JPH0724560A - ピンチロール駆動異常監視装置 - Google Patents

ピンチロール駆動異常監視装置

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JPH0724560A
JPH0724560A JP17025493A JP17025493A JPH0724560A JP H0724560 A JPH0724560 A JP H0724560A JP 17025493 A JP17025493 A JP 17025493A JP 17025493 A JP17025493 A JP 17025493A JP H0724560 A JPH0724560 A JP H0724560A
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JP
Japan
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abnormality
pinch roll
torque
level
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Withdrawn
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JP17025493A
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English (en)
Inventor
Shigeru Miura
浦 茂 三
Naohiro Wajima
嶋 直 洋 和
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ピンチロール動力伝達機構の異常を自動監視
し、異常部位の検出を行う。 【構成】 モーター等の駆動制御装置に内蔵又は外付け
されたトルクモニタ,そのトルク信号の各周波数成分お
よびピ−ク値を検出する波形解析器,解析結果から異常
を判定する異常判定ロジック回路,伝達機構の諸元や判
定用デ−タを入力する入力部,判定結果を表示する表示
部、および、異常判定情報処理に必要な参照データ等を
保存するデータファイル部を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピンチロ−ルを回転駆
動する機構の異常を監視するための装置に関する。
【0002】
【従来技術】ピンチロ−ルは、物体に圧接しているため
その回転駆動系に機械的な異常を生ずると、物体に変
形,疵等をもたらす。例えば圧延機のワ−クロ−ル,バ
ックアップロ−ル、あるいは、連続鋳造でモ−ルドから
引抜かれた鋳片を挟圧ガイドし搬送するロ−ルの回転駆
動系に機械的な故障を生ずると、所望品質の圧延製品や
鋳造片が得られなくなる。
【0003】従来のこの種の回転駆動系の異常判定は、
機械構造部に振動検出器,温度検出器等の各種検出器を
取り付けあるいは回転原動機である電気モ−タにその電
流を検出する電流検出器を接続し、これらの検出器の信
号により異常の有無を判定していた。あるいは、人が機
械伝達部に接近し、振動計,温度計を機械部品に当てて
振動,温度等を測定測定していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の各種検出器
を機械伝達機構部に取り付ける方法は、異常の有無を判
定するために多数の検出器を取り付けなければならず、
設置コストが高くなっていた。また、取り付けられた検
出器は機械伝達機構部の取り替えに伴い設置替えをしな
ければならないなどの不具合があった。一方、人による
測定は測定対象が運動機構部であり、その直近で作業す
ることになり安全面での問題があった。
【0005】本発明は、概略でいうと、以上の如き従来
の異常監視に関する問題を解決することを目的とする。
具体的には、ピンチロ−ル駆動機構の機械的な異常を自
動的に検知することを第1の目的とし、実質上駆動機構
要素区分で異常を自動的に検知することを第2の目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】ピンチロ−ル駆動機構の
