JPH0650831A - トルク検出装置 - Google Patents

トルク検出装置

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Publication number
JPH0650831A
JPH0650831A JP24635491A JP24635491A JPH0650831A JP H0650831 A JPH0650831 A JP H0650831A JP 24635491 A JP24635491 A JP 24635491A JP 24635491 A JP24635491 A JP 24635491A JP H0650831 A JPH0650831 A JP H0650831A
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JP
Japan
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torque
magnetic
shaft member
phase difference
signal
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Application number
JP24635491A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
Yoriichi Tsuji
頼一 辻
Toshimi Okazaki
俊実 岡崎
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で簡単な構成で、取付作業や経年変化に
よりトルク検出誤差が生じるのを防止することのでき、
しかも高いトルク検出精度を得ることができるトルク検
出装置を提供する。 【構成】 回転軸部材10の外周面上に磁気記録層12
a、12bを形成し、この磁気記録層を利用した位置信
号の記録再生でトルク検出を行うことにより、小型で簡
単な構成のトルク検出装置を実現するとともに取付作業
によるトルク検出誤差をなくし、また、適宜記録更新可
能として経年変化によるトルク検出誤差を修正できるよ
うにする。さらに、磁気記録層12a、12bをプラズ
マ溶射により形成することにより、密着強度等を高め
て、より高いトルク検出精度を得ることができるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の動力伝達軸
のような回転軸部材に作用するトルクを検出するための
トルク検出装置に関し、特に、回転軸部材のねじれ角か
らトルクを算出するトルク検出装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等におけるトルク検出の必
要性は増大しつつある。特に、四輪駆動における前後輪
のトルク配分においては、走行状態に対する特性曲線を
設定し、推定による間接的な制御を行う制御手段を用い
ており、車両による特性のばらつき等に伴いその精度は
必ずしも十分なものとはいえない。同様な問題は、自動
変速機をはじめとする出力軸を有する車両の各機構部に
おいても生じている。
【0003】これに対し、回転軸部材に作用するトルク
を直接検出するようにしたトルク検出装置として、トル
ク負荷による回転軸部材のねじれ角を測定し、そのねじ
れ角からトルクを求めるトルク検出装置が、従来より広
く知られている。より具体的には、測定対象である回転
軸部材に少なくとも2つのロータリーエンコーダを配設
したものが知られている。すなわち、個々のエンコーダ
からの検出信号の位相差Δtからねじれ角を求め、トル
クに換算するというものである。
【0004】上記エンコーダの種類としては、光学的手
段を用いたもの、磁気的手段を用いたものがある(例え
ば特開昭62−239031号公報には磁気式エンコー
ダを配設したものが開示されている)が、これらを自動
車用等のトルク検出装置に適用するには、いずれの手段
も、ねじれ角を検出するために回転軸部材にスリット、
歯車等を設ける必要があり、装置が大きく重くなるとと
もに構造上組付けの精度を要し、また回転軸部材にねじ
れ歪が残留して蓄積されると2つのエンコーダの相対位
置が徐々にずれてしまい、トルク検出精度が経時劣化す
