JPH07246769A - インクジェット被記録材 - Google Patents

インクジェット被記録材

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JPH07246769A
JPH07246769A JP6039966A JP3996694A JPH07246769A JP H07246769 A JPH07246769 A JP H07246769A JP 6039966 A JP6039966 A JP 6039966A JP 3996694 A JP3996694 A JP 3996694A JP H07246769 A JPH07246769 A JP H07246769A
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inorganic pigment
ink
alumina hydrate
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Kiyoshi Tsuya
清士 津谷
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知 永峰
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐オゾン性等記録画像の保存性を改良して、さ
らにインクの発色性、吸収性および記録画像の解像性の
特性をすべて満たした、発色性、解像性および記録画像
保存性が共に優れたインクジェット被記録材を提供する
ことを目的とする。 【構成】本発明は、基材上に無機顔料を含んだ塗工層を
設けたインクジェット被記録材であり、アルミナ水和物
を塗工層中に添加したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水性インクジェット被記
録材に関するものであり、さらに詳しくは、発色性、解
像性、画像保存性を兼ね備えたインクジェット被記録材
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式による記録は、記録
液の小滴を発生、飛翔させ、被記録材に付着することに
より画像を得るものであり、容易に高品質、高解像度の
画像が得られるので近年急速に普及している。このイン
クジェット記録法に使用される被記録材としては、従
来、通常の紙が使用されてきた。しかし、インクジェッ
ト記録法における多色化や高速化などの要求が高まるに
つれて、被記録材に対しても高度な特性が求められるよ
うになった。具体的には、カラーグラビア印刷に匹敵す
る程度の色彩を発し、高解像度でかつ記録画像の保存性
にすぐれたものが必要とされている。このようなカラー
インクジェットプリンター用被記録材に必要とされる特
性は、詳細には以下のような項目を満たすものであると
理解することができる。 1.インクの発色性がよいこと。具体的には、インクド
ットの濃度が高く、色彩が明るく鮮やかに発色されるこ
と。 2.インクの吸収能が十分であること。具体的には、イ
ンクの吸収がはやく、ドットが重なった場合でも、先に
打ち込まれたドットに流れだしたりにじんだりしないこ
と。 3.記録画像の解像性がよいこと。具体的には、インク
ドットが真円に近く、インクドットの縁が滑らかである
こと。 4.記録画像の保存性がよいこと。具体的には、記録画
像が紫外線や空気中の酸素または水にさらされた場合で
あっても染料の堅牢性を低下させないこと。
【0003】しかしながら、上に挙げた特性をすべて満
たすインクジェット用被記録材は、未だに得られていな
いのが実状である。
【0004】例えば、特開昭52−53012号公報に
はインク吸収性を低下させずに湿潤強度を向上させるエ
ピクロルヒドリン変性ポリアミド樹脂等の湿潤紙力増強
剤を内添して得られるステキヒトサイズ度が0秒付近の
抄紙原紙に塗工紙製造用塗料を薄く塗布した一般紙タイ
プのインクジェット記録用紙が記載されている。他方、
特開昭58−72495号にはシリカ系顔料と水溶性高
分子バインダーからなる塗工液を基紙上に塗布し塗工層
を設けたインクジェット用記録用紙が開示されている。
また、オゾン試験によるC.I.フードブラック2の変
色を特定値以下としたインクジェット記録用紙が特開昭
