JPH07239025A - 流体作動式摩擦要素の締結制御装置 - Google Patents
流体作動式摩擦要素の締結制御装置Info
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- JPH07239025A JPH07239025A JP3143394A JP3143394A JPH07239025A JP H07239025 A JPH07239025 A JP H07239025A JP 3143394 A JP3143394 A JP 3143394A JP 3143394 A JP3143394 A JP 3143394A JP H07239025 A JPH07239025 A JP H07239025A
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Abstract
係である車両の運転状態等の変化によるスリップ回転数
の変化に左右されることなく、常時最適タイミングでオ
ープン制御およびフィードバック制御の切り換える技術
を提供する。 【構成】 ロックアップクラッチ13cの制御のためコ
ントローラ21を設け、コントローラ21には、エンジ
ン出力トルクT1、変速機入力軸トルクT2、エンジン
回転数N1、トルクコンバータ出力回転数N2、車速V
sp、スロットル開度Tvoを表わす信号を対応するセ
ンサから夫々入力する。コントローラ21は、上記各信
号に基づき所定の制御プログラムを実行することによ
り、ロックアップクラッチ13cに対しオープン制御
(例えばプリチャージ制御)およびフィードバック制御
(例えばPID制御)を選択的に切り換えながら実施す
る。
Description
達装置内にあって、適宜作動(締結)されることにより
動力伝達に関与するクラッチやブレーキのような流体作
動式摩擦要素を有する流体伝動装置の締結制御技術に関
するものである。
擦要素をスリップに応じて締結制御(スリップ制御)す
る際には、制御に対する不感帯の影響を除去するため、
プリチャージ制御やランプ制御等のオープン制御と、P
ID制御等のフィードバック制御とを切り換えながら制
御を行う必要がある。その理由は、制御指令値と制御系
の出力との間に相関関係が存在しない場合にはフィード
バック制御は成立し得ないからである。
ップ制御を行う従来技術としては、例えば、ロックアッ
プクラッチのスリップ回転数に対し所定の切り換え線
(閾値)を設定し、上記オープン制御/フィードバック
制御の切り換えを、前記切り換え線上の値と現在のスリ
ップ回転数との大小比較の結果に基づいて実施するもの
がある。
適用領域の低速化や自動変速機の複数の変速段でロック
アップし得るようにすることによりロックアップ適用領
域を広域化したり、ロックアップクラッチの締結までの
時間を最適化するために、図7に示すように、トルクコ
ンバータ状態からロックアップクラッチを締結する場合
の切り換え線(スリップ回転数閾値1)を、プリチャー
ジ制御開始時のスリップ回転数から所定量(例えば20
%)減少させた値に設定し、その値をスリップ回転数が
下回ったときからフィードバック制御(PID制御)を
行い、その後スリップ回転数が所定値(例えば20rp
m;スリップ回転数閾値2)を下回ったときからランプ
制御を開始し、スリップ回転数が上記スリップ回転数閾
値1を越えたときからランプ制御でロックアップクラッ
チを解放するようにしたものがある。
領域の低速化や広域化を実現しようとする場合、スリッ
プ回転数に対する切り換え線をある値に固定してその切
り換え線により上記オープン制御/フィードバック制御
の切り換え時機を判断する従来技術では、締結するまで
の時間を最適化することが難しい。また、制御開始時の
スリップ回転数からの減少代を用いて上記オープン制御
/フィードバック制御の切り換え時機を判断する従来技
術では、ロックアップクラッチの制御の有無に拘らずス
リップ回転数が変化してしまう運転状態において誤動作
する惧れがある。
うにスリップ回転数を制御しようとする場合、車両の加
速時等のように車両の運動状態の変化に伴ってスリップ
回転数が減少する場合には、ロックアップクラッチに対
する制御の効果によりスリップ回転数に変化が生じたの
ではないにも拘らず、スリップ回転数が切り換え線(ス
リップ回転数閾値1)を下回ったとき、まだ不感帯にあ
るのに不感帯を脱したものと判断してオープン制御(プ
リチャージ制御)を終了させてフィードバック制御に切
り換えてしまう。その結果、図8に示すように、不感帯