機械要素に故障が発生すると、あるいは異常となると、
ピンチロ−ル駆動機構の原動機である電気モ−タのトル
クが変化する。これに着目して本発明では、該電気モ−
タのトルクを検知するトルクモニタのトルク検知波形
(時系列のトルク変動)の特徴を波形解析器で抽出し、
この特徴に基づき異常判定ロジック回路において異常の
有無を判定する。この異常判定に所要の情報又は指令を
入力部より異常判定ロジック回路に入力し、判定結果を
表示部に表示し、異常判定に所要の情報をデータファイ
ル部に保存する。
【0007】本発明のピンチロール駆動異常監視装置の
一実施態様は、モ−タからピンチロ−ルに至るピンチロ
−ル駆動機構の駆動トルクを検出する手段(1);検出さ
れた駆動トルクの時系列変化の周波数成分を解析し各周
波数成分のレベルを検知する波形解析手段(2);およ
び、検知された各レベル(Pit)がその周波数に宛てられ
た設定値(Rpis×Pis)を越えると該周波数対応の異常
情報を発生する異常検知手段(5);を備える。なお、カ
ッコ内の記号は、図面に示し後述する実施例の対応要素
を示す。
【0008】
【作用】ピンチロ−ル駆動機構の機械要素に異常が発生
すると、ピンチロ−ル駆動機構の原動機である電気モ−
タのトルクが増大しかつ振動し、トルクの時系列変化の
周波数成分の内、異常となった機械要素に対応する周波
数のピ−ク値が増大し、異常検知手段(5)が、該周波数
対応の異常情報を発生する。すなわち機械要素の異常が
自動検知され異常情報が自動的に発生される。
【0009】駆動トルクを検出する手段(1)は、最も好
ましい態様では電気モ−タの電流値を検出する電流セン
サであり、この場合には、ピンチロ−ル駆動機構に機械
的にセンサを結合する必要がない。トルクを検出する手
段(1)として、歪ゲ−ジや圧電素子など、回転トルクを
電気信号に変換する公知のトルクセンサを用いることも
できる。この場合にはピンチロ−ル駆動機構の、回転ト
ルクが加わる部位にトルクセンサを機械的に結合する必
要があるが、電気モ−タの回転軸からピンチロ−ルの回
転軸までが機械的にトルク伝達関係にあるので、1箇所
にトルクセンサを装備して、波形解析手段(2)で各周波
数成分を解析しそれぞれの周波数成分のレベルを検知す
ることにより、電気モ−タの回転軸からピンチロ−ルの
回転軸までの各所の異常を個別に自動検知することがで
きる。
【0010】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0011】
【実施例】図1に、本発明装置の一適用対象である、連
続鋳造設備を示し、図2に、該連続鋳造設備の制御を行
なう電気制御系の概要を示す。この電気制御系に本発明
の一実施例が組込まれている。連続鋳造設備において
は、溶鋼が溶鋼鍋からタンディシュに、そしてタンディ
シュからモ−ルドに供給されて、モ−ルドにおいて上部
から下部へと引き出されるに従って冷却される。モ−ル
ドから引出された鋳片は、中心部が溶鋼で外表面部が固
化(シェル)したものであり、当初は略垂直方向にロ−
ルで案内され、そして次第に水平方向に案内され、そし
てピンチロ−ル群で引かれる。その間冷却が継続して行
なわれる。ピンチロ−ルは、動力伝達機構を介して電気
モ−タで回転駆動される。
【0012】図2を参照する。図2に示す連続鋳造機主
幹制御装置とは、図1の連続鋳造機の各機械装置を制御
するための装置で、鋳造速度等の操業情報及び制御状態
の情報などが格納されており、本発明の一実施例である
異常監視装置に操業情報を送る。駆動制御装置とは、ピ
ンチロールを回転駆動しかつ回転速度を制御する装置で
ある。モータはピンチロールを回転させる動力源であ
り、動力伝達機構はその駆動力を伝達する。ピンチロー
ルは連続鋳造鋳片を引き出すものである。トルクモニタ
1は、モータの回転駆動力を検出するものであり、この
実施例では、トルクモニタ1は、モ−タの通電電流レベ
ルを検出する電流センサと検出した通電電流レベルを回
転トルクを表わす信号に変換(校正)する電気回路で構
成されている。トルクモニタ1は回転トルクを表わす信
