JP3875797B2 - 芯鞘型複合繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は芯鞘型複合繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、溶融液晶性ポリエステル繊維は高強力高弾性率を有し、かつ低吸湿性、耐薬品性等の諸性能に優れていることから、多くの分野での適用が期待されている。
しかしながら、溶融液晶性ポリエステル繊維は高度に配向結晶化しているためにフィブリル化しやすく、また風合の優れたものが得られにくい問題があった。かかる問題を解決するために、溶融液晶性ポリエステル繊維を芯成分、他のポリマ−を鞘成分とする芯鞘型複合繊維が特開平1−229816号公報等に提案されているが、該芯鞘型複合繊維は芯成分と鞘成分が剥離しやすく、強度の点でも不十分になりやすかった。
以上のことから、芯成分が溶融液晶性ポリマ−から構成され、鞘成分が溶融液晶性ポリマ−と他のポリマ−とのブレンドにより構成されている芯鞘型複合繊維が特開平5−230715号公報等に提案されている。
かかる芯鞘型複合繊維は、鞘成分に溶融液晶性ポリマ−が含まれているため、芯鞘剥離が生じにくいのみでなく、機械的強度、耐フィブリル性も顕著に改善さたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、機械的性能及び耐フィブリル性の高い芯鞘型複合繊維に一層優れた性能を付与することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、芯成分が溶融液晶性ポリエステル(Aポリマ−)、鞘成分が屈曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)及び溶融液晶性ポリエステル(Cポリマ−)からなり、Cポリマーの配合比が0.15〜0.45であるブレンドにより構成された芯鞘型複合繊維であって、該繊維の表面になだらかな起伏が形成されていることを特徴とする芯鞘型複合繊維に関する。
【0005】
【発明の具体的な態様】
本発明にいう溶融液晶性(異方性)とは、溶融相において光学的液晶性(異方性)を示すことである。例えば試料をホットステ−ジにのせ、窒素雰囲気下で昇温加熱し、試料の透過光を観察することにより認定できる。
本発明で用いる芳香族ポリエステルは、芳香族ジオ−ル、芳香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等の反復構成単位からなるが、下記化1〜化3に示す反復構成単位の組み合わせからなるものが好ましい。
【0006】
【化1】
Figure 0003875797
【0007】
【化2】
Figure 0003875797
【0008】
【化3】
Figure 0003875797
【0009】
特に好ましくは、化3に示す反復構成単位の組み合わせからなるポリマ−が好ましい。特に(A)及び(B)の反復構成単位からなる部分が65重量%以上であるポリマ−であり、特に(B)の成分が4〜45重量%である芳香族ポリエステルが好ましい。
【0010】
好ましい溶融液晶性ポリエステルの融点(MP)は260〜360℃、より好ましくは270〜350℃である。ここでいう融点とは、示差走査熱量(DSC:例えばmettler社製、TA3000)で観察される主吸熱ピ−クのピ−ク温度である(JIS K7121)。具体的には、DSC(例えばMettler社製 TA3000)装置に、サンプルを10〜20mgをとりアルミ製パンへ封入した後、キャリア−ガスとして窒素を100cc/分流し、20℃/分で昇温したときの吸熱ピ−クを測定する。ポリマ−の種類により上記1st Runで明確な吸熱ピ−クが現れない場合は、50℃/分の昇温速度で予想される流れ温度よりも50℃高い温度まで昇温し、その温度で3分間完全に溶融した後、80℃/分の速度で50℃まで冷却し、しかる後に20℃/分の昇温速度で吸熱ピ−クを測定するとよい。
【0011】