の影響で制御不能になってPID制御による過大出力を
招き、締結ショックの悪化やロックアップクラッチの張
り付き、制御安定性の劣化等の問題を招いてしまう。
車速、スロットル開度等に基づいて参照することにより
切り換え線を決定する方法も考えられるが、その場合、
上記ロックアップ適用領域の低速化や広域化を考慮する
と、極めて広い範囲においてマッチングさせることが必
要となり、さらに、走行路の勾配等のように事前予測や
検出が難しい外乱も予想されるため問題が多く、実現が
難しい。
制御とは無関係である車両の運転状態等の変化によるス
リップ回転数の変化に左右されることなく、常に最適タ
イミングでオープン制御およびフィードバック制御を切
り換える技術を提供し、もって上述の問題を解決するこ
とを目的とする。
の流体作動式摩擦要素の締結制御装置は、図1に概念を
示す如く、エンジンからの駆動力を伝達する流体伝動装
置と、該流体伝動装置に対し並列に設置され該流体伝動
装置のスリップ動作を制限し得る流体作動式摩擦要素と
を具える自動変速機において、前記流体伝動装置および
流体作動式摩擦要素への入力回転数を検出する入力回転
数検出手段と、前記流体作動式摩擦要素のスリップ回転
数を検出するスリップ回転数検出手段と、前記スリップ
回転数を制御し得るスリップ回転数制御手段と、該スリ
ップ回転数制御手段に対する制御指令値を演算する制御
指令値演算手段と、前記流体作動式摩擦要素の締結トル
クを検出または推定する締結トルク検出手段と、前記流
体伝動装置および流体作動式摩擦要素への入力トルクを
検出または推定する入力トルク検出手段と、前記流体伝
動装置のスリップ動作に応じて発生するスリップトルク
を検出または推定するスリップトルク検出手段とを有す
る自動変速機制御装置を具えるとともに、前記流体作動
式摩擦要素の締結時に、前記流体伝動装置および流体作
動式摩擦要素への入力トルクと、前記スリップトルク
と、エンジン回転数と、前記流体伝動装置の出力回転数
とにより構築した力学モデルに基づき前記流体作動式摩
擦要素の分担トルクを推定し、該分担トルクを所定値と
比較することにより少なくとも2種類の制御ロジックを
切り換えるよう制御する制御手段を具えて成ることを特
徴とするものである。
て供給される流体圧によりロスストロークを行い、さら
なる流体圧の供給により完全締結される。その間、上記
ロスストロークによって制御の不感帯が生じ、現在の制
御系が不感帯にあるときに制御ロジックの切り換えを行
うと制御不能の事態を招くことになる。
流体作動式摩擦要素を並列配置した系への入力トルク
と、流体伝動装置のスリップ動作に応じて発生するスリ
ップトルクと、エンジン回転数と、前記流体伝動装置の
出力回転数とにより力学モデルを構築し、その力学モデ
ルにより流体作動式摩擦要素の分担トルクを推定し、こ
の分担トルクに基づいてロスストロークの終了を判断
し、そのロスストローク終了の判断時に制御ロジックの
切り換えを行う。
御であるプリチャージ制御からフィードバック制御であ
るPID制御に切り換えるタイミングが運転条件の変化
に拘らず常に適正タイミングとなる。したがって、制御
不能時のオープン制御による過大出力により、締結ショ
ックの悪化やロックアップクラッチの張り付き、制御安
定性の劣化等の問題が生じることはなく、また、マップ
を車速、スロットル開度等に基づいて参照することによ
り切り換え線を決定する場合の煩雑なマッチング作業を
行うこともない。
置および流体作動式摩擦要素として夫々、トルクコンバ
ータおよびロックアップクラッチを使用し、前記スリッ
プトルク検出手段は、前記トルクコンバータおよびロッ
クアップクラッチへの入力回転数、前記トルクコンバー
タの出力回転数および前記トルクコンバータの特性によ
り前記スリップトルクを推定し、前記制御手段は、前記
スリップトルクと前記トルクコンバータおよびロックア
ップクラッチへの入力トルクとの差分値により前記ロッ
クアップクラッチ分担トルクを推定し、このロックアッ
プクラッチ分担トルクが所定値未満の場合には現在の制
御系が不感帯にあると判断し、所定値以上の場合には現
在の制御系が制御可能領域にあると判断し、これら判断
に基づいて2種類の制御ロジックを切り換えるよう構成
するのが好ましい。
不感帯にあると判断した場合には制御ロジックをオープ
ン制御にし、現在の制御系が制御可能領域にあると判断
した場合には制御ロジックをフィードバック制御にする
よう切り換えるよう構成するのが好ましい。さらに、そ
の構成において、前記制御指令値が所定範囲内にあるに
も拘らず前記ロックアップクラッチ分担トルクが所定値
