JPH07238636A - 極厚大径角形鋼管内ダイヤフラムの位置決め及び溶接工法 - Google Patents

極厚大径角形鋼管内ダイヤフラムの位置決め及び溶接工法

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JPH07238636A
JPH07238636A JP5250094A JP5250094A JPH07238636A JP H07238636 A JPH07238636 A JP H07238636A JP 5250094 A JP5250094 A JP 5250094A JP 5250094 A JP5250094 A JP 5250094A JP H07238636 A JPH07238636 A JP H07238636A
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steel pipe
diaphragm
positioning
welding
diameter
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JP5250094A
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Hiroshi Nakajima
拓 中島
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NAKAJIMA KOKAN KK
Original Assignee
NAKAJIMA KOKAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既成の極厚大径角形鋼管を使用して、その内
径の長手軸方向所定位置に、精度良く内ダイヤフラムを
溶着して仕口部を構成する。 【構成】 角形鋼管端面から測って所要長外周面に長手
軸方向に直角にマーキングを施し、そのマーキングの上
で平坦面内側所要位置を中心に内ダイヤフラム位置決め
孔を穿設し、周囲に裏当て金を取付けた内ダイヤフラム
を鋼管内径に挿入して前記貫通孔に嵌着したノックピン
に係合させ長手軸方向の位置決めをし、裏当て金を鋼管
内径と仮付け溶接した後、前記位置決め貫通孔から、そ
れぞれ電極を挿入して鋼管内壁と内ダイヤフラムの対向
する左右辺とを対称的に、かつ同時にエレクトロスラグ
溶接する。溶接完了後、前記鋼管を90°回転して、同様
に内ダイヤフラムをエレクトロスラグ溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明工法は、既成の極厚大径角
形鋼管に対して内ダイヤフラムを取付け、柱貫通タイプ
の柱はり仕口構造を構成する場合における、前記角形鋼
管に対する内ダイヤフラムの位置決め及び溶接工法に関
する。
【0002】
【従来の技術】角形鋼管など四角形の閉鎖断面形状をし
た柱はり仕口材の成形工法は、従来、下記のようなもの
が知られている。 (a)柱貫通タイプでスプリット内ダイヤフラム形式の
場合は、断面コ字形鋼材の内側所定個所にダイヤフラム
を、それぞれ溶着した一対の構造材を腹合わせに向き合
わせ、各材のフランジ部を突き合わせ溶接して角形鋼管
を形成し、同鋼管の内ダイヤフラム取付け個所に対応す
る外周壁に、それぞれH形鋼材などのブラケットを溶接
してなり、前記の構造体では、
【0003】コ字形鋼材を角形鋼管に組立て、同組立
後、2ケ所のシーム溶接が必要となるので、そのため作
業効率が悪く溶接量も2倍となり、コスト高となる。 内ダイヤフラムを溶着する工程でコ字形鋼材断面形に
溶接歪みが発生し、寸法精度がばらついて、鋼管形状が
悪くなる。 スプリットダイヤフラム方式のため、等方性の断面が
得られず、弱軸をベースにして設計が行われるので、特
にラーメン構造では経済性に問題がある。 ダイヤフラムの応力の伝達についてスプリット方式に
ついては、問題視する傾向にある。
【0004】(b)はり貫通タイプで通しダイヤフラム
形式の場合には、角形鋼管を長手軸方向に短く切断し、