本発明でAポリマ−として用いる溶融液晶性ポリエステルには、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレンテレフタレ−ト、変性ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリオレフィン、ポリカ−ボネ−ト、ポリアリレ−ト、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ−テルエーテルケトン、フッ素樹脂熱可塑性ポリマ−を添加しても良い。また酸化チタン、カオリン、シリカ、酸化バリウム等の無機物、カ−ボンブラック、染料や顔料等の着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を含んでいても良い。
【0012】
本発明で使用されるBポリマ−は、屈曲性熱可塑性ポリマ−であれば特に限定されるものではなく、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカ−ボネ−ト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエ−テルケトン、フッ素樹脂等が挙げられる。屈曲性熱可塑性ポリマ−と溶融液晶性ポリエステルからなるブレンドを鞘成分として用いることにより、耐フィブリル性及び機械的性能は大きく改善される。
特にポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレ−トを用いるのが好ましく、なかでもPPS、特に直鎖状PPSを用いた場合には紡糸工程性が良好であり、耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性等の点でに顕著な効果が得られ、さらになだらかな起伏が形成されやすく特に好適に使用できる。
なお、本発明にいう屈曲性ポリマ−とは、主鎖上に芳香環を有さないポリマ−及び主鎖上に芳香環を有し、かつ芳香環間の主鎖上に原子が4個以上存在するポリマ−をいう。
【0013】
Cポリマ−は、Aポリマ−と同様の溶融液晶性ポリエステルを用いることができ、Aポリマ−とCポリマ−は同種であっても異種であっても良い。
好ましくは、Bポリマ−の融点(MP)+80℃以下、MP−10℃以上のポリマ−が好ましい。またBポリマ−及びCポリマ−には、本発明の効果を損なわない程度に、他のポリマ−や各種添加剤を含んでいても良い。
【0014】
本発明は、鞘成分を、屈曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)のみでなく、屈曲性熱可塑性ポリマ−(Bポリマ−)と溶融液晶性ポリエステル(Cポリマ−)からなるブレンドで構成することにより、鞘成分の強力を高めると同時に鞘成分と芯成分との接着性を顕著に高めるものである。
本発明のブレンドは、Bポリマ−とCポリマ−をチップブレンドする、または両成分の溶融物をスタチックミキサ−等で混合することなどにより得られる。
本発明においては、Cポリマーに比して柔軟なBポリマーを多量に用いて鞘成分を構成しているため、Cポリマーを島成分、B成分を海成分とする海島構造を形成していると推察される(図5)。この場合、剛直で機械的性能に優れたCポリマーが島成分を構成して優れた補強効果を奏するとともに、耐摩耗性に優れたBポリマーが海成分を形成してCポリマーの周囲を実質的に被覆するため耐摩耗性が顕著に改善されると考えられる。
【0015】
なお、本発明にいう海島構造とは、繊維横断面においてマトリックスとなる海成分の中に数十から数万の島が存在している状態をいう。一般にBポリマ−及びCポリマ−の混合比、溶融粘度等を変えることにより島数を調整することができる。繊維強度、耐フィブリル性、さらに起伏形成の点から島成分は微細であるのが好ましいと予想され、たとえば島成分の直径は0.1〜0.5μm程度とするのが好ましいと考えられる。
【0016】
鞘成分を構成するBポリマーの強度を高めるためには繊維を充分延伸してBポリマーを配向させる必要があるが、芯成分を構成する溶融液晶性ポリエステルは延伸を施すことなく紡糸したのみで優れた機械的性能を有しており、紡糸原糸の状態で配向が著しく進行している。従って、鞘成分の強度を高めるために紡糸原糸をさらに延伸しようとしても、芯成分を構成するAポリマーが高度に配向してるために実質的にそれ以上延伸することができない。その結果、得られた複合繊維の鞘成分は強度が低く脆いものとなり、芯成分と鞘成分が剥離しやすくなって加工性及び耐摩耗性が不十分となる。
【0017】
しかしながら、本発明においては、鞘成分に溶融液晶性ポリエステルを配合しているため、類似のポリマーからなる芯成分との親和性が高くなって、芯鞘剥離が生じにくくなるとともに、鞘成分を構成する溶融液晶性ポリエステルが紡糸原糸の状態で高度に配向して鞘成分の強度が向上し、耐摩耗性等が著しく向上する。
