JPH07238506A - 道路橋用フィンガージョイントの止水構造及びその施工方法 - Google Patents

道路橋用フィンガージョイントの止水構造及びその施工方法

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JPH07238506A
JPH07238506A JP3016694A JP3016694A JPH07238506A JP H07238506 A JPH07238506 A JP H07238506A JP 3016694 A JP3016694 A JP 3016694A JP 3016694 A JP3016694 A JP 3016694A JP H07238506 A JPH07238506 A JP H07238506A
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JP
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road bridge
finger
finger joint
holding member
gap
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JP3016694A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Nogawa
斉 野川
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 橋梁あるいは高架橋の裏側からの施工を可能
にし、フィンガージョイントの間隙の変化が生じてもシ
ール効果を十分に発揮させることが出来る道路橋用フィ
ンガージョイントの止水構造及びその施工方法を提供す
ることを目的とするものである。 【構成】 道路橋の継目間隙に、一対のフェースプレー
ト1a,1bのフィンガー部2a,2bを互いに係合さ
せた状態で水平に設置し、前記フィンガー部下方のフラ
ンジ4a,4b間に、継目間隙の間隔の変化に応じて容
積変化し得る緩衝材3を配設し、この緩衝材3の下方
に、フランジ部4a,4bに固定したシート状のシール
保持部材6を設け、前記緩衝材3とシール保持部材6と
の間の空間部Xに、充填手段10を介してシール材料W
を充填した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、道路橋用フィンガー
ジョイントの止水構造及びその施工方法に係わり、更に
詳しくは道路橋の上部構造接続部の伸縮装置(フィンガ
ージョイント)の一形式としての道路橋用フィンガージ
ョイントの止水構造の施工作業を道路橋の下方から実施
出来るようにして、路線の交通量が多くても、特に交通
規制を行うことなくフィンガージョイントの止水装置の
補修工事を行うことが出来るようにすると共に、シール
材がフェースプレートの間隙から路面上に噴出しないよ
うに施工出来る道路橋用フィンガージョイントの止水構
造及びその施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高速道路等の道路橋には、上部構
造の温度変化による膨張収縮や、荷重の積載による撓み
等による伸縮を吸収させるため、一定の距離間隔にフィ
ンガージョイントと呼称される伸縮装置が設けられてい
る。ところで、フィンガージョイントにおける降水の処
理方法としては、例えば、特開平5−214712号及
び図5に開示されているように、道路橋の継目間隙に、
一対のフェースプレート1a,1bの両側から突き出し
た櫛歯形のフィンガー部2a,2bを互いに噛み合わせ
た状態で水平に設置し、フィンガー部2a,2bの間隙
Qから浸入した降水は、庇および樋12でドレンパイプ
13に集め排水するのが、一般的な降水の処理方法であ
る。
【0003】しかし、この降水の処理方法は、場合によ
っては土砂が樋12に堆積したり、ドレンパイプ13を
詰まらせたり、樋12の老巧化を促進させたり、更には
橋梁部のメタルシューの錆を発生またはこれを促進させ