未満の場合には、現在の制御系が前記ロックアップクラ
ッチのロスストロークによる不感帯にあると判断してプ
リチャージ制御を行い、その後前記ロックアップクラッ
チ分担トルクが所定値に達した時点をもって前記ロスス
トロークの終了と判断してPID制御に切り換えるよう
構成するのが好ましい。
説明する。図2はトルクコンバータ内におけるロックア
ップクラッチの締結制御に適用した本発明装置の一実施
例を示し、図中10はエンジン、11はそのクランクシ
ャフト、12はフライホイル、13は自動変速機のトル
クコンバータ、14は自動変速機の歯車変速機構に至る
入力軸である。
る入力要素(ポンプインペラ)13aおよびこれに対向
設置した出力要素(タービンランナ)13bを主たる構
成要素とし、これら入出力要素間を適宜直結するロック
アップクラッチ13cを有している。なお、出力要素
(タービンランナ)13bおよびロックアップクラッチ
13cは夫々変速機入力軸14に駆動結合し、トルクコ
ンバータ13にはオイルポンプ15からの作動流体を供
給し、保圧弁16を経てこの作動流体をドレンすること
によりトルクコンバータ13内に常時コンバータ圧Pc
の作動流体を充満させる。したがって、トルクコンバー
タ13はエンジン駆動される入力要素13aにより内部
作動流体を介し出力要素13bを流体駆動してエンジン
動力を変速機入力軸14に伝達し、ロックアップクラッ
チ13cの締結時にはその締結度合に応じた割合でエン
ジン動力を当該流体駆動による他に直接機械的に変速機
入力軸14へ伝達する割合を高めるものとする。
室13d内のロックアップ制御圧Puにより行い、この
ロックアップ制御圧Puをロックアップ制御弁17によ
り決定する。このロックアップ制御弁17は、例えば特
開平5−296337号の図2に示すように構成し、コ
ンバータ圧Pc、電子制御圧Psおよびロックアップ制
御圧Puの圧力バランスにより図示しないスプールをス
トローク制御することによりロックアップ制御圧Puを
調圧する。すなわち、電子制御圧Psの消失時にはロッ
クアップ制御圧Puがコンバータ圧Pcと等しくなって
ロックアップクラッチ13cが解放され、電子制御圧P
sの上昇につれてロックアップ制御圧Puが低下するこ
とによりロックアップクラッチ13cの締結力が増大
し、電子制御圧Psがある値を越えるとロックアップ制
御圧Puが0に保たれ、ロックアップクラッチ13cが
完全締結される。
デューティソレノイド弁19により制御する。デューテ
ィソレノイド弁19は、コントローラ(自動変速機制御
装置)21からの駆動デューティDに応じて開度制御さ
れ、この開度をデューティD=0%で最大にして電子制
御圧Psを消失せしめ、デューティDの増大につれ当該
開度を減じて電子制御圧Psを漸増させ、D=100%
で最終的にドレンポート18cを全閉して電子制御圧P
sをライン圧PL と同じ最高値にするものとする。
ては、デューティDを0%にしてトルクコンバータ13
のロックアップクラッチ13cを解放した状態(コンバ
ータ状態)から、デューティDを漸増してロックアップ
クラッチ13cをロスストロークさせ、デューティDの
さらなる増大によりロックアップクラッチ13cを締結
させ、その締結度合(デューティ値D)に応じてトルク
コンバータ13の入出力要素間における相対回転(スリ
ップ)を制限または無くして、トルクコンバータのスリ
ップ制御状態またはロックアップ状態を達成することが
できる。
イド弁19の駆動デューティDを決定するために、エン
ジン出力トルク(トルクコンバータ13およびロックア
ップクラッチ13cへの入力トルク)T1を検出するト
ルクセンサ22からの信号、変速機入力軸トルク(トル
クコンバータ出力トルク)T2を検出するトルクセンサ
23からの信号、エンジン回転数(トルクコンバータ1
3およびロックアップクラッチ13cへの入力回転数)
N1を検出するエンジン回転センサ24からの信号、ト
ルクコンバータ13の出力回転数(タービンランナ13
bの回転数)N2を検出するタービン回転センサ25か
らの信号、車速Vspを検出する車速センサ26からの
信号、およびスロットル開度Tvoを検出するスロット
ル開度センサ27からの信号を夫々入力する。
れ、これら入力情報に基づいて図3の制御プログラムを
実行することにより本発明が狙いとするロックアップク
ラッチ締結制御、すなわちロックアップクラッチ13c
に対する制御ロジックをオープン制御(例えばプリチャ
ージ制御)およびフィードバック制御(例えばPID制
御;トルクコンバータのスリップ制御およびロックアッ
