JPH07247385A - 帯電防止性に優れたポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性に優れたポリオレフィン樹脂組成物

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JPH07247385A
JPH07247385A JP7625894A JP7625894A JPH07247385A JP H07247385 A JPH07247385 A JP H07247385A JP 7625894 A JP7625894 A JP 7625894A JP 7625894 A JP7625894 A JP 7625894A JP H07247385 A JPH07247385 A JP H07247385A
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carbon atoms
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JP7625894A
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Atsuo Tokutake
▲あつ▼夫 徳竹
Tadayoshi Ishibashi
忠能 石橋
Masayoshi Isoda
正義 磯田
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Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 速効性、持続性に優れた帯電防止性を有し、
白粉の発生のないポリオレフィン組成物を提供する。 【構成】 ポリオレフィンに特定構造のベタイン化合
物、ポリオキシエチレンアルキルアミン及びポリオキシ
エチレンアルキルアミン脂肪酸エステルを配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は優れた帯電防止性を有す
るポリオレフィン樹脂組成物に関するものである。詳し
くは、特定の帯電防止剤を配合したポリオレフィン樹脂
組成物、または、さらに酸吸収剤を添加して得られる帯
電防止性、耐腐食性の改善された樹脂組成物であって、
フィルム、フィラメント、モールド品等に有用なポリオ
レフィン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂はその安価さ、加工
性の良さからフィルム、フィラメント、モールド品等の
さまざまな成形品に利用されている。
【0003】しかし一般にポリオレフィン樹脂は単体で
良好な電気絶縁体であるため、静電気を帯電しやすい。
従って、これらのポリオレフィン樹脂には帯電防止剤の
使用が必須となる。かかる帯電防止剤の使用方法として
は、成形品の表面に帯電防止剤を塗布する方法と成形品
内に帯電防止剤を練り込む方法があるが、長く帯電防止
効果を持たせるためには、練り込む方法が望ましい。こ
のように帯電防止剤を練り込む方法では、帯電防止剤が
表面にブリードすることによって初めてその効果が発揮
される。しかしながら、これら帯電防止剤のブリードア
ウトは結晶配向や結晶化度等の結晶構造によってその程
度が異なり、結晶内部に存在する帯電防止剤はブリード
しにくいため特別な配合が要求される。
【0004】一方、帯電防止剤としてベタイン型両性活
性剤を使用することが知られている(特公昭51−41
596号公報)。しかし、ベタイン型両性活性剤は帯電
防止効果の持続性には優れるものの、速効性に劣り、ま
た耐熱性が悪いため成形品が加熱される時には揮発する
成分があるため、該揮発成分が冷却凝固して成形品上に
付着して、成形加工を中断せざるを得ない場合がある。
【0005】また、帯電防止剤としてベタイン型両性界
面活性剤と脂肪酸のグリセリンエステルを併用するもの
も知られている(特公昭50−33827号公報)。こ
の帯電防止剤の組み合わせでは、表面にブリードしたの
ち固体となって白粉となり外観が悪くなるばかりでな
く、帯電防止効果も低下する。
【0006】また、別の帯電防止剤である非イオン活性
剤としてジアルキルエタノールアミンも知られている
(特公昭50−29854号公報)が、このものは、ア
ルキル基の長さによりブリード性が変化する。最もよく
使用される炭素数が18のものでは、ブリード性が劣
り、また最も短い8程度ではブリードしすぎて、表面悪
化の原因となる。更に単独で使用した場合には持続性に
乏しくなる。脂肪酸のグリセリンエステルを併用した場
合(特開昭48−54155号公報)には、前記のよう
に表面ブリード時に固体となって帯電防止剤の分離が起
こり、白化が起こる。この現象を避けるために表面での
濡れ状態つまり分散状態を改善する方法も提案され、高
級アルコールを更に配合する3成分系も知られている
(特開昭58−79044号公報)が、この場合もアル
コールがブリード時に表面悪化が生じる欠点を有する。
【0007】このように現在使用されている各種の配合
