JPH07240345A - チップ状固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

チップ状固体電解コンデンサおよびその製造方法

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JPH07240345A
JPH07240345A JP2957394A JP2957394A JPH07240345A JP H07240345 A JPH07240345 A JP H07240345A JP 2957394 A JP2957394 A JP 2957394A JP 2957394 A JP2957394 A JP 2957394A JP H07240345 A JPH07240345 A JP H07240345A
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JP
Japan
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cathode
layer
anode lead
anode
conductor layer
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Application number
JP2957394A
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English (en)
Inventor
Nobuo Hasegawa
信男 長谷川
Sumio Nishiyama
澄夫 西山
Masakazu Nakagaki
正和 中垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産性に優れ、かつ漏れ電流、tanδ値の
電気特性が安定しているものを得ることができるチップ
状固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 陽極導出線11の一端が表出するように陽極
導出線11を埋設した弁作用金属からなる陽極体に誘電
体酸化皮膜と電解質層および半硬化状態または硬化状態
の陰極層12を設けてコンデンサ素子13を構成し、こ
のコンデンサ素子13の陰極層12における陽極導出線
11の引き出し面と対向する面14の全部およびこの面
14に隣接する面15の全部に、厚みが薄い導電性骨格
21aに導電性樹脂22を充填して構成された陰極導電
体層16を溶融硬化させることにより接合したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチップ状固体電解コンデ
ンサおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のチップ状固体電解コンデンサは図
5に示すような構造となっていた。すなわち、陽極導出
線1を具備し、かつ弁作用金属であるタンタル金属から
なる多孔質の陽極体の表面に陽極酸化により誘電体酸化
皮膜を形成し、そしてこの表面に二酸化マンガンなどの
電解質層を形成し、さらにカーボン層および陰極層2を
順次積層形成することによりコンデンサ素子3を構成
し、そしてこのコンデンサ素子3は陽極導出線1の突出
部1aと陰極層2の露出部2aを除いて外装樹脂4によ
り外装し、その後、陽極導出線1の突出部1aを含む外
装樹脂4の陽極導出線1の引き出し面とこの面に隣接す
る面に陽極金属層5を形成するとともに、陰極層2の露
出部2aを含む外装樹脂4の陰極側端面およびこの面に
隣接する面に陰極金属層6を形成していた。
【0003】図6は他の従来例を示したもので、図5に
示す従来例と異なる点は、コンデンサ素子3の陰極層2
における陽極導出線1の引き出し面と対向する面および
この面に隣接する面に陰極導電体層7を形成した点で、
その他の構成は同じである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように構成されたチップ状固体電解コンデンサでは、コ
ンデンサ素子3から引き出した陽極導出線1を水平に保
持してモールド成形する工程において、図5に示すよう
に前記コンデンサ素子3の自重による垂れ下がりや成形
に至る前工程中の接触トラブル等により前記陽極導出線
1が湾曲変形した場合、コンデンサ素子3の陽極導出線
1の引き出し面に対向する面およびこの面に隣接する面
を被覆した薄い陰極層2が成形金型に接触することにな
