JPH07243162A - 芳香族ポリエステル長繊維不織布及びその製造法 - Google Patents

芳香族ポリエステル長繊維不織布及びその製造法

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JPH07243162A
JPH07243162A JP6032118A JP3211894A JPH07243162A JP H07243162 A JPH07243162 A JP H07243162A JP 6032118 A JP6032118 A JP 6032118A JP 3211894 A JP3211894 A JP 3211894A JP H07243162 A JPH07243162 A JP H07243162A
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aromatic polyester
nonwoven fabric
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roll
polymer
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JP6032118A
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Masaji Asano
正司 浅野
Sumihito Kiyooka
純人 清岡
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高強力で耐熱性に優れた嵩高構造の芳香族ポ
リエステル長繊維不織布を提供する。 【構成】 長繊維ウエブを、ウエブ接触面の5〜30%を
占める圧着部分が連続相をなすロ−ルを用いて、特定の
ロ−ル温度及びロ−ル線圧でエンボスカレンダ−処理を
施した後、加熱気体中で熱処理することにより得られる
高強度で耐熱性に優れた嵩高構造を有する溶融異方性芳
香族ポリエステル長繊維不織布。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融異方性芳香族ポリ
エステル長繊維からなる不織布とその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、各種産業用資材として有用であり
高強力かつ耐熱性等各種物性に優れた嵩高な長繊維不織
布及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融異方性芳香族ポリエステル繊維は高
強力及び高弾性率を示し耐熱性に優れているため、フィ
ラメント、紡績糸、ヤ−ン状でロ−プ、コ−ド等に、ま
たシ−ト状(織編物、紙、不織布)で各種内張り、防護
具、樹脂補強材等に用いられている。また、本発明者等
は、溶融異方性芳香族ポリエステル長繊維からなる見掛
け密度の高い不織布が優れていることを見出だし、既に
出願を行っている(特願平4−277205号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】シ−ト状物としては、
織編物、不織布等が挙げられるが、溶融異方性芳香族ポ
リエステル繊維は耐屈曲性や耐摩耗性に劣るために、繊
維に機械的捲縮を与える必要がある短繊維不織布を製造
することは困難である。さらに、織編物や短繊維不織布
は各種使用幅にスリットした場合、端部にほつれの生じ
る問題がある。長繊維不織布においてはかかる問題は生
じないものの、繊維間で接着や本格的な絡合(ニ−ドル
パンチ等)の形成が極めて困難であったため、繊維物性
に見合った高強力、高弾性率、耐熱性を有するものは得
られていなかった。すなわちノ−バインダ−で繊維間を
接着しようとしても、剛直な分子が高度に配向している
ため、温度を上げただけでは繊維間の自己融着、とりわ
け緻密な不織布形態を有した形での融着は形成されな
い。しかしながら、温度に加えて高い圧力を作用させる
と繊維は強度低下を生じ、得られる不織布強力は不十分
なものとなる。
【0004】樹脂によるバインダ−接着においても、緻
密な不織布形態を得るためには加圧処理が必要となり、
その結果、繊維の強度が低下して十分な不織布強力を得
ることは困難である。また一般にバインダ−となる樹脂
の耐熱性は、該繊維よりも遥かに劣るため、得られる不
織布の耐熱性も必然的に低いものとなる。それに対し
て、前記特願平4−277205号では、高強力、耐熱
性に優れた緻密な構造の溶融異方性ポリエステル長繊維
不織布及びその製造方法を提案している。しかし該不織
布は、芳香族ポリエステル長繊維の自己融着により不織
布全体が均一に接着して緻密な構造を有するものである
ため、樹脂等の含浸性が乏しく、樹脂に含浸させて用い
