JPH0724779B2 - マイクロピペット先端部材およびその使用方法 - Google Patents

マイクロピペット先端部材およびその使用方法

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JPH0724779B2
JPH0724779B2 JP62198358A JP19835887A JPH0724779B2 JP H0724779 B2 JPH0724779 B2 JP H0724779B2 JP 62198358 A JP62198358 A JP 62198358A JP 19835887 A JP19835887 A JP 19835887A JP H0724779 B2 JPH0724779 B2 JP H0724779B2
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    • B01L3/02Burettes; Pipettes
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はピペット先端部材、特に到達困難な場所に使用
する低コストの医用マイクロピペット先端部材およびそ
の使用方法に関するものである。
従来技術の医用ピペット先端部材は第1〜4図に示す通
りのものであり、合成樹脂材料製の低コストで本質的に
硬いピペット先端部材で、このピペット先端部材は横方
向の寸法が比較的大きくかつ長さが限定されている。第
1〜4図に示すタイプの従来技術のピペット先端部材を
使用して、試験管、バイアル(vial)などから高価な抽
出液を完全に排出することは不可能である。従来、低コ
スト医用マイクロピペット先端部材の先端を延長し細く
して可撓性を付与し大きさを著しく小さくしようとする
試み、および例えば細い内部通路にひだができたり、山
形折目ができたり、その他の理由でこの通路がふさがれ
ることによって操作性を損なうことなく、到達困難な場
所の抽出液を容易に抜き取れるようにしようとする試み
が行われたが、成功を収めていない。例えば、第1図に
示すタイプの従来技術の低コスト先端部材の先端を熱延
伸しても操作不能で医用に使用できない細長いマイクロ
ピペット先端部材が生成するにすぎない。また、複雑で
高価な装置も提案されたが、これは興味を引く程度のも
のであるにすぎない。
本発明は到達困難な場所に使用する低コストの医用マイ
クロピペット先端部材およびこれに関連する方法に関す
るものである。本発明の好適例において、マイクロピペ
ット先端部材の先端部または末端部は従来技術と比較し
た場合に著しく細長く、極めて薄く、かつ可撓性に富
み、しかも閉塞を起こさない。従って、末端流入/流出
口を設けて、生物学的電気泳動に使用される近接して配
置した試験用プレートの間のような到達困難な場所にお
ける生物学的抽出液を受け取ったり排出すること、ある
いは残留量の極めて高価な生物学的抽出液を収容する試
験管およびバイアルの通常接近不可能な最低領域に閉塞
を起こすことなく直接又は弓形になって生物学的抽出液
を受取ったり排出することもできる。
本発明の第1の目的は新規なピペット先端部材およびこ
れに関連する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は到達困難な場合に使用する新規な低
コスト医用マイクロピペット先端部材およびこれに関連
する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は到達困難な場所に使用され、末端部
が可撓性で、細長く、極めて薄いが、閉塞を起こさない
独特で新規なマイクロピペット先端部材を提供すること
にある。
本発明の他の目的は、マイクロピペット先端部材内の内
部流れ通路が閉塞を起こすことなく、通常接近不可能で
到達困難な場所における生物学的抽出液を受け取るため
の末端流入口を設けることができる新規な医用マイクロ
ピペット先端部材を提供することにある。
医学分野において種々の形態の溶液試験を行うことはあ
りふれたことであり、この際ピペット先端部材を使用し
て容器または閉じ込められた場所から既知量の溶液を取
り出し、次いでピペット先端部材から医学的処理のため
に種々のタイプの試験装置に入れる。このような溶液ま
たは抽出液は一般に高価である。従って、このような抽
出液をむだにしないことは極めて重要である。例えば、
