JPH07241521A - 耐化成処理性に優れた有機複合鋼板 - Google Patents
耐化成処理性に優れた有機複合鋼板Info
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- JPH07241521A JPH07241521A JP3166594A JP3166594A JPH07241521A JP H07241521 A JPH07241521 A JP H07241521A JP 3166594 A JP3166594 A JP 3166594A JP 3166594 A JP3166594 A JP 3166594A JP H07241521 A JPH07241521 A JP H07241521A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐化成処理性に優れた有機複合鋼板を提供す
る。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは両面に、膜
厚10〜150mg/m 2 のクロメート皮膜を施し、そ
の上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重量%以上含
有する有機溶剤に数平均分子量300〜100,000
のビスフェノール型エポキシ樹脂を30重量%以上、ポ
リイソシアネート化合物およびブロックイソシアネート
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤
を前記エポキシ樹脂に対し重量比で1/10〜20/1
0、錯形成剤を塗料固形分中0.5〜5重量%、平均粒
径0.1〜100mμのヒュームドシリカを塗料固形分
中5〜50重量%、かつ、ポリエチレンワックスを塗料
固形分中0.1〜10重量%含有した塗料組成物を有機
皮膜として0.05〜2μm施すことを特徴とする耐化
成処理性に優れた有機複合鋼板。
る。 【構成】 亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは両面に、膜
厚10〜150mg/m 2 のクロメート皮膜を施し、そ
の上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重量%以上含
有する有機溶剤に数平均分子量300〜100,000
のビスフェノール型エポキシ樹脂を30重量%以上、ポ
リイソシアネート化合物およびブロックイソシアネート
化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の硬化剤
を前記エポキシ樹脂に対し重量比で1/10〜20/1
0、錯形成剤を塗料固形分中0.5〜5重量%、平均粒
径0.1〜100mμのヒュームドシリカを塗料固形分
中5〜50重量%、かつ、ポリエチレンワックスを塗料
固形分中0.1〜10重量%含有した塗料組成物を有機
皮膜として0.05〜2μm施すことを特徴とする耐化
成処理性に優れた有機複合鋼板。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜塗装を施した有機
複合めっき鋼板に関わり、更に詳しくはプレス加工性、
耐食性を低下させることなく化成処理性の向上を実現し
た耐食性に優れた有機複合鋼板に関するものである。
複合めっき鋼板に関わり、更に詳しくはプレス加工性、
耐食性を低下させることなく化成処理性の向上を実現し
た耐食性に優れた有機複合鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車車体用鋼板として、耐食性
に優れた鋼板の市場ニーズがますます高まり、これに呼
応した表面処理鋼板の新製品の開発研究が最近盛んに行
なわれている。このような高耐食性の表面処理鋼板の1
つとしては、亜鉛めっき鋼板をあげることができるが、
この種の鋼板では耐食性を高めるために亜鉛の付着量を
増加させる必要があり、結果としてプレス成形性、スポ
ット溶接性の劣化をもたらすという問題がある。一方、
めっき付着量の少ない耐食性鋼板として、亜鉛とNi,
Co,Cr,Fe,Mn等を合金化させためっき鋼板や
多層めっき鋼板が開発された。しかし、これらの鋼板も
自動車車体中で非常に苛酷な腐食条件下にさらされるヘ
ム部や袋構造部に対しては十分な耐食性を有するもので
はなかった。
に優れた鋼板の市場ニーズがますます高まり、これに呼
応した表面処理鋼板の新製品の開発研究が最近盛んに行
なわれている。このような高耐食性の表面処理鋼板の1
つとしては、亜鉛めっき鋼板をあげることができるが、
この種の鋼板では耐食性を高めるために亜鉛の付着量を
増加させる必要があり、結果としてプレス成形性、スポ
ット溶接性の劣化をもたらすという問題がある。一方、
めっき付着量の少ない耐食性鋼板として、亜鉛とNi,
Co,Cr,Fe,Mn等を合金化させためっき鋼板や
多層めっき鋼板が開発された。しかし、これらの鋼板も
自動車車体中で非常に苛酷な腐食条件下にさらされるヘ
ム部や袋構造部に対しては十分な耐食性を有するもので
はなかった。
【0003】そのような中で、高度な耐食性を有する鋼
板として、特公昭45−24230号公報や特公昭47
−6882号公報にみられるようなジンクリッチ系塗膜
を施した防錆鋼板が提案されており、その代表的なもの