鞘成分におけるCポリマーの配合比C/(B+C)は0.15〜0.45,好ましくは0.25〜0.4(重量比)とする。Cポリマーの配合比が高すぎると耐摩耗性が不十分となり、また繊維が剛直になるために製織性等の加工性が低くなる。逆にCポリマーの配合比が低すぎると鞘成分の強度が不十分となり、芯鞘剥離が生じ易くなり製織性等の工程性が低下し、また表面になだらかな起伏が形成されにくくなる。
【0018】
本発明においては、芯鞘型複合繊維を対象にしているが、この芯鞘型の態様としては偏心芯鞘型及び多芯芯鞘型を含むものである。上記複合繊維における芯成分比は0.25〜0.80、特に0.3〜0.7とするのが好ましい。鞘成分をBポリマ−とCポリマ−で構成した場合には鞘成分も強力向上に寄与するため、芯成分比率を低くした場合においても、強度15g/d以上の優れた複合繊維を得ることができる。芯成分比が大きくなりすぎると芯が露出しやすく、小さすぎると強力の点で不十分となる場合がある。
なお、本発明にいう芯成分比とは、複合繊維の断面積比A/(A+B+C)を示す。断面積比は、繊維横断面の顕微鏡写真から求められるが、製造時の芯成分と鞘成分の吐出量の体積比により求めることもできる。
【0019】
本発明の特徴は、複合繊維表面になだらかな起伏が形成されていることにある。一般に繊維表面に凹凸を付与する方法として、異形断面の孔を有するノズルを用いて紡糸する方法、部分延伸により太細を形成する方法、ポリマ−に無機微粒子を多数含有させ繊維化する方法、繊維形成後に化学処理でエッジングする方法、プラズマ処理でエッジングする方法等が知られている。しかしながら、かかる方法により形成されるものは、極めて多数の凹凸が多数形成されたものであり、本発明のようななだらかな起伏とは全く異なるものである(図1参照)。
【0020】
繊維表面になだらかな起伏を形成することによって様々な効果が得られるが、熱処理時の膠着が少なくより高温での熱処理が可能になること、摩擦抵抗が小さく工程通過性(製織性等)が良好であること,さらに樹脂等との接着性が顕著に高まり、風合等も改善される等の多くの効果が得られる。従来の極めて微細な凹凸が多数形成されたものはこのような効果が得られにくく、また摩耗により凹凸がさらに小さくなるため樹脂等で被覆した場合であっても樹脂等が容易に剥離して本発明のような効果が得られない。またなだらかな起伏が形成されていない繊維(図2参照)においても、このような効果は得られない。
【0021】
本発明の複合繊維表面の好ましい形態としては以下のものが挙げられる。
まず、走査電子顕微鏡で1000倍に拡大して撮影した繊維側面写真の繊維側面の外周のプロフィルを描き、繊維長さ3D(D:繊維平均直径)間に存在する極大点をL、極小点をSとし、さらに中央線からLまでの距離をLL、中心線からSまでの距離をLSとするとき、隣接するLLとLSの差(LL−LS)が0.004Dより大きいもの(NM)が両側面の合計として5〜100個、特に10〜50個程度存在するものが挙げられる。繊維強度等の点からはLL−LSが0.05D以下、特に0.03D以下であるのが好ましい。
なお本発明にいう中心線とは、繊維長Dに区画する繊維直径方向の線分a及び線分bのそれぞれの中点を結んだ直線である(図3参照)。
【0022】
本発明の繊維は、下記の条件を満足するように紡糸することによって製造される。
MVc+1100≧MVb≧MVc+350
紡糸温度≧MPc+30℃
γ(=4Q/πr)≧20,000
0.15≦C/(B+C)≦0.45
なお、MVbはBポリマーの溶融粘度(poise)、MVcはCポリマーの溶融粘度(poise)、MPcはCポリマーの融点(℃)、γは紡糸時の剪断速度(sec−1)、Qは芯鞘型複合繊維を紡糸するときの単ホール当たりのポリマー吐出量(cm/sec)、rはノズル孔の剪断面方向の半径(cm)を示す。
【0023】
なだらかな起伏が形成される機構については明確ではないが、Cポリマーが微細な島成分を形成し、かつBポリマーに比してCポリマーの粘度が十分に低下した状態で高い剪断力を加えることにより、Cポリマーからなる島成分が繊維表面近傍に偏在することとなり、その結果、表面近傍の剛直なCポリマーの存在により繊維表面になだらかな起伏が形成されると推察される。特にBポリマーとして直鎖状PPSを用いた場合には表面になだらかな起伏を有する繊維を効率的に製造することができる。