遺伝子を含有するRNA抽出液およびDNA抽出液はいずれも
遺伝子を含有しており、患者から血液を抜き取ることに
より得られる。このような抽出液はピペット先端部材を
使用してビーカー、バイアルまたは試験管のよな容器ま
たは閉じ込められた場所から取り出し、指示通り処理す
る。常にではないにしても時としては抽出液の試験方法
は電気泳動技術を含む。
従来技術のピペット先端部材を使用して容器または閉じ
込められた場所からこのような抽出液のすべてあるいは
実質的にすべてに到達したりこれを取り出したりするこ
とは不可能ではないにしても困難であった。従来技術の
ピペット先端部材の硬さおよび限定された長さは、この
ような先端部材を使用して容器または閉じ込められた場
所からこのような抽出液を完全に排出することを不可能
にしている。従って、重大な経済的なむだがこのような
無能力のために起こっている。
ピペット先端部材の末端部の長さを延長して到達困難な
場所、例えば、残留抽出液が存在する場所に一層近づく
ようにしようという試みは失敗であった。。例えば、従
来のピペット先端部材を熱延伸した場合には、使用中ピ
ペットの内部流れ通路が閉塞する。根本問題は従来技術
では曲線形態に変位することができる細長い極めて薄い
末端部を有すると同時に末端ピペット壁が構造上の一体
性を保持していてピペット先端部材内の流れ通路の閉塞
を阻止することができる医用マイクロピペット先端部材
を成形あるいは他の方法で製造することができないこと
にある。
本発明においては、高価な残留抽出液が残っている遠く
て従来近接不可能であった区域への到達を可能にする高
度の可撓性を有し、極端な曲線位置に置かれた場合でも
ひだの形成、腰折れなどを防止できる構造上の一体性を
有する極めて薄く細長い末端部を具え、この末端部にお
いてピペットの中空内部に沿った流体流れ流路が閉塞さ
れない医用マイクロピペット先端部材を提供することに
より、上述の長期間にわたる問題を解決することができ
た。
次に本発明を図面を参照して例について説明する。図面
において同様な部材には同じ番号を使用した。
第1〜4図は医学的抽出液を貯蔵場所から試験装置に取
り出すのに使用されている従来技術のピペット先端部材
を示す。第1図の従来のピペット先端部材を20で示す。
ピペット先端部材20は近接端部22および末端部24を具え
る。近接端部22は近接口26および隣接する封鎖リング28
を有し、これにより先端部材20をいくつかの従来の支持
具のうちの任意の一つに取り付けて使用する。
代表的な例では、複数個のピペット先端部材20を互いに
離間させて同一の支持構造体によって支持すると同時に
一列の試験管のような独立容器にそれぞれ挿入して抽出
液を取り出す。次いで、ピペットに入っている抽出液を
一列のピペット先端部材から現在の医学的試験技術に準
拠して接近した独立の試験位置に同時は排出する。
先端部材20の近接端部22は平滑な円形内側胴部30を有
し、該胴部は後方から前方に(第1図でみて左から右
に)本質的に均一に収斂するように先細になっている。
末端部22の通常の壁厚は25.4mm(1インチ)の約20/100
0程度である。近接端部22は長手方向の露出した外部リ
ブ32を有し、これは強度を付与する。ピペット先端部材
20の外表面は肩部34において環状に段が付いている。
平滑な先細内部30は近接端部22においてピペット先端部
材20内の流れ通路となり、この先細内部30は内側環状み
ぞ36によってさえぎられている。ピペット先端部材20の
製造原料としてはポリプロピレンのような合成樹脂材料
があり、この材料は好ましい形態では透明またはほぼ透
明である。従って、溝36は先端部材20の外部からその壁
を経て容易に目で見ることができる。抽出液をピペット
先端部材20に吸い込む過程で、作業者は、抽出液の上側
レベルが溝36に達したことが目で確認された際に、所望
の所定量の抽出液がピペット先端部材20の中空内部内に
収容されていることが分かる。近接端部22の表面38に沿
う外表面は内表面30と本質的に同じ割合で先細になって
いる。
またピペット先端部材20は硬い末端部24を有し、この末
端部24は肩部34から末端縁40まで延在する。末端縁40は
図示するように鈍くする、すなわち先端部材20の軸線方
向の中心線に垂直な平面内に全体が配置されている。ピ
ペット先端部材20の末端24は表面42および44においてそ
れぞれ内側および外側が均一に先細になっている。壁厚
は末端部24の長さ全体にわたって一定であり、大きく折