はジンクロメタルの名称で知られている。しかし、この
防錆鋼板においても、プレス成形性等の加工部では皮膜
の剥離を生ずる場合がある。そのため、自動車車体用材
料として適合できる高耐食性防錆鋼板とはまだ言い難
い。このようなことから、亜鉛系めっき鋼板を素材とし
て、その上層にクロメート層と有機皮膜の2層を形成し
た有機複合鋼板及びその製造方法が特開昭57−108
292号公報、特開昭58−224174号公報や特開
平1−8033号公報等において提案されている。
板として、特公昭45−24230号公報や特公昭47
−6882号公報にみられるようなジンクリッチ系塗膜
を施した防錆鋼板が提案されており、その代表的なもの
はジンクロメタルの名称で知られている。しかし、この
防錆鋼板においても、プレス成形性等の加工部では皮膜
の剥離を生ずる場合がある。そのため、自動車車体用材
料として適合できる高耐食性防錆鋼板とはまだ言い難
い。このようなことから、亜鉛系めっき鋼板を素材とし
て、その上層にクロメート層と有機皮膜の2層を形成し
た有機複合鋼板及びその製造方法が特開昭57−108
292号公報、特開昭58−224174号公報や特開
平1−8033号公報等において提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の有機
複合鋼板は、従来の表面処理鋼板に比べて優れた加工
性、耐食性を有するものの、これを自動車用として使用
した場合、化成処理時にクロムが化成処理浴へ溶出し、
浴が汚染されるために化成処理不良・浴替え・クロム処
理等の問題が生じる。従って、クロムの溶出を抑えて耐
化成処理性を向上させる必要がある。本発明は、プレス
成形性、耐食性といった性能を低下させることなく、化
成処理性におけるクロムの溶出性を抑えた有機複合鋼板
の提供を目的とする。
複合鋼板は、従来の表面処理鋼板に比べて優れた加工
性、耐食性を有するものの、これを自動車用として使用
した場合、化成処理時にクロムが化成処理浴へ溶出し、
浴が汚染されるために化成処理不良・浴替え・クロム処
理等の問題が生じる。従って、クロムの溶出を抑えて耐
化成処理性を向上させる必要がある。本発明は、プレス
成形性、耐食性といった性能を低下させることなく、化
成処理性におけるクロムの溶出性を抑えた有機複合鋼板
の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決するために、鋭意検討した結果、有機皮膜中
に錯形成剤を含有させることによって、クロメート皮膜
中の表層のクロムイオンと固形皮膜中の錯形成剤が結合
し、化成処理時のクロム溶出を抑えることを見い出し
た。本発明の要旨は、亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは
両面に、膜厚10〜150mg/m2 のクロメート皮膜
を施し、その上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重
量%以上含有する有機溶剤に数平均分子量300〜10
0,000のビスフェノール型エポキシ樹脂を塗料固形
分中30重量%以上、ポリイソシアネート化合物および
ブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる
少なくとも1種の硬化剤を前記エポキシ樹脂に対し重量
比で1/10〜20/10、錯形成剤を塗料固形分中
0.5〜5重量%、平均粒径0.1〜100mμのヒュ
ームドシリカを塗料固形分中5〜50重量%、かつ、ポ
リエチレンワックスを塗料固形分中0.1〜10重量%
含有した塗料組成物を有機皮膜として0.05〜2μm
を施すことを特徴とする耐化成処理性に優れた有機複合
鋼板にある。
題点を解決するために、鋭意検討した結果、有機皮膜中
に錯形成剤を含有させることによって、クロメート皮膜
中の表層のクロムイオンと固形皮膜中の錯形成剤が結合
し、化成処理時のクロム溶出を抑えることを見い出し
た。本発明の要旨は、亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは
両面に、膜厚10〜150mg/m2 のクロメート皮膜
を施し、その上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重
量%以上含有する有機溶剤に数平均分子量300〜10
0,000のビスフェノール型エポキシ樹脂を塗料固形
分中30重量%以上、ポリイソシアネート化合物および
ブロックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる
少なくとも1種の硬化剤を前記エポキシ樹脂に対し重量
比で1/10〜20/10、錯形成剤を塗料固形分中
0.5〜5重量%、平均粒径0.1〜100mμのヒュ
ームドシリカを塗料固形分中5〜50重量%、かつ、ポ
リエチレンワックスを塗料固形分中0.1〜10重量%
含有した塗料組成物を有機皮膜として0.05〜2μm
を施すことを特徴とする耐化成処理性に優れた有機複合
鋼板にある。
【0006】
【作用】以下に本発明を更に詳細に説明する。図1に本
発明鋼板の皮膜構造を示す。鋼板1上に亜鉛系めっき皮
膜2として電気亜鉛めっき系のZn、Zn−Ni、Zn
−Ni−Co、Zn−Fe、Zn−Cr、Zn−Cr−