プ制御)の間で切り換える制御を実施する。
ば車速Vspおよびスロットル開度Tvoに基づいて現
状維持モードが否かの判定を行う。この判定は、例えば
図4(特開平5−231531号公報の図4と同一であ
る)に示すようなマップをVspおよびTvoにより検
索して現在の制御領域がロックアップ(LU)領域、ス
リップ(SL)領域、コンバータ(CV)領域のどれに
該当するかを判定し、各制御領域間での移動(例えば図
示CV←→SLのように2つの領域の境界を横切る状態
変化)がなければ現状維持モードと判定して制御をステ
ップ52以降に進め、移動があれば現状維持モードでは
ないと判定して制御をステップ53以降に進める。
によりロックアップクラッチ13cを締結すべき状況か
否かの判定を行う。この判定で、現在の制御領域がCV
領域であれば、トルクコンバータ13をスリップ制限し
ないコンバータ状態にすべき領域であるので、制御をス
テップ54に進めてロックアップ駆動デューティDを0
%にしてロックアップクラッチ解放制御を行い、CV領
域以外であれば、トルクコンバータ13をスリップ制限
すべき領域であるので、制御をステップ55に進めて後
述するロックアップクラッチ分担トルク推定ロジックを
実施する。
述のようにして求めたロックアップクラッチ分担トルク
推定値が所定値(例えば図6に示すロックアップクラッ
チ分担トルク推定値閾値)を越えたか否かを判定し、越
えた場合には図6に示すようにステップ57でフィード
バック制御(PID制御)を行い、越えない場合にはス
テップ58でオープン制御(プリチャージ制御)を行
う。これらフィードバック制御およびオープン制御は、
ステップ57、ステップ58、ステップ54の次のステ
ップ59の判別によりスリップ回転数(N1−N2)が
図6に示す目標値に達するまで繰り返し実行され、目標
値に達した時点で終了する。なお、上記プリチャージ制
御は、締結ショックが生じない範囲内でロックアップク
ラッチのロスストロークを最短時間で行わせるためのも
のであり、例えば図6に示すような波形により行う。
テップ52に進む現状維持モードの場合には、ステップ
52で、上記と同様の領域判定によりロックアップクラ
ッチ13cをスリップロックアップすべき状況か否かの
判定を行う。この判定で、現在の制御領域がSL領域で
あれば制御をステップ60に進めてトルクコンバータ1
3に対しスリップロックアップ制御を実行してロックア
ップスリップを一定値に制御し、SL領域でなければ制
御をステップ61に進める。ステップ61では、上記と
同様の領域判定によりロックアップクラッチ13cをロ
ックアップすべき状況か否かの判定を行う。この判定
で、現在の制御領域がLU領域であれば制御をステップ
62に進めてトルクコンバータ13に対するロックアッ
プ圧を最大値にし、LU領域でなければ制御をステップ
63に進めてトルクコンバータ13に対するロックアッ
プ圧を最小値にする。なお、上記ステップ60、ステッ
プ62、ステップ63の制御は、これらステップの次の
ステップ59の判別によりスリップ回転数(N1−N
2)が図6に示す目標値に達するまで繰り返し実行さ
れ、目標値に達した時点で終了する。
ク推定ロジックについて説明する。いま、図5に示すよ
うな力学モデルを構築し、この力学系の定常状態の挙動
を考察すると、この力学モデルと、トルクコンバータ特
性とにより、トルクコンバータ13およびロックアップ
クラッチ13cへの入力トルクT1、トルクコンバータ
出力トルクT2、ポンプインペラトルクTinp、ター
ビンランナトルクTturおよびクラッチ分担トルクT
1cltは夫々、以下のように表わされる。 T1 =Tinp+T1clt (1) Tinp =τ(e)N12 (2) Ttur =t(e)Tinp (3) T1clt=T2clt (4) T2 =Ttur+T2clt (5) ただし、e=N1/N2(速度比)であり、(e)はe
の関数であることを示している。
られる。 T1clt=T1−τ(e)N12 (6) この(6)式は、上記力学系への入力トルクT1および
入力回転数N1と、トルクコンバータ出力回転数N2
と、トルクコンバータ特性とが分かれば、ロックアップ
クラッチの分担トルクT1cltを推定し得ることを示
している。このことは、上記力学系への入力トルクT1
と、トルクコンバータのスリップ動作に応じて発生する
スリップトルクとが分かれば、ロックアップクラッチの
分担トルクT1cltを推定し得ることと等価である。
ンジンおよびトルクコンバータ、ロックアップクラッチ
