JPH07243462A - サスペンションリーフスプリング用ラバーブッシュの構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フリクションロスが少なく、ロール剛性が高
いサスペンションリーフスプリング用ラバーブッシュを
提供する 【目的】 内筒（３００）と外筒（４０）とゴムブッシ
ュ（５００）とが実質的に一体に取り付けられたラバー
ブッシュ（６０）を中心から第１ラバーブッシュ部分
（６１）と第２ラバーブッシュ部分（６２）とに分割
し、この中心の両側にラバーブッシュ凹部（６００）を
形成し、外筒（４０）はこのラバーブッシュ凹部（６０
０）に沿って外筒凹部（４００）を形成し、リーフスプ
リングの目玉部（Ｄ）をこの外筒凹部（４００）に嵌挿
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車のサスペンショ
ンリーフスプリング用ラバーブッシュの構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般にリーフスプリングによるサスペン
ション装置は、図２に示すようにフレームＡの下部に下
方開口のコ字状をなす目玉ブラケットＢａ，Ｂｂが前後
にそれぞれ固着され、前方の目玉ブラケットＢａにはリ
ーフスプリングＣの先端に形成されたリーフスプリング
の目玉部Ｄａが取り付けられ、後方の目玉ブラケットＢ
ｂにはリーフスプリングの後端に形成された目玉部Ｄｂ
がシャックルプレートＥを介して取り付けられて構成さ
れる。リーフスプリングの中央下部は車軸Ｆを支持する
ようになっている。

【０００３】リーフスプリングの目玉部Ｄａ，Ｄｂは図
３に示すようにリーフスプリングの端部を巻回して形成
され、ボルトＧの外側に配置されたゴムブッシュＨを含
む筒状体（以下ラバーブッシュという）に嵌挿されるよ
うになっている。

【０００４】かかるラバーブッシュは、後記するように
内外筒型ラバーブッシュ及びハリス型ラバーブッシュと
が知られている。

【０００５】図４は、内外筒型ラバーブッシュを示し、
コ字状断面の目玉ブラケット１に取付ボルト２が挿通さ
れ、取付ボルト２の外側に内筒３及び外筒４がそれぞれ
嵌挿されていて内筒３及び外筒４の中間にはゴムブッシ
ュ５が焼き付けによってこれらが実質的に一体に構成さ
れている。そして内筒３は目玉ブラケット１の内巾ｗに
ほぼ等しい長さを有しているが、リーフスプリングの目
玉部Ｄは外筒４に嵌挿されるから外筒４の長さはリーフ
スプリングの目玉部Ｄの巾ｗａにほぼ等しく設定され目
玉ブラケット１の内巾ｗより短くなっている。本構造は
図５に示すように、ゴムブッシュ５の巾がリーフスプリ
ングの目玉部Ｄの巾ｗａに限定されるので、内筒３，ゴ
ムブッシュ５及び外筒４からなるラバーブッシュがロー
ルし（角度θ）易くいわゆるロール剛性が低いという欠
点がある。

【０００６】一方図６は、ハリス型ラバーブッシュを示
し、この構造は、前者と異なり外筒が無く内筒３０及び
ゴムブッシュ５０が中心Ｍから２分割されて、中心Ｍの
両側のゴムブッシュが凹部５１，５２を形成し、これら
の凹部５１，５２にリーフスプリングの目玉部Ｄが嵌挿
されるようになっている。従って、ロール時にゴムブッ
シュ５０の端部５３，５４の何れかの側が圧縮されるが
これらの左右端部５３，５４の直径ｄが大きく設定でき
るので高ロール性が発揮される。しかしながら端部５
３、５４が弱く、長期の使用に際して、損耗する。

【０００７】上記したように、ハリス型ラバーブッシュ
は内外筒型ラバーブッシュより高ロール性を有するが、
従来のハリス型ラバーブッシュの構造では外筒がなくゴ
ムブッシュ凹部が直接リーフスプリングの目玉部が接触
しているので、ゴムブッシュとリーフスプリングとの間
で発生するフリクションロスが大きくなるという問題点
があり、またリーフスプリングを車両に組付けた状態で
の動ばね定数が高いという問題もある。