号を波形解析器2に与える。波形解析器2はトルクモニ
タ1が与える信号の波形(トルクの時系列変化)の特徴
を抽出するために、周波数成分分析ならびに各成分のピ
−ク値の検出をするものである。入力部3は入力ボ−ド
であり、異常監視する機器の機械諸元,監視処理に参照
するデ−タの入力,監視項目の指定,監視参照デ−タの
採取指令,監視開始指令等の入力をするものである。異
常判定ロジック回路5は、波形解析器2が分析した成分
周波数それぞれのピ−ク値に基づいて動力伝達機構の異
常の有無と、異常があるときには異常箇所を判定するも
のである。表示器4は、入力情報,回路5の判定結果,
波形解析器2の分析情報等を表示するものである。ま
た、データファイル6は、判定で参照する情報,波形解
析器2の分析情報等を格納保存するものである。
【0013】本発明の一実施例である図2に示す異常監
視装置は、トルクモニタ1,波形解析器2,入力部3,
表示器4,異常判定ロジック回路5およびデ−タファイ
ル6で構成される。図3には、異常判定ロジック回路5
が表示器4に表示する入,出力表示画像4Dを示し、図
5〜図6には異常判定ロジック回路5の、監視処理の内
容(処理フロ−)を示し、図7には異常判定ロジック回
路5が表示器4に、入,出力表示画像4Dと共に表示す
る、測定デ−タのグラフィック表示画像4Iを示す。
【0014】異常判定ロジック回路5の機能概要を説明
すると、回路5は、連続鋳造が安定であるかを鋳造速度
を監視して判定する。連続鋳造が安定していると、トル
クモニタ1のトルク信号の周波数分析を波形解析器2で
行なって、トルク信号の各周波数成分とそのピ−ク値を
得る。これらの周波数成分とそれぞれのピ−ク値を、予
め測定しメモリに保存しておいた参照デ−タと比較し
て、どの周波数成分が異常増大したかを検出し、表示器
4に、異常増大した周波数成分に対応する機械要素が異
常である旨の表示を行なう。参照デ−タにない周波数成
分が現われると該周波数成分に対応する機械要素が異常
である旨の表示を行なう。例えば、高周波数域のピ−ク
値が増大するか、あるいは新たに現われると、これはベ
アリングの不良とみなしてベアリング異常を表示する。
低周波数域であるとユニバ−サルシャフト,ピンチロー
ル等が不良とみなしてこれらの異常を表示する。
【0015】次に主に図4〜図6を参照して、異常判定
ロジック回路5の監視処理の内容を説明する。まず図4
を参照する。電源が投入されると異常判定ロジック回路
5は、その内部レジスタに初期デ−タを設定し、その
入,出力ポ−トを待機状態とし、異常監視に参照するデ
−タ(保存値)および測定デ−タ(保存値)を、デ−タ
ファイル6から読出して内部レジスタに設定し、図3に
示す入,出力表示画像4Dおよび図7に示すグラフィッ
ク表示画像4Iを表示する(図4のステップ1および
2;以下カッコ内では、ステップという語を省略してN
o.数字のみを示す)。図3に示す入,出力表示画像4
Dは、ピンチロ−ル駆動モ−タからピンチロ−ルまでの
主要な機械要素を表わす定形パタ−ン,機械諸元値を表
示するブロック,異常表示灯像および異常報知センテン
スブロックがあり、機械諸元値を表示するブロックに
は、デ−タファイル6から読出したデ−タが表示され、
図7に示すグラフィック表示画像4Iには、現在の月
(図7のグラフの横軸の「7」の位置)から過去7ケ月
(横軸の「6」の位置から「0」の位置まで)の、各月
の、トルク変化に含まれる高(F0),中(F1),低(F2)
周波数成分それぞれのピ−ク値の最大値(月内最大値)
と、異常か否かの判定に参照する基準値(しきい値)R
p0s〜Rp2sのレベルが表示される。オペレ−タはここ
で、入,出力表示画像4Dの機械諸元値を表示するブロ
ックの表示値を、入力部3を用いてブロック中の数字を
表示画面上の入力位置指定用のカ−ソル(図示せず)で
指定して変更することができる。すなわち、表示された
機械諸元値が現状のそれらの値と異なるときなどには、
現状値を入力することができる。
【0016】異常判定ロジック回路5は次に、図4のス
テップ3の「入力読取」で入力部3の入力を読取る。こ
こでオペレ−タが機械諸元値の変更入力操作をすると、