るために、好ましい処理方法ではない。これに対する一
つの処理方法として、フェースプレートの間隙部分をシ
ールして非排水化する方法が取られており、これは予め
2〜3層構造のシール材を積層させる方法である。
【0004】排水型の既存のものを非排水化する場合
は、バックアップのための発泡材をシール層の低面に充
填して置き、反応硬化型の可撓性シール材を充填する方
法であって、これは上面(路面)から施工するのが一般
である。
【0005】
【発明が解決しようとする問題点】しかし、路面からの
施工は、非排水化工事を予定している路線の交通量が著
しく多い場合、工事をするための通行規制により、交通
の渋滞を招くことが予測されるものである。また、上記
のようにバックアップのための発泡材をシール層の低面
に充填した構造のものでは、温度変化等に起因してフィ
ンガージョイントの間隙が変化し、それに伴って内部の
容積が変化した場合、容積変化の吸収を発泡材で行って
いる。
【0006】しかし、発泡材の吸収が不十分な場合に
は、弾性シール材が路面から噴出したり、千切れたりす
る場合があり、シール材料の不足から漏水の原因となる
問題があった。また、上記のような路面からの施工によ
る交通の渋滞を防止するため、路面下方から施工を行う
継目部用シール装置が提案されている(実公平4−17
607号公報)。
【0007】この継目部用シール装置は、フェースプレ
ートの継目間隙の下方に予め所定の形状に形成した弾性
ゴムからなるシール材を挿入し、その下部にウレタンフ
ォーム、ポリエチレンフォーム等の発泡樹脂から成るバ
ックアップ材及びこのバックアップ材を保持する保持体
を設けたものである。然しながら、この装置は上述した
ように、フィンガージョイントの間隙の変化を発泡樹脂
から成るバックアップ材により吸収させる構造であるた
め、必ずしも十分な吸収ができず、この場合にはシール
材を路面から噴出させたり、千切れたりする場合があ
り、またシール材,バックアップ材は、フェースプレー
トの端面に密着した構造になっていないので、フィンガ
ージョイントの間隙が変化した場合には、フェースプレ
ートの端面とシール材またはバックアップ材との間に間
隙が生じて漏水の原因となる問題があった。
【0008】即ち、フィンガージョイントの設けられた
間隙は、上部構造の膨張収縮、荷重の積載による撓み等
により、常にその幅は変化する。間隙の幅が変化すれ
ば、その内空の断面積も変化するから、そこに充填され
たシール材もそのまま容積が変化すれば、余った場合は
噴出しようとし、不足した場合はシール部分に空隙を生
ずる。これを繰り返すことにより、シール層が切れる恐
れもあるし、路面に噴出すれば、通行する車両の走行性
を阻害することとなり、上記のような問題が生ずるもの
である。
【0009】この発明は、かかる従来の課題に着目して
案出されたもので、橋梁あるいは高架橋の裏側からの施
工を可能にして、非排水化工事を予定している路線の交
通量が多くでも、交通の渋滞を招くことなくフィンガー
ジョイントの止水装置の施工や補修工事を容易に行うこ
とが出来、またフィンガージョイントの間隙の変化が生
じてもシール材の容積変化を少なくしてシール材がフェ
ースプレートの間隙から路面上に噴出したり、隙間を生
ずることなくシール効果を十分に発揮させることが出来
る道路橋用フィンガージョイントの止水構造及びその施
工方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するため、橋梁または高架橋の継目間隙に、一対のフ
ェースプレートをフィンガー部を互いに係合させた状態
で水平に設置し、前記フィンガー部下方のフェースプレ
ートに吊設したフランジ間に、前記継目間隙の間隔の変
化に応じて容積変化し得る緩衝材を配設し、この緩衝材
の下方に、所定の空間部を隔てて両端縁を前記フランジ
部または継目間隙を形成する上部構造端面に固定したシ
ート状のシール保持部材を設け、前記緩衝材とシール保
持部材との間の空間部に、充填手段を介して前記継目間
隙の間隔の変化に応じて断面形状が変化し得るシール材
料を充填したことを要旨とするものである。
