JPH07245109A - マンガン乾電池 - Google Patents

マンガン乾電池

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JPH07245109A
JPH07245109A JP6033508A JP3350894A JPH07245109A JP H07245109 A JPH07245109 A JP H07245109A JP 6033508 A JP6033508 A JP 6033508A JP 3350894 A JP3350894 A JP 3350894A JP H07245109 A JPH07245109 A JP H07245109A
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健三 塙
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咲子 妙中
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規子 半澤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アスペクト比が2〜20の範囲にある針状結
晶の形態の電解二酸化マンガン粒子と黒鉛との混合物か
らなる正極活物質を備えているマンガン乾電池。 【効果】 乾電池の高負荷放電を大幅に改善することが
でき、また所定の条件で粉砕することにより容易に製造
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の正極活物質を使
用することにより、高負荷放電特性を大幅に改良したマ
ンガン乾電池に関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】負極に亜鉛、正極に二酸化マ
ンガンを用い、電解液に塩化アンモニウムまたは塩化亜
鉛系水溶液を用いてポータブル化構造にした電池は、マ
ンガン乾電池と総称されている。
【0003】塩化アンモニウムを電解質とするルクラン
シェ型のマンガン乾電池は、1866年に発明され、現
在まで100年以上の長い間使われてきた。また塩化亜
鉛を主電解質とする塩化亜鉛型マンガン乾電池は、19
70年代になって日本で実用化され、現在日本で生産さ
れているマンガン乾電池の大部分は塩化亜鉛型であり、
世界的にも広がりつつある。
【0004】マンガン乾電池の放電特性の特徴として、
放電が進むにしたがって起電力が徐々に低下すること、
とくに高負荷放電をした場合に起電力の低下が激しく、
1Ω放電にあたるような極端な高負荷放電の場合には、
理論容量の1/3程度を放電した時点で起電力が低下し
て使えなくなってしまう。このような挙動をとるのは、
正極活物質である二酸化マンガンの性質に原因があると
いわれている。
【0005】マンガン乾電池の正極活物質としては、二
酸化マンガンが使われてきているが、二酸化マンガンに
は天然の二酸化マンガン、化学合成の二酸化マンガン、
電解二酸化マンガンとがあり用途によって使い分けられ
ている。高負荷放電をしたときの放電性能は電解二酸化
マンガンが最もすぐれており、電子機器の小型化にとも
ない、電池も小型化・高容量化が要望されて、電解二酸
化マンガンを使った電池の割合が増えている。そこでさ
らに高負荷放電での放電特性の性能をが向上させること
ができる電解二酸化マンガンの開発が強く望まれてい
る。
【0006】高負荷放電での放電特性の性能向上につい
ては種々の試みがある。例えば特開平02−21348
7号公報および特開昭60−138085号公報では、
電解二酸化マンガンを製造する際、電解液中に炭素系繊
維や炭素粒子を懸濁させて電解することにより高負荷放
電にすぐれた電解二酸化マンガンができるとされてい
る。また特開平05−9773号公報では、表面にマン
ガン酸化物の皮膜を設けた炭素繊維または黒鉛繊維の単
繊維をマンガン電解液中に分散し、電解により単繊維を
二酸化マンガンと共析させて、二酸化マンガンの含有率
90重量%以上にすると、高性能電解二酸化マンガンが
できるとしている。特開昭63−21224号公報で
は、電解液にマンガン酸化物の微粒子を懸濁させて電解
することにより、電解二酸化マンガンの特性を改善でき
るとしている。
【0007】以上は電解条件を工夫することにより電解
二酸化マンガンそのものの特性改善を目指したものであ
るが、電解後に正極合剤にするまでの工程を工夫する試
みもある。例えば特開平03−1444号公報、特開平
03−11554号公報、特開平03−47196号公
報では、化学合成二酸化マンガンと電解二酸化マンガン
とを混ぜて正極活物質として使うと、電解二酸化マンガ
ンを単独で使うよりも高負荷放電の特性が改善されると
している。また特開昭62−103873号公報では、
一度粉砕した電解二酸化マンガンを圧縮成型し、再び微