る用途には不適である。本発明は、不織布製造面、繊維
構造物性面の両方から鋭意研究した結果、高強力及び耐
熱性に優れ、かつ見掛け密度が小さく樹脂含浸性の高い
溶融異方性芳香族ポリエステル長繊維不織布及びその製
造方法を見出だしたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、不織布表面の
5〜30%を占める部分が不織布全体に渉って連続相を形
成する熱圧着部により熱接着され、見掛け密度が0.28g/
cm3 未満でありかつタテ方向とヨコ方向の平均裂断長が
9.5km 以上であることを特徴とする溶融異方性芳香族ポ
リエステル長繊維不織布及び、溶融異方性芳香族ポリエ
ステル長繊維からなるウエブを、ロ−ル温度が90℃以上
該芳香族ポリエステルの流れ温度以下、ロ−ル線圧が5
〜50kg/cm の条件で、ウエブ接触面の5〜30%が熱圧着
部でありかつ連続相を有するロ−ルを用いて、エンボス
カレンダ−処理を施した後、加熱気体中でポリマ−の流
れ温度−40℃以上ポリマ−の流れ温度+20℃以下の
温度で熱処理することを特徴とする芳香族ポリエステル
長繊維不織布の製造方法の関するものである。
【0006】本発明にいう溶融異方性とは、溶融相にお
いて光学的異方性(液晶性)を示すことである。例えば
試料をホットステ−ジにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱
し、試料の透過光を観察することにより認定できる。本
発明で用いる芳香族ポリエステルは、芳香族ジオ−ル、
芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等の
繰り返し単位からなるが、下記化1に示す反復構成単位
の組み合わせからなるものが好ましい。
【0007】
【化1】
【0008】特に好ましくは、下記化2に示す(A)、
(B)の反復構成単位からなる部分が65重量%以上であ
るポリマ−であり、特に(B)の成分が4〜45重量%で
ある芳香族ポリエステルが好ましい。
【0009】
【化2】
【0010】本発明で用いる芳香族ポリエステルには、
その強力が実質的に低下しない範囲で、他のポリマ−及
び/または添加剤等を含んでいても良い。ポリマ−とし
ては芳香族、脂環族、脂肪族のジオ−ル、ジカルボン
酸、ヒドロキシカルボン酸、ジアミン、ヒドロキシアミ
ン等の他のポリマ−、具体的には、テレフタル酸、ビス
フェノ−ル及びそのアミン誘導体等が挙げられる。また
添加剤としては、酸化チタン、カオリン、シリカ、硫酸
バリウム、カ−ボンブラック、顔料、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤等を含んでいても良い。
【0011】本発明の大きな特徴は、熱圧着部が不織布
全体に渉って連続相を形成していることである。熱圧着
部が不連続例えば「点状」、「四角状」、「円形状」の
エンボス点の場合(図1(c)参照)には、本発明の効
果は得られない。すなわち不織布へ引張や引裂の外力が
加わった場合、熱圧着部へ応力が集中するために十分な
強力を有する不織布とはならない。本発明のように熱圧
着部が不織布全体に連続相を形成している場合には、各
種外力が不織布全体に分散するために十分な強力が得ら
れる。かかる熱圧着部は連続相を有していればどのよう
な形態を有していてもよいが、好ましい連続相の形態と
しては図1(a)、(b)のようなものが挙げられる。
なお、これは連続相の形態を模式的に示したものであ
り、便宜上本発明で規定する熱圧着部の面積割合を有し
ていない場合もある。また、本発明の効果を損なわない
程度であれば、部分的に不連続な熱圧着部を有していて
もよい。
【0012】さらに熱圧着部が占める面積割合は5〜30
%である必要がある。5%未満の場合は不織布強力発現
の主体となる熱圧着部が少なすぎて十分な不織布強力が
得られない。逆に熱圧着部が30%を越えると、熱圧着部
は樹脂が含浸しにくく、樹脂による十分な補強効果が発
現しない。また、不織布の見掛け密度が大きくなり緻密
さを増すと樹脂含浸性が低下し、均一な樹脂含浸シ−ト
の形成が困難となる等の問題が生じるため、見掛け密度
は0.28g/cm3 未満であることが必要であり、樹脂による
補強強化を十分に得るためにはタテ方向とヨコ方向の平
均裂断長は9.5km 以上必要である。なお、不織布の見掛
け密度とは、不織布目付(g/cm2 )を不織布の厚みで除
した値である。本発明にいう不織布の厚みとは、20g/cm
2 の一定荷重下で1cm2 のプレ−トを用いて測定した値
であるが、不織布上の任意の10点について測定し、そ
れを平均した値を用いる。非圧着部分の大きさおよび形
状は特に限られるものではないが、長径が5mm以下、好
