JPH07238719A - 車両用シリンダ錠 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用シリンダ錠を固定する車両のパネルと
シリンダ錠のケースと連結部の剛性を高くすることによ
り、シリンダ錠の傾斜及び回転に対する抵抗力を増加す
る。 【構成】 ケース２の長さ方向に突出する４つの係合突
起２０をケース２のフランジ部８に形成し、各係合突起
２０に対応する切欠孔２１をパネル５の開口部２２の周
囲に形成する。シリンダ錠１をパネル５に固定したと
き、４つの係合突起２０をパネル５の対応する切欠孔２
１に係合させて、係合突起２０とパネル５の切欠孔２１
とによりパネル５とシリンダ錠１のケース２との連結部
の剛性を高する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、シリンダ錠、特に強
制的に変形力を加えてシリンダ錠を傾斜及び回転させる
不正解錠に対し抵抗力のある車両用シリンダ錠に関連す
る。

【０００２】

【従来の技術】シリンダ錠は建築物及び車両を含む種々
の分野において使用されている。シリンダ錠はケース
と、ケース内に配置されたキーシリンダと、キーシリン
ダの内端に取付けられかつロック装置に作動連結された
レバーとを有する。キーシリンダにはタンブラスプリン
グによりキーシリンダの外側に付勢された複数のタンブ
ラが設けられ、特定のキーをキーシリンダ内に挿入した
ときに、タンブラはキーシリンダ内に引っ込む位置に移
動して、キーを回転することができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】例えば、実開平２−３
４６６６号公報は、リテーナクリップを使用してシリン
ダ錠を自動車のドアパネルに固定するシリンダ錠を示
す。このような従来のシリンダ錠の取付状態を図３及び
図４について説明する。

【０００４】シリンダ錠１のケース２の筒部２ａには径
方向外側に突出する２つの突起３、４が形成され、ケー
ス２のフランジ部８をドアパネル５に当接させたとき、
突起３、４はドアパネル５の切欠部６及び７にそれぞれ
係止される。ドライバ等の工具９を鍵孔に挿入した後、
工具９をいずれかの矢印１１方向に傾斜させると、シリ
ンダ錠１が傾斜してドアロック装置が不正に解錠される
ことがあり、また、回転によりシリンダ錠１をドアパネ
ル５から脱落させることがあり、盗難を十分に防止する
ことができなかった。これは、ドアパネル５の２つの切
欠部６及び７のみでシリンダ錠１の傾斜又は回転を阻止
するためと考えられる。

【０００５】そこで、この発明はシリンダ錠を固定する
車両のパネルとシリンダ錠のケースと連結部の剛性を高
くすることにより、シリンダ錠の傾斜及び回転に対する
抵抗力の高い車両用シリンダ錠を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明による車両用シ
リンダ錠は、ケースと、ケース内に回転可能に配置され
たキーシリンダとを備えている。ケースに形成されたフ
ランジ部を車両のパネルに当接した後、ケースに形成さ
れた対向突起部とパネルとの間にリテーナクリップを装
着してパネルに車両用シリンダ錠を固定する。ケースの
フランジ部の内面に複数の係合突起を形成し、各係合突
起に対応する切欠孔を車両のパネルに形成する。シリン
ダ錠をパネルに固定したとき、係合突起が切欠孔に係合
する。

【０００７】

【作用】ケースに形成した複数の係合突起をパネルの対
応する切欠孔に係合させて、複数の係合突起とパネルの
切欠孔とによりパネルとシリンダ錠のケースと連結部の
剛性を高して、工具を挿入したシリンダ錠の不正な傾斜
及び回転を抑制する。

【０００８】

【実施例】以下、この発明による車両用シリンダ錠の実
施例を図１及び図２について説明する。これらの図面で
は、図３及び図４に示す箇所と同一の部分には同一の符
号を付し、説明を省略する。

【０００９】この発明による車両用シリンダ錠１では、
ケース２の長さ方向に突出する４つの係合突起２０をケ
ース２のフランジ部８に形成する。また、各係合突起２
０に対応する切欠孔２１をパネル５の開口部２２の周囲
に形成する。係合突起２０及び切欠孔２１を形成する数
は設計上決定されるが、少なくとも２つ必要である。リ
テーナクリップ１０をケース２に固定するため、ケース
２に形成された対向突起部２５、２６はパネル５に形成
された切欠部２３及び２４を通過する。

【００１０】組立の際には、公知の取付方法と同様に、
ケース２を開口部２２内に挿入して、ケース２に形成さ
れたフランジ部８をパネル５に当接した後、ケース２に
形成された突起部２５、２６とパネル５との間にリテー
ナクリップ１０を装着してパネル５に車両用シリンダ錠
１を固定する。リテーナクリップ１０によりシリンダ錠
１をパネル５に固定したとき、４つの係合突起２０をパ
ネル５の対応する切欠孔２１に係合させて、係合突起２
０とパネル５の切欠孔２１とによりパネル５とシリンダ
錠１のケース２との連結部の剛性を高して、キーシリン
ダに工具を挿入したシリンダ錠の不正な傾斜及び回転を
抑制する。このように、複数の係合突起２０が切欠孔２
１に係合して外力に対するシリンダ錠１の傾斜及び回転
を抑制することができる。

【００１１】

【発明の効果】上記のように、この発明の車両用シリン
ダ錠では、ケースと連結部の剛性を高して、工具を挿入
したシリンダ錠の不正な傾斜及び回転を抑制することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明による車両用シリンダ錠の実施例を
示す分解斜視図

【図２】 図１の車両用シリンダ錠の断面図

【図３】 従来の車両用シリンダ錠の断面図

【図４】 図３の車両用シリンダ錠の横断面図

【符号の説明】 １．．シリンダ錠、 ２．．ケース、 ３、４．．突
起、 ５．．ドアパネル、 ６、７．．切欠部、
８．．フランジ部、 ９．．工具、 １０．．リテーナ
クリップ、 ２０．．係合突起、２１．．切欠孔、 ２
３、２４．．切欠部、２５、２６．．対向突起部、

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケースと、ケース内に回転可能に配置さ
   れたキーシリンダとを備え、ケースに形成されたフラン
   ジ部を車両のパネルに当接した後、ケースに形成された
   対向突起部とパネルとの間にリテーナクリップを装着し
   てパネルに固定される車両用シリンダ錠において、 ケースのフランジ部の内面に複数の係合突起を形成し、
   各係合突起に対応する切欠孔を車両のパネルに形成し、
   シリンダ錠をパネルに固定したとき、係合突起が切欠孔
   に係合することを特徴とする車両用シリンダ錠。