【０００８】実開昭６３−１６８１０３号公報、実開昭
６２−１１０００９号公報、実開昭５８−１７４３０６
号公報、実開昭５８−１７４３０７号公報及び本出願人
による実開平２−１０００４２号公報にはサスペンショ
ンリーフスプリング用ラバーブッシュの構造が開示され
ているが、上記問題を解決するものではない。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、フリクショ
ンロスが少なく、ロール剛性が高いサスペンションリー
フスプリング用ラバーブッシュを提供することを目的と
する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、目玉ブ
ラケットに取付ボルトが嵌挿され、この取付ボルトの外
側に内筒が嵌挿され、この内筒の外側にゴムブッシュが
取付けられ、このゴムブッシュの外側に外筒を介してリ
ーフスプリングの目玉部が嵌挿されるサスペンションリ
ーフスプリング用ラバーブッシュの構造において、ゴム
ブッシュは内筒と外筒とに実質的に一体に取り付けられ
ラバーブッシュは中心から分割された第１ラバーブッシ
ュ部分と第２ラバーブッシュ部分とを有してこの中心の
両側にラバーブッシュ凹部が形成され、外筒はこのラバ
ーブッシュ凹部に沿って外筒凹部が形成され、リーフス
プリングの目玉部はこの外筒凹部に嵌挿されることを特
徴とするサスペンションリーフスプリング用ラバーブッ
シュの構造。

【００１１】

【作用効果の説明】上記のように構成されたサスペンシ
ョンリーフスプリング用ラバーブッシュの構造によれ
ば、リーフスプリングの目玉部は外筒に嵌挿されゴムブ
ッシュは内筒と外筒とに実質的に一体に取り付けられて
いるからリーフスプリングの目玉部とゴムブッシュとの
間にフリクションロスが少なく、ラバーブッシュの端部
は直径が大きいからロール剛性が高い。また、ラバーブ
ッシュが２分割されているので、組立が容易である。

【００１２】

【実施例】以下、図１を参照して本発明の実施例を説明
する。図１は本発明の実施例を示す。同図において、目
玉ブラケット１００に取付ボルト２０が嵌挿され、取付
ボルト２０の外側に内筒３００が嵌挿され、内筒３００
の外側にゴムブッシュ５００が取付けられ、ゴムブッシ
ュ５０の外側に外筒４０を介してリーフスプリングの目
玉部Ｄが嵌挿されている。ゴムブッシュ５００は内筒３
００と外筒４０との間に介在していて焼付けによって内
筒３００，ゴムブッシュ５００及び外筒４０とは実質的
に一体に取り付けられて、ラバーブッシュ６０を形成し
ている。内筒３００の長さは目玉ブラケット１００の内
巾Ｗにほぼ等しく取付ボルト２０とナット７０とにより
ラバーブッシュ６０を目玉ブラケット１００に固定する
ようになっている。ラバーブッシュ６０は、中心Ｍから
分割されていて左右対称にそれぞれ第１ラバーブッシュ
部分６１と第２ラバーブッシュ部分６２とからなってい
る。

【００１３】従って、第１ラバーブッシュ部分６１と第
２ラバーブッシュ部分６２とは、互いに対称的な形状を
有する内筒部分３１０，３２０、ゴムブッシュ部分５１
０，５２０及び外筒部分４１，４２をそれぞれ有するも
のである。

【００１４】中心Ｍの両側にはラバーブッシュ凹部６０
０が形成されている。外筒４０はラバーブッシュ凹部６
００に沿って外筒凹部４００が形成され、リーフスプリ
ングの目玉部Ｄは外筒凹部４００に嵌挿できるように外
筒凹部４００の巾Ｗａはリーフスプリングの目玉部Ｄの
巾Ｗｂより僅かに広くなっており、またラバーブッシュ
６０の全巾Ｗｃは目玉ブラケット１００の内巾Ｗより狭
くしてロール時のラバーブッシュ６０の自由なロール運
動を阻害しないようになっている。