ましくは3mm以下、さらに好ましくは2mm以下のものが
好ましい。
【0013】かかる不織布を得るためには、長繊維ウエ
ブを特定のロ−ル温度、ロ−ル線圧によりエンボスカレ
ンダ−処理することが重要である。前述したように、ロ
−ルの圧着部が連続相をなしかつ圧着部の占める面積割
合が5〜30%であることは必要であるが、ロ−ル温度が
90℃以上ポリマ−の流れ温度以下、ロ−ル線圧が5〜50
kg/cm で処理することも重要である。ロ−ル温度が90℃
未満の場合は、ウエブを形成している長繊維のポリマ−
のガラス転移温度より低いために、膠着が生じにくく繊
維間の接触点も増えないため次に行う熱処理によりウエ
ブの接着が不良となる。逆にロ−ル温度がポリマ−の流
れ温度を越えるとエンボスカレンダ−ウエブが融着気味
となり、頻繁にウエブのロ−ル巻き付きを生じて安定な
処理はできない。
【0014】また、ロ−ル線圧が5kg/cm 未満の場合
は、エンボス部分の押さえ効果が不足して繊維間の接触
点があまり増加せずさらに膠着も生じにくいため、処理
後ウエブはすぐに処理前の状態に戻り、熱処理により良
好なウエブの接着が形成されにくい。逆に50kg/cm を越
えると、処理ウエブは緻密化し繊維間の接着点も増加す
る点は好ましいが、線圧が高すぎるために繊維がエンボ
ス点で押し潰されて分子鎖の切断が生じ、その後の熱処
理によってウエブ接着はできても不織布強度は向上しな
い。これは、紡糸されたのみの溶融異方性芳香族ポリエ
ステル繊維は剛直な分子が高度に配向しているため、繊
維軸方向の強度は高いがそれに直角方向の剛直な分子間
の結合力は弱く、高いカレンダ−線圧を受けると繊維の
接触点で繊維が座屈変形により部分的破壊を生じるため
と推定される。
【0015】かかるエンボスカレンダ−処理を施した長
繊維不織布は、高い強力を必要としない場合等、目的に
よりそのまま用いることも可能であるが、熱処理により
強力等の性能をさらに向上させることができる。具体的
にはカレンダ−処理を施したウエブを加熱気体中でポリ
マ−の流れ温度−40℃以上ポリマ−の流れ温度+20
℃以下の温度で熱処理して、該ウエブを構成する長繊維
強度を向上させると同時に熱圧着点で該繊維の融着結合
を形成させてウエブの接着を行う。ポリマ−の流れ温度
−40℃未満の温度で熱処理した場合は、ポリマ−の固
相重合反応の進行が非常に遅くなってしまうため、実用
に併せる時間内で十分に繊維強度を向上させることが困
難となり、さらにウエブを構成する長繊維の熱圧着点に
おける繊維の融着形成がされにくくなる。これは熱処理
温度が低すぎるため繊維を形成するポリマ−分子の分子
運動が小さく、接触している繊維表面間で分子の混ざり
合いを生じるまでに至らないためと考えられる。熱処理
温度が高くなるに伴い固相重合反応は速くなり、融着も
強固にされるので熱処理温度はポリマ−の流れ温度−2
0℃以上で行うことが好ましい。逆にポリマ−の流れ温
度+20℃を越えるとポリマ−分子が配向緩和を起こし
て繊維強度が低下する。
【0016】熱処理とともにポリマ−の流れ温度が高く
なるため、熱処理温度も逐次高くすることが好ましい。
熱処理前のポリマ−の流れ温度が280℃以下のものが
熱処理後には320℃以上とすることも可能である。耐
熱性の点から、熱処理後のポリマ−の流れ温度が300
℃以上のものが好ましい。熱処理の加熱媒体として用い
る気体は、窒素、アルゴン等の不活性ガス、あるいは、
窒素と酸素、炭酸ガス等の混合気体、および空気等が用
いられる。水分により加水分解反応が生じるので露点は
−20℃以下の気体が好ましい。熱処理は、目的により
緊張下あるいは無緊張下どちらで行っても良い。
【0017】本発明で用いる芳香族ポリエステル長繊維
は、特開昭50−43223号、特開昭50−1576
19号、特開昭50−158695号、特開昭54−7
7691号等公報に記載されている方法によって得られ
る。。該溶融異方性ポリエステルポリマ−は分解開始温
度(Td)と流れ温度(Tm)の温度差が40℃以上であ
ることが好ましい。溶融紡糸は紡糸機を流れ温度以上に
加温して行うのだが、設定温度に対してある程度の幅を
もって温度が変化するため、設定温度よりも高温になる
ことがある。もし溶融異方性ポリエステルポリマ−の分
解開始温度(Td)と流れ温度(Tm)の温度差が40℃
未満であれば、ポリマ−が配管を滞留中、温度が融点を
越えて分解温度に達し、ポリマ−に分解が生じ、紡糸ノ
ズル付近でビス即ち断糸が発生する。ビスが生じない場
合でも、繊維中に分解ガスと考えられる気泡が発生し、
力学的性能が低下する。
【0018】ここで述べる分解開始温度(Td)とはT
G曲線(熱重量曲線)における減量開始温度であり、ま
た流れ温度(Tm)とは、示差走査熱量(DSC:例え
