JP2003315205A - 衝突検知装置及びその方法 - Google Patents

衝突検知装置及びその方法

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JP2003315205A
JP2003315205A JP2002126244A JP2002126244A JP2003315205A JP 2003315205 A JP2003315205 A JP 2003315205A JP 2002126244 A JP2002126244 A JP 2002126244A JP 2002126244 A JP2002126244 A JP 2002126244A JP 2003315205 A JP2003315205 A JP 2003315205A
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Ikuya Sato
以久也 佐藤
Junichi Ito
淳一 伊東
Hitoshi Hamanaka
仁 浜中
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ等の非可動部へのピストンの衝突を
位置センサを用いずに検知する。 【解決手段】 駆動システムは、モータ65への駆動電
流を検出する電流検出部51と、電流検出部51が検出
した駆動電流の変動に基づいてシリンダ62へのピスト
ン63の衝突を検知する衝突検知部20とを備えてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータによって駆
動される可動部の非可動部への衝突を検知するための衝
突検知装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来の駆動システムの構成を
示す。この駆動システムは、電源101、駆動部11
0、位置センサ102、位置検出部103及び衝突検知
部104を備えている。駆動部110は、シリンダ11
2内に往復運動可能とされてピストン113,114が
それぞれ収納されている。そして、駆動部110では、
第1及び第2のモータ115,116によりピストン1
13,114を駆動するようになっている。ここで、第
1及び第2のモータ115,116はリニアモータであ
る。そして、駆動部110のこれら構成要素は、ケース
117内に収納されている。
【0003】この駆動システムでは、同一の電源101
からの駆動電流を第1及び第2のモータ115,116
に供給することで各ピストン113,114を駆動し、
シリンダ112内を往復運動させることで、ケース11
7外に圧縮空気を供給している。この駆動システムで
は、このようにシリンダ112内をピストン113,1
14が往復運動してケース117外に圧縮空気を供給す
る一方で、シリンダ112内に取り付けられた位置セン
サ102からの信号により位置検出部103が各ピスト
ン113,114の位置を検出している。そして、位置
検出部103の検出結果から衝突検知部104がピスト
ン113,114の衝突を検知している。
【0004】ここで、衝突検知部104は、位置検出部
103のピストン113,114の現在位置示す位置検
出部103の検出結果と、所定の閾値として設定されて
いる衝突の基準値とを比較しており、現在の位置が衝突
の基準値を超えた場合を衝突とみなしている。例えば、
可動部であるピストン113,114と非可動部である
シリンダ112との間の接触面の傷等によりそのピスト
ン113,114とシリンダ112との間の摩擦抵抗が
増加してしまう場合があり、この場合、正常な位置制御
できなくなったピストン113,114がシリンダ11
2と衝突してしまうときがある。例えば、ピストン11
4が戻る際(いわゆる下死点方向にいくとき)、ピスト
ン114の背面部位114aがシリンダ112における
対向部位112aに衝突してしまう場合がある。衝突検
知部104は、このようなピストン113,114の衝
突を検知することができる。
【0005】そして、駆動システムでは、衝突検知部1
04からの衝突検知信号に基づいて電源101からの駆
動電流の供給を停止して第1及び第2のモータ115,
116の運転を停止する等の処理を行う。このような停
止処理により、駆動システムでは、ピストン113,1
14を可動部として備えているモータ115,116の
破損を防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、位置センサ
102を取り付けるにはケース117内に設置スペース
が必要になり、これは、装置の小型化という点で問題が
ある。さらに、シリンダ112内は高圧で密閉されてお
り、このことから位置センサ102は高圧に耐えるもの
である必要があり、例えば装置コストが高くなるといっ
た問題がある。また、位置センサ102の配線をケース
117外に引き出す必要があるが、この場合、圧力を維
持するうえでケース117の密閉度を保つような処理を
施す必要がある。これでは、装置コストが高くなるとい
った問題がある。
【0007】そこで、本発明は、前記問題に鑑みてなさ
れたものであり、シリンダ等の非可動部へのピストンの
衝突を位置センサを用いずに検知することができる衝突
検知装置及びその方法の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記問題を解決するため
に、請求項1記載の発明に係る衝突検知装置は、同一の
電源からの各駆動電流によって複数のモータが駆動さ
れ、この複数のモータの駆動により対応される各可動部
が動作し、前記可動部の非可動部への衝突を検知する衝
突検知装置において、前記複数のモータへの各駆動電流
を検出する駆動電流検出手段と、前記駆動電流検出手段
が検出した各駆動電流間の相違に基づいて前記非可動部
への前記可動部の衝突を検知する検知手段と、を備えて
いることを特徴としている。
【0009】また、請求項2記載の発明に係る衝突検知
装置は、電源からの駆動電流によってモータが駆動さ
れ、このモータの駆動により可動部が動作し、この可動