【００１５】以下、図１を参照して作用について説明す
る。

【００１６】上記のように構成されたサスペンションリ
ーフスプリング用ラバーブッシュ６０の構造によれば、
リーフスプリングの目玉部Ｄは外筒凹部４００に嵌挿さ
れていて外筒４０とゴムブッシュ５００とは焼付けによ
り実質一体に取り付けられているので、リーフスプリン
グの目玉部Ｄはゴムブッシュ５００に直接接触しないの
でフリクションロスが少なくなる。

【００１７】車両のロール時にはリーフスプリングにか
かる荷重は、目玉部Ｄから外筒４０を介してゴムブッシ
ュ５００の左右何れかにかかるので、外筒４０は取付ボ
ルト２０に嵌挿された内筒３００に対して荷重のかかる
方向にロールする。外筒４０の全巾Ｗｃは目玉ブラケッ
ト１００の内巾Ｗより狭くしてあるので外筒４０の端部
は目玉ブラケット１００の内側面に干渉することがな
い。また、外筒４０が荷重のかかる方向にロールする
際、ゴムブッシュ５００の端部の直径ｄ’が大きいので
ロールする力に対して抵抗力が大きくロール剛性が高く
なる。

【００１８】ラバーブッシュは２分割されているから、
リーフスプリングの目玉部Ｄに対して左右からラバーブ
ッシュ６１及び６２を挿入し、次にラバーブッシュ６０
を目玉ブラケット１００に挿入し取付ボルト２０を嵌挿
しナット７０を締付ければ組付けが終了する。

【００１９】また外筒４０が目玉ブラケット１００の内
側面に干渉しないから、動ばね定数が低減できる。

【００２０】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、フリクションロスが少なくロール剛性が高
く、動ばね定数が低減できるので、車両の乗り心地と操
縦安定性能を同時に向上することができ、更に組付けが
容易に迅速にできるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す断面図。

【図２】従来のリーフスブリングを用いたサスペンショ
ン装置を示す概略外観図。

【図３】従来のラバ−ブッシュを説明するための断面
図。

【図４】従来の内外筒型ラバーブッシュを示す断面図。

【図５】同上の内外筒型ラバーブッシュのロール状態を
示す断面図。

【図６】従来のハリス型ラバーブッシュを示す断面図。

【符号の説明】

１，１０，１００，Ｂ・・・目玉ブラケット ２，２０，Ｇ・・・取付ボルト ３，３０，３００・・・内筒 ４，４０・・・外筒 ５，５０，５００，Ｈ・・・ゴムブッシュ ７，７０・・・ナット ３１，３１０・・・一方の２分割された内筒 ３２，３２０・・・他方の２分割された内筒 ４１・・・一方の２分割された外筒 ４２・・・他方の２分割された外筒 ５１，５２・・・凹部 ５３，５４・・・ゴムブッシュの端部 ５１０・・・一方の２分割されたゴムブッシュ ５２０・・・他方の２分割されたゴムブッシュ ４００・・・外筒凹部 ６００・・・ラバーブッシュ凹部 Ａ・・・フレーム Ｃ・・・リーフスプリング Ｄ・・・リーフスプリングの目玉部 ｄ，ｄ’・・・ゴムブッシュの端部の直径 Ｅ・・・シャックルプレート Ｍ・・・中心 ｗ，Ｗ・・・目玉ブラケットの内巾 ｗａ，Ｗｃ・・・外筒の巾 Ｗａ・・・外筒凹部の巾 Ｗｂ・・・リーフスプリングの目玉部の巾

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 目玉ブラケットに取付ボルトが嵌挿さ
   れ、この取付ボルトの外側に内筒が嵌挿され、この内筒
   の外側にゴムブッシュが取付けられ、このゴムブッシュ
   の外側に外筒を介してリーフスプリングの目玉部が嵌挿
   されるサスペンションリーフスプリング用ラバーブッシ
   ュの構造において、ゴムブッシュは内筒と外筒とに実質
   的に一体に取り付けられラバーブッシュは中心から分割
   された第１ラバーブッシュ部分と第２ラバーブッシュ部
   分とを有してこの中心の両側にラバーブッシュ凹部が形
   成され、外筒はこのラバーブッシュ凹部に沿って外筒凹
   部が形成され、リーフスプリングの目玉部はこの外筒凹
   部に嵌挿されることを特徴とするサスペンションリーフ
   スプリング用ラバーブッシュの構造。