れたり、曲がったり、曲線状になり得ない性質を有す
る。
従って、第1図のピペット先端部材20を使用し、これを
適当な従来装置に取り付けて第3図および第4図に示す
ように試験管およびビーカーから抽出液を取り出すこと
ができる。従来の抽出液用試験管50に関し、ピペット先
端部材20を使用する取出方法の制約は、第3図に示すよ
うに、抽出液52をピペット先端部材20内に抜き取る操作
が終了した時点で、残留量の抽出液52が試験管50の下部
の長さ54にわたって残ることである。同様に、ピペット
先端部材20を使用する取出プロセスが完了した際に残留
量の抽出液52がビーカーまたはバイアル内にある深さ58
まで残る(第4図)。この結果、高価な抽出液がむだに
なり、これが当業界において長期間にわたる問題になっ
ており、未だ解決されていない。
今述べた問題およびこの問題を解決しようとする従来の
むだな努力の結果として、従来近接できなかった場所に
とどいて収容または閉じ込められている抽出液を実質的
にすべて取り出して役に立たない廃物が生じるのを防止
することができる低価格で極めて薄く細長い使い捨て医
用マイクロピペット先端部材を提供することは長い間不
可能であると考えられてきた。
本発明の第1の目的は上述の長年の問題を解決すること
にある。
本発明の好適例であるピペット先端部材60を第5図に示
す。ピペット先端部材60は第5図の左から右に位置62ま
で延在する。この先端部材60は、末端胴部が著しく長く
なっていて極めて薄く細長い一体の延長部64を有してい
る点を除けば、先に説明した第1〜4図に示すピペット
先端部材20と同じである。先端部材60の位置62は肩部34
から先端部材20の端縁40と同じ距離に位置する。図示す
るように、ピペット先端部材60は延長部64を除けばピペ
ット先端部材20と同じであり、第5〜8図には第1〜4
図と同じ番号が付けられているので、さらに説明を加え
る必要がないと考える。
細長い延長部64は射出成形技術を使用して先端部材60の
残部と一体に形成される。この際あとで詳述する製造工
程を使用するのが好ましい。対比して説明すると、末端
部24の壁厚は代表的な例では25.4mm(1インチ)の15/1
000〜20/1000の範囲であって著しく硬いが、先細端縁66
で終端する延長部64の壁厚は中央通路68の閉塞を防止す
るのに十分な壁の一体性と共に適当な可撓性を提供する
ために25.4mm(1インチ)の4/1000〜10/1000の範囲と
することが必要である。端縁66にテーパを付けたことに
より、そうでない場合に表面摩擦によって留保される抽
出液を離れ易くすることができることが分かった。本発
明においては、中央通路68の直径は25.4mm(1インチ)
の10/1000〜20/1000の範囲内にすることが必要であるこ
とを見出した。また、延長部64は25.4〜38.1mm(1〜1
1/2インチ)程度の長さにする必要があるが、先端部材6
0の残部の長さは代表的な例では50.8mm(2インチ)で
ある。
普通ピペット先端部材60の射出成形には細長いコアを使
用する。従来のコア形成技術では普通コアを所要直径ま
で研削する必要がある。しかし、従来のコア形成用研削
技術では、直径が25.4mm(1インチ)の15/1000程度で
あるピペット流れ通路を射出成形できる末端コア部を有
するコアを製造することができないことが分かった。本
発明のピペット先端部材の製造は新規なコア形成技術を
使用することによって可能になった。
第15図には、本発明の医用マイクロピペット先端部材60
の製造に使用する好ましいコア80′を示す。コア80′は
円筒形基部82′および最初の先細部84′を有し、該先細
部84′のテーパ角度は2度08分であるのが好ましい。こ
の先細部84′には環状突起86′が一体に取り付けられ、
環状突起86′はさらに先細部88′と合体し、先細部88′
のテーパ角度は2度43分であるのが好ましい。
先細部88′はピペット先端部材60の位置62に相当する位
置90′で終端する。位置90′はコア80′の上述の部分の
端部におけるペーパー仕上げして磨いた銀ろう位置を含
む。銀ろう位置90′は従来のぬい針92′と一体に合体し
ており、このぬい針92′の均一な直径は例えば25.4mm
(1インチ)の15/1000である。コア80′と一体の部分
となっているぬい針92′を使用することによって、驚く
べきことには、問題を解決することができる本発明のピ