るという問題がある。
【0005】このような問題を解決するため、次のよう
なトルク検出装置が考えられる。すなわち、回転軸部材
の周面上に磁気記録層を形成し、この磁気記録層と対向
するように回転軸部材の周面に近接して該回転軸部材の
軸線方向に所定間隔をおいて1組の磁気ヘッドを配置
し、これら各磁気ヘッドを介して磁気記録層に位置信号
を記録するとともに再生し、各磁気ヘッドからの再生位
置信号相互間の位相差を検出し、この位相差をねじれ角
に換算して回転軸部材に作用するトルクを算出するトル
ク検出装置が考えられる。このようなトルク検出装置を
用いれば、磁気記録層に記録された位置信号は適宜その
書換えが可能であることから、上記問題を解決すること
ができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ト
ルク検出装置を自動車の動力伝達軸等のトルク検出に実
際に適用するためには、トルクの検出精度等に関わる別
の問題を解決しなくてはならない。
【0007】まず、記録および再生時の信号強度を十分
に得るために、磁気ヘッドと磁気記録層との間隙をでき
るだけ小さく、できれば接触させる必要がある。しかし
ながら、磁気ヘッドと磁気記録層とが接触すると、磁気
記録層が摩耗しやすく、最悪の場合磁気記録層が剥がれ
てしまい、トルク検出装置として全く機能できなくな
る。仮に、ぎりぎりで接触しないように上記間隙を取っ
たとしても、車両の振動などのために瞬時的に磁気ヘッ
ドが磁気記録層に接触してしまう可能性がある。
【0008】また、磁気ヘッドと磁気記録層の間隙が回
転軸部材周上で変動すると記録・再生時の信号強度が大
きく変動してしまう。
【0009】さらに、磁気記録層の記録信号の周波数特
性等のために、回転軸部材の回転速度が一定であっても
記録する信号によりその記録、再生特性が変化し、トル
ク検出精度に関わる磁気記録層上の信号の位相差検出精
度に影響する。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、小型で簡単な構成で、取付作業や経年変
化によりトルク検出誤差が生じるのを防止することので
き、しかも高いトルク検出精度を得ることができるトル
ク検出装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトルク検出
装置は、回転軸部材の周面上に磁気記録層を形成し、こ
の磁気記録層を利用した位置信号の記録再生でトルク検
出を行うことにより、小型で簡単な構成のトルク検出装
置を実現するとともに取付作業によるトルク検出誤差を
なくし、また、適宜記録更新可能として経年変化による
トルク検出誤差を修正できるようにし、さらに、回転軸
部材の周面上の磁気記録層をプラズマ溶射により形成す
ることにより、より高いトルク検出精度を得ることがで
きるようにしたものである。
【0012】すなわち、請求項1に記載したように、回
転軸部材に作用するトルクを検出するトルク検出装置で
あって、前記回転軸部材の周面上にプラズマ溶射により
形成された磁気記録層と、この磁気記録層と対向するよ
うに前記回転軸部材の周面に近接して該回転軸部材の軸
線方向に所定間隔をおいて配置された第1および第2磁
気ヘッドと、これら各磁気ヘッドを介して前記磁気記録
層に位置信号を記録する記録手段と、前記各磁気ヘッド
を介して位置信号を再生する再生手段と、この再生手段
により再生された前記各磁気ヘッドからの位置信号相互
間の位相差を検出する位相差検出手段と、この位相差検
出手段により検出された位相差に基づいて、前記回転軸
部材に作用するトルクを算出するトルク算出手段と、を
備えてなることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の作用および効果】上記構成に示すように、回転
軸部材の周面上に形成された磁気記録層に、該回転軸部
材の軸線方向に所定間隔をおいて配置された1組の磁気
ヘッドを介して位置信号を記録し、そして、各磁気ヘッ
ドにより再生された位置信号相互間の位相差を検出し、
この検出された位相差に基づいて、回転軸部材に作用す
るトルクを算出するようになっているので、つまり、回
転軸部材の周面を利用して位置信号を記録再生すること
によりトルク検出を行うようになっているので、従来の
