JPH07241522A - カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法 - Google Patents

カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH07241522A
JPH07241522A JP3729994A JP3729994A JPH07241522A JP H07241522 A JPH07241522 A JP H07241522A JP 3729994 A JP3729994 A JP 3729994A JP 3729994 A JP3729994 A JP 3729994A JP H07241522 A JPH07241522 A JP H07241522A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
coating
organic
weight
steel sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP3729994A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimi Kada
好実 加田
Yoshio Shindo
芳雄 新藤
Tadao Azami
忠雄 生明
Koji Tanimura
宏治 谷村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP3729994A priority Critical patent/JPH07241522A/ja
Publication of JPH07241522A publication Critical patent/JPH07241522A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の
製造方法をを提供する。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは両面に、膜
厚10〜150mg/m 2 のクロメート皮膜を施し、そ
の上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重量%以上含
有する有機溶剤に数平均分子量300〜100,000
のビスフェノール型エポキシ樹脂を30重量%以上、ポ
リイソシアネート化合物およびブロックイソシアネート
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤
を前記エポキシ樹脂に対し重量比で1/10〜20/1
0、平均粒径0.1〜100mμのヒュームドシリカを
塗料固形分中5〜50重量%、かつ、ポリエチレンワッ
クスを0.1〜10重量%含有した塗料組成物を有機皮
膜として0.05〜2μm塗装し、その後、有機皮膜を
アルカリ水溶液により処理することを特徴とするカチオ
ン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜塗装を施した有機
複合めっき鋼板に係わり、更に詳しくはプレス加工性、
耐食性を低下させることなく電着塗装性の向上を実現し
た有機複合鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体用鋼板として、耐食性
に優れた鋼板の市場ニーズがますます高まり、これに呼
応した表面処理鋼板の新製品の開発研究が最近盛んに行
なわれている。このような高耐食性の表面処理鋼板の1
つとしては、亜鉛めっき鋼板をあげることができるが、
この種の鋼板では耐食性を高めるために亜鉛の付着量を
増加させる必要があり、結果としてプレス成形性、スポ
ット溶接性の劣化をもたらすという問題がある。一方、
めっき付着量の少ない耐食性鋼板として亜鉛とNi,C
o,Cr,Fe,Mn等を合金化させためっき鋼板や多
層めっき鋼板が開発された。しかし、これらの鋼板も自
動車車体中で非常に苛酷な腐食条件下にさらされるヘム
部や袋構造部に対しては十分な耐食性を有するものでは
なかった。
【0003】そのような中で、高度な耐食性を有する鋼
板として、特公昭45−24230号公報や特公昭47
−6882号公報にみられるようなジンクリッチ系塗膜
を施した防錆鋼板が提案されており、その代表的なもの
はジンクロメタルの名称で知られている。しかし、この
防錆鋼板においても、プレス成形性等の加工部では皮膜
の剥離を生ずる場合がある。そのため、自動車車体用材
料として適合できる高耐食性防錆鋼板とはまだ言い難
い。このようなことから、亜鉛系めっき鋼板を素材とし
て、その上層にクロメート層と有機皮膜の2層を形成し
た有機複合鋼板及びその製造方法が特開昭57−108
292号公報、特開昭58−224174号公報や特開
