JPH07247124A - ガラス成形レンズ用プリフォームの製造方法及び装置 - Google Patents

ガラス成形レンズ用プリフォームの製造方法及び装置

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JPH07247124A
JPH07247124A JP6774294A JP6774294A JPH07247124A JP H07247124 A JPH07247124 A JP H07247124A JP 6774294 A JP6774294 A JP 6774294A JP 6774294 A JP6774294 A JP 6774294A JP H07247124 A JPH07247124 A JP H07247124A
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JP
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glass
receiving
heating
molding
preform
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JP6774294A
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Hiroshi Ito
弘 伊藤
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/04Other methods of shaping glass by centrifuging

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 最終成形品の押圧成形時間が短く、あるいは
成形後の余剰ガラス発生が少なく、更に最終成形品の転
写制度の得られるガラスプリフォームを製造できる方法
を提供することを目的とする。 【構成】 ガラス素材を溶融するガラス原料融解部2
と、鏡面加工された受け面を有する受け型26を加熱す
る加熱ヒータ29と、溶融されたガラスを受け型26上
に供給するノズル6と、受け型26を公転運動させる回
転アーム16と、公転中の受け型26上のガラスの自由
面を加熱する熱風発生装置50加熱手段とから構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融ガラスからガラス
レンズ成形用プリフォームを製造する方法及び装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のプリフォームの製造技術
としては、例えば特公平4−43851号公報,特開昭
61−146721号公報,特開平4−149032号
公報,特開平5−238716号公報,特開平4−21
9328号公報に開示された発明が知られている。
【0003】(1)特公平4−43851号は、切断あ
るいは研削により所定の体積に調寸したガラス塊を加
熱、軟化させ、表面張力により球状にし、この球状のガ
ラス塊を光学素子の精密加圧成形用素材として使用する
ものである。
【0004】(2)特開昭61−146721号は、ノ
ズル先端から溶融ガラスを滴下して分離し、表面張力に
より球形となったガラスゴブを製造するものである。
【0005】(3)特開平4−149032号は、溶融
ガラスを熱加工治具で受けて、ガラスの表面張力により
できた自由面と熱加工治具に接してできた接触面とをも
つガラスゴブを作成し、接触面を加熱して光学ガラス成
形体を製造するものである。
【0006】(4)特開平5−238761号は、溶融
ガラスをリング形状の保持部材がセットされた受け型上
に吐出してプレ成形し、プレ成形ガラスを保持部材に保
持した状態で再加熱した後、一対の成形型にて精密プレ
スするものである。
【0007】(5)特開平4−219328号は、溶融
ガラスを回転可能なバケットに供給後、遠心力を作用さ
せて、バケット内の一対の成形型でガラスを押圧成形す
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ガラスを加
熱軟化して押圧成形するガラスレンズの製造方法に用い