ばmettler 社製、TA3000)で観察される主吸熱ピ−ク
のピ−ク温度である(JISK7121)。具体的には、D
SC(例えばMettler 社製 TA3000)装置に、サ
ンプルを10〜20mgをとりアルミ製パンへ封入した後、キ
ャリア−ガスとして窒素を100cc/分流し、20℃/分で
昇温したときの吸熱ピ−クを測定する。ポリマ−の種類
により上記1st Runで明確な吸熱ピ−クが現れない場合
は、50℃/分の昇温速度で予想される流れ温度よりも
50℃高い温度まで昇温し、その温度で3分間完全に溶
融した後、80℃/分の速度で50℃まで冷却し、しか
る後に20℃/分の昇温速度で吸熱ピ−クを測定すると
よい。
【0019】本発明の芳香族ポリエステル繊維は、常法
により溶融紡糸して得られるが、該芳香族ポリエステル
ポリマ−の流れ温度よりさらに10℃以上高い温度(かつ
溶融液晶を形成している温度範囲内)かつ剪断速度103
sec -1以上の条件で紡糸するのが好ましい。分子の配向
化が進行し優れた強度等の性能を得ることができる。剪
断速度(γ)は、ノズル半径をr(cm)、単孔当たりの
ポリマ−と吐出量をQ(cm3 /sec )とするときr=4
Q/πr3 で計算される。ノズル横断面が円でない場合
には、横断面積と同値の面積を有する円の半径をrとす
る。
【0020】芳香族ポリエステル長繊維ウエブは、いか
なる方法により製造してもよいが、以下の方法により製
造するのが好ましい。紡糸した芳香族ポリエステル繊維
を一旦巻き取ることなく、直接コロナ放電等による帯電
処理によって帯電させその電気的反発力により単繊維に
開繊してネット状コンベア上に供給して捕集する。また
一旦巻き取った後に、摩擦帯電させ圧縮空気により単繊
維状まで開繊する、好ましくは絶対湿度0.24-H2 O/kg-d
ry air以下の雰囲気下で金属ネルソンロ−ルを撚が入ら
ないように通過させて接触剥離により摩擦帯電させ、次
いで圧縮空気を噴射しているエア−ガン中を通過させて
開繊すると同時にネット状コンベア上へ供給し捕集して
もよい。本発明により得られる長繊維不織布は、耐熱
性、高強度等の優れていた性能を有しているため各種産
業資材用不織布として多様な活用が可能であるが、嵩高
であるため特に樹脂含浸シ−トとして好適である。用途
は特に限定されるものではないが、導電率が低く高速情
報処理性に優れているためプリント配線基板用等に適し
ている。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれにより何等限定されるものではな
い。 [対数粘度]試料をペンタフルオロフェノ−ルに0.1 重
量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中でウッペロ−
デ型粘度計を用いて相対粘度(ηrel)を測定し、ηinh
=ln(ηrel)/cにより算出した。なおcはポリマ−濃
度(g/dl)である。 [強度]JIS L 1013に準じ、試長20cm、初
荷重0.1g/d、引張速度10cm/minの条件で破断強伸度を求
め、5点以上の平均値を採用した。 [樹脂含浸性]ドライ法(ホットメルト法とも称す)に
より測定を行った。試料にエポキシ樹脂を含浸及びキュ
アしたプリプリグを肉眼観察して付着均一性及び気泡の
除去状態を評価した。樹脂の付着均一性が良好のものを
○、どちらかが不良のものを△、どちらも不良のものを
×とする。
【0022】実施例1 溶融異方性芳香族ポリエステルとして、前記化2で示し
た構成単位(A)と(B)が70/30 モル%であるポリマ
−を用いた。このポリマ−の流れ温度は280 ℃、対数粘
度はηinh は6.0dl/g であった。このポリマ−を140
℃の真空乾燥機中で10時間乾燥させた後、単軸ベント
押出機より押出してサンド(ステンレスパウダ−)層と
金属細線からなるフィルタ−(10ηm)で濾過した後、
ノズル径0.1mm φ、ホ−ル数100 個の口金より紡糸温度
320 ℃、剪断速度5500sec -1で溶融紡糸し、500d/100f
のフィラメントを得た。得られた紡糸原糸の繊維性能
は、強度=12.2g/d 、伸度=2.3%であった。該繊維を、
絶対湿度0.24-H2 O/kg-dry air以下の雰囲気下で金属ネ
ルソンロ−ルを撚が入らないように通過させて接触剥離
により摩擦帯電させ、次いで圧縮空気を噴射しているエ
ア−ガン中を通過させて開繊し、ブロ−ンして捕集する
ことにより長繊維ウエブを製造した。次いで、圧着部が
図1(a)に示される「織目柄」と称す連続相をなすエ
ンボスロ−ルを用いて、ロ−ル温度130℃、ロ−ル線
圧20kg/cm の条件でカレンダ−処理を行った。なおエ
ンボスロ−ルの各非圧着部分は長径1.5mm 、短径0.8mm
