JPH0723859U - シリンダ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】設置環境に応じて取付面を自在に変更すること
が可能なシリンダ装置を提供すること。 【構成】軸線方向に直交する取付面に対してシリンダ装
置１０を取り付ける場合には、ロッドカバー１６に画成
された軸線方向に沿って貫通する取付用孔部３２、３
４、３６、３８にボルト４２を挿入することにより該シ
リンダ装置１０を固定する。ヘッドカバー１８からロッ
ドカバー１６側に向かってボルト４２を挿入して固定す
る場合、シリンダチューブ１４の四隅角部が切り欠かれ
て凹部５６になっているため、該シリンダチューブ１４
の四隅角部が邪魔となることなく簡便に取付作業を行う
ことができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、シリンダ装置に関し、一層詳細には、ロッドカバーに画成された取 付用孔部を介して、ピストンロッドの軸線方向に沿った取付面または前記軸線方 向に直交する取付面に対して簡便に取り付けることが可能なシリンダ装置に関す る。

【０００２】

【従来の技術】

従来のシリンダの取付方法を大別すると次の３つに分類される。

【０００３】 第１は、いわゆるフート形といわれるものであり、シリンダチューブの長手方 向の両端部に一対の取付プレートが固着され、ピストンロッドと直交する方向か ら前記取付プレートにボルトを螺入することによりシリンダを固定する。

【０００４】 第２は、いわゆるフランジ形といわれるものであり、シリンダチューブのロッ ド側または前記ロッド側と反対方向のヘッド側に取付フランジを形成し、ピスト ンロッドの軸線方向に沿って前記取付フランジにボルトを螺入することによりシ リンダを固定する。

【０００５】 第３は、いわゆるピボット形といわれるものであり、シリンダチューブのヘッ ド側にピボットを形成し、前記ピボットに画成され、ピストンロッドの軸線方向 に直交するピン穴にピンを挿入することによりシリンダを固定する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来例に係るシリンダの取付方法では、各シリンダ毎に取付面 が特定されてしまい、一旦、取り付けたシリンダを、設置環境に応じて取付面を 自在に変更することができないという不都合がある。

【０００７】 本考案は、前記不都合を克服するためになされたものであって、設置環境に応 じて取付面を自在に変更することが可能なシリンダ装置を提供することを目的と する。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、本考案は、シリンダ本体に設けられた第１のポ ートと第２のポートに圧力流体を導入、導出することによりシリンダ室内でピス トンを往復動作させるシリンダ装置であって、 前記シリンダ本体は、一体的に連結されるロッドカバー、シリンダチューブお よびヘッドカバーとを含み、 前記ロッドカバーには、ピストンロッドの軸線方向に沿って貫通する複数の第 １の取付用孔部と、前記軸線方向に直交して貫通する複数の第２の取付用孔部と が画成され、 前記シリンダチューブの外周の四隅角部には、前記取付用孔部の軸線方向に沿 って切り欠かれた凹部が形成されることを特徴とする。

【０００９】 また、本考案は、第１取付用孔部または第２取付用孔部を介してシリンダ本体 を取り付ける際、該シリンダ本体を位置決めするための位置決め手段が設けられ ることを特徴とする。

【００１０】 さらに、本考案は、位置決め手段が、ピストンロッドの軸線方向に沿った取付 面に対してシリンダ本体を固定する際に使用され、ロッドカバーの少なくとも一 側面に画成される位置決め用孔部と、軸線方向に直交する取付面に対してシリン ダ本体を固定する際に使用され、軸線方向に沿ってロッドカバーから膨出する断 面略円形状の連結部とからなることを特徴とする。

【００１１】

【作用】

上記の本考案に係るシリンダ装置では、作業者が設置環境に応じて複数の取付 用孔部の中から所望の取付用孔部を選択して該シリンダ装置を取付面に固定する 。

【００１２】 すなわち、ピストンロッドの軸線方向に直交する取付面に対してシリンダ装置 を取り付ける場合には、ロッドカバーに画成された軸線方向に沿って貫通する第 １の取付用孔部にボルトを挿入することにより該シリンダ装置を固定する。その 際、軸線方向に沿ってロッドカバーから膨出する断面略円形状の連結部を取付面 に形成された位置決め用孔部に嵌挿することにより、シリンダ本体が位置決めさ れる。

【００１３】 ヘッドカバーからロッドカバー側に向かってボルトを挿入して固定する場合、 シリンダチューブの四隅角部が切り欠かれて凹部になっているため、該シリンダ チューブの四隅角部が邪魔となることなく簡便に取付作業を行うことができる。

【００１４】 一方、軸線方向に沿った取付面に対してシリンダ装置を取り付ける場合には、 ロッドカバーに画成された位置決め用孔部を介して、該ロッドカバーに画成され た軸線方向に直交して貫通する第２の取付用孔部にボルトを挿通することにより 該シリンダ装置を固定する。