り、これにより、樹脂外装が十分に行えず、その結果、
前記薄い陰極層2の露出による外観不具合が多発し、こ
れを防ぐために、成形金型挿入精度の改善が求められて
いた。
【0005】また陰極層2の陰極側端面を外装樹脂4の
外部に露出させるために、外装樹脂4の一部をサンドブ
ラスト等の研削あるいは切断によって除去する場合、陰
極層2を破壊させることがないように陰極層2の露出状
況を確認しながら行わなければならないため、その工程
が非常に難しいものとなって生産性も悪くなっていた。
さらに陰極層2は薄いため、この陰極層2が破壊された
場合はコンデンサの漏れ電流、tanδ値を増大させる
という問題につながっていた。そしてまた図6に示す陰
極導電体層7は強度を維持するためにその層厚を大きく
しているが、層厚を大きくした場合、tanδ値やイン
ピーダンス値が高くなる傾向にあった。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、生産性に優れ、かつ漏れ電流、tanδ値の電気特
性が安定しているものを得ることができるチップ状固体
電解コンデンサおよびその製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、陽極導出線の一端が表出するように陽極導
出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸化
皮膜と電解質層および半硬化状態または硬化状態の陰極
層を設けてコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ素
子の陰極層における陽極導出線の引き出し面と対向する
面の全部およびこの面に隣接する面の全部に、厚みが薄
い導電性骨格に導電性樹脂を充填して構成された陰極導
電体層を溶融硬化させることにより接合し、その後、前
記コンデンサ素子の陽極導出線が片側に引き出されるよ
うに前記陰極導電体層も含めたコンデンサ素子を外装樹
脂で被覆し、さらにその後、外装樹脂の陽極導出面と、
外装樹脂における陽極導出面に対向する面の一部を除去
して陰極導電体層の一部を表出させた陰極導出面に、陽
極金属層と陰極金属層を形成してチップ状固体電解コン
デンサを製造するようにしたものである。
【0008】
【作用】上記チップ状固体電解コンデンサによれば、陽
極導出線の一端が表出するように陽極導出線を埋設した
弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸化皮膜と電解質層
および半硬化状態または硬化状態の陰極層を設けてコン
デンサ素子を構成し、このコンデンサ素子の陰極層にお
ける陽極導出線の引き出し面と対向する面の全部および
この面に隣接する面の全部に、厚みが薄い導電性骨格に
導電性樹脂を充填して構成した陰極導電体層を溶融硬化
させることにより接合するようにしたもので、このよう
な接合方法により陰極導電体層は半硬化状態または硬化
状態の陰極層とも良く馴染んで両者の接合性は優れたも
のが得られる。
【0009】また陰極導電体層を構成する導電性骨格は
厚みの薄いものであるため、フレキシブル性に富んでお
り、これにより、陰極導電体層を溶融した後に乾燥硬化
させる際、あるいは温度サイクル等によって膨張収縮応
力が働いたとしても、陰極層と陰極導電体層の接合面に
おいて剥離が発生することはない。
【0010】そしてまたこの陰極導電体層は、コンデン
サ素子の陰極層における陽極導出線の引き出し面と対向
する面の全部およびこの面に隣接する面の全部に設けて
いるため、外装樹脂を形成する場合、コンデンサ素子が
成形金型の中に傾斜して挿入された場合でも、成形金型
の内壁にコンデンサ素子の陰極層が接触することはな
く、成形金型の内壁には必ず陰極導電体層が接触するこ
とになり、これにより、外装樹脂を形成した場合、外装
樹脂から陰極導電体層が露出することはあっても、コン
デンサ素子の陰極層が外装樹脂から露出することはなく
なるため、陰極側端面を外装樹脂の外部に露出させるた
めに外装樹脂の一部をサンドブラスト等の研削あるいは
切断によって除去する場合においても、陰極導電体層の
存在により、従来のように陰極層を破壊させることがな
いようにその露出状況を確認しながら行わなければなら
ないという厳格な作業管理は不要となり、これにより、
その生産性を大幅に向上させることができるとともに、
陰極側の外装周面を粗面化するためにサンドブラスト処
理を行った場合においても、コンデンサ素子の陰極層を