部の非可動部への衝突を検知する衝突検知装置におい
て、前記モータへの駆動電流を検出する駆動電流検出手
段と、前記可動部が前記非可動部に衝突する際に前記駆
動電流内に発生する特定の周波数成分に基づいて前記非
可動部への前記可動部の衝突を検知する検知手段と、を
備えていることを特徴としている。
【0010】また、請求項3記載の発明に係る衝突検知
装置は、請求項1記載の発明に係る衝突検知装置におい
て、前記検知手段が、前記可動部が前記非可動部に衝突
する際に前記駆動電流内に発生する特定の周波数成分に
基づいて前記非可動部への前記可動部の衝突を検知する
ことを特徴としている。また、請求項4記載の発明に係
る衝突検知装置は、請求項1乃至3のいずれかに記載の
発明に係る衝突検知装置において、前記モータがリニア
モータであることを特徴としている。
【0011】また、請求項5記載の発明に係る衝突検知
装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明に係る
衝突検知装置において、前記可動部と非可動部とは密閉
空間内に配置されていることを特徴としている。また、
請求項6記載の発明に係る衝突検知方法は、同一の電源
からの各駆動電流によって複数のモータが駆動され、こ
の複数のモータの駆動により対応される各可動部が動作
し、前記可動部の非可動部への衝突を検知する衝突検知
方法において、前記複数のモータへの各駆動電流間の相
違に基づいて前記非可動部への前記可動部の衝突を検知
することを特徴としている。
【0012】また、請求項7記載の発明に係る衝突検知
方法は、電源からの駆動電流によってモータが駆動さ
れ、このモータの駆動により可動部が動作し、この可動
部の非可動部への衝突を検知する衝突検知方法におい
て、前記可動部が前記非可動部に衝突する際に前記駆動
電流内に発生する特定の周波数成分に基づいて前記非可
動部への前記可動部の衝突を検知することを特徴として
いる。
【0013】また、請求項8記載の発明に係る衝突検知
方法は、請求項6記載の発明に係る衝突検知方法におい
て、前記可動部が前記非可動部に衝突する際に前記駆動
電流内に発生する特定の周波数成分に基づいて前記非可
動部への前記可動部の衝突を検知することを特徴として
いる。また、請求項9記載の発明に係る衝突検知方法
は、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明に係る衝突
検知方法において、前記モータがリニアモータであるこ
とを特徴としている。
【0014】また、請求項10記載の発明に係る衝突検
知方法は、請求項6乃至9のいずれかに記載の発明に係
る衝突検知方法において、前記可動部と非可動部とは密
閉空間内に配置されていることを特徴としている。ここ
で、可動部が非可動部に衝突した場合、その影響は、可
動部を動作させるモータへの駆動電流の変化として現れ
る。請求項1及び6に記載の発明では、可動部が非可動
部に衝突した際に現れる駆動電流の変化を、他のモータ
に供給されている駆動電流と比較して、非可動部への可
動部の衝突を検知している。
【0015】また、可動部が非可動部に衝突した際に現
れる駆動電流の変化は、駆動電流内に特定の周波数成分
の変化として現れる。請求項2、3、7及び8に記載の
発明では、可動部が非可動部に衝突した際の駆動電流内
の特定の周波数成分をその衝突検知に利用するものであ
って、その駆動電流内の特定の周波数成分に基づいて非
可動部への可動部の衝突を検知している。特に、請求項
4及び9に記載の発明では、モータがニリアモータであ
る場合をいっている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の複数の実施の形態
を図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、図1乃至
図6を用いて第1の実施の形態について説明する。図1
は、第1の実施の形態の駆動システムの構成を示す。こ
の駆動システムは、電源1、第1及び第2の電流検出部
11,12、駆動部20及び衝突検知部30を備えてい
る。
【0017】駆動部20は、シリンダ22内に往復運動
可能とされて第1及び第2のピストン23,24が対向
して収納されており、各ピストン23,24が第1及び
第2のモータ25,26によりそれぞれ駆動されるよう
になっている。ここで、第1及び第2のモータ25,2
6はリニアモータである。そして、駆動部20のこれら
構成要素は、ケース27に収納されている。
【0018】この駆動システムでは、電源1から電流
が、第1の電流検出部11を介して第1のモータ25に
供給され、また、第2の電流検出部12を介して第2の
モータ26に供給され、これにより、各ピストン23,
24が駆動される。この駆動システムでは、シリンダ2
2内で各ピストン23,24が互いに接離する方向に往
復運動することにより、ケース27外に圧縮空気を供給
している。
【0019】第1及び第2の電流検出部11,12は、
各モータ25,26への各駆動電流を検出する駆動電流
検出手段を構成している。すなわち、第1の電流検出部
11は、電源1から第1のモータ25に供給される駆動
電流を電流情報として検出し、検出した駆動電流の電流
値を衝突検知部30に出力している。同様に、第2の電
流検出部12は、電源1から第2のモータ26に供給さ
れる駆動電流を電流情報として検出し、検出した駆動電
流の電流値を衝突検知部30に出力している。
【0020】衝突検知部30は、第1及び第2の電流検
出部11,12が検出した各駆動電流間の相違に基づい
て非可動部であるシリンダ22への可動部でありピスト
ン23,24の衝突を検知する検知手段を構成してい
る。図2は、衝突検知部30の構成を示す。衝突検知部
30は、減算部31、直流化フィルタ部32及び比較器
35を備えている。
【0021】減算部31には、第1の電流検出部11か
らの信号S1、すなわち電源1から第1のモータ25に
対して供給される駆動電流の電流値と、第2の電流検出
部12からの信号S2、すなわち電源1から第2のモー
タ26に対して供給される駆動電流の電流値とが入力さ