るプリフォームは従来、所望のレンズ形状に近い球面形
状の鏡面に研削研磨加工するのが一般的であった。この
方法では研削研磨工程にかかる加工時間が長いため、コ
ストが高い上、プリフォーム面の形状が球面であるの
で、非球面レンズへの適用に限られていた。
【0009】(1)これに対し、特公平4−43851
号では、前記研磨工程を加熱による表面張力にて鏡面化
する工程に置き換えたので、加工時間を短縮できる。し
かし、鏡面化したガラスは表面張力により球状となるの
で、通常の平坦なレンズ形状に押圧成形するまでに必要
なガラス流動量はかえって大きくなる。このために、予
め成形型間にプリフォームをセットしてから加熱軟化し
て押圧成形する等温成形法では、ガラスの加熱温度がガ
ラス屈伏点までであることから押圧成形時間が長くなっ
てしまい生産性が悪いという問題点が生じることとな
る。
【0010】他方、プリフォームを予めガラス軟化点温
度付近まで加熱してから成形型間に搬送して押圧成形す
る非等温成形法によると、プリフォームを搬送するため
にその外周を保持しなければならないので、搬送保持部
材径よりも小径の成形型とする必要がある。このため、
上記球状のプリフォームから通常の平坦なレンズ形状に
押圧成形する際に、大量の余剰ガラスを外周部に押し出
すこととなり、この余剰ガラスを後工程で切断除去しな
ければならず、コストアップとなる。
【0011】(2)(3)特開昭61−146721
号、特開平4−149032号では、分離された溶融ガ
ラスからガラスゴブを得るので、研削研磨工程が不要と
なるだけ低コスト化を図ることができるが、表面張力に
より球形のプリフォームであることから、上記特公平4
−43851号と同様の欠点を有する。
【0012】(4)特開平5−238761号では、吐
出された溶融ガラスをプレ成形により平坦化することは
できるが、プレ成形で補助押し型を用いた場合、型との
接触部近辺のガラス表面は急激に固化し、一方軟化状態
にある内部のガラスは外周方向に流動していくので、ガ
ラス面はシワ状に成形され、このシワを除去するために
は再加熱工程で十分に加熱する必要があり、軟化による
ガラスの変形で精密成形工程での転写性が悪化する不具
合があった。
【0013】(5)特開平4−219328号は、溶融
ガラスを一対の成形型で一発成形するという最も低コス
トの製造方法であるが、上記と同様に型との接触部近辺
のガラス表面は急激に固化し、一方軟化状態にある内部
のガラスは外周方向に流動していくので、ガラス面はシ
ワ状に成形されやすい。特に薄肉のレンズの場合には両
面から急激に熱が奪われるので、固化したガラス表面層
が十分に成形型面に密着しにくく、十分な転写が得られ
ない。
【0014】本発明の目的は、最終成形品の押圧成形時
間が短く、あるいは成形後の余剰ガラス発生が少なく、
更に最終成形品の転写制度の得られるガラスプリフォー
ムを製造できる方法を提供することにある。
【0015】本発明の他の目的は、最終成形品の押圧成
形時間が短く、あるいは成形後の余剰ガラス発生が少な
く、更に最終成形品の転写制度の得られるガラスプリフ
ォームを製造できる装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に係る本発明のガラス成形レンズ用プリフォ
ームの製造方法は、ガラス素材を溶融する工程と、鏡面
加工された受け面を有する受け型を予め加熱する工程
と、前記溶融されたガラスを前記受け型上に供給する工
程と、前記受け型を公転運動させて前記供給されたガラ
スに遠心力を作用させつつ、ガラスの自由面を加熱し
て、前記受け型の受け面に密着させつつ平坦化して成形
する工程と、この成形したガラスを表面張力で変形しな
い温度にまで冷却する工程と、からなることを特徴とし
ている。
【0017】また、請求項2に係るガラス成形レンズ用
プリフォームの製造装置は、ガラス素材を溶融する手段
と、鏡面加工された受け面を有する受け型を加熱する加
熱手段と、溶融されたガラスを受け型上に供給する手段
と、受け型を公転運動させる回転機構と、公転中の受け
型上のガラスの自由面を加熱する加熱手段と、からなる
ことを特徴としている。
【0018】
【作用】本発明のうち請求項1に記載したガラス成形レ