【0011】また、前記シール保持部材の両端を固定す
る上部構造物の端部間距離をSとし、円弧を描くシール
保持部材の長さをLとした場合、前記端部間距離Sを以
下の範囲に設定するものである。 0.65L≦S≦0.95L 前記シール材料の断面を、矩形と半円弧状との組合せで
構成し、両者の容積変化によりフィンガージョイントの
間隙の変化を吸収すると共に相殺し、容積変化を著しく
少なくしたことを要旨とするものである。
【0012】更に、前記シール材料は、施工前は液体ま
たは粘性体であり、施工後に常温で硬化する材料を使用
する。また、シール保持部材の両端縁をフランジ部の端
部に固定する手段は、フェースプレートに吊設されたフ
ランジ部に、固定手段を介して直接またはフランジ部に
設けた取付け部材に取り付けるもので、前記シール材料
の充填手段は、シール保持部材の両端縁を取り付ける固
定手段に注入穴を形成するものである。
【0013】前記シール保持部材が繊維で補強された可
撓性を有するゴム状弾性体から成り、前記緩衝材は独立
発泡の発泡材で構成するものである。
【0014】
【発明の作用】この発明は上記のように構成され、道路
橋の継目間隙に、一対のフェースプレートをフィンガー
部を互いに噛み合わせて水平に設置し、次いで一対のフ
ェースプレートのフィンガー部下方の空間部に、予め所
定形状に形成した緩衝材を挿入する。そして、前記緩衝
材下方のフランジ部に、前記緩衝材と所定の空間部を隔
ててシート状のシール保持部材の両端を固定し、前記空
間部に、充填手段からシール材料を注入充填させると共
に、緩衝材を押し上げて一対のフェースプレートのフィ
ンガー部の下面側に押圧させ、この状態で空間部に注入
充填させたシール材料を硬化させるものである。
【0015】以上のような施工方法は、道路橋の下方か
ら行うもので、交通量の多い路線でも交通規制や交通渋
滞を招くことなく工事を行うことが出来る。また、フィ
ンガージョイントの間隙の変化が生じても矩形断面と半
円弧状断面との組合せで構成したシール材料の形状変化
は、緩衝材とシール保持部材との体積及び形状変化によ
り容易に吸収すると共に相殺し、シール材料が路面上に
突出したり、空隙を生じさせることなく、更にシール性
を確実に担保することが出来るものである。
【0016】前記シール材料としては、液状のものから
可撓性のゼリー状に現場で硬化するものの他に、予め成
形しておいた伸縮性のある固形のものを使用することも
考えられる。しかし、接着剤やコーキング材を併用する
としても、フィンガージョイント(伸縮装置)の既存部
分とシール材料との現場での接合に不安が残るので、原
則的に反応硬化型の可撓性シール材を使用する。液状の
充填剤を使用する場合は、降水が透過する可能性のある
間隙が在った場合に、先に充填剤がそこへ浸透するか
ら、シール効果の確実性は数段良くなるものである。
【0017】
【発明の実施例】以下、添付図面に基づき、この発明の
実施例を説明する。なお、従来例と同一構成要素は、同
一符号を付して説明は省略する。図1は、この発明を実
施した道路橋用フィンガージョイントの一部拡大縦断正
面図を示し、このフィンガージョイントは、道路橋の道
路幅方向に形成された継目間隙に、一対のフェースプレ
ート1a,1bの一端から突き出した櫛歯形のフィンガ
ー部2a,2bを互いに噛み合わせた状態で水平に設置
してある。
【0018】前記フェースプレート1a,1bのフィン
ガー部2a,2bの下方には、継目間隙の間隔の変化に
応じて容積変化し得る板状の緩衝材3を配設してあり、
この緩衝材3の材質としては、クロロプレンゴム系の独
立発泡の発泡材(フォーム)を使用し、前記一対のフェ
ースプレート1a,1bの一端下面から吊設されたフラ
ンジ部4a,4b間の隙間Hに嵌合し、かつフィンガー
部2a,2bの下面に密着するようにな形状に予め形成
してある。フランジ部4a,4bの裏面側とフェースプ
レート1a,1bの下面との間には、コンクリートGが
埋設されている。
【0019】前記一対のフェースプレート1a,1bか
ら吊設されたフランジ部4a,4bの相対向する位置に
は、道路幅方向に沿って平行で、かつ前記緩衝材3と所