では、速効性、持続性とも有し、なおかつ白粉の発生し
ない組成は得られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は速効性及び持
続性ともに優れた帯電防止性を有し、かつ白粉の発生し
ないポリオレフィン組成物およびそれらに加え耐食性も
改良されたポリオレフィン組成物を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる現状
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリオレフィン樹
脂に対して、次の一般式(1)で表されるベタイン型両
面活性剤、一般式(2)で表されるアミン化合物および
一般式(3)で表されるエステル化合物を添加すること
により、速効性及び持続性ともに優れた帯電防止性を有
し、かつ、白分の発生しない極めて優れたポリオレフィ
ン樹脂組成物が得られることを見いだした。
【0010】すなわち、本発明の1はポリオレフィン樹
脂に、(A)下記一般式(1)で表されるベタイン化合
物、(B)下記一般式(2)で表されるポリオキシエチ
レンアルキルアミン、および(C)下記一般式(3)で
表されるエステル化合物を添加してなる帯電防止性に優
れたポリオレフィン樹脂組成物である。一般式(1):
【0011】
【化4】
【0012】ただしR1は炭素数8〜22の炭化水素基
を表し、R2、R3、R4は同一または異なる低級アル
キレン基を表し、Xは−H、−OH、−CONH、−
COOHまたはその塩を表し、Yは−Hまたは−OHを
表す。一般式(2):
【0013】
【化5】
【0014】ただしR5は炭素数8〜22の炭化水素基
を表し、mおよびnは1〜4の整数を表す。一般式
(3):
【0015】
【化6】
【0016】ただしR5は炭素数8〜22の炭化水素基
を表し、R6、R7は双方が−OCR’(R’は炭素数
12〜22の炭化水素基)、またはいずれか一方がH、
他が−OCR’を表し、mおよびnは1〜4の整数を表
す。
【0017】本発明の2は上記の樹脂組成物に、(D)
脂肪酸金属塩または及びハイドロタルサイト類を添加し
てなる帯電防止に優れた樹脂組成物である。
【0018】以下本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明のポリオレフィンとは、エチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン−1、1−オクテンなどのα−オレフィン
の単独重合体あるいはその相互重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体などのエチレン−ビニルエステル共重合
体、エチレン−不飽和カルボン酸またはその誘導体共重
合体等から選ばれた少なくとも1種のオレフィン重合体
であって、特に限定されるものではない。
【0020】具体的には、高圧ラジカル法ポリエチレ
ン、中圧法ポリエチレン、低圧法ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリブテン等が挙げられる。
【0021】一般的にはチーグラー系高活性触媒で重合
され、かつ触媒除去工程を経ていないポリオレフィンを
使用することが好ましい。
【0022】上記チーグラー系高活性触媒とは少なくと
もマグネシウム及びチタンを含有する固体触媒成分と有
機アルミニウム化合物とからなるものである。該固体触
媒成分としては、金属マグネシウム;水酸化マグネシウ
ム;酸化マグネシウム;塩化マグネシウムなどのマグネ
シウム塩;ケイ素、アルミニウム、カルシウム;炭酸マ
グネシウムから選ばれる元素とマグネシウム原子とを含
有する複塩、複酸化物、炭酸塩、塩化物、あるいは水酸
化物など;さらにはこれらの無機質固体化合物を含酸化
化合物、含硫黄化合物、芳香族炭化水素、ハロゲン含有
物質で処理または反応させたものなどマグネシウムを含
む無機質固体化合物にチタン化合物を公知の方法により
担持させたものが挙げられる。
【0023】上記の含酸素化合物としては、たとえば
水;アルコール、フェノール、ケトン、アルデヒド、カ
ルボン酸、エステル、ポリシロキサン、酸アミドなどの
有機含酸素化合物;金属アルコキシド、金属のオキシ塩
化物などの無機系含酸素化合物を例示することができ
る。
【0024】含硫黄化合物としては、チオール、チオエ
ーテルのような有機、含硫黄化合物、二酸化硫黄、三酸
化硫黄、硫酸のような無機硫黄化合物を例示することが
できる。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、アントラセン、フェナントレンのような
各種の単環および多環および多環の芳香族炭化水素化合
物を例示することができる。ハロゲン含有物質として
は、塩素、塩化水素、金属塩化物、有機ハロゲン化物の
ような化合物を例示することができる。一方マグネシウ
ムを含む無機質固体化合物に担持させるチタン化合物と
しては、チタンのハロゲン化物、アルコキシハロゲン化