ンズ用プリフォームの製造方法では、溶融ガラスが供給
された受け型を公転運動させると遠心力が生じて、溶融
ガラスは受け型の受け面に密着しつつ平坦化して成形さ
れる。このとき、ガラスは受け型面に熱移動するが、受
け型は予め加熱されており、他方の自由表面は加熱手段
により加熱されるので熱の移動は遅く、低い粘度状態を
長く維持できる。従って、遠心力を受けたガラスは受け
型面に容易に密着しシワのない鏡面が得られる。しかも
表面張力に逆らって平坦化し、成形することができる。
次いで、この成形ガラスを表面張力により変形しない温
度まで冷却すれば、表面張力で球状に復帰することな
く、成形されたガラスを固化させてガラスプリフォーム
とすることができる。
【0019】また、本発明のうち請求項2に記載したガ
ラス成形レンズ用プリフォームの製造装置では、前記請
求項1の製造方法を実現するために、ガラス素材を溶融
する手段によりガラスを溶融し、鏡面加工された受け面
を有する受け型を予め加熱する加熱手段により受け型を
予め加熱し、受け型を公転運動させる回転機構によりガ
ラスに遠心力を作用させるとともに、公転中の受け型上
のガラスの自由面を加熱する加熱手段によりガラスの自
由面を加熱して熱移動を遅くし低い粘度状態に長く維持
する。その後、放冷して冷却する。
【0020】以下、添付図面を参照して本発明に係るガ
ラス成形レンズ用プリフォームの製造方法及び装置の実
施例を説明する。
【0021】
【実施例1】図1〜図5および表1に実施例1を示す。
図1は本発明に係るガラスレンズ用プリフォームの製造
装置を示す縦断面図である。
【0022】1は遠心成形装置で、この遠心成形装置1
はガラス原料を加熱溶融するガラス原料溶解部2と溶融
したガラスが注入された受け型を公転させることにより
成形を行なう遠心成形部3と、遠心成形中のガラスの自
由面を熱風で加熱する熱風発生装置50、成形したガラ
スを成形装置から取り出す排出ユニット4から構成され
ている。
【0023】ガラス原料溶解部2は、ルツボ5と該ルツ
ボ5の底面に連設されたノズル6およびルツボ5をガラ
ス粘度で10ポアズ以下の温度(通常1000℃〜18
00℃)に加熱するためのルツボ用高周波加熱コイル
7、ノズル6をガラス粘度で10ポアズ前後の温度(通
常1000℃〜1600℃)に加熱するためのノズル用
高周波加熱コイル8から構成されている。ノズル6の下
方には、ノズルから滴下される溶融ガラスの滴下タイミ
ングを検出するフォトセンサー49が設置されている。
なお、ガラス原料溶解部2は遠心成形装置1のフレーム
9にアーム10により固定されている。
【0024】遠心成形部3は、遠心回転部11と受け型
加熱部12から構成されている。遠心回転部11は遠心
成形装置1のベース13に固定された軸受け14と、軸
受け14に回転自在に軸支された回転軸15と、回転軸
15に取り付けられた回転アーム16と、回転アーム1
6の先端に支持アーム17を介して回転自在に軸支され
たバケット18と、回転軸15に対して回転アーム16
の反対側に取り付けられた回転アーム19と、回転アー
ム19の先端に取り付けられたバランスウェイト20
と、回転軸15の中間部にはめ込まれ、一部にスリット
が形成されたスリットプレート21のスリットを非接触
状態で検出できるフォトセンサー22と、回転軸15下
部にはめ込まれたプーリ23と、プーリ23にベルト2
4を介して動力を供給する制御可能なモータ25とから
構成されている。モータ25は、前記滴下検出用のフォ
トセンサー49からの信号を受けて回転動作するように
構成されている。なお、回転軸15が停止しているとき
のバケット18の中心軸aは、前記ガラス原料溶解部2
のノズル6の中心軸bと一致するような位置関係になっ
ている。
【0025】バケット18は図2に示すように有底円筒
形状で、内周面の円筒部18aには受け型26が挿入さ
れている。受け型26は耐熱性、鏡面加工性を有し、且
つ溶融ガラスとの反応性の低い材質、例えばAlN、B
N、Cr2 3 等の焼結体や超硬合金や前記焼結体表面
にAlN、BN、Cr2 3 、CrN、貴金属類のコー
ティング加工を施したものからできている。
【0026】受け型26の受け面26aは、最終成形レ
ンズの曲率に近い形状で、且つ表面粗さRmax≦0.