ペット先端部材を製造することができる。
針92′を除くコア80′の残部は射出成形装置内で使用す
る場合には耐食性を示すステンレス鋼から製造するのが
好ましい。針92′は可撓性であるのでコア80′の針部分
は独立した自己心出しができない。本発明においては、
中心点に収斂する先細露出表面97を有する心出し衝合部
95を設け、コア80′がその射出成形射出に往復動する際
にコア80′の先端部94が心出し衝合部95に挿入されて、
コア80′の全体が正確に軸線方向に一線に整列されるよ
うにする必要がある。なお、衝合部95には射出成形プロ
セス中にコアの周りから空気が排出される十分な空間を
存在させる。
本発明においては、高融点および易流動特性を有する樹
脂が延長部64の極めて薄い壁を形成するのに不可欠であ
ることが分かった。また、射出成形によって医用マイク
ロピペット先端部材60が形成された後では、これを形成
している樹脂が使用中耐久性であることが重要である。
先端部材60はヒモント(Himont)社から入手できるポリ
プロピレンPD701N(商品名)から作るのが好ましいが、
他の適当な樹脂も使用することができる。樹脂に対する
添加剤としてステアリング酸カルシウムを使用して射出
成形プロセスにおいて金型キャビティ中への流れ特性を
改善することができる。
ピペット先端部材60は化学試験用実験室で普通に使用さ
れる種々の装置に嵌着できる構造にする。先端部材の口
は小容積を極めて正確にピペットで移すことができ、か
つ抽出液が先端部材の外側に付着するのを防止できるよ
うに設計する。
使用時には、第7図および第8図に示すように、適当な
抜取装置46にピペット先端部材60を取り付け、可撓性延
長部64が試験管またはバイアルの底に強制的に接触させ
られかつ曲線状に撓むまで先端部材60を試験管50または
バイアル56に挿入すると、通路68の末端部開口は液体の
頂面レベルに対して本質的に水平になり、容器の底に存
在するRNA,DNAなどの抽出液を実質的にすべて抜き取る
ことができる。
使用者はピペット先端部材の先端をほぼ水平位置まで90
°にわたって押圧することができ、これによりピペット
は容器の底から抽出液を実質的にすべて吸い込むことが
でき、これは容器が試験管50のような比較的長い小直径
の試験管であるか、容器56のようなビーカーまたはバイ
アルであるかには関係がない。
通路68の内径が延伸処理されていないことは通路68の毛
管特性にとって有用であり、この毛管特性は実験室にお
ける試験にとって必要である極めて小さい(ultra micr
o)容積の抽出液試料の分配を助ける。この容積は代表
的な例では0.5〜50μlである。
第9図に示す本発明の第2の好ましい医用マイクロピペ
ット先端部材80は、先に説明した第5図に示すピペット
先端部材60をさらに加工することにより製造するのが好
ましい。
マイクロピペット先端部材80は、ダックビル(すなわ
ち、あひるのくちばし状の)末端領域82を除けば、従来
のマイクロピペット先端部材60と同じであり、第9〜12
図におけると同じ符号を使用したので、さらに説明をす
る必要はないと考える。しかし、延長部84の平坦な先端
部82は先端部材60の延長部64とは異なるので、この点に
ついて説明を加える。延長部84の約半分が変更されてい
てダックビル端部82を形成する。従って、第9図におい
てダックビル端部82の左に符号86で示す延長部84の約1/
2は、延長部64の左半分(第5図参照)と同じであるの
で、説明を加える必要はないと考える。ダックビル部82
は平坦な端部で、長方形断面の毛管孔88を有する。毛管
孔88は通路68と一線に整列し、延在する。毛管孔88の長
方形寸法は(25.4mm(1インチ)の5/1000)×(25.4mm
(1インチ)の15/1000)程度であるの好ましく、他方
通路68は直径が25.4mm(1インチ)の15/1000であるの
が好ましい。末端部の短い平坦な部分の壁厚は25.4mm
(1インチ)の2/1000〜3/1000程度である。
平坦な先端部82はビーカー、試験管およびバイアルのよ
うな容器(第12図参照)が実質的に空になるように排出
液を吸い上げるのに適しているので、高価な抽出液がむ
だになるのを回避することができる。同時に、平坦な先
端部82は、第11図に示すように、電気泳動用ガラス板の
間において、ゲルに形成されている流体ポケット中に入
ることができる。電気泳動法で従来使用されているガラ
