） １０ａ エッジ １１ ウェーハ収納キャリヤ １２ フリーアクセス（平面） １２ａ 凹凸 １２ｂ 継ぎ目 １３ 異物 ２１ 車体 ２２ キャスタ ３１ 移動機構 ３１ａ 車輪 ３１ｂ ベルト ３２ 浮上機構 ３２ａ 高圧タンク Ａ 高圧気体 ３２ｂ 噴射ノズル ３２ｃ 制御レーバ ３２ｄ 可変弁 ３３ 方向転換機構 ３３ａ エアーシリンダ Ａ ピストン ３３ｂ スイッチボタン ３３ｃ 開閉弁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体（２１）上に被運搬物（１０）を搭
   載して平面（１２）上を移動する運搬用台車において、 前記車体（２１）の下側にその移動方向に設けられた複
   数の車輪（３１ａ）と、この車輪（３１ａ）間にキャタ
   ピラのように張架されたベルト（３１ｂ）とでなる移動
   機構（３１）と、 前記平面（１２）に接触している前記ベルト（３１ｂ）
   に高圧気体をその直上から噴射し、前記車体（２１）を
   平面（１２）から浮上させる浮上機構（３２）とを含ん
   でなることを特徴とする運搬用台車。
2. 【請求項２】 前記車体（２１）から前記平面（１２）
   上に支持棒を突き立て、この支持棒を回転中心にして前
   記車体（２１）の平面（１２）内における回動を容易に
   する方向転換機構（３３）とを有することを特徴とする
   請求項１記載の運搬用台車。