1ミクロンに鏡面加工されている。この形状精度は、最
終成形レンズの形状に近い程、最終成形時の成形量が少
なくなり、品質を向上できる効果がある。最終成形レン
ズ形状と受け型球面部との球欠深さの差で0.5mm以
内にすることが望ましい。但し、0.5mmを越えても
加熱温度を高くすることで、最終成形レンズは得ること
が可能である。また、表面粗さは、0.1ミクロンを越
えると、ガラスの成形面に転写して鏡面が得にくい。
【0027】受け型26の先端外周部26bには、ガラ
ス搬送用の搬送部材27が嵌挿されている。搬送部材2
7は、耐熱性を有し、且つ溶融ガラスとの反応性の低い
材質、例えば前記受け型と同様の材料または緻密性のみ
がやや劣る材料であってもよい。搬送部材27の内周部
27aは、所望のプリフォーム外径に一致している。2
8は前記ノズル6より受け型26a上に供給されたガラ
スゴブである。
【0028】図3に示すように、回転軸15の中心部、
及び回転アーム16の中心部には、連通した熱風導入穴
51が設けられ、前記熱風発生装置50から供給される
熱風を導入して、熱風噴出口52から受け型26の受け
面26a方向に噴出できる構成になっている。また、回
転アーム16の外周部には断熱部材53が設けられてお
り、熱風導入穴51内を流れる熱風の熱が回転アーム1
6により放熱されにくいように構成されている。
【0029】受け型加熱部12は、加熱ヒータ29と、
この加熱ヒータ29を昇降自在に動作可能にベース13
に支持する昇降機構30から構成されている。なお、加
熱ヒータ29は前記中心軸aの直下に位置しており、上
昇したときに停止状態の前記バケット18をその内部で
ガラス転移点温度以上、ガラス軟化点温度以下(通常5
00〜800℃)に加熱できるようになっている。
【0030】熱風発生装置50は、遠心成形装置1外部
に設置された窒素ガス供給源(図示省略)に接続された
耐熱性の窒素ガス導入管54、該窒素ガス導入管54の
外周部に接触して取り付けられた加熱ヒータ55、該窒
素ガス導入管54の内部で該加熱ヒータ55が位置する
部位に設けられた耐熱性の金属繊維である熱伝達促進部
材56、該窒素ガス導入管54と前記回転軸15の上端
に開口した前記熱風導入穴51とを回転自在につなぐロ
ータリージョイント57から構成されている。
【0031】窒素ガス供給源から窒素ガス導入管54に
導入された窒素ガスは、図示していない温度コントロー
ラで温度制御された加熱ヒータ55の発熱により加熱さ
れた熱伝達促進部材56の繊維の間を流れることで、所
定温度に加熱され熱風となる。この熱風は、ロータリー
ジョイント57、熱風導入穴51を通って熱風噴出口5
2から噴出される。ロータリージョイント57は、遠心
回転部11が回転しても前記窒素ガス導入管54から熱
風導入穴51に熱風となった窒素ガスを漏洩することな
く伝達可能である。
【0032】排出ユニット4は、図示しない駆動機構に
取り付けられた排出アーム31とその先端に固定された
爪32から構成されている。排出ユニット4は、爪32
にて受け型26に嵌挿された搬送部材27を取り出し、
遠心成形装置外部に排出し、且つ別の搬送部材27を受
け型26に嵌挿して供給することが可能に構成されてい
る。
【0033】以上の構成からなる遠心成形装置1では、
まずバケット18内に受け型26をセットし、これと釣
り合う重さのバランスウェイト20を回転アーム19先
端にセットする。そして、回転軸15を手動にて回転さ
せ、バケット18内の受け型26がノズル6の中心軸b
の直下に移動させ、落下する溶融ガラスを受けるように
位置させる。この時、スリットプレート21に形成され
ているスリットがフォトセンサ22により検出され、L
EDが点灯することにより所定の位置に到達したことを
知ることができる。
【0034】次に、受け型加熱部12を上昇してから加
熱ヒータ29により、受け型26を加熱する。また加熱
ヒータ55も予め所定温度に加熱しておく。次に、ルツ
ボ5にガラス材料を入れ、ルツボ用高周波加熱コイル7
によりガラス粘度で10ポアズ以下に加熱して溶融す
る。溶融ガラスが均質で泡のない状態になった後、ノズ
ル用高周波加熱コイル8によりノズル6を加熱して滴下
分離するのに適したガラス粘度10ポアズ前後に調整し
て、ノズル6先端から溶融ガラス滴を滴下する。
【0035】ノズル6先端から滴下された溶融ガラス