粉砕して正極合剤として使うと高負荷放電の性能が向上
するとしている。特開昭57−27929号公報では、
析出した電解二酸化マンガンを希硫酸に浸漬したのち中
和することにより乾電池特性が改善されるとしている。
また特開昭63−21225号公報では、電解後に粗粉
砕・微粉砕・中和したのちに酸化剤を加えることにより
特性が改良されるとしている。特開昭63−40727
号公報では、2μm以下の微粉と92μm以上の粗粉と
は性能が劣るので、これを取り除くことにより性能が向
上するとしている。
【0008】反対に特公昭51−21125号公報では
平均粒径5μm以下にすることにより放電特性が改善で
きるとしている。さらに特公昭51−21129号公報
では、電解液の工夫と平均粒径5μm以下の電解二酸化
マンガンとの組合わせで放電特性が改良できるとしてい
る。特開昭58−14470号公報では電解液が過塩素
酸ナトリウムを含有している条件で電解二酸化マンガン
の平均粒径を10μm以下にすると、高負荷放電の特性
が改良できるとしている。特開平02−195647号
公報と特開平02−226656号公報では、ファーネ
ス法によって得られたカーボンブラックを導電材として
使うと高負荷放電の特性が改善されるとしている。特開
昭63−121256号公報では二酸化マンガン粒子の
表面を炭素材料よりなる薄膜層をつくることにより正極
材料の導電性が改善され高負荷放電性能が向上するとし
ている。また特開昭63−167570号公報では平均
粒径比が10-1〜10-3の炭素材微粉末を被覆率0.5
〜15%の範囲で付着させることにより高負荷放電の性
能が改良するとしている。この場合は導電性の改良が主
な目的であり、炭素材の粒径が二酸化マンガンの粒径よ
りも小さいことが必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように種々の試
みはあるものの、効果が微小であったり、実際に生産す
るのが著しく困難であったり、大量生産は不可能であっ
たりして、特性向上は不十分のまま現在に至っている。
【0010】本発明の目的は、前述のような従来の電解
二酸化マンガンからなる乾電池用正極活物質の欠点を解
消し、しかも大量生産が可能な乾電池用正極活物質を使
うことにより、きわめて高い高負荷放電の性能を有する
マンガン乾電池を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、アスペ
クト比2〜20の針状結晶の形態の電解二酸化マンガン
粒子、および黒鉛の混合物からなる正極活物質を備えて
いることを特徴とするマンガン乾電池が提供される。
【0012】乾電池が放電するためには、正極において
電子が吸収される必要がある。連続的に電子が吸収され
るためにはプロトンか電子か酸素が電解二酸化マンガン
中を移動する必要がある。高負荷放電時には単位時間当
たりの移動量が増えるので移動通路が変質してしまい、
移動が阻害されるために起電力の低下が起こると考えら
れる。したがって、できるだけ電解二酸化マンガンの粒
径は細かく、反応面積が大きいほうが高負荷放電には有
利と考えられる。ところが従来は、粒径を小さくするた
めに粉砕を強くすると、電解二酸化マンガンが変質して
しまい、かえって特性が低下してしまうということが起
こってしまっていた。また粒径を小さくしても、凝集粒
子が残っていて黒鉛などの導電材が各粒子の表面に完全
には到達していなければ、小さくした効果は現れない。
また微粒子を使うと、圧粉成型したときの密度があがら
ず、同一体積での充填量が少なくなってしまうという結
果を招くこともあった。
【0013】発明者は、電解二酸化マンガンの結合・構
造・物性について系統的な研究を蓄積した結果、電解二
酸化マンガンは図のような構造をとっているときに最も
反応性が高いことを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0014】図1は電解二酸化マンガンの粒子を示して
いる。この例では、平均粒径30μmで2〜80μmの
粒子である。この中の一部を拡大したのが図2で、粒径
0.2〜0.6μmの結晶粒が存在している。この中の
一つの結晶粒を拡大したのが図3で、針状粒子が結晶方
位を合わせて集合している。この針状粒子の一つをさら
に拡大したのが図4で、アスペクト比2〜20の針状粒
子である。
【0015】本発明において、針状結晶が電解二酸化マ
ンガンの構成要素となっていることが重要である。そし
てその針状結晶の長径と短径の比であるアスペクト比が
2〜20の範囲の細長いものでなければならない。針状
結晶が存在しても、アスペクト比が2未満の場合には高
負荷放電の性能の向上は得られない。また20を越える
ものは作るのが困難である。このようなアスペクト比の
範囲内であれば、電解二酸化マンガンの結晶の大きさに
制限はないが、電解により容易に製造される結晶の大き
さは、長径0.05〜0.3μm、短径0.01〜0.
