JPH07248271A - 磁気記録型トルク検出装置 - Google Patents

磁気記録型トルク検出装置

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JPH07248271A
JPH07248271A JP4073994A JP4073994A JPH07248271A JP H07248271 A JPH07248271 A JP H07248271A JP 4073994 A JP4073994 A JP 4073994A JP 4073994 A JP4073994 A JP 4073994A JP H07248271 A JPH07248271 A JP H07248271A
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magnetic
recording
phase difference
magnetic recording
position signal
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JP4073994A
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English (en)
Inventor
Yoriichi Tsuji
頼一 辻
Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 構成が簡単で小型化に適し、かつ簡単な構成
で、しかも記録条件による誤差に影響されることなく、
回転軸部材に作用するトルクを精度良く検出することが
できる磁気記録型トルク検出装置置を提供する。 【構成】 第1および第2磁気ヘッド14a,14bを
介して磁気記録層12a,12bに記録された位置信号
の記録状態を検出する記録状態検出回路32と、この記
録状態検出回路32により検出された位置信号の記録状
態に基づいて、位置信号の記録条件を修正する記録条件
修正回路33とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の動力伝達軸
のような回転軸部材に作用するトルクを検出するための
磁気記録型トルク検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等におけるトルク検出の必
要性は増大しつつある。特に、四輪駆動における前後輪
のトルク配分においては、走行状態に対する特性曲線を
設定し、推定による間接的な制御を行う制御手段を用い
ており、車両による特性のばらつき等に伴いその精度は
必ずしも十分なものとはいえない。同様な問題は、自動
変速機を初めとする出力軸を有する車両の各機構部にお
いても生じている。
【0003】これに対し、回転軸部材に作用するトルク
を直接検出するようにしたトルク検出装置として、トル
ク負荷による回転軸部材の捩れ角を測定し、その捩れ角
からトルクを求めるトルク検出装置が、従来より広く知
られている。より具体的には、測定対象である回転軸部
材に少なくとも2つのロータリーエンコーダを配設した
ものが知られている。すなわち、個々のエンコーダから
の検出信号の位相差Δtから捩れ角を求め、トルクに換
算するというものである。
【0004】上記エンコーダの種類としては、光学的手
段を用いたもの、磁気的手段を用いたものがある(例え
ば特開昭62−239031号公報には磁気式エンコー
ダを配設したものが開示されている)が、これらを自動
車用等のトルク検出装置に適用するには、いずれの手段
も、捩れ角を検出するために回転軸部材にスリット、歯
車等を設ける必要があり、装置が大きく重くなるととも
にロータリーエンコーダを取り付ける作業を行う際に不
可避の取付誤差を生じるという問題、さらには回転軸部
材に捩れ歪が残留して蓄積されると、2つのエンコーダ
の相対位置が徐々にずれて、トルク検出精度が経時劣化
するという問題があった。
【0005】上記以外にも、回転軸部材の捩れ角に基づ
いてトルクを検出する方法としては、歪みにより電気抵
抗が変化する歪みゲージ式、応力の作用により磁化が変
化する磁歪効果を用いる磁歪式などがあるが、歪みゲー
ジ式においては歪みゲージの接着方法や信号の取出方法
に問題があり、磁歪式においては回転軸部材に磁歪材料
を接着したり、軸部材そのものに溝を設ける等の機械加
工を施さねばならないという問題があった。
【0006】このような問題を解決するために、特開平
3−115940号公報に開示されているようなトルク
検出装置が提案されている。
【0007】上記公報に記載されたトルク検出装置は、
回転軸部材に、その軸線方向に所定の間隔Lをおいて第
1および第2の磁気記録媒体(例えば磁気ディスク)を
取付け、各磁気記録媒体に対向する位置にそれぞれ磁気
ヘッドを配置し、回転軸部材が無負荷状態にあるときに
両磁気記録媒体に同一位相の周期信号を記録するととも
に、回転軸部材に負荷が作用しているとき上記周期信号
を再生し、各磁気ヘッドからの再生信号相互間の位相差
Δtを検出し、この位相差Δtに基づいて式(1)によ
り回転軸部材に作用するトルクTを算出しようとするも
のである。
【0008】 T=π2 Gd4 ・Δt・(f/f0 )・N0 /16L (1) ここで、Gは回転軸部材の横弾性係数、dは回転軸部材
の直径である。fは再生信号の周波数、f0 は記録信号
の周波数、N0 は信号記録時の回転軸部材の回転数であ
る。
【0009】上記構成のトルク検出装置においては、周
期信号を随時書き換えることが可能であり、取付け時の
誤差や経時変化に基づく誤差の無い正確なトルク検出が
可能となるが、別の問題を有している。すなわち、磁気
記録媒体に周期信号を記録する際に、回転軸部材の回転
速度が変動していると、正確な周期信号を記録すること
ができなくなり、演算の結果得られたトルク値には誤差
を含んでしまうという問題がある。一般に、車両等の駆
動系の回転軸部材は、回転速度が頻繁に変動しており、
その変動を抑えて回転速度を正確に制御することは困難
である。
【0010】以上の問題を解決する手段として、本発明
者等は改良されたトルク検出装置を先に提案した(特願
平3−248052号明細書)。
【0011】この特願平3−248052号明細書によ
って提案されたトルク検出装置は、回転軸部材の周面部
に磁気記録層を設け、この磁気記録層と対向するように
回転軸部材の周面に近接して、かつ該回転軸部材の軸線
方向に所定間隔をおいて、第1および第2磁気ヘッドを
配置し、さらに、第1磁気ヘッドに対して回転軸部材の
周方向に所定角度θ0 をおいて第3磁気ヘッドを配置し
たものである。
【0012】そして、無負荷時に、第1、第2磁気ヘッ
ドにより同一位相の位置信号を上記磁気記録層に記録
し、負荷が作用しているトルク検出時には、第1および
第2磁気ヘッドからそれぞれ再生される位置信号相互間
の位相差Δtと、第1および第3磁気ヘッドからそれぞ
れ再生される位置信号相互間の時間差tおよび所定角度
θ0 に基づいて回転軸部材の捩れ角θを求め、この捩れ
角θからトルクTを検出しようとするものである。
【0013】このような構成により、小型で簡単な構成
のトルク検出装置を実現することができるとともに取付
作業や経年変化によるトルク検出誤差をなくすことがで
きた。また、回転軸部材に生じる捩れ残留歪により両磁
気ヘッド間で初期位相にずれが生じても、記録の更新が
可能であるため、このずれを容易に修正することができ
る利点がある。
【0014】しかも、上記構成に示すように、第1磁気
ヘッドに対して回転軸部材の周方向に所定角度θ0 をお
いて第3の磁気ヘッドが配置され、これら第1および第
3磁気ヘッドからの再生位置信号相互間の時間差tが検
出され、そして、従来用いていた回転速度に代えてこの
時間差tを用いて回転軸部材のトルクTが算出されるよ
うになっているので、回転軸部材の回転速度が変動して
もその影響を受けずにトルク検出を行うことができる。
【0015】これについて詳述すると、回転軸部材の捩
れ角θは、式(2)により算出することができ、 θ=(Δt/t)・θ0 (2) 回転軸部材のトルクTは、式(3)により算出すること
ができる。
【0016】 T=2πGd4 ・θ/64L (3) ここで、Gは回転軸部材の横弾性係数、dは回転軸部材
の直径、Lは第1および第2磁気ヘッドの回転軸部材の
軸線方向の配置間隔である。
【0017】上記式(2)において、(Δt/t)によ
り時間因子は相殺されるので、たとえ位置信号が正確な
周期信号として記録されていなくても誤差なくトルク検
出を行うことができる。つまり、信号記録時の回転軸部
材の回転速度やその変動による影響を受けずに、第1お
よび第3磁気ヘッドのなす角度θ0 を基準として直接ト
ルク検出を行うことができるというきわめて優れた長所
を有するものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、先願発
明によれば、小型で、簡単な構成のトルク検出装置を実
現でき、かつ、位置信号を随時書き替えることが可能で
あり、しかも取り付け時の誤差や経時変化による誤差の
ない正確なトルク検出が可能になる等の数々の長所を備