定の間隔Haを隔てて断面L字状の取付け部材5a,5
bが溶接等により固定してあり、この取付け部材5a,
5bには、ナイロン等の平織布にクロロプレンゴムを被
覆した厚さ2mm程度のシート状のシール保持部材6の両
端が、固定金具7及びボルト8a,8b等の固定手段9
a,9bを介して略半円弧状にして取付けてある。
【0020】なお、シート状のシール保持部材6の両端
は、上記のように固定金具7を取付ける他、フランジ部
4a,4bに直接取付けたり、または継目間隙を形成す
る上部構造端面に取付けることも可能である。前記断面
L字状の取付け部材5a,5bは、L形鋼等を使用し、
その面に孔をあけておき、その孔の周囲をすみ肉溶接
(プラグ溶接)とする。これにより、溶接による歪みが
発生したとしても、L形鋼が浮き上がることを防止出来
る。
【0021】また溶接であるので、フィンガージョイン
ト本体のフィンガー部2a,2bや非排水装置の部品に
錆が発生したり、止水構造に外力が加わったとしても、
容易に脱落することが無い。前記シート状のシール保持
部材6は、強度・柔軟性・耐久性を考慮して、上記のよ
うにナイロン製の平織布にクロロプレンゴムを被覆した
シートを使用する。このシート状のシール保持部材6の
特長としては、ナイロン・クロロプレンゴムを素材とし
ているので、耐候性・耐久性に優れており、また柔軟性
に富んでいるので、現場での作業に特別の注意を必要と
せず、品質管理が容易であり、更に寸法が自由に選べる
ので、現場での接合不良がない等が考えられる。
【0022】前記固定手段9aには、前記シール保持部
材6と緩衝材3との間に区画形成される空間部Xにシー
ル材料Wを注入充填する充填手段10が設けてあり、こ
の充填手段としては、前記ボルト8aの中心部にシール
保持部材6の外部と空間部Xとが連通する注入穴11が
形成してある。前記シール材料Wとしては、施工前は液
体または粘性体であり、施工後に常温で硬化する材料、
例えば、ウレタン樹脂やエポキシ樹脂を基材とした材料
等の反応硬化型の可撓性シール材を使用するものであ
る。
【0023】前記シール保持部材6と緩衝材3との間に
区画形成される空間部Xに充填されるシール材料Wの断
面形状は、緩衝材3と取付け部材5a,5bの上面との
間に形成される矩形断面と、シール保持部材6で保持さ
れる半円弧状断面との組合せで構成され、フィンガージ
ョイントの間隙の変化を、シール材料Wの体積変化によ
り吸収すると共に相殺して、両方の断面容積変化を極め
て小さくなるようにしている。即ち、矩形の断面と円弧
断面との組み合わせにより、容積の変化を相殺し1/3
以下に減少させ、残りの容積の変化は、緩衝材を非排水
装置の内部に内在させることにより吸収・緩衝させるこ
とが可能となる。
【0024】次に、フィンガージョイントの間隙が変化
した場合に、この発明におけるシール材料Wの矩形断面
と、半円弧状の断面とで容積変化により吸収させる原理
を説明する。 (a).容積の変化を吸収する断面。 伸縮装置(フィンガージョイント)の両側のフランジ部
4a,4bに挟まれた空間部Xは、矩形の断面であり、
高さの変化がなければ、幅の変化に比例して容積も変化
する。従って、矩形の断面の容積の変化は、図2に示す
ように直線である。基準の幅が、例えば220mmとして
幅の伸縮量が±15mmとすると、プラスマイナスを合わ
せて約30%の容積の変化がある。
【0025】矩形断面の空間部Xにそのままの状態でシ
ール材料Wを充填すれば、空間部Xの幅が狭くなった時
に、シール材料Wがフィンガー部2a,2bの噛み合い
部hから溢れ出るのは避けられない。シール材料Wの層
の高さを薄くすれば、溢れ出る絶対量を少なくすること
は出来るが、あまり薄くするとシール材料Wのシール効
果に不安が出てくる。施工上の誤差も考慮すると5cm程
度、最低でも3cmは必要である。
【0026】これに対して、両端をフィンガージョイン
トのフランジに固定した幅の一定の膜を想定し、その固
定した端の間隔を変化させるとする。間隔を0にしてそ
の中に十分な量のシール材料Wを充填すると、その断面
は円形となる。固定した端の間隔を徐々に広げていく