平1−8033号公報等において提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の有機
複合鋼板は、従来の表面処理鋼板に比べ優れた加工性、
耐食性を有するものの、最近の自動車用材料に要求され
ている高度のカチオン電着塗装性、すなわち、エッジカ
バーリング性のよい電着塗料を用いたときの鋼板の優れ
た電着塗装外観をもつことが難しく、更なるカチオン電
着塗装性の向上が必要である。本発明は、プレス成形性
や耐食性の性能を低下させることなく、カチオン電着塗
装性を向上させた有機複合鋼板の製造方法の提供を目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するために、鋭意検討した結果、有機複合鋼
板の有機皮膜をアルカリ水溶液で処理することにより、
有機複合鋼板が優れたカチオン電着塗装性を有すること
を見い出した。通常、有機複合鋼板に電着塗装する場
合、電圧を加えることにより、有機皮膜表面で水の電気
分解が起こり水素が発生する。このために、有機皮膜表
面のpHがアルカリ雰囲気となり、カチオン性の電着塗
料が電荷を失うことにより析出し、カチオン電着塗膜を
形成する。そのため、塗膜析出までの時間がかかり、ガ
スを巻き込み、塗膜の最表面層の欠陥ができ易く、塗装
性を阻害する。そこで、本発明の場合、有機皮膜表面を
アルカリ処理することにより、電着初期に皮膜表面にス
ムーズに電着塗膜が形成され、皮膜最表層での欠陥が無
くなり、塗装外観等の塗装性を良好にすることができ
る。
【0006】本発明の要旨は、亜鉛系めっき鋼板の片面
あるいは両面に、膜厚10〜150mg/m2 のクロメ
ート皮膜を施し、その上にケトン系有機溶剤を少なくと
も40重量%以上含有する有機溶剤に数平均分子量30
0〜100,000のビスフェノール型エポキシ樹脂を
30重量%以上、ポリイソシアネート化合物およびブロ
ックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少な
くとも1種の硬化剤を前記エポキシ樹脂に対し重量比で
1/10〜20/10、平均粒径0.1〜100mμの
ヒュームドシリカを塗料固形分中5〜50重量%、か
つ、ポリエチレンワックスを0.1〜10重量%含有し
た塗料組成物を有機皮膜として0.05〜2μm塗装
し、その後、有機皮膜をアルカリ水溶液により処理する
ことを特徴とする電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製
造方法にある。
【0007】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。図1に本
発明鋼板の皮膜構造を示す。鋼板1上に亜鉛系めっき皮
膜2として電気亜鉛めっき系のZn,Zn−Ni、Zn
−Ni−Co、Zn−Fe、Zn−Cr、Zn−Cr−
Ni等や溶融亜鉛めっき系の亜鉛鉄板、合金化処理亜鉛
めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板等を5〜100
g/m2 、その上にクロメート皮膜3を10〜150m
g/m2 、更にその上に有機皮膜4を0.05〜2μm
付着させる。さらに、有機皮膜をアルカリ水溶液で処理
をする。なお、本発明に適用される亜鉛系めっきとし
て、電気めっき系のZn−Ni又は、Zn−Feをベー
スにSiO2 、Al2 3 、TiO2およびBaCrO
4 等の金属酸化物を分散した分散めっき鋼板を用いても
よい。
【0008】まず、クロメート皮膜について説明する。
本発明のクロメート皮膜3とは、すでに公知の塗布型ク
ロメートであればいずれでもよく、特に制限するもので
はないが、クロメート皮膜の水可溶分が5%を越える
と、クロメート皮膜の膨潤により、上層有機皮膜との密
着性の低下を招くため、好ましくはクロメート皮膜の水
可溶分としては3%以下がよい。
【0009】このクロメート皮膜の付着量が総クロム量
として10mg/m2 未満では亜鉛系めっき鋼板の被覆
が不完全であり、上層有機皮膜との密着性が不足する或
いは、耐食性が発揮されないため好ましくない。一方、
総クロム量が150mg/m 2 を越えた場合、プレス加
工等によるクロメート皮膜の凝集破壊から、上層有機皮
膜の密着性低下が著しい。また、スポット溶接時の連続
打点性の低下を招くため好ましくない。以上から、クロ
メート皮膜の付着量の好ましい範囲は、総クロム量とし
て10〜150mg/m2 である。なお、本発明におい
て、クロメート皮膜中に電着塗装性を向上させる目的
で、メラミンシアヌレートを1〜5重量%含有してもか
まわない。
【0010】次に、有機皮膜について説明する。本発明
では、塗料組成物としての有機溶剤にケトン系の有機溶
剤を40重量%以上含有させる。高防食能を確保するた
めには後述するヒュームドシリカの含有量を塗料固形分