の入力側のイナーシャ成分を加えた次式、 T1clt=T1−τ(e)N12 −I・dN1/dt (7) (ただし、dN1/dtはN1の一階微分を示す)とな
る。このとき、速度比eの関数として表わされるトルク
容量係数τは、上記力学系の挙動に比べて流体系の挙動
の変化が十分に速いため、定常時の値で近似することが
可能である。
に対応してロックアップクラッチの分担トルクが変化し
ない状態になることを指すことから、上記(6)式また
は(7)式を用いてロックアップクラッチの分担トルク
を推定することにより、ロックアップクラッチの締結状
態を監視することが可能となり、したがってトルクコン
バータおよびロックアップクラッチを有する力学系への
不感帯の影響を除去することができる。特に、問題の大
きいロックアップクラッチのロスストロークによる不感
帯についても、上述したようにロックアップクラッチ分
担トルク推定値T1cltを所定値(閾値)と比較し、
その結果に基づいてオープン制御(プリチャージ制
御)、フィードバック制御(PID制御)のどちらか一
方を選択的に実施するようにしているので、例えば、図
8に示すような車両の加速に伴うスリップ回転数の変化
により不感帯の影響で制御不能を招く運転状態において
も、図6に示すようにロックアップクラッチ締結までに
要する時間を最適化した上で、運転性に悪影響を及ぼす
ことのない制御が可能となる。
クアップクラッチが締結してしまえば、その後再びロッ
クアップクラッチが解放されるまでは制御指令値と実際
のスリップ回転数との間に相関関係が生じてフィードバ
ック制御が可能になるので、上記所定値(閾値)として
はロックアップクラッチの締結の判断ができるものを用
いればよく、車両の運動状態等の影響を受ける可能性は
少ないと考えることができる。したがって、マップを車
速、スロットル開度等に基づいて参照することにより切
り換え線を決定する従来技術を採用した場合のように極
めて広い範囲におけるマッチングが必要となることはな
く、マッチングの工数を大幅に削減することができる。
素の締結制御装置は上述の如く、流体伝動装置および流
体作動式摩擦要素を並列配置した系への入力トルクと、
流体伝動装置のスリップ動作に応じて発生するスリップ
トルクと、エンジン回転数と、前記流体伝動装置の出力
回転数とにより力学モデルを構築し、その力学モデルに
より流体作動式摩擦要素の分担トルクを推定し、この分
担トルクに基づいてロスストロークの終了を判断し、そ
のロスストローク終了の判断時に制御ロジックの切り換
えを行うから、制御ロジックを例えばオープン制御であ
るプリチャージ制御からフィードバック制御であるPI
D制御に切り換えるタイミングが運転条件の変化に拘ら
ず常に適正タイミングとなり、制御不能時のオープン制
御による過大出力により、締結ショックの悪化やロック
アップクラッチの張り付き、制御安定性の劣化等の問題
が生じることはなく、また、マップを車速、スロットル
開度等に基づいて参照することにより切り換え線を決定
する場合の煩雑なマッチング作業を行うこともない。
置および流体作動式摩擦要素として夫々、トルクコンバ
ータおよびロックアップクラッチを使用し、前記スリッ
プトルク検出手段は、前記トルクコンバータおよびロッ
クアップクラッチへの入力回転数、前記トルクコンバー
タの出力回転数および前記トルクコンバータの特性によ
り前記スリップトルクを推定し、前記制御手段は、前記
スリップトルクと前記トルクコンバータおよびロックア
ップクラッチへの入力トルクとの差分値により前記ロッ
クアップクラッチ分担トルクを推定し、このロックアッ
プクラッチ分担トルクが所定値未満の場合には現在の制
御系が不感帯にあると判断し、所定値以上の場合には現
在の制御系が制御可能領域にあると判断し、これら判断
に基づいて2種類の制御ロジックを切り換えるよう構成
するのが好ましい。
不感帯にあると判断した場合には制御ロジックをオープ
ン制御にし、現在の制御系が制御可能領域にあると判断
した場合には制御ロジックをフィードバック制御にする
よう切り換えるよう構成するのが好ましい。さらに、そ
の構成において、前記制御指令値が所定範囲内にあるに
も拘らず前記ロックアップクラッチ分担トルクが所定値
未満の場合には、現在の制御系が前記ロックアップクラ
ッチのロスストロークによる不感帯にあると判断してプ
リチャージ制御を行い、その後前記ロックアップクラッ
チ分担トルクが所定値に達した時点をもって前記ロスス
トロークの終了と判断してPID制御に切り換えるよう
構成するのが好ましい。
置を示す概念図である。