れる。例えば、第1の電流検出部11からの駆動電流に
相当する信号S1が図3中(A)に示すような信号であ
り、第2の電流検出部12からの駆動電流に相当する信
号S2が図3中(B)に示すような信号である場合、こ
れら信号が入力された減算部31は、図3中(C)に示
すような減算結果の信号S3を出力する。減算部31
は、このような減算結果の信号S3を直流化フィルタ部
32に出力している。
【0022】直流化フィルタ部32は、ABS(全波整
流手段)33及びLPF(ローパスフィルタ)34を備
えている。このような構成からなる直流化フィルタ部3
2は、減算部31からの信号S3が入力されると、AB
S33及びLPF34にてフィルタ処理して、図3中
(D)に示すように平均化した信号S4を出力する。こ
のように、直流化フィルタ部32では、全波整流を行う
ことで、交流から直流平均値にフィルタ処理している。
直流化フィルタ部32は、このようにフィルタ処理した
信号S4を比較器35に出力している。
【0023】比較器35は、直流化フィルタ部32から
の信号S4のレベルと、所定の閾値として設定されてい
る基準値(一定基準レベル)とを比較し、その比較結果
としての衝突検知信号を出力するように構成されてい
る。ここで、基準値は、第1のピストン23或いは第2
のピストン24がシリンダ22に衝突していることを判
断するのに足りる閾値として設定されている。
【0024】以上のように、衝突検知部30は、第1及
び第2の電流検出部11,12からの駆動電流の電流値
に相当する信号に対し直流化フィルタ部32により所定
のフィルタ処理を施して、そのフィルタ処理して得た信
号S6を比較器35にて基準値と比較して、衝突検知信
号を得ている。衝突検知部30は、この衝突検知信号に
基づいて電源1の駆動電流供給のオン及びオフを制御し
ている。
【0025】なお、衝突検知部30からの衝突検知信号
により直接電源1の制御がなされてることに限定される
ものではなく、図示しない制御部が衝突検知部30から
の衝突検知信号に基づいて電源1の駆動電流供給のオン
及びオフを制御するような構成であってもよい。以上の
ように構成されている駆動システムにおいて、第1のピ
ストン23がシリンダ22に衝突したときの動作を説明
する。
【0026】例えば、第1のピストン23とシリンダ2
2との間の接触面に傷が発生することにより、位置制御
が正常にできなくなることで第1のピストン23がシリ
ンダ22に衝突したときの動作である。この場合、衝突
は、第1のピストン23が戻る際(いわゆる下死点方向
にいくとき)、第1のピストン23の背面部位23aが
シリンダ22における対向部位22aに接触するといっ
たものである。
【0027】先ず、第1及び第2の電流検出部11,1
2で検出される第1及び第2のモータ25,26それぞ
れの駆動電流の電流値(信号S3,S4)については次
のような関係がある。図4中(A)及び(B)は、第1
及び第2の電流検出部11,12で検出される第1及び
第2のモータ25,26の駆動電流の電流値(信号S
1,S2)と、衝突検知部30の減算部31で得られる
第1及び第2のモータ25,26の駆動電流の電流値の
差分値、すなわち駆動電流の横流成分である横流値(信
号S3)を示す。そして、図4中(A)に示す信号は、
第1及び第2のピストン23,24のいずれもがシリン
ダ22に衝突していない場合に得られる信号である。ま
た、図4中(B)に示す信号は、第1のピストン23が
シリンダ22に衝突する場合に得られる信号波形であ
る。
【0028】この関係からわかるように、衝突が生じて
いない場合、図4中(A)に示すように横流値の変動は
小さいが、衝突が生じている場合、図4中(B)に示す
ように横流値の変動が大きくなっている。これは、衝突
により、第1のモータ25の速度が減少し、その影響に
より速度に比例した逆起電力が発生するからであり、こ
れにより第1のモータ25に供給される駆動電流が増加
するからである。
【0029】ここで具体例を挙げて説明する。ピストン
がシリンダに衝突する場合は、ピストンの速度が0付近
での衝突であるので、衝突による反発力を受けてピスト
ンの速度が瞬時に上昇する。一方で、リニアモータの方
程式は下記(1)として与えることができる。 V=R・i+L(di/dt)+α・v ・・・(1) ここで、Vは電圧であり、Rはモータ抵抗であり、Lは
モータインダクタンスであり、iは電流値であり、αは
常数であり、vはモータの速度(ピストンの速度)であ
る。
【0030】この(1)式において、モータ回路定数が
変動しなければ、前述した衝突によるピストンの速度の
瞬時の変化はモータ電流への歪となって現れる。このよ
うな原理から、ピストンがシリンダに衝突した場合、モ
ータ15に供給される駆動電流の電流値が増加するので
ある。そして、いずれかのピストン25,26がシリン
ダ22に衝突している場合、このように衝突している側
のピストンを駆動するための駆動電流の電流値が増加す
るため、第1のモータ25への駆動電流と第2のモータ
26への駆動電流との差分である横流値は大きくなる。
【0031】衝突検知部30は、このように衝突してい
る場合に得られる横流値である信号S3をABS33と
LPF34とからなる直流化フィルタ部32でフィルタ
処理することで、図3中(D)に示すような信号(以
下、衝突時信号という。)S4bを得て、この衝突時信
号S4bを比較器35にて基準値と比較する。例えば、
衝突が生じていない通常運転状態では、直流化フィルタ
部32のフィルタ処理後の信号は、図3中(D)に示す
前記衝突時信号S4bよりもレベルが小さい信号S4a
として得られるのである。
【0032】このように、直流化フィルタ部32から出
力される信号S4bは、第1のピストン23がシリンダ
22に衝突している場合には、通常運転状態のレベルよ
りも大きいレベルとなっているので、比較器35では、
その結果、信号S4bが基準値を超える結果となり、衝
突していることを示す衝突検知信号が得られる。そし
て、衝突検知信号から衝突しているとみなされた場合
に、電源1は、各モータ25,26への駆動電流の供給
を停止する処理が行われる。駆動システムは、このよう