入力値に表示を更新しかつ、該機械諸元値を格納するレ
ジスタのデ−タを入力値に変更する。オペレ−タが、機
械諸元値の変更入力をした後「実行」を入力すると、回
路5は、表示中の機械諸元値ならびに連続鋳造機主幹制
御装置が与えた鋳造速度に基づいて、監視対象周波数成
分F0(高周波),F1(中間周波),F2(低周波)を
設定する。この実施例が監視対象とするピンチロ−ル駆
動系は、電気モ−タ/ギアカップリング/減速機/ユニ
バ−サルシャフト/軸受け/ピンチロ−ル、のこの順の
機械的結合であり、この系のいずれかの要素に異常が発
生すると、電気モ−タの回転トルクが該異常に対応した
変動を生ずる。ベアリング(モ−タ,減速機,軸受け等
のもの)の不良の場合には高周波域(数百Hz以上)の
トルク成分のレベル変化が大きく、ギア(ギャカップリ
ング,減速機のもの)の不良の場合には中間周波数域
(数十Hz〜数百Hz)のトルク成分のレベル変化が大
きく、軸体(ユニバ−サルシャフト,ピンチロ−ル等)
の偏心又は曲り等の不良の場合には低周波数域(数Hz
〜数十Hz)のトルク成分のレベル変化が大きい。いず
れの周波数域も、回転速度(鋳造速度)と機械要素それぞ
れの機械諸元値により定まる。回転速度あるいは機械諸
元値が変わると、トルク成分周波数がシフトする。上述
の監視対象周波数成分F0(高周波),F1(中間周波)
およびF2(低周波)は、それぞれ、ベアリングの不良
の場合にレベル変動が大きくなる高周波域の代表値,ギ
アの不良の場合にレベル変動が大きくなる中間周波域の
代表値、および、軸体の偏心又は曲り等の不良の場合に
レベル変動が大きくなる低周波数域の代表値である。回
路5は、監視対象周波数成分F0(高周波),F1(中間
周波),F2(低周波)を新たに設定(それらを格納す
るレジスタのデ−タを更新)すると、デ−タファイル6
にもこれを追加書込みする。
【0017】なお、グラフィック表示画像4Iの図示し
ない改頁入力欄をオペレ−タがピックすることにより、
回路5はグラフィック表示画像4Iを、参照デ−タ入,
出力表示画像に切換える。この画像は、基準値Rp0s〜
Rp2s、ならびに、現在保持する監視対象周波数成分F0
(高周波),F1(中間周波),F2(低周波)およびそ
れらのピ−ク値P0s,P1sおよびP2sの現在値(最
初はデ−タファイル6から読出した値)を表示するもの
であり、オペレ−タはこの画像で表示された基準値Rp0
s〜Rp2sを、上述の、機械諸元値の変更と同様な手順で
変更することができる。監視対象周波数成分F0(高周
波),F1(中間周波),F2およびそれらのピ−ク値P
0s,P1sおよびP2sを変更する場合には、オペレ−
タは入力部3を用いて回路5に、「参照デ−タ設定指
令」を入力する。
【0018】この「参照デ−タ設定指令」があると回路
5は、「トルク周波数の解析&保存」(6)を実行す
る。これにおいてまず波形解析器2に動作指令を与え
る。波形解析器2はこれに応答して所定のサンプリング
ピッチでトルクモニタ1が出力する回転トルク(レベ
ル)を表わす信号をデジタル変換して読込み、波形解析
により、回転トルク(レベル)の時系列変化(トルク波
形)に含まれる各種周波数成分を所定の分解能で抽出
し、各成分のピ−ク値を算出して、それが所定レベル以
上の周波数成分の周波数とそのピ−ク値を異常判定ロジ
ック回路5に転送する。回路5は、転送されたデ−タを
内部メモリに格納し、それらのデ−タの中の、監視対象
周波数成分F0(高周波)を中心とする所定領域の周波
数のピ−ク値の和を、F0(高周波)割当てのレジスタ
に、ピ−ク値P0sとしてメモリし、監視対象周波数F1
(中間周波)を中心とする所定領域の周波数のピ−ク値
の和を、F1(中間周波)割当てのレジスタに、ピ−ク
値P1sとしてメモリし、監視対象周波数F2(低周波)
を中心とする所定領域の周波数のピ−ク値の和を、F2
(低周波)割当てのレジスタに、ピ−ク値P2sとしてメ
モリする。そして参照デ−タ入,出力表示画像の、ピ−
ク値P0s,P1sおよびP2sの表示をこれらに更新
し、かつデ-タファイル6に、F0〜F2割り当てでこれ
らのデ−タを書込む。