Ni等や溶融亜鉛めっき系の亜鉛鉄板、合金化処理亜鉛
めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板等を5〜100
g/m2 、その上にクロメート皮膜3を10〜150m
g/m2 、更にその上に有機皮膜4を0.05〜2μm
付着させる。なお、本発明に適用される亜鉛系めっきと
して、電気めっき系のZn−Ni又は、Zn−Feをベ
ースにSiO2 、Al2 O3 、TiO2 およびBaCr
O4等の金属酸化物を分散した分散めっき鋼板を用いて
もよい。
発明鋼板の皮膜構造を示す。鋼板1上に亜鉛系めっき皮
膜2として電気亜鉛めっき系のZn、Zn−Ni、Zn
−Ni−Co、Zn−Fe、Zn−Cr、Zn−Cr−
Ni等や溶融亜鉛めっき系の亜鉛鉄板、合金化処理亜鉛
めっき鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板等を5〜100
g/m2 、その上にクロメート皮膜3を10〜150m
g/m2 、更にその上に有機皮膜4を0.05〜2μm
付着させる。なお、本発明に適用される亜鉛系めっきと
して、電気めっき系のZn−Ni又は、Zn−Feをベ
ースにSiO2 、Al2 O3 、TiO2 およびBaCr
O4等の金属酸化物を分散した分散めっき鋼板を用いて
もよい。
【0007】まず、クロメート皮膜について説明する。
本発明のクロメート皮膜3とは、すでに公知の塗布型ク
ロメートであればいずれでもよく、特に制限するもので
はないが、クロメート皮膜の水可溶分が5%を越える
と、クロメート皮膜の膨潤により、上層有機皮膜との密
着性の低下を招くため、好ましくはクロメート皮膜の水
可溶分としては3%以下がよい。このようなクロメート
皮膜の付着量は、総クロム量として10mg/m2 未満
では亜鉛系めっき鋼板の被覆が不完全であり、上層有機
皮膜との密着性が不足し、あるいは、耐食性が発揮され
ないために好ましくない。一方、総クロム量が150m
g/m2 を越えた場合、プレス加工等によるクロメート
皮膜の凝集破壊から、上層固形皮膜の密着性低下が著し
い。また、スポット溶接時の連続打点性の低下を招くた
め好ましくない。以上から、クロメート皮膜の付着量の
好ましい範囲は、総クロム量として10〜150mg/
m2 である。
本発明のクロメート皮膜3とは、すでに公知の塗布型ク
ロメートであればいずれでもよく、特に制限するもので
はないが、クロメート皮膜の水可溶分が5%を越える
と、クロメート皮膜の膨潤により、上層有機皮膜との密
着性の低下を招くため、好ましくはクロメート皮膜の水
可溶分としては3%以下がよい。このようなクロメート
皮膜の付着量は、総クロム量として10mg/m2 未満
では亜鉛系めっき鋼板の被覆が不完全であり、上層有機
皮膜との密着性が不足し、あるいは、耐食性が発揮され
ないために好ましくない。一方、総クロム量が150m
g/m2 を越えた場合、プレス加工等によるクロメート
皮膜の凝集破壊から、上層固形皮膜の密着性低下が著し
い。また、スポット溶接時の連続打点性の低下を招くた
め好ましくない。以上から、クロメート皮膜の付着量の
好ましい範囲は、総クロム量として10〜150mg/
m2 である。
【0008】なお、本発明において、クロメート皮膜中
に電着塗装性を向上させる目的で、メラミンシアヌレー
トを1〜5重量%含有してもかまわない。次に、上層と
しての有機皮膜について説明する。本発明では、塗料組
成物としての有機溶剤にケトン系の有機溶剤を40重量
%以上含有させる。高防食能を確保するためには、後述
するヒュームドシリカの塗料固形分中の含有量を高くし
なければならない。しかし、含有率を高くすると、塗料
濃度が極度に大きくなり凝集しやすくなる傾向を示すの
で、塗料を均一に塗布することが困難となる。
に電着塗装性を向上させる目的で、メラミンシアヌレー
トを1〜5重量%含有してもかまわない。次に、上層と
しての有機皮膜について説明する。本発明では、塗料組
成物としての有機溶剤にケトン系の有機溶剤を40重量
%以上含有させる。高防食能を確保するためには、後述
するヒュームドシリカの塗料固形分中の含有量を高くし
なければならない。しかし、含有率を高くすると、塗料
濃度が極度に大きくなり凝集しやすくなる傾向を示すの
で、塗料を均一に塗布することが困難となる。
【0009】このため、従来は、水素結合性の高い溶剤
つまり水やアルコール系溶剤等を使用して低粘度化がは
かられた。しかし、溶解しうる樹脂が限定されたり、後
述するイソシアネート化合物が使用できないなど塗料配
合設計の自由度に乏しく、本発明の目的に適応するよう
な十分な品質をもつ塗膜が得られにくい。そこで、ケト
ン系有機溶剤を用いることによってヒュームドシリカ高
濃度配合が可能となり、かつ強靱な塗膜を低温で形成す
るビスフェノール型エポキシ樹脂とポリイソシアネート
化合物を安定に溶解し得る。前述したような作用効果を
得るためには、ケトン系の有機溶剤を40重量%以上含
有させる必要がある。
つまり水やアルコール系溶剤等を使用して低粘度化がは
かられた。しかし、溶解しうる樹脂が限定されたり、後
述するイソシアネート化合物が使用できないなど塗料配
合設計の自由度に乏しく、本発明の目的に適応するよう
な十分な品質をもつ塗膜が得られにくい。そこで、ケト
ン系有機溶剤を用いることによってヒュームドシリカ高