に対して高くしなければならない。しかし、含有率を高
くすると、塗料濃度が極度に大きくなり凝集しやすくな
る傾向を示すので、塗料を均一に塗布することが困難と
なる。このため、従来は、水素結合性の高い溶剤つまり
水やアルコール系溶剤等を使用して低粘度化がはかられ
たが、溶解しうる樹脂が限定されたり、後述するイソシ
アネート化合物が使用できないなど塗料配合設計の自由
度に乏しく、本発明の目的に適応するような十分な品質
をもつ塗膜が得られにくい。そこで、ケトン系有機溶剤
を用いることによって高濃度のヒュームドシリカ配合が
可能となり、かつ強靱な塗膜を低温で形成するビスフェ
ノール型エポキシ樹脂とポリイソシアネート化合物を安
定に溶解し得るようになる。
【0011】上記の有機溶剤には、まずエポキシ系の樹
脂を含有させる。本発明で用いられるエポキシ系の樹脂
は、耐水性、耐アルカリ性が良好で素地との密着性、電
着塗膜との密着性が特に優れた有機溶剤可溶型であっ
て、数平均分子量が300〜100,000のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂が用いられる。例えば、式
【0012】
【化1】
【0013】Aが>C(CH3 2 の場合、特に好まし
い結果を与える。数平均分子量が300以下では、反応
によっても十分に高分子化されず、塗膜の防食能が不足
となる。一方100,000以上でも十分な架橋反応が
なされず、やはり、塗膜の防食能が十分でない。上記の
ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量は塗料固形分中
30重量%以上とする必要があり、30重量%以下の場
合には樹脂のヒュームドシリカに対するバインダー作用
が低下し、塗料化が難しくなると同時に塗膜が脆く加工
密着性が不十分となる。
【0014】次に、有機溶剤に含有させる硬化剤はポリ
イソシアネート化合物およびまたはブロックポリイソシ
アネート化合物からなる。ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば脂肪族もしくは脂肪族ジイソシアネート
化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシア
ネートなど)、芳香族ジイソシアネート化合物(トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート等)トリイソシアネート化合物(トリメ
チロールプロパン1モルと前記ジイソシアネート3モル
のアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリ
レンジイソシアネートなどのジイソシアネートの3量体
など)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使
用に供する。
【0015】また、ブロックポリイソシアネート化合物
としては、例えば上記イソシアネートをブロック剤でブ
ロックしたものであって、このようなブロック剤として
はイソシアネート基に付加して生成する付加物が常温に
おいて安定でかつ塗膜焼付時に解離して遊離のイソシア
ネート基を再生させるようにするものであることが必要
である。
【0016】このようなブロック剤としては、例えばラ
クタム系ブロック剤(ε−カプロラクタム、γ−ブチロ
ラクタム等)オキシム系ブロック剤(メチルエチルケト
オキシム、シクロヘキサノンオキシム等)、アルコール
系ブロック剤(メタノール、エタノール、イソブチルア
ルコールなど)、フェノール系ブロック剤(フェノー
ル、バラターシャリブチルフェノール、クレゾール
等)、エステル系ブロック剤(アセト酢酸エチル、アセ
ト酢酸メチル等)が挙げられるが、特に低温で解離し、
塗料保管状態では安定なメチルエチルケトオキシム、ア
セト酢酸エチルなどが好ましい。
【0017】上記の硬化剤の配合量は、前記エポキシ樹
脂の固形分に対し、重量比で1/10〜20/10であ
り、低温短時間でエポキシ樹脂と硬化剤とが反応し好適
なベヒクル系を与える。例えば、最高到達被塗物温度1
60℃以下で、焼付時間5〜60秒程度の焼付条件で十
分反応が行われる。上記硬化剤/エポキシ樹脂の重量比
が1/10未満の場合には該架橋反応が不十分で膜の防
食能が不足するし、また逆に20/10超の場合には膜
の耐水、耐アルカリ性が低下するとともに、上塗塗膜と
の密着性が不足する。
【0018】次に、有機溶剤に含有されるヒュームドシ
リカは、高防食性を付与するために平均粒径が0.1〜
100mμのもので、塗料固形分中5〜50重量%の範
囲内のものである。シリカ粒子の1次粒子が0.1mμ
未満では耐アルカリ性や上塗塗料との密着性が低下し不
十分であるし、また、100mμを越えると防食性が低
下し、また密着塗膜の平滑性も低下する。従って、シリ