63−252780号に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭52−
53012号記載の一般紙タイプの記録用紙は、インク
の吸収性は速やかであるが、ドット周辺がぼけやすくド
ット濃度も低いという欠点があった。また、特開昭58
−72495号記載の支持体表面にインク吸収能を有す
る塗工層を設けたインクジェット用記録紙は、ドットの
形状や濃度に関しては、一般紙タイプのインクジェット
用紙よりも改善されているが、画像保存性に関しては十
分とはいえない。さらに、特開昭63−253780号
に記載されているオゾン試験によるC.I.フードブラ
ック2の変色、すなわちΔE* a bを20以下とした塗
工層を有するインクジェット被記録材では耐オゾン性の
点ではある程度改善されているが、耐光性という点では
一般紙タイプの記録紙よりも劣るという欠点があり、記
録画像が光や空気中の酸素等の影響によって変色または
退色しないことを要求する画像保存性に関しては十分満
足できるものではない。
【0006】従って、本発明の目的は、これらの欠点を
克服し、耐オゾン性等記録画像の保存性を改良して、上
述の要件をすべて満たした、発色性、解像性および記録
画像保存性が共に優れたインクジェット被記録材を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討した結果アルミナ水和物の使
用が有効であることを見いだし、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、基材上に無機顔料を含んだ
塗工層を設けたインクジェット被記録材であって、該塗
工層にアルミナ水和物が添加された、インクジェット被
記録材からなる。
【0008】以下、本発明に係るインクジェット被記録
材について詳細に説明する。画像保存性とは記録後の画
像が外的要因の影響により変色または退色しないことを
いい、印字した被記録材を室内暗所に保存した場合にお
ける酸素による変色または退色に対する耐性や直射日光
や紫外線による変色または退色に対する耐性と考えるこ
とができる。これらの耐性に対する指標としては、一般
に耐オゾン性および耐光性等が用いられる。
【0009】耐オゾン性および耐光性について詳細に検
討したところ、以下のようなことが判明した。1)耐オ
ゾン性の低下は顔料と結着樹脂を含む塗工層を設けてい
ない一般紙タイプの記録紙ではほとんど認められないの
に対し、塗工層を設けた記録紙では顕著に認められ、特
に、発色性等に優れた記録紙の場合に耐オゾン性試験に
おける変色が著しい。2)耐オゾン性と耐光性との間に
は相関関係が認められない。3)記録剤成分であるイン
クの染料として塩基性染料、酸性染料、直接染料のいず
れを用いた場合であっても上記第1、第2の点は変わら
ない。
【0010】染料がオゾンによって分解されることはよ
く知られており、その分解は周囲のイオン強度、pH等
の環境条件や、水素結合、分子間力等染料と顔料の吸着
状態によって大きく異なるであろうことが推測される
が、その詳細については不明である。しかし、上述の
1)〜3)から、染料のオゾンによる分解と光による分
解とではその発生が異り、染料のオゾンによる分解には
塗工層中、特に、塗工層中に配合される無機顔料がその
表面付近でなんらかの影響を与え染料の分解を促進して
いると考えられる。そこで、耐光性や画質の点で十分な
性能を与え、無機顔料が有するオゾンによる染料の分解
を促進する活性を抑制しうるような物質およびこの物質
と無機顔料との併用することができる系を検討したとこ
ろ、アルミナ水和物によってオゾンによる染料の分解を
抑制できることを見いだした。
【0011】すなわち、本発明に係るインクジェット被
記録材は、基材上に無機顔料を含んだ塗工層を設けた記
録材であり、アルミナ水和物を塗工層に添加したことを
特徴とする。
【0012】本発明で用いられるアルミナ水和物には、
水酸化アルミニウム、Al2 3 ・nH2 Oの化学式で
表されるゲルおよび結晶質のものがあり、結晶質のもの
としては三水和物のジブサイト、バイヤライト、一水和
物のベーマイト、ダイアスポア等があげられる。これら
のアルミナ水和物は種々市販されており、例えば、AS
−3(アルミナゾル、触媒化成社製)、C−301(水
酸化アルミニウム、住友化学工業社製)として入手する