濃度配合が可能となり、かつ強靱な塗膜を低温で形成す
るビスフェノール型エポキシ樹脂とポリイソシアネート
化合物を安定に溶解し得る。前述したような作用効果を
得るためには、ケトン系の有機溶剤を40重量%以上含
有させる必要がある。
【0010】上記の有機溶剤には、まずエポキシ系の樹
脂を含有させる。本発明で用いられるエポキシ系の樹脂
は、耐水性、耐アルカリ性が良好で素地との密着性、電
着塗膜との密着性が特に優れた有機溶剤可溶型であっ
て、数平均分子量が300〜100,000のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂が用いられる。例えば、式
脂を含有させる。本発明で用いられるエポキシ系の樹脂
は、耐水性、耐アルカリ性が良好で素地との密着性、電
着塗膜との密着性が特に優れた有機溶剤可溶型であっ
て、数平均分子量が300〜100,000のビスフェ
ノール型エポキシ樹脂が用いられる。例えば、式
【0011】
【化1】
【0012】Aが>C(CH3 )2 の場合、特に好まし
い結果を与える。数平均分子量が300以下では、反応
によっても十分に高分子化されず、塗膜の防食能が不足
となる。一方100,000以上でも十分な架橋反応が
なされず、やはり、塗膜の防食能が十分でない。上記の
ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量は塗料固形分中
30重量%以上とする必要があり、30重量%以下の場
合には樹脂のヒュームドシリカに対するバインダー作用
が低下し、塗料化が難しくなると同時に塗膜が脆く加工
密着性が不十分となる。
い結果を与える。数平均分子量が300以下では、反応
によっても十分に高分子化されず、塗膜の防食能が不足
となる。一方100,000以上でも十分な架橋反応が
なされず、やはり、塗膜の防食能が十分でない。上記の
ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合量は塗料固形分中
30重量%以上とする必要があり、30重量%以下の場
合には樹脂のヒュームドシリカに対するバインダー作用
が低下し、塗料化が難しくなると同時に塗膜が脆く加工
密着性が不十分となる。
【0013】次に、有機溶剤に含有させる硬化剤はポリ
イソシアネート化合物およびまたはブロックポリイソシ
アネート化合物からなる。ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば脂肪族もしくは脂肪族ジイソシアネート
化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシア
ネートなど)、芳香族ジイソシアネート化合物(トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート等)トリイソシアネート化合物(トリメ
チロールプロパン1モルと前記ジイソシアネート3モル
のアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリ
レンジイソシアネートなどのジイソシアネートの3量体
など)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使
用に供する。
イソシアネート化合物およびまたはブロックポリイソシ
アネート化合物からなる。ポリイソシアネート化合物と
しては、例えば脂肪族もしくは脂肪族ジイソシアネート
化合物(ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシア
ネートなど)、芳香族ジイソシアネート化合物(トリレ
ンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジ
イソシアネート等)トリイソシアネート化合物(トリメ
チロールプロパン1モルと前記ジイソシアネート3モル
のアダクト体、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリ
レンジイソシアネートなどのジイソシアネートの3量体
など)等が挙げられ、これらの1種または2種以上を使
用に供する。
【0014】また、ブロックポリイソシアネート化合物
としては、例えば上記イソシアネートをブロック剤でブ
ロックしたものであって、このようなブロック剤として
はイソシアネート基に付加して生成する付加物が常温に
おいて安定でかつ塗膜焼付時に解離して遊離のイソシア
ネート基を再生させるようにするものであることが必要
である。このようなブロック剤としては、例えばラクタ
ム系ブロック剤(ε−カプロラクタム、γ−ブチロラク
タム等)オキシム系ブロック剤(メチルエチルケトオキ
シム、シクロヘキサノンオキシム等)、アルコール系ブ
ロック剤(メタノール、エタノール、イソブチルアルコ
ールなど)、フェノール系ブロック剤(フェノール、バ
ラターシャリブチルフェノール、クレゾール等)、エス
テル系ブロック剤(アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチ
ル等)が挙げられるが、特に低温で解離し、塗料保管状
態では安定なメチルエチルケトオキシム、アセト酢酸エ
チルなどが好ましい。
としては、例えば上記イソシアネートをブロック剤でブ
ロックしたものであって、このようなブロック剤として