その両開口端面に開先加工を施したのち、裏当て金を取
り付け、それぞれダイヤフラムを突き合わせ溶接をして
仕口コアを製作し、同鋼管の周壁にH形鋼などよりなる
ブラケットを、それぞれ溶接して仕口材を形成する。次
工程で仕口材間に柱に相当する角形鋼管を溶接してつな
ぎ合わせ、柱材を完成させる。前記構造体では、
【0005】溶接長が多い。たとえば、上記内ダイヤ
フラム構造に較べ、溶接長が略、2倍にもなる。すなわ
ち、溶接工程、溶接資材が余分に掛かるのでコスト高の
要因となる。 組立及び溶接作業工程が非常に複雑で、工数が多く、
コスト高を招く。もっとも、最近は仕口コアの突き合わ
せ溶接については溶接ロボットによる工法が開発され、
自動溶接によって良好な溶接継手が形成される。 鋼管の長手方向軸に直交して位置する溶接継手が多
く、施工時、柱材の直線精度が低下するおそれがある。
特に、溶接熱影響による大曲などの歪の発生が懸念され
る。
【0006】(c)四面ボックスによる仕口材は、一般
的に極厚のボックスの成形の際に用いられ、既成の角形
鋼管を使用するのでなくして、内ダイヤフラムの対応す
る左右2辺の鋼板と、それをつなぐ底辺の鋼板の、計3
辺の鋼板の内壁と、同内ダイヤフラムとの間を突き合わ
せ溶接すると共に、同ダイヤフラムの上辺をエレクトロ
スラグ溶接が可能なように、同辺に接する鋼板内壁との
間隙(20〜30mm程度)を明けるように同ダイヤフラムの
形状を整形し、その間隙個所に両側から裏当て金を施し
て塞ぐ。
【0007】次に、底辺に対応する残りの一辺の鋼板を
外側より取付け、長手軸方向に仮付け溶接を行い、四面
ボックス形状を形成する。同ボックスの各隅部には長手
軸方向に裏当て金が取り付けられており、前記隅部は外
面から溶接が行われる。最後に、同ダイヤフラムの間隙
に相当する四面ボックス外周位置に、それぞれ孔明けし
て、その孔から電極を挿入し裏当て金に囲まれた同ダイ
ヤフラムの一辺とボックス材内壁との間をエレクトロス
ラグ溶接する。したがって、
【0008】組立加工工程が複雑で、同工数が多くか
かり、コスト高を招く。 各工程に時間が掛かり、手作業による諸工程が多いた
め、生産性が低い。 全体として溶接長が大きく(四隅のシーム溶接のた
め)、溶接工程、同資材がかさみ、コスト高となる。 溶接による大曲り歪の発生及び捩じれが多発してい
る。 等々、いずれの仕口材にも、それぞれ問題点があること
が知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明工法は、
上記の従来工法に内在する各問題点を解消することを目
的とするもので、既成の極厚大径角形鋼管を使用して、
柱貫通タイプの内ダイヤフラムを備えた仕口材を、比較
的に工数が少なく経済的に、かつ、高精度で所要の強度
を保持しながら形成することができる、極厚大径角形鋼
管内ダイヤフラムの位置決め及び溶接工法を提供しよう
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明工法は、上述の目
的を達成するため、以下に述べるとおりの各構成要件を
具備してなる。 1 (1)既成の角形鋼管端面から長手軸方向に測って
内ダイヤフラム取付け位置を、外側全周に亘って、マー
キングする。 (2)上記マーキングに沿って、角形鋼管の四隅コーナ
ー外面から測って前記鋼管板厚と同一厚み分だけ平坦面
側に入ったところ、それぞれ8か所にに第2のマーキン
グをする。
【0011】(3)前記周方向のマーキングに沿い、第
2のマーキングを基準にして溶接所要間隔の略、1/2
長さ分だけ平坦面側に入ったところに、それぞれ第3の
マーキングをする。 (4)上記第3のマーキングを中心にして、20〜30mmφ
程度の直径の内ダイヤフラム位置決め貫通孔を、鋼管の
対応する各一平坦面につき2個宛、少なくとも4個、垂
直方向に穿設する。
【0012】(5)前記角形鋼管断面内径よりも、それ
ぞれ所定間隔だけ小径であり、対応する一対の辺の各コ
ーナー部付近に、それぞれセンターガイド付き阻止部材