ことができる。
【0013】上記化合物を用いることにより、インクの
発色性、解像性を有しつつ記録画像の保存性、特に耐オ
ゾン性に優れた記録材を得ることができる。この化合物
が有効な理由は定かではないが、塗工層中で、オゾンに
よる染料の変色を配合されている無機顔料が促進するの
を抑制することで記録の保存性を向上させると考えられ
る。
【0014】本発明に用いることができるアルミナ水和
物の粒径の範囲は発明の目的を達成するためには特に制
限はないが、使用する無機顔料と粒径の範囲がほぼ同じ
であり、特に0.005〜20μmの粒径の範囲のもの
を用いることによって、塗工面の平滑性等が改善され画
質の点で好ましい結果を得ることができる。
【0015】上述のアルミナ水和物を含んだ塗工層を基
材上に設けることにより本発明に係るインクジェット被
記録材が得られる。用いられる基材としては、例えばコ
ート紙、再生紙、上質紙、アート紙等の紙およびポリエ
チレンテレフタレート、ポリエステルジアセテート等の
プラスチックがあげられるが、OHP用等のように透明
な被記録材が必要な時以外は一般に紙が用いられる。
【0016】また、インクジェット方式のインクの吐出
量は、プリンターや複写機の機種により変動が大きく、
インクの吐出量の多い機種に対応可能なように、インク
の吸収能を大きくするためには、塗工層中の顔料自体の
インクの吸収能を大きくする、塗工層を厚くするまたは
基材である紙自体の吸収能を高めるなどの対応方法があ
る。従って、種々のインク吐出量に合わせた被記録材を
得ることができる。しかし、紙自体の吸収性を高めるた
めに低ステキヒトサイズ度の用紙を用いると、フェザリ
ング等が発生し、解像性の点で好ましくない結果とな
る。従って、本発明のように比較的薄く優れたインク吸
収能を有する塗工層を用いて吐出されたインクの大部分
を吸収し、発色性、解像性および記録画像保存性に優れ
た被記録材を得るためには、吸収が比較的遅い高ステキ
ヒトサイズ度の紙を基材として用いることが好ましい結
果を与える。ステキヒトサイズ度が15秒以上であるよ
うな紙を用いた場合には、発色性、解像性等において特
に優れた被記録材を得ることができる。ステキヒトサイ
ズ度が15秒未満の場合には、インクの溶剤が塗工層中
の奥深くまで浸透することに伴って発色性や解像性が低
下する傾向があり、また塗工層の粉落ちが発生しやすく
なる傾向が見られる。
【0017】アルミナ水和物はインクの吸収性を有する
無機顔料として使用可能なものであるので、アルミナ水
和物と結着樹脂からなる塗工液を基材上に塗布乾燥して
アルミナ水和物単独の塗工層を設けたインクジェット被
記録材を作成することもできる。しかし、アルミナ水和
物には、塗工層中の無機顔料に認められたオゾンによる
変色を促進する性質を抑制する作用があるので、無機顔
料にアルミナ水和物を配合して使用した場合に、無機顔
料の性質に起因する優れた発色性や解像性等の画質を保
持しつつ、オゾンによる変色を抑制し耐オゾン性を大幅
に改良することができる。むしろ、無機顔料とアルミナ
水和物の併用により発色性等を向上させることも可能で
ある。
【0018】アルミナ水和物と無機顔料との併用の有効
性は図1によって容易に理解することができる。図1に
おいて、色差ΔE* はアルミナ水和物の添加により急激
に減少する。つまり、耐オゾン性はアルミナ水和物の添
加量の増加により急激に改善される。アルミナ水和物の
添加による効果は、アルミナ水和物および無機顔料の総
重量に対し0.1重量%以上において顕著になり、50
重量%以上になると添加量によってさほど大きな変化は
みられなくなる。従って、0.1重量%以上の添加によ
って効率的に耐オゾン性が改善される。他方、アルミナ
水和物のインク吸収能力は、無機顔料に比べて低いの
で、50重量%を越えると、インクの吸収性の低下に起
因する解像性や発色性の低下がみられるようになる。従
って、さらに解像性等の画質を考慮すると、アルミナ水
和物の配合量はアルミナ水和物および無機顔料の総重量
に対し0.1〜50重量%の範囲で用いることが好まし
い。特に、5〜40重量%の範囲の場合には解像性や発
色性等についても改善の傾向がみられる。
【0019】このような基材上の塗工層中にアルミナ水
和物を配合させた被記録材は、アルミナ水和物と無機顔
料を混合分散しスラリーを得、ついで結着樹脂を添加し