はイソシアネート基に付加して生成する付加物が常温に
おいて安定でかつ塗膜焼付時に解離して遊離のイソシア
ネート基を再生させるようにするものであることが必要
である。このようなブロック剤としては、例えばラクタ
ム系ブロック剤(ε−カプロラクタム、γ−ブチロラク
タム等)オキシム系ブロック剤(メチルエチルケトオキ
シム、シクロヘキサノンオキシム等)、アルコール系ブ
ロック剤(メタノール、エタノール、イソブチルアルコ
ールなど)、フェノール系ブロック剤(フェノール、バ
ラターシャリブチルフェノール、クレゾール等)、エス
テル系ブロック剤(アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチ
ル等)が挙げられるが、特に低温で解離し、塗料保管状
態では安定なメチルエチルケトオキシム、アセト酢酸エ
チルなどが好ましい。
【0015】上記の硬化剤の配合量は、前記エポキシ樹
脂の固形分に対し、重量比で1/10〜20/10であ
り、低温短時間でエポキシ樹脂と硬化剤とが反応し好適
なベヒクル系を与える。例えば、最高到達被塗物温度1
60℃以下で、焼付時間5〜60秒程度の焼付条件で十
分反応が行われる。上記硬化剤/エポキシ樹脂の重量比
が1/10未満の場合には該架橋反応が不十分で膜の防
食能が不足するし、また逆に20/10超の場合には膜
の耐水、耐アルカリ性が低下するとともに、上塗塗膜と
の密着性が不足する。
脂の固形分に対し、重量比で1/10〜20/10であ
り、低温短時間でエポキシ樹脂と硬化剤とが反応し好適
なベヒクル系を与える。例えば、最高到達被塗物温度1
60℃以下で、焼付時間5〜60秒程度の焼付条件で十
分反応が行われる。上記硬化剤/エポキシ樹脂の重量比
が1/10未満の場合には該架橋反応が不十分で膜の防
食能が不足するし、また逆に20/10超の場合には膜
の耐水、耐アルカリ性が低下するとともに、上塗塗膜と
の密着性が不足する。
【0016】次に、有機溶剤に含有される錯形成剤は、
クロメート皮膜表層のクロムイオンと錯形成を行うこと
により、結果として、化成処理時のクロムの溶出を抑
え、さらには有機皮膜とクロメート皮膜間の密着性を向
上させる点で重要な役割を果している。好ましい錯形成
剤は、高耐化成処理性をもたせるために塗料固形分中
0.1〜5重量%の範囲がよい。0.1重量%未満では
クロム溶出量を十分抑えることができないし、また、5
重量%を越えると防食性が低下し不十分となる。
クロメート皮膜表層のクロムイオンと錯形成を行うこと
により、結果として、化成処理時のクロムの溶出を抑
え、さらには有機皮膜とクロメート皮膜間の密着性を向
上させる点で重要な役割を果している。好ましい錯形成
剤は、高耐化成処理性をもたせるために塗料固形分中
0.1〜5重量%の範囲がよい。0.1重量%未満では
クロム溶出量を十分抑えることができないし、また、5
重量%を越えると防食性が低下し不十分となる。
【0017】クロムと錯体を形成する具体的な錯形成剤
としては、ポリエチレンオキシオールが挙げられる。例
えば、ポリエチレンオキシナフトールであるヘキサエチ
レンオキシナフトール、ペンタエチレンオキシナフトー
ル、テトラエチレンオキシナフトール、トリエチレンオ
キシナフトール、ジエチレンオキシナフトール、モノエ
チレンオキシナフトールやポリエチレンオキシフェノー
ルであるヘキサエチレンオキシフェノール、ペンタエチ
レンオキシフェノール、テトラエチレンオキシフェノー
ル、トリエチレンオキシフェノール、ジエチレンオキシ
フェノール、モノエチレンオキシフェノール等がある。
としては、ポリエチレンオキシオールが挙げられる。例
えば、ポリエチレンオキシナフトールであるヘキサエチ
レンオキシナフトール、ペンタエチレンオキシナフトー
ル、テトラエチレンオキシナフトール、トリエチレンオ
キシナフトール、ジエチレンオキシナフトール、モノエ
チレンオキシナフトールやポリエチレンオキシフェノー
ルであるヘキサエチレンオキシフェノール、ペンタエチ
レンオキシフェノール、テトラエチレンオキシフェノー
ル、トリエチレンオキシフェノール、ジエチレンオキシ
フェノール、モノエチレンオキシフェノール等がある。
【0018】次に、有機溶剤に含有されるヒュームドシ
リカは、高防食性を付与するために平均粒径が0.1〜
100mμのもので、塗料固形分中5〜50重量%の範
囲内のものである。シリカ粒子の1次粒子が0.1mμ
未満では耐アルカリ性や上塗塗料との密着性が低下し、
また、100mμを越えると防食性が低下し密着塗膜の
平滑性も低下する。従ってシリカ粒子の平均粒径は0.
1〜100mμの範囲で、好ましくは5〜40mμがよ
い。また、ヒュームドシリカの配合量は、塗料固形分中
5〜50重量%の範囲が好適であり、好ましくは15〜
30重量%である。ヒュームドシリカが、5重量%未満
では防食能が不十分となり、一方、50重量%超では塗
膜の加工密着性あるいはスポット溶接性が低下し、更に
は高粘ちょう性を呈して薄膜に均一塗装することが困難
になる。
リカは、高防食性を付与するために平均粒径が0.1〜
100mμのもので、塗料固形分中5〜50重量%の範
囲内のものである。シリカ粒子の1次粒子が0.1mμ
未満では耐アルカリ性や上塗塗料との密着性が低下し、
また、100mμを越えると防食性が低下し密着塗膜の
平滑性も低下する。従ってシリカ粒子の平均粒径は0.
