JPH0724456Y2 - 洗い場パン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「考案の目的」 （産業上の利用分野） 本考案は、ユニットバスなどに用いられる洗い場パンに
関するものである。

（従来の洗い場パン） 洗い場パンには、それ単独として成るものを初めとし
て、パン側方部に、エプロン部及び浴槽を嵌め込むため
の枠体や、浴槽据置用のパンなどが一体的に延設された
もの、或いは更に浴槽自体や浴室の輪郭を形成する水切
り壁部が周設されたものなど、種々ある。これらの洗い
場パンを製造するには、ハンドレイアアップによる方法
が主流であったが、その生産性に劣ることから、最近で
は、プレス成形法などもよく行われるようになってきて
いる。

第２図は、プレス成形法によって製造された洗い場パン
１を示す平面図である。この洗い場パン１には、浴槽２
の据え置かれる部分の隣接隅部に排水口部３（目皿５が
被せられた状態で描いてある）が設けられていた。そし
て、該洗い場パン１には、前記排水口部３を除く床面の
殆ど全部にタイル4,4,…が貼着されていた。

（考案が解決しようとする課題） 第３図は、前記第２図中のＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ線断面を若干
拡大して描いた図である。従来の洗い場パン１は、その
床面にタイル４を貼着させない仕様として施工する場合
があった。従って、前記排水口部３は、目皿５を被せた
状態において床面レベルと面一になるか、又は少なくと
も床面レベルよりは低位になるように設けておかなけれ
ばならないものであった。しかし、そのために、目皿５
の上面とタイル４の上面との高低差は大きくなり、つま
づきなどの原因になることがあった。また、タイル４
は、排水口部３に面した周側面があからさまに見えるよ
うになるが、該周側面は施釉されていないことが多いの
で、長期にわたる使用によって水垢などが付着し易くな
り、見栄えの悪いものとなっていた。

本考案は、上記の如き事情に鑑みてなされたものであっ
て、排水口部周辺でのつまづきが起こらないようにする
と共に、外観上の向上を図ることができる、新規な洗い
場パン（以下、本案パンという）を提供することを目的
とする。

「考案の構成」 （課題を解決するための手段） 本案パンの要旨とするところは、洗い場床面の適所に配
置された排水口部に被せられた目皿上面がタイル貼着前
の洗い場床面レベルと略々面一になされ、前記排水口部
の開口周部を除いて平板状タイルが貼着されるととも
に、前記排水口部の開口周部には当該排水口部へ面した
縁部に面取りの施された役物タイルが貼着される点にあ
る。

（作用） 排水口部へ面する部分に貼着された役物タイルは、面取
りの施された辺部が滑らかな曲面又は平面によって、タ
イル上面から側面へと連続するように形成されている。
そのため、前記排水口部の周辺部において、つまづきの
起こるのを防止することができる。また、前記役物タイ
ルは、面取りの施された辺にも施釉されてるので、排水
口部に面する部分が見栄えの悪いものとなることもな
い。

（実施例） 以下、本考案を、その実施例を示す図面に基づいて説明
すると次の通りである。

第１図は、本案パンを示す側断面図であって、前記第３
図と比較し易いように描いてある。本案パンでは、洗い
場床面の隅部に配置された排水口部３に被せられた目皿
５の上面が洗い場床面と略々面一になされ、該排水口部
３の開口周部を除く殆ど全部に、平板状をしたタイル4,
4,…が貼着されている。そして、排水口部３の開口周部
には、役物タイル６が貼着されている。

役物タイル６は、一辺部又は隣接する二辺部に面取りが
施されている。この面取り部分７は、タイル上面から側
面へかけて滑らかな曲面によって連続するように形成さ
れており、その全面が施釉されている。そのため、洗い
場床面上のタイル４や６において、その貼着領域の縁部
となる側面が、排水口部３に被せられた目皿５に対して
絶壁状に切り立つようなことはないようになっている。
従って、排水口部３の周辺においてつまづきを起こすよ
うなことはない。また、役物タイル６の面取り部分７
は、上記した如く施釉されているので、該面取り部分７
に水垢などが付着するようなことはなく、いつまでも綺
麗な状態が維持できるものである。従って、外観が劣る
こともない。

なお、洗い場パンの品種により、排水口部３の位置付け
は種々様々であり、例えば、洗い場床面の中央域に排水
口部が設けられているような場合も有り得る。本案パン
では、このような場合にあっても、排水口部３を囲繞す
る位置付けとなるものに役物タイル６を用いればよいも
のである。そして、この場合、もし、排水口部３に被せ
られる目皿が円形のものであるときは、前記役物タイル
にあっても、その面取りの施される辺部を円弧状に曲成
したものとすればよい。また、前記面取り部分７は、そ
れを断面した側面形状が曲線状に仕上げられたものに限
らず、平面的な傾斜面又は多角形状面として仕上げられ
たものであってもよい。このように、本案パンの構成及
び形状は、実施の態様に応じて適宜変更可能である。

「考案の効果」 以上の説明で明らかなように、本考案に係る洗い場パン
によれば、排水口部の周辺でつまづくようなことが防止
されるので、特に、子供や老人などに安全なものとな
る。また、該排水口部の周部が水垢などによって汚れる
のを防止できるので、いつまでも綺麗な状態を維持でき
るものである。更に、本案パンでは、排水口部の周部へ
貼着するタイルを使い分けることで、洗い場床面へタイ
ルを貼着した施工状況とタイルを貼着させない施工状況
との双方が得られるようになっているので、洗い場パン
の品種として、それらを各別に製造して準備しておく必
要がない等、幾多の優れた利点を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案パンを示す側断面図、第２図は従来の洗い
場パンを示す平面図、第３図は第２図中のＡ−Ｂ−Ｃ−
Ｄ線断面を若干拡大して示す図である。 ３…排水口部、４…平板状タイル ５…目皿、６…役物タイル ７…面取り部分

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】洗い場床面の適所に配置された排水口部に
   被せられた目皿上面がタイル貼着前の洗い場床面レベル
   と略々面一になされ、前記排水口部の開口周部を除いて
   平板状タイルが貼着されるとともに、前記排水口部の開
   口周部には当該排水口部へ面した縁部に面取りの施され
   た役物タイルが貼着されることを特徴とする洗い場パ
   ン。