ように、トルク検出のために回転軸部材に機械加工や表
面処理を施したりスリップリング等の余分な機構部品を
付加する必要がない。
【0014】したがって、本発明によれば、小型で簡単
な構成のトルク検出装置を実現することができるととも
に取付作業や経年変化によるトルク検出誤差をなくすこ
とができる。また、回転軸部材に生じるねじれ残留歪に
より両磁気ヘッド間で初期位相にずれが生じても、記録
の更新が可能であるため、このずれを容易に修正するこ
とができる。
【0015】しかも、上記構成に示すように、回転軸部
材の周面上の磁気記録層がプラズマ溶射により形成され
ているが、このプラズマ溶射においては、プラズマガス
により溶融せしめられた磁性粒子が回転軸部材の周面上
に高速で飛散せしめられることから、この磁性粒子が回
転軸部材の周面部を形成する下地層粒子と互いに溶け合
った複合層が形成され、さらに、この複合層の上に磁性
層(磁気記録層)が形成されることとなる。
【0016】これら下地層、複合層および磁性層各々の
境界は漸次遷移するような状態に形成されるため、磁性
記録層の密着強度は大きく、磁気ヘッドの接触にともな
う摩耗や剥離はなく、磁気ヘッドと磁気記録層との間隙
を接触、あるいはそれに近い状態にすることができる。
【0017】また、プラズマ溶射による磁気記録層形成
後に磁気記録層を含めた回転軸部材の加工が可能となる
ため、面出し加工が可能となり、磁気ヘッドと磁気記録
層の間隙を周上で一定に保つことができる。
【0018】プラズマ溶射により形成された磁気記録層
は、それを構成する磁性材料、膜厚、その下地層を構成
する材料の特性等により、例えば図1のグラフに示すよ
うに、記録時の信号周波数特性等が影響を受けるが、こ
の影響は一意的で、かつ、経時変化がない。したがっ
て、例えば書き込み周波数fo 以下の範囲内で記録・再
生することで記録周波数によらない一定した強度の信号
を得ることができる。また、仮に、書き込み周波数fo
以上で行う必要がある場合には、対応する特性で補正を
かけることも可能である。
【0019】このように、プラズマ溶射により形成され
た磁性層からなる磁気記録層への記録およびその再生出
力は、安定し、かつ、向上し、それに伴いトルク検出の
精度も向上する。
【0020】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら、本発明の実
施例について説明する。
【0021】図2は、本発明に係るトルク検出装置の第
1実施例を示す概要構成図である。
【0022】このトルク検出装置は、回転軸部材10
(例えば自動者用自動変速機の出力軸)に作用するトル
クを検出するトルク検出装置であって、回転軸部材10
の外周面上の2箇所にリング状に形成された磁気記録層
12a、12bと、これら磁気記録層12a、12bと
対向するように回転軸部材10の外周面に近接して該回
転軸部材10の軸線方向に所定間隔Lをおいて配置され
た第1および第2磁気ヘッド14a、14bと、これら
各磁気ヘッド14a、14bを介して回転軸部材10に
位置信号を記録する記録回路16(記録手段)と、各磁
気ヘッド14a、14bを介して位置信号を再生する増
幅器22、フィルタ24および波形整形回路26(再生
手段)と、これらにより再生された位置信号相互間の位
相差を検出する位相差検出回路18(位相差検出手段)
と、この位相差検出回路18により検出された位相差に
基づいて回転軸部材10に作用するトルクを算出するト
ルク演算回路20(トルク算出手段)とを備えてなって
いる。
【0023】回転軸部材10はアルミニウム製であっ
て、図の左端において図示しない駆動源に、右端におい
て負荷にそれぞれ連結されている。各磁気記録層12
a、12bは、磁性材料としてマグネタイト(Fe3
4 )を用いて、プラズマ溶射により、アルミニウムを下
地層とする膜厚170μmの層に形成されている。これ
ら磁気記録層12a、12bの記録信号の周波数特性
は、図3に示すようになっている。第1および第2磁気
ヘッド14a、14bは、いずれも記録再生用の誘導型
の磁気ヘッドであって、図示しないハウジングに固定さ
れている。本実施例においては、回転軸部材10と各磁
気ヘッド14a、14bとのクリアランスは20μmで
ある。これら磁気ヘッド14a、14bは記録回路16