えているものであるが、以下に述べるような問題も有し
ている。
【0019】すなわち、先願発明による磁気記録型トル
ク検出装置においては、図11に示すように、回転軸部
材にトルクが作用しているときの位置信号を第1および
第2磁気ヘッドを介して再生した再生波形Sa,Sbの
検出タイミングの差を位相差Δtとして検出するのであ
るが、磁気記録層に位置信号を記録する際に、第1およ
び第2磁気ヘッドのそれぞれに対して、(1)記録電
流、(2)磁気ヘッドと磁気記録層との間隔、(3)磁
気記録層の磁気特性、等の記録条件が異なると、図12
(A)に示すように、磁気記録層上における磁化領域
a,bの大きさ(回転軸部材の周方向の幅W)、すなわ
ち、記録された位置信号のサイズが変化する。
【0020】この場合、再生波形Sa,Sbの検出は、
再生波形の正方向または負方向のピークの検出によって
行われるが、再生波形のピークは、記録された位置信号
の磁化領域の境界部が磁気ヘッドのギャップを通過する
際に生じるものであるから、記録された位置信号のサイ
ズが異なれば、再生波形のピークの位置も異なることに
なる。そのために、位置信号の記録条件が異なると、検
出対象となる回転軸部材にトルクが作用していない無負
荷状態においても、図12(B)に示すように、位相差
を検出するための位置信号Sa′,Sb′(この場合の
Sb′は実線)間にずれ(初期位相差Δt0 )を生じ、
その結果、トルク検出時において検出される位置信号S
a′,Sb′(この場合のSb′は点線)間の位相差Δ
tに初期位相差Δt0 が誤差として含まれてしまうとい
う問題がある。
【0021】また、上述した記録条件が同一であったと
しても、第1および第2磁気ヘッドが配置されている部
位における、磁気記録層の回転半径が異なる場合にも、
同様の問題が生じる。これは、図13に示すように、回
転軸部材の周方向の磁化領域の幅Wが同一となるように
位置信号の記録を行ったとしても、回転軸部材における
位置信号の記録された部分の半径、すなわち磁気記録層
の回転半径が異なると(半径r1 ,r2 )、それぞれの
箇所での相当角度(θ1 ,θ2 )が異なるため、結果と
して、上述の記録条件が異なる図12(B)の場合と同
様に、再生される各位置信号の再生波形のピーク幅t
P-P a,tP-P bに差を生じることになる。
【0022】ところが、自動車車両や自動車用エンジン
等に上記構成のトルク検出装置を装着する場合において
は、制約条件が多いため、2つの磁気ヘッドの装着状
況、磁気記録層の磁気特性、磁気記録層の回転半径等を
同一にするのが困難であり、上述した問題は実用上看過
できない大きな問題である。
【0023】本発明は、上述のような事情に鑑みてなさ
れたものであって、小型化に適し、かつ構成が簡単であ
るという上記先願発明の長所を有しながら、位置信号の
記録条件の差異による誤差に影響されることなく、回転
軸部材に作用するトルクを精度良く検出することができ
る磁気記録型トルク検出装置を提供することを目的とす
る。
【0024】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係わる磁気
記録型トルク検出装置は、請求項1に記載されているよ
うに、回転軸部材の周面部に形成された磁気記録層と、
該磁気記録層と対向するように前記回転軸部材の周面に
近接して、かつ該回転軸部材の軸線方向に所定間隔をお
いて配置された第1および第2磁気ヘッドと、前記回転
軸部材が静止している状態で前記第1および第2磁気ヘ
ッドを介して前記磁気記録層に位置信号を記録する記録
手段と、前記各磁気ヘッドを介して位置信号を再生する
再生手段と、該再生手段により再生された前記第1およ
び第2磁気ヘッドからの位置信号相互間の位相差Δtを
検出する位相差検出手段と、前記位相差Δtに基づい
て、前記回転軸部材に作用するトルクTを算出するトル
ク算出手段とを備えてなる磁気記録型トルク検出装置に
おいて、前記第1および第2磁気ヘッドを介して前記磁
気記録層に記録された位置信号の記録状態を検出する記
録状態検出手段と、該記録状態検出手段により検出され
た前記位置信号の記録状態に基づいて、前記位置信号の
記録条件を修正する記録条件修正手段と、を備えてなる
ことを特徴とするものである。
【0025】第1の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置の好ましい態様によれば、請求項2に記載されてい
るように、前記記録手段により前記磁気記録層に位置信
号を記録する際の前記第1および第2磁気ヘッドへの通
電電流を検出する電流検出手段を備え、前記記録状態検
出手段は、前記電流検出手段により検出された前記通電
電流に基づいて、前記位置信号の記録状態を検出する手
段よりなる。
【0026】また、第1の発明に係わる磁気記録型トル
ク検出装置の他の態様によれば、請求項3に記載されて
いるように、前記再生手段により再生された位置信号の
再生波形ピークの上限と下限との間の時間間隔tP-P
検出する時間間隔検出手段を備え、前記記録状態検出手
段は、前記時間間隔検出手段により検出された時間間隔
P-P に基づいて、前記位置信号の記録状態を検出する
手段よりなる。
【0027】さらに、第1の発明に係わる磁気記録型ト
ルク検出装置の他の態様によれば、請求項4に記載され
ているように、前記記録状態検出手段は、前記再生手段
により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
位置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の比に基づいて、
前記位置信号の記録状態を検出する手段よりなる。
【0028】さらに、第1の発明に係わる磁気記録型ト
ルク検出装置の他の態様によれば、請求項5に記載され
ているように、前記記録状態検出手段は、前記再生手段
により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
位置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の差に基づいて、
前記位置信号の記録状態を検出する手段よりなる。
【0029】さらに、第1の発明に係わる磁気記録型ト
ルク検出装置の他の態様によれば、請求項6に記載され
ているように、前記第1および第2磁気ヘッドと該第1
および第2磁気ヘッドにそれぞれ対向する前記磁気記録
層との間隔を検出する距離検出手段を備え、前記記録状
態検出手段は、前記距離検出手段により検出された前記
間隔に基づいて、前記位置信号の記録状態を検出する手
段よりなる。
【0030】前記記録条件修正手段は、請求項7に記載
されているように、前記記録条件修正手段は、修正され
た記録条件により前記位置信号の書き替えを行うように
構成されている。
【0031】前記記録条件修正手段により修正される記
録条件は、請求項8に記載されているように、前記第1
および第2磁気ヘッドに対する通電電流の場合もあり、
請求項9に記載されているように、前記第1および第2
磁気ヘッドと該第1および第2磁気ヘッドにそれぞれ対
向する前記磁気記録層との間隔である場合もあり、ま
た、前記通電電流および前記間隔の双方である場合もあ
る。
【0032】次に、第2の発明に係わる磁気記録型トル
ク検出装置は、請求項10に記載されているように、回
転軸部材の周面部に形成された磁気記録層と、該磁気記
録層と対向するように前記回転軸部材の周面に近接し
て、かつ該回転軸部材の軸線方向に所定間隔をおいて配
置された第1および第2磁気ヘッドと、前記第1および
第2磁気ヘッドを介して前記磁気記録層に位置信号を記
録する記録手段と、前記各磁気ヘッドを介して位置信号
を再生する再生手段と、該再生手段により再生された前
記第1および第2磁気ヘッドからの位置信号相互間の位
相差Δtを検出する位相差検出手段と、前記位相差Δt
に基づいて、前記回転軸部材に作用するトルクTを算出
するトルク算出手段とを備えてなる磁気記録型トルク検
出装置において、前記再生手段により再生された位置信
号の再生波形ピークの上限と下限との間の時間間隔t
P-P を検出する時間間隔検出手段と、該時間間隔検出手
段により検出された時間間隔tP-P に基づいて、前記位
置信号の記録状態を検出する記録状態検出手段と、該記
録状態検出手段により検出された前記位置信号の記録状
態に基づき、前記位相差検出手段により検出された前記
位相差Δtを補正する位相差補正手段と、を備えてなる
ことを特徴とするものである。
【0033】第2の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置の好ましい態様によれば、請求項11に記載されて
いるように、前記記録状態検出手段は、前記再生手段に
より再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの位
置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の比に基づいて、前
記位置信号の記録状態を検出する手段よりなる。
【0034】また、第2の発明に係わる磁気記録型トル