な停止処理により、ピストン23,24を可動部として
備えているモータ25,26の破損を防止している。
【0033】以上のように第1のピストン23がシリン
ダ22に衝突したとき駆動システムは動作している。前
述したように、第1のピストン23がシリンダ22に衝
突すると、第1のモータ25の速度が減少し、その影響
により速度に比例した逆起電力が発生し、これにより第
1のモータ25に供給される駆動電流の電流値が増加す
る。なお、第2のピストン24がシリンダ22に衝突し
た場合には、第2のモータ26に供給される駆動電流の
電流値が増加するという現象として得られる。
【0034】第1の実施の形態の駆動システムでは、こ
のようにピストンがシリンダに衝突にする際の信号S4
と基準値とを比較して、衝突の有無を示す衝突検知信号
を得ている。このように、第1の実施の形態の駆動シス
テムは、ピストンがシリンダに衝突することでモータに
供給される電流が増加することを利用して、シリンダへ
のピストンの衝突を検知している。すなわち、第2の実
施の形態の駆動システムは、モータに供給される電流を
直接監視してシリンダへのピストンの衝突を検知してい
る。
【0035】これにより、第1の実施の形態の駆動シス
テムは、従来のようにケース27内に位置センサを設け
ることなく、シリンダ22へのピストン23,24の衝
突を検知することができる。よって、第1の実施の形態
の駆動システムは、位置センサを設けるための設置スペ
ースも要しないので、設計自由度を高くすることがで
き、装置の小型化が実現されたものになる。
【0036】また、駆動部20は、シリンダ22内を各
ピストン23,24を往復運動させて高圧気体をケース
47外に供給するものであり、そのケース47には高い
密閉度が要求される。しかし、第1の実施の形態の駆動
システムでは、シリンダ22へのピストン23,24の
衝突を駆動電流を直接監視することで検知しているの
で、ケース47の密閉度を高く保ちつつその衝突検知を
実現し、さらに、高圧に耐える位置センサも要しないの
で、装置コストを抑えることができる。
【0037】また、第1の実施の形態の駆動システム
は、第1のモータ25の駆動電流と第2のモータの駆動
電流との横流成分から衝突検知をしており、これが衝突
検知に有効に作用している。これは以下の理由からであ
る。駆動部20は、前述したように高圧気体の供給を2
つのピストン23,24を互いに接離する方向に往復運
動させて行っている。このようなことから、2つの第1
のピストン23と第2のピストン24とが互いに衝突す
る確率は低いといえる。例えば、第1のピストン23と
第2のピストン24との衝突が想定される第1のピスト
ン23と第2のピストン24との接近時でも、常にその
間には、高圧気体が存在すので、その高圧気体の作用に
より第1のピストン23と第2のピストン24との衝突
は回避される。
【0038】よって、第1のピストン23や第2のピス
トン24が衝突する場合とは、前述しているようにほと
んどがシリンダ22に対するものになる。そして、第1
の実施の形態の駆動システムでは、第1のモータ25の
駆動電流と第2のモータの駆動電流との横流成分から衝
突を検知しているので、相対的な確率として絶対的に高
いシリンダ22への第1のピストン23或いは第2のピ
ストン24の衝突を検知することができるようになり、
このようなことから、有効に衝突検知しているといえ
る。
【0039】また、第1の実施の形態の駆動システム
は、比較器35における基準値との比較対象に直流化フ
ィルタ部32により平均化した信号を用いているので、
衝突に対して駆動電流供給のオン及びオフ制御が過渡的
に反応してしまうことを防止することもできる。ここ
で、このようにシリンダへのピストンの衝突を検知した
結果を利用した制御について説明する。
【0040】すなわち、前述した説明では、シリンダへ
のピストンの衝突を検知した結果に基づいて第1及び第
2のモータ25,26への駆動電流の供給を停止する処
理を行っているが、これに限定されるものではなく、検
知結果に応じて第1及び第2のモータ25,26への駆
動電流の供給を調整して、各ピストン23,24の駆動
を適宜制御することもできる。
【0041】図5は、その制御のための構成を示す。こ
の図5に示すような構成により、衝突検知部30が衝突
を検知して、その衝突検知結果に基づいて第1のモータ
25や第2のモータ26の駆動を適宜制御するようにす
る。駆動の制御については、例えば、制御部40が、電
源1からの第1のモータ25や第2のモータ26への駆
動電流の供給量を調整することで行う。
【0042】例えば、第1のピストン23がシリンダ2
2に衝突していることを検知したような場合には、制御
部40が第1のモータ25に供給する駆動電流にバイア
スを加えるようにする。このようにすることで、シリン
ダ22への第1のピストン23の衝突が解消される。一
方、この駆動システムでは、駆動部20がシリンダ22
内を2つのピストン23,24を駆動させる構成になっ
ているのであるが、駆動システム或いは前記制御部40
が、第1及び第2のピストン23,24のどのピストン
がシリンダ22に衝突しているか判断できないような場
合もある。図6は、そのような場合でも衝突を解消する
ことができる処理手順を示す。
【0043】先ず、ステップST1において、衝突を検
知したか否かを判別する。このステップS1で衝突を検
知した場合、ステップS2に進み、先ず第1のモータ2
5への駆動電流にバイアスを加える。そして、ステップ
ST3において、再び衝突の検知の判別を実施する。こ
こで、衝突が検知されなくなった場合、当該処理を終了
し、また、衝突を検知した場合、今度は第2のモータ2
6への駆動電流にバイアスを加えてから当該処理を終了
する。
【0044】このような処理では、衝突を検知した場
合、先ず第1のモータ25への駆動電流にバイアスを加
え、これにより衝突が検知されなくなった場合に当該処
理を終了し、また、第1のモータ25への駆動電流にバ
イアスを加えても衝突がまだ検知されている場合に、今
度は第2のモータ26への駆動電流にバイアスを加えて