を突設したダイヤフラムで前記ダイヤフラムの全周両側
面に、それぞれ裏当て金を取付け、前記裏当て金の外径
側を前記角形鋼管断面内径と略、同一とした内ダイヤフ
ラムを、その平面が鋼管の長手軸に直交するような姿勢
で、前記角形鋼管の内径に挿入する。その際、内ダイヤ
フラム周辺に突設した各阻止部材が、角形鋼管に穿設し
た前記位置決め貫通孔方向を遮ることがない関係を維持
できるよう、前記ダイヤフラムの向きを調整して装着す
る。
【0013】(6)角形鋼管に設けた前記位置決め貫通
孔位置に前記ダイヤフラムを略、合わせて配置したの
ち、上下、左右4つの同位置決め貫通孔に、それぞれ
略、同径のノックピンを挿入し、そのピン先端を前記ダ
イヤフラム周辺に設けた阻止部材のセンターガイドに係
止させ、鋼管に対する内ダイヤフラムの組付け位置決め
をする。
【0014】(7)角形鋼管端から鋼管内径側に溶接手
段を挿入し、鋼管内壁と前記内ダイヤフラムの裏当て金
とを適宜、仮付け溶接し、固着する。 (8)内ダイヤフラム位置決め貫通孔から前記ノックピ
ンを外し、また、前記溶接手段を角形鋼管から抜き出
す。 上記第(1)〜(8)項記載の工程よりなる極厚大径角
形鋼管内ダイヤフラムの位置決め工法。
【0015】2 (1)ノックピンを外した内ダイヤフ
ラム位置決め貫通孔の向きが、それぞれ垂直になるよう
角形鋼管を保持すると共に鋼管下側平坦面に明いた前記
位置決め貫通孔を、それぞれフラックスなどの裏当て材
を施して塞ぐ。 (2)角形鋼管上側平坦面に穿設した前記位置決め貫通
孔から垂直方向に、それぞれ電極を挿入し、内ダイヤフ
ラムの対応する2辺と鋼管内壁との間を、両側同時に裏
当て材付近を始点とし順次、上側に向けてエレクトロス
ラグ溶接する。
【0016】(3)溶接完了後、前記角形鋼管を長手方
向中心軸の周りに90°回転し、前記残余の第3のマーキ
ングを中心にして、それぞれ鋼管平坦面に対し略、垂直
方向に鋼管材を穿孔すると共に、内ダイヤフラム周辺に
突設した阻止部材を貫通して溶接用孔を設けたのち、鋼
管下側平坦面に明けた前記溶接用孔をフラックスなどか
らなる裏当て材を、それぞれ施して閉塞し、鋼管上側平
坦面に明けた溶接用孔に、それぞれ電極を挿入し、内ダ
イヤフラムの対応する2辺と鋼管内壁との間を、両側同
時に、裏当て材付近を始点とし順次、上側に向けてエレ
クトロスラグ溶接をする。 上記第(1)〜(3)項記載の工程よりなる請求項1記
載の極厚大径角形鋼管内ダイヤフラムの溶接工法。
【0017】
【実施例】上述した本発明工法の一実施例を、図面に沿
って説明するが、以下に記載の実施例を構成する各要件
は、本発明の出願当時の当業界における公知の技術レベ
ルの範囲内で当業者により各種の変形を加えることが可
能であるから、格別の理由を示すことなく本実施例記載
の具体的構成のみに基づいて、本発明の要旨を限定して
解決してはならない。本発明工法の好ましい、または典
型的な一実施例について述べれば、以下のとおりであ
る。
【0018】図5は、本発明工法を施して、それぞれ所
要位置の内径に内ダイヤフラムを取り付け、仕口部を形
成した既成の極肉厚大径角形鋼管を、その長手方向中心
軸を含む平面により切断して示す断面図であって、図
中、1は、極厚大径角形鋼管、2は、内ダイヤフラム、
6は、内ダイヤフラム2の両側面周縁に仮付け溶接た裏
当て金である。
【0019】本発明工法の対象物である上記極肉厚大径
角形鋼管は既成品でよく、そのサイズは、たとえば、板
厚tは、16〜60mm、材質は、SS400 〜SM520B、角形鋼管
外径は、450 〜850 mmである。上記鋼管の構成は、たと
えば、熱間ロール成形によるワンシーム角形鋼管、熱間
プレス成形による一対のみぞ形材を向き合わせて突き合
わせ溶接したツーシーム角形鋼管、一対の圧延みぞ形材
を溶接してなるツーシーム角形鋼管、圧延山形材を一
対、向き合わせて溶接したツーシーム角形鋼管、四面ボ
ックスなどなど、いずれも既成の大径鋼管である。
【0020】最近は熱間成形工法に基づいて、大径角形
鋼管も材質劣化を招くことなく各コーナーRの曲率半径