て調整された塗工液を基材上に塗布乾燥して得ることが
できる。
【0020】用いられる無機顔料としては、インクの吸
収能を高め高品位の画像を達成可能なものを選ぶことが
好ましい。このような無機顔料としては、例えば、シリ
カ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、
サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、リトポン等の無
機系の白色顔料があり、これらを単独に、または二種以
上を併用して用いることができる。
【0021】無機顔料の粒径は、通常顔料として使用で
きる範囲のものであればよいが、塗工層表面の平滑性等
に影響を与えるので、特に、0.005〜20μmの範
囲、好ましくは、0.005〜10μmの範囲のものが
塗工層表面の平滑性や解像性の点から優れている。粒径
が0.005μm未満の場合は解像性が低下する傾向を
しめし、20μmを越える場合には塗工層表面の平滑性
が低下する傾向がある。
【0022】無機顔料の比表面積はインクの吸着に影響
を与え、比表面積が80m2 /g未満の場合は画像濃度
が低下する傾向があるので、インクの発色性や解像性等
画質の面から考慮すると大きいほどよく、少なくとも4
0m2 /g程度以上のものを用いることが好ましい結果
を与える。従って、この範囲でアルミナ水和物以外の無
機顔料は選択することができるが、耐オゾン性等の保存
性および画質の点で、好ましくは、80〜500m2
g、特に好ましくは150〜400m2 /gの範囲にあ
る無機顔料を用いることがより効果的である。500m
2 /gを越える場合には耐オゾン性が低下する傾向にあ
るが、この理由は、オゾン試験による変色は塗工層中で
発生し、塗工層中の顔料により触媒作用等の影響を受け
るためと推測できる。このように大きな比表面積を有す
る無機顔料はその表面はきわめて活性が高いものであ
り、アルミナ水和物による活性の抑制の効果を越えてオ
ゾン試験による変色が発生しやすくなるためと考えられ
る。
【0023】また、無機顔料の吸油量もインクの吸収性
や発色性に影響を与える重要な物性のひとつである。一
般的には、吸収量が大きいほど高いインク吸収性が得ら
れ、吸油量が、150〜350ml/100gの範囲の
無機顔料を用いた場合に発色性の点で優れた被記録材が
得られる。150ml/100g未満の場合には塗工層
のインク吸収性が低下する傾向を示し、一方、350m
l/100gを越える場合には発色性が低下する傾向を
示す。ただし、吸油量が大きいものであっても顔料粒子
の内部の細孔にインクの大部分が吸着されて顔料表面に
吸着されるインク量が少なくなるために発色性が低下す
るような場合もある。
【0024】塗工液は、アルミナ水和物および無機顔料
とを水の存在下、混合、分散することによりスラリーを
得、次いでこのスラリーに結着樹脂を添加することによ
り調製される。ここで用いられる結着樹脂としては結着
能力のある高分子であれば特に制限はなく、このような
ものとして例えば酸化澱粉、ポリビニルピロリドン、ポ
リビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の
水溶性高分子、スチレン/ブタジエン系ラテックス、ポ
リ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル、ポリエステ
ル、ポリウレタン等の合成高分子が挙げられるが、画像
の光学濃度の点では、水溶性高分子を用いることが好ま
しい結果を与える。
【0025】結着樹脂の配合量はアルミナ水和物および
無機顔料の総量に対して通常、10〜200重量%の割
合で用いられ、特に、20〜100重量%がインク吸収
能の点において好ましい。配合量が10重量%未満の場
合、顔料を基材に接着させることができず、200重量
%を越える場合には、インク吸収性が低下する傾向がみ
られる。
【0026】このようにして得られた塗工液を基材上に
エアナイフコーター、ブレードコーター、キャストコー
ター等の公知の塗布装置により塗工し、熱風乾燥機、遠
赤外線乾燥機等の公知の乾燥手段により乾燥することに
より被記録材が得られる。塗工量は、一般に固形分とし
て、0.5〜50g/m2 、好ましくは、2〜10g/
2 である。塗工量が、0.5g/m2 未満の場合は、