と、断面は一部が欠けた円形から、半円形となり、更に
皿形となり、最後に平滑な面となる。
【0027】その時の容積の変化は、図3に示すよう
に、始めは徐々に増えていき、半円形を過ぎた当たりで
ピークとなり、その後は反対に減っていき、やがては0
になるものである。この後半の部分の勾配は、上記の矩
形の断面の容積の変化(図2)とは反対になるので、円
弧を描く膜の長さ(L)、固定する端部の間隔(s)、
矩形部分の高さ(t)を調整することにより、両者の容
積の変化を相殺することが出来る(図3参照)。 (b).シール保持部材6の両端を固定するフランジ部
4a,4bの端部間距離(スパンS)。
【0028】図3は、シール保持部材の弧長一定の円弧
の端部間距離に伴う容積の変化を示すもので、円弧の内
の容積は曲線を描いて変化する。これに対して、図2に
示す矩形の断面の容積の変化は直線であるので、両者の
変化のし方を近づけるには、円弧全体が大きいほど有利
となり、部分を見れば直線に近くなる。そのために、シ
ール保持部材を固定する間隔は出来るだけ広く取りた
い。しかし、あまり大きな円弧にすると容積が大きくな
り、大量のシール材を必要とするので不経済になる問題
がある。
【0029】そこで、この発明では、シール保持部材6
の両端を固定するフランジ部4a,4bの端部間距離を
Sとし、円弧を描くシール保持部材6の長さをLとした
場合、前記端部間距離Sを以下の範囲に設定するもので
ある。 0.65L≦S≦0.95L なお、0.65L未満の場合には、矩形部分と円弧部分
との容積変化の相殺効果が薄く、また0.95L超の場
合には、円弧部分の容積の変化が急激になり好ましくな
い。 (c).矩形断面の高さ(t)。 図4は、シール材料Wの矩形断面と半円弧状の断面との
組合せによる容積変化を表したもので、矩形部分の断面
の変化の比率は、その高さに関係なく一定であるから、
高さを調整することにより、変化する量を調整すること
が出来る。
【0030】半円弧状のスパンSは、フィンガージョイ
ント本体の寸法に制約されるので、それに組み合わせる
矩形断面部分の高さ(t)を調整して、容積の変化の最
も少ない両者の釣り合いを選択する。図4では、「t=
0」が円弧のみの反対勾配の直線に近い部分の拡大であ
り、「補正装置無し」が矩形部分のみの容積の変化であ
る。「t=20」「t=40」「t=60」が組み合わ
せた場合の容積の変化である。伸縮量±10程度の範囲
では、「t=20」と「t=40」との中間が容積の変
化が少なく見える。伸縮量の範囲を±20程度に広げる
と、「t=40」位が容積の変化を4%程度に抑えられ
る。
【0031】次に、上記フィンガージョイントの止水構
造の施工方法について説明する。まず、道路橋の継目間
隙に、一対のフェースプレート1a,1bをそのフィン
ガー部2a,2bを互いに噛み合わせて水平に設置す
る。次いで、フィンガー部2a,2bの下方のフランジ
部4a,4b間に、予め所定形状に形成した独立発泡の
発泡材から成る緩衝材3を前記フィンガー部4a,4b
の下面まで道路橋下方から挿入して、接着剤等により仮
止めする。
【0032】そして、前記緩衝材3の下方のフランジ部
4a,4bに取付けた取付け部材5a,5bに、緩衝材
3と所定の空間部Xを隔ててシート状のシール保持部材
6の両端を固定金具7及びボルト8a,8b等の固定手
段9a,9bを介して略半円弧状にして取付ける。この
状態から、固定手段9aのボルト8aに形成した注入穴
11から前記空間部Xに、シール材料Wを注入充填させ
ると共に、緩衝材3を浮上させてフィンガー部4a,4
bの下面側に押圧させると共に密着させる。
【0033】前記空間部Xに注入されたシール材料W
は、フランジ部4a,4bの側面及びフランジ部4a,
4bと取付け部材5a,5bとの微小な間隙に侵入し、
この状態でシール材料Wを硬化させる。このような止水
構造の製造施工は、全て道路橋の下方から行うもので、
従って、交通量の多い路線でも交通規制や交通渋滞を招
くことなく容易に工事を行うことが出来る。
【0034】また、シール材料Wの断面形状は、矩形断
面と半円弧状の断面とを組合せた形状となっているの