ク検出装置の他の態様によれば、請求項12に記載され
ているように、前記位相差補正手段は、前記再生手段に
より再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの位
置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の差に基づいて、前
記位相差Δtを補正する手段よりなる。
【0035】また、第3の発明に係わる磁気記録型トル
ク検出装置は、請求項13に記載されているように、回
転軸部材の周面部に形成された磁気記録層と、該磁気記
録層と対向するように前記回転軸部材の周面に近接し
て、かつ該回転軸部材の軸線方向に所定間隔をおいて配
置された第1および第2磁気ヘッドと、前記第1および
第2磁気ヘッドを介して前記磁気記録層に位置信号を記
録する記録手段と、前記各磁気ヘッドを介して位置信号
を再生する再生手段と、該再生手段により再生された前
記第1および第2磁気ヘッドからの位置信号相互間の位
相差Δtを検出する位相差検出手段と、前記位相差Δt
に基づいて、前記回転軸部材に作用するトルクTを算出
するトルク算出手段とを備え、かつ、前記第1および第
2磁気ヘッドにそれぞれ対向する前記磁気記録層の回転
半径が互いに異なる磁気記録型トルク検出装置におい
て、前記第1もしくは第2磁気ヘッドのうちのいずれか
一方の磁気ヘッドを介し、かつ前記再生手段により再生
された位置信号の再生波形ピークの上限と下限との間の
時間間隔tP-P を検出する時間間隔検出手段と、該時間
間隔検出手段により検出された前記位置信号の時間間隔
P-P と、前記磁気記録層の回転半径とに基づき、前記
位相差検出手段により検出された前記位相差Δtを補正
する位相差補正手段と、を備えてなることを特徴とする
ものである。
【0036】第3の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置の好ましい態様によれば、請求項14に記載されて
いるように、前記位相差補正手段は、前記時間間隔検出
手段により検出された前記位置信号の時間間隔t
P-P と、前記磁気記録層の回転半径の比および差とに基
づき、前記位相差検出手段により検出された前記位相差
Δtを補正する手段よりなる。
【0037】さらに、第4の発明に係わる磁気記録型ト
ルク検出装置は、請求項15に記載されているように、
回転軸部材の周面部に形成された磁気記録層と、該磁気
記録層と対向するように前記回転軸部材の周面に近接し
て、かつ該回転軸部材の軸線方向に所定間隔をおいて配
置された第1および第2磁気ヘッドと、前記磁気記録層
と対向するように前記回転軸部材の周面に近接して、か
つ前記第1磁気ヘッドに対して前記回転軸部材の周方向
に所定角度θ0 をおいて配置された第3磁気ヘッドと、
前記第1および第2磁気ヘッドを介して前記磁気記録層
に位置信号を記録する記録手段と、前記各磁気ヘッドを
介して位置信号を再生する再生手段と、該再生手段によ
り再生された前記各磁気ヘッドからの位置信号の再生タ
イミングをトリガとしてカウンタのカウント値を順次捕
捉するカウント値捕捉手段と、該カウント値捕捉手段に
より捕捉されたカウント値に基づいて、前記第1および
第3磁気ヘッドからの位置信号相互間の時間差tと、前
記第1および第2磁気ヘッドからの位置信号相互間の位
相差Δtとを算出し、前記所定角度θ0 、前記時間差t
および前記位相差Δtとに基づいて、前記回転軸部材に
作用するトルクTを算出するトルク算出手段と、を備え
てなることを特徴とするものである。
【0038】第4の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置の好ましい態様によれば、請求項16に記載されて
いるように、トルク算出手段により算出される前記位相
差Δtの正負から、前記回転軸部材に作用する負荷の方
向を判定する負荷方向判定手段を備えてなることを特徴
とするものである。
【0039】第4の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置の他の態様によれば、請求項17に記載されている
ように、前記カウント値捕捉手段は、前記再生手段によ
り再生された前記各ヘッドからの位置信号の再生波形ピ
ークの上限もしくは下限の入力タイミングをトリガとし
てカウンタのカウント値を順次捕捉する手段よりなる。
【0040】また、第4の発明に係わる磁気記録型トル
ク検出装置の他の態様によれば、請求項18に記載され
ているように、前記トルク算出手段は、前記第1ヘッド
からの位置信号の再生波形ピークの上限および下限の入
力タイミングで前記カウント値捕捉手段が捕捉したカウ
ント値の平均値と、前記第2ヘッドからの位置信号の再
生波形ピークの上限および下限の入力タイミングで前記
カウント値捕捉手段が捕捉したカウント値の平均値との
差に基づいて、前記位相差Δtを算出する手段よりな
る。
【0041】さらに、第4の発明に係わる磁気記録型ト
ルク検出装置の他の態様によれば、請求項19に記載さ
れているように、前記カウンタのオーバーフローを判定
するオーバーフロー判定手段を備え、前記トルク算出手
段は、前記オーバーフロー判定手段によるオーバーフロ
ーの判定に基づき、前記時間差tおよび前記位相差Δt
を補正する手段よりなる。
【0042】前記オーバーフロー判定手段は、請求項2
0に記載されているように、前記カウント値捕捉手段に
より捕捉された各カウント値の大小を比較し、該比較結
果に基づいて、前記カウンタのオーバーフローを判定す
る手段よりなる。
【0043】前記トルク算出手段は、請求項21に記載
されているように、前記オーバーフロー判定手段により
オーバーフローと判定される捕捉カウント値に対し、前
記カウンタの最大カウント値を加算した後に、前記時間
差tおよび前記位相差Δtを算出する手段よりなる。
【0044】
【作用および発明の効果】第1の発明に係わる磁気記録
型トルク検出装置は、請求項1に記載されているよう
に、磁気記録層に記録された位置信号の記録状態を検出
する記録状態検出手段と、該記録状態検出手段により検
出された前記位置信号の記録状態に基づいて、前記位置
信号の記録条件を修正する記録条件修正手段とを備えて
いるので、記録電流、磁気ヘッドと磁気記録層との間
隔、あるいは磁気記録層の磁気特性、等の記録条件の差
異があっても、磁気記録層上に記録される各位置信号の
サイズの差異が許容範囲内に収まるように記録条件を設
定して位置信号を記録することができるから、前記初期
位相差Δt0 が著しく低減され、これによって、精度良
く位相差Δtを検出することができ、その結果、精度良
くトルクを算出することが可能になる。
【0045】第2の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置は、位置信号の再生波形ピークの上限と下限との間
の時間間隔tP-P を検出する時間間隔検出手段と、該時
間間隔検出手段により検出された時間間隔tP-P に基づ
いて、前記位置信号の記録状態を検出する記録状態検出
手段と、該記録状態検出手段により検出された前記位置
信号の記録状態に基づき、位相差Δtを補正する位相差
補正手段とを備えているので、位置信号の記録状態の如
何に関わらず、精度良くトルクを検出することができ
る。
【0046】第3の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置は、1対の磁気ヘッドからそれぞれ再生される位置
信号のうちのいずれか一方の再生波形ピークの上限と下
限との間の時間間隔tP-P を検出する時間間隔検出手段
と、該時間間隔検出手段により検出された時間間隔t
P-P と磁気記録層の回転半径とに基づいて、位相差Δt
を補正する位相差補正手段とを備えているので、各磁気
ヘッドに対向する磁気記録層の回転半径が互いに異なる
場合であっても、位置信号の記録状態に関わらず、より
簡単な構成で、精度良くトルクを検出することができ
る。
【0047】第4の発明に係わる磁気記録型トルク検出
装置は、各磁気ヘッドからそれぞれ再生される位置信号
の再生タイミングをトリガとしてカウンタのカウント値
を順次捕捉するカウント値捕捉手段と、該カウント値捕
捉手段により捕捉されたカウント値に基づいて、時間差
tおよび位相差Δtを算出するようにしているので、時
間差tおよび位相差Δtを検出するためのカウンタが1
個のみで良く、したがって、従来のように、複数のカウ
ンタを同期させて動作させる必要もなく、より簡単な構
成で、トルクの検出が可能になる。
【0048】また、算出された位相差Δtの正負によ
り、回転軸部材に作用するトルクの方向を容易に検出す
ることができ、さらに、第1磁気ヘッドからの位置信号
の再生波形の上限および下限の入力タイミングでカウン
ト値捕捉手段が捕捉したカウント値の平均値と、第2磁
気ヘッドからの位置信号の再生波形の上限および下限の
入力タイミングでカウント値捕捉手段が捕捉したカウン
ト値の平均値との差に基づいて、位相差Δtを算出する
ことにより、初期位相差Δt0 による誤差を打ち消すこ
とができ、位置信号の記録状態の如何に関わらず、精度
良くトルクを検出することができる。