【0024】
0.15≦C/(C+B)≦0.45をはずれるとなだらかな起伏が形成されない理由はさだかではないが、繊維表面のなだらかな起伏はC成分が島成分を構成していることにより形成されるため、C成分比が小さすぎるとなだらかな起伏が形成されにくくなると考えられる。逆にC成分比が大きすぎるとC成分が島成分となり、B成分が海成分となりやすく所望の繊維が得られない。以上のことから、C成分比は0.45以下、特に0.40以下とするのが好ましい。また起伏形成性、機械的性能及び芯鞘成分の剥離を防止する点からは0.25以上とするのが好ましい。島成分比は、繊維横断面の顕微鏡写真から求められるが、製造時の芯成分と鞘成分の吐出量の体積比により求めることもできる。さらにかかる島成分比とした場合には、繊維強度及び耐フィブリル性の点でも優れた効果が得られる。なおC配合比:C/(B+C)は鞘成分における重量配合比を示したものである。
【0025】
上記の方法により所望の起伏を形成させるにはγを20000以上とする必要があり、30000以上、特に40000以上とするのがより好ましい、この理由は定かではないが、剪断速度を高めることによりCポリマーからなる島成分が繊維表面近傍に一層偏在しやすくなるためと考えられる。紡糸性等の点からは80000以下とするのが好ましい。
【0026】
また上記方法を採用する場合、紡糸温度をMPc+30℃以上にする必要がある。この理由は定かではないが、紡糸温度が低すぎるとCポリマーの粘度が十分に低下していないためCポリマーからなる島成分が繊維表面近傍に偏在することが不可能になるためと考えられる。しかしながら、紡糸温度を高めると分解等が生じる場合があるので、MPc+60℃以下とするのが好ましい。
繊維性能の点からは、紡糸速度を650m/分以上、更に900m/分以上とするのが好ましく、紡糸安定性の点からは3000m/分以下とするのが好ましい。
【0027】
MVbは、紡糸性及び糸径の小さい繊維を得やすい点から(MVc+1100)poise以下であることが必要であり、起伏形成性の点からMVc+350poise以上、特にMVc+400poise以上とするのが好ましい。さらに起伏形成性、紡糸性及び耐衝撃性の点からはCポリマーの粘度は600poise以下、特に500poise以下であるのが好ましく、繊維の機械的強度の点からは380poise以上であるのが好ましい。なお本発明の複合繊維は、例えば図4のような紡糸口金を用いて紡糸することができる。
【0028】
本発明により得られる繊維は諸性能に優れているものであり、紡糸しただけで既に十分な強度、弾性率を有しているが弛緩熱処理あるいは緊張熱処理を施すことにより性能を更に向上させることができる。熱処理は、窒素等の不活性ガス雰囲気下や、空気の如き酸素含有の活性ガス雰囲気中または減圧下で行うことが可能である。熱処理雰囲気は露点がー40℃以下の低湿気体が好ましい。好ましい熱処理条件としては、芯成分の融点−40℃以下から鞘成分ポリマ−の融点以下まで順次昇温していく温度パタ−ンが挙げられる。処理時間は目的により数分から数十時間行う。
【0029】
熱の供給は、気体等の媒体を用いる方法、加熱板、赤外線ヒ−タ−等により輻射を利用する方法、熱ロ−ラ−、熱プレ−ト等に接触して行う方法、高周波等を利用した内部加熱方法等がある。熱処理形状はカセ状、トウ状(たとえば金属網等に載せて行う)、あるいはローラー間で連続的に処理することも可能である。緊張熱処理を行う場合には、芯成分の融点―40℃以下の温度で、切断強度の1〜10%の張力をかけて行うのが好ましく、この処理により様々な性能、特に弾性率は一層改善される。布帛等に加工した後に熱処理を施しても構わないが、工程性の点からは布帛等に加工する前に熱処理を施すのが好ましい。
【0030】
処理は、目的により緊張下あるいは無緊張下で行われる。処理形状はカセ状、トウ状(例えば金属網等にのせて行う)、あるいはロ−ラ−間で連続的に処理することも可能である。緊張熱処理は、芯成分の融点−40℃以下の温度で、切断強度の1〜10%の張力をかけて行うのが好ましく、この処理により様々な性能、特に弾性率は一層改善される。本発明の繊維は繊維表面になだらかな起伏が形成されているために、熱処理によっても繊維間膠着等が生じにくく優れた効果が得られる。