および増幅器22に接続されており、増幅器22はさら
にフィルタ回路24および波形整形回路26を経て位相
差検出回路18に接続されている。記録回路16は、周
波数2.0kHzまでの連続波形信号により位置信号を
記録するようになっている。
【0024】次に、本実施例の作用について説明する。
【0025】回転軸部材10が負荷から解放され一定回
転数No で回転している際に、記録回路16は所定の周
波数fo の記録用信号を発生させて両磁気ヘッド14
a、14bに同時に送り、それぞれの磁気ヘッド14
a、14bを介して回転軸部材10上に同位相の位置信
号を記録させる。本実施例においては、図3に示すよう
に記録信号周波数fo =2.0kHzであることから、
記録回路16が出力する連続波形信号で、一定した位置
信号の記録および再生が可能となる。
【0026】この後、回転軸部材10に負荷(トルク)
が加わった状態において、各磁気ヘッド14a、14b
を介して各磁気記録層12a、12bに記録されている
位置信号を再生し、これらの再生信号Sa1およびSb1
(図4)がそれぞれ増幅器22に入力される。増幅器2
2に入力された信号は該増幅器22において増幅された
後フィルタ回路24において高周波ノイズをカットさ
れ、さらに波形整形回路26において矩形波信号Sa2お
よびSb2(図4)に波形整形されて位相差検出回路18
に送出される。波形整形回路26では、記録時の信号周
波数特性に依存することなく、回転軸部材10の回転速
度に応じてトリガレベルを設定して波形整形を行う。位
相差検出回路18においては、Sa2およびSb2両信号の
周波数fとそれぞれの信号の位相差(パルス幅)Δtを
検出し、トルク演算回路20においては、これら周波数
f(=1/T)および位相差Δtに基づき、式(1) に従
い回転軸部材10に加わったトルク値Trを算出する。
【0027】 Tr=π2 Gd4 ・Δt・(f/fo )・No /16L (1) ここで、Gは回転軸部材10の横弾性係数、dは回転軸
部材10の直径である。
【0028】なお、本実施例においては、回転軸部材1
0に記録する位置信号として連続波形信号用いたが、こ
れに限られるものではなく、位相差Δtを精度良く検出
できる信号であればその波形形状の如何を問うものでは
なく、パルス状波形信号であってもよい。パルス状波形
信号とする場合には、パルス幅500μsecとすれ
ば、上記記録信号周波数fo =2.0kHzに対応させ
ることができる。
【0029】また、記録再生に用いる2つの磁気ヘッド
12a、12bの設置位置は図1に示すように両ヘッド
を揃えて配置する必要はなく、一方の磁気ヘッドに対し
て他方の磁気ヘッドを回転軸部材10の円周方向にずれ
た位置に配置することも可能である。
【0030】さらに、本実施例においては、回転軸部材
10の外周面上の2箇所に磁気記録層12a、12bが
形成されているが、両磁気記録層12a、12bを連続
して一体で形成してもよいことはいうまでもない。
【0031】以上説明したように、本実施例に係るトル
ク検出装置によれば、回転軸部材10の周面を利用して
位置信号を記録再生することによりトルク検出を行うよ
うになっているので、従来のように、トルク検出のため
に回転軸部材10に機械加工や表面処理を施したりスリ
ップリング等の余分な機構部品を付加する必要がなく、
また、回転軸部材10に生じるねじれ残留歪により両磁
気ヘッド間14a、14b間で初期位相にずれが生じて
も、記録の更新が可能であるため、このずれを容易に修
正することができる。したがって、小型で簡単な構成の
トルク検出装置を実現することができるとともに取付作
業や経年変化によるトルク検出誤差をなくすことができ
る。
【0032】しかも、回転軸部材10の周面上の磁気記
録層12a、12bがプラズマ溶射により形成されてい
るが、このプラズマ溶射においては、プラズマガスによ
り溶融せしめられた磁性粒子が回転軸部材の周面上に高
速で飛散せしめられることから、この磁性粒子が回転軸
部材の周面部を形成する下地層粒子と互いに溶け合った
複合層が形成され、さらに、この複合層の上に磁性層
(磁気記録層)が形成されることとなる。
【0033】これら下地層、複合層および磁性層各々の
境界は漸次遷移するような状態に形成されるため、磁性