で、フィンガージョイントの間隙の変化が生じても、上
述したような原理により、シール材料Wの体積変化によ
り容易に吸収すると共に相殺し、シール材料が路面上に
突出したり、空隙を生じさせることなく、シール性を確
実に担保することが出来るものである。また残った容積
の変化はフェースプレート1a,1bの下側に設置する
緩衝材で吸収される。
【0035】なお、既設のフィンガージョイントについ
て補修工事を施工する場合には、一対のフェースプレー
ト1a,1bの下方に設けられたフィンガージョイント
本体以外の部材を取り除いた後に施工を実施するもので
ある。
【0036】
【発明の効果】この発明は、上記のように橋梁または高
架橋の継目間隙に、一対のフェースプレートをフィンガ
ー部を互いに係合させた状態で水平に設置し、前記フィ
ンガー部下方のフェースプレートに吊設したフランジ間
に、前記継目間隙の間隔の変化に応じて容積変化し得る
緩衝材を配設し、この緩衝材の下方に、所定の空間部を
隔てて両端縁を前記フランジ部または継目間隙を形成す
る上部構造端面に固定したシート状のシール保持部材を
設け、前記緩衝材とシール保持部材との間の空間部に、
充填手段を介して前記継目間隙の間隔の変化に応じて断
面形状が変化し得るシール材料を充填したので、以下の
ような優れた効果を奏するものである。 (a).フィンガージョイントの間隙の変化が生じて
も、シール材料の体積変化により容易に吸収すると共に
相殺し、シール材料が路面上に突出したり、空隙を生じ
させることなく、また、緩衝材とシール材料とシート状
のシール保持部材との3層の防水層で構成するので、シ
ール効果を確実に行うことが出来る。 (b).耐候性に優れた材料を使用しているので、経年
による劣化の進行が遅く、耐久性を向上させることが出
来る。 (c).接合部の要所は、溶接接合とボルト締め接合で
あるので、剥離・脱落の心配がない。 (d).可撓性シール材料部分の容積の調整を、発泡材
(スポンジ)等の可縮性・回復力によらず、構造的に処
理しているので、強制的であり、容積の調整が確実であ
る。
【0037】また、止水構造の施工工事は、全て道路橋
の下方から行うので、以下のような優れた効果を奏する
ものである。 (e).交通量の多い路線でも交通規制や交通渋滞を招
くことなく容易に工事を行うことが出来る。 (f).容積変化の調整を発泡材等の復元力にたよら
ず、機械的に調整するので、調整機能の持続性が高く、
耐久性を伸ばすことが出来る。 (g).既成形品、緩衝材,L形鋼等の取付け部材,ク
ロロプレンゴム被覆ナイロンシート等のシール保持部材
を設置した後、可撓性のシール材料を充填して施工する
ので、非排水装置の内部に空隙や間隙が残ることは無
く、緊密なシールとなる。 (h).特別の技術を必要とする工程が無いので、施工
の良否による防水の効果の良不良のばらつきが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した道路橋用フィンガージョイ
ントの縦断正面図である。
【図2】フィンガージョイント内の矩形断面の容積変化
率を示すグラフ説明図である。
【図3】フィンガージョイント内の弧長一定のスパンに
伴う容積変化率を示すグラフ説明図である。
【図4】フィンガージョイント内の矩形断面と半円弧状
断面との組合せによる容積変化率を示すグラフ説明図で
ある。
【図5】従来の道路橋用フィンガージョイントの一部切
欠した斜視図である。
【符号の説明】
1a,1b フェースプレート 2a,2b フィ
ンガー部 3 緩衝材 4a,4b フランジ部 5a,5b 取付け部材 6 シール
保持部材 7 固定金具 8a,8b ボルト 9a,9b 固定手段 10 充填
手段 11 注入穴 X 空間部 W シール材料

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋梁または高架橋の継目間隙に、一対の
    フェースプレートをフィンガー部を互いに係合させた状
    態で水平に設置し、前記フィンガー部下方のフェースプ
    レートに吊設したフランジ間に、前記継目間隙の間隔の