損傷させるということはなくなるため、陰極層が損傷さ
れることによる漏れ電流やtanδ値の電気特性不良も
確実に防止することができる。
【0011】また陰極導電体層は厚みが薄い導電性骨格
に導電性樹脂を充填することにより構成しているため、
陰極導電体層自体の層厚も小さくすることができ、これ
により、陰極導電体層自体の抵抗も低くなるため、ta
nδ値やインピーダンス値を低くすることができるもの
である。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら説明する。図1は本発明の一実施例におけるチッ
プ状固体電解コンデンサを示したもので、このチップ状
固体電解コンデンサは図1に示すように陽極導出線11
を具備し、かつ陰極層12を形成したコンデンサ素子1
3の陰極層12における陰極面14の全部とこの陰極面
14に隣接する面15の陰極面14近傍部全部に陰極導
電体層16を構成し、そして前記陽極導出線11の先端
11aおよび陰極導出面17bを除いて外装樹脂17に
より外装し、さらに外装樹脂17の陽極導出面17aと
この陽極導出面17aに隣接する外装周面18aには陽
極金属層19aと陽極側半田金属層20aを被覆形成
し、一方、陽極導出面17aと対向する陰極導出面17
bとこの陰極導出面17bに隣接する外装周面18bに
は陰極金属層19bと陰極側半田金属層20bを被覆形
成している。図2は図1における陰極導電体層16の一
部を拡大して示したものである。
【0013】図3(a),(b),(c),(d)は図
1に示すチップ状固体電解コンデンサにおいて、半硬化
状態または硬化状態の陰極層12を形成したコンデンサ
素子13の陰極層12における陰極面14に溶融硬化に
より接合される陰極導電体層16を構成する導電性骨格
の各例を示したもので、図3(a)に示す導電性骨格2
1aは金属線を織り網目状に構成したシートである。図
3(b)に示す導電性骨格21bは金属箔を格子状に打
抜いて構成したシートである。図3(c)に示す導電性
骨格21cは金属箔をハニカム状に打抜いて構成したシ
ートである。図3(d)に示す導電性骨格21dは不織
金属マットである。
【0014】図4(a)は金属線を織り網目状に構成し
たシートからなる導電性骨格21aに、金属粉体と熱硬
化性樹脂からなる導電性樹脂22を充填して構成された
陰極導電体層16の個片を示したもので、この陰極導電
体層16の個片は図4(b)に示すように、コンデンサ
素子13の陰極層12における陰極部に溶融硬化により
接合するようにしたものである。
【0015】次に、本発明の一実施例におけるチップ状
固体電解コンデンサの製造方法について説明する。ま
ず、図1に示されるタンタル線からなる陽極導出線11
の一端が表出するように陽極導出線11を埋設した弁作
用金属であるタンタルからなる多孔質の陽極体に、誘電
体酸化皮膜、電解質層および半硬化状態または硬化状態
の陰極層12を順次形成することによりコンデンサ素子
13を構成し、そしてこのコンデンサ素子13の周面に
設けた陰極層12のうち、前記陽極導出線11の引き出
し面と対向した半硬化状態または硬化状態の陰極面14
の全部とこの陰極面14に隣接する面15の陰極面14
近傍部全部に、図3(a)に示す金属線を織り網目状に
構成したシートからなる導電性骨格21aの網目に銀粉
体を主成分とする熱硬化性樹脂からなる導電性樹脂22
を充填して構成された陰極導電体層16を接合してい
る。そしてこの接合は、150℃〜180℃に加熱する
ことにより熱硬化性樹脂が溶融して接合されるもので、
この後、恒温槽で乾燥硬化させることにより陰極導電体
層16の陰極層12への接合が完了するものである。
【0016】そして前記陰極層12における陽極導出線
11の引き出し面と対向する陰極面14と隣接する面1
5の陰極面14近傍部全部に設けた陰極導電体層16の
長さは、コンデンサ素子13の長さの1/2〜1/5の
範囲に設定している。
【0017】なお、陰極導電体層16を構成する導電性
骨格の材料としては、Ag,Pd,Ni,Cu,Sn,
Pb,Feのいずれか一種、またはこれらのうちの2〜
3種よりなる複合金属であってもよく、また陰極導電体
層16を構成する他方の導電性樹脂の中に含まれる金属
粉体も同じくAg,Pd,Ni,Cu,Sn,Pb,F
eのいずれか一種、またはこれらのうちの2〜3種より
なる複合金属粉体であってもよいものである。また、陰
極導電体層16を構成する材料は吸水性、吸湿性が小さ
く、かつ耐湿性の優れたものが望ましく、この材料は後