物、アルコキシド、ハロゲン化酸化物などを挙げること
ができる。チタン化合物としては4価のチタン化合物と
3価のチタン化合物が好適であり、4価のチタン化合物
としては具体的には一般式Ti(OR)4−n(こ
こでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基また
はアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは
0≦n≦4の整数である)で示されるものが好ましく、
四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン、モノメ
トキシトリクロロチタン、ジメトキシジクロロチタン、
トリメトキシモノクロロチタン、テトラメトキシチタ
ン、モノエトキシトリクロロチタン、ジエトキシジクロ
ロチタン、トリエトキシモノクロロチタン、テトラエト
キシチタン、モノイソプロポキシトリクロロチタン、ジ
イソプロポキシジクロロチタン、トリイソプロポキシモ
ノクロロチタン、テトライソプロポキシチタン、モノブ
トキシトリクロロチタン、ジブトキシジクロロチタン、
モノペントキシトリクロロチタン、モノフェノキシトリ
クロロチタン、テトラフェノキシチタンなどを挙げるこ
とができる。3価のチタン化合物としては、四塩化チタ
ン、四臭化チタンなどの四ハロゲン化チタンを水素、ア
ルミニウム、チタンあるいは周期律表I〜III族金属
の有機金属化合物により還元して得られる三ハロゲン化
チタンが挙げられる。また一般式Ti(OR)
4−m(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、アリ
ール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子を
示し、mは0≦m≦4の整数である)で示される4価の
ハロゲン化アルコキシチタンを周期律表I〜III族金
属の有機金属化合物により還元して得られる3価のチタ
ン化合物が挙げられる。
【0025】これらのチタン化合物のうち、4価のチタ
ン化合物がとくに好ましい。
【0026】他の触媒系の例としては、固体触媒成分と
していわゆるグリニャール化合物などの有機マグネシウ
ムとチタン化合物との反応生成物を用いることができ
る。
【0027】また他の触媒系の例としては、固体触媒成
分としてSiO、Alなどの無機酸化物と前記
の少なくともマグネシウム及びチタンを含有する固体触
媒を接触させて得られる固体物質を用いることもでき
る。
【0028】上記した固体触媒成分と組み合わせるべき
有機アルミニウム化合物の具体的な例としては、一般式
Al、RAlX、RAlX、RAlOR、R
Al(OR)XおよびRAlの有機アルミニウ
ム化合物(ここでRは炭素数1〜20のアルキル基、ア
リール基またはアラルキル基を示し、Xはハロゲン原子
を示し、Rは同一でもまた異なってもよい)で示される
化合物が好ましく、トリエチルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリ
オクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリドおよびこれらの混合物などが挙げら
れる。
【0029】有機アルミニウム化合物の使用量は特に制
限されないが、通常チタン化合物に対して0.1〜10
00モル倍使用することができる。
【0030】重合反応は通常のチグラー型触媒によるオ
レフィンの重合反応と同様にして行われる。すなわち反
応はすべて実質的に酸素、水などを絶った状態で、気相
または不活性溶媒の存在かもしくはモノマー自体を溶媒
とする液相で行われる。オレフィンの重合反応は温度2
0〜300℃、好ましくは40〜200℃であり、圧力
は常圧ないし70kg/cmG、好ましくは2kg/
cmGないし60kg/cmGである。分子量の調
節は重合温度、触媒のモル比などの重合条件を変えるこ
とによってもある程度可能であるが、重合系中に水素を
添加することにより効果的に行われる。もちろん水素濃
度、重合温度などの重合条件の異なった2段階またはそ
れ以上の多段階の重合反応もなんら支障なく実施でき
る。
【0031】本発明で使用されるベタイン化合物は一般
式(1):
【0032】
【化7】
【0033】で示される化合物であり、持続性に優れた
配合成分である。
【0034】式中R1は炭素数8〜22の炭化水素基を
表し、C2n+1で表されるアルキル基が好ましく
炭素数18のものが最も好ましい。R2、R3、R4は
同一または異なる低級アルキレン基を表し、炭素数が1
のものが好ましい。Xは−H、−OH、−CONH
−COOHまたはその塩を表し、Yは−Hまたは−OH
を表す。
【0035】具体的に好ましいものを例示すれば次のも
のが挙げられる。
【0036】
【化8】
【0037】本発明に使用する上記成分は、ポリオレフ
ィン100重量部に対して、通常0.05〜1重量部、
好ましくは0.1〜0.8重量部、更に好ましくは0.