記録層12a、12bの密着強度は大きく、磁気ヘッド
の接触にともなう摩耗や剥離はなく、磁気ヘッド14
a、14bと磁気記録層12a、12bとの間隙を接
触、あるいはそれに近い状態にすることができる。
【0034】また、プラズマ溶射による磁気記録層形成
後に磁気記録層12a、12bを含めた回転軸部材10
の加工が可能となるため、面出し加工が可能となり、磁
気ヘッド14a、14bと磁気記録層12a、12bの
間隙を周上で一定に保つことができる。
【0035】プラズマ溶射により形成された磁気記録層
12a、12bは、それを構成する磁性材料、膜厚、そ
の下地層を構成する材料の特性等により、記録時の信号
周波数特性等が影響を受けるが、この影響は一意的で、
かつ、経時変化がない。したがって、例えば書き込み周
波数fo までの範囲内で記録・再生することで記録周波
数によらない一定した強度の信号を得ることができる。
また、仮に、書き込み周波数fo 以上で行う必要がある
場合には、対応する特性で補正をかけることも可能であ
る。
【0036】このように、プラズマ溶射により形成され
た磁性層からなる磁気記録層12a、12bへの記録お
よびその再生出力は、安定し、かつ、向上し、それに伴
いトルク検出の精度も向上する。
【0037】図5は、本発明に係るトルク検出装置の第
2実施例を示す概要構成図である。
【0038】本実施例に係るトルク検出装置は、第1実
施例に係るトルク検出装置の構成に対して、磁気ヘッド
14a、14bから増幅器22(図示せず)、フィルタ
回路24(図示せず)、波形整形回路26、位相差検出
回路18およびトルク演算回路20に至るトルク検出回
路については同様の構成であるが、第1磁気ヘッド14
aに対向する磁気記録層12aに予め位置信号が記録さ
れている点、第2磁気ヘッド14bが位置信号記録専用
ヘッド14b1と位置信号再生専用ヘッド14b2とから
なる点、磁気記録層12aに記録された位置信号に対し
て磁気記録層12bに記録される位置信号の位相差が所
定値となるよう記録回路16を制御する制御手段28を
備えている点で異なる。
【0039】本実施例においては、磁気記録層12aに
予め位置信号が記録されているので、磁気ヘッド14a
は位置信号再生専用で足りるが、この磁気ヘッド14a
とは別に、再生専用の磁気ヘッド30が磁気記録層12
aと対向するようにして設けられている。記録回路16
は、この磁気ヘッド30と、この磁気ヘッド30を介し
て再生された位置信号を矩形化する波形整形回路32
と、矩形化された位置信号の移相を行う移相器34と、
この移相器34を通った位置信号を電力増幅して位置信
号記録専用ヘッド14b1へ出力する電力増幅器36と
からなっている。
【0040】制御手段28は、位相差検出回路18によ
り検出された位相差Δtおよび周期Tから、Δt・36
0/Tの演算式により位相差を電気角として求める位相
演算部38と、この位相演算部38からの位相差信号を
所定の目標位相差と比較してこの目標位相差に近付ける
よう移相器34へ移相量制御信号を出力する移相器制御
回路40とからなている。
【0041】次に、本実施例の作用について説明する。
【0042】磁気ヘッド30および波形整形回路32に
より再生され矩形化された位置信号は、移相器34にお
いて移相器制御回路40からの移相量制御信号に基づく
遅延あるいは進みで移相された後、電力増幅器36およ
び位置信号記録専用ヘッド14b1を介して磁気記録層1
2bに記録される。こうして磁気記録層12bに記録さ
れた位置信号は、さらに、位置信号再生専用ヘッド14
b2を介して再生され、これに基づく位相差信号が移相器
制御回路40に入力される。このようなフィードバック
制御により、磁気記録層12bに記録された位置信号
(記録信号)は磁気記録層12aに記録された位置信号
(基準信号)に対して目標位相差に近付くこととなる。
【0043】次に、本実施例の効果について説明する。
【0044】磁気記録型トルク検出装置においては、片
方の磁気スケール(位置信号の集合体)の情報をもとに
もう一方の磁気スケールを随時に書き換える方法が考え
られる。これには基準とする磁気スケールからの再生信
号を増幅し、それを記録する方の磁気ヘッドに記録電圧
として供給する方法がある。この場合、基準スケールか
ら磁気ヘッドで読み出す時点で、誘導型磁気ヘッドの原