ッチの締結制御に適用した本発明装置の一実施例を示す
システム図である。
ラッチ締結制御の制御プログラムを示すフローチャート
である。
制御領域がロックアップ領域、スリップ領域、コンバー
タ領域のどれに該当するかを判定するためのマップを例
示する図である。
推定ロジックを説明するための力学モデルを示す図であ
る。
て説明するための図である。
ある。
を説明するための図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 エンジンからの駆動力を伝達する流体伝
動装置と、該流体伝動装置に対し並列に設置され該流体
伝動装置のスリップ動作を制限し得る流体作動式摩擦要
素とを具える自動変速機において、 前記流体伝動装置および流体作動式摩擦要素への入力回
転数を検出する入力回転数検出手段と、前記流体作動式
摩擦要素のスリップ回転数を検出するスリップ回転数検
出手段と、前記スリップ回転数を制御し得るスリップ回
転数制御手段と、該スリップ回転数制御手段に対する制
御指令値を演算する制御指令値演算手段と、前記流体作
動式摩擦要素の締結トルクを検出または推定する締結ト
ルク検出手段と、前記流体伝動装置および流体作動式摩
擦要素への入力トルクを検出または推定する入力トルク
検出手段と、前記流体伝動装置のスリップ動作に応じて
発生するスリップトルクを検出または推定するスリップ
トルク検出手段とを有する自動変速機制御装置を具える
とともに、 前記流体作動式摩擦要素の締結時に、前記流体伝動装置
および流体作動式摩擦要素への入力トルクと、前記スリ
ップトルクと、エンジン回転数と、前記流体伝動装置の
出力回転数とにより構築した力学モデルに基づき前記流
体作動式摩擦要素の分担トルクを推定し、該分担トルク
を所定値と比較することにより少なくとも2種類の制御
ロジックを切り換えるよう制御する制御手段を具えて成
ることを特徴とする、流体作動式摩擦要素の締結制御装
置。 - 【請求項2】 請求項1記載の流体作動式摩擦要素の締
結制御装置において、前記流体伝動装置および流体作動
式摩擦要素として夫々、トルクコンバータおよびロック
アップクラッチを使用し、前記スリップトルク検出手段
は、前記トルクコンバータおよびロックアップクラッチ
への入力回転数、前記トルクコンバータの出力回転数お
よび前記トルクコンバータの特性により前記スリップト
ルクを推定し、前記制御手段は、前記スリップトルクと
前記トルクコンバータおよびロックアップクラッチへの
入力トルクとの差分値により前記ロックアップクラッチ
分担トルクを推定し、このロックアップクラッチ分担ト
ルクが所定値未満の場合には現在の制御系が不感帯にあ
ると判断し、所定値以上の場合には現在の制御系が制御
可能領域にあると判断し、これら判断に基づいて2種類
の制御ロジックを切り換えるよう構成したことを特徴と
する、流体作動式摩擦要素の締結制御装置。 - 【請求項3】 請求項2記載の流体作動式摩擦要素の締
結制御装置において、現在の制御系が不感帯にあると判
断した場合には制御ロジックをオープン制御にし、現在
の制御系が制御可能領域にあると判断した場合には制御
ロジックをフィードバック制御にするよう切り換えるよ
う構成したことを特徴とする、流体作動式摩擦要素の締
結制御装置。 - 【請求項4】 請求項3記載の流体作動式摩擦要素の締
結制御装置において、前記制御指令値が所定範囲内にあ
るにも拘らず前記ロックアップクラッチ分担トルクが所
定値未満の場合には、現在の制御系が前記ロックアップ
クラッチのロスストロークによる不感帯にあると判断し
てプリチャージ制御を行い、その後前記ロックアップク
ラッチ分担トルクが所定値に達した時点をもって前記ロ
スストロークの終了と判断してPID制御に切り換える
よう構成したことを特徴とする、流体作動式摩擦要素の
締結制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3143394A JP3480027B2 (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 流体作動式摩擦要素の締結制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3143394A JP3480027B2 (ja) | 1994-03-01 | 1994-03-01 | 流体作動式摩擦要素の締結制御装置 |
Publications (2)
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