カ粒子の平均粒径は0.1〜100mμの範囲で、好ま
しくは5〜40mμがよい。また、ヒュームドシリカの
配合量は、塗料固形分中5〜50重量%の範囲が好適で
あり、好ましくは15〜30重量%である。ヒュームド
シリカが、5重量%未満では防食能が不十分となり、一
方、50重量%超では塗膜の加工密着性或いはスポット
溶接性が低下し、更には高粘ちょう性を呈して薄膜に均
一塗装することが困難になるなど本発明の目的に対し十
分でない。
【0019】また、有機溶剤に含有されるポリエチレン
ワックスは、高加工性を付与するために塗料固形分に対
して0.1〜10重量%の範囲内のものである。好まし
くは、密度0.94以上、分子量1000〜1000
0、酸価15KOHmg/g以下のポリエチレンワック
スがよい。このワックスの添加量が0.1重量%未満で
は、塗膜表面の摩擦抵抗が大きくそのためにプレス加工
等で型カジリや塗膜剥離を生じ実用的でない。一方、1
0重量%を越えては、塗膜の焼付後の水冷ゾーンにおい
て上記ポリエチレンワックスの収縮ムラ模様などが生
じ、塗装仕上がり外観を損ない易いので実用上から避け
た方がよい。また、ワックスの酸価については、15K
OHmg/gを超えては、塗膜中に溶け込んでしまうた
め塗膜の潤滑効果は薄れる。従って、酸価を15KOH
mg/g以下にする必要があるが、これによって塗膜の
表面にワックス層が形成され高い潤滑効果が生まれる。
【0020】次に、上述した塗料組成物からなる有機皮
膜の膜厚としては、0.5〜2μmが適する。0.05
μm未満においては、耐食性の点で十分でなく、また2
μmを越えては電着塗装外観等に支障をきたし好ましく
ない。なお、本発明において、有機皮膜を着色するため
に、ベンガラのような無機顔料やキナクリドンやイルガ
ジンなどの有機顔料、アゾ染料やアントラキノン染料等
を加えても差し支えない。また、さらに、本発明におい
て、有機皮膜中に耐化成処理向上を目的に、錯形成剤で
あるポリエチレンオキシオールを加えても差し支えな
い。
【0021】なお本発明に用いる塗料組成物の塗装後の
塗膜焼付条件は特に限定されないが、最終焼付板温とし
て100〜200℃の広範囲で良好な性能を維持しつつ
短時間焼付処理することが可能である。また塗装方法に
ついては、ロールコート法、カーテンフローコート法な
ど公知のいずれの方法であってもよい。
【0022】次に、アルカリ水溶液処理について説明す
る。有機皮膜を施した状態の有機複合鋼板をアルカリ水
溶液により以下のように処理する。具体的には、pHが
10から13.5のアルカリ水溶液を用い、有機複合鋼
板をその水溶液に浸漬又、水溶液をスプレーする。処理
温度は、特に定めないが、室温で処理することが経済的
に有利である。処理時間は、pH値、温度、スプレー、
浸漬等の条件により異なるが、過剰の処理は有機皮膜を
劣化させ、耐食性等の性能を不十分にするので、60秒
以下が好ましい。pHが10未満であると電着性向上の
効果が見られず、pH13.5以上であると有機皮膜が
損傷し、耐食性等性能が低下するために好ましくない。
以上のような構成を有する有機複合鋼板の有機皮膜をア
ルカリ水溶液で処理することにより、耐食性を損なわ
ず、電着塗装性が向上することから、市場の要求に十分
応え得るものである。
【0023】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳述す
る。板厚0.8mmの電気亜鉛ニッケルめっき鋼板(亜
鉛ニッケルめっき量:20g/m2 、Ni%:12%、
板厚:0.8mm、パネルサイズ:200×300m
m)を公知の脱脂法により脱脂し、乾燥後、表1、2に
示すクロメート処理を施した。続いて、表1、2に示す
組成の塗料組成物をロールコーターにて塗装し、150
〜200℃で20秒焼き付けて、有機皮膜を生成させる
皮膜処理を施した。さらに、表1、2に示した後処理を
行い、アルカリ水溶液処理を施した有機複合鋼板を得
た。なお、有機皮膜処理に用いた樹脂、シリカ、ワック
ス、硬化剤の詳細は後に注釈した。得られた有機複合鋼
板に以下の評価を行った。
【0024】(1)電着塗装性は、平板(70×150
mm)をリン酸塩処理(FC−4460,PB3020
/日本パーカライジング製)後、エッジカバーリング性
のよいカチオン電着塗装塗料であるパワートップU−2
33E(日本ペイント製)を300Vで電着し、各サン
プルを170℃×20分焼き付けて電着塗装板を作製し
た塗装サンプルを目視で塗装表面の欠陥(ガスピンおよ
びクレーター)の発生状況を評価した。その結果を、〇
…欠陥なし、△…僅かに欠陥発生、×…欠陥発生が多
い、で表示した。
【0025】(2)耐食性は、平板(1/2クロスカッ
ト入り)をJISZ−2371に準じて塩水噴霧試験2
000時間を実施した後、錆発生状況を観察し、その結
果を、〇…白錆発生10%以下、△…赤錆5%以下、×