理から信号電圧は90°進むことになる。一方、この電
圧を記録側の磁気ヘッドに供給し、記録電流として記録
磁界を発生させる時点で、磁気ヘッドのリアクタンスと
抵抗損失のため信号の位相がずれる。その結果、記録さ
れた磁気スケールはこの2つの影響で基準スケールより
ある位相ずれをもった状態になる。リアクタンスと抵抗
分の影響は磁気ヘッドの特性、信号周波数によって変化
するため、書換えの際の初期位相の制御が非常に困難で
ある。
【0045】これに対し、本実施例によれば、基準スケ
ールと記録側の磁気スケールとの位相差をフィードバッ
ク信号として、記録回路16を制御して目標とする2つ
の磁気スケールの初期位相を調整することができるの
で、磁気記録による書換えの際に起こる、2つの磁気ス
ケール間の位相差をあらゆる回転状態において、精度良
く制御でき、高精度で高機能なトルク検出装置を提供す
ることができる。
【0046】本実施例においては、磁気ヘッド14aと
は別に磁気ヘッド30が設けられているが、両磁気ヘッ
ドを1つの磁気ヘッドで兼ねるようにしてもよい。
【0047】図6は、本発明に係るトルク検出装置の第
3実施例を示す概要構成図である。
【0048】本実施例に係るトルク検出装置は、第1実
施例に係るトルク検出装置の構成に加えて、回転軸部材
10が所定回転速度以下のときには、位相差検出回路1
8により検出される位相差を所定値に固定する位相差固
定手段40を備えている。この位相差固定手段40は、
ゲート回路(ANDゲート)42、積分器44、増幅器
46およびオフセット調整回路48からなっている。
【0049】また、位相差検出回路18は2つの矩形波
信号の立ち上がりあるいは立ち下がりのタイミングの時
間差に比例したパルス幅の信号を出力する回路構成にな
っている。具体的には論理回路の排他的論理和で信号出
力を行うようになっている。なお、これに代えて、立ち
下がり時のタイミングで短いパルスを発生する回路の後
段にR−Sフリップフロップ回路を接続して構成するよ
うにしてもよい。
【0050】回転軸部材10が所定回転速度以下か否か
は、第1および第2磁気ヘッド12a、12bの出力信
号の電圧を所定の設定電圧と比較して回転軸部材10の
回転無回転を判断する各電圧比較器50a、50bの判
断結果による。この回転無回転の判断結果は、設定電圧
以上では矩形波信号、それ以下では0ボルト信号が出る
ようになっている。各電圧比較器50a、50bからの
出力信号は積分器52a、52bにそれぞれ入力され、
各積分器52a、52bで矩形波信号をゲート回路42
のON状態のレベルの直流電圧に変換されるようになっ
ている。
【0051】各積分器52a、52bの出力信号は、位
相差検出回路18からの出力信号とともにゲート回路4
2に入力される。回転軸部材10が所定回転速度以上の
ときには、位相差検出回路18により検出された位相差
(パルス幅)Δtの信号S3はゲート回路42に入った
後、積分器49によってパルス幅Δtに比例した直流電
圧Vに変換される(S4)。その後、増幅器46とオフ
セット調整回路48によって、トルク値Trと直流電圧
Vの関係の調整を行う。各部の信号波形を図7に示す。
【0052】次に本実施例の作用について説明する。
【0053】一例として、無回転時の磁気ヘッド14
a、14bからのノイズ出力1mVp−pとする。この
とき、電圧比較回路50a、50bの比較電圧を調整
し、1mVp−pを回転、無回転のしきい値に設定す
る。1mVp−p以上では信号は矩形化され、積分器5
2a,52bを通してゲート回路42にON信号が出力
されることになる。
【0054】回転軸部材10がトルクを伝達して回転し
ているとき、それぞれの磁気ヘッド14a、14bから
の信号は増幅器22、フィルタ24、波形整形回路2
6、位相差検出回路18、を経てゲート回路42に入
る。一方電圧比較回路50a、50bに入った信号は各
々1mVp−p以上で、ゲート回路42にはON信号が
それぞれ入力される。この場合、位相差検出回路18の
出力がそのまま出力され、最終的にトルク値に比例した
DC電圧が出力される。
【0055】回転軸部材10が回転していないと判断さ
れる場合は電圧比較器50a,50bは点弧せず、よっ
てゲート回路42にはoff信号が入力される。このと
き位相差検出回路18からの信号にかかわらず、ゲート