05μmであり、この大きさであれば、本発明に適合す
る。
【0016】本発明において、黒鉛が鱗片状のもので、
電解二酸化マンガンの結晶がこの鱗片状黒鉛の板の上に
付着しているときに、正極活物質としての性能がさらに
改善されることが判明した。正極活物質の電子伝導性を
あげるために、黒鉛の微粒子を電解二酸化マンガンの表
面にこすりつけたり、カーボン繊維を懸濁させた電解液
をつかって電解二酸化マンガンと共析させたりした例は
従来からあるが、本発明では、黒鉛の電子伝導性を最大
限引き出すために、鱗片状の形状を維持したままのでき
るだけ薄い黒鉛を使い、その表面に黒鉛より小さい電解
二酸化マンガンの粒子が付着した構造のときに、もっと
も正極活物質としての活性が高いことを見出した。した
がって電解二酸化マンガンの粒径は10μm以下が望ま
しい。また針状粒子を構成単位としているのであるか
ら、最小単位はこれよりも小さくはできない。
【0017】また本発明において、前述のような構成の
正極活物質に、従来の電解二酸化マンガンが混合された
場合にも、高負荷放電の改良に効果がある。従来の電解
二酸化マンガンは、正極活物質を製造してから混合して
もよく、また製造工程で混合品ができても効果は同じで
ある。
【0018】マンガン乾電池の正極材として、従来は電
解二酸化マンガンとカーボンブラックの混合粉がつかわ
れてきた。電解液を多く保持するために、導電材料とし
て黒鉛よりもカーボンブラックの方が都合がよいからで
ある。本発明の電池においても、電解液の保持機能は必
要であり、カーボンブラックを導電材料として使う必要
がある。活性な構造を保ったまま微細化するためには黒
鉛の存在が不可欠であるので、黒鉛は導電材料としてよ
りは、微細化補助材として添加されているかたちになっ
ている。
【0019】
【発明の構成】図のような構造の電解二酸化マンガン
は、種々の方法で製造することができるが、一例を挙げ
ると、硫酸マンガンの酸性溶液を90℃以上で電解する
ことによりチタン製の陽極に析出させて作ることができ
る。析出した瓦状の電解二酸化マンガンを粗粉砕した
後、中和、洗浄、乾燥後、さらに乾式で微粉砕して平均
粒径30μm程度の製品としている。あるいは30μm
程度まで湿式で微粉砕してから中和、洗浄、乾燥して製
品としている。
【0020】本発明の電池に使う正極活物質は、黒鉛と
電解二酸化マンガンとを混合してから一緒に粉砕するこ
とにより作ることができる。黒鉛粉末と電解二酸化マン
ガンとの混合比は1%〜50%が適当である。1%以下
であると混合粉砕の効果がなく、50%以上であると、
炭素粉末の体積比が多すぎて粉砕されない。炭素粉末は
十分な導電性を得るためと、電解液を保持させる目的で
添加するが、混合粉砕のときにそれらの目的に必要な量
を添加する必要はない。例えば黒鉛粉末の添加量1%を
混合粉砕してから、従来の方法にしたがって炭素粉末を
混合しても、高負荷放電を改良する効果がある。また黒
鉛粉末50%で混合粉砕してから従来の方法で電解二酸
化マンガンの粉末を混合しても高負荷放電特性を改良す
る効果がある。使う黒鉛としては結晶性がよい黒鉛が効
果がある。混合粉砕して微粒の電解二酸化マンガンが得
られたら、分級して黒鉛を取り除いてからカーボンブラ
ックなどの電解液の保水効果の大きい導電材料と混合し
ても良いし、黒鉛と電解二酸化マンガンの混合粉をその
ままカーボンブラックと混合しても良い。また混合粉が
すでに十分な導電性を持っている場合は、保水機能のみ
を持つ吸水性ポリマーのような材料を添加しても良い。
【0021】電解二酸化マンガンと黒鉛とをV型ミキサ
ーや回転転動型ミキサーなどで乾式で十分混合した後、
水を添加してスラリー濃度10〜80%で湿式粉砕す
る。10%以下であると粉砕効率が悪く不純物の混入が