【0031】
また上記の方法により製造された原糸に特定の熱処理を施すことにより、本来白系統の色を呈するポリフェニレンサルファイドのような樹脂をBポリマ−として用いた場合にも、たとえば下記の表色値を有する繊維を得ることができ、該繊維は衣料用等に好適に使用できる。
18≦b*≦35
0.5≦a*≦10
55≦L*≦80
【0032】
本発明にいう表色値b*、a*、L*とは、1976年にCIEが推奨したものであり、X,Y,Zが完全拡散面の三刺激値であるとき次式に定義される値である。
*=200{(Y/Y0)1/3−(Z/Z0)1/3
*=500{(X/X0)1/3−(Y/Y0)1/3
*=116(Y/Y0)1/3−16
一般にb*は黄味、a*は赤味,L*は白味の程度を表し、数値が高いほどそれぞれ黄味、赤味、白味は増す。これらの値はカラ−アナライザ−(例えば日立製作所製 C−200S型)により容易に測定できる。
【0033】
通常、溶融液晶性ポリエステル繊維を活性雰囲気下で熱処理を施すと上記の表色値を有する繊維が得られるが、鞘成分をBポリマーとCポリマーのブレンドで構成している場合には通常の方法ではかかる複合繊維は得られない。この理由は定かではないが、鞘成分を構成するBポリマーの配合割合が高い場合、Cポリマーを島成分、Bポリマーを海成分とする海島構造を形成し、その結果、繊維表面は海成分であるBポリマーにより実質的に覆われるため活性雰囲気下で熱処理を施しても着色しないと推察される。
しかしながら、上記の方法で得られる複合繊維を活性雰囲気下で熱処理を施すと上記の表色値を有する繊維を得ることができる。これは前述の方法で得られる複合繊維はCポリマーからなる微細な島成分が繊維表層部に偏在しているため、なだらかな起伏を形成するとともに、熱処理により表層部のCポリマーが着色して上記の表色値を有する繊維となると考えられる。
【0034】
好適な方法としては得られた紡糸原糸に(MPb−80℃)〜(MPb−5℃)の温度条件下で熱処理を施し、熱処理の後半1時間以上は酸素濃度5〜22体積%雰囲気下で処理を行う方法が挙げられる。なお、本発明にいうMPbとはBポリマ−の融点である。具体的な熱処理手段としては上記に記載の方法がそのまま採用でき、機械的性能の向上を目的とする熱処理と同一工程又は別工程で行えばよい。
このとき、紡糸原糸に油剤を0.1〜1重量%付着させるのが好ましい。繊維表面の油剤が様々な副反応を助長する働きを呈し、酸素含有雰囲気下はもちろんのこと不活性雰囲気下において熱処理を施すことにより上記表色値の繊維が得られる。また油剤を付与することにより熱処理における繊維物性の低下が抑制されることから顕著な効果が得られる。好適な油剤としては、鉱物油、アルキレンオキサイド共重合体、脂肪族エステルを主成分とする油剤が挙げられる。
【0035】
勿論、必要に応じてBポリマ−及び/又はCポリマ−に着色剤を含有させもかまわない。しかしながら、繊維性能、芯鞘剥離防止の点からは着色剤の配合量を1重量%以下、好ましくは0.01重量%以下、さらに実質的に配合しないのが好ましい。
【0036】
本発明の繊維は、機械的性能、耐摩耗性等の諸性能に優れ、さらに表面になだらかな凹凸が存在することから風合が良好で、かつマトリックスとの接着性に優れたものである。モノフィラメント、マルチフィラメント、カットファイバ−、紡績糸、布帛(織編物、不織布等)等のあらゆる形態で使用でき、衣料用や産業用資材等のあらゆる分野に好適に使用できる。なかでも防弾チョッキ等の防護衣や防護材、補強繊維(セメント、コンクリ−ト、アスファルト、樹脂、ゴム等)として好適にでき、勿論、本発明の繊維を用いてなる布帛を補強材として用いてもかまわない。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定されるものではない。
[溶融粘度 MV]
300 ℃、剪断速度r=1000sec-1の条件で東洋精機キャピログラフ1B型を用いて測定した。
[対数粘度 ηinh]
試料をペンタフルオロフェノ−ルに0.1重量%溶解し(60〜80℃)、60℃の恒温槽中でウッペロ−デ型粘度計を用いて相対粘度(ηrel)を測定し、ηinh =ln(ηrel)/cにより算出した。なおcはポリマ−濃度(g/dl)である。
【0038】
[強度g/d]