【0019】オペレ−タが、入力部3を用いて回路5
に、「監視スタ−ト指令」を入力すると、回路5は、図
4に示すステップ7〜16の監視処理を、入力部3より
停止指令が入力されるまで、実質上10sec周期で繰返
し実行する。この一周期の間実質上微小時間dT周期で
鋳造速度を読込む(8〜10)。そして実質上10sec
周期の「監視処理」実行タイミングになる(10secタイマが
タイムオ−バする)と、10secタイマを再スタ−トして
(12)、ステップVchで、過去一周期(実質上10se
c)の間読込んだ鋳造速度に基づいて鋳造速度が安定で
あるかを判定する。この実施例では、過去一周期の間読
込んだ鋳造速度の最低値と最高値を研索してそれらの差
を算出し、この差が所定範囲内であると「連続鋳造は安
定」と判定し、所定範囲を外れていると不安定と判定す
る。不安定であったときには、今回の「監視処理」はスキ
ップする(実行しない)が、安定であったときには、「ト
ルク周波数測定」(13)を実行する。
【0020】「トルク周波数測定」(13)においては、
回路5は、波形解析器2に動作指令を与える。波形解析
器2はこれに応答して所定のサンプリングピッチでトル
クモニタ1が出力する回転トルク(レベル)を表わす信
号をデジタル変換して読込み、波形解析により、回転ト
ルク(レベル)の時系列変化(トルク波形)に含まれる
各種周波数成分を所定の分解能で抽出し、各成分のピ−
ク値を算出して、それが所定レベル以上の周波数成分の
周波数とそのピ−ク値を異常判定ロジック回路5に転送
する。回路5は転送されたデ−タを内部メモリに格納
し、それらのデ−タの中の、監視対象周波数成分F0
(高周波)を中心とする所定領域の周波数のピ−ク値の
和P0t,監視対象周波数成分F1(中間周波)を中心と
する所定領域の周波数のピ−ク値の和P1t、および、監
視対象周波数成分F2(低周波)を中心とする所定領域
の周波数のピ−ク値の和P2tを算出する。
【0021】異常判定ロジック回路5は次に、「異常分
析1」(14)を実行する。この内容を図5に示す。図
5を参照すると、ここではまずモ−タトルクが、電気モ
−タが実質上回転しているときのトルク範囲内にあるか
をチェックする(141)。ここではモ−タトルクを監
視対象周波数成分F2(低周波)の周波数のピ−ク値P2
tと擬似して、それが電気モ−タが実質上回転している
ときの範囲内にあるかをチェックすることにより行な
う。この範囲を外れていると、電気モ−タ停止(通電電
流値が0又は過大)と見なし、出力デ−タテ−ブルに電
気モ−タ異常情報を書込む(142)。なおこの電気モ
−タ異常情報に基づいて後述の「出力」(図4の16)
で、表示器4の、入,出力表示画像4D上の、異常表示
灯像4DL1が異常を示す表示に変えられ、異常報知ブロ
ック4DM1に「モ−タが異常停止」を表わす情報が表示
される。
【0022】モ−タトルクが設定範内であった(モ−タ
が回転している)ときには、前述の「トルク周波数測
定」(13)で波形解析器2が回路5に転送して来た所
定レベル以上の周波数成分の周波数の中に、前述の「ト
ルク周波数の解析&保存」(6)で波形解析器2が回路
5に転送して来た所定レベル以上の周波数成分に該当し
ないものがあるか(新たなトルク変動成分を生じたか)
をチェックする(143)。それがあると、それがF0
(高周波),F1(中間周波)およびF2(低周波)のいずれに
最も近いかを識別して、その異常を示す情報を出力デ−
タテ−ブルに書込む(144A〜C,145A〜C)。
なおこの異常情報に基づいて後述の「出力」(図4の1
6)で、異常情報が高周波異常のときには表示器4の、
入,出力表示画像4D上の、異常表示灯像4DL5および
4DL7が異常を示す表示に変えられ、異常報知ブロック
4DM5および4DM7にベアリング異常を表わす情報が表
示される。異常情報が中間周波異常のときには表示器4
の、入,出力表示画像4D上の、異常表示灯像4DL2お
よび4DL3が異常を示す表示に変えられ、異常報知ブロ
ック4DM2および4DM3にギア異常を表わす情報が表示
される。また、異常情報が低周波異常のときには表示器
4の、入,出力表示画像4D上の、異常表示灯像4DL4