述する陽極金属層19a、陰極金属層19bに使用する
処理液がコンデンサ素子13の内部に侵入しないもので
なければならない。
【0018】前記陰極導電体層16を形成した後、陽極
導出線11が片側に引き出されるようにコンデンサ素子
13を成形金型にセットし、トランスファーモールド方
式により、前記陰極導電体層16も含めたコンデンサ素
子13を外装樹脂17で被覆した。この場合、コンデン
サ素子13は成形金型の中央にセットされるが、陽極導
出線11の湾曲や変形により、陰極導電体層16は成形
金型にほぼ接触した状態に配置され、外装樹脂17の一
部に陰極導電体層16が露出する場合もあり得る。この
場合、層厚の薄い陰極層12は陰極導電体層16で保護
されているため、損傷を受けることはなくなる。
【0019】また陰極導電体層16を構成する導電性骨
格21aは厚みの薄いものであるため、フレキシブル性
に富んでおり、これにより、陰極導電体層16を溶融し
た後に乾燥硬化させる際、あるいは温度サイクル等によ
って膨張収縮応力が働いたとしても、陰極層12と陰極
導電体層16との接合面において剥離が発生することは
なくなるもので、このようにフレキシブルな陰極導電体
層16は陰極層12に強力に密着して両者12,16の
接触抵抗を小さくすることができるため、インピーダン
ス、tanδ値、漏れ電流の電気特性も優れたものを得
ることができる。
【0020】次に陽極導出線11とともに外装樹脂17
の一部を除去して、外装樹脂17と面一の陽極導出線1
1の切断面を含む陽極導出面17aを表出させる。一
方、陽極導出面17aに対向する陰極導出面17bは前
記外装樹脂17とともに陰極導電体層16の一部を除去
して、チップ状固体電解コンデンサの規格寸法にする。
この場合、陰極導電体層16が存在するため、従来のよ
うにスライスによる切断あるいはサンドブラストや砥石
による研削によって除去する場合、薄い陰極層12を破
壊させることがないように露出状況を確認しながら行わ
なければならないという厳格な作業管理は不要となり、
これにより、その生産性を大幅に向上させることができ
る。
【0021】また陰極導電体層16は金属線を織り網目
状に構成した金属シートからなる導電性骨格21aを備
えているため、この陰極導電体層16に保護されている
陰極層12は言うに及ばず、陰極導電体層16は研削断
面が50〜100μmの極めて薄い層厚であっても、ブ
ラスト後に陰極導電体層16が破断して損傷することは
なく、かつ薄い陰極導電体層16自体の抵抗も低くな
り、さらにブラスト面は金属が露出しているため、イン
ピーダンス、tanδ値、漏れ電流の電気特性も安定し
たものを得ることができる。
【0022】次に外装樹脂17の陽極導出面17aに隣
接する外装周面18aと陰極導出面17bに隣接する外
装周面18bを粗面化するために、サンドブラスト処理
を行った場合でも陰極層12を損傷させるということは
なくなるため、陰極層12が損傷されることによる漏れ
電流やtanδ値の電気特性不良も確実に防止すること
ができる。続いてアルカリ脱脂、化学エッチングをした
後、触媒付与の前処理を行い、その後、ニッケルの無電
解コーティングにより、陽極側の外装周面18aと陰極
側の外装周面18bを含む外装樹脂17と陽極導出面1
7aおよび陰極導出面17bの全面に金属層を形成す
る。この後、残すべき陽極導出面17aとこの陽極導出
面17aに隣接する外装周面18aおよび陰極導出面1
7bとこの陰極導出面17bに隣接する外装周面18b
にレジスト材によりマスキングを行い、露出部分の金属
層を酸溶解させることにより、外装樹脂17の露出絶縁
帯域を形成して両極を電気的に完全に分離させる。続い
てレジスト材をアルカリ溶解にて除去する。これによ
り、外装樹脂17の陽極導出線11表出側に陽極導出線
11と接続される陽極金属層19aが形成されるととも
に、陰極導電体層16の表出側に陰極導電体層16にお
ける露出した金属表面と接続される陰極金属層19bが
形成される。さらに溶融半田浴の半田コーティングによ
り、陽極金属層19aには陽極側半田金属層20aが、
一方、陰極金属層19bには陰極側半田金属層20bが
それぞれ形成される。なお、半田金属層20a,20b
の形成は半田電解コーティングによっても可能である。
次にエージング、表示、特性検査を経て完成品となる。
【0023】このように本発明の一実施例によれば、陰
極導電体層16が薄い陰極層12を保護しているため、
陰極層12が露出するという外観不良はなく、かつ漏れ