を極めて小さくすることが可能となっているが、冷間加
工により成形してコーナーRの曲率半径を小さくするこ
とができない角形鋼管については、本発明工法の対象外
である。図示のものは、角形鋼管内径に複数枚の内ダイ
ヤフラム2が取り付けられているが、本発明工法に基づ
いて、そのうちの一枚の内ダイヤフラムについて位置決
め及び溶接を行う工程を、図面にしたがって説明する
と、次のとおりである。なお、上記複数枚の内ダイヤフ
ラム2のうち、他のダイヤフラムの取付け工法も、以下
の説明と同様である。
【0021】(1)図5中、既成の極厚大径角形鋼管
(以下、角形鋼管または鋼管という)1の端面から測っ
て長手軸方向に所要長Lの位置の鋼管周面上に前記軸に
直交してマーキングを施す。同マーキングの位置が、鋼
管長手軸方向における一枚の内ダイヤフラム2の配置の
中心線と正確に一致する。したがって、複数枚の内ダイ
ヤフラムを鋼管内径に取り付けるときには、それぞれ異
なる所要長のL0 ,L1 ,L2 ,L3 …の位置の鋼管周
面にマーキングを施すことが必要になる。
【0022】(2)鋼管長手方向軸に直角な、前記マー
キングを含む平面によって切断した鋼管断面が、図1,
2に示されているが、同図中、前記マーキングに沿って
鋼管コーナー稜線(仮想)から各内側方向に鋼管肉厚t
と同じ長さだけ測って、平坦面上に第2のマーキングa
を施す。同マーキングaは、鋼管長手方向軸に直角なマ
ーキング上に、合計8個所存在する。 (3)前記第2のマーキングaから、さらに12.5mmだけ
前記マーキングに沿って平坦面内側に測って、第3のマ
ーキングbを施す。したがって前記第3のマーキングb
も、それぞれ合計8個存在する。
【0023】(4)図中、8個の第3のマーキングbの
うちの鋼管周面の対向する上下二平坦面上の計4個の第
3のマーキングbを中心にして、それぞれ、前記平坦面
に直角に、25mmφの内ダイヤフラム位置決め貫通孔4を
穿設する。ここで、角形鋼管1の断面における同鋼管の
各コーナーRの曲率半径は、外形Rが、1.5 〜2.0 t、
内径Rが、0.5 〜1.0 t程度である。
【0024】角形鋼管1の各コーナーRの曲率半径が大
きな場合には、前記第3のマーキングbが、鋼管外周面
の傾斜部に位置するようになって、第3のマーキングb
を中心にし平坦面に直角に、内ダイヤフラム位置決め貫
通孔を精度よく正確に穿設することができないか、また
は著しく困難になるので、さきに述べたようなコーナー
R形状の条件を付与している。前記内ダイヤフラム位置
決め貫通孔4の外周は、理論上、角形鋼管1の内径壁面
に接する(そのとおりでなくとも、機能上は差し支えな
い)。
【0025】(5)2は、角形鋼管内径に装着する内ダ
イヤフラムで、同ダイヤフラムの外径全体は、前記角形
鋼管の内径よりも若干、たとえば、片側につき25mm程度
宛、小径に成形する。それによって生じる前記鋼管内壁
と内ダイヤフラム周辺との間の隙間は、後述するように
エレクトロスラグ溶接の溶融金属が上進溶着する空間で
ある。なお、一般に内ダイヤフラム2の板厚、材質は、
角形鋼管の構成材と同一である。図示していないが、内
ダイヤフラム2には、必要に応じ中央孔を設けることが
できる。
【0026】図1,2中の内ダイヤフラム2の正面図に
おいて、前記ダイヤフラムの対向する上下辺の両端部の
各コーナー付近に、それぞれ一対のセンターガイド付き
阻止部材3を突設し、その先端面側は、図2D−D断面
図(図4)に示すように、角形鋼管内径壁に隙間なく接
触する。これは、上述のエレクトロスラグ溶接時におけ
る溶融金属が外部空間に洩れだすのを防止するためであ
る。前記センターガイド付き阻止部材3は、必ずしも内
ダイヤフラム2と一体であることを要しない。
【0027】このセンターガイドは、図3(a)(図2
A−A断面)に示すように鋼管周壁に穿設した略、25mm
φの内ダイヤフラム位置決め貫通孔4に挿入した同径の
ノックピン5の先端部と係合して、内ダイヤフラム2の
鋼管長手軸方向取付け位置を確定するためのものであ