を有しており、圧着部の面積割合は20%であった。
【0023】得られた目付約50g/m 2 の長繊維不織布
を250℃で1時間、更に290℃で5時間熱処理を行
った。得られた不織布は、目付49.3g/m 2 、厚さ
0.192mm、見掛け密度0.256g/cm3 、平均裂断
長11.6km(タテ方向13.8km、ヨコ方向9.3k
m)であり、ポリマ−の流れ温度は319℃となり、高
強度で耐熱性に優れた嵩高構造の不織布が得られ、樹脂
の含浸性も良好であった。熱処理後の不織布を構成する
長繊維の強度は25.3kg/dであった。
【0024】実施例2 ウエブの捕集速度を実施例1の2倍にし、さらに熱処理
条件を250℃で8時間とした以外は実施例1と同様の
方法で長繊維不織布を製造した。なお、熱処理前の長繊
維不織布の目付は約25g/m 2 であった。熱処理後に得
られた不織布は、目付24.6g/m 2 、厚さ0.106
mm、見掛け密度0.233g/cm3 、平均裂断長11.2
km(タテ方向11.8km、ヨコ方向10.5km)であ
り、ポリマ−の流れ温度は319℃となり優れた不織布
が得られた。熱処理後の不織布を構成する長繊維の強度
は26.1kg/dと著しく向上していた。樹脂含浸性も良
好であった。
【0025】実施例3、比較例1〜9 実施例1の方法で得られた長繊維ウエブを表1に示す条
件でカレンダ−処理及び熱処理を行った。得られた不織
布の性能を表2に示す。なお比較例2ではカレンダ−ロ
−ルへウエブが融着しサンプリングは不可能であった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例では、高強度で耐熱性に優れた嵩高
構造の不織布が得られたが、比較例においては、高強
度、耐熱性、嵩高構造というすべての条件を満たす不織
布は得られていない。比較例7では、「正四角柄」と称
す不連続点状のエンボス点(1辺0.8mm の正方形、図1
(c)参照)を有し、圧着部の面積割合が20%のエン
ボスロ−ルを用いた。従って、外力が加わった際に応力
が集中され分散されないために、不織布の強度すなわち
平均裂断長の極めて低いものとなっている。
【0029】
【発明の効果】本発明により、従来得られていなかった
高強力で耐熱性に優れた嵩高構造の芳香族ポリエステル
長繊維不織布を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(a)及び(b)は熱圧着部が連続相を有するエンボス
ロ−ラ−の具体例であり、(c)は熱圧着部が不連続な
ものの一例である。なお、斜線部は熱圧着部を示し、X
は長径、Yは短径を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は熱圧着部が連続相を有する
エンボスロ−ラ−の具体例であり、(c)は熱圧着部が
不連続なものの一例である。なお、斜線部は熱圧着部を
示し、Xは長径、Yは短径を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶融異方性芳香族ポリエステル長繊維から
    なる不織布において、該不織布表面の5〜30%を占める
    部分が不織布全体に渉って連続相を形成する熱圧着部に
    より熱接着され、見掛け密度が0.28g/cm3 未満でありか
    つタテ方向とヨコ方向の平均裂断長が9.5km 以上である
    ことを特徴とする芳香族ポリエステル長繊維不織布。
  2. 【請求項2】溶融異方性芳香族ポリエステル長繊維から
    なるウエブを、ロ−ル温度が90℃以上該芳香族ポリエス
    テルの流れ温度以下、ロ−ル線圧が5〜50kg/cm の条件
    で、ウエブ接触面の5〜30%が圧着部でありかつ連続相
    を形成しているロ−ルを用いてエンボスカレンダ−処理
    を施した後、加熱気体中でポリマ−の流れ温度−40℃
    以上ポリマ−の流れ温度+20℃以下の温度で熱処理す
    ることを特徴とする芳香族ポリエステル長繊維不織布の
    製造方法。
JP6032118A 1994-03-02 1994-03-02 芳香族ポリエステル長繊維不織布及びその製造法 Pending JPH07243162A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100477859B1 (ko) * 1998-09-15 2005-07-11 도레이새한 주식회사 폴리에스테르 부직포의 분리막 지지체
CN103392034A (zh) * 2011-01-05 2013-11-13 三星精密化学株式会社 纤网、其制备方法和包括该纤网的过滤器

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