【００１５】

【実施例】

次に、本考案に係るシリンダ装置について好適な実施例を挙げ、添付の図面を 参照しながら以下詳細に説明する。

【００１６】 図１は、本考案の実施例に係るシリンダ装置の斜視図であり、図２は、図１に 示すシリンダ装置の一部省略縦断面図であり、図３は、図１に示すシリンダ装置 の右側面図であり、図４は、図１に示すシリンダ装置の底面図である。

【００１７】 このシリンダ装置１０はシリンダ本体１２を有し、前記シリンダ本体１２は長 尺なシリンダチューブ１４と、前記シリンダチューブ１４の一端部に一体的に連 結され、略直方体状を呈するロッドカバー１６と、前記シリンダチューブ１４の 他端部に一体的に連結されるヘッドカバー１８とからなる。

【００１８】 前記ロッドカバー１６とヘッドカバー１８の上面には、図１に示すように、圧 力流体出入ポート２０、２２が画成される。また、前記ロッドカバー１６の全て の側面部には、相互に反対側の側面部まで貫通する複数の取付用孔部２４、２６ 、２８、３０、３２、３４、３６、３８が画成されている（図１並びに図３参照 ）。この取付用孔部２４、２６、２８、３０、３２、３４、３６、３８は、取付 面に応じて以下のように選択して使用される。

【００１９】 すなわち、後述するピストンロッド４０の軸線方向に沿った取付面に対してシ リンダ装置１０を固定する場合には、選択した取付用孔部２４、２６、２８、３ ０に対して軸線方向と略直交する方向からボルト４２を挿入して固定する。この 場合、ロッドカバー１６の外周を構成する各側面部に画成され、軸線方向に沿っ て画成された位置決め用孔部４４ａ、４４ｂに対して、取付面に形成された突起 部４５ａ、４５ｂを夫々係合させることにより、シリンダ装置１０を精度良く位 置決めして固定することができる（図２並びに図４参照）。

【００２０】 一方、ピストンロッド４０の軸線方向に略直交する方向の取付面に対してシリ ンダ装置１０を固定する場合には、ロッドカバー１６の四隅角部に近接して画成 された取付用孔部３２、３４、３６、３８にボルト４２を挿入して固定する。こ の場合、図１に示すように、ボルト４２をヘッドカバー１８側から、あるいはイ ンロウ４６側からのいずれの方向からも挿入することが可能である。なお、軸線 方向に沿ったロッドカバー１６並びにヘッドカバー１８の一側面部には、ニード ル弁調整用孔部４８、５０が画成されている。

【００２１】 シリンダチューブ１４並びにヘッドカバー１８の外周面には、一組のセンサ５ ２ａ、５２ｂを取り付けるための長溝５４が長手方向に沿って略平行に二条画成 されている。さらに、前記シリンダチューブ１４並びにヘッドカバー１８の四隅 角部には、その長手方向に沿って凹部５６が切り欠いて形成される（図１並びに 図３参照）。前記凹部５６は、図３に示すように、湾曲して形成することにより 、シリンダチューブ１４の一端部によって閉塞されることなく、ロッドカバー１ ６の側面部に画成された取付用孔部３２、３４、３６、３８を外部に露出させる ことができる。

【００２２】 前記シリンダ本体１２内に画成されたシリンダ室５８には、矢印ＸまたはＹ方 向に摺動変位するピストン６０と、該ピストン６０に連結されたピストンロッド ４０とが配設されている。前記ピストン６０に近接する部位には、略テーパ状に 縮径する一対のカラー６４、６６がピストンロッド４０に外嵌されている。ロッ ドカバー１６並びにヘッドカバー１８の内壁面には、夫々前記カラー６４、６６ に係合する環状のチェック弁６８、７０が設けられている。さらに、前記ピスト ン６０には、環状溝を介してリング状のシール部材７２並びに磁石７４が嵌着さ れている。ピストンロッド４０が外部に導出する部位には、連結部として機能し 断面略円形状のインロウ４６が膨出形成されている。

【００２３】 本実施例に係るシリンダ装置１０は、基本的には以上のように構成されるもの であり、次にその動作並びに作用効果について説明する。

【００２４】 先ず、取付用孔部２４、２６、２８、３０、３２、３４、３６、３８にボルト ４２を挿入することにより、設置環境に応じた所望の取付面に対してシリンダ装 置１０を固定する。この場合、作業者は、前記複数の取付用孔部２４、２６、２ ８、３０、３２、３４、３６、３８の中から、取付面に対応した取付用孔部を選 択することができる。