【0049】さらに、カウンタのオーバーフローを判定
するオーバーフロー判定手段を設けることによって、カ
ウンタがオーバーフローした場合であっても、トルクの
検出が可能になる。
【0050】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例について説明する。
【0051】(実施例1)図1は、本発明に係わる磁気
記録型トルク検出装置の第1実施例を概略的に示す構成
図である。
【0052】このトルク検出装置は、例えば自動車用自
動変速機の動力伝達軸等に接続された回転軸部材10に
作用するトルクを検出するトルク検出装置であって、左
端部が駆動源に、右端部が負荷に接続された回転軸部材
10と、この回転軸部材10の外周面上の2箇所に形成
された磁気記録層12a,12bと、これら磁気記録層
12a,12bと対向するように回転軸部材10の外周
面に近接し、かつ該回転軸部材10の軸線方向に所定間
隔Lをおいて配置された第1および第2磁気ヘッド14
a,14bと、磁気記録層12aと対向するように回転
軸部材10の外周面に近接し、かつ第1磁気ヘッド14
aに対して回転軸部材10の回転方向に所定角度θ0
おいて配置された第3磁気ヘッド14cとを備えてい
る。
【0053】また、第1および第2磁気ヘッド14a,
14b,14cを介して磁気記録層12a,12bに位
置信号Swa,Swbを記録する記録回路16(記録手
段)と、各磁気ヘッド14a,14b,14cを介して
位置信号を再生する増幅器18、フィルタ回路20およ
び波形整形回路22からなる再生手段と、該再生手段に
より再生された、第1および第2磁気ヘッド14a,1
4bからの位置信号相互間の位相差Δtを検出する位相
差検出回路24(位相差検出手段)と、第1および第3
磁気ヘッド14a,14cからの位置信号相互間の時間
差を検出する時間差検出回路26(時間差検出手段)
と、上記所定角度θ0 ,位相差Δtおよび時間差tに基
づいて、回転軸部材10の捩れ角θを式(2)に従って
算出するとともに、該捩れ角θに基づいて、回転軸部材
10に作用するトルクTを式(3)に従って算出するト
ルク演算回路28(トルク算出手段)とを備えている。
【0054】ここまでの構成は、先願の特願平3−24
8052号明細書によって提案されたトルク検出装置と
同様であるが、本実施例では、上記構成に加えて、記録
回路16により位置信号Swa,Swbを記録する際の
第1および第2磁気ヘッド14a,14bへの通電電流
Ia,Ibを検出する電流検出回路30(電流検出手
段)と、第1および第2磁気ヘッド14a,14bを介
して再生される位置信号の再生波形ピークの上限と下限
との間の時間間隔tP-P を検出する時間間隔検出回路3
1(時間間隔検出手段)と、上記電流検出回路30によ
り検出された通電電流Ia,Ibの差異と、時間間隔検
出回路31により検出された時間間隔tP-P よりそれぞ
れの位置信号のサイズ(磁化領域の大きさ)の差異とを
算出する記録状態検出回路32(記録状態検出手段)
と、記録状態検出回路32により算出された結果に基づ
いて、記録回路16が記録を行う際の記録条件を修正す
る記録条件修正回路33(記録条件修正手段)とを備え
ている。
【0055】上記磁気記録層12a,12bは、例えば
回転軸部材10の外周面上に磁気塗料を塗布することに
より、あるいは磁性粉末をプラズマ溶射することにより
形成することができる。また、上記回転軸部材10が構
造用鋼等の磁性材料により形成されている場合は、回転
軸部材10の外周表面そのものを磁気記録層とすること
も可能である。さらに、磁気記録層12a,12bは、
必ずしも回転軸部材10の外周面上の2箇所に別個に形
成する必要はなく、両磁気記録層12a,12bを連続
して一体に形成することも可能である。
【0056】また、本実施例においては、各磁気ヘッド
14a,14b,14cに同一仕様の磁気ヘッドを使用
しているが、後述する設定条件を調整することにより、
異なる仕様の磁気ヘッドで構成することも可能である。
【0057】前述のように、磁気ヘッド14a,14b
を介しての位置信号の記録において、各位置信号のサイ
ズ、すなわち、磁化領域の大きさに差異を生じると、図
11に示すように、位置信号のサイズにより再生波形S
a,Sbのピーク間の時間間隔tP-P a,tP-P bが互
いに異なり、その結果として、それぞれの位置信号間に
は初期位相差Δt0 分のずれを生じることになる。そこ
で、本実施例では、電流検出回路30と、時間間隔検出
回路31と、記録状態検出回路32と、記録条件修正回
路33とにより、この位置信号のサイズの差異を修正す
るようにしている。以下、本実施例における位置信号の
記録・修正動作について、図2のフローチャートに従っ
て説明する。
【0058】先ず、ステップ100では、記録回路16
による位置信号記録のための記録条件の初期設定を行
う。本実施例においては、磁気ヘッド14a,14bに
対し、同一のパルス信号を送出するように初期設定して
いる。ステップ100では同時に補正値ΔISET を0に
セットする。
【0059】次に、ステップ101に進み、回転軸部材
10が負荷から解放されている状態で、記録回路16に
より位置信号の記録を行うとともに、ステップ102で
電流検出回路30により各磁気ヘッド14a,14bへ
の通電電流Ia,Ibを検出する。次いで、ステップ1
03で、記録状態検出回路32により、通電電流Ia,
Ibの差の絶対値(ΔI=|Ia−Ib|)の演算処理
を実行し、ステップ104においてΔIが許容範囲α内
にあるか否かを判定する。そして、ステップ104の判
定がYESであればステップ105へ進み、NOであれ
ばステップ108へ進む。
【0060】ステップ105では、時間間隔検出回路3
1により、各再生波形Sa,Sbのピーク間の時間間隔
P-P a,tP-P bを検出し、次に、ステップ106に
おいて記録状態検出回路32により、時間間隔t
P-P a,tP-P bの比(tP-P a/tP-P b)を算出
し、さらにステップ107において、その比と1との差
の絶対値|1−(tP-P a/tP-P b)|が許容範囲β
内にあるか否かを判定する。そして、ステップ107の
判定がYESであれば、記録動作を完了し、NOであれ
ばステップ108へ進む。
【0061】なお、上記許容範囲α,βは、検出するト
ルク値の要求精度、構成回路の分解能等の基づいて決定
する。また、上記ステップ106においては、時間間隔
P-P a,tP-P bの比(tP-P a/tP-P b)を算出
し、さらにステップ107において、その比と1との差
の絶対値|1−(tP-P a/tP-P b)|が許容範囲β
内にあるか否かを判定しているが、これに代わり、時間
間隔tP-P a,tP-Pbの差(tP-P a−tP-P b)を
算出して、この差が所定の許容範囲内にあるか否かを判
定しても良い。
【0062】次のステップ108では、記録条件修正回
路33において、ステップ102およびステップ105
で検出した通電電流Ia,Ibおよび時間間隔t
P-P a,tP-P bに基づいて補正値ΔISET を算出し、
この補正値ΔISET により、各磁気ヘッド14a,14
bへの通電電流値に対して加減補正して、新たな記録条
件を設定する。そして、ステップ109へ進み、記録回
路16により、先に記録されている位置信号の消去を行
った後、ステップ101に戻り、修正された記録条件に
よって再度記録を行う。
【0063】トルクの検出は、上述の動作によって記録
時の通電電流値および再生波形の時間間隔が許容範囲内
となるように記録された位置信号を用いて、下記のよう
に行われる。
【0064】回転している回転軸部材10に負荷(トル
ク)が加わった負荷状態において、各磁気記録層12
a,12bに記録されている位置信号を第1および第2
磁気ヘッド14a,14bを介して再生したときの再生
信号Sa1,Sb1は、図3に示すように、ピークの位
相が互いにΔtだけずれた波形となる。また、磁気記録
層12aに記録されている位置信号を第3磁気ヘッド1
4cを介して再生したときの再生信号Sc1は、再生信
号Sa1に対してピークの位置が時間差tを有する波形
となる。
【0065】各再生信号Sa1,Sb1,Sc1は、そ
れぞれ増幅器18に入力され、増幅器18において所定
の増幅度をもって増幅された後、フィルタ回路20にお
いて高周波ノイズを除去され、さらに波形整形回路22
において矩形波信号Sa2,Sb2,Sc2に波形整形
される。そして、矩形波信号Sa2,Sb2は位相差検
出回路24へ送出され、矩形波信号Sa2,Sc2は時
間差検出回路26へ送出される。
【0066】位相差検出回路24においては、矩形波信
号Sa2,Sb2間の位相差Δtが検出され、この検出
信号S3はトルク演算回路28に送出される。時間差検
出回路26においては、矩形波信号Sa2,Sc2間の
時間差tが検出され、この検出信号S4がトルク演算回
路28に送出される。
【0067】トルク演算回路28においては、所定角度
θ0 ,位相差Δtおよび時間差tに基づいて、前述の式
(2)に従い回転軸部材10の捩れ角θを算出するとと
もに、この捩れ角θに基づいて、前述の式(3)に従い