3〜0.6重量部で使用される。
【0038】本発明に使用される第2成分であるポリオ
キシエチレンアルキルアミンは次の一般式で示される。
【0039】
【化9】
【0040】ただしR5は炭素数8〜22の炭化水素基
を表し、mおよびnは1〜4の整数を表す。R5の炭素
数により表面ブリードによる帯電防止の速効性と、ブロ
ッキングのバランスが決定され、炭素数12のものが最
もそのバランスがよい。mおよびnは大きいほど、帯電
防止効果は向上するが、ポリオレフィンとの相溶性が悪
くなりブリードしすぎによるブロッキングが生じるた
め、上記範囲が好ましく、いずれも1のものが最も好ま
しい。
【0041】本発明に使用する上記成分は、ポリオレフ
ィン100重量部に対して、通常0.05〜1重量部、
好ましくは0.1〜0.8重量部、更に好ましくは0.
2〜0.5重量部使用される。
【0042】本発明の第3成分は次の一般式で示される
エステルである。一般式(3):
【0043】
【化10】
【0044】ただしR5は炭素数8〜22の炭化水素基
を表し、R6、R7は双方が−OCR’(R’は炭素数
12〜22の炭化水素基、R6とR7でR’が異なって
もよい)または、いずれか一方が−H、他が−OCR’
を表し、mおよびnは1〜4の整数を表す。
【0045】本発明に使用される第3成分は、第2成分
を脂肪酸と反応させて得られるエステル化合物である。
脂肪酸は炭素数12〜22の脂肪酸が用いられるが、こ
こではただ1種の炭素数の脂肪酸を使用しても、異なっ
た炭素数の脂肪酸を2種以上組み合わせて使用してもよ
い。それらの内でも炭素数が18または平均で18のも
のが好ましく使用される。エステル化合物は反応により
得られる混合物を用いても、更に精製したモノエステル
化合物、またはジエステル化合物を用いてもよい。混合
物の場合は融点が低下し、ポリオレフィン表面にブリー
ドしやすいため好ましい。モノエステルとジエステルの
混合物を使用する際において混合比は原則として任意で
あるが、通常1〜10:1〜10、好ましくは1〜5:
1〜3、最も好ましくは2:1のものが用いられる。こ
の成分は必ずしも帯電防止効果に優れるものではない
が、他の成分に較べポリオレフィンとの相溶性が悪いた
め、第1成分と第2成分のブリードを促進し、また表面
での均一な膜形成に寄与するものと考えられる。
【0046】本発明に使用する上記成分は、ポリオレフ
ィン100重量部に対して、通常0.05〜1重量部、
好ましくは0.1〜0.8重量部、更に好ましくは0.
2〜0.5重量部で使用される。成分(A)、(B)、
(C)の配合比は任意に選べるが、通常は(A):
(B):(C)が1〜10:1〜7:1〜7の割合の範
囲で、好ましくは(A):(B):(C)が1〜4:1
〜2:1〜2の割合の範囲で使用され、特に好ましくは
(A):(B):(C)が2:1:1の割合で使用され
る。
【0047】本発明においては、上記の配合に加えハイ
ドロタルサイトおよび/または脂肪酸金属塩を配合する
ことができる。ハイドロタルサイトおよび/または脂肪
酸金属塩は、チグラー系触媒を使用したときに、触媒除
去工程を経ていない樹脂組成物中での酸吸収という観点
から特に好ましい。
【0048】本発明に使用されるハイドロタルサイト類
は次式で示される複塩化合物である。
【1049】
【化11】
【0050】この化合物としては天然品及び合成品のい
ずれも用いられるが、とくにM2+がMg、An−がC
2−である合成品が望ましい。本発明に使用する上
記成分の配合組成は、ポリオレフィン100重量部に対
して、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜
0.08重量部である。この成分を配合することによっ
て、ポリオレフィンの重合に使用された触媒中の塩素に
よる成形機の錆発生が改善される。またハイドロタルサ
イト類の代わりにR6COOM1で表される脂肪酸金属
塩を用いることもできる。ここでR6は炭素数12〜2
2の炭化水素であり、炭素数18のものが好ましい。M
1はLi、Naなどのアルカリ金属またはCa、Mgな
どのアルカリ土類金属を表す。上記成分の配合組成は、
ポリオレフィン100重量部に対して、通常0.01〜
1重量部、好ましくは0.1〜0.5重量部である。こ
の成分は錆発生を防止するだけでなく、金属と溶融ポリ
オレフィンとの滑り性も改善し、いわゆる目脂や白粉の
発生の防止効果も有する。
【0051】本発明の組成物には、通常、成形時の樹脂
の劣化や使用時の劣化を防ぐために、酸化防止剤が添加
される。酸化防止剤としてはフェノール系酸化防止剤、
チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤などが使
用される。フェノール系酸化防止剤の具体例としては、
2,6−第3ブチル−4−メチルフェノール、2−第3
ブチル−4−メトキシ−フェノール、n−オクタデシル
−3−(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、2,2’−エチリデン−ビス
(2,4−第3ブチルフェノール)、4,4’−チオビ
ス(3−メチル−6−第3ブチルフェノール)、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ
第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリ
ス(3,5−ジ−第3ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)イソシアヌレート、トリス(4−第3ブチル−2,
6−ジメチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレ
ート、テトラキス−〔メチレン−3−(3’,5’−ジ
−第3ブチル)−4’−ヒドロキシ−フェニル)プロピ
オネート〕メタン、3,9−ビス〔1,1−ジ−メチル
−2−{β−(3−第3−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−
2,4,8,10−テトラオキザスピロ〔5,5〕ウン
デカン、4,4’−チオービス−(3−メチル−6−第
3ブチルフェノール)などがある。
【0052】チオエーテル系酸化防止剤としては、ジラ
ウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリ
ル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−
3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトー
ル−テトラキス−(β−ラウリル−チオプロピオネー
ト)、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾール
等が例示される。
【0053】りん系酸化防止剤としてはトリス2,4ジ
−t−ブチルフェニルホスファイト、トリスノニルフェ
ニルホスファイト、トリス(ミックスドモノ、ジノノル
フェニル)ホスファイト、ジ(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−ペンタエリスリトールジホスファイト、テ
トラキス(2,4ジーt−フェニル)4,4’ブフェニ
レンジフォスフォナイト、ジ(2,6−ジ−t−ブチル
−4−メチルフェニル)−ペンタエリスリトールジホス
ファイトが例示される。
【0054】これらの酸化防止剤は0.01〜0.15
重量部添加され使用される。
【0055】本発明の組成物には、滑剤として脂肪酸ア
ミドを合わせて使うことが好ましく、炭素数が8〜22
の高級脂肪酸アミド、炭素数が16、18のエチレンビ
ス脂肪酸アミド、ステアリルエルカミド、オレイルパル
ミトアミドなどが好ましく使用される。上記成分の配合
組成は、ポリオレフィン100重量部に対して、通常
0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.3重量
部である。
【0056】その他必要に応じて、本発明の組成物には
重金属不活性剤、造核剤、架橋剤、発泡剤、酸吸収剤、
加工助剤、極性基含有ポリオレフィン、ブロッキング防
止剤等を包含させることができる。
【0057】
【実施例および比較例】以下に、本発明を実施例及び比
較例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではない。なお実施例及び比較例
における性状の測定は、下記の方法によった。
【0058】(試料) ポリオレフィン樹脂 ポリプロピレンホモ重合体:日石ポリプロF120K
MFR:1.0 (酸化防止剤としてフェノール系酸化防止剤、酸吸収剤
としてステアリン酸カルシウムが配合されている。) 高密度ポリエチレン :日石スタフレンE803
MFR:0.3 帯電防止剤 成分(A) 三洋化成製 ケミスタット4700 成分(B) ライオン製 アーモスタット310 成分(C−1) (混合物) 花王製 KS−624 (C−2) (モノエステル) ライオン製アーモスタ
ット810 成分(D−1) 日本油脂製 ステアリン酸カルシウム (D−2) 協和化学製 DHT−4A その他の成分 (S−1) 脂肪酸グリセライド:理研ビタミン製 S
−100 (S−2) 高級アルコール:花王製 カルコール80 (S−3) ジエタノールアルキルアミド:花王製 H
S−12