基材を完全に覆うことが難しくなり、50g/m2 を越
える場合は、塗工層の粉落ちが生じるようになる。
【0027】また、塗工液を調製する際に、必要に応じ
て顔料分散剤、保水剤、耐水化剤、増粘剤、離型剤、潤
滑剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、筆記性改良剤等各種添
加剤を適宣併用することができる。
【0028】さらに、塗工層を設けた後、塗工表面の光
沢度および平滑度を更に向上させるために、インク吸収
能が低下しない程度に、スーパーカレンダー、グロスカ
レンダー等で処理を施すことも差し支えない。
【0029】なお、本発明に係る上述の被記録材は、イ
ンクジェット方式の記録に一般的に使用される水系のイ
ンクに適用することができる。このようなインクの成分
は、例えば、酸性染料や直接染料のような染料1〜5重
量%、ノズルの目詰まりを防止するためのジエチレング
リコールのような水溶性高沸点有機溶剤5〜60重量%
および水30〜80重量%を含んだ組成を有している。
【0030】以下、実験例を用いて、更に詳しく説明す
る。
【0031】実験例1 アルミナ水和物としてアルミナゾル(製品名:AS−
3、触媒化成社製、粒径:0.006〜0.02μm)
12重量部、無機顔料として合成シリカ(製品名:SY
LCIA450、富士シリシア社製、粒径5.2μm、
比表面積:300m2 /g、吸油量:200ml/10
0g)18重量部およびヘキサメタリン酸ナトリウム
(和光純薬社製)1重量部を水170重量部にホモジナ
イザーを用いて分散させてスラリー液を調製した。つい
で、得られたスラリー液200重量部に、濃度が10重
量%のポリビニルアルコール水溶液(商品名:PVA1
17、クラレ社製)150重量部を混合し、スターラー
を用いて撹拌し塗工液を調製した。得られた塗工液を、
JIS P8122によるステキヒトサイズ度が27秒
の原紙にバーコーターを用いて、乾燥後の塗工量が7g
/m2 となるように塗工し、オーブンで乾燥(110℃
5分間)して塗工層を設け、本発明であるインクジェ
ット被記録材を作成した。このようにして得られた被記
録材について、以下に示す方法に従って評価を行い、そ
の結果を表1に示した。 評価法 1 記録方法 カラー複写機(製品名:Pixel Jet、キヤノン
社製)および専用インク(製品名:BJ CRG BC
−40Bk(黒)、BJ CRG BC−40C(シア
ン)、BJ CRG BC−40M(マゼンタ)、BJ
CRG BC−40Y(イエロー)等、キヤノン社
製)を用い、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー、
レッド、ブルー、グリーンの各色について、ベタパター
ンと5/360インチ間隔の細線(線幅:1/360イ
ンチ)を印字した。 2 発色性 ブラックの記録部分の光学濃度(O.D.)を、マクベ
ス濃度計(製品名:RD918、マクベス社製)を用い
て測定した。 3 解像性 ブルーで印字した文字部分について、白抜きの部分の残
り具合いを目視により次の評価基準に従い判定した。 (1) 2本の細線をまったく区別できない。 (2) 2本の細線をかろうじて区別できる。 (3) 2本の細線を容易に区別できる。 (4) 2本の細線の区別は容易であるがエッジはシャ
ープではない。 (5) 2本の細線のエッジがシャープであり、はっき
り区別できる。 4 耐オゾン性 オゾンウエザーメーター(製品名:OMS−HCR、ス
ガ試験機社製)を用いて、オゾン濃度1ppm、温度4
0℃、相対湿度(RH)56の条件で、印字した記録材
を暴露した。その後、ブラックの記録部分について、測
色色差計(製品名:1001DP、日本電色工業社製)
を用い、未暴露物との色差(ΔE* )を測定し耐オゾン
性の評価値とした。色差(ΔE* )の測定値が小さいほ
どオゾンによる記録部分の変色または退色が少なく、耐
オゾン性が優れていることを示している。 5 耐光性 カーボンアーク灯式フェードメーター(製品名:FAL
−15HB、スガ試験機社製)を用いて印字した記録材
に紫外線を50時間照射したものについて、マゼンタの
記録部分の光学濃度を、マクベス反射濃度計(製品名:
RD918、マクベス社製)を用いて測定し、照射前後
の光学濃度を用いて次式に従い、光学濃度残存率(R.