ス板90はみぞ孔92に沿って接近して配置され、みぞ孔92
の厳密な幅は先端部材60の延長部64の横寸法より狭い
が、可撓性ダックビル端部82の狭い外側寸法(外側から
外側までの寸法)である25.4mm(1インチ)の約10/100
0より広い。
ガラス板90は液体層94上に載り、液体層94はゲル本体96
上に載り、ゲル本体96にはつめ付き工具によって予めポ
ケットすなわちゲルのくぼみ98を形成しておく。従っ
て、ピペット先端部材80の可撓性端部82は、電気泳動試
験法において、抽出液をピペット先端部分80からくぼみ
98に分配する際に使用するのに望ましい。上述のように
延長部84はダックルビル端部82を含めて可撓性であるの
で、第11図に示すような抽出液注入プロセス中に関連す
るゲルのくぼみまたはポケット98の表面が損傷を受ける
ことはない。
第13図および第14図はピペット先端部材60をさらにピペ
ット先端部材80に加工する好ましい方法を示す説明図で
ある。特に、所望のダックビル端部82の長さより僅かに
長い長さを有する長方形のステンレス鋼マンドレル100
をピペット先端部材60の中空内部通路68中に挿入する。
マンドレル100の好ましい断面寸法は25.4mm(1イン
チ)の5/1000×25.4mm(1インチ)の15/1000であり、
延長部64の好ましい内径は25.4mm(1インチ)の15/100
0である。第13図および第14図に示すように、従来の熱
プレスのジョー部102および104を使用する。第14図に示
すように、ジョー部102および104を閉じ、十分な熱量お
よび圧力を使用して先端部材60の延長部64の長さの約1/
2に相当する延長部64の末端部となる合成樹脂材料を熱
軟化し、再分配する。この結果、延長部64の先端部は永
久に変形してダックビル端部82を形成する(第9図参
照)。熱プレスのジョー部102および104を開き、長方形
マンドレル100からピペット先端部材80を取り出し、先
端部材80のダックビル端部82を放冷し、しかる後に所要
に応じて滅菌して直ぐ使用できるようにする。
上述の説明は1個のピペットの製造または現存の先端部
材60からのピペット先端部材80の製造に関するものであ
るが、通常の商業的製造過程において複数個取金型を使
用し、一連のマンドレル100を使用して同時に複数個の
先端部材60および80をそれぞれ上述のようにして製造す
ることは容易に実施できることである。
ダックビル端部82のようなダックビル端部の使用は第1
図に示す従来の先端部材20に関連して使用するのが望ま
しいことがある。従来の先端部材20をこのようなダック
ビル状に変形することは上述のようにして達成すること
ができ、この結果ピペット末端部に極めて大きな可撓性
が付与される。このような可撓性は生成したピペット先
端部材の末端部をガラス板90の間の狭いみぞ孔92に通し
て電気泳動法に用いるくぼみ98中に挿入するのに好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の医用ピペット先端部材の斜視図、 第2図は第1図の2−2線に沿って切った断面図、 第3図は試験管から抽出液を抜き取るために第1図の従
来のピペットを使用する状態を示す部分断面立面図、 第4図はバイアルまたはビーカーから抽出液を抜き取る
ために第1図の従来のピペットを使用する状態を示す部
分断面立面図、 第5図は極めて薄く細長い末端部を有する本発明の医用
マイクロピペット先端部材の一例の斜視図、 第6図は第5図の6−6線に沿って切った断面図、 第7図は試験管内の抽出液の実質的にすべてを取り出す
のに使用した場合の第5図のマイクロピペット先端部材
の部分断面立面図、 第8図はバイアルまたはビーカー内の抽出液の実質的に
すべてを取り出すのに使用した場合の第5図のマイクロ
ピペット先端部材の部分断面立面図、 第9図は本発明の医用マイクロピペット先端部材の他の
例の斜視図、 第10図は第9図の軸線に沿った中心線に沿って切った縦
断面図、 第11図は電気泳動プロセスにおいてに第9図のマイクロ
ピペット先端部材を使用してゲル層のカップ状くぼみ中
に抽出液を供給する状態を示す説明図、 第12図はバイアルまたはビーカーから抽出液を実質的に
完全に抜き取るのに使用した場合の第9図のマイクロピ
ペット先端部材の部分断面立面図、 第13図および第14図は第5図のマイクロピペット先端部
材を加工して第9図のマイクロピペット先端部材を製造