【0059】(試料混合及びフィルム成形)上記ポリプ
ロピレンに、上記帯電防止剤を含む各種の配合物を押出
ブレンドを行い、T−ダイフィルム成形装置により、成
形温度260℃、チルロール温度70℃で厚み0.7m
mのシートを作成した。該シートを用い、二軸延伸テス
ターにより延伸温度160℃で縦4倍、横7倍の逐次2
軸延伸を行い、厚み0.02mmのフィルムを得、帯電
防止性能の評価試料とした。
【0060】(モールド品の成形)上記ポリエチレン1
00重量部に成分(A)0.2重量部、(B)0.3重
量部、(C−1)0.2重量部、(D−1)0.2重量
部を配合し押出ブレンドし、射出成形により板状(20
cm×10cm×1cm)に加工し実施例とし、上記ポ
リエチレン単体を同様に板状に成形し比較例とした。
【0061】(帯電防止性能)帯電防止性能は、半減期
及び表面固有抵抗により評価を行った。帯電防止効果
は、フィルムをさらに35℃、60%RHの恒温恒湿槽
にて24時間エイージングした直後(1日目と表示)の
性能で速効性を、取り出した後6日目(7日目と表示)
の性能で持続性を評価した。
【0062】1.半減期 スタチックオネストメーターを用い、10KVにて1分
間荷電し、除電してから電荷が1/2に減少するまでに
時間(秒)。測定室条件:25℃、65%RH。 2.表面固有抵抗 ヒューレット・パッカード製表面固有抵抗測定機を用
い、500Vにて1分間荷電後の表面固有抵抗(Ω)を
測定した。
【0063】
【実施例1〜5及び比較例1〜9】実施例1〜3には、
上記の成分(D−1)の配合量を一定にして成分(A)
(B)(C−1)の配合比を替えて性能評価した例を示
した。実施例4には成分(C)としてモノエステル純度
の高いC−2を用いた例を示す。また実施例5には成分
(D)としてD−2を用いた例を示す。いずれの実施例
も速効性、持続性とも優れた結果であった。特に成分
(A)(B)(C−1)の配合比が2:1:1の実施例
1は優れた速効性、持続性を有する。
【0064】比較例1〜3には、上記の成分(D−1)
の配合量を一定にして成分(A)(B)(C−1)のう
ちの2成分を使用した例を、比較例4には他の成分のS
1およびS2を併用した例を示した。いずれの比較例も
初期の帯電防止効果が実施例に比べ劣る。成分(A)
(B)(C)および他の成分S3を単独で使用した例を
比較例5〜9に示す。単独では初期特性が不十分である
だけでなく、持続性も優れない。
【0065】
【実施例6、比較例10】板状に加工した実施例6と比
較例10を同じ棚の上に放置し20日後に目視により観
察したところ、実施例6の方が、ホコリ、ゴミが少ない
ことがわかった。このことはモールド品においても帯電
防止性能が優れていることを示している。
【0066】
【効果】上記のようなベタイン型両面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルアミン、及びその脂肪酸エステルの
3成分の帯電防止剤を配合することによって、成形品に
おいても優れた速効性と持続性を有する帯電防止組成物
が得ることができる。さらに、上記の樹脂組成物にハイ
ドロタルサイトや脂肪酸金属塩を配合することによって
上記の性能に加え耐食性についても改良された樹脂組成
物とすることができる。
【0067】
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂に、(A)下記一般
    式(1)で表されるベタイン化合物、(B)下記一般式
    (2)で表されるポリオキシエチレンアルキルアミン、
    および(C)下記一般式(3)で表されるエステル化合
    物を添加してなる帯電防止性に優れたポリオレフィン樹
    脂組成物。一般式(1): 【化1】 ただしR1は炭素数8〜22の炭化水素基を表し、R
    2、R3、R4は同一または異なる低級アルキレン基を
    表し、Xは−H、−OH、−CONH、−COOHま
    たはその塩を表し、Yは−Hまたは−OHを表す。一般
    式(2): 【化2】 ただしR5は炭素数8〜22の炭化水素基を表し、mお
    よびnは1〜4の整数を表す。一般式(3): 【化3】 ただしR5は炭素数8〜22の炭化水素基を表し、R
    6、R7は双方が−OCR’(R’は炭素数12〜22
    の炭化水素基)または、いずれか一方が−H、他が−O
    CR’を表し、mおよびnは1〜4の整数を表す。
  2. 【請求項2】 さらに(D)脂肪酸金族塩または及びハ
    イドロタルサイト類を添加してなる請求項1に記載の帯
    電防止性に優れた樹脂組成物。
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