O.D.)(%)を求め耐光性の評価値とした。 R.O.D.(%)=(照射後のO.D./照射前の
O.D.)×100 6 粉落ち 円筒形の分銅に黒い紙を巻き付け接触面の圧力がそれぞ
れ1、2、3、4、5kg/cm2 となるようにして、
分銅を塗工紙上を20cm程滑らし接触面で粉落ちが発
生したかどうかを目視により判断し、分銅の重量により
粉落ちの程度の評価基準とした。
【0032】実験例2 アルミナ水和物として微粒水酸化アルミニウム(商品
名:C−301、住友化学工業社製、粒径:1μm)1
2重量部を用いて実験例1と同様にしてインクジェット
被記録材を作成し、評価した結果を表1に示す。
【0033】実験例3 無機顔料として微粉無水酸化アルミニウム(製品名:ア
ルミニウムオキサイドC、デグサ社製、粒径:0.01
3μm、比表面積:100±15m2 /g、吸油量:1
75ml/100g)18重量部を用いて実験例1と同
様にしてインクジェット被記録材を作成し、評価した結
果を表1に示す。
【0034】実験例4 アルミナ水和物として微粒水酸化アルミニウム(商品
名:C−301、住友化学工業社製、粒径:1μm)1
2重量部を用い、無機顔料として微粉無水酸化アルミニ
ウム(製品名:アルミニウムオキサイドC、デグサ社
製、粒径:0.013μm、比表面積:100±15m
2 /g、吸油量:175ml/100g)18重量部を
用いて実験例1と同様にしてインクジェット被記録材を
作成し、評価した結果を表1に示す。
【0035】実験例5 無機顔料を用いず、アルミナ水和物のアルミナゾル(製
品名:AS−3、触媒化成社製、粒径:0.006〜
0.02μm)を30重量部用いて実験例1と同様にし
てインクジェット被記録材を作成し、評価した結果を表
1に示す。
【0036】実験例6 アルミナ水和物としてアルミナゾル(製品名:AS−
3、触媒化成社製、粒径:0.006〜0.02μm)
15重量部、無機顔料として合成シリカ(製品名:SY
LCIA450、富士シリシア社製、粒径5.2μm、
比表面積:300m2 /g、吸油量:200ml/10
0g)15重量部を用いて実験例1と同様にしてインク
ジェット被記録材を作成し、評価した結果を表1に示
す。
【0037】実験例7 アルミナ水和物としてアルミナゾル(製品名:AS−
3、触媒化成社製、粒径:0.006〜0.02μm)
6重量部、無機顔料として合成シリカ(製品名:SYL
CIA450、富士シリシア社製、粒径5.2μm、比
表面積:300m2 /g、吸油量:200ml/100
g)24重量部を用いて実験例1と同様にしてインクジ
ェット被記録材を作成し、評価した結果を表1に示す。
【0038】実験例8 アルミナ水和物としてアルミナゾル(製品名:AS−
3、触媒化成社製、粒径:0.006〜0.02μm)
3重量部、無機顔料として合成シリカ(製品名:SYL
CIA450、富士シリシア社製、粒径5.2μm、比
表面積:300m2 /g、吸油量:200ml/100
g)27重量部を用いて実験例1と同様にしてインクジ
ェット被記録材を作成し、評価した結果を表1に示す。
【0039】実験例9 得られた塗工液を、JIS P8122によるステキヒ
トサイズ度が5秒の原紙にバーコーターを用いて、乾燥
後の塗工量が7g/m2 となるように塗工して実験例1
と同様にしてインクジェット被記録材を作成し、評価し
た結果を表1に示す。
【0040】実験例10 無機顔料として合成シリカ(製品名:P527、水澤化
学工業社製、粒径:1.8μm、比表面積:30〜60
2 /g、吸油量:160±20ml/100g)18
重量部を用いて実験例1と同様にしてインクジェット被
記録材を作成し、評価した結果を表1に示す。
【0041】実験例11 無機顔料として合成シリカ(製品名:SYLCIA77
0、富士シリシア社製、粒径:6.0μm、比表面積:
700m2 /g、吸油量:95ml/100g)18重
量部を用いて実験例1と同様にしてインクジェット被記
録材を作成し、評価した結果を表1に示す。
【0042】実験例12 アルミナ水和物を用いず、無機顔料である微粉無水酸化
アルミニウム(製品名:アルミニウムオキサイドC、デ
グサ社製、粒径:0.013μm、比表面積:100±
15m2 /g、吸油量:175ml/100g)12重
量部および合成シリカ(製品名:SYLCIA450、
富士シリシア社製、粒径5.2μm、比表面積:300
2 /g、吸油量:200ml/100g)18重量部
を用いて実験例1と同様にしてインクジェット被記録材
を作成し、評価した結果を表1に示す。
【0043】実験例13 アルミナ水和物を用いず、無機顔料である合成シリカ
(製品名:SYLCIA450、富士シリシア社製、粒
径5.2μm、比表面積:300m2 /g、吸油量:2
00ml/100g)を30重量部用いて実験例1と同
様にしてインクジェット被記録材を作成し、評価した結
果を表1に示す。
【0044】実験例14 塗工層を設けることなく、JIS P8122によるス