および4DL6が異常を示す表示に変えられ、異常報知ブ
ロック4DM4および4DM6に軸異常を表わす情報が表示
される。
【0023】ステップ143のチェックで、新たな周波
数成分が存在しないときには、出力デ−タテ−ブルの、
異常情報をクリア(消去)する(149)。
【0024】上述の「異常分析1」(14)を終了する
と、回路5は次に「異常分析2」(15)を実行する。
この内容を図6に示す。図6を参照すると、ここではま
ずモ−タトルクが、電気モ−タが実質上回転していると
きのトルク範囲内にあるかをチェックする(151)。
この内容は上述の「異常分析1」(14)のステップ1
41の内容と同じである。ここでモ−タトルクが設定範
囲を外れているときには、次の「出力」(16)に進む
が、設定範囲内であると、まずF0(高周波)を指定して
(152)、F0のピ−ク比Rpを算出する(153
A)。算出式はRp=P0t/P0s であり、P0tは「トルク
周波数測定」(13)で得た値、P0sは「トルク周波数
の解析&保存」(6)でメモリに格納した値である。そ
して今回算出したピ−ク比Rpより、前回(一周期≒10s
ec 前)算出したピ−ク比を減算し、差値ΔRp(以下ピ
−ク比変化率と称す)を得る(153B)。そして、R
p≧Rp0s(すなわち、P0t/P0s≧Rp0sすなわちP0t≧
Rp0s・P0s)であるか、つまり、高周波成分のピ−ク値
P0tがしきい値Rp0s・P0sより高くなったかをチェック
し(154A)かつピ−ク比変化率ΔRpが設定値DRp
0s以上であるかをチェックして(154B)、ピ−ク値
P0tがしきい値Rp0s・P0sより高くなっていると、ある
いはピ−ク比変化率ΔRpが設定値DRp0s以上である
と、高周波異常を示す情報を出力デ−タテ−ブルに書込
む(155)。なおこの異常情報に基づいて後述の「出
力」(図4の16)で、表示器4の、入,出力表示画像
4D上の、異常表示灯像4DL5および4DL7が異常を示す
表示に変えられ、異常報知ブロック4DM5および4DM7
にベアリング異常を表わす情報が表示される。次に今回
算出したピ−ク比Rpが、出力デ−タテ−ブルの、高周
波ピ−ク比より大きいかをチェックして(156)、今
回算出値が大きいと、出力デ−タテ−ブルの高周波ピ−
ク比を今回算出値に書替える(157)。
【0025】次に、F1(中間周波)を指定して(15
9)、F1のピ−ク比Rpを算出する(153A)。算出
式はRp=P1t/P1s であり、P1tは「トルク周波数測
定」(13)で得た値、P1sは「トルク周波数の解析&
保存」(6)でメモリに格納した値である。そしてピ−
ク比変化率ΔRpを算出する(153B)。そして、Rp
≧Rp1sであるかをチェックし(154A)かつピ−ク
比変化率ΔRpが設定値DRp1s以上であるかをチェック
して(154B)、Rp≧Rp1sであると、あるいはピ−
ク比変化率ΔRpが設定値DRp1s以上であると、中間周
波異常を示す情報を出力デ−タテ−ブルに書込む(15
5)。なおこの異常情報に基づいて後述の「出力」(図
4の16)で、表示器4の、入,出力表示画像4D上
の、異常表示灯像4DL2および4DL3が異常を示す表示に
変えられ、異常報知ブロック4DM2および4DM3にギア
異常を表わす情報が表示される。次に今回算出したピ−
ク比Rpが、出力デ−タテ−ブルの、中間周波ピ−ク比
より大きいかをチェックして(156)、今回算出値が
大きいと、出力デ−タテ−ブルの中間周波ピ−ク比を今
回算出値に書替える(157)。
【0026】次に、F2(低周波)を指定して(15
9)、F2のピ−ク比Rpを算出する(153)。算出式
はRp=P2t/P2s であり、P2tは「トルク周波数測
定」(13)で得た値、P2sは「トルク周波数の解析&
保存」(6)でメモリに格納した値である。そしてピ−
ク比変化率ΔRpを算出する(153B)。そして、Rp
≧Rp2sであるかをチェックし(154A)かつピ−ク
比変化率ΔRpが設定値DRp2s以上であるかをチェック
して(154B)、Rp≧Rp2sであると、あるいはピ−
ク比変化率ΔRpが設定値DRp2s以上であると、低周波