回転軸部材10に作用するトルクTを算出する。
【0068】以上詳述したように、本実施例において
は、各位置信号のサイズの差異が許容範囲内にあるよう
に記録条件を設定して位置信号の記録を行い、その位置
信号に基づいて修正する手段として、位相差Δtを検出
するようにしているので、位相差Δtを精度良く検出す
ることができ、これによって、トルクTの算出を精度良
く行うことが可能になる。
【0069】なお、本実施例においては、電流検出回路
30および時間間隔検出回路31を用いて、各磁気ヘッ
ド14a,14bへの通電電流Ia,Ibおよび再生波
形Sa,Sbの時間間隔tP-P a,tP-P bを検出し、
これらの値に基づいて位置信号の記録状態を検出するよ
うに構成されているが、これに加えて、各磁気ヘッド1
4a,14bとこれにそれぞれ対向する各磁気記録層1
2a,12bとの間の間隔を検出し、その結果をも含め
て位置信号の記録状態を検出するように構成することも
可能であり、トルク検出装置の装着状況に応じて、通電
電流、時間間隔あるいは磁気ヘッドと磁気記録層間の間
隔の中から適当なものを選択して、位置信号の記録状態
を検出するように構成することも可能である。
【0070】また、本実施例においては、位置信号の記
録条件を修正する手段として、記録電流を修正する手段
を用いているが、これに代えて、磁気ヘッドと磁気記録
層間の間隔を修正するように構成することも、さらに、
記録電流と、磁気ヘッドと磁気記録層間の間隔との双方
を修正するように構成することも可能である。
【0071】(実施例2)図4は本発明に係わるトルク
検出装置の第2実施例を概略的に示す構成図である。
【0072】図1に示した本発明の第1実施例では、電
流検出回路30、時間間隔検出回路31、記録状態検出
回路32および記録条件修正回路33により、記録回路
16によって記録する位置信号を修正するように構成さ
れているが、本実施例では、記録する位置信号を修正す
るのではなく、時間間隔検出回路31、記録状態検出回
路32および位相差補正回路40(位相差補正手段)に
より、位相差Δtの補正をおこなうように構成されてい
る。
【0073】以下、本実施例の動作について説明する。
【0074】回転軸部材10が負荷から解放されている
状態で、記録回路16は、所定の記録用パルス信号を発
生させてこれを磁気ヘッド14a,14bに同時に送
り、磁気ヘッド14a,14bを介して、回転軸部材1
0の磁気記録層12a,12b上に位置信号を記録す
る。
【0075】次に、回転軸部材10に負荷(トルク)が
加わって回転している状態で、各磁気記録層12a,1
2bに記録されている位置信号を第1および第2磁気ヘ
ッド14a,14bを介して再生したときの再生信号S
a1,Sb1は、図12(B)にSa′,Sb′(点
線)で示すように、再生波形のピーク位置がΔtだけず
れた波形となる。ここで、再生波形のピークは磁化領域
の境界部(磁化反転部分)が磁気ヘッドのギャップを通
過した際に発生するものであるから、位置信号の記録状
態の差異により、位置信号のサイズ、すなわち磁化領域
の大きさに差を生じていると、この磁化領域の大きさに
対応するそれぞれの再生波形のピークの上限と下限間の
時間間隔tP-P a,tP-P bに差を生じ、この時間間隔
の差の1/2に相当する誤差(初期位相差)Δt0 がΔ
tに含まれることになる。
【0076】本実施例においては、第1実施例と同様
に、第1および第2磁気ヘッド14a,14bを介して
再生された再生信号Sa1,Sb1は、それぞれ増幅器
18で所定の増幅度をもって増幅され、フィルタ回路2
0において高周波ノイズを除去された後に、波形整形回
路22および時間間隔検出回路31に送出される。
【0077】波形整形回路22に入力された信号は矩形
波信号Sa2,Sb2に波形整形され、さらに位相差検
出回路24において、両信号Sa2,Sb2間の位相差
Δtが検出される(図3参照)。検出された位相差信号
S3は位相差補正回路40に出力される。
【0078】一方、時間間隔検出回路31では、入力信
号波形のピーク間の時間間隔tP-Pa,tP-P bを検出
し、検出値を記録状態検出回路32に出力する。記録状
態検出回路32では、時間間隔tP-P a,tP-P bの比
(tP-P a/tP-P b)を算出し、その比と1との差の
絶対値|1−(tP-P a/tP-P b)|が許容範囲β内
にあるか否かを判定し、許容範囲内にあれば、両時間間
隔の差(tP-P a−tP-P b)として0値を、許容範囲
外であれば、tP-P a,tP-P bの検出値をそのま位相
差補正回路40に出力する。
【0079】位相差補正回路40では、入力された位相
差Δtおよび時間間隔tP-P a,tP-P bに基づき、補
正された位相差Δt′を例えば(4)式に従って算出
し、算出値をトルク演算回路28に送出する。補正量
(tP-P a−tP-P b)/2の加算・減算は、tP-P
とtP-P bの大小、回転軸部材10の捩れ方向等により
異なる。
【0080】 Δt′=Δt±(tP-P a−tP-P b)/2 (4) トルク演算回路28においては、所定角度θ0 、補正さ
れた位相差Δt′および時間差tに基づいて、式(2)
に従って回転軸部材10の捩れ角θを算出するととも
に、該捩れ角θに基づいて、回転軸部材10に作用する
トルクTを式(3)に従って算出する。
【0081】以上の説明で明らかなように、本実施例に
おいては、再生波形ピークの上限と下限との間の時間間
隔tP-P a,tP-P bを検出し、この検出値に基づいて
位相差Δtを補正するようにしているので、位置信号の
記録状態に関係なく、精度良くトルクを算出することが
可能になる。
【0082】(実施例3)図5は本発明に係わるトルク
検出装置の第3実施例を概略的に示す構成図である。
【0083】図4に示した本発明の第2実施例では、磁
化領域の大きさの差異に起因する位相差Δtを補正して
いるが、先に図13を用いて説明したように、記録した
位置信号のサイズが同一であっても、回転軸部材10に
おける磁気記録層12a,12bが形成されている部位
の径が互いに異なる場合も、位置信号のサイズに差異を
生じた場合と同様の問題を生じる。
【0084】この場合においても、第2実施例と同様の
手法を用いて誤差を補正することは可能であるが、誤差
の補正を行うのためには、両再生信号Sa,Sbの時間
間隔tP-P a,tP-P bを検出して、その差を算出しな
ければならない。
【0085】本実施例は、上記の点に鑑み、より容易な
方法で位相差Δtの誤差を補正するように構成されてい
るトルク検出装置に関するものである。
【0086】図5から明らかなように、磁気記録層12
a,12bは回転軸部材10上の外周面上の径が互いに
異なる部位に形成されており、各磁気記録層12a,1
2bに対し位置信号を記録再生するための第1および第
2磁気ヘッド14a,14bが配置されている。さら
に、磁気ヘッド14a,14bを介して再生され、増幅
器18およびフィルタ回路20を経た信号のうちのいず
れか一方の信号(本実施例では磁気ヘッド14bを介し
て再生された信号Sb)が、時間間隔検出回路31に入
力され、時間間隔検出回路31では、入力された信号の
波形ピークの上限と下限との間の時間間隔tP-P (本実
施例ではtP-P b)を検出し、この検出値を位相差補正
回路40に出力するように構成されている。そして、こ
れ以外の磁気ヘッド14c、記録回路16、波形整形回
路22、時間差検出回路26、位相差検出回路24およ
びトルク検出回路28の構成は、第2実施例と同様であ
る。
【0087】上記位相差補正回路40には、時間間隔検
出回路31から出力される時間間隔tP-P bの検出値
と、位相差検出回路24から出力される位相差Δtの検
出値とが入力されるように構成されており、さらに、第
1および第2磁気ヘッド14a,14bが配置されてい
る部位の磁気記録層12a,12bの直径d1,d2の
値が予め記憶されている。
【0088】次に、本実施例の動作について説明する。
【0089】いま、両磁気記録層12a,12bに記録
されている位置信号のサイズ(磁化領域の大きさ)をW
とし、回転軸部材10が回転数N(rpm) で回転している
とすると、時間間隔tP-P a,tP-P bと、各磁気記録
層12a,12bの直径d1,d2との間には、(5)
式および(6)式に示す関係が成立する。
【0090】 tP-P a=2・tan -1(W/d2)/6N (5) tP-P b=2・tan -1(W/d1)/6N (6) ここで、通常Wはd1,d2に対して1/10以下であ
り、この場合近似的に 、 tP-P a=(d1/d2)・2・tan -1(W/d1)/6N =(d1/d2)tP-P b (7) として扱うことができる。
【0091】位相差補正回路40では、入力した時間間
隔tP-P b、位相差Δtおよび直径d1,d2(ただ
し、d2>d1)より、前述の式(4)および(7)に
基づき、下記の式(8)に従って補正された位相差Δ
t′を算出し、算出値をトルク演算回路28に送出す
る。
【0092】 Δt′=Δt−(d2−d1)・tP-P b/2d2 (8) 以降のトルク演算動作は、前述した第2実施例と同様で
あり、その説明は省略する。