…赤錆5%以上、で示した。 (3)塗装後密着性は、平板(70×150mm)をリ
ン酸塩処理(FC−4460,PB3020/日本パー
カライジング製)後、カチオン電着塗装パワートップU
−600(日本ペイント製)20μmを200Vで電着
し、各サンプルを170℃×20分焼き付けて電着塗装
板を作製した塗装サンプルを40℃のイオン交換水中に
240時間浸漬した後、2mm碁盤目テープ剥離テスト
(100メッシュ)を行ない残存塗膜数で評価した。結
果は、〇…塗膜残存数100個、△…塗膜残存数91〜
99個、×…塗膜残存数90個以下、で示した。
【0026】(4)プレス加工性は、円筒絞り加工(無
塗油)後に、加工部のダイス側の表面にセロテープをは
りつけ、剥した時に皮膜の剥離程度を評価した。結果
を、〇…剥離なし、△…軽微な剥離、×…かなりの剥
離、で示した。以上の評価結果を、表1(本発明例)お
よび、表2(比較例)に示す。これらの結果から明らか
なように、本発明の有機複合鋼板は、電着塗装性に優れ
ているとともに、耐食性、プレス加工性、塗装後耐食性
も問題なく、総合性能に優れている。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】 (注1)樹脂(タイプと分子量) A:エピコート1007(シェル化学) … 分子量2900 (ビスフェノール型エポキシ樹脂) B:エピコート1009(シェル化学) … 分子量3750 (ビスフェノール型エポキシ樹脂) C:エピコート1001(シェル化学) … 分子量900 (ビスフェノール型エポキシ樹脂) D:バイロン200(東洋紡) … 分子量15000 (オイルフリーポリエステル樹脂) E:カルボキシル化ポリエチレン樹脂 カルボキシル基12モル%、20%水溶液
【0030】(注2)シリカ ア:アエロジル300(日本アエロジル) … 平均粒
径8mμ イ:アエロジルOX50(日本アエロジル) … 平均粒
径40mμ ウ:スノーテックスN(日産化学) … 20%
コロイダルシリカ水溶液 (注3)ワックス あ:セリダスト3620(ヘキスト) … 分子量20
00、酸価0 (注4)硬化剤 a:ヘキサメチレンジイソシアネート−アセト酢酸エチ
ルブロック体 b:ヘキサメチレンジイソシアネート c:BKS−316(昭和高分子) (レゾール型フェノール樹脂)
【0031】(注5)後処理 U:有機複合鋼板をpH12の水酸化ナトリウム水溶液
に10秒間浸漬し、水洗、乾燥した。 V:有機複合鋼板をpH10の水酸化ナトリウム水溶液
に30秒間浸漬し、水洗、乾燥した。 W:有機複合鋼板をpH13.5の水酸化ナトリウム水
溶液に10秒間浸漬し、水洗、乾燥した。 X:有機複合鋼板をpH11の炭酸ナトリウム水溶液に
10秒間浸漬し、水洗、乾燥した。 Y:有機複合鋼板をpH14の水酸化ナトリウム水溶液
に10秒間浸漬し、水洗、乾燥した。 Z:有機複合鋼板をpH9の水酸化ナトリウム水溶液に
60秒間浸漬し、水洗、乾燥した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機複合
鋼板は、自動車車体の非常に苛酷な腐食条件下でも十分
な耐食性を有し、プレス加工性、電着塗装性にも優れた
高耐食性鋼板として大いに期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の皮膜構成を示す。
【符号の説明】 1 鋼板 2 亜鉛系めっき皮膜 3 クロメート皮膜 4 有機皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 G (72)発明者 谷村 宏治 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは両面
    に、膜厚10〜150mg/m2 のクロメート皮膜を施
    し、その上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重量%
    以上含有する有機溶剤に数平均分子量300〜100,
    000のビスフェノール型エポキシ樹脂を30重量%以
    上、ポリイソシアネート化合物およびブロックイソシア
    ネート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の
    硬化剤を前記エポキシ樹脂に対し重量比で1/10〜2
    0/10、平均粒径0.1〜100mμのヒュームドシ
    リカを塗料固形分中5〜50重量%、かつ、ポリエチレ
    ンワックスを0.1〜10重量%含有した塗料組成物を
    有機皮膜として0.05〜2μm塗装し、その後、有機
    皮膜をアルカリ水溶液により処理することを特徴とする
    カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法。