回路42は論理回路のLow信号を出力することにな
る。最終的には、増幅器46とオフセット調整回路48
で設定した無回転時の値になる。
【0056】次に本実施例の効果について説明する。
【0057】磁気記録型トルク検出装置においては、2
つの磁気ヘッドからの再生信号の相対的に位相ずれを検
出するために、電圧比較器を用いて信号を矩形化するこ
とが考えられる。この場合、位相を正確に検出するため
に、信号のグランドレベル(0V)で点弧をするような
電圧比較器を用いた構成にする必要があるが、このよう
にすると、トルク検出部分の回転軸部材の回転が無いと
きに電気的なインピーダンスの高い磁気ヘッドがノイズ
信号を発生してしまい、これが前述のゼロボルト電圧比
較器を点弧させてしまう。したがってノイズ信号によっ
て最終的に誤ったトルク電圧が出力されてしまう。つま
り回転軸部材が回転しないようなトルクを計測できない
ときにも誤った出力がでてしまうことになる。
【0058】ところで、誘導型磁気ヘッドでは、電磁誘
導効果から起電力を得ている。よって磁束の変化の速さ
に比例して再生電圧の大きさは増加する。磁気記録型ト
ルク検出装置の場合、回転軸部材上の磁気記録層に記録
された位相情報(エンコーダパターン)を2つの磁気ヘ
ッドで再生するが、この信号電圧は回転軸部材の回転速
度の大きさにほぼ比例して増加する。
【0059】本実施例では、磁気ヘッド14a、14b
からの出力電圧の大きさを用いて回転軸部材10の回転
の状態を判断する。磁気ヘッド14a、14bからの信
号電圧(交流信号の絶対値)が磁気ヘッド14a、14
bが発生するノイズレベルの大きさよりも大きくなると
ころにスレッショルドレベルを設定して、これにより回
転軸部材10の回転、無回転を決める。この信号をもと
に回転軸部材10が回転していないという場合にはトル
クの出力をある所定の値にリセットする位相差固定手段
40を構成する。
【0060】磁気記録型トルク検出装置は駆動軸等が停
止しているときのトルク値は計測できない。しかし、磁
気ヘッドからの信号を高利得に増幅することによって極
低回転時の計測まで可能であるが、この場合に駆動軸が
静止しているときにはノイズ信号も増幅してしまい誤っ
たトルク信号を出力してしまう。
【0061】本実施例の構成では、静止状態ではないが
トルクを計測できる回転数の下限を決めることにより、
それ以下のトルク出力を所定の値(ゼロ)、それ以上は
正常な値にすることができる。
【0062】また、本実施例によれば、磁気ヘッド14
a、14bどれか片方でも故障して信号出力がでなくな
った際に、電圧比較器50a、50bとゲート回路42
によりトルク出力が無回転時の所定の出力になる。よっ
て回転軸部材10がある程度回転しているときに、所定
の出力になった場合は磁気ヘッド12a、12bが故障
しているか、信号ケーブルの断線と判断することができ
る。つまり、磁気ヘッド12a、12b、信号ケーブル
の故障を判断の指標とすることができる。
【0063】なお、上記各実施例において、図8に示す
ように、第1および第2磁気ヘッド14a、14bを、
単一のハウジング60に固設するようにしてもよい。こ
のようにすることにより、曲げ・ねじり等の力がハウジ
ング60に及ぶ状況においても、磁気ヘッド14a、1
4bの相対位置関係に影響を受けることがなく、回転軸
部材10に発生するトルクを精度良く検出することがで
きる。
【0064】また、上記各実施例において、図9に示す
ように、第1および第2磁気ヘッド14a、14bを、
記録時にそのトラック幅を広く使用し(図中Bで示
す)、再生時に狭く使用する(図中Aで示す)ように構
成された磁気ヘッド(W/Nヘッド)としてもよい。こ
のようにすることにより検出部に振動が発生する場合に
おいても、その影響を受けて信号のムラ、欠落を起こす
ことがなく、位置信号を精度良く記録再生することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を示すグラフ
【図2】本発明に係るトルク検出装置の第1実施例を示
す概要構成図
【図3】第1実施例の作用を示すグラフ
【図4】第1実施例の作用を示す、位置信号再生時の波
形図
【図5】本発明に係るトルク検出装置の第2実施例を示
す概要構成図