から当該処理を終了している。
【0045】このような処理により、任意のモータへの
駆動電流にバイアスを加えて衝突を解消することができ
るようになり、第1及び第2のピストン23,24のう
ちのどのピストンがシリンダ22に衝突しているかを判
断できないような場合でも、その衝突を解消することが
できるようになる。次に第2の実施の形態について説明
する。この第2の実施の形態は、モータへの駆動電流内
の特定の周波数を抽出することでシリンダへのピストン
の衝突を検知するように構成された駆動システムであ
る。図7乃至図12を用いて第2の実施の形態について
説明する。図7は、第2の実施の形態の駆動システムの
構成を示す。
【0046】この駆動システムは、電源1、電流検出部
51、駆動部60及び衝突検知部70を備えている。駆
動部60は、シリンダ62内に往復運動可能とされてピ
ストン63が収納されている。そして、駆動部60で
は、モータ65によりピストン63を駆動するようにな
っている。ここで、モータ65はリニアモータである。
そして、駆動部60のこれら構成要素は、ケース67内
に収納されている。
【0047】この駆動システムでは、電源1からの駆動
電流が電流検出部51を介してモータ65に供給され、
ピストン63が駆動されるように構成されている。この
駆動システムでは、このシリンダ62内のピストン63
の往復運動により、ケース67外に圧縮空気を供給して
いる。電流検出部51は、駆動電流検出手段であり、電
源1からモータ65に供給される駆動電流の電流値を電
流情報として検出するように構成されている。この電流
検出部51は、検出した駆動電流の電流値を衝突検知部
70に出力している。
【0048】衝突検知部70は、可動部であるピストン
63が非可動部であるシリンダ62に衝突する際に駆動
電流内に発生する特定の周波数成分に基づいてシリンダ
62へのピストン63の衝突を検知する検知手段を構成
している。図8は、この衝突検知部70の構成を示す。
この衝突検知部70は、電流検出部51からの駆動電流
に基づいて衝突検出するように構成されており、BPF
(バンドパスフィルタ)71、直流化フィルタ部72及
び比較器75を備えている。
【0049】BPF71は、電源1からの駆動電流の電
流値である図9中(A)に示すような信号S5が入力さ
れると、特定の周波数成分を抽出して、図9中(B)に
示すような信号S6を得る。そして、BPF71は、抽
出した信号S6を直流化フィルタ部72に出力してい
る。そして、直流化フィルタ部72以降の処理では、前
記第1の実施の形態の場合と同様な処理を行っている。
【0050】すなわち、直流化フィルタ部72は、BP
F71からの信号S6が入力されると、ABS72及び
LPF73にて、全波整流を行うことで、交流から直流
平均値にフィルタ処理して、図9中(C)に示すように
平均化した信号S7を出力する。そして、比較器75で
は、直流化フィルタ部72からの信号S7のレベルと、
所定の閾値として設定されている基準値とを比較し、そ
の比較結果としての衝突検知信号を出力する。ここで、
基準値は、ピストン63がシリンダ62に衝突している
ことを判断するのに足りる閾値として設定されている。
【0051】以上のように、衝突検知部70は、BPF
71により電流検出部51からの駆動電流の電流値に相
当する信号から特定の周波数成分を抽出して、さらに直
流化フィルタ部72により所定のフィルタ処理を施し
て、そのフィルタ処理して得た信号S7を比較器75に
て基準値と比較して、衝突検知信号を得ている。衝突検
知部70は、この衝突検知信号に基づいて電源1の駆動
電流供給のオン及びオフを制御している。
【0052】以上のように構成されている駆動システム
において、ピストン63がシリンダ62に衝突したとき
の動作を説明する。先ず、電流検出部51が検出する駆
動電流について、衝突が生じていない場合及び衝突が生
じている場合の周波数特性を説明する。図10は、その
説明に用いる図であり、衝突の有無の各駆動電流に相当
する信号のFFT(高速フーリエ変換)解析結果を示
す。
【0053】衝突が生じていない場合、図10中(B)
に結果として示すように、駆動電流成分を基本波成分と
して得ることができるが、衝突が生じている場合、図1
0中(A)に結果として示すように、その基本波成分の
他に顕著に現れる周波数成分を得ることができるように
なる。これは、衝突が生じている場合、前述したよう
に、モータ65の速度が減少し、その影響により速度に
比例した逆起電力が発生し、これによりモータ65に供
給される電流が増加するからである。すなわち、正弦波
信号とされる駆動電流に衝突の影響により固有の周波数
成分が重畳されており、この固有の周波数成分が顕著に
現れるのである。
【0054】一方、BPF71によりフィルタ処理した
信号のFFT解析結果は次のようになる。衝突が生じて
いる場合、図10中(C)に結果として示すように、図
10中(A)に示した顕著に現れる周波数成分のみを得
ることができるようになり、衝突が生じていない場合、
図10中(D)に結果として示すように、基本波成分を
含めて前記顕著に現れる周波数成分も得られなくなる。
【0055】このような関係から、BPF71によりフ
ィルタ処理することで、衝突が生じている場合には、衝
突の影響により顕著に現れる周波数成分からなる信号が
後段の直流化フィルタ部72に出力されるようになる。
直流化フィルタ部72では、フィルタ処理により図9中
(C)に示すような衝突時信号S7bを得ることができ
る。
【0056】一方、衝突が生じていない通常運転状態で
は、直流化フィルタ部72のフィルタ処理後の信号は、
図9中(C)に示すように、前記衝突時信号S7bより
もレベルが小さい信号S7aとして得られるのである。
よって、直流化フィルタ部72から出力される信号S7
bは、ピストン63がシリンダ62に衝突している場合
には、通常運転状態のレベルよりも大きいレベルとなっ
ているので、比較器75では、その結果、信号S7bが
基準値を超える結果となり、衝突していることを示す衝
突検知信号が得られる。
【0057】そして、衝突検知信号から衝突していると