異常を示す情報を出力デ−タテ−ブルに書込む(15
5)。なおこの異常情報に基づいて後述の「出力」(図
4の16)で、表示器4の、入,出力表示画像4D上
の、異常表示灯像4DL4および4DL6が異常を示す表示に
変えられ、異常報知ブロック4DM4および4DM6に軸異
常を表わす情報が表示される。次に今回算出したピ−ク
比Rpが、出力デ−タテ−ブルの、低周波ピ−ク比より
大きいかをチェックして(156)、今回算出値が大き
いと、出力デ−タテ−ブルの低周波ピ−ク比を今回算出
値に書替える(157)。
【0027】以上を終了すると回路5は、「出力」(1
6:図4)を実行する。ここでは、出力デ−タテ−ブル
の情報を、表示器4に表示する。すなわち表示器4の表
示デ−タを、出力デ−タテ−ブルの情報を表わすものに
更新し、グラフィック表示画像4Iの当月(横軸の7の
位置)のデ−タを、ステップ157でピ−ク比を書込む
デ−タテ−ブルのデ−タが示す値に更新する。出力デ−
タテ−ブルで変化がない情報あるいは出力デ−タテ−ブ
ルの情報に無関係な表示は変更されない。
【0028】再度図4を参照する。入力部3よりのオペ
レ−タの入力を待っている間、異常判定ロジック回路5
は、その内部の時計IC(カレンダ−IC)の月情報を
チェックして、月が替わったか否かを判定する(1
8)。月が替わると、デ−タファイル6の、月ピ−ク値
テ−ブル(1ケ月につき、高,中間および低周波数成分
それぞれ1個のピ−ク値、計8ケ月分のピ−ク値のメモ
リ領域)のデ−タのアドレスを、1ケ月分古い方にシフ
トし、最新月のピ−ク値を格納するアドレスに、図6の
ステップ157で書込んだピ−ク比(月内最大値)を書
込み、回路5内の、表示器4に表示するピ−ク比表示画
像用のレジスタのデ−タを同様にアドレスシフトし、表
示画像4I(図7)の表示を更新し、そして図6のステ
ップ157でピ−ク比を書込むデ−タテ−ブルをクリア
(ピ−ク比ゼロの書込みに同義)する(19)。この表
示更新により、例えば更新前の表示が図7に示すもので
あったときには、更新された表示は、図7に示すグラフ
を1ケ月分左にシフトし、かつ横軸の当月(7の表示)
のデ−タをその前の月(6の表示)のものと同じにした
グラフとなる。なお、図6のステップ157でピ−ク比
を書込むデ−タテ−ブルは、図4のステップ2の初期化
でもクリアされるので、例えば月末に図2に示す装置の
電源を遮断してピンチロ−ル駆動機構の機械要素を取り
替え、あるいはピンチロ−ルを取り替えて再度図2に示
す装置の電源を投入した場合には、それから月替りまで
の間のピ−ク比の最大値が、図7に示すグラフの横軸の
当月(7の表示)のデ−タとなり、機械要素の取り替え
によりピ−ク比が小さい値になったときには、月替り後
の図7に示すグラフは、前月(6の表示)と今月(7の
表示)の間が右下がりの傾斜で結ばれるものとなり、そ
こでピンチロ−ル駆動機構に手入れがあったことが分か
る。図4に示す「デ−タ整理」(19)では、この他
の、ピンチロ−ル駆動機構の管理に参照する他のデ−タ
の整理も行なうが、その詳細な説明は省略する。
【0029】
【発明の効果】本発明では各種検出器を動力伝達機構部
に取り付ける方法に比べ、異常有無の判定のために多数
の検出器を取り付ける必要がなく、設置コストが低くな
る。また、取り付けられた検出器を動力伝達機構の機械
要素の取り替えに伴い設置替えをする不具合も少ない。
更に、人による駆動部の測定が無くなり、その直近で作
業する必要もなくなり安全面でも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例が監視対象とする連続鋳造
設備の概要を示すブロック図である。
【図2】 本発明の一実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図3】 図2に示す表示器4の表示面の一部に表示さ
れる入,出力表示画像を示す平面図である。
【図4】 図2に示す異常判定ロジック回路5の監視処
理動作の概要を示すフロ−チャ−トである。
【図5】 図4に示す「異常分析1」(14)の内容を