する工程を示す説明図、 第15図は第5図のマイクロピペット先端部材の製造に使
用するコアの一例の部分断面立面図である。 20…従来のピペット先端部材 22…近接端部、24…末端部 26…近接口、28…封鎖リング 30…内側胴部(内表面、先細内部) 32…外部リブ、34…肩部 36…環状みぞ、38…近接端部22の表面 40…端縁、42,44…末端部24の表面 46…従来の抜取装置、50…試験管 52…残留量の抽出液、54…下部の長さ 56…容器(ビーカーまたはバイアル) 58…深さ 60…本発明のマイクロピペット先端部材 62…肩部34からの距離が端縁40(第1図)と同じである
位置 64…延長部、66…先細端縁 68…通路、80…ピペット先端部材 80′…コア 82…あひるのくちばし状末端領域(平坦末端部、平坦な
先端部、ダックビル端部、ダックビル部、可撓性端部) 82′…円筒形基部、84…延長部 84′…最初の先細部 86…延長部材84の約1/2の長さの部分 86′…環状突起、88…毛管孔 88′…先細部、90…ガラス板(プレート) 90′…銀ろう位置(62に相当する位置) 92…みぞ孔、92′…ぬい針 94…液体層、94′…コア80′の先端部 95…心出し衝合部、96…ゲル本体 97…先細露出壁面、98…ポケット(くぼみ) 100…マンドレル、102,104…ジョー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・エム・ジェソップ アメリカ合衆国ユタ州84107 ソルト レ ーク シティー サウス 400 ウエスト 6500 (56)参考文献 特開 昭47−27087(JP,A) 特公 昭59−24665(JP,B2)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供試液体をバイアルまたは試験管のような
    容器から抜き取るに当たり、 なかに中央通路を有する可撓性末端部および末端開口を
    有し、前記末端部が前記中央通路に毛管特性を付与する
    直径を有するマイクロピペット先端部材を使用し; 供試液体の入っている選定した容器を直立位置に位置さ
    せて、供試液体が容器の底部を占めるようにし; 前記マイクロピペット先端部材の前記末端部を前記容器
    内に、該容器内の供試液体の頂面レベルの下まで挿入
    し; 前記中央通路を有する前記末端部を、前記容器の底に押
    しあてて、前記中央通路を閉塞することなく、曲線形状
    に強制的に撓ませ、前記末端開口と連通する前記中央通
    路の少なくとも一部を供試液体の前記頂面レベルに対し
    てほぼ水平位置にさせ; ついで前記末端開口および閉塞されていない前記中央通
    路を通って前記容器から前記マイクロピペット先端部材
    中に前記供試液体の実質的にすべてを抜き取ることを特
    徴とする供試液体の抜き取り方法。
  2. 【請求項2】前記末端部を強制的に撓ませる工程におい
    て、前記中央通路を有する前記末端部を、前記容器の底
    に押しあてて、約90°の撓み角度まで曲線形状に強制的
    に撓ませて、前記末端開口と連通する前記中央通路の少
    なくとも一部を供試液体の前記頂面レベルに対してほぼ
    水平位置にさせる特許請求の範囲第1項記載の抜き取り
    方法。
  3. 【請求項3】合成樹脂材料から一体形成した低コストの
    マイクロピペット先端部材において、 ピペット本体に取り付けることのできる形状をしている
    近接端部を具え、該近接端部は内部流れ通路を画成する
    包囲壁構造を有し、前記ピペット本体に取付けられた状
    態で前記近接端部を固定する保持手段を具え; 前記近接端部から収斂して延在する硬い円錐部を具え、
    該円錐部は前記近接端部の流れ通路の連続部を形成し; 前記硬い円錐部の先細延長部を形成する末端部を具え、
    該末端部は前記近接端部および前記円錐部の流れ通路の
    連続部を形成する中央通路を画成する包囲壁構造を具
    え、さらに、該末端部は末端開口および前記中央通路に
    毛管特性を付与する直径を有し; 前記末端部の前記壁構造は前記末端部を、液体容器の底
    に押しあてて、前記中央通路を閉塞することなく、約90
    °の撓み角度まで曲線形状に強制的に撓ませて、前記末
    端開口と連通する前記中央通路の少なくとも一部を前記