は、前記受け型26の受け面26a中央に滴下し、表面
張力により球状となったガラスゴブ28(図2参照)と
なる。ガラスゴブ28が受け面26a上に滴下されると
ともに、フォトセンサー49の信号を受けて加熱ヒータ
29は降下し直ちにモータ25が回転し始める。これに
より、バケット18内の受け型26およびガラスゴブ2
8は共に回転軸15のまわりを公転運動する。
【0036】公転と同時に、窒素ガスを窒素ガス導入管
54内に導入することで、熱風噴出口52から所定温度
の窒素ガスの熱風を噴出する。公転で生ずる遠心力によ
って、図3に示すようにバケット18は水平状態となり
ながら、ガラスゴブ28は受け面に垂直方向に生じた遠
心力により受け型26の受け面26aに密着しつつ平坦
化して成形される。このとき、ガラスゴブ28は受け型
26に熱移動するが、他方の自由面側は熱風により加熱
されるので、ガラスを低い粘度状態に長く維持できる。
従って、遠心力を受けたガラスゴブ28は受け面26a
に容易に密着しシワのない鏡面が得られ、かつ表面張力
に逆らって平坦化し、搬送部材27の内周部27aに接
するまで成形される。
【0037】次いで、熱風の噴出を遮断することでガラ
スゴブ28は雰囲気により冷却される。これにより、表
面張力により球状に復帰することなくプリフォーム33
とすることができる。この成形の条件は、モータ25の
回転数や回転アーム16の長さによって遠心力を変更し
たり、受け型26の加熱温度や温度制御手段によりガラ
スゴブ28の冷却速度を変更することにより適宜決定さ
れる。
【0038】成形終了後、モータ25を停止してバケッ
ト18を初期位置で停止する。その後、排出アーム31
を前進させ、爪32を受け型26上の搬送部材27外周
まで位置させ、上昇して受け型26から搬送部材27を
取り上げた後に後退して、遠心成形装置1外部に排出す
る。
【0039】再び、成形を繰り返すときは、別の搬送部
材27を排出ユニット4によって受け型26上に供給し
てから、上記操作を繰り返す。
【0040】このようにして得られたプリフォーム33
は、搬送部材27に保持されつつ、再度ガラス軟化点温
度付近まで加熱軟化した後、図4に示すように、ガラス
転移点温度付近に加熱された一対の成形用型34,35
間に搬送アーム36を介して搬送された後、押圧成形さ
れて、所望の光学面形状に精密成形され、レンズとして
製造される。
【0041】次に、遠心成形装置1を用いてプリフォー
ムの成形を行なった例を示す。
【0042】ガラス原料として光学ガラスSK11相当
のものを用い、ルツボ5にて1450℃で加熱溶融した
後、ノズル用高周波加熱コイル8によりノズル温度を1
250℃に設定し、ノズル6(φ5)から所望のレンズ
重量に相当する0.3gの溶融ガラス滴を滴下させた。
受け型26は予めガラス転移点以上の600℃に加熱し
ておいた。窒素ガスの熱風の温度はガラス転移点以上の
600℃になるように加熱ヒータ55の温度を制御し
た。
【0043】図5には、回転軸15の回転数と得られた
プリフォームの外径値と厚みの比および外径値の関係
を、窒素ガスの熱風を作用させない場合と対比して示し
た。このように、回転数が増すに従って溶融ゴブを平坦
化させ、外径値を増加させることができたが、熱風をガ
ラスの自由面に噴出して加熱させることで、更に平坦化
が促進できた。所望のレンズに対応したプリフォームの
外径値はφ10であるので、回転軸15の回転数は35
0rpmに設定し、搬送部材27の内周部27aの内径
φ10までガラスゴブ28を広げることができた。ま
た、受け型26の受け面26aに密着した側のガラス面
は、シワ等の欠陥のない鏡面であり、反対側の自由面は
同様に欠陥のない鏡面であった。しかし、表1に示すよ
うに、受け型26の加熱温度がガラス軟化点温度(63
9℃)付近では融着を生じ、また受け型26の加熱温度
を下げていくと、受け面26aとの接触面は次第にシワ
を生ずるようになり、シワのない鏡面を得るためにはガ
ラス転移点温度(535℃)以上の加熱が望ましかっ
た。
【0044】以上の実施例によれば、溶融ガラスは受け
型26上に供給された後、受け型26をその受け面26
aの略垂直方向に設けられた回転軸15まわりに公転運
動させることにより生じた遠心力により、供給されたガ
ラスゴブ28を受け型26の受け面26aに密着させつ