みなされた場合に、電源1は、モータ65への駆動電流
の供給を停止する処理が行われる。駆動システムは、こ
のような停止処理により、ピストン63を可動部として
備えているモータ65の破損を防止している。以上のよ
うにピストン63がシリンダ62に衝突したとき駆動シ
ステムは動作している。
【0058】前述したように、ピストン63がシリンダ
62に衝突すると、モータ65の速度が減少し、その影
響により速度に比例した逆起電力が発生し、これによ
り、正弦波信号とされる駆動電流に衝突の影響による固
有の周波数成分が重畳される。第2の実施の形態の駆動
システムでは、この固有の周波数成分からなる信号を抽
出して、その信号と基準値とを比較して、衝突の有無を
示す衝突検知信号を得ている。
【0059】このように、第3の実施の形態の駆動シス
テムは、ピストン63がシリンダ62に衝突の影響によ
り固有の周波数成分が現れることを利用して、シリンダ
62へのピストン63の衝突を検知している。すなわ
ち、第2の実施の形態の駆動システムは、モータ65に
供給される電流を直接監視してシリンダ62へのピスト
ン63の衝突を検知している。
【0060】これにより、第2の実施の形態の駆動シス
テムは、前述の第1の実施の形態の駆動システムと同様
な効果を得ることができる。すなわち、第2の実施の形
態の駆動システムは、従来のようにケース67内に位置
センサを設けることなく、シリンダ62へのピストン6
3の衝突を検知することができる。よって、第2の実施
の形態の駆動システムは、位置センサを設けるための設
置スペースも要しないので、設計自由度を高くすること
ができ、装置の小型化が実現されたものになる。また、
高圧に耐える位置センサも必要なく、さらに、ケース6
7の密閉度を高く保つことができるので、装置コストを
抑えて構成されたものになる。
【0061】また、衝突時の電流に発生する歪成分は、
固有の周波数成分となるが様々な周波数成分として現れ
る。それは、衝突の仕方が常に同一とはいえないからで
あり、これは例えば、ピストンの形状や衝突する非可動
部の箇所の違いによる。よって、この第2の実施の形態
の駆動システムのように、通常運転時にも発生するよう
な運転周波数成分を基本波成分として、その基本波成分
以外の特定の周波数成分に着目し、その特定の周波数成
分の変動に基づいて衝突を検知することで精度良くその
検知ができるようになる。
【0062】また、前記第2の実施の形態の駆動システ
ムでは、衝突検知部70のBPF71に換えてBEF
(バンドエリミネーションフィルタ、或いは帯域阻止フ
ィルタ)を備えてもよい。図11は、BEF71を備え
ている衝突検知部70の構成を示す。この衝突検知部7
0では、BEF71により電源1からの信号S5内の基
本波成分を除去或いは基本波の帯域を阻止し、基本波成
分を除去して得た信号S6を直流化フィルタ部72に出
力している。
【0063】このようにBEF71を備えて衝突検知部
70を構成した場合、ピストン63がシリンダ62に衝
突したとき次のように動作する。先ず、電流検出部51
が検出する電流信号について、衝突が生じていない場合
及び衝突が生じている場合の周波数特性を説明する。図
12は、その説明に用いる図であり、衝突の有無の各電
流信号のFFT(高速フーリエ変換)解析結果を示す。
【0064】図12中(B)には、衝突が生じていない
場合の結果を示すが、前記図10中(B)に示した結果
と同様に、駆動電流成分を基本波成分として得ることが
できる。また、図12中(A)には、衝突が生じている
場合の結果を示すが、前記図10中(A)に示した結果
と同様に、前記基本波成分の他に顕著に現れる周波数成
分を得ることができる。
【0065】一方、BEF71によりフィルタ処理した
信号のFFT解析結果は次のようになる。衝突が生じて
いる場合、図12中(C)に結果として示すように、図
12中(A)に示した基本波成分のみを除去した信号を
得ることができるようになり、衝突が生じていない場
合、図12中(D)に結果として示すように、基本波成
分を含めて顕著なものとしての周波数成分は得られな
い。
【0066】このような関係から、BEF71によりフ
ィルタ処理することで、衝突が生じている場合には、衝
突の影響により顕著に現れる周波数成からなる信号が後
段の直流化フィルタ部72に出力されるようになる。直
流化フィルタ部72では、フィルタ処理により図9中
(C)に示すような衝突時信号S7bを得ることができ
る。
【0067】一方、衝突が生じていない通常運転状態で
は、直流化フィルタ部72のフィルタ処理後の信号は、
図9中(C)に示すように、前記衝突時信号S7bより
もレベルが小さい信号S7aとして得られるのである。
このように、直流化フィルタ部72から出力される信号
S7bは、ピストン63がシリンダ62に衝突している
場合には、通常運転状態のレベルよりも大きいレベルと
なっているので、比較器75では、その結果、信号S7
bが基準値を超える結果となり、衝突していることを示
す衝突検知信号が得られる。
【0068】そして、衝突検知信号から衝突していると
みなされた場合に、電源1は、モータ65への駆動電流
の供給を停止する処理が行われる。以上のように、駆動
システムは、前記BPF71を用いた場合と同様にピス
トン63がシリンダ62に衝突の影響により固有の周波
数成分が現れることを利用して、シリンダ62へのピス
トン63の衝突を検知している。これにより、駆動シス
テムは、前記BPF71を用いた場合と同様な効果を得
ることができる。
【0069】次に第3の実施の形態について説明する。
この第3の実施の形態は、前記第2の実施の形態の駆動
システムの駆動部が2つのピストンを備えた場合として
構成されている駆動システムである。図13及び図14
を用いて第3の実施の形態について説明する。ここで、
第3の実施の形態の駆動システムは、前記図1に示した
第1の実施の形態の駆動システムと同じ構成となってお
り、衝突検知部の構成のみが第1の実施の形態の駆動シ
ステムが備えている衝突検知部30の構成を異なってい
る。図13は、第3の実施の形態の駆動システムが備え
ている衝突検知部80の構成を示す。