    変化に応じて容積変化し得る緩衝材を配設し、この緩衝
    材の下方に、所定の空間部を隔てて両端縁を前記フラン
    ジ部または継目間隙を形成する上部構造端面に固定した
    シート状のシール保持部材を設け、前記緩衝材とシール
    保持部材との間の空間部に、充填手段を介して前記継目
    間隙の間隔の変化に応じて断面形状が変化し得るシール
    材料を充填したことを特徴とする道路橋用フィンガージ
    ョイントの止水構造。
  2. 【請求項2】 前記シール保持部材の両端を固定するフ
    ランジ部の端部間距離をSとし、円弧を描くシール保持
    部材の長さをLとした場合、前記端部間距離Sを以下の
    範囲に設定した請求項1に記載の道路橋用フィンガージ
    ョイントの止水構造。 0.65L≦S≦0.95L
  3. 【請求項3】 前記シール材料の断面を、矩形断面と半
    円弧状断面との組合せで構成した請求項1または請求項
    2に記載の道路橋用フィンガージョイントの止水構造。
  4. 【請求項4】 前記シール材料は、施工前は液体または
    粘性体であり、施工後に常温で硬化する材料を使用する
    請求項1ないし請求項3に記載の道路橋用フィンガージ
    ョイントの止水構造。
  5. 【請求項5】 シール保持部材の両端縁をフランジ部の
    端部に固定する手段は、フェースプレートに吊設された
    フランジ部に、固定手段を介して直接またはフランジ部
    に設けた取付け部材に取り付ける請求項1ないし請求項
    4に記載の道路橋用フィンガージョイントの止水構造。
  6. 【請求項6】 前記シール材料を下方から充填できるよ
    うに注入穴を形成した請求項1なしい請求項5に記載の
    道路橋用フィンガージョイントの止水構造。
  7. 【請求項7】 前記注入穴がシール保持部材の両端縁を
    取付ける固定手段に形成した請求項1なしい請求項6に
    記載の道路橋用フィンガージョイントの止水構造。
  8. 【請求項8】 前記シール保持部材が繊維で補強された
    可撓性を有するゴム状弾性体から成る請求項1ないし請
    求項7に記載の道路橋用フィンガージョイントの止水構
    造。
  9. 【請求項9】 前記緩衝材が独立発泡の発泡材から成る
    請求項1ないし請求項8に記載の道路橋用フィンガージ
    ョイントの止水構造。
  10. 【請求項10】 以下の各工程から成ることを特徴とす
    る道路橋用フィンガージョイントの止水構造の施工方
    法。 (a).道路橋の継目間隙に、一対のフェースプレート
    のフィンガー部を互いに噛み合わせて水平に設置する工
    程、(b).フィンガー部下方のフランジ部間に、予め
    所定形状に形成した緩衝材を前記フィンガー部下面まで
    道路橋下方から挿入する工程、(c).前記緩衝材下方
    のフランジ部に、前記緩衝材と所定の空間部を隔ててシ
    ート状のシール保持部材の両端を固定する工程、
    (d).前記空間部に、充填手段からシール材料を注入
    充填させると共に、シール材料の注入圧により緩衝材を
    フィンガー部の下面側に押圧させる工程、(e).空間
    部に注入充填させたシール材料を硬化させる工程。
  11. 【請求項11】 道路橋用フィンガージョイントの止水
    構造の製造施工を、道路橋の下方から行う請求項10に
    記載の道路橋用フィンガージョイントの止水構造の施工
    方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013256797A (ja) * 2012-06-12 2013-12-26 Sumitomo Denko Steel Wire Kk 緊張材の定着構造体
CN109972505A (zh) * 2019-04-30 2019-07-05 东北大学 一种公路桥梁伸缩缝装置

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