つ平坦化して成形される。このとき、ガラスゴブ28は
受け面26aに熱移動するが、他方の自由面側は熱風に
より加熱されるので、ガラスを低い粘度状態に長く維持
できる。従って、遠心力を受けたガラスゴブ28は受け
面26aに容易に密着しシワのない鏡面が得られ、かつ
表面張力に逆らって平坦化し、成形することができる。
次いで、熱風の噴出を遮断することで、この成形したガ
ラスを表面張力により変形しない温度まで冷却し、表面
張力により球状に復帰することなく成形されたガラスを
固化させてプリフォーム33とすることができる。
【0045】以上のより、最終成形品の押圧成形時間が
短く、あるいは成形後の余剰ガラス発生の少なく、更に
最終成形品の転写精度の得られるガラスプリフォームを
製造することができる。特に冷却速度の速い薄肉形状、
微重量の成形において効果が大きいと考えられる。
【0046】本実施例の変形例としては、遠心成形部3
を縦型にして遠心成形してもよい。この場合には、ガラ
スゴブの滴下の後、直ちに受け型を公転運動すると同時
に遠心力がガラスに速やかに作用するので、上記の遠心
成形による密着および平坦化の作用を顕著に生じさせる
ことができる。(実施例1の場合には、受け型が遠心力
を受けて水平状態になるまでの間、ガラスを受け型に密
着させ平坦化する作用が遅れる。)
【0047】
【実施例2】図6〜図7に実施例2を示す。実施例1と
異なるのは、熱風発生装置によりガラスの自由面を加熱
する代わりに、輻射加熱装置による輻射加熱で加熱する
点である。
【0048】100は遠心成形措置で、この遠心成形装
置100はガラス原料を加熱溶融するガラス原料溶解部
2と溶融したガラスが注入された受け型を公転させるこ
とにより成形を行なう遠心成形部58と、遠心成形中の
ガラスの自由面を輻射熱で加熱する輻射加熱装置59、
成形したガラスを成形装置から取り出す排出ユニット4
から構成されている。
【0049】ガラス原料溶解部2、排出ユニット4は、
実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0050】遠心成形部58は、遠心回転部60と受け
型加熱部61から構成されている。遠心回転部60は、
その回転機構は実施例1と同様であるが、熱風を導くた
めのロータリジョイント57、熱風導入穴51、熱風噴
出口52、断熱部材53は設けられていない。また、回
転アーム16へのバケット18の支持構造が異なるの
で、この点について説明する。
【0051】バケット18は回転アーム16の先端に支
持アーム17を介して回転自在に軸支されている。な
お、バケット18が回転アーム16の先端に支持アーム
17が水平になったときに、バケット18が回転アーム
16よりも上方に位置するように、支持アーム17の軸
線からシフトした位置にバケット18は取り付けられて
いる。また、回転が停止したときに、バケット18の中
心軸aが鉛直方向となるように、バランスウェイト62
が支持アーム17に取り付けられている。なお、回転軸
15が停止しているときのバケット18の中心軸aは、
前記ガラス原料溶解部2のノズル6の中心軸bと一致す
るような位置関係になっている。
【0052】受け型加熱部61は、加熱ヒータ63と、
この加熱ヒータ63を昇降自在に動作可能にベース13
に支持する昇降機構64から構成されている。なお、加
熱ヒータ63は前記中心軸aの直下に位置しており、上
昇したときに停止状態のバケット18をその内部で加熱
できるようになっている。
【0053】輻射加熱装置59は、円盤状の加熱装置本
体64、この円盤状の加熱装置本体64の側面部に設け
られた輻射ランプ65、輻射ランプ65の背後および上
下に設けられた反射板66、円盤状の加熱装置本体64
を遠心成形装置のフレーム9に支持する支持アーム67
から構成されている。従って、輻射加熱装置59はその
側面方向に輻射加熱する。遠心作用を受けて水平状態と
なったバケット18内のガラスゴブ28の高さに赤外線
ヒータ65の高さが一致するように調整されている。
【0054】以上の構成からなる遠心成形装置100を
用いて成形を行なう上で実施例1と異なる点は、ガラス
ゴブ28の滴下後に公転と同時にガラスゴブ28の自由
面に熱風を噴出する代わりに、輻射加熱装置59によっ
てガラスゴブ28の自由面を加熱する点である。公転で