【0093】本実施例によれば、第1および第2磁気ヘ
ッド14a,14bのうちのいずれか一方の磁気ヘッド
を介して再生された信号の時間間隔tP-P および磁気記
録層12a,12bの直径d1,d2に基づいて位相差
Δtを補正するように構成されているので、より簡単な
構成で、位置信号の記録状態に関係なくトルクを精度良
く検出することができる。
【0094】(実施例4)図6は本発明に係わるトルク
検出装置の第4実施例を概略的に示す構成図である。
【0095】本実施例は、図4に示されている本発明の
第2実施例の構成から、時間間隔検出回路31、記録状
態検出回路32および位相差補正回路40を取り除くと
ともに、位相差検出回路24および時間差検出回路26
に代え、カウント値捕捉回路25(カウント値捕捉手
段)を設けた構成を有する。
【0096】上記カウント値捕捉回路25は、上記再生
手段によって再生された第1および第2磁気ヘッド14
a,14bからの再生位置信号の波形ピークの上限(も
しくは下限)の入力タイミングと、第3磁気ヘッド14
cからの再生位置信号の波形ピークの上限(もしくは下
限)の入力タイミングとに基づき、カウンタの動作およ
びカウンタのカウント値を順次捕捉する機能を有する。
【0097】また、本実施例におけるトルク演算回路
は、上記カウント値捕捉回路25が捕捉したカウント値
にに基づいて、上記第1および第3磁気ヘッド14a,
14cを介してそれぞれ再生された位置信号相互間の時
間差tと、上記第1および第2磁気ヘッド14a,14
bを介してそれぞれ再生された位置信号相互間の位相差
Δtとを算出し、さらに、回転軸部材10に作用するト
ルクTを算出するように構成されている。
【0098】次に、本実施例の動作について説明する。
【0099】今、図6に示す構成において、前述の実施
例と同様に、回転軸部材10の左端部が駆動源に、右端
部が負荷にそれぞれ連結されており、かつ回転軸部材1
0が図の矢印の方向に回転するものとすると、第1およ
び第2磁気ヘッド14a,14bを介して磁気記録層1
2a,12b上に記録した位置信号を、第3および第1
磁気ヘッド14c,14aを介して再生した場合、回転
軸部材10の回転に伴い再生信号は、図7のSc1,S
a1に示すようなタイミングで再生される。
【0100】さらに、第2磁気ヘッド14bを介して再
生される信号Sb1は、回転軸部材10が無負荷で回転
している場合には、第1磁気ヘッド14aを介して再生
される信号Sa1と同一タイミングで再生されるが、回
転軸部材10に負荷が作用して回転軸部材10に捩れが
生じた場合には、負荷の作用方向により、図7のSb1
+(負荷が回転を妨げる方向に作用した場合)あるいは
Sb1−(負荷が回転を促す方向に作用した場合)に示
すように、再生信号Sa1に対していずれかにシフトさ
れたタイミングで再生される。
【0101】カウント値捕捉回路25では、各再生信号
Sc1,Sa1およびSb1+(もしくはSb1−)を
波形整形した矩形波信号Sc2,Sa2およびSb2+
(もしくはSb2−)が入力する毎に、計数動作してい
るカウンタのカウント値を順次取り込む。図7において
は、負荷が回転を妨げる方向に作用している場合には、
カウント値D0 ,D1 ,D2 が順次取り込まれ、負荷が
回転を促す方向に作用している場合には、カウント値D
0 ,D2 ,D3 が順次取り込まれる。
【0102】一方、トルク演算回路28は、矩形波信号
Sc2,Sa2およびSb2+(もしくはSb2−)を
割り込み信号として、割り込みのあった信号に対応する
メモリに、カウント値捕捉回路25が取り込んだカウン
ト値Dn を転送し、各メモリに格納されたデータを用い
て演算を行う。ここで、Sa2,Sb2,Sc2に対応
するメモリのデータをMa,Mb,Mcとすれば、時間
差tおよび位相差Δtは、それぞれ(9)式および(1
0)式により求めることができる。
【0103】 t=Ma−Mc (9) Δt=Ma−Mb (10) トルクTの算出は、前述の式(2)および式(3)に従
って行われる。
【0104】ここで、算出された位相差Δtの正負に着
目すると、負荷が回転を妨げる方向に作用している場合
には、Ma(=D2 )>Mb(=D1 )、負荷が回転を
促す方向に作用している場合には、Ma(=D2 )<M
b(=D3 )となるため、算出された位相差Δtの正負
から、回転軸部材10に作用する負荷の方向を判定する
ことができる。
【0105】なお、矩形波信号Sc2,Sa2およびS
b2+(もしくはSb2−)の入力間隔、カウンタのビ
ット数あるいは基準クロックの周波数によっては、図7
のD3 ′に示すように、カウント値が途中でオーバーフ
ローする場合がある。その場合には、時間差tおよび位
相差Δtの演算を正しく行うことが不可能になる。
【0106】そこで、上記構成に加えて、カウンタのオ
ーバーフローを判定する手段を設け、このオーバーフロ
ー判定手段の判定結果に基づいてメモリデータを補正し
て、時間差tおよび位相差Δtの算出を行うようにすれ
ば、演算を正しく行うことができる。具体的には、トル
ク演算回路28に転送されたカウント値Dn と、その前
に転送されたカウント値Dn-1 とを比較し、比較結果が
n <Dn-1 である場合にはオーバーフローを判定し
て、カウント値Dn にカウンタの最大カウント値DMAX
を加算した値を転送カウント値としてメモリに格納する
ようにすれば、カウンタのオーバーフローを補正して演
算を行うことができる。
【0107】ところで、前述のように、位置信号の記録
において、なんらかの理由により記録条件が異なり、記
録した位置信号のサイズ、すなわち、磁化領域の大きさ
に差異を生じると、図12に示すように、磁化領域の大
きさに対応する再生波形ピークの上限と下限の入力タイ
ミングに差を生じ、再生波形ピークの上限もしくは下限
の入力タイミングをトリガとして位相差Δtを求める
と、初期位相差Δt0 の分が位相差Δtに含まれてしま
うことになる。この問題は、第1および第2磁気ヘッド
14a,14bが対向する磁気記録層12a,12bの
回転半径が異なる場合においても同様である。
【0108】そこで、本実施例においては、位相差Δt
を補正演算することにより解決している。以下、その動
作について、図8のタイミングチャートおよび図9,図
10のフローチャートに基づいて説明する。
【0109】先ず、回転軸部材10が負荷から解放され
ている状態で、記録回路16は、所定の記録用パルス信
号を発生させてこれを磁気ヘッド14a,14bに同時
に送り、磁気ヘッド14a,14bを介して、回転軸部
材10の磁気記録層12a,12b上に位置信号を記録
する。このとき、原則的には回転軸部材10の周面上の
1箇所に位置信号を記録するだけで足りるが、複数箇所
に記録する場合には、記録位置をずらして再度同様の記
録を行う。
【0110】次に、回転軸部材10に負荷(トルク)が
加わって回転している状態で、磁気記録層12a,12
bに記録されている位置信号を各磁気ヘッド14a,1
4b,14cを介して再生したときの再生信号は、図8
のSa1,Sb1,Sc1に示すようなタイミングで再
生された波形となる。再生信号Sa1,Sb1,Sc1
は、それぞれ増幅器18において増幅され、かつフィル
タ回路20において高周波ノイズを除去された後、さら
に波形整形回路22において、Sa1およびSb1は、
それぞれの再生波形の上限と下限とを動作タイミングと
する矩形波信号Sa2T,Sa2B,Sb2T,Sb2
Bに波形整形され、Sc1は、再生波形の上限を動作タ
イミングとする矩形波信号Sc2T波形整形され、カウ
ント値捕捉回路25およびトルク演算回路28に送出さ
れる。
【0111】カウント値捕捉回路25およびトルク演算
回路28においては、電源が投入され動作状態になる
と、図9および図10のフローチャートに示す処理がス
タートし、ステップ201で、ラッチ、カウンタ、メモ
リ等を演算処理の介しに必要な初期状態に設定した後
(この初期設定には、入力信号データnをn=1に設定
する動作も含まれる)、ステップ202に進み、信号S
c2Tの入力待ち状態になる。
【0112】カウント値捕捉回路25は、信号Sc2T
が入力すると、カウンタのカウント動作を開始し(ステ
ップ203)、次の矩形波信号が入力すると(ステップ
204)、その時点のカウンタのカウント値を取り込む
(ステップ205)。
【0113】トルク演算回路28は、各矩形波信号Sa
2T,Sa2B,Sb2T,Sb2Bを割り込み信号と
して割り込みのあった信号を判別し(ステップ20
6)、対応するメモリにカウント値捕捉回路25が捕捉
したカウント値Dn を転送する(ステップ207)。
【0114】次のステップ208では、取り込んだカウ
ント値Dn をさきに転送したカウント値Dn-1 と比較し
て、カウンタがオーバーフローしたか否かの判定を行
う。そして、Dn <Dn-1 のときには(ステップ20
8:YES)、以降の処理を中断してステップ201に
戻る。一方、Dn >Dn-1 のときには(ステップ20
8:NO)、ステップ209に進み、ここで、入力信号
数データn=4であるか否かによりカウントが完了を判
断し、n<4のときには(ステップ209:NO)、ス