【0070】衝突検知部80は、減算部81、BEF
(バンドエ リミネーションフィルタ、或いは帯域阻止
フィルタ)82、直流化フィルタ部83及び比較器86
を備えている。減算部81には、前記第1の実施の形態
の場合と同様に、図14中(A)に示すような第1の電
流検出部11からの信号S8と、図14中(B)に示す
ような第2の電流検出部12からの信号S9とが入力さ
れ、減算部81は、図14中(C)に示すような減算結
果の信号S10を出力する。減算部81は、このような
減算結果の信号S10をBEF82に出力している。
【0071】BEF82は、減算部81からの信号S1
0が入力されると、基本波成分を除去して、図14中
(D)に示すような信号S11を出力する。BEF82
は、基本波成分を除去した信号S11を直流化フィルタ
部83に出力している。そして、直流化フィルタ部83
以降の処理では、前記第1及び第2の実施の形態の場合
と同様な処理を行っている。
【0072】すなわち、直流化フィルタ部83は、BE
F82からの信号S11が入力されると、ABS82及
びLPF83にて、全波整流を行うことで、交流から直
流平均値にフィルタ処理して、図14中(E)に示すよ
うに平均化した信号S12を出力する。そして、比較器
86では、直流化フィルタ部83からの信号S12のレ
ベルと、所定の閾値として設定されている基準値とを比
較し、その比較結果としての衝突検知信号を出力する。
【0073】以上のように構成されている駆動システム
において、第1のピストン23がシリンダ22に衝突し
たときの動作を説明する。先ず、前記図4中(A)及び
(B)を用いて前述したように、衝突の有無により、第
1の電流検出部11及び第2の電流検出部12で検出さ
れるモータ25,26の駆動電流の電流値(信号S1,
S2)は互いに異なるものとなり、この結果、減算部8
1で得られる第1及び第2のモータ25,26の駆動電
流の電流値の差分値を示す横流値(信号S5)も衝突の
有無で異なるものになる。
【0074】そして、衝突検知部80では、前記図12
を用いて説明したような原理により、衝突している場合
に得られる横流値を示す信号からBEF82で先ず基本
波成分を除去している。そして、衝突検知部80では、
その基本波成分を除去した信号を直流化フィルタ部83
でフィルタ処理することで、図14中(E)における衝
突時信号S12bを得て、この衝突時信号S12bを比
較器86にて基準値と比較している。
【0075】例えば、衝突が生じていない通常運転状態
では、直流化フィルタ部83のフィルタ処理後の信号
は、図14中(E)に示す前記衝突時信号S12bより
もレベルが小さい信号S12aとして得られるのであ
る。このように、直流化フィルタ部83から出力される
信号S12bは、第1のピストン23がシリンダ22に
衝突している場合には、通常運転状態のレベルよりも大
きいレベルとなっているので、比較器86では、その結
果、信号S15bが基準値を超える結果となり、衝突し
ていることを示す衝突検知信号が得られる。
【0076】そして、衝突検知信号から衝突していると
みなされた場合に、電源1は、各モータ25,26への
駆動電流の供給を停止する処理が行われる。駆動システ
ムは、このような停止処理により、ピストンを可動部と
して備えているモータの破損を防止している。以上のよ
うに第1のピストン23がシリンダ22に衝突したとき
駆動システムは動作している。
【0077】このように、第3の実施の形態の駆動シス
テムは、ピストンがシリンダに衝突することでモータに
供給される駆動電流が増加することを利用し、シリンダ
へのピストンの衝突を検知している。また、衝突時には
駆動電流に固有の周波数成分の信号が含まれるようにな
ることから、第3の実施の形態の駆動システムは、横流
値中から基本波成分を除去することで衝突の影響により
発生した固有の周波数成分からなる信号を取り出し、こ
の取り出した信号を利用して、シリンダへのピストンの
衝突を検知している。
【0078】これにより、シリンダへのピストンの衝突
の検知を、単に横流値を利用する場合よりも精度を向上
させて行うことができるようになる。なお、前記第3の
実施の形態の駆動システムでは、衝突検知部80のBE
F82に換えてBPF(バンドパスフィルタ)を備えて
もよい。この場合、図10を用いて説明したのと同様な
原理により、衝突の影響により現れる固有の周波数成分
からなる信号をBPFにより抽出して、その抽出した信
号を直流化フィルタ部83でフィルタ処理することで、
図14中(E)における衝突時信号S12bを得て、こ
の衝突時信号S12bを比較器86にて基準値と比較す
る。比較器86では、第1のピストン23がシリンダ2
2に衝突している場合には、通常運転状態のレベルより
も大きいレベルとなった信号S15bと、基準値とを比
較し、その比較結果として衝突検知信号を得ている。そ
して、衝突検知信号により衝突しているとみなされた場
合、電源1は、各モータ45,46への駆動電流の供給
を停止する処理が行われる。
【0079】なお、本発明は前述の実施の形態に限定さ
れるものではない。すなわち、前述の実施の形態では、
モータがリニアモータである場合について説明したが、
モータが回転モータにより構成されていてもよい。ま
た、前述の実施の形態では、可動部をピストンとし、非
可動部をシリンダとして説明しているが、モータによっ
て駆動される可動部やこの可動部が衝突する非可動部は
これらに限定されないことはいうまでもない。また、衝
突部位についても具体例を挙げて説明しているが、これ
に限定されないことはいうまでもない。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び6に
記載の発明によれば、可動部が非可動部に衝突した際に
現れる駆動電流の変化を、他のモータに供給されている
駆動電流と比較して、非可動部への可動部の衝突を検知
することで、例えば位置センサを用いることなくその衝
突の検知を行うことができるようになる。また、請求項
2、3、7及び8に記載の発明によれば、駆動電流内の
特定の周波数成分に基づいて非可動部への可動部の衝突