JIS L 1013に準じ、島津製作所社製強伸度試験機DCS―100型を用いて、試長20cm、初荷重0.1g/d、引張速度10cm/minの条件で引張破断試験を行い、得られた応力―歪曲線(Stress-Strain Curve)から求めた。5点以上の平均値を採用した。
[弾性率 g/d]
強度の測定方法と同様に応力―歪曲線(Stress-Strain Curve)を作成し、該曲線の原点付近においてフックの法則に従う直線部分から、弾性率=(w/D)/(ΔL/L)により算出した。なお、wはΔL伸長したときの荷重g、Dは繊維のデニ−ル、ΔLは荷重により伸長した長さ、Lは繊維原長を示す。
[繊維平均径 μm]
走査電子顕微鏡で1000倍に拡大した写真をとり、その写真上の10か所における繊維直径を測定し、この相加平均を繊維平均径とする。
【0039】
[起伏(NM) 個/D]
走査電子顕微鏡で1000倍に拡大して繊維側面写真を撮影し、繊維側面外周のプロフィルを描き、繊維長さ3D(D:繊維平均径)間に存在する極大点をL、極小点をSとし、さらに中心線からLまでの距離をLL、中心線からSまでの距離をLSとするとき、隣接するLLとLSの差(LL−LS)が0.005Dより大きいもの(NM)の数を繊維両側面について求めた。
別の繊維部分についても同様に作業を繰り返して、両側面のNM数の合計の平均値を求めた(N≦3)。
なお本発明にいう中心線とは、繊維長3Dに区画する繊維直径方向の線分a及び線分bのそれぞれの中点を結んだ直線である(図3参照)。
【0040】
[耐摩耗性(ガイド摩耗) 回]
大栄科学機器社製の抱合力試験機を用い、120度の角度を配置された3本の櫛ガイドに6本のモノフィラメントを各々ガイドに通し、各フィラメントに1g/dの荷重を掛け、ストロ−ク長3cm、速度95回/分で往復運動を与え、毛羽(剥離、フィブリル化)の発生した回数を測定した。
[製織性]
試料を用いて250メッシュの平織物を製織後、光学顕微鏡で繊維表面を観察し、実質的に鞘成分の剥離がないものを◎、剥離がまれにみられるものを○、剥離がときどき生じているものを△、剥離が多く見られるものを×として評価した。
【0041】
[表色値]
試料繊維からなる布帛を製造し、20mm×20mmの布帛を4枚重ねてカラーアナライザー(たとえば日立製作所製C−200S型)により測定する。布帛の密度が異なると表色値に影響が生じるが、4枚以上重ねることにより実質的に誤差なく表色値を測定できる。布帛の構成は限定されないが、たとえば上記製織性の評価と同様の方法で布帛を製織すればよい。
また表色値の測定誤差を少なくする点からは20mm×20mmよりも小さい場合であっても10mm×10mm程度あれば比較的誤差なく測定できる。
【0042】
[接着性]
試料を用いて250メッシュの平織物を製織後、得られた織物にウレタン樹脂を厚さ0.5mmにコ−テイングし、150℃で乾燥後の試料をJIS P8115に準ずる方法で、MIT形試験機で往復折り曲げ試験を行った。折り曲げ試験後に屈曲部を顕微鏡で観察し、折り曲げ回数1000回未満において織物と樹脂の剥離が生じるものを×、折り曲げ回数1000回以上3000回未満において織物と樹脂の剥離が生じるものを△、折り曲げ回数3000回以上5000回未満で織物と樹脂の剥離が生じるものを○、折り曲げ回数5000回においても織物と樹脂の剥離が生じていないものを◎として接着性の評価を行った。
【0043】
[実施例1〜4、比較例1〜5]
Aポリマ−及びCポリマ−として前記化3で示した構成単位(A)と(B)が73/27モル%である溶融液晶性ポリエステル(MP=280℃、MV=410poise、ηinh=4.20dl/g)を用い、Bポリマ−として直鎖ポリフェニレンサルファイド(MP=280℃、MVb=1100poise,800poise、420poise)を用いた。まずBポリマ−及びCポリマ−を用い、それぞれのC成分比C/(B+C)を有する混合ペレットを2軸押出機で混練し作成した。
次いで芯成分と鞘成分を別々の押出機に供給し、溶融後、鞘成分比R=0.40となるように下記の条件で約9デニ−ルの芯鞘型複合繊維を複合紡糸した。
ノズル孔径 2r=0.015cm
単孔当たりのポリマ−吐出量 Q=0.015cm3 /sec
剪断速度 γ=44,300sec-1
紡糸温度 315℃
紡糸速度 1100m/min
【0044】