る。この方法によって、鋼管周壁面に施した前記マーキ
ングの位置と、内ダイヤフラム2の鋼管長手軸方向取付
け位置とを一致させることができる。
【0028】ただし、内ダイヤフラム2の板厚tが30mm
を超えない場合は、内ダイヤフラム位置決め貫通孔4と
ノックピン5との直径を、内ダイヤフラム2の板厚に合
わせるようにすれば、後述の内ダイヤフラム裏当て金と
の係止により、センターガイドを必要とせずに、内ダイ
ヤフラム2の鋼管長手軸方向取付け位置を確定すること
ができるのは、明らかである。
【0029】なお、前記ノックピン5の断面形は、必ず
しも円であることを要しない。すなわち、上記のように
ノックピン5により鋼管長手軸方向に対する内ダイヤフ
ラム2の取付け位置を確定することができれば、その断
面形状の如何を問わない。
【0030】図2,3及び4において、6は、内ダイヤ
フラム2の周辺両側面に隙間なく仮付け溶接した一対の
裏当て金であって、その裏当て金6の外径は角形鋼管内
径壁に隙間なく、たとえば、0.5 mm程度の隙間を許容し
て接触するように形成する。そのため、要すれば内ダイ
ヤフラム2を取り付ける対象角形鋼管1の内径に合わせ
て、前記ダイヤフラムの裏当て金6外周縁を倣い加工す
る。
【0031】本実施例において、裏当て金6の外周縁と
角形鋼管1の内径壁面との間に隙間があると、図3
(b)(図2B−B断面)に示すように角形鋼管の内径
面と内ダイヤフラム2の外周と裏当て金6とにより囲ま
れた空間内に、エレクトロスラグ溶接の溶融金属が滞溜
するとき溶融金属が外部に洩れ、良好な継手の形成を妨
げるおそれがある。この裏当て金6の正面形状は、通
常、各コーナーに丸みを有する角枠に形成されるが、こ
れは板取りの都合により一枚板でなく、複数枚の帯鋼板
を溶接形成しても可である。
【0032】図5において、上述構造の内ダイヤフラム
2を、鋼管1の端面から長手軸線方向に直角で、かつ、
その周縁に設けたセンターガイド付き阻止部材3が、鋼
管周壁に穿設した内ダイヤフラム位置決め貫通孔4と対
向する所定位置までの、距離Lだけ端面から挿入する。
【0033】(6)図2及び図3(a)を参照して、内
ダイヤフラム2が角形鋼管内径の所定位置まで挿入され
ると、その阻止部材3に設けたセンターガイドと鋼管周
壁に穿設した内ダイヤフラム位置決め貫通孔4とが近接
・対向する位置を占める。そこで、前記内ダイヤフラム
位置決め貫通孔4の少なくとも3個、好ましくは4個
に、それぞれ同径のノックピン5を打ち込んで、その先
端部を内ダイヤフラムのセンターガイドに係止させ、前
記位置決め貫通孔4と内ダイヤフラム2のセンターガイ
ド、すなわち、内ダイヤフラム2のセンターとを一致さ
せる。これによって、鋼管長手軸に対する内ダイヤフラ
ム2の組み付け位置Lを確定する。
【0034】(7)上述の組み付け関係を維持したま
ま、角形鋼管1端面から内径の長手軸線方向に溶接手段
を挿入して、鋼管内径壁と内ダイヤフラム2とを、その
裏当て金6を介して仮付け溶接する。前記仮付け溶接
は、片面だけで足りる。また、不連続溶接でよい。内ダ
イヤフラム2の仮付け溶接工程が終了し同ダイヤフラム
を固着し後、それぞれ内ダイヤフラム位置決め貫通孔4
からノックピン5を外す。
【0035】(8)図2を参照して、鋼管下側平坦面に
穿設した内ダイヤフラム位置決め貫通孔4〔図3(c)
参照〕を、それぞれ外側からフラックス等の裏当て材を
使って閉塞する。さきに述べたとおり、前記内ダイヤフ
ラム位置決め貫通孔4の軸線方向の鋼管内壁面に対応す
る空間は、それぞれ内ダイヤフラム2と阻止部材及び裏
当て金によって閉鎖されている。
【0036】(9)鋼管上側平坦面に穿設した内ダイヤ
フラム位置決め貫通孔4〔図3(a)参照〕のそれぞれ
から、電極ワイヤを送給してスラグ中を流れる電流の抵
抗熱により同ワイヤと母材(鋼管内壁と内ダイヤフラム
周面)とを溶融して、この溶融金属を前記空間に滞留
〔図3(b)参照〕させながら、同時、かつ均等に鋼管
1と内ダイヤフラム2の左右両側辺との間を、鋼管下側