電流不良もなくなる。また陰極導電体層16と陰極層1
2および陰極金属層19bとの接触抵抗も小さく、かつ
陰極導電体層16自体の抵抗も小さくなるため、インピ
ーダンス、tanδ値等の電気特性も優れたチップ状固
体電解コンデンサを効率よく生産することができる。
【0024】また前記陰極導電体層16は、コンデンサ
素子13の陰極層12における陽極導出線11の引き出
し面と対向する面、すなわち陰極面14の全部とこの陰
極面14に隣接する面15の陰極面14近傍部全部に設
けているため、外装樹脂17を形成する場合、コンデン
サ素子13が成形金型の中に傾斜して挿入された場合で
も、成形金型の内壁にコンデンサ素子13の陰極層12
が接触することはなく、成形金型の内壁には必ず陰極導
電体層16が接触することになり、これにより、外装樹
脂17を形成した場合、外装樹脂17から陰極導電体層
16が露出することはあっても、コンデンサ素子13の
陰極層12が外装樹脂17から露出することはなくなる
ため、陰極側端面を外装樹脂17の外部に露出させるた
めに外装樹脂17の一部をサンドブラストや砥石による
研削あるいはスライスによる切断によって除去する場合
においても、陰極導電体層16の存在により、従来のよ
うに陰極層12を破壊させることがないようにその露出
状況を確認しながら行わなければならないという厳格な
作業管理は不要となり、これにより、その生産性を大幅
に向上させることができる。
【0025】そしてまた陰極導電体層16は金属線を織
り網目状に構成したシートからなる厚みが薄い導電性骨
格21aに金属粉体と熱硬化性樹脂からなる導電性樹脂
22を充填することにより構成しているため、陰極導電
体層16自体の層厚も小さくすることができ、これによ
り、陰極導電体層16自体の抵抗も低くなるため、ta
nδ値やインピーダンス値を低くすることができる。
【0026】なお、上記一実施例においては、陰極導電
体層16を構成する導電性骨格として、金属線を織り網
目状に構成したシートからなる導電性骨格21aを用い
たものについて説明したが、図3(b)に示す金属箔を
格子状に打抜いて構成したシートからなる導電性骨格2
1b、図3(c)に示す金属箔をハニカム状に打抜いて
構成したシートからなる導電性骨格21c、図3(d)
に示す不織金属マットからなる導電性骨格21dを用い
ても上記一実施例と同様の作用効果を奏するものであ
る。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明のチップ状固体電解
コンデンサによれば、陽極導出線の一端が表出するよう
に陽極導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体に誘
電体酸化皮膜と電解質層および半硬化状態または硬化状
態の陰極層を設けてコンデンサ素子を構成し、このコン
デンサ素子の陰極層における陽極導出線の引き出し面と
対向する面の全部およびこの面に隣接する面の全部に、
厚みが薄い導電性骨格に導電性樹脂を充填して構成した
陰極導電体層を溶融硬化させることにより接合するよう
にしたもので、このような接合方法により陰極導電体層
は半硬化状態または硬化状態の陰極層とも良く馴染んで
両者の接合性は優れたものが得られる。また陰極導電体
層を構成する導電性骨格は厚みの薄いものであるため、
フレキシブル性に富んでおり、これにより、陰極導電体
層を溶融した後に乾燥硬化させる際、あるいは温度サイ
クル等によって膨張収縮応力が働いたとしても、陰極層
と陰極導電体層の接合面において剥離が発生することは
ない。
【0028】そしてまたこの陰極導電体層は、コンデン
サ素子の陰極層における陽極導出線の引き出し面と対向
する面の全部およびこの面に隣接する面の全部に設けて
いるため、外装樹脂を形成する場合、コンデンサ素子が
成形金型の中に傾斜して挿入された場合でも、成形金型
の内壁にコンデンサ素子の陰極層が接触することはな
く、成形金型の内壁には必ず陰極導電体層が接触するこ
とになり、これにより、外装樹脂を形成した場合、外装
樹脂から陰極導電体層が露出することはあっても、コン
デンサ素子の陰極層が外装樹脂から露出することはなく
なるため、陰極側端面を外装樹脂の外部に露出させるた
めに外装樹脂の一部をサンドブラスト等の研削あるいは
切断によって除去する場合においても、陰極導電体層の
存在により、従来のように陰極層を破壊させることがな
いようにその露出状況を確認しながら行わなければなら
ないという厳格な作業管理は不要となり、これにより、