得られたモノフィラメントに化4に示す一般式(13)に記載の油剤と化5に示す一般式(14)に記載の油剤を60:40の割合(重量比)で混合した油剤を表1に示す量付与し、次いで多孔ボビンに密度0.55g/ccで巻き取り、該ボビンに熱処理を施した。詳細には窒素雰囲気中で室温から250℃まで5時間、250℃から表1に示す温度まで10時間かけて昇温し、さらに同温度で3時間熱処理(N処理又はA処理)を施した。結果を表1に示す。
なお表中、油剤とは油剤付着量(重量%)を示し、N処理は窒素雰囲気中での熱処理、A処理は酸素含有雰囲気(除湿空気雰囲気を系内に吹き込み酸素濃度10体積%としたもの)での熱処理を示す。
【0045】
【化4】
Figure 0003875797
【0046】
【化5】
Figure 0003875797
【0047】
[実施例5〜7、比較例6〜8]
Aポリマ−として前記化3で示した構成単位(A)と(B)が73/27モル%である溶融液晶性ポリエステル(MP=280℃、MV=410poise、ηinh=4.20dl/g)を用い、Bポリマ−として直鎖ポリフェニレンサルファイド(MP=280℃、MVb=1100poise)、Cポリマーとして前記化3で示した構成単位(A)と(B)が73/27モル%であり、表2に示された種々の融点及び粘度を有する溶融液晶性ポリエステルを用いた。
まずBポリマ−及びCポリマ−を用い、それぞれのC成分比C/(B+C)を有する混合ペレットを2軸押出機で混練し作成した。次いで芯成分と鞘成分を別々の押出機に供給し、溶融後、鞘成分比R=0.40となるように下記の条件で約13デニ−ルの芯鞘型複合繊維を複合紡糸した。
ノズル孔径 2r=0.015cm
単孔当たりのポリマ−吐出量 Q=0.021cm3 /sec
剪断速度 γ=63,900sec-1
紡糸温度 320℃
紡糸速度 1100m/min
【0048】
得られたモノフィラメントを多孔ボビンに密度0.42g/ccで巻き取り、該ボビンを窒素雰囲気中で熱処理を施した。詳細には室温から250℃まで5時間、250℃から272℃まで10時間かけて昇温し、さらに275℃の温度条件下で3時間熱処理(A処理)を施した。結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003875797
【0050】
【表2】
Figure 0003875797
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的性能、耐フィブリル性、樹脂等のマトリックスとの接着性、風合等の諸性能に優れた芯鞘型複合繊維が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面になだらかな起伏を有する本発明の複合繊維の表面形状の1例を示した走査電子顕微鏡写真。
【図2】表面になだらかな起伏を有しない複合繊維の表面形状の1例を示した走査電子顕微鏡写真。
【図3】繊維側面の1例を示した模式図。
【図4】芯鞘型複合繊維を紡糸する際に用いることのできる口金の例を示す断面図。
【図5】本発明の芯鞘型複合繊維が形成していると予想される繊維横断面構造を示した模式図。
【符号の説明】
A:Aポリマ−
B:Bポリマ−
C:Cポリマ−
1:繊維
2:繊維側面外周外形線
a:線分a
b:線分b
c:線分aの中点と線分bの中点を結んだ中心線
L:繊維側面における極大値
S:繊維側面における極小値
LL:Lと中心線間の距離
LS:Sと中心線間の距離

Claims (1)

  1. 芯成分が溶融液晶性ポリエステル(Aポリマー)、鞘成分が屈曲性熱可塑性ポリマー(Bポリマー)及び溶融液晶性ポリエステル(Cポリマー)からなり、Cポリマーの配合比が0.15〜0.45であるブレンドにより構成された芯鞘型複合繊維であって、下記の条件を満たすように紡糸することによって、該繊維の表面になだらかな起伏が形成されることを特徴とする芯鞘型複合繊維。
    MVc+1100≧MVb≧MVc+350
    紡糸温度≧MPc+30℃
    γ(=4Q/πr )≧20,000
    なお、MVbはBポリマーの溶融粘度(poise)、MVcはCポリマーの溶融粘度(poise)、MPcはCポリマーの融点(℃)、γは紡糸時の剪断速度(sec −1 )、Qは芯鞘型複合繊維を紡糸するときの単ホール当たりのポリマー吐出量(cm /sec)、rはノズル孔の剪断面方向の半径(cm)を示す。
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