多くなる。80%以上であると、粘度が高すぎて粉砕で
きない。湿式粉砕は、ボールミルやビーズミルのような
媒体攪拌型の粉砕機が好ましいが、ライカイ機のような
すり鉢式の粉砕機でもよいし、石臼式粉砕機でもよい。
湿式粉砕する前に、ニーダーのような混練機で十分混練
しておいたほうが効果がある。黒鉛が存在しないで粉砕
を進めると、電解二酸化マンガンの構造が破壊されて特
性はかえって低下する。また混合粉砕であっても、粉砕
を進めすぎると電解二酸化マンガンの構造が破壊され特
性はかえって低下する。黒鉛と電解二酸化マンガンとが
十分混合された状態で粉砕のシェアがかかると、黒鉛は
鱗片状に劈開していき、鱗片状の薄い板状になる。その
黒鉛の薄い板にサンドイッチのように挟まれたかたちで
粉砕が進むと、黒鉛の潤滑作用により電解二酸化マンガ
ンの内部構造は破壊されることがなく、活性を維持した
ままで電解二酸化マンガンの結晶が鱗片状黒鉛の板の上
に付着している粒子の集合体となる。
【0022】本発明に使用される黒鉛は、できるだけ鱗
片状に劈開しやすい結晶性のよいものが向いているが、
劈開性があれば、どのような黒鉛でも効果がある。粒径
は電解二酸化マンガンの粒径よりも大きいほうが好まし
い。平均粒径が30μmの電解二酸化マンガンを使って
混合粉砕をするのであれば、30μm以上の平均粒径の
黒鉛を使うほうが効果があるが、粒径に多きな差があっ
ても、予備混練を十分に行っていれば、どのような大き
さの黒鉛でも効果がある。
【0023】電解二酸化マンガンの粒径は小さい方が混
合粉砕の効率がよくなるが、微粉砕をすると内部構造を
壊してしまうので、平均粒径30μm程度まで粉砕した
ものに黒鉛を混ぜて混合粉砕した場合に、上記の構造の
正極活物質を得ることができる。粉砕し終わったスラリ
ーに電解液を加えて正極活物質にしても、粉砕後乾燥し
てから電解液を加えて正極活物質にしてもよい。あるい
は電解液をはじめから入れて混合粉砕してもよい。
【0024】本発明の正極活物質は、従来のものに比べ
て黒鉛も電解二酸化マンガンも微粉であるので、混合粉
砕したのちに乾燥しただけだと、成型したときの嵩密度
は低くなってしまって、一定体積での充填量を多くでき
ないという問題が生じる場合もある。このような場合に
は、乾燥した粉を造粒すればよい。微粉化してあるの
で、水を添加するだけで、他のバインダー類を添加する
ことなしに造粒することができる。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に例示す
る。
【0026】(実施例1)硫酸マンガンの濃度20g/
l、硫酸濃度30g/l、電流密度40A/m3の条件
で温度90℃の硫酸マンガン水溶液をチタン製の陽極に
電解析出させて厚さ1cmの電解二酸化マンガンの瓦状
ブロックを得た。このブロックを切り出して透過電子顕
微鏡で観察した結果、アスペクト比2〜20の針状粒子
で構成される図のような構造をしていることを確認し
た。このブロックを粗粉砕、中和、洗浄、乾燥、微粉砕
して平均粒径30μmの電解二酸化マンガンの粒子を得
た。この平均粒径30μmの電解二酸化マンガン7.2
kgと黒鉛粉末0.8kgとをV型ブレンダーにて十分
混合後、蒸溜水6kgを添加してスラリーとし横型ビー
ズミルにて粉砕した。ミル内への滞留時間で1分、2
分、5分、10分、20分、30分、3時間にサンプル
を取り出して、60℃の乾燥機にいれ乾燥した後、解砕
した。サンプルNo.をNo.1から7とする。この粉
を透過型電子顕微鏡で観察したところ、以下のことを確
認できた。
【0027】No.1,2,3,4では、長径0.05
〜0.3μm、アスペクト比2〜20の針状結晶から構
成される電解二酸化マンガンの結晶が鱗片状黒鉛の板の
上に付着していることを確認できた。粉砕時間が長くな