示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図4に示す「異常分析2」(15)の内容を
示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図2に示す表示器4の表示面の一部に表示さ
れるグラフィック表示画像を示す平面図である。
【符号の説明】
1:トルクモニタ 2:波形解
析器 3:入力部 4:表示器 5:異常判定ロジック回路 6:デ−タ
ファイル 4D:入,出力表示画像 4DL1〜4
DL7:異常表示灯像 4DM1〜4DM7:異常報知ブロック

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ等の駆動制御装置に内蔵又は外付
    けされたトルクモニタからの信号を波形解析する波形解
    析器,解析結果から異常を判定する異常判定ロジック回
    路,入力部,データファイル及び判定結果を表示する表
    示器からなるピンチロール駆動異常監視装置。
  2. 【請求項2】モ−タからピンチロ−ルに至るピンチロ−
    ル駆動機構の駆動トルクを検出する手段;検出された駆
    動トルクの時系列変化の周波数成分を解析し各周波数成
    分のレベルを検知する波形解析手段;および、 検知された各レベルがその周波数に宛てられた設定値を
    越えると該周波数対応の異常情報を発生する異常検知手
    段;を備えるピンチロール駆動異常監視装置。
  3. 【請求項3】モ−タからピンチロ−ルに至るピンチロ−
    ル駆動機構の駆動トルクを検出する手段;検出された駆
    動トルクの時系列変化の特定の周波数成分を解析し該周
    波数成分のレベルを検知する波形解析手段;参照デ−タ
    採取を指示する手段;参照デ−タ採取の指示に応答して
    前記波形解析手段が検知するレベルをメモリ手段に格納
    する参照デ−タ設定手段;異常監視を指示する手段;お
    よび、 異常監視の指示に応答して、前記波形解析手段が検知す
    るレベルが前記メモリ手段の参照デ−タが示すレベルを
    越えると異常情報を発生する異常検知手段;を備えるピ
    ンチロール駆動異常監視装置。
  4. 【請求項4】モ−タからピンチロ−ルに至るピンチロ−
    ル駆動機構の駆動トルクを検出する手段;前記ピンチロ
    −ル駆動機構の各要素の、前記駆動トルクに影響する諸
    元を入力するための入力手段;駆動トルクの時系列変化
    の周波数成分のうち、入力された諸元に基づき前記各要
    素に異常が発生した場合に増大する特定周波数を算出す
    る手段;検出された駆動トルクの時系列変化の前記特定
    周波数の成分を解析しそのレベルを検知する波形解析手
    段;参照デ−タ採取を指示する手段;参照デ−タ採取の
    指示に応答して前記波形解析手段が検知するレベルをメ
    モリ手段に格納する参照デ−タ設定手段;異常監視を指
    示する手段;および、 異常監視の指示に応答して、前記波形解析手段が検知す
    るレベルが前記メモリ手段の参照デ−タが示すレベルを
    越えると異常情報を発生する異常検知手段;を備えるピ
    ンチロール駆動異常監視装置。
  5. 【請求項5】モ−タからピンチロ−ルに至るピンチロ−
    ル駆動機構の駆動トルクを検出する手段;検出された駆
    動トルクの時系列変化の周波数成分を解析し各周波数成
    分のレベルを検知する波形解析手段;参照デ−タ採取を
    指示する手段;参照デ−タ採取の指示に応答して前記波
    形解析手段が検知するレベルが設定値以上の周波数成分
    情報をメモリ手段に設定する参照デ−タ設定手段;異常
    監視を指示する手段;および、 異常監視の指示に応答して、前記波形解析手段が検知す
    る、レベルが設定値以上の周波数成分が、前記メモリ手
    段に存在しないとき、異常情報を発生する異常検知手
    段;を備えるピンチロール駆動異常監視装置。
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