JPH0724078Y2 - 攪拌羽根式餅搗機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、搗き上げた餅を臼体
から取り出し易くした攪拌羽根式餅搗機に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来、攪拌羽根式餅搗機は、臼体内に攪
拌羽根を備え付けているため、杵式餅搗機と比較して臼
体内が深く形成されている。そして、搗き上げた餅をこ
の臼体から取り出すには、搗きたての餅は未だ充分に温
度が下がっていないため、この餅を臼体内から、直接、
手でつかんで取り出そうとすると、手に火傷を負う場合
があるので、臼体の側面に設けた取出口に取り付けた開
閉蓋を開放することにより行っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の攪拌羽根式餅搗機では、臼体の側面を切り欠いて取
出口を設けるために、この取出口を大きく形成したり臼
体の底部まで形成するのが設計上困難であった。そのた
め、搗き上げた餅が臼体から取り出し難いという課題を
有していた。

【０００４】また、上記従来の攪拌羽根式餅搗機では、
取出口に開閉蓋を嵌め込むようにしたものであり、取出
口と開閉蓋との間には隙間が生じ易く、取出口を完全に
密閉し難くかった。そのため、餅にエビやゴマなどの混
ぜ物をする場合には、餅を搗いているときにこれらの混
ぜ物が臼体の隙間から漏れ出るという課題を有してい
た。

【０００５】そこで、この考案は、従来の攪拌羽根式餅
搗機が有する上記の課題を解決することを目的としてな
されたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そのため、この考案で
は、接合面が一つの平面上にあるように臼体１を縦に分
割して、大分割体１ａと小分割体１ｂからなる臼体を構
成すると共に、前記小分割体１ｂを大分割体１ａと密着
・分離自在なものにしている。さらに、前記臼体１は、
抵抗体９を臼体１の内側面に設けると共に、上下動する
杵体１０を臼体１の上方に設けたものとするのが好まし
い。

【０００７】

【作用】この考案の攪拌羽根式餅搗機は、上記手段を施
したため、臼体の縦に分割する割合を変えることによ
り、大分割体１ａと小分割体１ｂの大きさが自由に変更
でき、これにより小分割体１ｂが分離したときに形成さ
れる臼体１の取出口の大きさを調節することができる。

【０００８】また、この考案の攪拌羽根式餅搗機は、大
分割体１ａと小分割体１ｂの接合面が一つの平面上にあ
るので、接合面どうしが密着し易くなり、小分割体１ｂ
を大分割体１ａから分離したときに形成される臼体１の
取出口を完全に密閉することができる。

【０００９】

【実施例】以下、この考案の攪拌羽根式餅搗機の構成
を、実施例として示した図面に基づいて説明する。１
は、攪拌羽根式餅搗機における臼体であり、接合面が一
つの平面となるように臼体１を縦に二つに分割して、大
分割体１ａと小分割体１ｂとからなるものとしている。
そして、小分割体１ｂは、大分割体１ａと密着・分離自
在なものにしている。この実施例では、小分割体１ｂを
大分割体１ａと密着・分離自在なものにするために、小
分割体１ｂを上下動するものにしているが、小分割体１
ｂを水平動するものにしてもよい。また、前記大分割体
１ａと小分割体１ｂの大きさは、臼体１における大分割
体１ａと小分割体１ｂの側周の比率が約２：１程度にな
るようにするのが好ましいが、特に限定されるものでは
ない。

【００１０】２は、前記臼体１の下部に設けられた回転
円盤であり、周端の一部にはネジレ形状の攪拌羽根３が
設けられており、底部の中央には回転軸４が固着されて
いる。この回転円盤２の回転軸４は、上下端を機体５に
設けられた軸受６に軸支されており、略中央部に伝動ベ
ルト７が掛け渡された駆動プーリ８が取り付けられてい
る。

【００１１】なお、この実施例に示した臼体１の内側面
には、抵抗体９を設け、餅を臼体１の内側面の定位置に
留めて、回転円盤２の攪拌羽根３により餅を搗き上げる
効率を良くしている。さらに、餅を搗き上げる効率を良
くするために、臼体１の上方には、上下動する杵体１０
を設けたものとしている。また、前記回転円盤２の攪拌
羽根３は、正逆転するものとしている。

【００１２】以上のように構成されたこの考案の攪拌羽
根式餅搗機は、餅が搗き上がると回転円盤２の攪拌羽根
３の正転（図３中の矢印ａ方向）を停止させ、小分割体
１ｂを上方に移動させ、回転円盤２の攪拌羽根３を逆転
（図３中の矢印ｂ方向）させると、遠心力とこの攪拌羽
根３の作用により、搗き上がった餅は前記小分割体１ｂ
を上方に移動させたときに形成される臼体１の取出口か
ら臼体１外部に放り出され、適当な餅載せ台等に受け取
られる。

【００１３】

【考案の効果】この考案の攪拌羽根式餅搗機は、以上に
述べたように構成されているので、次のような効果を有
する。臼体１を分割する比率を変えることにより取出口
の大きさを自由に調節することができるので、取出口を
大きく形成したり、取出口を臼体１の底部まで形成する
のが簡単となり、搗き上げた餅が臼体１から取り出し易
くなる。

【００１４】また、大分割体１ａと小分割体１ｂの接合
面が一つの平面上にあり、小分割体１ｂを大分割体１ａ
から分離したときに形成される臼体１の取出口を完全に
密閉することができるので、餅にエビやゴマなどの混ぜ
物をする場合にも、これらの混ぜ物が、餅を搗いている
ときに臼体１の隙間から漏れ出ることがなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の攪拌羽根式餅搗機の臼体の斜視図で
ある。

【図２】この考案の攪拌羽根式餅搗機の断面図である。

【図３】この考案の攪拌羽根式餅搗機の平面図である。

【符号の説明】

１ 臼体 １ａ 大分割体 １ｂ 小分割体 ９ 抵抗体 １０ 杵体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 接合面が一つの平面上にあるように臼体
   １を縦に分割して、大分割体１ａと小分割体１ｂからな
   る臼体を構成すると共に、前記小分割体１ｂを大分割体
   １ａと密着・分離自在なものとしたことを特徴とする攪
   拌羽根式餅搗機。
2. 【請求項２】 抵抗体９を臼体１の内側面に設けると共
   に、上下動する杵体１０を臼体１の上方に設けたことを
   特徴とする請求項１記載の攪拌羽根式餅搗機。