1〜100mμの範囲で、好ましくは5〜40mμがよ
い。また、ヒュームドシリカの配合量は、塗料固形分中
5〜50重量%の範囲が好適であり、好ましくは15〜
30重量%である。ヒュームドシリカが、5重量%未満
では防食能が不十分となり、一方、50重量%超では塗
膜の加工密着性あるいはスポット溶接性が低下し、更に
は高粘ちょう性を呈して薄膜に均一塗装することが困難
になる。
【0019】また、有機溶剤に含有されるポリエチレン
ワックスは、高加工性を付与するために、塗料固形分に
対して0.1〜10重量%の範囲内のものである。好ま
しくは、密度0.94以上、分子量1000〜1000
0、酸価15KOHmg/g以下のポリエチレンワック
スである。このワックスの添加量が0.1重量%未満で
は、塗膜表面の摩擦抵抗が大きくそのためにプレス加工
等で型カジリや塗膜剥離を生じ実用的でない。一方、1
0重量%を越えては塗膜を焼付けた後の水冷ゾーンにお
いて上記ポリエチレンワックスの収縮ムラ模様などが生
じ塗装仕上がり外観を損ない易いので実用上から避けた
方がよい。また、ワックスの酸価については、15KO
Hmg/gを越えては、塗膜中に溶け込んでしまうため
塗膜の潤滑効果は薄れる。従って、酸価を15KOHm
g/g以下にする必要があるが、これによって塗膜の表
面にワックス層が形成され高い潤滑効果が生まれる。
ワックスは、高加工性を付与するために、塗料固形分に
対して0.1〜10重量%の範囲内のものである。好ま
しくは、密度0.94以上、分子量1000〜1000
0、酸価15KOHmg/g以下のポリエチレンワック
スである。このワックスの添加量が0.1重量%未満で
は、塗膜表面の摩擦抵抗が大きくそのためにプレス加工
等で型カジリや塗膜剥離を生じ実用的でない。一方、1
0重量%を越えては塗膜を焼付けた後の水冷ゾーンにお
いて上記ポリエチレンワックスの収縮ムラ模様などが生
じ塗装仕上がり外観を損ない易いので実用上から避けた
方がよい。また、ワックスの酸価については、15KO
Hmg/gを越えては、塗膜中に溶け込んでしまうため
塗膜の潤滑効果は薄れる。従って、酸価を15KOHm
g/g以下にする必要があるが、これによって塗膜の表
面にワックス層が形成され高い潤滑効果が生まれる。
【0020】上述した塗料組成物からなる有機皮膜は、
0.05〜2μmの膜厚とする。有機皮膜の膜厚が0.
05μm未満においては、耐食性の点で十分でなく、ま
た2μmを越えては電着塗装外観等に支障をきたすので
好ましくない。なお、本発明において、有機皮膜中にも
電着塗装性を向上させる目的で、メラミンシアヌレート
を1〜5重量%含有してもかまわない。また、有機皮膜
を着色するために、ベンガラのような無機顔料やキナク
リドンやイルガジンなどの有機顔料、アゾ染料やアント
ラキノン染料等を加えても差し支えない。
0.05〜2μmの膜厚とする。有機皮膜の膜厚が0.
05μm未満においては、耐食性の点で十分でなく、ま
た2μmを越えては電着塗装外観等に支障をきたすので
好ましくない。なお、本発明において、有機皮膜中にも
電着塗装性を向上させる目的で、メラミンシアヌレート
を1〜5重量%含有してもかまわない。また、有機皮膜
を着色するために、ベンガラのような無機顔料やキナク
リドンやイルガジンなどの有機顔料、アゾ染料やアント
ラキノン染料等を加えても差し支えない。
【0021】なお本発明に用いる塗料組成物の塗装後の
塗膜焼付条件は特に限定されないが、最終焼付板温とし
て100〜200℃の広範囲で良好な性能を維持しつつ
短時間焼付処理することが可能である。また塗装方法に
ついては、ロールコート法、カーテンフローコート法な
ど公知のいずれの方法であってもよい。以上のような構
成を有する有機複合鋼板は、有機皮膜に錯形成剤が含有
されていることにより、耐食性を損なわず、耐化成処理
性が向上することから、市場の要求に十分応え得るもの
である。
塗膜焼付条件は特に限定されないが、最終焼付板温とし
て100〜200℃の広範囲で良好な性能を維持しつつ
短時間焼付処理することが可能である。また塗装方法に
ついては、ロールコート法、カーテンフローコート法な
ど公知のいずれの方法であってもよい。以上のような構
成を有する有機複合鋼板は、有機皮膜に錯形成剤が含有
されていることにより、耐食性を損なわず、耐化成処理
性が向上することから、市場の要求に十分応え得るもの
である。
【0022】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳述す
る。板厚0.8mmの電気亜鉛ニッケルめっき鋼板(亜
鉛ニッケルめっき量:20g/m2 、Ni%:12%、
板厚:0.8mm、パネルサイズ:200×300m
m)を公知の脱脂法により脱脂し、乾燥後、表1、2に
示すクロメート処理を施した。続いて、表1、2に示す
組成の塗料組成物をロールコーターにて塗装し、150
〜200℃で20秒焼き付けて、有機皮膜を生成させる
皮膜処理を施した。なお、有機皮膜処理に用いた樹脂、
錯形成剤、シリカ、ワックス、硬化剤の詳細は後に注釈
した。得られた有機複合鋼板に以下の評価を行った。
る。板厚0.8mmの電気亜鉛ニッケルめっき鋼板(亜
鉛ニッケルめっき量:20g/m2 、Ni%:12%、
板厚:0.8mm、パネルサイズ:200×300m