テップ210を経てステップ204に戻る処理をn=4
になるまで反復する。ステップ210では、入力信号数
データnに1を加算する。
【0115】カウントが完了すると(S209:YE
S)図10のステップ211に進み、ステップ211お
よびステップ212で、下記の式(11)および式(1
2)により時間差tおよび位相差Δtを求める。ここ
で、MaT,MaB,MbT,MbBは、矩形波信号S
a2T,Sa2B,Sb2T,Sb2Bにそれぞれ対応
するカウント値が転送されたメモリのデータである。
【0116】 t=MaT (11) Δt=(MaT+MaB)/2−(MbT+MbB)/2 (12) すなわち、式(12)は、第1磁気ヘッド14aからの
位置信号の再生波形ピークの上限および下限の入力タイ
ミングでカウント値捕捉回路25が捕捉したカウント値
2 ,D4 の平均値と、第2磁気ヘッド14bからの位
置信号の再生波形ピークの上限および下限の入力タイミ
ングでカウント値捕捉回路25が捕捉したカウント値D
1 ,D3 の平均値との差に基づいて、位相差Δtが算出
されることを示している。。
【0117】かくして、上述の初期位相差Δt0 による
誤差は、式(12)に従って位相差Δtを演算すること
によって相殺されることになる。
【0118】次のステップ213では、ステップ211
およびステップ212において演算された時間差tおよ
び位相差Δtにより、式(2)および式(3)に従って
トルクTを演算し、ステップ214でトルク値を出力
し、ステップ201に戻る。
【0119】以上述べたように、本実施例においては、
再生波形ピークの上限と下限の入力タイミングでカウン
タ値を取り込み、このカウント値に基づいて位相差Δt
を補正するようにしているので、初期位相差Δt0 が相
殺され、位置信号の記録状態に関係なく精度良くトルク
を算出することが可能になる。
【0120】なお、本実施例においては、磁気ヘッド1
4cを介して再生された波形の上限を動作タイミングと
する矩形波信号Sc2Tをカウンタ動作開始信号とし、
時間差tを磁気ヘッド14aを介して再生された波形の
上限を動作タイミングとする矩形波信号Sa2Tの入力
で取り込まれたカウント値(=MaT)から求めるよう
に構成されているが、これに限定されるものではなく、
磁気ヘッド14cを介して再生された波形の下限を動作
タイミングとする矩形波信号Sc2Bをカウンタ動作開
始信号とし、時間差tを磁気ヘッド14aを介して再生
された波形の下限を動作タイミングとする矩形波信号S
a2Bの入力で取り込まれたカウント値(=MaB)か
ら求めるように構成することも可能であり、あるいは、
再生波形Sc1の上限と下限を動作タイミングとする矩
形波信号Sc2T,Sc2Bを生成させるように構成
し、下記の式(13)により時間差tを演算すること
も、さらには、カウンタの動作開始を制御することな
く、カウンタをフリーランニングタイマで構成すること
も可能である。
【0121】ここで、MaT,MaB,McT,McB
は、矩形波信号Sa2T,Sa2B,Sc2T,Sc2
Bにそれぞれ対応する取り込みカウント値が転送された
メモリのデータである。
【0122】 Δt=(MaT+MaB)/2−(McT+McB)/2 (13) また、図9のステップ208においては、オーバーフロ
ー判定により、カウンタがオーバーフローしていると判
定された場合には、処理を中断するようにしているが、
オーバーフローの場合に、カウンタの最大カウント値を
加算するメモリデータの補正を行っても良い。
【0123】さらに、本実施例においては、取り込んだ
カウント値をその都度メモリに転送するように構成した
例について示したが、複数のラッチ回路等により各信号
の入力タイミングでのカウント値を取り込んでおき、各
信号に対するカウント値の取り込み処理が終了した後に
トルク演算回路に転送するように構成するこいとも可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる磁気記録型トルク検出装置の第
1実施例を示す概略的構成図
【図2】上記実施例の動作を説明するためのフローチャ
ート
【図3】上記実施例の動作を説明するためのタイミング
チャート
【図4】本発明に係わる磁気記録型トルク検出装置の第
2実施例を示す概略的構成図
【図5】本発明に係わる磁気記録型トルク検出装置の第
3実施例を示す概略的構成図
【図6】本発明に係わる磁気記録型トルク検出装置の第
4実施例を示す概略的構成図
【図7】本発明の第4実施例の動作を示すタイミングチ
ャート
【図8】同第4実施例の動作を示すタイミングチャート
【図9】同第4実施例の動作を説明するためのフローチ
ャートの前半部分
【図10】同第4実施例の動作を説明するためのフロー
チャートの後半部分
【図11】従来の磁気記録型トルク検出装置の作用を説
明するための再生信号の波形図
【図12】従来の磁気記録型トルク検出装置の問題点の
説明図
【図13】従来の磁気記録型トルク検出装置の問題点の
説明図
【符号の説明】
10 回転軸部材 12a,12b 磁気記録層 14a,14b,14c 磁気ヘッド 16 記録回路(記録手段) 18 増幅器(再生手段) 20 フィルタ回路(再生手段) 22 波形整形回路(再生手段) 24 位相差検出回路(位相差検出手段) 25 カウント値捕捉回路(カウント値捕捉手段) 26 時間差検出回路(時間差検出手段) 28 トルク演算回路(トルク算出手段) 30 電流検出回路(電流検出手段) 31 時間間隔検出回路(時間間隔検出手段) 32 記録状態検出回路(記録状態検出手段) 33 記録条件検出回路(記録条件修正手段) 40 位相差補正回路(位相差補正手段)

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸部材の周面部に形成された磁気記
    録層と、該磁気記録層と対向するように前記回転軸部材
    の周面に近接して、かつ該回転軸部材の軸線方向に所定
    間隔をおいて配置された第1および第2磁気ヘッドと、
    前記回転軸部材が静止している状態で前記第1および第
    2磁気ヘッドを介して前記磁気記録層に位置信号を記録
    する記録手段と、前記各磁気ヘッドを介して位置信号を
    再生する再生手段と、該再生手段により再生された前記
    第1および第2磁気ヘッドからの位置信号相互間の位相
    差Δtを検出する位相差検出手段と、前記位相差Δtに
    基づいて、前記回転軸部材に作用するトルクTを算出す
    るトルク算出手段とを備えてなる磁気記録型トルク検出
    装置において、 前記第1および第2磁気ヘッドを介して前記磁気記録層
    に記録された位置信号の記録状態を検出する記録状態検
    出手段と、 該記録状態検出手段により検出された前記位置信号の記
    録状態に基づいて、前記位置信号の記録条件を修正する
    記録条件修正手段と、を備えてなることを特徴とする磁
    気記録型トルク検出装置。
  2. 【請求項2】 前記記録手段により前記磁気記録層に位
    置信号を記録する際の前記第1および第2磁気ヘッドへ
    の通電電流を検出する電流検出手段を備え、前記記録状
    態検出手段は、前記電流検出手段により検出された前記
    通電電流に基づいて、前記位置信号の記録状態を検出す
    ることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録型トルク
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記再生手段により再生された位置信号
    の再生波形ピークの上限と下限との間の時間間隔tP-P
    を検出する時間間隔検出手段を備え、前記記録状態検出
    手段は、前記時間間隔検出手段により検出された時間間
    隔tP-P に基づいて、前記位置信号の記録状態を検出す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録
    型トルク検出装置。
  4. 【請求項4】 前記記録状態検出手段は、前記再生手段
    により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
    位置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の比に基づいて、
    前記位置信号の記録状態を検出することを特徴とする請
    求項3に記載の磁気記録型トルク検出装置。
  5. 【請求項5】 前記記録状態検出手段は、前記再生手段
    により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
    位置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の差に基づいて、
    前記位置信号の記録状態を検出することを特徴とする請
    求項3に記載の磁気記録型トルク検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第1および第2磁気ヘッドと該第1