【００２５】 すなわち、ピストンロッド４０の軸線に沿って略平行な取付面に対しては、取 付用孔部２４、２６、２８、３０を選択し、位置決め用孔部４４ａ、４４ｂを介 して正確に取付面に固定される。一方、軸線に直交する取付面に対しては、取付 用孔部３２、３４、３６、３８を選択し、該取付用孔部３２、３４、３６、３８ にボルト４２を挿入してシリンダ装置１０を固定する。その際、軸線方向に沿っ てロッドカバー１６から膨出する断面略円形状のインロウ４６が、取付面に画成 された略円形状の位置決め用孔部（図示せず）に嵌挿されて精度良く位置決めさ れる。予め、前記位置決め用孔部とインロウ４６とを略同一の直径に形成してお くと好適である。

【００２６】 この場合、ピストンロッド４０の軸線に沿ってインロウ４６側からボルト４２ を挿入し、あるいはロッドカバー１８側からボルト４２を挿入してもよい。ボル ト４２をヘッドカバー１８側から挿入する場合、シリンダチューブ１４並びにヘ ッドカバー１８には湾曲する凹部５６が画成されているため、該シリンダチュー ブ１４並びにヘッドカバー１８の四隅角部が邪魔となることなく、簡便にボルト ４２を取付用孔部３２、３４、３６、３８に挿入することが可能となる。

【００２７】 このように、本実施例に係るシリンダ装置１０では、設置環境に応じて種々の 取付面に対応させることができるとともに、取付作業を簡便に行うことができる という顕著な効果を有する。

【００２８】 次に、取付作業が終了した後、図示しない圧力流体供給装置から一方の圧力流 体出入ポート２２を介してシリンダ装置１０に圧力流体を供給する。前記圧力流 体出入ポート２２から導入された圧力流体は、チェック弁７０を通過してシリン ダ室５８の一方の室に導入され、ピストン６０を矢印Ｘ方向に押圧する。この結 果、ピストン６０は、圧力流体による押圧作用下に移動行程の一方の終端へ移動 する。

【００２９】 前記とは反対方向（矢印Ｙ方向）にピストン６０を移動させる場合には、他方 の圧力流体ポート２０を介して圧力流体を導入することにより、ピストン６０を 矢印Ｙ方向に押圧することができる。

【００３０】 なお、本実施例に係るシリンダ装置１０では、センサ５２ａ、５２ｂを取り付 けるための長溝５４をシリンダチューブ１４並びにヘッドカバー１８の四側面に 二条設けて説明しているがこれに限定されるものではなく、シリンダチューブ１ ４並びにヘッドカバー１８の一以上の側面に一条以上あればよいことは勿論であ る。

【００３１】

【考案の効果】

本考案に係るシリンダ装置によれば、以下の効果が得られる。

【００３２】 すなわち、作業者は、複数の取付用孔部の中から所望の取付用孔部を選択する ことにより、シリンダ装置を設置環境に応じた取付面に対して自在に取り付ける ことができるとともに、シリンダ装置が一旦固定された取付面を簡便に変更する ことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係るシリンダ装置の斜視図で
ある。

【図２】図１に示すシリンダ装置の一部省略縦断面図で
ある。

【図３】図１に示すシリンダ装置の右側面図である。

【図４】図１に示すシリンダ装置の底面図である。

【符号の説明】

１０…シリンダ装置 １２…シリン
ダ本体 １４…シリンダチューブ １６…ロッド
カバー １８…ヘッドカバー ２０、２２…
圧力流体出入ポート ２４、２６、２８、３０、３２、３４、３６、３８…取
付用孔部 ４０…ピストンロッド ４２…ボルト ４４ａ、４４ｂ…位置決め用孔部 ４６…インロ
ウ ５６…凹部 ６０…ピスト
ン

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シリンダ本体に設けられた第１のポートと
   第２のポートに圧力流体を導入、導出することによりシ
   リンダ室内でピストンを往復動作させるシリンダ装置で
   あって、 前記シリンダ本体は、一体的に連結されるロッドカバ
   ー、シリンダチューブおよびヘッドカバーとを含み、 前記ロッドカバーには、ピストンロッドの軸線方向に沿
   って貫通する複数の第１の取付用孔部と、前記軸線方向
   に直交して貫通する複数の第２の取付用孔部とが画成さ
   れ、 前記シリンダチューブの外周の四隅角部には、前記取付
   用孔部の軸線方向に沿って切り欠かれた凹部が形成され
   ることを特徴とするシリンダ装置。
2. 【請求項２】請求項１記載の装置において、前記第１取
   付用孔部または第２取付用孔部を介してシリンダ本体を
   取り付ける際、該シリンダ本体を位置決めするための位
   置決め手段が設けられることを特徴とするシリンダ装
   置。
3. 【請求項３】請求項２記載の装置において、前記位置決
   め手段は、ピストンロッドの軸線方向に沿った取付面に
   対してシリンダ本体を固定する際に使用され、ロッドカ
   バーの少なくとも一側面に画成される位置決め用孔部
   と、軸線方向に直交する取付面に対してシリンダ本体を
   固定する際に使用され、軸線方向に沿ってロッドカバー
   から膨出する断面略円形状の連結部とからなることを特
   徴とするシリンダ装置。