m)を公知の脱脂法により脱脂し、乾燥後、表1、2に
示すクロメート処理を施した。続いて、表1、2に示す
組成の塗料組成物をロールコーターにて塗装し、150
〜200℃で20秒焼き付けて、有機皮膜を生成させる
皮膜処理を施した。なお、有機皮膜処理に用いた樹脂、
錯形成剤、シリカ、ワックス、硬化剤の詳細は後に注釈
した。得られた有機複合鋼板に以下の評価を行った。
【0023】(1)耐化成処理性は、化成処理時のクロ
ム溶出性を、平板(70×150mm)48枚を1リッ
トル溶液で脱脂(FC−L4460/日本パーカライジ
ング製)、水洗、表調(パーコレンZTH/日本パーカ
ライジング製)、リン酸塩処理(PB3020/日本パ
ーカライジング製)処理後、各溶液中のクロム濃度を原
子吸光光度計により分析し、その結果を、〇…クロム溶
出量0.1mg/m2以下、△…クロム溶出量0.1m
g/m2 以上で4.0mg/m2 以下、×…クロム溶出
量4.0mg/m2 以上、で示した。
ム溶出性を、平板(70×150mm)48枚を1リッ
トル溶液で脱脂(FC−L4460/日本パーカライジ
ング製)、水洗、表調(パーコレンZTH/日本パーカ
ライジング製)、リン酸塩処理(PB3020/日本パ
ーカライジング製)処理後、各溶液中のクロム濃度を原
子吸光光度計により分析し、その結果を、〇…クロム溶
出量0.1mg/m2以下、△…クロム溶出量0.1m
g/m2 以上で4.0mg/m2 以下、×…クロム溶出
量4.0mg/m2 以上、で示した。
【0024】(2)耐食性は、平板(1/2クロスカッ
ト入り)をJISZ−2371に準じて塩水噴霧試験2
000時間を実施した後、錆発生状況を観察し、その結
果を、〇…白錆発生10%以下、△…赤錆5%以下、×
…赤錆5%以上、で示した。 (3)プレス加工性は、円筒絞り加工(無塗油)後に、
加工部のダイス側の表面にセロテープをはりつけ、剥し
た時に皮膜の剥離程度を評価した。結果を、〇…剥離な
し、△…軽微な剥離、×…かなりの剥離、で示した。
ト入り)をJISZ−2371に準じて塩水噴霧試験2
000時間を実施した後、錆発生状況を観察し、その結
果を、〇…白錆発生10%以下、△…赤錆5%以下、×
…赤錆5%以上、で示した。 (3)プレス加工性は、円筒絞り加工(無塗油)後に、
加工部のダイス側の表面にセロテープをはりつけ、剥し
た時に皮膜の剥離程度を評価した。結果を、〇…剥離な
し、△…軽微な剥離、×…かなりの剥離、で示した。
【0025】(4)電着塗装性は、平板(70×150
mm)をリン酸塩処理(FC−4460、PB3020
/日本パーカライジング製)後、カチオン電着塗装パワ
ートップU−600(日本ペイント製)20μmを30
0Vで電着し、各サンプルを170℃×20分焼き付け
て電着塗装板を作製した塗装サンプルを目視で塗装表面
の欠陥(ガスピンおよびクレーター)の発生状況を評価
した。その結果を、〇…欠陥なし、△…僅かに欠陥発
生、×…欠陥発生が多い、で表示した。
mm)をリン酸塩処理(FC−4460、PB3020
/日本パーカライジング製)後、カチオン電着塗装パワ
ートップU−600(日本ペイント製)20μmを30
0Vで電着し、各サンプルを170℃×20分焼き付け
て電着塗装板を作製した塗装サンプルを目視で塗装表面
の欠陥(ガスピンおよびクレーター)の発生状況を評価
した。その結果を、〇…欠陥なし、△…僅かに欠陥発
生、×…欠陥発生が多い、で表示した。
【0026】(5)塗装後密着性は、平板(70×15
0mm)をリン酸塩処理(FC−4460、PB302
0/日本パーカライジング製)後、カチオン電着塗装パ
ワートップU−600(日本ペイント製)20μmを2
00Vで電着し、各サンプルを170℃×20分焼き付
けて電着塗装板を作製した塗装サンプルを40℃のイオ
ン交換水中に240時間浸漬した後、2mm碁盤目テー
プ剥離テスト(100メッシュ)を行ない残存塗膜数で
評価した。結果は、〇…塗膜残存数100個、△…塗膜
残存数91〜99個、×…塗膜残存数90個以下、で示
した。以上の評価結果を、表1(本発明例)および、表
2(比較例)に示す。これらの結果から明らかなよう
に、本発明の有機複合鋼板は、耐化成処理性に優れてい
るとともに、耐食性、プレス加工性、電着塗装性、塗装
後耐食性も問題なく、総合性能に優れている。
0mm)をリン酸塩処理(FC−4460、PB302
0/日本パーカライジング製)後、カチオン電着塗装パ
ワートップU−600(日本ペイント製)20μmを2
00Vで電着し、各サンプルを170℃×20分焼き付
けて電着塗装板を作製した塗装サンプルを40℃のイオ
ン交換水中に240時間浸漬した後、2mm碁盤目テー
プ剥離テスト(100メッシュ)を行ない残存塗膜数で
評価した。結果は、〇…塗膜残存数100個、△…塗膜
残存数91〜99個、×…塗膜残存数90個以下、で示
した。以上の評価結果を、表1(本発明例)および、表
2(比較例)に示す。これらの結果から明らかなよう
に、本発明の有機複合鋼板は、耐化成処理性に優れてい
るとともに、耐食性、プレス加工性、電着塗装性、塗装
後耐食性も問題なく、総合性能に優れている。