平坦面に穿設した内ダイヤフラム位置決め貫通孔4を起
点として鋼管上側平坦面の内ダイヤフラム位置決め貫通
孔4の個所まで連続して、能率的に上進溶接する。
【0037】その際、内ダイヤフラム2の左右辺同時
に、かつ対称的に同容量の溶接を行うように工程を組
み、上記加工に基づき鋼管長手軸方向に生じがちな、溶
接歪の発生を防止する。以上のとおりであるから、鋼管
内壁と裏当て金または阻止部材との間に広い隙間がある
と、そこからエレクトロスラグ溶接の溶融金属が外部に
洩れだしなどして良好な溶接継手が得られないおそれが
ある。
【0038】(10)上記工程を終了した後、長手軸芯
の周りに鋼管を90°回転して、鋼管周面マーキング上の
残余の4個の第3マーキングbを中心にして、鋼管平坦
面に直角に、それぞれ25mmφの貫通孔を、前記溶接継手
及び阻止部材3を貫いて穿設した後、再び、上記(9)
項記載の工程を繰り返すことにより、鋼管1と内ダイヤ
フラム2とをエレクトロスラグ溶接して、結局、一枚の
内ダイヤフラムの全周面を既成の鋼管内径に溶着、取り
付ける工程を完了する。各内ダイヤフラム位置決め貫通
孔4の個所に生じた溶接余盛り部を削り落とすことによ
り、鋼管表面の成形を施す。
【0039】(11)したがって、鋼管内径に取り付け
る内ダイヤフラム2は、鋼管端面から、より離れた位置
に配置するものから順に取り付けることになる。
【0040】
【発明の効果】本発明工法は、以上述べたとおりである
から、 (1)従来工法のように、既成の長尺角形鋼管を周方向
に切断して取り付けることを要しないから、溶接工程の
ための時間、資材が掛からない。また、コラムの長手軸
方向に直角な曲げに対して、ウィークポイントがない。
コラムの剛性が、その長手軸方向に直角断面で、等方性
を有する。 (2)内ダイヤフラムを鋼管長手軸方向に正確に配置す
ることができ、また、同配置を正しく確認することがで
きる。
【0041】(3)内ダイヤフラムの溶接を、左右辺対
称で、略、同時に行うようにしいるため、それに基づく
鋼管の長手軸方向の大曲り溶接歪の発生が少ない。 (4)内ダイヤフラムの四周辺共、良好な溶接継手が得
られる。 (5)エレクトロスラグ溶接を用いているため、設備費
が極めて安価で、溶接コストも安い。結局、高品質で経
済的な仕口部を形成することができる。
【0042】(6)極肉厚材の溶接に適しているから、
極厚大径角形鋼管の仕口部の組立に有利である。 (7)内ダイヤフラムの厚みに関係なく、それぞれ板厚
に応じて優良な溶接継手が得られる。 (8)段取りさえ確実にすれば、一人で何個所の溶接加
工も管理することができ、省力化が可能である。 (9)内ダイヤフラム相互の間隔が狭くとも、それぞれ
完全な溶接ができる。等々、この種従来工法には、期待
することができない、格別の作用、効果を奏することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明工法を実施して構成する極厚大径角形鋼
管の仕口部の、直角断面略図である。
【図2】図1の要部を、一部切り欠いて示す拡大詳細図
である。
【図3】本発明工法を実施する鋼管周壁と内ダイヤフラ
ムとの突き合わせ溶接各部及び内ダイヤフラム位置決め
貫通孔の直角断面図である。
【図4】内ダイヤフラムの阻止部材部分の断面図であ
る。
【図5】本発明工法を実施して得られた仕口部を備えた
極厚大径角形鋼管を、その長手軸芯を含む平面で切断し
て示す前記鋼管断面図である。
【符号の説明】
1 極厚大径角形鋼管 2 内ダイヤフラム 3 阻止部材 4 内ダイヤフラム位置決め貫通孔 5 ノックピン 6 裏当て金。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)既成の角形鋼管端面から長手軸方
    向に測って内ダイヤフラム取付け位置を、外側全周に亘
    って、マーキングする。 (2)上記マーキングに沿って、角形鋼管の四隅コーナ
    ー外面から測って前記鋼管板厚と同一厚み分だけ平坦面
    側に入ったところ、それぞれ8か所にに第2のマーキン