を検知することで、例えば位置センサを用いることなく
その衝突の検知を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の駆動システムの構
成を示す図である。
【図2】前記第1の実施の形態における衝突検知部の構
成を示すブロック図である。
【図3】前記第1の実施の形態における衝突検知部の各
構成部に入力される、或いは各構成部から出力した信号
を示す図である。
【図4】横流成分の説明に使用した図である。
【図5】衝突検知に基づいて第1のモータや第2のモー
タの駆動状態を制御するための構成を示す図である。
【図6】衝突検知に基づいて第1のモータや第2のモー
タの駆動状態を制御するための処理手順を示す図であ
る。
【図7】本発明の第2の実施の形態の駆動システムの構
成を示す図である。
【図8】前記第2の実施の形態における衝突検知部の構
成を示すブロック図である。
【図9】前記第3の実施の形態における衝突検知部の各
構成部に入力される、或いは各構成部から出力した信号
を示す図である。
【図10】特定の周波数成分の信号を抽出して衝突検知
をする場合の説明に使用した図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の駆動システムの
衝突検知部がBEFを備えた構成を示すブロック図であ
る。
【図12】基本波成分を除去して衝突検知をする場合の
説明に使用した図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態の駆動システムの
衝突検知部の構成を示すブロック図である。
【図14】前記第3の実施の形態における衝突検知部の
各構成部に入力される、或いは各構成部から出力した信
号を示す図である。
【図15】従来の駆動システムの構成を示す図である。
【符号の説明】
1 電源 11,12,51 電流検出部 20,60 駆動部 22,62 シリンダ 23,24,63 ピストン 25,26,65 モータ 27,67 ケース 30,70 衝突検知部 31,81 減算部 32,72,83 直流化フィルタ部 33,73,84 ABS(全波整流手段) 34,74,85 LPF(ローパスフィルタ) 35,75,86 比較器 40 制御部 71,82 BPF(バンドパスフィルタ) 76 BEF(バンドエリミネーションフィルタ、帯域
阻止フィルタ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜中 仁 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一の電源からの各駆動電流によって複
    数のモータが駆動され、この複数のモータの駆動により
    対応される各可動部が動作し、前記可動部の非可動部へ
    の衝突を検知する衝突検知装置において、 前記複数のモータへの各駆動電流を検出する駆動電流検
    出手段と、 前記駆動電流検出手段が検出した各駆動電流間の相違に
    基づいて前記非可動部への前記可動部の衝突を検知する
    検知手段と、 を備えていることを特徴とする衝突検知装置。
  2. 【請求項2】 電源からの駆動電流によってモータが駆
    動され、このモータの駆動により可動部が動作し、この
    可動部の非可動部への衝突を検知する衝突検知装置にお
    いて、 前記モータへの駆動電流を検出する駆動電流検出手段
    と、 前記可動部が前記非可動部に衝突する際に前記駆動電流
    内に発生する特定の周波数成分に基づいて前記非可動部
    への前記可動部の衝突を検知する検知手段と、 を備えていることを特徴とする衝突検知装置。
  3. 【請求項3】 前記検知手段は、前記可動部が前記非可
    動部に衝突する際に前記駆動電流内に発生する特定の周
    波数成分に基づいて前記非可動部への前記可動部の衝突
    を検知することを特徴とする請求項1記載の衝突検知装
    置。
  4. 【請求項4】 前記モータはリニアモータであることを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の衝突検知
    装置。
  5. 【請求項5】 前記可動部と非可動部とは密閉空間内に
    配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいず
    れかに記載の衝突検知装置。
  6. 【請求項6】 同一の電源からの各駆動電流によって複
    数のモータが駆動され、この複数のモータの駆動により
    対応される各可動部が動作し、前記可動部の非可動部へ
    の衝突を検知する衝突検知方法において、 前記複数のモータへの各駆動電流間の相違に基づいて前
    記非可動部への前記可動部の衝突を検知することを特徴
    とする衝突検知方法。
  7. 【請求項7】 電源からの駆動電流によってモータが駆
    動され、このモータの駆動により可動部が動作し、この
    可動部の非可動部への衝突を検知する衝突検知方法にお
    いて、 前記可動部が前記非可動部に衝突する際に前記駆動電流
    内に発生する特定の周波数成分に基づいて前記非可動部
    への前記可動部の衝突を検知することを特徴とする衝突
    検知方法。
  8. 【請求項8】 前記可動部が前記非可動部に衝突する際
    に前記駆動電流内に発生する特定の周波数成分に基づい
    て前記非可動部への前記可動部の衝突を検知することを
    特徴とする請求項6記載の衝突検知方法。
  9. 【請求項9】 前記モータはリニアモータであることを
    特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の衝突検知
    方法。
  10. 【請求項10】 前記可動部と非可動部とは密閉空間内
    に配置されていることを特徴とする請求項6乃至9のい
    ずれかに記載の衝突検知方法。
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