    および第2磁気ヘッドにそれぞれ対向する前記磁気記録
    層との間隔を検出する距離検出手段を備え、前記記録状
    態検出手段は、前記距離検出手段により検出された前記
    間隔に基づいて、前記位置信号の記録状態を検出するこ
    とを特徴とする請求項1ないし5のうちのいずれか1つ
    に記載の磁気記録型トルク検出装置。
  7. 【請求項7】 前記記録条件修正手段は、修正された記
    録条件により前記位置信号の書き替えを行うことを特徴
    とする請求項1ないし6のうちのいずれか1つに記載の
    磁気記録型トルク検出装置。
  8. 【請求項8】 前記記録条件修正手段により修正される
    記録条件が、前記第1および第2磁気ヘッドに対する通
    電電流でなることを特徴とする請求項7に記載の磁気記
    録型トルク検出装置。
  9. 【請求項9】 前記記録条件修正手段により修正される
    記録条件が、前記第1および第2磁気ヘッドと該第1お
    よび第2磁気ヘッドにそれぞれ対向する前記磁気記録層
    との間隔でなることを特徴とする請求項7または8に記
    載の磁気記録型トルク検出装置。
  10. 【請求項10】 回転軸部材の周面部に形成された磁気
    記録層と、該磁気記録層と対向するように前記回転軸部
    材の周面に近接して、かつ該回転軸部材の軸線方向に所
    定間隔をおいて配置された第1および第2磁気ヘッド
    と、前記第1および第2磁気ヘッドを介して前記磁気記
    録層に位置信号を記録する記録手段と、前記各磁気ヘッ
    ドを介して位置信号を再生する再生手段と、該再生手段
    により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
    位置信号相互間の位相差Δtを検出する位相差検出手段
    と、前記位相差Δtに基づいて、前記回転軸部材に作用
    するトルクTを算出するトルク算出手段とを備えてなる
    磁気記録型トルク検出装置において、 前記再生手段により再生された位置信号の再生波形ピー
    クの上限と下限との間の時間間隔tP-P を検出する時間
    間隔検出手段と、 該時間間隔検出手段により検出された時間間隔tP-P
    基づいて、前記位置信号の記録状態を検出する記録状態
    検出手段と、 該記録状態検出手段により検出された前記位置信号の記
    録状態に基づき、前記位相差検出手段により検出された
    前記位相差Δtを補正する位相差補正手段と、を備えて
    なることを特徴とする磁気記録型トルク検出装置。
  11. 【請求項11】 前記記録状態検出手段は、前記再生手
    段により再生された前記第1および第2磁気ヘッドから
    の位置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の比に基づい
    て、前記位置信号の記録状態を検出することを特徴とす
    る請求項10に記載の磁気記録型トルク検出装置。
  12. 【請求項12】 前記位相差補正手段は、前記再生手段
    により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
    位置信号のそれぞれの時間間隔tP-P の差に基づいて、
    前記位相差Δtを補正することを特徴とする請求項10
    または11に記載の磁気記録型トルク検出装置。
  13. 【請求項13】 回転軸部材の周面部に形成された磁気
    記録層と、該磁気記録層と対向するように前記回転軸部
    材の周面に近接して、かつ該回転軸部材の軸線方向に所
    定間隔をおいて配置された第1および第2磁気ヘッド
    と、前記第1および第2磁気ヘッドを介して前記磁気記
    録層に位置信号を記録する記録手段と、前記各磁気ヘッ
    ドを介して位置信号を再生する再生手段と、該再生手段
    により再生された前記第1および第2磁気ヘッドからの
    位置信号相互間の位相差Δtを検出する位相差検出手段
    と、前記位相差Δtに基づいて、前記回転軸部材に作用
    するトルクTを算出するトルク算出手段とを備え、か
    つ、前記第1および第2磁気ヘッドにそれぞれ対向する
    前記磁気記録層の回転半径が互いに異なる磁気記録型ト
    ルク検出装置において、 前記第1もしくは第2磁気ヘッドのうちのいずれか一方
    の磁気ヘッドを介し、かつ前記再生手段により再生され
    た位置信号の再生波形ピークの上限と下限との間の時間
    間隔tP-P を検出する時間間隔検出手段と、 該時間間隔検出手段により検出された前記位置信号の時
    間間隔tP-P と、前記磁気記録層の回転半径とに基づ
    き、前記位相差検出手段により検出された前記位相差Δ
    tを補正する位相差補正手段と、を備えてなることを特
    徴とする磁気記録型トルク検出装置。
  14. 【請求項14】 前記位相差補正手段は、前記時間間隔
    検出手段により検出された前記位置信号の時間間隔t
    P-P と、前記磁気記録層の回転半径の比および差とに基
    づき、前記位相差検出手段により検出された前記位相差
    Δtを補正することを特徴とする請求項13に記載の磁
    気記録型トルク検出装置。
  15. 【請求項15】 回転軸部材の周面部に形成された磁気
    記録層と、 該磁気記録層と対向するように前記回転軸部材の周面に
    近接して、かつ該回転軸部材の軸線方向に所定間隔をお
    いて配置された第1および第2磁気ヘッドと、 前記磁気記録層と対向するように前記回転軸部材の周面
    に近接して、かつ前記第1磁気ヘッドに対して前記回転
    軸部材の周方向に所定角度θ0 をおいて配置された第3
    磁気ヘッドと、 前記第1および第2磁気ヘッドを介して前記磁気記録層
    に位置信号を記録する記録手段と、 前記各磁気ヘッドを介して位置信号を再生する再生手段
    と、 該再生手段により再生された前記各磁気ヘッドからの位
    置信号の再生タイミングをトリガとしてカウンタのカウ
    ント値を順次捕捉するカウント値捕捉手段と、 該カウント値捕捉手段により捕捉されたカウント値に基
    づいて、前記第1および第3磁気ヘッドからの位置信号
    相互間の時間差tと、前記第1および第2磁気ヘッドか
    らの位置信号相互間の位相差Δtとを算出し、前記所定
    角度θ0 、前記時間差tおよび前記位相差Δtとに基づ
    いて、前記回転軸部材に作用するトルクTを算出するト
    ルク算出手段と、を備えてなることを特徴とする磁気記
    録型トルク検出装置。
  16. 【請求項16】 トルク算出手段により算出される前記
    位相差Δtの正負から、前記回転軸部材に作用する負荷
    の方向を判定する負荷方向判定手段を備えてなることを
    特徴とする請求項15に記載の磁気記録型トルク検出装
    置。
  17. 【請求項17】 前記カウント値捕捉手段は、前記再生
    手段により再生された前記各ヘッドからの位置信号の再
    生波形ピークの上限もしくは下限の入力タイミングをト
    リガとしてカウンタのカウント値を順次捕捉することを
    特徴とする請求項15に記載の磁気記録型トルク検出装
    置。
  18. 【請求項18】 前記トルク算出手段は、前記第1磁気
    ヘッドからの位置信号の再生波形ピークの上限および下
    限の入力タイミングで前記カウント値捕捉手段が捕捉し
    たカウント値の平均値と、前記第2磁気ヘッドからの位
    置信号の再生波形ピークの上限および下限の入力タイミ
    ングで前記カウント値捕捉手段が捕捉したカウント値の
    平均値との差に基づいて、前記位相差Δtを算出するこ
    とを特徴とする請求項17に記載の磁気記録型トルク検
    出装置。
  19. 【請求項19】 前記カウンタのオーバーフローを判定
    するオーバーフロー判定手段を備え、前記トルク算出手
    段は、前記オーバーフロー判定手段によるオーバーフロ
    ーの判定に基づき、前記時間差tおよび前記位相差Δt
    を補正することを特徴とする請求項15ないし18のう
    ちのいずれか1つに記載の磁気記録型トルク検出装置。
  20. 【請求項20】 前記オーバーフロー判定手段は、前記
    カウント値捕捉手段により捕捉された各カウント値の大
    小を比較し、該比較結果に基づいて、前記カウンタのオ
    ーバーフローを判定することを特徴とする請求項19に
    記載の磁気記録型トルク検出装置。
  21. 【請求項21】 前記トルク算出手段は、前記オーバー
    フロー判定手段によりオーバーフローと判定される捕捉
    カウント値に対し、前記カウンタの最大カウント値を加
    算した後に、前記時間差tおよび前記位相差Δtを算出
    することを特徴とする請求項20に記載の磁気記録型ト
    ルク検出装置。
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