るにしたがって、電解二酸化マンガンの粒径は小さくな
っていき、No.3,4では針状結晶が一つ一つバラバ
ラになっているものも多く見受けられた。No.5,
6,7では、長径0.05〜0.3μm、アスペクト比
2〜20の針状粒子で構成される電解二酸化マンガンの
結晶が鱗片状黒鉛の板の上に付着しているものが多くあ
るが、針状粒子が電解時に生成した構造のままではな
く、形状が丸くなってしまっているのが多く存在してい
た。丸くなった粒子の割合が粉砕時間が伸びるにしたが
って多くなっている。
【0028】サンプルNo.1〜7にアセチレンブラッ
ク、塩化亜鉛30%の電解液を重量で50:8:42に
なるように十分混合して、正極活物質とした。この正極
活物質を使用して、図5に示す構造のR−20型マンガ
ン乾電池を作り、2Ω放電で起電力が0.9Vになるま
での放電時間を測定した。図5において、符号11はメ
タルジャケット、12はビニルチューブ、13は亜鉛
缶、14はセパレータ、15はカーボン棒、16はキャ
ップ板、17は絶縁板、18は底板、19はマイナス
板、20は絶縁板、21は上蓋紙、22は密封材、23
は封口体、24は合材をそれぞれ示す。
【0029】(比較例1)平均粒径30μmの電解二酸
化マンガン7.2kgに蒸溜水6kgを添加してスラリ
ーとし横型ビーズミルにて粉砕した。ミル内への滞留時
間で3分粉砕した後に黒鉛を0.8kg添加してさらに
10分混合粉砕した。サンプルを取り出して、60℃の
乾燥機にいれ乾燥した後、解砕した。このサンプルをN
o.8とする。この粉を透過型電子顕微鏡で観察したと
ころ鱗片状黒鉛の板の上に0.05〜10μmの電解二
酸化マンガンの粒子が付着しているが、電解時に生成し
た針状結晶粒子や、この結晶粒子が結晶方位をそろえて
集合した集合体で構成される粒子は観察されなかった。
サンプルNo.8にアセチレンブラック、塩化亜鉛30
%の電解液を重量で50:8:42になるように十分混
合して、正極活物質とした。この正極活物質を使用して
R−20型マンガン乾電池を作り、2Ω放電で起電力が
0.9Vになるまでの放電時間を測定した。
【0030】同様の操作を、ミル内での滞留時間30
分、3時間でも行い、放電時間を測定した。これらのサ
ンプルをNo.9,10とする。
【0031】(比較例2)電解二酸化マンガン7.2k
gに蒸溜水6kgを添加してスラリーとし、横型ビーズ
ミルにて粉砕した。ミル内への滞留時間で1分、2分、
5分、10分、20分、30分、3時間にサンプルを取
り出して、黒鉛粉末を湿式で10%添加しリボンブレン
ダーで混合してから60℃の乾燥機に入れて乾燥し、解
砕した。このサンプルをNo.11,12,13,1
4,15,16,17とする。これらの混合粉にアセチ
レンブラック、塩化亜鉛30%の電解液を重量で50:
8:42になるように十分混合して、正極活物質とし
た。この正極活物質を使用してR−20型マンガン乾電
池を作り、2Ω放電で起電力が0.9Vになるまでの放
電時間を測定した。
【0032】(比較例3)硫酸マンガンの濃度14g/
l、硫酸濃度10g/l、電流密度52A/m3の条件
で温度80℃の硫酸マンガン水溶液をチタン製の陽極に
電解析出させて厚さ1cmの電解二酸化マンガンの瓦状
ブロックを得た。このブロックを切り出して透過電子顕
微鏡で観察した結果、アスペクト比2以下の球形に近い
粒子で構成されていることを確認した。このブロックを
粗粉砕、中和、洗浄、乾燥、微粉砕して平均粒径30μ
mの電解二酸化マンガンの粒子を得た。
【0033】この電解二酸化マンガンを使って実施例1
と同じ作業を行った。これらのサンプルはNo.18,
19,20,21,22,23,24とする。
【0034】実施例1で使った電解二酸化マンガンをア
セチレンブラック、塩化亜鉛30%の電解液を重量で5