    グをする。 (3)前記周方向のマーキングに沿い、第2のマーキン
    グを基準にして溶接所要間隔の略、1/2長さ分だけ平
    坦面側に入ったところに、それぞれ第3のマーキングを
    する。 (4)上記第3のマーキングを中心にして、20〜30mmφ
    程度の直径の内ダイヤフラム位置決め貫通孔を、鋼管の
    対応する各一平坦面につき2個宛、少なくとも4個、垂
    直方向に穿設する。 (5)前記角形鋼管断面内径よりも、それぞれ所定間隔
    だけ小径であり、対応する一対の辺の各コーナー部付近
    に、それぞれセンターガイド付き阻止部材を突設したダ
    イヤフラムで前記ダイヤフラムの全周両側面に、それぞ
    れ裏当て金を取付け、前記裏当て金の外径側を前記角形
    鋼管断面内径と略、同一とした内ダイヤフラムを、その
    平面が鋼管の長手軸に直交するような姿勢で、前記角形
    鋼管の内径に挿入する。その際、内ダイヤフラム周辺に
    突設した各阻止部材が、角形鋼管に穿設した前記位置決
    め貫通孔方向を遮ることがない関係を維持できるよう、
    前記ダイヤフラムの向きを調整して装着する。 (6)角形鋼管に設けた前記位置決め貫通孔位置に前記
    ダイヤフラムを略、合わせて配置したのち、上下、左右
    4つの同位置決め貫通孔に、それぞれ略、同径のノック
    ピンを挿入し、そのピン先端を前記ダイヤフラム周辺に
    設けた阻止部材のセンターガイドに係止させ、鋼管に対
    する内ダイヤフラムの組付け位置決めをする。 (7)角形鋼管端から鋼管内径側に溶接手段を挿入し、
    鋼管内壁と前記内ダイヤフラムの裏当て金とを適宜、仮
    付け溶接し、固着する。 (8)内ダイヤフラム位置決め貫通孔から前記ノックピ
    ンを外し、また、前記溶接手段を角形鋼管から抜き出
    す。 上記第(1)〜(8)項記載の工程よりなる極厚大径角
    形鋼管内ダイヤフラムの位置決め工法。
  2. 【請求項2】 (1)ノックピンを外した内ダイヤフラ
    ム位置決め貫通孔の向きが、それぞれ垂直になるよう角
    形鋼管を保持すると共に鋼管下側平坦面に明いた前記位
    置決め貫通孔を、それぞれフラックスなどの裏当て材を
    施して塞ぐ。 (2)角形鋼管上側平坦面に穿設した前記位置決め貫通
    孔から垂直方向に、それぞれ電極を挿入し、内ダイヤフ
    ラムの対応する2辺と鋼管内壁との間を、両側同時に裏
    当て材付近を始点とし順次、上側に向けてエレクトロス
    ラグ溶接する。 (3)溶接完了後、前記角形鋼管を長手方向中心軸の周
    りに90°回転し、前記残余の第3のマーキングを中心に
    して、それぞれ鋼管平坦面に対し略、垂直方向に鋼管材
    を穿孔すると共に、内ダイヤフラム周辺に突設した阻止
    部材を貫通して溶接用孔を設けたのち、鋼管下側平坦面
    に明けた前記溶接用孔をフラックスなどからなる裏当て
    材を、それぞれ施して閉塞し、鋼管上側平坦面に明けた
    溶接用孔に、それぞれ電極を挿入して、内ダイヤフラム
    の対応する2辺と鋼管内壁との間を両側同時に、裏当て
    材付近を始点とし順次、上側に向けてエレクトロスラグ
    溶接をする。 上記第(1)〜(3)項記載の工程よりなる請求項1記
    載の極厚大径角形鋼管内ダイヤフラムの溶接工法。
JP5250094A 1994-02-28 1994-02-28 極厚大径角形鋼管内ダイヤフラムの位置決め及び溶接工法 Pending JPH07238636A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116927423A (zh) * 2023-07-18 2023-10-24 中建钢构股份有限公司 一种基于热轧槽钢的箱型组合柱及制备工艺

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