その生産性を大幅に向上させることができるとともに、
陰極側の外装周囲を粗面化するためにサンドブラスト処
理を行った場合においても、コンデンサ素子の陰極層を
損傷させるということはなくなるため、陰極層が損傷さ
れることによる漏れ電流やtanδ値の電気特性不良も
確実に防止することができる。
【0029】また陰極導電体層は厚みが薄い導電性骨格
に導電性樹脂を充填することにより構成しているため、
陰極導電体層自体の層厚も小さくすることができ、これ
により、陰極導電体層自体の抵抗も低くなるため、ta
nδ値やインピーダンス値を低くすることができるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すチップ状固体電解コン
デンサの断面図
【図2】図1の要部の拡大断面図
【図3】同コンデンサの陰極導電体を構成する導電性骨
格の各種例を示す斜視図
【図4】(a)同コンデンサの陰極導電体層を示す斜視
図 (b)同陰極導電体層をコンデンサ素子に接合した状態
を示す斜視図
【図5】従来例を示すチップ状固体電解コンデンサの断
面図
【図6】他の従来例を示すチップ状固体電解コンデンサ
の断面図
【符号の説明】
11 陽極導出線 12 陰極層 13 コンデンサ素子 14 陰極面 15 陰極面に隣接する面 16 陰極導電体層 17 外装樹脂 17a 陽極導出面 17b 陰極導出面 19a 陽極金属層 19b 陰極金属層 21a,21b,21c,21d 導電性骨格 22 導電性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01G 9/24 C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極導出線の一端が表出するように陽極
    導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸
    化皮膜と電解質層および半硬化状態または硬化状態の陰
    極層を設けて構成したコンデンサ素子と、このコンデン
    サ素子の陰極層における陽極導出線の引き出し面と対向
    する面の全部およびこの面に隣接する面の全部に溶融硬
    化により接合され、かつ厚みが薄い導電性骨格に導電性
    樹脂を充填して構成された陰極導電体層と、前記陽極導
    出線および陰極導電体層の少なくとも一部が表出される
    ように前記コンデンサ素子と陰極導電体層を被覆する外
    装樹脂と、この外装樹脂の陽極導出面および陰極導出面
    に形成された陽極金属層および陰極金属層とを備えたチ
    ップ状固体電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 陽極導出線の一端が表出するように陽極
    導出線を埋設した弁作用金属からなる陽極体に誘電体酸
    化皮膜と電解質層および半硬化状態または硬化状態の陰
    極層を設けてコンデンサ素子を構成し、このコンデンサ
    素子の陰極層における陽極導出線の引き出し面と対向す
    る面の全部およびこの面に隣接する面の全部に、厚みが
    薄い導電性骨格に導電性樹脂を充填して構成された陰極
    導電体層を溶融硬化させることにより接合し、その後、
    前記コンデンサ素子の陽極導出線が片側に引き出される
    ように前記陰極導電体層も含めたコンデンサ素子を外装
    樹脂で被覆し、さらにその後、外装樹脂の陽極導出面
    と、外装樹脂における陽極導出面に対向する面の一部を
    除去して陰極導電体層の一部を表出させた陰極導出面
    に、陽極金属層と陰極金属層を形成するようにしたチッ
    プ状固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 【請求項3】 導電性骨格が金属線を織り網目状に構成
    したシートである請求項2記載のチップ状固体電解コン
    デンサの製造方法。
  4. 【請求項4】 導電性骨格が金属箔を格子状またはハニ
    カム状に打抜いて構成したシートである請求項2記載の
    チップ状固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 【請求項5】 導電性骨格が不織金属マットである請求
    項2記載のチップ状固体電解コンデンサの製造方法。
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