0:8:42になるように十分混合して、正極活物質と
した。この正極活物質を使用してR−20型マンガン乾
電池を作り、2Ω放電で起電力が0.9Vになるまでの
放電時間を測定した。この結果を100としその他の結
果をこの時間との相対値で結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】以上に説明したように本発明のマンガン
電池は、正極活物質として、アスペクト比2〜20の針
状結晶の形態の電解二酸化マンガン粒子、および黒鉛の
混合物を使用することにより、特にマンガン電池での電
池高負荷放電時の特性が大幅に向上するという顕著で特
有の効果が得られる。また本発明の正極活物質は、一定
の条件で製造された電解二酸化マンガン粒子を使って、
所定の条件で粉砕することにより容易に製造することが
できるので、大量生産が可能であり、コストの面でも有
利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾電池用正極活物質を構成する電解二
酸化マンガンの粒子のTEM写真をスケッチした説明
図。
【図2】図1の粒子を構成する結晶塊を示す説明図。
【図3】図2の結晶塊を構成する結晶粒を示す説明図。
【図4】図の結晶粒を構成する針状結晶を示す説明図。
【図5】本発明の正極活物質を用いたマンガン電池の一
例を示す側断面図。
【符号の説明】
1 結晶塊 2 結晶粒 3 針状結晶 11 メタルジャケット 12 ビニルチューブ 13 亜鉛缶 14 セパレータ 15 カーボン棒 16 キャップ板 17 絶縁板 18 底板 19 マイナス板 20 絶縁板 21 上蓋紙 22 密封材 23 封口体 24 合材

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスペクト比2〜20の針状結晶の形態
    の電解二酸化マンガン粒子、および黒鉛の混合物からな
    る正極活物質を備えていることを特徴とするマンガン乾
    電池。
  2. 【請求項2】 前記黒鉛が鱗片状の板の形態を有し、前
    記電解二酸化マンガンの針状結晶状粒子が、前記鱗片状
    黒鉛板の上に付着していることを特徴とする請求項1か
    ら3のいずれか1項に記載のマンガン乾電池。
  3. 【請求項3】 アスペクト比2〜20の針状結晶の粒子
    が結晶方位をそろえて集合して、0.2〜0.6μmの
    粒界を作っている電解二酸化マンガン結晶粒子の集合
    体、および黒鉛の混合物からなる正極活物質を備えてい
    ることを特徴とするマンガン乾電池。
  4. 【請求項4】 前記電解二酸化マンガンの針状結晶状粒
    子の粒径が0.2〜10μmである請求項2に記載のマ
    ンガン乾電池。
  5. 【請求項5】 前記黒鉛が鱗片状の板の形態を有し、前
    記電解二酸化マンガンの針状結晶状粒子の集合体が、前
    記鱗片状黒鉛板の上に付着していることを特徴とする請
    求項3または4に記載のマンガン乾電池。
JP03350894A 1994-03-03 1994-03-03 マンガン乾電池 Expired - Fee Related JP3375192B2 (ja)

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JP2011140711A (ja) * 2009-12-08 2011-07-21 Tosoh Corp 電解二酸化マンガン及びその製造方法並びにその用途
JP2012516826A (ja) * 2009-02-03 2012-07-26 ティムカル ソシエテ アノニム 新規グラファイト材料
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