JP3729994A 1994-03-08 1994-03-08 カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法 Withdrawn JPH07241522A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3729994A JPH07241522A (ja) 1994-03-08 1994-03-08 カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3729994A JPH07241522A (ja) 1994-03-08 1994-03-08 カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07241522A true JPH07241522A (ja) 1995-09-19

Family

ID=12493834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3729994A Withdrawn JPH07241522A (ja) 1994-03-08 1994-03-08 カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07241522A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100576042B1 (ko) * 2001-12-17 2006-05-03 주식회사 포스코 표면외관 및 평탄성이 우수한 아연전기도금강판의 제조방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100576042B1 (ko) * 2001-12-17 2006-05-03 주식회사 포스코 표면외관 및 평탄성이 우수한 아연전기도금강판의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6335798A (ja) カチオン電着塗装用有機複合鋼板
EP0380024B1 (en) Organic composite plated steel sheet highly susceptible to cationic electrodeposition
US5397638A (en) Resin-coated steel sheet having good electrocoatability and weldability
EP0385362A1 (en) Steel plate with organic coating having improved corrosion resistance
JPH0428539B2 (ja)
US5147729A (en) Steel plate with organic coating having improved corrosion resistance in as-worked state
JPH04180574A (ja) 有機複合めっき鋼板の製造方法
JPH0939157A (ja) プレス成形性および耐孔あき腐食性に優れた有機複合被覆鋼板
JPH06235071A (ja) 有機複合被覆鋼板
JPH0450349B2 (ja)
JPS6013078A (ja) 2層クロメ−ト処理鋼板
JPH07241522A (ja) カチオン電着塗装性に優れた有機複合鋼板の製造方法
EP0745434A1 (en) Organic composite coated steel sheet and method
JP2621751B2 (ja) 自動車用表面処理鋼板
JPH02134238A (ja) カチオン電着塗装性にすぐれた有機被覆鋼板
JPH02274532A (ja) 高溶接性有機複合めっき鋼板
JP2001088242A (ja) プレス成形性、プレス成形後の外観性及び耐食性に優れた表面処理鋼板
JPH0938569A (ja) 耐疵性および耐食性に優れた亜鉛・樹脂系表面処理鋼板
JPH07243055A (ja) 耐クロム溶出性に優れた着色有機複合鋼板
JPH07241521A (ja) 耐化成処理性に優れた有機複合鋼板
JP3130754B2 (ja) 耐食性、耐溶剤性に優れた薄膜有機複合鋼板
JPH0351124A (ja) 高耐食性表面処理鋼板
KR940005328B1 (ko) 도장밀착성, 가공성 및 내식성이 우수한 도장강판의 제조방법
JPH0468140B2 (ja)
JPH0523639A (ja) 耐外面錆性および鮮映性に優れた有機複合被覆鋼板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20010508