    容器内の液体の頂面レベルに対してほぼ水平位置に変位
    させることができるのに十分な可撓性および十分な厚さ
    を有し; 前記末端部の前記包囲壁構造は25.4mm(1インチ)の4/
    1000〜10/1000の範囲内の半径方向の厚さを有し; 前記中央通路は25.4mm(1インチ)の10/1000〜20/1000
    の範囲内の直径を有し; 前記末端部の包囲壁構造の厚さおよび毛管特性を有する
    前記中央通路の直径は短い曲率で撓ませることができる
    ように1/5〜1/2の範囲内の比になっていることを特徴と
    するマイクロピペット先端部材。
  4. 【請求項4】前記先端部材は射出成形によって形成され
    ている特許請求の範囲第3項記載の先端部材。
  5. 【請求項5】前記毛管特性を有する中央通路は延伸処理
    されていない軸線方向の毛管孔を有する特許請求の範囲
    第3項または第4項記載の先端部材。
  6. 【請求項6】前記末端部の末端構造には末端開口におい
    て極めて僅かに外方にテーパが付いている特許請求の範
    囲第3〜5項のいずれか一つに項に記載の先端部材。
  7. 【請求項7】前記末端部は、曲線形状に強制的に撓ませ
    た場合を除き、実質的にまっすぐである特許請求の範囲
    第3〜6項のいずれか一つに項に記載の先端部材。
  8. 【請求項8】電気泳動試験において液体を移動するのに
    使用される、合成樹脂材料から一体形成した低コストの
    マイクロピペット先端部材において、 ピペット本体に取り付けることのできる形状をしている
    近接端部を具え、該近接端部は内部流れ通路を画成する
    包囲壁構造を有し、前記ピペット本体に取付けられた状
    態で前記近接端部を固定する保持手段を具え; 前記近接端部から収斂して延在する硬い円錐部を具え、
    該円錐部は前記近接端部の流れ通路の連続部を形成し; 前記硬い円錐部の先細延長部を形成する末端部を具え、
    該末端部は前記近接端部および前記円錐部の流れ通路の
    連続部を形成する中央通路を画成する包囲壁構造を具
    え、さらに、該末端部は末端開口および前記中央通路に
    毛管特性を付与する直径を有し; 前記末端部の前記中央通路は少なくとも部分的に長方形
    の形状をしていて、短軸および長軸を有し、前記中央通
    路の前記短軸に沿った狭い寸法は25.4mm(1インチ)の
    5/1000以下であり;前記中央通路は前記長軸に沿った対
    向壁構造を有し、該対向壁構造は前記末端部を、液体容
    器の底に押しあてて、前記中央通路を閉塞することな
    く、約90°の撓み角度まで曲線形状に強制的に撓ませ
    て、前記末端開口と連通する前記中央通路の少なくとも
    一部を前記容器内の液体の頂面レベルに対してほぼ水平
    位置に変位させることができるのに十分な厚さを有し; 前記末端部の前記包囲壁構造は前記短軸に沿った薄い対
    向壁構造を有し、該対向壁構造は25.4mm(1インチ)の
    4/1000以下の範囲内の半径方向の厚さを有することを特
    徴とするマイクロピペット先端部材。
  9. 【請求項9】前記中央通路の長方形寸法は(25.4mm(1
    インチ)の5/1000)×(25.4mm(1インチ)の15/100
    0)である特許請求の範囲第8項記載の先端部材。
  10. 【請求項10】前記中央通路の短軸に沿った厚さと前記
    末端部の薄い対向壁構造の厚さとを合計した全寸法は2
    5.4mm(1インチ)の10/1000以下である特許請求の範囲
    第8項または第9項記載の先端部材。
  11. 【請求項11】前記中央通路の前記長軸に沿った距離は
    25.4mm(1インチ)の約15/1000〜25/1000の範囲内であ
    る特許請求の範囲第8項記載の先端部材。
  12. 【請求項12】前記ピペット先端部材は射出成形によっ
    て形成されている特許請求の範囲第8〜11項のいずれか
    一つの項に記載の先端部材。
  13. 【請求項13】前記末端部は、曲線形状に強制的に撓ま
    せた場合を除き、実質的にまっすぐである特許請求の範
    囲第8〜12項のいずれか一つの項に記載の先端部材。
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