生ずる遠心力によって、図7のようにバケット18は水
平状態となりながら、ガラスゴブ28は受け面に垂直方
向に生じた遠心力により受け型26の受け面26aに密
着しつつ平坦化して成形される。このとき、ガラスゴブ
28は受け型26に熱移動するが、他方の自由面側は輻
射加熱装置50から輻射加熱されるので、ガラスを低い
粘度状態に長く維持できる。従って、遠心力を受けたガ
ラスゴブ28は受け面26aに容易に密着しシワのない
鏡面が得られ、かつ表面張力に逆らって平坦化し、搬送
部材27の内周部27aに接するまで成形される。
【0055】次いで、輻射加熱装置59の出力を低減す
ることでガラスゴブ28は雰囲気により冷却される。こ
れにより、表面張力により球状に復帰することなくプリ
フォーム33とすることができる。
【0056】成形終了後、実施例1と同様な手順で遠心
成形装置100外部に排出する。
【0057】本実施例においても実施例1と同様な効果
が得られるが、特に実施例1の熱風吹き付けによる方法
では、熱風発生装置50、ロータリジョイント57など
から発生する塵がガラスゴブ28の自由面上に付着して
表面欠陥となることがあるが、本実施例のように輻射に
よる加熱方法では塵による表面欠陥が防止できる利点が
ある。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明のガラス成形レンズ
用プリフォームの製造方法及び装置によれば、最終成形
品の押圧成形時間が短く、あるいは成形後の余剰ガラス
発生が少なく、更に最終成形品の転写精度の得られるガ
ラスプリフォームを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるガラス成形レンズ用プ
リフォームの製造装置を示す縦断面図である。
【図2】実施例1に用いられるバケットを示す縦断面図
である。
【図3】実施例1の作用を説明する図である。
【図4】実施例1による成形工程を示す図である。
【図5】回転軸の回転数と得られたプリフォームの外径
値と厚みの比および外径値の関係を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例2によるガラス成形レンズ用プ
リフォームの製造装置を示す縦断面図である。
【図7】実施例2の作用を説明する図である。
【符号の説明】
1 遠心成形装置 2 ガラス原料融解部 3 遠心成形部 4 排出ユニット 5 ルツボ 6 ノズル 7 ルツボ用高周波コイル 8 ノズル用高周波コイル 9 フレーム 10 アーム 11 遠心回転部 12 受け型加熱部 13 ベース 14 軸受 15 回転軸 16 回転アーム 17 支持アーム 18 バケット 19 回転アーム 20 バランスウエイト 21 スリットプレート 22 フォトセンサー 23 プーリ 24 ベルト 25 モータ 26 受け型 27 搬送部材 28 ガラスゴブ 29 加熱ヒータ 30 昇降機構 31 排出アーム 32 爪 49 フォトセンサ 50 熱風発生装置 54 窒素ガス導入管 55 加熱ヒータ 56 熱伝導促進部材 57 ロータリージョイント
【表1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス素材を溶融する工程と、鏡面加工
    された受け面を有する受け型を予め加熱する工程と、前
    記溶融されたガラスを前記受け型上に供給する工程と、
    前記受け型を公転運動させて前記供給されたガラスに遠
    心力を作用させつつ、ガラスの自由面を加熱して、前記
    受け型の受け面に密着させつつ平坦化して成形する工程
    と、この成形したガラスを表面張力で変形しない温度に
    まで冷却する工程と、からなることを特徴とするガラス
    レンズ成形用プリフォームの製造方法。
  2. 【請求項2】 ガラス素材を溶融する手段と、鏡面加工
    された受け面を有する受け型を加熱する加熱手段と、溶
    融されたガラスを受け型上に供給する手段と、受け型を
    公転運動させる回転機構と、公転中の受け型上のガラス
    の自由面を加熱する加熱手段と、からなることを特徴と
    するガラスレンズ成形用プリフォームの製造装置。
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