【図6】本発明に係るトルク検出装置の第3実施例を示
す概要構成図
【図7】第3実施例の作用を示す、位置信号再生時の波
形図
【図8】上記各実施例における磁気ヘッドの配設例を示
す図
【図9】上記各実施例における磁気ヘッドの構成例を示
す図
【符号の説明】
10 回転軸部材 12a、12b 磁気記録層 14a 第1磁気ヘッド 14b 第2磁気ヘッド 14b1 位置信号記録専用ヘッド 14b2 位置信号再生専用ヘッド 16 記録回路(記録手段) 18 位相差検出回路(位相差検出手段) 20 トルク演算回路(トルク算出手段) 22 増幅器(再生手段) 24 フィルタ(再生手段) 26 波形整形回路(再生手段) 28 制御手段 40 位相差固定手段 50a、50b 電圧比較器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸部材に作用するトルクを検出する
    トルク検出装置であって、 前記回転軸部材の周面上にプラズマ溶射により形成され
    た磁気記録層と、 この磁気記録層と対向するように前記回転軸部材の周面
    に近接して該回転軸部材の軸線方向に所定間隔をおいて
    配置された第1および第2磁気ヘッドと、 これら各磁気ヘッドを介して前記磁気記録層に位置信号
    を記録する記録手段と、 前記各磁気ヘッドを介して位置信号を再生する再生手段
    と、 この再生手段により再生された前記各磁気ヘッドからの
    位置信号相互間の位相差を検出する位相差検出手段と、 この位相差検出手段により検出された位相差に基づい
    て、前記回転軸部材に作用するトルクを算出するトルク
    算出手段と、を備えてなることを特徴とするトルク検出
    装置。
  2. 【請求項2】 前記記録手段により記録される位置信号
    が連続波形信号である、ことを特徴とする請求項1記載
    のトルク検出装置。
  3. 【請求項3】 前記記録手段により記録される位置信号
    がパルス状波形信号である、ことを特徴とする請求項1
    記載のトルク検出装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録層の前記第1磁気ヘッドに
    対向する部分に記録された位置信号に対して、前記第2
    磁気ヘッドを介して記録される位置信号の位相差が所定
    値となるよう、前記記録手段を制御する制御手段を備え
    ている、ことを特徴とする請求項1、2または3記載の
    トルク検出装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録層の前記第1磁気ヘッドに
    対向する部分に、予め位置信号が記録されている、こと
    を特徴とする請求項4記載のトルク検出装置。
  6. 【請求項6】 前記第2磁気ヘッドが、位置信号記録専
    用ヘッドと位置信号再生専用ヘッドとからなる、ことを
    特徴とする請求項4または5記載のトルク検出装置。
  7. 【請求項7】 前記回転軸部材が所定回転速度以下のと
    きには、前記位相差検出手段により検出された位相差を
    所定値に固定する位相差固定手段を備えている、ことを
    特徴とする請求項1から6いずれかに記載のトルク検出
    装置。
  8. 【請求項8】 前記第1および第2磁気ヘッドの少なく
    ともいずれか一方の出力信号に基づいて前記回転軸部材
    の回転無回転を判断する回転状態検出手段を備えてい
    る、ことを特徴とする請求項7記載のトルク検出装置。
  9. 【請求項9】 前記回転状態検出手段が、所定の設定電
    圧を基準として前記回転軸部材の回転無回転を判断する
    電圧比較器からなる、ことを特徴とする請求項8記載の
    トルク検出装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006214773A (ja) * 2005-02-01 2006-08-17 Toyota Motor Corp 車両のトルク検出装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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