【0027】 (注1)樹脂(タイプと分子量) A:エピコート1007(シェル化学) … 分子量2900 (ビスフェノール型エポキシ樹脂) B:エピコート1009(シェル化学) … 分子量3750 (ビスフェノール型エポキシ樹脂) C:エピコート1001(シェル化学) … 分子量900 (ビスフェノール型エポキシ樹脂) D:バイロン200(東洋紡) … 分子量15000 (オイルフリーポリエステル樹脂) E:カルボキシル化ポリエチレン樹脂 カルボキシル基12モル%、20%水溶液
【0028】(注2)錯形成剤 α:ヘキサエチレンオキシナフトール(第一工業製薬) β:ペンタエチレンオキシナフトール(第一工業製薬) γ:ヘキサエチレンオキシフェノール(第一工業製薬) δ:ペンタエチレンオキシフェノール(第一工業製薬) (注3)シリカ ア:アエロジル300(日本アエロジル) … 平均粒
径8mμ イ:アエロジルOX50(日本アエロジル) … 平均粒
径40mμ ウ:スノーテックスN(日産化学) … 20%
コロイダルシリカ水溶液
径8mμ イ:アエロジルOX50(日本アエロジル) … 平均粒
径40mμ ウ:スノーテックスN(日産化学) … 20%
コロイダルシリカ水溶液
【0029】(注4)ワックス あ:セリダスト3620(ヘキスト) … 分子量20
00、酸価0 (注5)硬化剤 a:ヘキサメチレンジイソシアネート−アセト酢酸エチ
ルブロック体 b:ヘキサメチレンジイソシアネート c:BKS−316(昭和高分子) (レゾール型フェノール樹脂)
00、酸価0 (注5)硬化剤 a:ヘキサメチレンジイソシアネート−アセト酢酸エチ
ルブロック体 b:ヘキサメチレンジイソシアネート c:BKS−316(昭和高分子) (レゾール型フェノール樹脂)
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の有機複合
鋼板は、自動車車体の非常に苛酷な腐食条件下でも十分
な耐食性を有し、耐化成処理性、電着塗装性にも優れ、
加工部での皮膜剥離も生じないので、高耐食性鋼板とし
て大いに期待できる。
鋼板は、自動車車体の非常に苛酷な腐食条件下でも十分
な耐食性を有し、耐化成処理性、電着塗装性にも優れ、
加工部での皮膜剥離も生じないので、高耐食性鋼板とし
て大いに期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の皮膜構成を示す。
1 鋼板 2 亜鉛系めっき皮膜 3 クロメート皮膜 4 有機皮膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷村 宏治 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 会社君津製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項1】 亜鉛系めっき鋼板の片面あるいは両面
に、膜厚10〜150mg/m2 のクロメート皮膜を施
し、その上にケトン系有機溶剤を少なくとも40重量%
以上含有する有機溶剤に数平均分子量300〜100,
000のビスフェノール型エポキシ樹脂を塗料固形分中
30重量%以上、ポリイソシアネート化合物およびブロ
ックイソシアネート化合物からなる群より選ばれる少な
くとも1種の硬化剤を前記エポキシ樹脂に対し重量比で
1/10〜20/10、錯形成剤を塗料固形分中0.5
〜5重量%、平均粒径0.1〜100mμのヒュームド
シリカを塗料固形分中5〜50重量%、かつ、ポリエチ
レンワックスを塗料固形分中0.1〜10重量%含有し
た塗料組成物を有機皮膜として0.05〜2μm施すこ
とを特徴とする耐化成処理性に優れた有機複合鋼板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3166594A JPH07241521A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 耐化成処理性に優れた有機複合鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3166594A JPH07241521A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 耐化成処理性に優れた有機複合鋼板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07241521A true JPH07241521A (ja) | 1995-09-19 |
Family
ID=12337437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3166594A Withdrawn JPH07241521A (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 耐化成処理性に優れた有機複合鋼板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07241521A (ja) |
-
1994
- 1994-03-01 JP JP3166594A patent/JPH07241521A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010508 |