テキヒトサイズ度が27秒の原紙にそのまま記録し、評
価した結果を表1に示す。
【0045】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 発色性 解像性 色 差 耐光性 粉落ち OD ΔE* % g/cm2 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実験例1 1.62 5 9.2 72 5以上 実験例2 1.50 4 8.2 68 5以上 実験例3 1.62 5 10.3 70 5以上 実験例4 1.45 4 8.0 65 5以上 実験例5 1.44 3 6.0 71 5以上 実験例6 1.59 3 6.9 72 5以上 実験例7 1.64 5 12.7 69 5以上 実験例8 1.64 5 13.4 70 5以上 実験例9 1.45 2 10.6 70 1 実験例10 1.13 2 9.8 71 4 実験例11 1.21 3 54.1 72 2 実験例12 1.48 1 30.3 66 3 実験例13 1.69 5 45.1 73 1 実験例14 1.15 1 1.0 88 − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0046】実験例1〜11と実験例12、13との比
較から、アルミナ水和物を塗工層に配合することにより
耐オゾン性が向上することがわかる。実験例1、5〜8
および13との比較から、図1に示されるように、耐オ
ゾン性については、無機顔料である合成シリカ単独のイ
ンクジェット被記録材よりもアルミナ水和物と無機顔料
を併用した方がきわめて優れた結果をしめし、特に、5
0重量%の場合、ほぼアルミナ水和物単独の場合と同程
度の数値である。一方、発色性や解像性等の画質に関し
ては、両者を併用した場合のほうが、アルミナ水和物単
独で用いた場合より優れた数値をしめしている。従っ
て、アルミナ水和物は、無機顔料が有する優れた発色性
等の画質を損なうことなく、無機顔料によって発生する
オゾンによる変色を抑制していることがわかる。実験例
10、11はアルミナ水和物と同時に配合する無機顔料
の種類によって耐オゾン性が変化することをしめしてい
る。SYLCIA770を単独で塗工層に使用する場合
には、塗工性の点からバインダー量をやや多めにして塗
工層を形成する必要があり、得られた被記録材の耐オゾ
ン性は極めて悪いが、アルミナ水和物の添加により耐オ
ゾン性は実験例11にしめされる程度まで改良される。
このことは、無機顔料はオゾンによる変色の原因となり
得るものであり、顔料によっておよぼす影響力が異なる
ことを意味する。これは、塗工層を形成していない実験
例14の場合に、オゾン試験による変色がきわめて小さ
いことからも理解される。耐光性については、アルミナ
水和物のうちアルミナゾルがより好ましい結果を与える
ことを示している。
【0047】以上の結果から、アルミナ水和物を無機顔
料からなる塗工層に配合することよって耐オゾン性が大
幅に改良され、特に併用する無機顔料の比表面積が80
〜500m2 /gの範囲のものを用いることにより優れ
た耐オゾン性を有し、また用いる無機顔料について吸油
量が150〜350ml/100gの範囲の無機顔料を
用いることにより解像性や発色性等画質についても改良
され、記録保存性および画質が共に優れた被記録材が得
られることが理解される。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、耐オゾ
ン性、耐光性等に優れた、画像保存性を有し、かつ発色
性、解像性等の画質がともに優れたインクジェット被記
録材を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】無機顔料とアルミナ水和物とを配合した塗工層
における、アルミナ配合量と色差および発色性との関係
を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に無機顔料を含んだ塗工層を設け
    たインクジェット被記録材であって、該塗工層にアルミ
    ナ水和物が添加された、インクジェット被記録材。
  2. 【請求項2】 アルミナ水和物の添加量が、塗工層中の
    無機顔料およびアルミナ水和物の総量に対して0.1重
    量%〜50重量%の範囲であることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット被記録材。
  3. 【請求項3】 塗工層中の無機顔料の比表面積が80〜
    500m2 /gの範囲にあることを特徴とする請求項2
    に記載のインクジェット被記録材。
  4. 【請求項4】 塗工層中の無機顔料の吸油量が150〜
    350ml/100gの範囲にあることを特徴とする請
    求項2または請求項3に記載のインクジェット被記録
    材。
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